JP6154029B2 - 睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤 - Google Patents

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Description

本発明は、睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤に関する。
現代社会では不眠に関する悩みを持つ人々が年々増加している。不眠の原因には様々な生理的要因及び心理的要因が考えられる。最近の増加傾向の原因となっているのは、心理的要因による不眠であるといわれている。不眠の原因の例としては、ストレス社会の中で、様々な悩み事や心配事による、自律神経のバランス回復力低下が挙げられる。
このことから、心理的なストレスが高まっている現在の社会環境においては、優れた睡眠効果を有し、さらに鎮静効果を有する組成物が求められている。
また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がある。通常の睡眠の構成は、脳の休息期であるノンレム睡眠と、体の休息期であるレム睡眠が組み合わされており、健康な成人は一晩のうちに、この繰り返しを数回行い、朝の覚醒にいたることが知られている。良好な睡眠は、脳の休息状態であるノンレム睡眠が入眠直後に集中し、かつその時間が長い。しかし、不眠を訴える人の多くは眠りが浅く、脳波による睡眠の測定では、睡眠に満足している人に比べてノンレム睡眠時間が短くなっていることがわかっている。
このような不眠に悩む人の睡眠改善に関わる技術として、天然成分の効果が広く知られている。ヒノキやヒバなどの針葉樹に含まれる香気成分の1つであるセドロールは、総睡眠時間の延長、入眠潜時の短縮、及び睡眠効率の上昇に関する効果が認められている(特許文献1)。
αリポ酸は、生体内に含まれ、糖の代謝及びTCAサイクルに作用する補酵素の一種である。αリポ酸は、抗酸化作用を有することが知られている(特許文献2)。
国際公開公報第01/058435号パンフレット 特開2011−63606号公報
しかし、現在までのところ、αリポ酸がノンレム睡眠時間を増加させ、睡眠の質を向上させる点については知られていない。
睡眠改善としては、ただ睡眠時間を増加させるのではなく、熟眠感が求められている。熟眠感は、ノンレム睡眠時間の増加や、入眠潜時の短縮、中途覚醒の抑制などの睡眠時の鎮静、により得られると考えられている。睡眠改善効果としてノンレム睡眠時間を増加させる効果を有する組成物は、未だかつて得られていないのが現状である。
以上のように、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤の開発が望まれている。
本発明は、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の態様を含む
[1]αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有する睡眠改善剤。
]亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、[]に記載の睡眠改善剤。
]αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有するノンレム睡眠時間増加剤。
]亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、[]に記載のノンレム睡眠時間増加剤。
[5]αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有する鎮静剤。
]亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、[]に記載の鎮静剤。
本発明によれば、熟眠感が得られる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤が提供できる。
実施例1、2及び比較例1による、サンプル投与後12時間にわたる1時間ごとのマウスの行動量を比較したグラフである。 実施例1、2及び比較例1による、サンプル投与後6時間にわたるマウスの累積行動量を比較したグラフである。 実施例3及び比較例2による、サンプル投与後12時間にわたる1時間ごとのマウスのノンレム睡眠時間を比較したグラフである。 実施例3及び比較例2による、サンプル投与後6時間にわたるマウスのノンレム睡眠時間の換算時間を比較したグラフである。
本発明にかかる睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤及び鎮静剤について以下説明する。
一般に睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されており、眠りについてから約3時間の間に、深くぐっすりと眠っている状態であるノンレム睡眠が集中する。睡眠障害の1つは、この深いノンレム睡眠が無くなる、あるいは短くなることが原因で起こり、その結果、睡眠の質が低下する。また、不眠症の場合、入眠潜時(眠りに就くまでの時間)が長いことや中途覚醒(睡眠中に眠りが浅くなり目が覚めること)が頻繁に起こることもあり、この場合も同様に睡眠の質が低下する。
