JP6864964B2 - 経口睡眠改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、睡眠の質を改善する経口睡眠改善剤に関する。
人生の約3分の1は「眠り」に占められており、睡眠は、ヒトにとって重要な行為である。しかしながら、現代社会においては、生活リズムの乱れやストレス、運動不足等により睡眠不足、不眠等の症状を訴える人が多く存在する。日本人全体を見ても、平均睡眠時間が年々短くなっていることが報告されており(総務省、平成23年社会生活基本調査.(2011))、さらに2010年における平均睡眠時間は、1970年以降で最も低い水準となっていることから(小林利行ら、放送研究と調査、2−21.(2011))、日本人の睡眠の質が年々低下していることが推察される。睡眠の質の低下は、心筋梗塞や脳梗塞等の重大な疾患に繋がるだけでなく、日中の眠気から作業能率が低下し、重大な事故を誘発する可能性があり、睡眠の質を改善することは重要な課題である。
睡眠の質の低下は、一般的に、寝つきが悪い入眠障害、夜中に何度も目が覚める中途覚醒、朝早くに目が覚めてしまう早期覚醒、よく眠った感じがしない熟眠不全等に分類される。これらの症状に対する治療法としては、ベンゾジアゼピン系や抗ヒスタミン系等の睡眠改善医薬品による薬物療法が挙げられる。これらの医薬品は、睡眠改善効果を有するが、精神症状や筋弛緩作用などの副作用があること、また、医薬品である為、簡便に入手できないことが課題として挙げられる。その為、必ずしも、睡眠の質の低下に対する十分な解決策とはなっていない。
一方で、食品由来の有効性成分を含有する睡眠改善飲食品は、食経験のある素材で構成されていることから、医薬品のような副作用は少なく、また、購入時の敷居の高さは医薬品ほどではない。これまでに、睡眠改善効果を有する飲食品成分として、テアニン(特許文献1)、グリシン(特許文献2)、オルニチン(特許文献3)、γ−アミノ酪酸(特許文献4)、アルギニン(特許文献5)、グルタチオン(特許文献6)、納豆菌等のバシラス・サブチルス(Bacillus subtilis)に属する微生物の菌体破砕物(特許文献7)、清酒酵母(特許文献8)、亜鉛及び糖類又は糖アルコール(特許文献9)、カゼイン加水分解物及びミネラル(特許文献10)、セサミン類(特許文献11)、カボチャ属種子抽出物(特許文献12)、トネリコ属植物もしくはその抽出エキス、シベリアカラマツエキス、ジヒドロケルセチン、ジヒドロケンフェロール又はナリンゲニン(特許文献13)等が開示されている。
しかしながら、これら数多くの睡眠改善用製品が市販されているにも関わらず、上記のように日本人の睡眠の質が年々低下していることを踏まえると、従来の製品は、睡眠の質を改善する一定の効果を示すものの、その効果は不十分であるといえる。市販されているものよりも効率よく睡眠の質を改善することが可能な製品の提供が望まれる。
メントールは、モノテルペンアルコールの一種で、いくつか異性体が存在するが、天然には全てL体として存在する。メントールは、ミント葉やニホンハッカ等に含まれていて、食品添加物や芳香成分として使用されている食経験のある素材である。睡眠改善用製品の中にも、添加剤としてメントールを含むものがある(特許文献13)。しかしこれまでに、メントールは、主に眠気を防止することを目的として使用されており、メントールを含む眠気防止用の口蓋貼付用フィルム(特許文献14)、可食フィルム(特許文献15)、チューインガム(特許文献16)、外用剤及び貼付剤(特許文献17)、化粧料(特許文献18)などの製品が開発されている。また、気化したメントールを吸入することにより、眠気を解消する方法が提案されている(特許文献19)。上記のメントールによる眠気防止用製品や眠気解消方法は、メントールが口や喉、鼻、皮膚を刺激することによって、眠気を解消するものである。
他方で、ペパーミント葉乾燥エキスを高濃度でマウスやラットに投与すると、鎮静作用によりノンレム睡眠を誘発することが報告されている(特許文献20)。しかしながら、この報告では、該ペパーミント葉エキス中を投与した直後から急激に運動量が低下しており、エキスによる強い鎮静作用により活動が抑制されて睡眠が導入されたものであり、自然な睡眠誘発とはいえない。また、エキス中の有効成分は具体的に明らかにされていない。
また、オリーブ油(オレイン酸)、ヒマワリ油(オレイン酸及びリノール酸)、ハッカ油(メントール)、ビタミンを含有する、いびきの防止または改善を目的とするスプレーが開発されている(特許文献21)。これは、咽頭にスプレーして咽頭部の粘膜を湿潤させて柔軟化することで、いびきを防止または改善するものである。
特許第4961087号公報 特開2006−333872号公報 特許第5053535号公報 特開2007−63236号公報 特開2007−230954号公報 特開2008−56628号公報 特開2008−137941号公報 特開2015−214518号公報 国際公開公報第2015/099102号 特開2009−13143号公報 特許第5925984号公報 特開2012−206943号公報 国際公開公報第2013/051727号 特開2007−99689号公報 特開2007−277112号公報 特許第2863586号公報 特許第3414423号公報 特開2002−205932号公報 特開平3−198867号公報 特開2010−64969号公報 特開2013−121929号公報
本発明は、新規の経口睡眠改善剤を提供することに関する。
