JP6368368B2 - p−アニスアルデヒドを使用する組成物及び方法 - Google Patents

p−アニスアルデヒドを使用する組成物及び方法 Download PDF

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Description

[0001]本開示は一般に、いくつかのスパイスに見出すことができる天然化合物を含む組成物に関する。より具体的には、本開示はp−アニスアルデヒドを含む組成物に関し、更に、かかる組成物を投与することを含む方法に関する。
[0002]嚥下障害は、嚥下能力の低下に代表される状態である。通常の嚥下は、相互依存し十分協調された3つの異なる期:口腔期、咽頭期及び食道期を伴う。随意制御下にある口腔期では、咀嚼され唾液と混ざった食物は食塊となり、舌の随意運動により口の後ろ側の咽頭に移送される。咽頭期は不随意であり、食塊/液状食塊が口峡柱から咽頭に通り抜けることにより引き起こされる。咽頭の3つの収縮筋の収縮により、食塊を上部食道括約筋に向かって押し出す。同時に、軟口蓋が鼻咽頭を閉じる。喉頭が上方に移動し、食物又は液体が気道に入るのを防ぎ、これは喉頭蓋の後傾及び声帯閉鎖により補助される。食道期もまた不随意であり、上部食道括約筋の弛緩、続いて蠕動により開始し、食塊を胃に押し進める。
[0003]食道性嚥下困難は、あらゆる年齢の多数の個体に影響を及ぼすが、通常は投与により治療可能であり、かつ嚥下障害のさほど深刻でない形態と考えられている。他方、口腔咽頭嚥下障害は大変深刻な状態であり、通常は投薬により治療できない。口腔咽頭嚥下障害はまた、あらゆる年齢の個体に影響を及ぼすが、高齢者に一層多く見られる。世界中では、口腔咽頭嚥下障害は、約2200万人の50歳を超える人に影響を及ぼしている。
[0004]未治療又は対応が不十分な口腔咽頭嚥下障害は、結果的に、脱水症、栄養失調、固形食による気道閉塞(窒息)、並びに液体及び半固形食の気道への誤嚥による嚥化性肺炎及び/又は吸引性肺炎の助長を含む重症となる可能性がある。深刻な口腔咽頭嚥下障害では、経管栄養法により栄養が供給されることを必要とする場合がある。軽度から中程度の口腔咽頭嚥下障害では、窒息又は誤嚥の可能性を最小限にするために食事の食感を変更する必要がある。
[0005]個体の嚥下能力及び効率を改善させることによって、肺への誤嚥のリスクの低下を通じて個体の安全性が改善する。効率的な嚥下により、摂食補助からの一層の独立、及び/又は食事の摂取中の摂食補助に費やす時間短縮が可能となる場合がある。効率的な嚥下はまた、安全のために必要な液体(例えば、プリン、ハチミツ及びネクター濃厚製品(nectar thickness products))の粘性を低下させ、また、食感を変えた食品の使用を制限する場合もある。前述のこれら全ての因子は、個体の生活の質を改善することを目標としている。
[0006]辛味感覚の基礎をなす分子機構の研究は、2つのカチオンチャネルである、口腔を刺激する体性感覚繊維内に発現するTRPV1(一過性受容体電位V1)及びTRPA1(一過性受容体電位A1)の存在を明らかにした。TRPV1は、アカトウガラシ内の辛味分子であるカプサイシン等の温熱感及び灼熱感(burning sensation)の受容体である。TRPA1は、アリルイソチオシアネート(カラシ油)及びシンナムアルデヒド(シナモン)等の冷刺激性化合物に反応する。中程度の濃度において、TRPA1アゴニストは心地よい刺激感覚を示す。
[0007]カプサイシンの経口投与は嚥下反射を促進することが示されてはいるものの、カプサイシンは特に刺激性かつ毒性のある化合物である。カプサイシンの経口投与に関係する生理作用としては、舌の中央部から喉に至る灼熱感、息切れ、失神、悪心、及び自己誘発性嘔吐が挙げられる。カラシ油も同様に辛味があり、シンナムアルデヒドは刺激性である。結果として、低量のカプサイシン、カラシ油又はシンナムアルデヒドのみを、個体に不快感をもたらすことなく投与することができる。大変不快な口腔感覚をもたらすため、カプサイシン、カラシ油又はシンナムアルデヒドを含む食品は多くの場合、消費者に受け入れられない。特に、刺激及び灼熱効果は共に、食品の摂取に大変芳しくない影響を与えるものであると考えられている。
[0008]幾つかの個体に悪影響を及ぼす別の状態は、彼らの体内組織がインスリンに適切に応答しないことである。組織内のインスリン受容体が適切に機能しなくなり、グルコース依存性細胞がインスリンの存在を認識できない。結果として、グルコースがこれらの細胞に入り込むことを助けるために、膵臓は一層インスリンを分泌する必要がある。膵臓は、更にインスリンを製造することでインスリン需要量の増加に対応しようとする。この現象は、インスリン抵抗性(低インスリン感受性としても知られている)と呼ばれている。インスリン抵抗性を有する多くの人では、血液中で多量のグルコースとインスリンの両方が同時に循環している。結果的に、体が必要とするインスリンに膵臓は対応できなくなり、II型糖尿病をもたらす。
[0009]インスリン抵抗性及びII型糖尿病は、心臓発作、脳卒中、切断手術、糖尿病性網膜症、及び腎不全のリスクの増大と関係している。極端な場合では四肢の血行が影響を受け、場合により切断を必要とする。聴力損失、失明、及び認識能力の喪失もまた、これらの状態と関連している。
