JP2019038770A - 睡眠改善用組成物 - Google Patents

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曉史 鶴田
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曉史 鶴田
吉守 高森
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吉守 高森
勝隆 大石
Katsutaka Oishi
勝隆 大石
明花 山本
Sayaka Yamamoto
明花 山本
祐 山西
Yu Yamanishi
祐 山西
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Abstract

【課題】天然物由来の成分から、睡眠改善剤を見出すこと。
【解決手段】イサダオイルを含有する睡眠改善用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、睡眠改善用組成物に関する。
人生の3分の1を占める「眠り」は人間にとって重要な行為の一つであるが、近年、特に都市生活者においては、活動時間のずれによる昼夜の逆転現象などの生活リズムの乱れやストレス等により、睡眠不足や不眠症等の種々の睡眠障害を訴える人が増加している。このような睡眠障害を緩和又は改善できる物質の探索は重要であり、そのような物質としては、クオリティオブライフ(QOL)の点から、日々食するような医薬品、特定保健用食品及び栄養機能食品等の保健機能食品、又は一般食品に配合しても安全かつ長期間摂取できる天然由来の素材が望まれている。
本願発明者は、オキアミから抽出したオキアミ抽出オイルと睡眠との関係について研究し、オキアミ抽出オイルを含有する睡眠改善用組成物に関する特許出願(特許文献1)を以前に出願したが、特許文献1ではオキアミ抽出オイルを含有するコーヨークリルEX(商標)の濃度の増大と共に、サルCV1腎細胞におけるルシフェラーゼ比活性が増大したことが確認されているにすぎず、オキアミ抽出オイルと睡眠との関係を直接実証することができなかった。また、特許文献1で使用されたオイルは、ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)より得られたオキアミ抽出オイルであった。
特開2016−079096
本発明の目的は、イサダ(Euphausia pacifica、ツノナシオキアミ)から抽出したイサダオイルを用いた、安全で、かつ優れた睡眠改善用組成物を提供することにする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく研究を重ねた結果、イサダから抽出したイサダオイルが、睡眠深度が改善される、睡眠周期が改善される、及び睡眠時間を調節することができる等の睡眠障害の改善効果をもたらすという意外な事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]イサダオイルを含有する睡眠改善用組成物。
[2]前記睡眠改善が睡眠深度の改善、寝覚めの改善、睡眠周期の改善、及び睡眠時間の調節から成る群から選択される少なくともいずれか一つである項1に記載の睡眠改善用組成物。
[3]前記睡眠改善がストレス性睡眠障害の改善である項1又は2に記載の睡眠改善用組成物。
[4]睡眠改善を必要とするヒト用である項1又は2に記載の睡眠改善用組成物。
[5]前記イサダオイルの含有量が、0.1〜100%である項1〜4のいずれか一項に記載の睡眠改善用組成物。
[6]健康補助食品、栄養機能食品、又は特定保健用食品である項1〜5のいずれか一項に記載の睡眠改善用組成物。
[7]イサダオイルの、睡眠改善用組成物を製造するための使用。
イサダオイルは睡眠障害における少なくとも1つ以上の症状を改善することができるため、イサダオイルを含有する本発明の睡眠改善用組成物は、種々の睡眠障害の改善を目的として使用することができる。また、イサダオイルは天然物由来の成分であるため、安全性の点でも優れている。
