JP2011157302A - 深部体温正常化剤および体温正常化組成物 - Google Patents

深部体温正常化剤および体温正常化組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】低下した深部体温を上昇させる、または変調した深部体温リズムを復調するという深部体温正常化作用を有する深部体温正常化剤および該深部体温正常化剤を含む体温正常化組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る深部体温正常化剤は、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を深部体温正常化作用を有する有効成分として含むことを特徴とする。本発明に係る体温正常化組成物は、本発明の深部体温正常化剤を有効成分として含み、好ましくは糖分をさらに含み、より好ましくは、さらに血流促進剤を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体の深部体温の低下や深部体温リズムの乱れなどの深部体温の変調を正常化する有効成分としてハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を含有する深部体温正常化剤、および該深部体温正常化剤を含有する体温正常化組成物に関するものである。
ここでいう、体温正常化組成物とは、本発明の深部体温正常化剤を有効成分として含む機能性食品、飼料または医薬品を意味する。これら組成物の形態で、経口摂取することにより、低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、免疫力低下、血行不良(冷え・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、新陳代謝低下(肥満)、うつ等の予防又は治療効果が期待できる。
ヒトを含む恒温動物の体温は、活動期に高く休息期に低くなる24時間周期のリズムを有している。これに対して、朝食の欠食、夜型の生活、不規則な睡眠や日中の身体活動不活発等の生活習慣の乱れが続くと、生体機能の恒常性の維持(ホメオスタシス)に影響を及ぼし、活動期の体温の低下が誘発される。活動期における体温低下が持続すると、例えば、悪寒・不快感、創部感染、創傷治癒遅延、免疫力低下等の生理機能の低下を生じ、極端な体温の低下では死に至ることもある。また、持続的な体温低下は、睡眠障害、肥満、うつ等の生理機能障害との関連性も示唆されており、体温が種の正常な活動状態で決められている範囲を超えて低下した場合、早急に体温を適正な範囲に回復させる必要がある。
ところで、生体の体温は身体深部の温度をあらわす深部体温と体表面の温度をあらわす体表面温の二つに大別することができる。体表面温は環境等の影響を受けて変化するが、深部体温は生体の様々な生理反応が正常に機能するための基盤的な役目を担っており、ホメオスタシスの働きにより恒常性が維持されている。
ここでいう「深部体温」とは、体の深部(例えば、直腸、食道、心臓、脳など)の温度を意味し、通常は直腸温である。深部体温の測定は、例えばラットの場合、直腸温を熱電対プローブ(「PowerLab 8/30 システム」(バイオリサーチセンター株式会社))により行うことができる。また、ヒトの場合の測定は、腋下温、口腔(舌下)温、直腸温によることができる。
上述の体温が種の正常な活動状態で決められている範囲を超えて低下する体温変調は、体表面温のみに生じる現象ではなく、深部体温までもが変調していることを意味している(例えば、非特許文献1を参照)。このように持続的な体温の低下は、深部体温の低下に起因しており、それがために、免疫力の低下、睡眠障害など重要な生理機能の障害を来たし、さらには死にいたることもある重大な問題である。
したがって、体温が種の正常な活動状態で決められている範囲を超えて低下した場合に、体温を適正な範囲に回復させるためには、まず、変調を来している深部体温を正常化することが必須となる。
しかしながら、従来の体温上昇手段は、温度感覚受容体への作用を介した末梢器官の熱産生促進や、末梢血管の拡張による血流促進により体表面温を一時的に上昇させるものであり、深部体温を正常化できるものではなかった。例えば、冷えた身体を温める手段としては、酢酸トコフェロール、高麗人参、ショウガ、カプサイシン(唐辛子エキス由来の化合物)等の血流促進剤の摂取や手足のマッサージ等による血行の促進、また、温かい飲食物の摂取、入浴等の方法が挙げられる。しかしながら、血流促進剤では体表面温度を一時的に上昇させることはできるが、深部体温の変調を正常化することはできず、体温低下の根本的な解決には至らない。また、暖かい飲食物の摂取や入浴による体温上昇は一過性であり、持続性の面で問題がある。
これに対して、本発明者らは、後述のように、様々な実験、検討の結果、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物に深部体温正常化作用があることを知見するに至った。このハマウツボ科ホンオニク属の代表的植物であるニクジュウヨウは、古くから生薬として使用されており、非特許文献2に説明があるように、生体に対して様々な有用な作用があることは知られていたが、深部体温正常化作用があることは、全く知られておらず、それを示唆する知見もなかった。