[0010]子供及び大人におけるインスリン抵抗性の管理は、基本的に、一層健康的な食習慣及び運動の増加を含む、食事及びライフスタイルの変化に基づいている。これらの実践は、インスリン感受性の改善、及び疾患の進行を遅延させる点において大変効果的であり得るが、これらを適用することは難しく、実際のところ多くの患者が従っていない。II型糖尿病はインスリン感受性を促進する薬剤で治療可能であるが、疾患の進行速度を低下させることにおける薬剤の有効性は極めて低い。疾患が最も進行する時期の間はインスリン治療が必要である。
[0011]n−3多価不飽和脂肪酸、繊維、オリゴ糖及びプロバイオティクスさえも含む製品は、インスリン感受性を改善させ、インスリン抵抗性を低下させるための栄養学的解決策として提案されてきた。しかし、これらの栄養学的介入の有効性は極めて低く、かつ、効果を示さないか、又は有害作用すらも示す研究により、議論すら引き起こしている。
[0012]幾つかの個体に悪影響を及ぼす更に別の状態は肥満である。肥満の羅患率は世界中で増加しており、大流行している。世界中で約10億人が、死亡率、移動性及び経済コストが増加する状態である、過体重又は肥満となっている。肥満はエネルギー摂取がエネルギー消費よりも大きい場合に進行し、超過したエネルギーは主に、脂肪として脂肪組織に蓄えられる。体重減少、及び過体重防止は、エネルギー摂取若しくは生物学的利用能を低下させること、エネルギー消費を増加させること、及び/又は脂肪としての貯蔵を低下させることにより達成することができる。しかし、肥満対象者又は過体重となるリスクがある対象者は、多くの場合、例えば満腹感を増加させること及び/又は体重増加を減少させることにより体重をより良く管理するために、栄養補助を必要としている。
[0013]一部の個体に悪影響を与える更に別の状態として、例えば、低量のエピネフリン等の神経伝達物質等といった神経伝達障害がある。神経伝達障害はうつ病等の気分障害、不安障害、及びストレスに対する感受性の増加と関係しており、また認知機能障害とも関係している。
[0014]炭水化物豊富な食物は身体パフォーマンスのための重要な代謝燃料を供給することで知られているが、気分及び認知能力へのこれらの効果はあまり明確ではない。しかし、過敏性及び攻撃性は、インスリン放出、食事をする頻度、及びこれらの食事の血糖値への影響の個々の違いにより影響される。Benton,「Carbohydrate ingestion,blood glucose and mood」,Neuroscience and Biobehavioral Reviews,26:293〜308(2002)。更に、血糖値の制御能力は気分及び認知の両方に関係している。例えば、参加者に経口ブドウ糖負荷試験及び認知試験を行った研究では、高齢のグループにおいて、耐糖能が低い参加者は一層多くの言葉を忘れたり、ものごとを決めるのに時間がかかったりし、かつ耐糖能が低い参加者では、血糖が基準値を下回る傾向が、より良い気分及び一層速い作業記憶と関係したことを示した。Young and Benton,「The nature of the control of blood glucose in those with poorer glucose tolerance influences mood and cognition」,Metab.Brain Dis.(Mar.26,2014)。
[0015]本発明者らは驚くべきことに、また予想外に、p−アニスアルデヒドはカチオンチャネルTRPA1及びTRPV1のアゴニストであることを見出した。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、TRPA1及びTRP1の活性化は、1)嚥下障害患者の嚥下反射を誘発することを助けること、2)胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、3)体重増加を減少させること、及び4)インスリン感受性又は耐糖能を改善することにより血糖を低下させること、5)気分、記憶又は認知を改善することに効果的であると考えている。p−アニスアルデヒドは、甘味粉末、バニラクリーム、香辛料アニス、ナッツ、サクランボの種、及びアーモンドのニュアンスを有すると言われ(Fenaroli’s Handbook of Flavor Ingredients,sixth edition)、他のTRPA1及びTRPV1アゴニストと比較して一層心地よいものになっている。
[0016]したがって、通常の実施形態では、本開示は、嚥下障害を治療する方法を提供する。本方法は、嚥下障害を有する個体に、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む。
[0017]関連する実施形態において、嚥下障害は口腔咽頭嚥下障害である。
[0018]関連する実施形態において、組成物は増粘飲料である。
[0019]関連する実施形態において、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドは嚥下反射を誘発する。