動物の給餌スケジュールを示す説明図。 図1のKY1のスケジュールのLard群とIsada群の活動量の比較。(A)10分毎に測定した活動量(回転数)(縦軸)を示すグラフ。横軸は実際の時刻を示す。(B)1時間当たりの総活動量(回転数)(縦軸)を示すグラフ。 図1のKY2のスケジュールのLard群とIsada群の活動量の比較。(A)10分毎に測定した活動量(回転数)(縦軸)を示すグラフ。横軸は実際の時刻を示す。(B)1時間当たりの総活動量(回転数)(縦軸)を示すグラフ。 ストレス性睡眠障害誘発マウスにおける動物の給餌、ストレス性睡眠障害誘発、活動量、及び脳波測定の測定スケジュール示す説明図。 Lard群(Lard)とIsada群(PKO)の一日の活動量(回転数)(縦軸)を示すグラフ:(A)睡眠障害誘発前、(B)ストレス性睡眠障害誘発後。 Lard群とIsada群の一日の覚醒時間を示すグラフ:(A)睡眠障害誘発前、(B)ストレス性睡眠障害誘発後、(C)1日の合計覚醒時間。 Lard群とIsada群のノンレム睡眠時間を示すグラフ:(A)睡眠障害誘発前、(B)ストレス性睡眠障害誘発後、(C)1日の合計ノンレム睡眠時間。 Lard群とIsada群のレム睡眠時間を示すグラフ:(A)睡眠障害誘発前、(B)ストレス性睡眠障害誘発後、(C)1日の合計レム睡眠時間。
本発明で用いられるオキアミは、ツノナシオキアミ Euphausia pacifica (Pacific krill、イサダオイル)である。
本明細書において「イサダオイル」とは、イサダを抽出して得られる油状物を指す。
イサダオイルの製造方法としては、特に限定されないが、例えばアセトン等の有機溶媒で抽出する方法(米国特許第6,800,299号)、発酵処理した後で圧搾、分別する方法(特開2004−24060)、ツノナシオキアミの原料、特にはツノナシオキアミをタンパク質分解酵素処理した後にろ過して得られた固形残渣を、例えばエタノール等の有機溶媒で抽出する方法(特開2017−122067号)、超臨界流体抽出法等が挙げられる。イサダオイルの臭気成分である遊離脂肪酸が少なく、かつエイコサペンタエン酸(EPA)又はドコサヘキサエン酸(DHA)等のω3系脂肪酸のリン脂質含量が多いという点では、二酸化炭素を用いた脂質成分の超臨界流体抽出法が好ましい。なお、二酸化炭素を用いた脂質成分の超臨界流体抽出法は食品工学の分野で周知であり、例えばTanaka Y, et al., J. Oleo Sci., Vol.53, No.9, 414-424(2004)及びKing, Jerry W. (2002). "34, Supercritical Fluid Technology for Lipid Extraction, Fractionation and Reactions". in Tsung Min Kuo and Harold Gardner. Lipid Biotechnology. New York: Marcel Dekker Inc.. pp.663-687に記載されている。
本発明におけるイサダオイル(精製イサダオイルとも称する)は、アスタキサンチン、8−HEPE、及びω−3脂肪酸を含有する。
アスタキサンチンは、抗酸化、美肌、眼精疲労回復、アレルギー症状緩和作用等の効果が報告されているカロテノイドの一種である。イサダオイル中のアスタキサンチン含有量は好ましくは1000ppm以上である。
8−HEPEは抗炎症性作用や抗肥満作用が報告されているエイコサペンタエンサンの誘導体である。イサダオイル中の8−HEPEの割合は好ましくは0.1質量%以上である。
ω−3脂肪酸としてはα−リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)が挙げられる。イサダオイル中のw3系脂肪酸の含有量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%である。イサダオイル中のEPAの割合は好ましくは20質量%以上であり、DHAの割合は好ましくは10質量%以上である。
一実施形態において、イサダオイル中のアスタキサンチン含有量が1000ppm以上であり、かつ8−HEPEの割合が0.1質量%以上である。別の実施形態において、イサダオイル中のアスタキサンチン含有量が1000ppm以上であり、8−HEPEの割合が0.1質量%以上であり、かつω−3脂肪酸の割合が40質量%以上である。これらの実施形態において、過酸化物価が0.1mEq/kg以下であることが好ましい。