本発明に係る睡眠改善剤、ノンレム睡眠時間増加剤又は鎮静剤を用いると、ノンレム睡眠時間を増加させることができ、また、入眠潜時の短縮、中途覚醒の抑制、及び良好な覚醒を実現できる。これにより、熟眠感が得られ、起床時の覚醒も良くなり、結果として睡眠の質を向上することができる。
「睡眠改善」とは、高い熟眠感が得られることを意味し、ノンレム睡眠時間の増加及び睡眠時鎮静のうち少なくとも1つの効果を包含する。「鎮静」とは、睡眠時の鎮静のことであり、入眠潜時の短縮、中途覚醒の抑制、及び良好な覚醒のうち少なくとも1つの効果を包含する。「熟眠感」とは、充実した眠りがとれた(熟睡した)と感じることをいう。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の睡眠改善剤は、αリポ酸を有効成分として含有する。
αリポ酸は、以下に示す構造を有する化学式C14(分子量206.3)で表される化合物である。
Figure 0006154029
αリポ酸は、光学活性を示す化合物である。本発明におけるαリポ酸は、R,S−(+/−)−α−リポ酸、R−(+)−α−リポ酸、S−(−)−α−リポ酸のいずれであってもよく、酸の形態であってもよく、塩の形態であってもよい。
αリポ酸は、一般的に用いられている合成物及び天然物成分由来の抽出物、並び市販品を用いることができる。αリポ酸としては、そのまま粉体として用いても良く、乳化剤と共存させて水溶液中に分散させた形態でもよい。
また、αリポ酸はシクロデキストリンの包接体として使用することもできる。これにより、他の抗酸化物質との接触による反応を防止し、経時安定性を改善することができる。
本発明の睡眠改善剤において、ヒトを含む哺乳類に対するαリポ酸の使用量としては、睡眠改善効果に有効な量であればよい。例えば、1日あたり、1mg〜1000mgが好ましく、より好ましくは2mg〜300mgであり、さらに好ましくは3mg〜100mgである。
本発明の睡眠改善剤は、更に亜鉛を含むことができる。亜鉛は、αリポ酸と組み合わせることでノンレム睡眠時間を飛躍的に増加させる効果を有するため、睡眠改善剤に亜鉛を配合させることが好ましい。
亜鉛は、睡眠改善剤中に単体として存在していてもよく、タンパク質などと結合した状態として存在していてもよく、グルコン酸亜鉛として配合しイオンの状態で存在していてもよく、酵母に取り込まれている形態(亜鉛酵母)であってもよい。
「亜鉛酵母」とは、亜鉛を高濃度に添加した培地で酵母を培養することにより、菌体内に亜鉛を吸収させた酵母のことを指す。亜鉛酵母は、亜鉛を添加した培地で酵母を培養し、集菌した後、濃縮・殺菌・乾燥などの工程を経て得られる。また、酵母は、市販されているものを用いることができる。市販されている酵母としては、Saccharomyces(サッカロミセス)属、Mycotorula(ミコトルラ)属、Torulopsis(トルロプシス)属など、パン酵母、ビール酵母、ぶどう酒酵母、清酒酵母、アルコール酵母、味噌醤油酵母などの食用酵母などを挙げることができる。
このような亜鉛酵母は、亜鉛が酵母の菌体内に取り込まれているため、金属味を感じること無く摂取できるため好ましい。さらに、亜鉛酵母は、酵母菌体内にミネラルを取り込ませることにより、ミネラルがタンパク質と結合して有機体となっているため、ヒトを含む哺乳類に亜鉛酵母を適用した場合、体内での吸収が無機亜鉛と比べて向上する。
ヒトを含む哺乳類に対する亜鉛の使用量としては、睡眠改善効果に有効な量であればよい。例えば、亜鉛量として、1日あたり1mg〜300mgが好ましく、より好ましくは2mg〜100mgであり、更に好ましくは3mg〜50mgである。
また、亜鉛酵母の形態で亜鉛を配合する場合には、ヒトを含む哺乳類に対する使用量としては、例えば、亜鉛酵母の質量として、1日あたり5mg〜6000mgが好ましく、より好ましくは20mg〜2000mgであり、更に好ましくは25mg〜300mgである。
本発明において、αリポ酸と亜鉛との質量比は、睡眠改善効果の観点から、1:50〜50:1が好ましく、より好ましくは1:30〜30:1である。なお、この場合の亜鉛の質量は、その形態に関わらず、亜鉛としての質量を意味する。
本発明の睡眠改善剤は、食品及び医薬品に適用することが好ましい。ここで食品としては、飲料、菓子、あるいは、おにぎり、サンドイッチ、スープ、カップ麺、雑炊などの加工食品など、医薬品としては、栄養ドリンク、滋養強壮剤などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の睡眠改善剤には、食品又は医薬品に添加可能な任意の成分を、さらに添加することができる。
溶液状とする場合に好ましく用いられる担体としては、水などの水性媒体を挙げることができる。固形状にするために好ましく用いられる添加成分としては、結晶セルロースやステアリン酸マグネシウムのような賦形剤;コーンスターチやアルギン酸のような膨化剤;を用いることができる。