[0020]関連する実施形態において、p−アニスアルデヒドは、単離されたp−アニスアルデヒド及び合成p−アニスアルデヒドからなる群から選択される形態である。
[0021]別の実施形態において、食欲を減退させる方法を提供する。本方法は、それを必要とする個体に、胃内容物排出を遅延させるのに治療的に有効な量でp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む。
[0022]関連する実施形態において、個体は、過体重、肥満、過体重のリスク、肥満のリスク、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される状態を有する。
[0023]別の実施形態において、体重増加を減少させる方法を提供する。本方法は、それが必要な個体に、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む。
[0024]関連する実施形態において、個体は、過体重、肥満、過体重のリスク、肥満のリスク、及びこれらの組み合わせから選択される状態を有する。
[0025]別の実施形態において、血糖を低下させる方法を提供する。本方法は、それを必要とする個体に、インスリン感受性又は耐糖能、気分又は記憶を改善するのに治療的に有効な量でp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む。
[0026]関連する実施形態において、個体は、早産の乳児、子宮内胎児発育遅延を経験した乳児、妊娠糖尿病に罹患している妊婦、インスリン抵抗性の状態にあるヒト、及びII型糖尿病に罹患しているヒトからなる群から選択される。
[0027]別の実施形態では組成物が提供される。本組成物は、嚥下障害患者の嚥下反射を誘発すること、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、体重増加を減少させること、又はインスリン感受性若しくは耐糖能を改善することにより血糖を低下させること、又は気分若しくは記憶若しくは認知を改善することのうちの少なくとも1つに対して治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む。
[0028]関連する実施形態において、組成物は食品である。食品は、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含むことができる。
[0029]別の実施形態において、本開示は、それを必要とする個体に、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む、認知能力、認知、気分、又は記憶の1つ又は複数を改善する方法を提供する。
[0030]一実施形態において、個体は、認知機能低下、軽度認知障害、認知症、気分障害、記憶喪失、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される状態を有する。
[0031]別の実施形態において、栄養組成物を製造する方法を提供する。本方法は、嚥下障害患者の嚥下反射を誘発すること、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、体重増加を減少させること、又はインスリン感受性若しくは耐糖能を改善することにより血糖を低下させること、又は気分若しくは記憶を改善することのうち少なくとも1つに対して治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを栄養組成物に組み合わせることを含む。
[0032]本開示の利点は、他のTRPA1及びTRPV1アゴニストと比較して一層心地よく摂取されるTRPA1及びTRPV1アゴニストを使用することである。
[0033]本開示の別の利点は、p−アニスアルデヒドを使用して、嚥下障害患者の嚥下反射を誘発することである。
[0034]本開示の更に別の利点は、スパイスに見出すことができる天然化合物を使用して、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させることである。
[0035]本開示のまた別の利点は、スパイスに見出すことができる天然化合物を使用して、体重増加を減少させることである。
[0036]本開示の更なる利点は、スパイスに見出すことができる天然化合物を使用して、インスリン感受性又は耐糖能を改善することにより血糖を低下させることである。
[0037]本開示の別の利点は、許容範囲内の副作用で、又は副作用なく嚥下障害を治療することである。
[0038]本開示のまた別の利点は、食塊の安全な嚥下を促進することである。
[0039]本開示のまた別の利点は、気分、記憶又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。
[0040]本開示のまた別の利点は、食品で容易かつ安全に使用することができる化合物により、気分、記憶又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。
[0041]本開示の更なる利点は、スパイスに見出すことができる天然化合物により、気分、記憶又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。