本発明者らは、天然界に存在する生理効果を持つ物質の中から、経口投与されることによって睡眠改善効果を有する物質として、メントールを見出した。
したがって、本発明は、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、経口睡眠改善剤を提供する。
また本発明は、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、睡眠改善用食品組成物を提供する。
本発明の経口睡眠改善剤は、穏やかに睡眠を誘発し、深い睡眠状態であるノンレム睡眠時間の割合を有意に増加させ、睡眠の質を改善することができる。
図1は、実施例1でのノンレム睡眠及び覚醒時間の割合にメントールが与える効果を評価した結果を示す。測定データ(n=15)は平均値±標準誤差、★印は対照に対して統計学的に有意(t−検定、p<0.05)にノンレム睡眠時間の割合が増加、又は覚醒時間の割合が低下したことを示す。
本発明で使用するメントールは、立体異性体又はそれらの混合物の何れを用いることも可能であるが、好ましくはl−メントールである。また、メントール配糖体は生体内で酵素的に加水分解されてメントールを生じるので、本発明においては、当該配糖体も遊離のメントールと同様に用いることができる。当該配糖体を構成する糖としては、例えば、グルコース、フコース、ガラクトース、6−デオキシグルコース、ラムノース、マルトース、スクロース等が挙げられ、グルコース、マルトース、スクロース等の、構成糖としてグルコースを含む糖が好ましく、グルコースがさらに好ましい。グルコース配糖体はα体、β体いずれでも良いが、苦みの点からα体が好ましく用いられる。本発明で使用するメントール又はその配糖体は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよい。
本発明で使用するメントール又はその配糖体は、公知の手段、例えば化学合成によって、又はメントールもしくはその配糖体を含有する天然物から抽出して精製することによって、調製することができる。あるいは、市販品を用いてもよい。また、メントールもしくはその配糖体には、それらを含有する植物もしくは各種食品の抽出物、部分精製物もしくは加工品を用いてもよく、又は当該抽出物や部分精製物、加工品から単離したメントールもしくはその配糖体を用いることもできる。
本発明において、メントール及びその配糖体は、各々単独で用いてもよく、又はいずれか2種類以上を組み合わせて用いてもよい。すなわち、本発明の経口睡眠改善剤は、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する。好ましくは、本発明の経口睡眠改善剤は、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種からなる。好ましくは、該メントール及びその配糖体は、l−メントール及びその配糖体である。以下の本明細書において、メントール及びその配糖体を、まとめてメントール類と称することがある。
本発明において睡眠改善とは、睡眠の質を改善することを意味する。本発明における睡眠の質の改善とは、ノンレム睡眠時間の睡眠時間全体に占める割合、又はレム睡眠時間に対するノンレム睡眠時間の割合を増加させること、又は、即時的に睡眠が誘発されるのではなく、穏やかに睡眠が誘発されることを意味する。したがって、本発明における睡眠の質は、睡眠時間全体もしくはレム睡眠時間とノンレム睡眠時間との割合、又は入眠までの時間を指標として評価することができる。レム及びノンレム睡眠時間や入眠までの時間を評価する手法としては、ヒトの場合、脳波計等による非侵襲的な測定方法が挙げられる。マウスやラット等の実験動物を用いた場合、該実験動物の頭部頭蓋骨上に脳波、筋電を測定する電極を装着して有線ケーブルを用いて測定する手法、体内に送信器を埋め込んで生体内の生理指標の情報を無線で飛ばすテレメトリーシステムを用いる手法等が挙げられる。したがって、本発明による睡眠改善効果は、例えば、被験者に本発明の経口睡眠改善剤を経口摂取するか、又はマウスやラット等の実験動物に本発明の経口睡眠改善剤を経口投与し、該経口摂取又は経口投与後の睡眠の質を上述の手段で調べることによって、評価することができる。
後述する実施例では、マウスに経口ゾンデを用いてメントールを胃内に投与し、脳波、筋電の測定結果から、睡眠の質を評価した。その結果、メントールの胃内投与は、投与後1〜2時間で覚醒時間の割合を有意に低下させ、深い眠りであるノンレム睡眠時間の割合を有意に増加させることを確認した(実施例1)。したがって、本発明の経口睡眠改善剤は、経口摂取されて消化管に作用することで、穏やかにノンレム睡眠時間の割合の多い睡眠を誘発して、睡眠の質を改善する効果を発揮する。
本発明の経口睡眠改善剤は、ヒト又は動物用の医薬品組成物、医薬部外品組成物又は食品組成物等の組成物であってもよく、あるいは当該組成物等に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。当該組成物等は、メントール類を睡眠改善のための有効成分として含有する。
当該医薬品組成物(医薬部外品組成物も含む)の投与形態は経口投与(内用)であればよく、またその剤形は経口剤であればよく、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、クリーム等が挙げられる。このような種々の剤形の医薬品組成物は、常法に従って、メントール類を単独で、又は必要に応じて他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせることにより、調製することができる。