さらに食品又は医薬品に添加可能な任意の成分として、低吸湿原料及び吸湿剤を用いることができる。好ましくは低吸湿性原料としてセルロース、粉末セルロース、微結晶セルロース、乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、トレハロース、ステアリン酸カルシウムなどが用いられる。吸湿剤としてはケイ酸塩、炭酸マグネシウム、フェロシアン化物、多糖類などが用いられる。より好ましくは低吸湿性原料として結晶セルロース、微結晶セルロース、乳糖が用いられる。また、粉末、固形剤又は液剤に成型するのに必要な化合物として、エリスリトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルクなどが挙げられる。
本発明の睡眠改善剤は、投与形態は特に制限されず、経口又は非経口で投与することができる。経口用の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル製剤、顆粒、細粒などの固形服用形態、シロップ及び懸濁液などの液体服用形態で服用することができる。非経口用の剤形としては、注射剤、点眼剤、貼付剤、軟膏剤、坐剤の形態で投与することができる。本発明の睡眠改善剤の投与形態としては、経口服用が好ましく、服用が容易であるという観点から、カプセル製剤での固形服用形態が好ましい。
本発明の睡眠改善剤をカプセル製剤とする場合、硬カプセル、軟カプセル、マイクロカプセル、シームレスカプセルなどの形態が挙げられる。カプセルの皮膜は、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーのうち、一種又は二種以上によって構成されていることが好ましい。これらのカプセル皮膜は周知慣用の方法で調製することができる。ここで、「豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーで構成されている」とは、カプセル皮膜全体質量に対して、豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーの総量が30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上であるものを意味する。なお、本発明の効果を損なわない限り、牛皮ゼラチンなどの他の材料をカプセル皮膜に含んでもよい。
天然親水性ポリマーは、天然の動植物などを由来として精製又は合成して得られる親水性ポリマー又はその加工ポリマーであって、アルギン酸又はその塩、寒天ゴム、グアーゴム、イナゴマメゴム、タラゴム、ガッティゴム、カーヤグランディフォリアゴム、トラガントゴム、カラヤゴム、ペクチン、アラビアゴム、キサンタンゴム、ジェランゴム、デンプン、コンニャクマンナン、ガラクトマンナン、フノラン、アセタンゴム、ウエラン、ラムサン、フルセラン、スクシノグリカン、スクレノグリカン、スキゾフィラン、タマリンドゴム、カードラン、カラギナン、プルラン又はデキストランから選ばれる少なくとも一種などが例示できる。これらは二種以上を組み合わせて用いてもよく、上記した豚皮ゼラチンなどと組み合わせることもできる。これらの親水性ポリマーは天然物を加工したものであってもよい。なかでも特に好ましくは、プルラン、カラギナン、デキストランであり、特に好ましくはカラギナンである。
豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、豚皮や豚骨や魚を原料として得られる蛋白質を温水抽出した蛋白質をいう。豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチンは、例えば、豚皮や、豚骨、スズキ目、鱈、鮪、深海魚などを、酸又はアルカリで処理した後に、水中で加温して抽出を行い、イオン交換処理工程を経て精製することができる。
豚皮ゼラチン、豚骨ゼラチン、魚ゼラチン又は天然親水性ポリマーは、酵素処理などによって低分子化することができ平均分子量を適宜選択することができるが、平均分子量は通常1万〜500万、好ましくは1万〜250万、より好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは1万〜50万程度である。
カプセル製剤に用いるカプセル皮膜には、上記した特定の動植物などを由来とする原料のみならず、さらに油脂、多価アルコール、界面活性剤、酸化防止剤、色素、香料などが含まれてもよい。油脂としては、例えば、月見草油、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、胚芽油、菜種油、ヒマワリ油、落花生油、綿実油、米ぬか油、ココアバターなどの天然油やこれらの硬化油、脂肪酸のグリセリド(グリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドなど)など、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなど、界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤など、色素としては、カロチノイド系色素、アントシアニン系色素、カカオ色素、アントラノン系色素、カラメル色素などが挙げられる。なかでも、カプセル製剤の安定化をより向上することができる点で、カプセル皮膜への油脂、多価アルコール、界面活性剤、天然色素の添加が好適である。