従来、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物に関しては、上記ニクジュウヨウの代替え品であるカンカニクジュウヨウに更年期障害の改善作用があることが開示されている(特許文献1)。しかし、特許文献1において、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物が深部体温についてなんらかの影響を有するか否かについては、全く記載されていない。
特開2007−197392号公報
American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology、2004、287:R1071-R1079 中薬大辞典、第3巻、2002−2005、上海科学技術出版社 小学館編
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、低下した深部体温を上昇させる、または変調した深部体温リズムを復調するという深部体温正常化作用を有する深部体温正常化剤および該深部体温正常化剤を含む体温正常化組成物を提供することにある。
本発明者らは、恒温動物に摂取させることにより生体の深部体温の変調を正常化する効果を有する物質を求めて、多くの実験、検討を重ねたところ、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物が顕著な深部体温正常化作用を有することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、下記構成を採用した深部体温正常化剤および該深部体温正常化剤を含む体温正常化組成物を提供する。
[1] ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を深部体温正常化作用を有する有効成分として含む深部体温正常化剤。
[2] 前記深部体温正常化作用が深部体温上昇作用であることを特徴とする、上記[1]に記載の深部体温正常化剤。
[3] 前記深部体温正常化作用が深部体温リズム改善作用であることを特徴とする、上記[1]に記載の深部体温正常化剤。
[4] 深部体温が変調した生体に7日間以上継続的に経口摂取させることにより生体の深部体温が正常化することを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の深部体温正常化剤。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の深部体温正常化剤と糖分を含む体温正常化組成物。
[6] さらにカプサイシンおよびショウガ粉末から選ばれる一種以上の血流促進剤を含むことを特徴とする、上記[5]に記載の体温正常化組成物。
[7] 機能性食品であることを特徴とする、上記[5]または[6]に記載の体温正常化組成物。
本発明の深部体温正常化剤は、顕著な深部体温正常化作用および深部体温リズム正常化作用を有するので、持続化する体温低下を誘引している深部体温の変調を正常化し、生体の体温を正常な状態に戻すことができ、それにより持続する低体温状態を原因とする低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、免疫力低下、血行不良(冷え・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、新陳代謝低下(肥満)、うつ等の疾患の治療や予防に用いることができる。
「深部体温の変調」とは、深部体温の低下および深部体温リズムの振幅の低下の一方もしくは両方を意味する。深部体温の低下とは、通常の深部体温よりも低下することを意味する。具体的な低下温度については、種差や個体差があるため数値範囲で特定することは難しいが、一般にラット等の実験動物の場合には0.5〜3℃程度であり、ヒトの場合にも0.5〜3℃程度(一般に、平常体温36.5に対して33.5〜36.0℃)である。
正常化とは、深部体温低下の場合、低下している深部体温を上昇させることの他、深部体温が平常である場合に低下を防ぎ、その体温を維持することを意味する。また、深部体温リズムの乱れの場合、生体が健康である場合の生体に固有なリズムに復帰されることを意味する。
(深部体温正常化剤)
本発明の深部体温正常化剤は、深部体温が変調した生体に一定期間以上継続的に経口摂取させることにより生体の深部体温を正常化する深部体温正常化剤であって、前記深部体温を正常化する有効成分としてハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を含むことを特徴としている。