[0042]本開示の別の利点は、許容範囲内の副作用で、又は副作用なく、気分、記憶又は認知の少なくとも1つを改善することである。
[0043]本開示のまた別の利点は、カプサイシンと比較して増大した受容性、低下した刺激性、及び胃腸管における向上した許容量を有する化合物により、気分、記憶又は認知のうちの少なくとも1つを改善することである。
[0044]追加の特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以降の発明の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
図1は、p−アニスアルデヒドの化学構造を示す。 図2は、シンナムアルデヒドの化学構造を示す。 図3は、シンナムアルデヒド又は対照を慢性摂取したマウスにおける体重増加のチャートを示す。 図4は、シンナムアルデヒド又は対照を慢性摂取したマウスにおけるインスリン感受性のチャートを示す。 図5は、マウスにおける一度のシンナムアルデヒド又は対照摂取後の短期の食物摂取量の増加のチャートを示す。 図6は、マウスにおける一度のシンナムアルデヒド又は対照摂取後の胃内容物排出のチャートを示す。 図7は、TRPチャネルの細胞発現におけるp−アニスアルデヒドのin vitroでの効果を示す。
[0052]本明細書に記載の全ての百分率は、別途記載のない限り組成物の合計重量に基づくものである。pHについての参照がなされるとき、値は、標準的な装置により25℃にて測定されるpHに相当する。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈において明記されている場合を除き複数形を包含する。本明細書で使用するとき、「約」は、数値範囲に含まれる複数の数を指すものと理解される。更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。
[0053]本明細書において使用するとき、「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は概括的な用語であり、すなわち非限定的な用語であり、その他の未記載の要素又は方法工程を除外するものではない。しかし、本開示により提供される飲料は、本明細書にて具体的に開示されない任意の要素を欠く場合がある。したがって、用語「含む(comprising)」を用いる、本明細書で定義される任意の実施形態は、開示された成分「から本質的になる」及び「からなる」実施形態もまた含む。
[0054]「予防」は、疾患のリスク及び/又は重症度の低減を含む。用語「治療」、「治療する」及び「緩和する」は、(標的にする病態又は疾患の進行を予防する及び/又は遅延させる)予防(prophylactic)又は予防(preventive)治療、並びに治癒的、治療的又は疾患修飾治療の両方を含み、診断した病態又は疾患の治癒、減速、症状の減少、及び/又は進行を停止する治療手段、並びに疾患に冒される危険がある、又は疾患に冒されたことが疑われる患者、加えて疾患であるか、又は疾患若しくは医学的状態を患っていると診断されている患者の治療を含む。この用語は、対象者が完全に回復するまで治療を受けることを必ずしも意味するものではない。用語「治療」及び「治療する」はまた、疾患を患ってはいないが、不健康な状態を起こしやすい個体の健康維持及び/又は促進も意味する。用語「治療」、「治療する」及び「緩和する」はまた、1つ又は複数の主たる予防又は治療手段の相乗作用又はそうでない場合は強化を含むことも目的としている。用語「治療」、「治療する」及び「緩和する」は更に、疾患若しくは状態における食事療法、又は疾患若しくは状態の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事療法を含むことも目的としている。治療は、患者に関連するか又は医者に関連するものとすることができる。
[0055]本明細書で使用する場合、「治療的に有効な量」とは、個体における、欠乏を防ぐ、疾患若しくは医学的状態を治療する、又は、更に一般的には、個体に対して、症状を軽減する、疾患の進行を管理する、若しくは栄養学的、生理学的若しくは医学的利益を提供する量である。
[0056]「動物」としては、齧歯類、水生哺乳類、イヌ及びネコ等の飼育動物、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマなどの家畜、並びにヒトを含むがこれらに限定されない哺乳類が挙げられるが、これらに限定されない。「動物」、「哺乳類」、又はこれらの複数形が用いられる場合、これらの用語は、本節の文脈により効果が示されるか、又は示されるように意図されることができる動物にも当てはまる。本明細書で使用する場合、用語「患者」は、本明細書において定義されるような治療を受けるか、又は受けることを意図している、動物、とりわけ哺乳類、かつ一層とりわけヒトを含むと理解される。用語「個体」及び「患者」は、本明細書において多くの場合、ヒトを指して用いられるが、本開示はそのように限定されない。したがって、「個体」及び「患者」という用語は、治療が有益である可能性がある医学的状態を有する、又はそのリスクがある任意の動物、哺乳動物又はヒトを指す。