また、イサダオイルは、睡眠障害における少なくとも1つの症状を緩和又は改善する作用を有し得る。そのような睡眠障害の症状の改善効果としては、例えば「入眠と睡眠維持の改善」、「睡眠深度の改善」、「睡眠周期の改善」、「寝覚めの改善」、「夢みの改善」、「疲労回復」、及び「睡眠時間の調節(短縮・延長)」からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上のものが例示される。「睡眠周期の改善」は睡眠概日リズムの改善とも言う。好ましくは、睡眠の改善は「睡眠深度の改善」、「睡眠周期の改善」、「寝覚めの改善」、及び「睡眠時間の調節(短縮・延長)」からなる群より選ばれる少なくとも1つである。「寝覚めの改善」としては、活動量の増大、睡眠障害による活動量の減少の抑制が挙げられる。「睡眠時間の調節(短縮・延長)」としては、ノンレム睡眠時間の増加、睡眠障害によるノンレム睡眠時間の減少の抑制、及び睡眠障害による覚醒時間の増加の抑制が挙げられる。本発明のイサダオイルは、特にはストレス性睡眠障害の改善に有効である。
本発明のイサダオイルは、そのまま単体で医薬品又は食品として使用してもよいが、上述の睡眠障害の症状の改善効果を発揮する、ヒト若しくは非ヒト哺乳動物(好ましくはマウス、ラット、モルモット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ)等の対象用の食品の成分として使用してもよい。つまり、本発明は、イサダオイルを含有する睡眠改善用の食品組成物も含む。本発明の組成物が食品である場合、特定保健用食品及び栄養機能食品等の保健機能食品、又は健康食品、食物サプリメント、及びペットフードを含む一般食品であってよい。
本発明が組成物の場合、イサダオイルは、睡眠改善の効果を損なわない範囲で、常法に従って公知の担体又は添加剤と組み合わせて組成物又は製剤とし得る。かかる担体として、例えば、賦形剤、滑沢剤、増量剤、希釈剤、分散剤、糖類、崩壊剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、緩衝剤、溶解補助剤、ゲル化剤、懸濁剤等が挙げられる。添加剤として、例えばビタミン類、甘味料、有機酸、着色剤、繊維、電解質、ミネラル、抗酸化剤、保存剤、香料、及び天然抽出物等が挙げられる。ビタミンは特に限定されないが、抗酸化の点ではビタミンEが配合されることが好ましい。ビタミンEにはトコフェノール(α,β,γ,δ−トコフェノール)、トコトリエノール(α,β,γ,δ−トコトリエノール)、及びそれらの誘導体が含まれる。
本発明の睡眠改善組成物は、投与方法、投与経路に応じて散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、ハードカプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等の剤型とすることができる。
本発明の睡眠改善用組成物又は製剤中のイサダオイルの含有量は、通常0.01〜100質量%である。一実施形態では、本発明の睡眠改善用組成物又は製剤中のイサダオイルの含有量は100質量%であり、別の実施形態では0.1〜95質量%、好ましくは40〜90質量%である。本発明の睡眠改善用組成物又は製剤中のイサダオイルの含有量が100質量%である場合、本発明はイサダオイルのみからなるが、イサダオイル自体も各種の化合物を含む組成物であるため、このような場合、イサダオイル自体が本発明の睡眠改善用組成物に含まれる。
本発明の睡眠改善用組成物は、主には睡眠改善を必要とするヒトに投与され、睡眠改善を必要とするヒトには、睡眠障害と診断されたヒト、及び睡眠障害の診断基準を満たさなくても主観的に自身の睡眠に不満を感じているヒトが含まれる。睡眠障害とは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害といった症状が、少なくとも週3回以上1ヶ月間以上続き、睡眠が量的及び/又は質的に不十分な状態を言う。睡眠障害は、睡眠障害国際分類(ICSD)、DSM−IVによる睡眠障害の分類、ICD−10による睡眠障害の分類などで診断・分類できる。
投与経路は特に経口投与が好ましい。本発明のイサダオイルの投与量又は摂取量は、特に限定されないが、成人(60kg)1日当たり、通常0.01〜100g、より好ましくは0.1〜10gであり、1回〜数回に分けて投与又は摂取するのが好ましい。