当該食品組成物は、睡眠の質の改善をコンセプトとし、必要に応じて、その旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品等を包含する。該食品組成物の形態としては、固形、半固形又は液状であり得る。本発明により提供される食品組成物は、飲料を含む。したがって、当該食品組成物を飲食品組成物と言い換えることができる。該食品の例としては、例えば、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料等の各種食品の他、上述した経口剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。種々の形態の食品は、常法に従って、メントール類を単独で、又は必要に応じて他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせることにより、調製することができる。
メントールは、ハッカ臭と言われている独特の匂いがする。この独特の匂いが鼻、口、喉などに作用すると覚醒を誘発することから、メントールは従来、眠気防止に使用されている(例えば、特許文献14〜19)。したがって、本発明の経口睡眠改善剤を医薬品組成物、医薬部外品組成物又は食品組成物等の組成物として使用する場合は、これら組成物に含まれるメントール類を、メントールの独特の匂いや清涼感を感じさせないように処理することが好ましい。さらに、当該処理は、口腔内環境では組成物中の有効成分であるメントール類が放出されず、胃や腸等の消化管内環境においてメントール類が放出されるような処理であることが好ましい。そのような処理としては、カプセル化又は糖衣コーティング等によるコーティング処理などが挙げられる。
当該記医薬品組成物、医薬部外品組成物及び食品組成物中におけるメントール類の含有量は、該組成物の総量に対し、メントール換算で、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは8〜12質量%である。これらの範囲内であれば、本発明の有効成分であるメントール類を、より有効に摂取又は投与させることが可能となる。
後述の実施例に示すように、マウスでは、メントール20mg/kg体重の投与で睡眠改善効果が見られた。ヒトに同等の効果をもたらすためのメントールの用量は、「体表面積に基づく動物からのHED(Human Equivalent Dose)交換」(例えば、Guidance for Industry, Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers, V. STEP 2: HUMAN EQUIVALENT DOSE CALCULATION, July 2005, Pharmacology and Toxicology, p.6-7 / U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER)を参照)による下記換算式から算出することができる。
HED=[動物への投与量(mg/kg体重)]×{[動物の体重(kg)]÷[ヒトの体重(kg)]}0.33
例えば、ヒトの体重を60kg、マウスの体重を20gとすると、マウス(20g)に対するメントール20mg/kg体重の投与は、ヒト(60kg)に対するメントール85mg/kg体重の投与に相当する。
したがって、本発明の経口睡眠改善剤をヒトに投与又は摂取させる場合、その好ましい用量は、メントール換算で、成人(60kg)1人当たり、好ましくは50〜300mg/回、さらに好ましくは80〜120mg/回である。また、本発明の医薬品組成物、医薬部外品組成物及び食品組成物の成人(60kg)に対する1回投与又は摂取量当たりにおけるメントール類の含有量は、メントール換算で、好ましくは50〜300mg、さらに好ましくは80〜120mgである。
本発明の経口睡眠改善剤の摂取又は投与時期としては、睡眠を希望する時間の30分間〜3時間前が好ましく、1時間〜2時間前がより好ましい。
本発明の経口睡眠改善剤の摂取又は投与対象としては、睡眠の質の改善を必要としているヒト又は動物であれば特に限定されない。好ましくは、睡眠の質が低下しているヒト又は動物、健常であるがより質の良い睡眠を必要とするヒト又は動物、あるいは、睡眠障害を有するヒト又は動物への摂取又は投与が有効である。本発明の睡眠改善剤は、治療的にも非治療的にも使用することができる。治療的使用としては、睡眠障害のヒト又は動物への使用が挙げられる。非治療的使用としては、睡眠障害と診断されていない(健常である)が睡眠の質の改善を必要とするヒト又は動物、又は健康増進や美容のためにより質の良い睡眠を必要とするヒト又は動物への使用が挙げられる。
本発明はまた、例示的実施形態として以下の物質、製造方法、用途、方法等を包含する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、経口睡眠改善剤。
〔2〕好ましくは、医薬品組成物、医薬部外品組成物又は食品組成物である、〔1〕記載の経口睡眠改善剤。
〔3〕好ましくは前記有効成分が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔1〕又は〔2〕記載の経口睡眠改善剤。
〔4〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔3〕記載の経口睡眠改善剤。