[0057]「食品」及び「食品組成物」は、本明細書で使用する場合、例えば、1種以上のタンパク質、炭水化物、脂肪、酸味料、増粘剤、pH調節用緩衝液若しくはpH調節剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、香料、ミネラル、浸透剤、医薬的に許容される担体、防腐剤、安定剤、糖、甘味料、調質剤及び/又はビタミン類などの従来の食品添加物を含む、任意の数の任意の添加成分を含むと理解される。任意の成分は任意の好適な量で添加することができる。
[0058]上記の通り、本発明者らは驚くべきことに、また予想外に、p−アニスアルデヒド(図1に示す化学構造)はカチオンチャネルTRPA1及びTRPV1のアゴニストであることを見出した。図7は、p−アニスアルデヒドがTRPA1及びTRPV1を活性化することを証明する実験データを示す。p−アニスアルデヒドは、約100μMのEC50でTRPA1(丸)を活性化し、約500μMのEC50でTRPV1(正方形)を活性化し、hTRPM8(上向き三角形)及び「空の」細胞(下向き三角形)では活性化は観察されなかった。
[0059]本発明者らは、マウスモデルにて、既知のTRPA1アゴニストであるシンナムアルデヒド(図2に示す化学構造)を試験した。シンナムアルデヒドは、TRPA1を活性化するが、TRPV1又はTRPM8は活性化しないα,β−不飽和アルデヒドであり、EC50は約60μMである。カラシ油のように、シンナムアルデヒドは共有結合でTRPA1と相互作用する。
[0060]図3に示すように、0.2重量%のシンナムアルデヒドを含有する高脂肪食を慢性的に給餌されたマウスは、シンナムアルデヒドを含まない同一の高脂肪食を給餌されたマウスよりも体重増加が少なかった。図4に示すように、0.2重量%のシンナムアルデヒドを含有する高脂肪食を慢性的に給餌されたマウスは、シンナムアルデヒドを含まない同一の高脂肪食を給餌されたマウスと比較してインスリン感受性が改善した。図5に示すように、単回投与量のシンナムアルデヒドを給餌されたマウスは、偽栄養を給餌されたマウスと比較して、投与後に短期間での食物摂取量が低下した。図6に示すように、単回投与量のシンナムアルデヒドを給餌されたマウスは、偽栄養を給餌されたマウスと比較して、投与後に胃内容物排出が遅くなった。
[0061]p−アニスアルデヒドはカチオンチャネルTRPA1及びTRPV1のアゴニストでもあるという予期しない発見のため、本発明者らは、p−アニスアルデヒドは、シンナムアルデヒド同様に、しかし痛覚を刺激することなくTRPA1を活性化して、また、カプサイシン同様に、しかし灼熱感を有することなくTRPV1を活性化して、1)嚥下障害患者の嚥下反射を誘発することを助けること、2)胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、3)体重増加を減少させること、及び4)インスリン感受性を改善することにより血糖を低下させることができると考えている。したがって、本開示は、嚥下障害患者の嚥下反射を誘発する、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させる、体重増加を減少させる、及び/又はインスリン感受性若しくは耐糖能を改善することにより血糖を低下させる、5)気分、記憶若しくは認知を改善するのに治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を提供する。一実施形態において、p−アニスアルデヒドは、バニラ、スターアニスなどのアニス、ウイキョウ、クランベリー、シナモン、バジルなどのスパイス、及びその抽出物から単離されたp−アニスアルデヒド等の単離された化合物であってもよい。あるいは、又はこれに加えて、p−アニスアルデヒドはいくつかの精油から単離されてもよい。一実施形態において、p−アニスアルデヒドは合成p−アニスアルデヒドであってもよい。
[0062]一実施形態において、嚥下障害は、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を、嚥下障害を有する個体に投与することにより治療される。嚥下障害は、口腔咽頭嚥下障害であってよく、また、口腔癌手術、咽喉癌手術、脳卒中、脳損傷、又はパーキンソン病等の進行性神経筋疾患のうちの少なくとも1つの結果であってよい。
[0063]別の実施形態において、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物は、早産及び/又は子宮内胎児発育遅延(IUGR)を経験している乳児(12ヶ月以下の年齢の子供)、妊娠糖尿病に罹患している妊婦、又はインスリン抵抗性及び/又はII型糖尿病に罹患している、ヒト等の動物等の子供、青年又は成人に投与される。組成物は、対象者のインスリン感受性又は耐糖能を改善することにより血糖を低下させることができる。