本発明の深部体温正常化剤は、先にも述べたように、カプサイシンやショウガエキスなどの血流促進剤を有効成分とする従来の体温正常化組成物による効果が一時的であるという欠点を補い、慢性化している体温低下を根本から正常な状態に戻すことのできる組成を探求する過程で、深部体温の正常化が重要であり、その深部体温の正常化にハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物が顕著な効果を有することを知見したことに基づいて確立された作用的に新規な薬剤である。
(ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物)
ハマウツボ科ホンオニク属(ニクジュウヨウ属)植物としては、メイニクジュウヨウ(学名:Cistanche ambigua)、ジュウヨウ(学名:Cistanche deserticola)、ニクジュウヨウ(別名:ホンオニク、学名:Cistanche salsa)、カンカニクジュウヨウ(学名:Cistanche tubulosa)などが利用できる。特にカンカニクジュウヨウは安定的に供給されるため、好適に利用できる。
ホンオニク属植物はいずれも寄生植物であり葉緑素を持たない。このうちニクジュウヨウは滋養強壮の漢方処方に古くから利用されてきたが、近年採取が困難となり、効果に遜色のないカンカニクジュウヨウが代替品として注目されている。
古くから生薬として利用されてきたニクジュウヨウおよびその代替品であるカンカニクジュウヨウは特に生薬としての効能に優れるとされて重用されているが、他のハマウツボ科ホンオニク属植物にも程度の差はあるものの、同様の有効成分が含まれているとされている(例えば、非特許文献2参照)。
ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物は、カンカニクジュウヨウの場合を代表させて述べれば、カンカニクジュウヨウの肉質茎乾燥物を破砕し、含水エタノールを用いて液相抽出し、得られた抽出液を乾燥させて粉末化することにより、得られる。抽出物として、通常、この粉末をカンカニクジュウヨウ抽出物として用いる。
本発明者らの研究によれば、深部体温の低下に伴い、深部体温リズムの振幅の低下が生じることが知見された。この深部体温リズムの振幅の低下がその他の様々な生体リズムの変調を来し、悪寒・不快感、創部感染、創傷治癒遅延、免疫力低下などの生体に深刻な諸症状を誘引しているものと推測された。
本発明者らは、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を用いた実験、検討を繰り返したところ、生体の深部体温を正常化するばかりでなく、深部体温リズムの変調も復調し得ることも確認できた。
体温リズムを始めとして生体には様々なリズムがあり、それらのリズムによって、生体の健康が保たれていることは一般に認められているところであり、また、そのリズムに変調を来した場合、正常に戻るのに時間がかかることも、また、一般に認められているところである。後述の実施例において確認できるように、本発明の深部体温正常化剤を摂取させた場合も、即時的に深部体温の上昇が得られず、摂取をつづけて一定の期間を経た後に初めて深部体温が正常化されるが、これは、生体の脳中枢領域の視床下部が担っている体温調節リズムの正常化が深部体温の正常化、ひいては表面体温の正常化に必要な要件であることを推測させるものである。
通常、深部体温リズムを始めとした生体の様々なリズムは、生体の基盤的な機能であるため、容易に乱されることがない。しかし、栄養摂取、活動期の不活発状態などの生体にとって不自然な状態が過度に、かつ長期に続くと、本来恒常性が維持されるはずの深部体温リズムが変調し、その後、容易に復調しない状態に陥る。深部体温リズムは、その変調の程度がわずかであっても、一旦変調すると、徐々に変調の程度が増加・固定化し、容易に復調することが困難になる。これが生活習慣病の改善しにくさの背景にあると考えられている。逆に、なんらかのプラス誘因により深部体温リズムが復調に転じれば、復調の程度が小さくても、生体に備わったホメオスタシスの働きにより正常な範囲に復調し、それに伴って深部体温も上昇に転ずると考えられる。すなわち、深部体温リズムなどの生体のリズムは、変調、復調へ転じる閾値が高く、復調させる場合、量的な復調の程度は2次的であり、質的に復調へ転じることが重要であると考えられる。深部体温の上昇率が小幅であっても、深部体温が上昇傾向に転じ、さらにプラスの誘因が働き続けることで、深部体温が正常化されることが期待できる。本願発明の深部体温正常化剤は、かかるプラスの誘因となる優れた作用を有するものである。
本発明の深部体温正常化剤としては、粉末状態にしたハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物をそのまま使用してもよいが、通常、溶媒、保存剤を含む溶液状態で、流通させ、後述の体温正常化組成物の有効成分に使用する。
本発明の深部体温正常化剤における有効成分であるハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物の配合量は、一般的に、深部体温正常化剤全量に対して、0.005〜50質量%に配合するのがよく、好ましくは、0.01〜30質量%である。