本願発明には、イサダオイルを含有する、睡眠改善用組成物;イサダオイルの、睡眠改善用組成物を製造するための使用方法;イサダオイルを含有する睡眠改善用組成物を経口摂取させることを含む、並びに該睡眠改善用組成物の使用方法も含まれる。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
1.イサダオイルの製造
精製イサダオイルは特開2017−122067号の実施例1の方法により製造した。この精製イサダオイルは、アスタキサンチン 2,650ppm、8−HEPE 1,570ppm、リン脂質 17.8%、ω−3脂肪酸 30.7%、EPA 13.4%、DHA 12.9%を含有していた。
2.非睡眠障害モデルマウスにおける活動量の変化の測定
(1)動物及びその飼育
図1に示すように、一つ目の飼育スケジュール(KY1)として、5週齢のC3H/HeNマウス(雄)(n=12)に飼料CE−2(日本クレア株式会社)を自由摂食で与え、回転かごケージにて4週間馴化飼育した後、その後、マウスを6匹ずつに分け、一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にラード5質量%を混ぜた混合飼料を与えて飼育し(対照群としてのLard群(n=6))、もう一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にイサダオイル5質量%を混ぜた混合飼料を与えて17週間飼育した(Isada群(n=6))。活動リズムの測定法についてはMiyazaki K et al., PLoS One 2013;8(1):e55452を参照されたい。具体的には、活動リズムの測定はクロノバイオロジーキット(Stanford Software Systems,米国カリフォルニア州Santa Cruz)を用いて、マウスが20週齢のときの3日間分の測定データの平均値を用いた。
飼育中、明暗サイクルは12時間:12時間とし、22:00〜10:00を明期とした。
二つ目の飼育スケジュール(KY2)として、3週齢のC3H/HeNマウス(雄)(n=25)に飼料CE−2(日本クレア株式会社)及び水を自由摂食で与えて一週間飼育した。その後、マウスを6匹ずつに分け、一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にラード5質量%を混ぜた混合飼料を与えて7週齢まで飼育し(対照群としてのLard群(n=12))、もう一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にイサダオイル5質量%を混ぜた混合飼料を与えて7週齢まで飼育した(Isada群(n=13))。活動リズムの測定はクロノバイオロジーキット(Stanford Software Systems,米国カリフォルニア州Santa Cruz)を用いて、マウスが8週齢のときの3日間分の測定データの平均値を用いた。
飼育中、明暗サイクルは12時間:12時間とし、8:00〜20:00を明期とした。
KY1を成熟期のイサダオイル摂取、KY2を幼少期のイサダオイル摂取とする。
(2)統計学的評価
活動量は個々のマウスの平均値を計算した。各値を平均値±SEMで示す。
活動量の群間の統計学的分析にはpost hok Turkey's test を用いた。P<0.05を統計学的に有意とした。
(3)結果
図2(A)(B)及び図3(A)(B)に示すように、スケジュールKY1及びスケジュールKY2のいずれの場合も、ラード摂取は、活動リズム(活動量)の位相に影響を与えなかったが、イサダオイル摂取では、活動量がラード摂取に比べて朝11頃から活動量が増加することが観察され、ラード摂取に比べて活動開始時刻が約1時間早まった。睡眠障害負荷による活動期(暗期)の活動量の減少は、ラード群においてより顕著であり、イサダオイル群では活動量の減少が有意に抑制された。
3.睡眠障害モデルマウスにおける活動量の変化の測定
(1)動物及びその飼育
図4に示すように、5週齢のC3H/HeNマウス(雄)(n=12)に飼料CE−2(日本クレア株式会社)及び水を自由摂食で与え、回転かご(running wheel、回し車とも言う)を備えたケージにて4週間馴化飼育した後、その後、マウスを6匹ずつに分け、一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にラード5質量%を混ぜた混合飼料を与え(対照群としてのLard群(n=6))、もう一方は、AIN−93M標準精製飼料95質量%にイサダオイル5質量%を混ぜた混合飼料を与え(PKO群(n=6))、それぞれ13週間飼育した。その後、2週間の睡眠障害を誘発し、睡眠障害誘発前後の活動リズム(活動量)及び脳波を測定した。ストレス性睡眠障害モデルマウスの作製方法、活動リズムの測定方法、及び脳波測定についてもMiyazaki K et al., PLoS One 2013;8(1):e55452を参照されたい。