[0064]更に他の実施形態において、組成物は、過体重若しくは肥満の対象者、又は過体重若しくは肥満となるリスクのある対象者に投与される。「過体重」は、25〜30のBMIを有する成人のヒトと定義される。したがって、BMI(体格指数)とは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った割合、又は重量(ポンド)を身長(インチ)の二乗で割り、703を掛けた割合を意味する。「肥満」とは、動物、特にヒト及び他の哺乳類の脂肪組織に蓄えられた自然エネルギーが、一定の健康状態又は死亡率の増加と関係する点まで増加した状態である。「肥満の」とは、30を超えるBMIを有するヒトと定義される。組成物は、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させることができ、及び/又は対象者の体重増加を減少させることができる。一実施形態において、対象者は、体重増加を避けている、過体重でない、及び/又は肥満でない個体である。
[0065]上記の通り、耐糖能と気分、記憶及び認知の間には直接繋がりがある。例えば、参加者に経口ブドウ糖負荷試験及び認知試験を行った研究では、高齢のグループにおいて、耐糖能が低い参加者は一層多くの言葉を忘れたり、ものごとを決めるのに時間がかかったりした。そして、耐糖能が低い参加者では、血糖が基準値を下回る傾向が、より良い気分及び一層速い作業記憶と関係したことを示した。例えば、Young and Benton(2014)を参照のこと。したがって、理論に束縛されるものではないが、発明者らは、p−アニスアルデヒドは、インスリン感受性及び/又は耐糖能を高め、それにより、気分、記憶又は認知の1つ又は複数を改善できると考えている。
[0066]したがって、一実施形態では、認知能力、認知、気分、又は記憶の1つ又は複数を改善する方法において、それを必要とする個体にp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与してもよい。組成物は、認知機能低下、軽度認知障害、認知症、気分障害、又は記憶喪失の状態の1つ又は複数を有する個体において、これらの1つ又は複数を治療又は予防することができる。組成物は、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも1ヶ月、及びより好ましくは少なくとも1年の間、少なくとも1日1回投与することができる。組成物は、乳児(12ヶ月以下の年齢の子供)、児童(12歳までの年齢)、青年(12〜18歳の年齢)、成人(18歳以上の年齢)、又は高齢者(出生国における平均寿命の最初の3分の2を過ぎた、好ましくは出生国における平均寿命の最初の4分の3を過ぎた)(高齢者は、65歳又はそれ以上の暦年齢の人である)に投与することができる。
[0067]認知能力は、学習能力及び速度、知的問題の解決能力及び速度、記憶を形成し思い出す能力、反応時間等で表されてよい。認知は、理解、推論、意思決定、計画、学習、記憶、連想、概念形成、言語、注意力、知覚、行動、問題解決及び心像等の精神的プロセスとして理解される。認知機能低下は、記憶の減少、物忘れ、単語若しくは名前を思い出せない問題、及び/又は記憶力、集中力、計画したり若しくは整理したりする能力、複雑な作業を行う能力、及び/又は認知能力の低下として現れる場合があり、年齢、ストレス、疾患、又は他の原因に起因する場合がある。認知障害は、短期記憶喪失、学習能力の低下、学習速度の低下、又は注意力の低下の1つ以上に現れる場合がある。
[0068]用語「気分」とは、特定の時間における感情の状態又は質(情動状態)を意味する。気分は、さほど具体的でない、さほど激しくない、及び特定の刺激又は出来事によりさほど誘発されないという点で、単純な感情とは異なる。気分は通常、ポジティブ又はネガティブなヴェイレンス(valence)のいずれかを有する。改善した気分は、不安レベルの低下、ストレスレベルの低下、感知するエネルギーレベルの増加、又は一層ポジティブな情動状態の1つ又は複数を含んでよい。
[0069]組成物は、製剤処方、栄養処方、栄養補助食品、機能性食品及び飲料製品、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい投与可能な形態である。本開示は、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを栄養組成物中に組み入れることを含む、栄養組成物を製造する方法を提供する。栄養素性物中に組み入れられたp−アニスアルデヒドは、単離されたp−アニスアルデヒド、p−アニスアルデヒドを含有するスパイス料、及び/又はp−アニスアルデヒドを含有するスパイスの抽出物の形態であってよい。
[0070]嚥下障害に関して、組成物の好ましい実施形態は、栄養豊富な飲料等の栄養補助食品として、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを投与する。嚥下障害の治療のための別の好ましい実施形態において、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドは水分補給サプリメントとして投与される。かかるサプリメントは増粘液体の形態であってよい。嚥下障害の治療のためのまた別の好ましい実施形態において、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドは食感を変えた食品として投与される。