本発明にかかる睡眠改善剤は、有効量の各成分を配合した、上述したような製剤としての形態をとることができる。
本発明の睡眠改善剤は、服用することで良好な熟眠感を得ることができる。服用するタイミングとしては、就寝前に服用することが好ましく、より好ましくは就寝前0.5〜6時間であり、さらに好ましくは1〜3時間前に服用すると良い。
本発明の睡眠改善剤は、服用者の年齢や体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤は、αリポ酸を有効成分として含有する。本発明におけるノンレム睡眠時間増加剤は、服用することでノンレム睡眠量を増加させることができる。服用するタイミングとしては、就寝前に服用することが好ましく、より好ましくは就寝前0.5〜6時間であり、さらに好ましくは1〜3時間前に服用するとよい。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤は、服用者の年齢や体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明のノンレム睡眠時間増加剤におけるその他の事項については、本発明にかかる睡眠改善剤において説明した事項が適用できる。
本発明の鎮静剤は、αリポ酸を有効成分として含有する。鎮静剤とは、睡眠においてヒトを含む哺乳類の精神を鎮静させることにより、緊張状態の緩和、ストレスの軽減などのリラックス効果を得ることができる。
本発明の鎮静剤を就寝前に服用すると、リラックス効果により入眠をスムーズにし、入眠潜時の短縮や中途覚醒の低下、起床時の良好な覚醒といった効果も得られる。そのため、服用するタイミングとしては、就寝前に服用することが好ましい。より好ましくは就寝前0.5時間〜6時間であり、さらに好ましくは1時間〜3時間前に服用するとよい。
本発明の鎮静剤は、服用者の年齢や体重、服用方法などによっても異なるが、1回の服用量が0.001mg/kg/日〜10000mg/kg/日程度、好ましくは2.5mg/kg/日〜20mg/kg/日程度である。
本発明の鎮静剤のその他の事項については、本発明の睡眠改善剤において説明した事項をすべて適用する。
本発明において「有効成分」とは、ノンレム睡眠を増加させる効果、鎮静効果及び睡眠改善効果のうち少なくともいずれかを有する成分を意味し、任意に添加される低吸湿原料や吸湿剤、カプセルの皮膜などを除いた成分である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1、2、比較例1]
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後8週、体重22−26g)を日本エスエルシー株式会社より購入した。
(ii)飼育方法
恒温(22±2℃)、恒湿(50±2%)の、チャンバー内に設置した複数のアクリル製ゲージの各々に、5〜6匹ずつ上記マウスを入れた状態で、各々のマウスを管理した(マウスを群飼いした。)。マウスには、12時間ごとの明暗周期下(午前7時;明期の開始時刻)で、マウス用固形型飼料(飼料名:ラボMRストック、日本農産工業株式会社製)と水を自由に摂取させた。
(iii)行動量の測定
その後、上記チャンバーとは別の、恒温(22±2℃)、恒湿(50±2%)のチャンバー(以下、記録用チャンバーと称する場合がある。)内に設置した複数のアクリル製ゲージの各々に、群飼い後のマウスを1匹ずつ移し、上記飼育条件(12時間ごとの明暗周期下(午前7時;明期の開始時刻)で、マウス用固形型飼料と水を自由に摂取できる条件)にて3日間順応させた(マウスを個飼いした)。記録用チャンバー内での3日目のマウスの行動量(下記サンプル投与前の24時間の行動量)を確認した。
行動量は、動物から放出される赤外線を検知するセンサー(Biotex Japan社製)とソフトウェアBiotex 16CH Act Monitor BAI2216(Biotex Japan社製)を用いて記録した。 このセンサーの感知範囲は90度の照射角度で広がりその範囲を8×8の64区画に分け、動物がその区画を横切った回数を行動量としてカウントする。
(iv)サンプル調製・投与
実施例1として、αリポ酸550mgを精製水10mLに溶かしてサンプルを調製した。このサンプルをゾンデ針を用いて個飼い後のマウス(n=7)に経口投与した。投与量は、マウスに1kgあたりサンプル10gとなるように調整した。
実施例2として、ビール酵母亜鉛(亜鉛10質量%含有)とαリポ酸を1:2で配合した混合物825mgを精製水10mLに溶かしてサンプルを調製した。このサンプルをゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。投与量は、実施例1と同様にした。
比較例1ではサンプルとして精製水を用いた。この精製水を実施例1と同様の投与量(10g/kg)でゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。
実施例1、2及び比較例1それぞれにおいて、マウスへのサンプルの投与は、午後7時(19時:暗期の開始時刻)に行なった(n=7)。
(v)行動量の記録