本発明の深部体温正常化剤において、有効成分の投与量は、患者の年齢、体重及び疾患の程度等により適宜決定することができる。深部体温正常化剤によるハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物の投与量は、成人の体重(50kg)を基準として、通常1〜100mg/kgの範囲であり、好ましくは5〜50mg/kgの範囲である。先に述べたように、深部体温および深部体温リズムは、生体の恒常性維持(ホメオスタシス)、および、生体リズムと密接に関連し、有効成分が効果を挙げるには、乱れた生体リズムの修復が必要と考えられる。生体リズムの修復には、一定の期間を要するので、有効成分は一定期間継続的に摂取する必要がある。したがって、有効成分の投与量は、効果の上から有効量に達していればよく、投与量の多少は二次的であり、投与継続期間が重要と考えられる。本発明者らの検討によれば、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を継続投与した実施例の場合、必要な投与期間(摂取期間)は7日間以上である。
本発明の深部体温正常化剤は、一定の深部体温を持つ動物(恒温動物)に用いられ、特に哺乳類(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、イヌ、ネコ、サル、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ等)に用いることができる。
本発明の深部体温正常化剤は、上述のように、そのまま用いることもできるが、さらに担体と組み合わせて用いることもできる。担体としては、その使用形態に応じて、適当な充填剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、表面活性剤、防湿剤、賦形剤、希釈剤などの中から選択して1種類または2種類以上を使用することができる。
また、本発明の深部体温正常化剤は、深部体温正常化効果を得ることを目的に、各種用途の組成物に有効成分として配合して用いることもできる。かかる体温正常化組成物としては、機能性食品を代表とする飲食品、医薬品、飼料などを挙げることができる。
(体温正常化組成物)
本発明に係る体温正常化組成物は、本発明の深部体温正常化剤と、好ましくは熱エネルギー源となる糖分を含む。
先にも述べたように、生体の体表面温が慢性的に低下した状態にある場合は、ほとんどの場合、深部体温に変調があると判断される。一方、深部体温が正常であっても、体表面の組織の血行不良などにより体表面のみの体温が低下する場合もある。深部体温の低下を伴うタイプの体温低下は、生体の機能に深刻な影響があるが、体表面の体温低下のみであっても、生体への悪影響は軽く考えることはできない。どちらのタイプの体温低下も早急に正常化する必要がある。
後述の実施例にて確認できるように、有効成分としてハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物のみを含む場合でも、摂取後一定期間を経れば、深部体温が正常化されるばかりでなく、体表面温も改善がみられる。一方で、体表面の体温に関しては、血流促進剤は、ほぼ即時的な効果がある。したがって、持続する体温低下状態を改善するためには、糖分、深部体温正常化剤の組み合わせ組成に血流促進剤を加えた組成が、より好ましい組成である。
体温正常化組成物としては、飲食品、飼料などの剤形で用いることができるが、これらの場合、熱エネルギー源とする糖分などの通常の栄養摂取に加えて、深部体温正常化効果を得ることができ、体力の回復などの効果を期待できる。
体温正常化組成物を医薬品とする場合の製剤形態は、その使用目的に応じて決定することができ、特に限定されないが、例えば錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセルなどの固剤や液剤とすることができる。
本発明の深部体温正常化剤は、優れた深部体温正常化効果を発揮する。したがって、本発明の深部体温正常化剤を有効成分として含む医薬品(体温正常化組成物)は、深部体温低下により引き起こされる疾病、例えば低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、免疫力低下、血行不良(冷え・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、新陳代謝低下(肥満)、うつなどの各種疾患の予防又は治療の目的で、動物、特にヒトを対象として用いることにより、優れた医療効果を期待できる。
以下に本発明の実施例を示すが、以下に示す実施例は、本発明に係る深部体温正常化剤の作用効果を明らかにするための好適な例示であるが、本発明を限定するものではない。
まず、実施例1、比較例1,2により、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物(カンカニクジュウヨウ抽出物)の摂取により変調した深部体温を正常化できる一方、血流促進剤であるカプサイシンおよびショウガ粉末では深部体温を正常化できないことを確認した。