[0071]一実施形態では、組成物はプレバイオティクスを含む。プレバイオティクスは、好ましくは、アカシアガム、αグルカン、アラビノガラクタン、βグルカン、デキストラン、フラクトオリゴ糖、フコシルラクトース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、グアーガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクト−N−テトラオース、ラクトスクロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、ミルクオリゴ糖、部分的に加水分解されたグアーガム、ペクチンオリゴ糖、難消化性デンプン、老化デンプン、シアルオリゴ糖、シアリルラクトース、大豆オリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖、これらの加水分解物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
[0072]一実施形態では、組成物はプロバイオティクスを含む。プロバイオティクスは、好ましくは、アエロコッカス、アスペルギルス、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム、カンジダ、クロストリジウム、デバリオマイセス、エンテロコッカス、フソバクテリウム、ラクトバシラス、ラクトコッカス、リューコノストック、メリッソコッカス、ミクロコッカス、ムコール、オエノコッカス、ペディオコッカス、ペニシリウム、ペプトストレプトコッカス、ピチア、プロピオニバクテリウム、シュードカテニュレイタム、リゾプス、サッカロマイセス、スタフィロコッカス、ストレプ卜コッカス、トルロプシス、ワイセラ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
[0073]一実施形態では、組成物はアミノ酸を含む。アミノ酸は、好ましくは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シトルリン、システイン、グルタメート、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシセリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
[0074]一実施形態において、組成物は、脂肪酸成分、好ましくは魚油又はその成分を含み、本成分は、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。DHA及びEPAはまた、クリル、ω−3脂肪酸を含有する植物源、アマニン、クルミ、藻類、及びこれらの組み合わせに由来してもよい。ある種の脂肪酸(例えば18:4脂肪酸)は、速やかにDHA及び/又はEPAに転換されることが可能であってよい。組成物はα−リノレン酸を含んでもよい。
[0075]一実施形態では、組成物は植物性栄養素を含む。植物性栄養素は、好ましくは、フラボノイド、組み合わさったフェノール化合物、ポリフェノール化合物、テルペノイド、アルカノイド、硫黄含有化合物、及びこれらの組み合わせ、特にカロテノイド、植物ステロール、ケルセチン、クルクミン、リモニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
[0076]一実施形態では、組成物は酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、好ましくは、アスタキサンチン、カロテノイド、コエンザイムQ10(「CoQ10」)、フラボノイド、グルタチオン、ゴジ(クコ)、ヘスペリジン、ラクトウルフベリー(lactowolfberry)、リグナン、ルテイン、リコピン、ポリフェノール、セレン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ゼアキサンチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
[0077]本明細書に記述されている好ましい本実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者には明らかとなるであろうことが理解されるべきである。本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その意図される利点を損なうことなく、そのような変更及び修正を行うことができる。そのため、そのような変更及び修正は添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1〜17を含む。
実施形態1:
嚥下障害を治療する方法であって、嚥下障害を有する個体に、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む方法。
実施形態2:
前記嚥下障害が口腔咽頭嚥下障害である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:
前記組成物が増粘飲料である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4:
前記治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドが嚥下反射を誘発する、実施形態1に記載の方法。
実施形態5:
前記p−アニスアルデヒドが、単離されたp−アニスアルデヒド及び合成p−アニスアルデヒドからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態6:
食欲を減退させる方法であって、それを必要とする個体に、胃内容物排出を遅延させるのに治療的に有効な量でp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む方法。
実施形態7:
前記個体が、過体重、肥満、過体重のリスク、肥満のリスク、及びこれらの組み合わせから選択される状態を有する、実施形態6に記載の方法。
実施形態8:
体重増加を減少させる方法であって、それを必要とする個体に、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む方法。
実施形態9:
前記個体が、過体重、肥満、過体重のリスク、肥満のリスク、及びこれらの組み合わせから選択される状態を有する、実施形態8に記載の方法。
実施形態10:
血糖を低下させる方法であって、それを必要とする個体に、インスリン感受性又は耐糖能を改善するのに治療的に有効な量でp−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む方法。
実施形態11:
前記個体が、早産の乳児、子宮内胎児発育遅延を経験した乳児、妊娠糖尿病に罹患している妊婦、インスリン抵抗性の状態にあるヒト、及びII型糖尿病に罹患しているヒトからなる群から選択される、実施形態10に記載の方法。
実施形態12:
嚥下障害の患者の嚥下反射を誘発すること、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、体重増加を減少させること、又はインスリン感受性若しくは耐糖能を改善することにより血糖を低下させることのうちの少なくとも1つに治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを含む組成物。
実施形態13:
前記組成物が食品である、実施形態12に記載の組成物。
実施形態14:
前記食品が、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む、実施形態13に記載の組成物。
実施形態15:
認知能力、認知、気分、又は記憶のうちの1つ又は複数を改善する方法であって、それを必要とする個体に、p−アニスアルデヒドを含む組成物を投与することを含む方法。
実施形態16:
前記個体が、認知機能低下、軽度認知障害、認知症、気分障害、記憶喪失、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される状態を有する、実施形態15に記載の方法。
実施形態17:
栄養組成物を製造する方法であって、嚥下障害の患者の嚥下反射を誘発すること、胃内容物排出を遅延させることにより食欲を減退させること、体重増加を減少させること、インスリン感受性若しくは耐糖能を改善することにより血糖を低下させること、又は気分、記憶若しくは認知を改善することのうちの少なくとも1つに治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドを栄養組成物に組み入れる工程を含む方法。

Claims (9)

  1. 個体における嚥下障害を治療するための組成物であって、p−アニスアルデヒドを有効成分として含有し、治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドが前記個体に投与されるように用いられる、組成物
  2. 前記嚥下障害が口腔咽頭嚥下障害である、請求項1に記載の組成物
  3. 前記組成物が増粘飲料である、請求項1又は2に記載の組成物
  4. 前記治療的に有効な量のp−アニスアルデヒドが嚥下反射を誘発する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物
  5. 前記p−アニスアルデヒドが、単離されたp−アニスアルデヒド及び合成p−アニスアルデヒドからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物
  6. 嚥下障害の患者の嚥下反射を誘発するための組成物であって、p−アニスアルデヒドを有効成分として含有する組成物。
  7. 前記組成物が食品である、請求項に記載の組成物。
  8. 前記食品が、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む、請求項に記載の組成物。
  9. 嚥下障害の患者の嚥下反射を誘発するための栄養組成物であって、p−アニスアルデヒドを有効成分として含有する栄養組成物
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