〔5〕好ましくは、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を、メントール換算で5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは8〜12質量%含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の経口睡眠改善剤。
〔6〕ヒト成人(60kg)1人当たりに対して、メントール換算で、好ましくは50〜300mg/回、好ましくは80〜120mg/回の量で投与されるか又は摂取される、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の経口睡眠改善剤。
〔7〕メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする、睡眠改善用食品組成物。
〔8〕好ましくは前記有効成分が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔7〕記載の食品組成物。
〔9〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔8〕記載の食品組成物。
〔10〕好ましくは、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を、メントール換算で5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは8〜12質量%含有する、〔7〕〜〔9〕のいずれか1項記載の食品組成物。
〔11〕ヒト成人(60kg)1人当たりに対して、メントール換算で、好ましくは50〜300mg/回、好ましくは80〜120mg/回の量で摂取させる、〔7〕〜〔10〕のいずれか1項記載の食品組成物。
〔12〕経口睡眠改善剤を製造するための、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
〔13〕好ましくは、前記経口睡眠改善剤が医薬品組成物、医薬部外品組成物又は食品組成物である、〔12〕記載の使用。
〔14〕好ましくは、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔1〕又は〔2〕記載の使用。
〔15〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔14〕記載の使用。
〔16〕好ましくは、前記経口睡眠改善剤が、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を、メントール換算で5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは8〜12質量%含有する、〔12〕〜〔15〕のいずれか1項記載の使用。
〔17〕前記経口睡眠改善剤の用量が、ヒト成人(60kg)1人当たりに対して、メントール換算で、好ましくは50〜300mg/回、好ましくは80〜120mg/回である、〔12〕〜〔16〕のいずれか1項記載の使用。
〔18〕経口投与又は摂取により睡眠を改善するための、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の非治療的使用。
〔19〕好ましくは、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔18〕記載の非治療的使用。
〔20〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔19〕記載の非治療的使用。
〔21〕睡眠改善のための経口投与に使用するための、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種。
〔22〕好ましくは、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔21〕記載のメントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種。
〔23〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔22〕記載のメントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種。
〔24〕ヒト成人(60kg)1人当たりに対して、メントール換算で、好ましくは50〜300mg/回、より好ましくは80〜120mg/回の量で経口投与されるか又は経口摂取される、〔21〕〜〔23〕のいずれか1項記載のメントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種。
〔25〕睡眠を希望する時間の、好ましくは30分間〜3時間前、より好ましくは1時間〜2時間前に経口投与されるか又は経口摂取される、〔21〕〜〔24〕のいずれか1項記載のメントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種。
〔26〕睡眠改善方法であって、それを必要とする対象に、メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種を有効量で経口投与又は経口摂取させることを含む、方法。
〔27〕好ましくは、前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されている、〔26〕記載の方法。