経口投与後、マウスにストレスを付与するため、記録用チャンバー内にてマウスを別のアクリル製ゲージに移し、記録用チャンバー内にて上記飼育条件(12時間ごとの明暗周期下(午前7時;明期の開始時刻)で、マウス用固形型飼料と水を自由に摂取できる条件)で飼育して、12時間にわたる行動量を測定し、1時間毎のカウントの回数を記録した。あわせて、経口投与から6時間までの行動量を累積して累積行動量を算出した。
その後、上記飼育条件、記録用チャンバー内での飼育を継続して24時間の観察を行った。
2.結果
サンプル投与後12時間にわたる、1時間毎の行動量の回数(累積行動量)を図1に示す。経口投与から6時間までの累積行動量を図2に示す。なお、図1及び2において行動量はマウス1匹あたりの平均カウント回数を表す。
実施例1及び2では、投与量10g/kgにおいて、比較例1に比べて有意に行動量が減少した。
[実施例3、比較例2]
1.方法
(i)使用動物
C57BL/6 マウス(オス、生後12週、体重24−27g)を日本エスエルシー株式会社より購入した。
(ii)飼育方法
飼育方法については、12時間ごとの明暗周期における明期の開始時刻を午前4時とし暗期の開始時刻を午後4時とした以外は、実施例1と同様にした。
(iii)脳波及び筋電位測定用電極の処置手術と、測定装置への接続
群飼い後のマウスに、脳波及び筋電位測定用の電極の処置手術を実施した。その後、群飼いしたチャンバーとは別の、恒温(22±2℃)、恒湿(50±2%)のチャンバー(以下、記録用チャンバーと称する場合がある。)内に設置した複数のアクリル製ゲージの各々に、処置手術後のマウスを1匹ずつ移し、上記飼育条件(12時間ごとの明暗周期下(午前4時;明期の開始時刻)で、マウス用固形型飼料と水を自由に摂取できる条件)に10日間おいて回復させた(マウスを個飼いした。)。続いて、電極に測定ケーブルを接続して、その環境において処置手術後のマウスを4日間順応させた。記録用チャンバー内での4日目のマウスの行動量(下記サンプル投与前の24時間の行動量)を確認した。
(iv)サンプル調製・投与
実施例3として、αリポ酸320mgを精製水10mLに溶かしてサンプルを調製した。このサンプルをゾンデ針を用いて個飼い後のマウス(n=7)に経口投与した。投与量は、マウス1kgあたりサンプル10gとなるように調整した。
比較例2ではサンプルとして精製水を用いた。この精製水を実施例3と同様の投与量(10g/kg)でゾンデ針を用いてマウスに経口投与した。
実施例3及び比較例2において、マウスへのサンプルの投与は、午後4時(16時:暗期の開始時刻)に行なった(n=7)。
(v)脳波及び筋電位の記録と解析
脳波及び筋電位は、増幅(脳波:0.5〜30Hz、筋電位:20〜200Hz)した後、サンプリング速度128Hzにてデジタル化して記録した。
解析は、記録した脳波及び筋電位について、脳波記録ソフトウェア「SleepSign」(キッセイコムテック社製)を用いて行なった。10秒間のデータを1エポックとし、脳波及び筋電位の周波数成分及び波形に基づいて、各エポックを「覚醒」、「ノンレム睡眠」及び「レム睡眠」のいずれかに自動判定した。サンプル投与後12時間にわたる脳波データを解析し、1時間毎の「覚醒」、「ノンレム睡眠」及び「レム睡眠」の時間を算出した。あわせて、サンプル投与後6時間にわたる、覚醒時間及びノンレム睡眠時間を積算し、これらの積算時間を算出した。
2.結果
サンプル投与後12時間にわたる、1時間ごとのノンレム睡眠時間を図3に示す。サンプル投与後6時間にわたるノンレム睡眠時間を積算した積算時間を図4に示す。サンプル投与後6時間にわたる、覚醒時間及びノンレム睡眠時間と、入眠までの時間とを表1に示す。なお、図3、4及び表1において、それぞれの時間はマウス1匹あたりの平均時間を表す。 実施例3では、投与量10g/kgにおいて、比較例2に比べて有意にノンレム睡眠時間を延長する効果が見られた。また、実施例3では、比較例2に比べて入眠までの時間が短縮した。
Figure 0006154029
本発明によれば、優れた睡眠改善効果、特にノンレム睡眠時間を増加する効果を得ることができる。また、入眠潜時の短縮、中途覚醒の低下、鎮静効果、リラックス効果も得ることができ、起床時に満足な熟眠感を得ることができる。

Claims (6)

  1. αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有する睡眠改善剤。
  2. 前記亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、請求項に記載の睡眠改善剤。
  3. αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有するノンレム睡眠時間増加剤。
  4. 前記亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、請求項に記載のノンレム睡眠時間増加剤。
  5. αリポ酸を有効成分として含有し、更に亜鉛を含有する鎮静剤。
  6. 前記亜鉛が酵母に取り込まれた形態である、請求項に記載の鎮静剤。
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