具体的には、ストレス性睡眠障害モデルマウスの作製では、回しかごを備えた個別ケージでラットを飼育し、紙製の床を1.5cm深さの水(室温、清潔維持のため1日3回交換)に交換した。マウスは水を避けるためほぼ終日回しかごの上に居る状態となり、ストレス下に置かれる。本モデルは、馴化が起こらずストレス性睡眠障害の長期観察が可能である点で有効である。
活動リズムの測定はクロノバイオロジーキット(Stanford Software Systems,米国カリフォルニア州Santa Cruz)を使って行った。
また、睡眠脳波については、TL11 M2-F20-EET遠隔測定装置(データサイエンスインターナショナル社、米国ミネソタ州St. Paul)を用いて睡眠脳波と筋電を受信し、 Dataquest A.R.T. (データサイエンスインターナショナル社)により記録した。その後、SLEESIGN(キッセイコムテック株式会社、長野)を用いて睡眠脳波の解析を行った。 覚醒時間、ノンレム睡眠時間、及びレム睡眠時間は睡眠脳波の解析より求めた。
飼育中、明暗サイクルは12時間:12時間とし、22:00〜10:00を明期とした。
(2)統計学的評価
活動量は個々のマウスの平均値を計算した。各値を平均値±SEMで示す。
活動量の群間の統計学的分析にはpost hok Turkey's test を用いた。P<0.05を統計学的に有意とした。
(3)結果
図5(A)及び(B)を比較すると、Lard群及びPKO群の両方で、睡眠障害により活動量が減少するが、図5(B)のPKO群ではLard群と比べて睡眠障害による活動量の減少が有意に抑制された。
また、図6(A)及び(B)を比較すると、睡眠障害誘発により覚醒時間の増加が増加する傾向にあるが、図6(B)のPKO群ではこの睡眠障害による覚醒時間の増加が有意に抑制された。さらに、PKO群では睡眠障害による早朝覚醒も有意に抑制された。
図7(A)及び(B)を参照すると、睡眠障害誘発前と睡眠障害誘発後のいずれにおいてもPKO群ではLard群よりもノンレム睡眠時間が有意に増加し、図7(C)によるとPKO群ではLard群よりも総ノンレム睡眠時間が延長した。また、睡眠障害によりノンレム睡眠時間は減少するが、PKO群では睡眠障害によるノンレム睡眠時間の減少が抑制される傾向にあった。
図8(A)及び(B)を参照すると、レム睡眠時間はイサダオイルの摂取によっても睡眠障害によってもほとんど影響が認められなかった。
以上の実験結果から、イサダオイルは活動リズムを制御する体内時計に対して何らかの作用を有するのみならず、ホメオスタティックな睡眠の制御にも作用し、睡眠障害を改善する効果があることが示された。

Claims (7)

  1. イサダオイルを含有する睡眠改善用組成物。
  2. 前記睡眠改善が睡眠深度の改善、寝覚めの改善、睡眠周期の改善、及び睡眠時間の調節から成る群から選択される少なくともいずれか一つである請求項1に記載の睡眠改善用組成物。
  3. 前記睡眠改善がストレス性睡眠障害の改善である請求項1又は2に記載の睡眠改善用組成物。
  4. 睡眠改善を必要とするヒト用である請求項1〜3のいずれかに記載の睡眠改善用組成物。
  5. 前記イサダオイルの含有量が、0.1〜100%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の睡眠改善用組成物。
  6. 健康補助食品、栄養機能食品、又は特定保健用食品である請求項1〜5に記載の睡眠改善用組成物。
  7. イサダオイルの、睡眠改善用組成物を製造するための使用。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020022387A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 国立大学法人 香川大学 乳化イサダオイル

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