次に、実施例2および比較例3により、ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物(カンカニクジュウヨウ抽出物)の摂取により深部体温の正常化に伴って低下していた体表面温が正常化されるが、血流促進剤(ショウガ粉末)では、体表面温を即時的に上昇できるものの、一過性であり、慢性化した体表面温度の低下は正常化できないことを確認した。
(実施例1、比較例1,2)
ラット(SD系、♂、6週齢;日本SLC株式会社)を被験動物とし、ラットに下記(表1)に示す有効成分サンプルを配合した標準餌CE−2(日本クレア株式会社)を一定期間継続して摂取させて、深部体温の変化を測定した。
Figure 2011157302
(被験動物(ラット)の用意および餌の摂取方法)
ラット(SD系、♂、6週齢;日本SLC株式会社)の腹腔内に体温測定用カプセル(23mm長×8mm径、PDT−4000、MiniMitter社製)を埋め込み、環境温度22℃±0.5℃、明暗サイクル:明期12時間、暗期12時間の条件下、次の群にわけて飼育した。ラットは、夜行性動物であるため、休息期にあたる明期にのみ餌を与え続けると、生活リズムの狂いが生じて、深部体温の低下状態および深部体温リズムに変調を来す。
自由摂取群:標準餌を用いて自由摂取により19日間飼育した。この群は、深部体温が終始正常な状態にある群である。
コントロール群:標準餌を用いて自由摂取により7日間飼育し、環境に馴化させた後、休息期にあたる明期にのみ標準餌20gを12日間摂取させて飼育し、深部体温の変調を誘導した。この群は、深部体温が継続的に変調した群である。
サンプル群(実施例1、比較例1、および比較例2の各群):標準餌を用いて自由摂取により7日間飼育して環境に馴化させた後、休息期にあたる明期にのみ標準餌20gを5日間摂取させて飼育し、深部体温の変調を誘導した。その後、有効成分サンプル配合餌を明期にのみ1日20g、7日間摂取させ、各サンプルの深部体温正常化効果を確認した。
なお、いずれも1群3匹にて実施し、深部体温は上記腹腔内の体温測定用カプセルを用いて測定し、飼育最終日の明期および暗期の深部体温平均値を算出した。
上記自由摂取期間の7日間は、動物が新しい環境に馴れ、より安定した生理状態及び行動を示すようにすることを目的としたもので、通常の動物実験の手法に則った期間である。
上記明期の標準餌摂取日数については、深部体温の低下を惹起させることを目的とした条件であり、本願発明者らの実験データから設定した日数である。5日間の継続で暗期深部体温が約0.5℃低下したため、この日数に設定した。
上記投与期間の7日間は、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末を7日間投与することで深部体温の上昇、体温リズムの改善が認められたことに基づいて設定したものである。
上記コントロール群での明期の標準餌摂取日数の12日間は、深部体温の低下の惹起のための5日間と、サンプル群におけるカンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末の投与日数に相当する7日間とを合わせた期間であり、サンプル投与群と同一の週齢にて深部体温正常化効果を相対比較するために設定したものである。
なお、全ての測定群において、同一の飼育環境で飼育したラットを用い、室温などの外部環境を同一に設定して実験を行っているものの、ラットの個体差、外部環境を厳密に同一に制御することが困難であることは否定できない。そのような初期条件の影響を極力受けないようにするために、下記(表2)からも分かるように、各サンプル群の評価の基準とする自由摂取群およびコントロール群の調製および測定は、各サンプル群別に各サンプル群と同時に同じ環境下(同じ測定グループ)において実施した。
上述のようにして測定し、測定値に基づいて各群の明期の深部体温平均値、暗部の深部体温平均値、およびそれらの差(明暗期差)を算出した。また、これらのデータに基づいて深部体温リズム改善率(%)を以下の式(1)により求めた。

深部体温リズム改善率(%)=(ΔS−ΔC)/(ΔF−ΔC)×100
・・・・・(1)
[式(1)中のΔSはサンプル群明暗期差、ΔCはコントロール群明暗期差、ΔFは自由摂取群明暗期差を表す。]

また、深部体温上昇効果を下記式(2)により求めた。

深部体温上昇効果(℃)=(Sdark)−(Cdark) ・・・・・(2)
[式(2)中のSdarkはサンプル群暗期深部体温(平均値)を表し、Cdarkはコントロール群暗期深部体温(平均値)を表す。]

上述のようにして得られた各データを下記(表2)に示した。
Figure 2011157302
上記(表2)に示すように、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末群(実施例1)の深部体温は上昇しており、それに伴って、深部体温リズム改善率が三割を上回る値を示しており、明らかに生体の深部体温は正常化過程にあることが分かる。
これに対して、カプサイシン群(比較例1)では、深部体温は上昇せず、深部体温リズム改善率が不十分であり、深部体温の正常化過程にはない。ショウガ粉末群(比較例2)では、深部体温リズム改善率および深部体温上昇効果の両方がマイナス傾向のままであり、深部体温の正常化は期待できないことが分かる。