〔28〕好ましくは、前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、〔27〕記載の方法。
〔29〕前記有効量が、ヒト成人(60kg)1人当たり、メントール換算で、好ましくは50〜300mg/回、より好ましくは80〜120mg/回である、〔26〕〜〔28〕のいずれか1項記載の方法。
〔30〕前記メントール及びその配糖体からなる群より選択される少なくとも1種の摂取又は投与時期が、睡眠を希望する時間の、好ましくは30分間〜3時間前、より好ましくは1時間〜2時間前である、〔26〕〜〔29〕のいずれか1項記載の方法。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(被験動物)
被験動物として雄性マウス(C57BL/6J,SLC Inc)を用いた(n=15)。マウスは、室温23±2℃、湿度55±10%、12時間の明暗サイクル下で飼育した。飼育期間中は、CE−2固形食の自由摂食、水の自由飲水の条件下で飼育した。脳波、筋電測定のため、マウス頭部に電極を装着した。マウスへの電極装着手術は以下のように実施した。電極本体からは、脳波取得用の2本の電線と、筋電図取得用の2本の電線が伸びており、まず脳波取得用電線を、ステンレス製ビスを用いてマウス頭蓋骨上に固定し、次いで筋電図取得用の2本の電線を左右の僧帽筋上に留置した。その後、電極本体を歯科用セメントで頭蓋骨上に固定留置した。手術後、マウスは通常の飼育ケージにおいて、7日間以上安静にさせた。以下の試験では、マウス同士の接触で手術部が損傷される可能性があることから、飼育全期間でマウスの個別飼育を行った。
(実施例1:l−メントールの経口投与が睡眠の質に与える効果)
術後安静期間を経たマウスを脳波測定専用のケージに移し、環境変化に対する72時間以上の馴化を行った。脳波測定専用ケージ内で馴化させた後、脳波、筋電、自発運動量データの測定を開始した。l−メントール(和光純薬工業(株))は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に0.5g/mLとなるように溶かしたものを滅菌精製水で希釈して、DMSOが終濃度1体積%となるように調製した。暗期の開始時刻である20:00に、l−メントール溶液を、経口ゾンデを用いて、4mL/kg体重(メントール20mg/kg体重)の投与量でマウスの胃内へ直接投与した。対照投与群では、DMSOを終濃度1体積%となるように滅菌精製水で希釈したものを投与した。経口投与後は、少なくとも12時間以上のデータを取得した。当試験は、クロスオーバー法で実施し、最低1週間のウォッシュアウト期間を設けた。
得られた脳波と筋電の結果から、10秒間のデータを1エポックとし、各エポックの睡眠及び覚醒の状態を判別した。睡眠及び覚醒の状態の判別には、脳波記録ソフトウェア「SleepSign」(キッセイコムテック社製)を使用し、脳波と筋電位の周波数成分及び波形から、各エポックを覚醒、NREM(ノンレム)睡眠、REM(レム)睡眠のいずれかに自動判定した。得られた判定結果は、最終的に研究員自身が目視で確認し、必要に応じて修正を行った。投与前1時間から投与後4時間の脳波と筋電のデータを解析し、1時間あたりのノンレム睡眠時間の割合及び覚醒時間の割合を算出した。測定結果は、平均値±標準誤差で表した。対照投与群との比較は、対応のあるt−検定を実施し、p<0.05を有意差ありとした。
l−メントールを胃内に直接投与した群では、投与後1時間までは対照投与群と比較してノンレム睡眠時間の割合、覚醒時間の割合ともに差は見られなかったが、投与後1〜2時間において、対照投与群と比較して統計学的に有意に、ノンレム睡眠時間の割合が増加し、かつ覚醒時間の割合が低下した(図1)。このことから、l−メントールの経口投与には、穏やかに睡眠を誘発してかつ深い眠りであるノンレム睡眠時間を増やすことで、睡眠の質を改善する効果があることが確認された。

Claims (7)

  1. ノンレム睡眠時間の睡眠時間全体に占める割合を増加させるための経口睡眠改善剤であって、
    メントールを有効成分とし、該有効成分が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されており、
    睡眠を希望する時間の1時間〜2時間前に経口投与又は経口摂取される
    経口睡眠改善剤。
  2. 前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、請求項記載の経口睡眠改善剤。
  3. 前記メントールを5〜50質量%含有する、請求項1又は2記載の経口睡眠改善剤。
  4. ヒト成人(60kg)1人当たりに対して、メントール換算で50〜300mg/回となる量で投与されるか又は摂取される、請求項1〜のいずれか1項記載の経口睡眠改善剤。
  5. ノンレム睡眠時間の睡眠時間全体に占める割合を増加させるための経口睡眠改善用食品組成物であって、
    メントールを有効成分とし、該有効成分が、口腔内環境では放出されず、消化管内環境で放出されるように処理されており、
    睡眠を希望する時間の1時間〜2時間前に経口投与又は経口摂取される、
    睡眠改善剤用食品組成物。
  6. 前記処理がカプセル化処理又はコーティング処理である、請求項記載の食品組成物。
  7. 前記メントールを5〜50質量%含有する、請求項5又は6記載の食品組成物。
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