このことから、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末は優れた深部体温リズム改善効果および深部体温上昇効果を有することが明らかになった。
なお、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末群において、明期における有効成分サンプル配合餌の摂取開始から5日後までの暗期深部体温(平均値)は、37.52℃であり、5日経過時での有効成分摂取の効果は確認できなかった。
(実施例2、比較例3)
実施例2として、前記実施例1と同じ組成の餌を同種のラットに同じ条件で摂取させ、サンプル投与3日後、7日後の暗期開始5時間後の尾部の体表面温度を測定した。
比較例3として、前記比較例2と同じ組成の餌を同種のラットに同じ条件で摂取させ、サンプル投与3日後、7日後の暗期開始5時間後の暗期の尾部の体表面温度をサーモグラフィー(Avio社製、商品名「TVS−8000MkII」)を用いて、測定した。
上述のようにして得られた各データを下記(表3)、(表4)に示した。
Figure 2011157302
Figure 2011157302
測定の結果、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末の摂取によりサンプル投与7日後には深部体温の正常化に伴って体表面温も上昇した。これに対して、ショウガ粉末群では、尾部の体表面温度の上昇効果はみられなかった。
実施例2および比較例3から、カンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末の摂取により一定期間後には深部体温の正常化に伴って低下していた体表面温が上昇するが、血流促進剤(ショウガ粉末)では、体表面温を短時間で上昇できるものの、一過性であると考えられ、慢性化した体表面温度の低下を正常化できないことが確認された。
以上から、有効成分としてカンカニクジュウヨウ肉質茎エキス粉末のみを含む場合でも、摂取後一定期間を経れば、深部体温が正常化されるばかりでなく、体表面温も正常化される。一方で、血流促進剤は体表面の体温に関しては、ほぼ即時的な効果があることは明白であり、したがって、持続する体温低下状態を改善するためには、深部体温正常化剤に血流促進剤を加えた組成が、より好ましい組成であるということができる。
本発明に係る体温正常化組成物は、深部体温を正常化することにより体表面温を含めた生体の体温を総合的に正常化することを目的とするものであり、少なくもと本発明の深部体温正常化剤を有効成分として含み、好ましくは熱エネルギー源とする糖分、さらに好ましくは血流促進剤を含む。
(体温正常化組成物の配合例)
以下に、本発明の体温正常化組成物の配合例を示す。配合例1は本発明の深部体温正常化剤と糖分を含むチュアブル錠の例示であり、配合例2は本発明の深部体温正常化剤と糖分を含むドリンク剤の例示であり、配合例3は本発明の深部体温正常化剤と糖分とショウガ粉末(血流促進剤)とを含むチュアブル錠の例示であり、配合例4は本発明の深部体温正常化剤と糖分とカプサイシンとを含むドリンク剤の例示である。
Figure 2011157302
Figure 2011157302
Figure 2011157302
Figure 2011157302
本発明の深部体温正常化剤は、顕著な深部体温正常化作用および深部体温リズム正常化作用を有するので、持続化する体温低下を誘引している深部体温の変調を正常化し、生体の体温を正常な状態に戻すことができる。本発明に係る深部体温正常化剤および体温正常化組成物は、持続する低体温状態を原因とする低血圧、内臓機能低下(便秘・下痢)、免疫力低下、血行不良(冷え・肩こり・腰痛・関節痛)、睡眠障害、新陳代謝低下(肥満)、うつ等の疾患の治療や予防に用いることができる。

Claims (7)

  1. ハマウツボ科ホンオニク属植物の抽出物を深部体温正常化作用を有する有効成分として含む深部体温正常化剤。
  2. 前記深部体温正常化作用が深部体温上昇作用であることを特徴とする請求項1に記載の深部体温正常化剤。
  3. 前記深部体温正常化作用が深部体温リズム改善作用であることを特徴とする請求項1に記載の深部体温正常化剤。
  4. 深部体温が変調した生体に7日間以上継続的に経口摂取させることにより生体の深部体温が正常化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の深部体温正常化剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の深部体温正常化剤と糖分を含む体温正常化組成物。
  6. さらにカプサイシンおよびショウガ粉末から選ばれる一種以上の血流促進剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の体温正常化組成物。
  7. 機能性食品であることを特徴とする請求項5または6に記載の体温正常化組成物。
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