JP6153825B2 - 水素化シラン化合物の保管方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素化シラン化合物の保管方法に関するものである。
太陽電池、半導体等の用途に薄膜シリコンが用いられており、この薄膜シリコンは、従来、モノシランを原料とする気相成長製膜法(CVD法)によって作製されている。近年、CVD法に代わって、環状水素化シランを用いた新たな製法が注目されている。この製法は、水素化ポリシラン溶液を基材に塗布、焼成する塗布製膜法(液体プロセス)であり、前記水素化ポリシラン溶液の調製原料としてシクロペンタシランが使用されている。シクロペンタシランは市販されており、UV照射によって水素化ポリシランとなることが報告されている。しかしながら、シクロペンタシランは、その製造に高価な禁水試薬を用いる多段階合成や精製工程が必要であるため、非常に高価である。
そこで本発明者らは、シクロペンタシランの代替材料としてシクロヘキサシランに着目した。シクロヘキサシランは、ジフェニルジクロロシランを原料に用いて、環化、ハロゲン化、還元工程を経る合成法(非特許文献1)や、トリクロロシランとN,N,N,N”,N”−ペンタエチルジエチレントリアミン(ペデタ(pedeta))等の第三級ポリアミンとからテトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩を調製し、該テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩に金属水素化物還元剤を接触させて還元する方法で製造できることが報告されている(特許文献1)。
特許第4519955号公報
Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1977, 16, 403.
これまでシクロヘキサシランは実験室レベルで少量ずつ製造されていたので、得られたシクロヘキサシランは、試薬瓶等に保存するか、引き続き次工程(シリコン膜形成など)に使用するのが通常であった。しかしながら、今後、太陽電池や半導体分野において、シクロヘキサシランのような1分子中にケイ素原子を複数個持つ高次の水素化シラン化合物の需要が増して大量生産されるようになると、高純度品を容器内で長期間にわたって保管する必要が生じることが予想される。
ところが、シクロヘキサシランは、空気に触れると空気中の酸素と反応して自発的に発火する自然燃焼性を持ち、酸化されることで不純物のシロキサン化合物を生成する。また水とも容易に反応するので湿気を嫌う。さらに、シクロヘキサシランは光や熱により開環重合し、純度が低下してしまう。このような性質を持つシクロヘキサシランを容器で保管する場合、保存用の容器には、高い気密性など様々な工夫が求められる。
例えば、同じく自然燃焼性を持つモノシランであれば、常温・常圧で気体なので、プロパンガスなどに用いられているような一般的なガスボンベに収納することができる。しかし、シクロヘキサシランは常温・常圧で液体なので、ガスボンベに収納することはできない。
こういったことから、本発明者らは、シクロヘキサシランのような水素化シラン化合物の保管に適した密閉容器に関する発明を完成させ、既に出願している(特願2012−107021号)。しかし、密閉容器に入れた水素化シラン化合物をどのような条件で保管したらよいか、あるいは、工業的な生産プロセスの中でどのようにして密閉容器に水素化シラン化合物を封入すればよいか、具体的な方法に関する記載は不充分であった。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、水素化シラン化合物を劣化させることなく、安定に保管するための保管方法を提供することを課題として掲げた。
すなわち、本発明は、下記式(1)
(SiH2n …(1)
(式(1)中、nは3〜6である。)
または下記式(2)
Sim2m+2 …(2)
(式(2)中、mは3〜6である。)
で表される水素化シラン化合物を、酸素濃度100ppm以下、水分量100ppm以下の不活性ガスが封入された保管容器内で40℃以下で保管することを特徴とする水素化シラン化合物の保管方法である。
この場合において、30日間保管した場合の水素化シラン化合物の純度低下が1質量%以下であることが好ましく、30日間保管した場合に保管容器内に生成したシロキサン化合物の量が1質量%以下であることも好ましい。
前記保管容器が少なくとも2個のバルブ付き配管を有し、そのうちの1個が液体状の水素化シラン化合物用バルブ付き配管であり、もう1個が前記不活性ガス用バルブ付き配管であることは、本発明の好ましい実施態様である。
本発明の保管方法は、精製後の水素化シラン化合物を貯蔵する貯蔵容器と、前記保管容器の水素化シラン化合物用バルブ付き配管とを液移送用配管で連結し、前記保管容器の不活性ガス用バルブ付き配管から保管容器内に不活性ガスを充填した後、貯蔵容器から水素化シラン化合物を保管容器へ20〜40℃で液移送する工程を含むことが好ましく、この場合において、前記貯蔵容器内に不活性ガスを導入して貯蔵容器内の圧力を高めることで、水素化シラン化合物を貯蔵容器から保管容器へ液移送させることが好ましい。
本発明の保管方法は、水素化シラン化合物を保管容器へ導入した後、水素化シラン化合物用バルブ付き配管のバルブを閉め、このバルブ付き配管に残存した水素化シラン化合物を除去する工程を含むことが好ましく、この場合において、前記水素化シラン化合物の除去を溶剤で行う態様、溶剤が非プロトン性溶剤である態様は、いずれも本発明法の好ましい実施態様である。
本発明によれば、特定温度以下で、酸素濃度、水分量を特定量以下とすることで、水素化シラン化合物を高純度なまま長期間保管できるようになった。
本発明の保管方法に用いる保管容器の概略説明図である。 液移送工程を説明するための概略説明図である。 洗浄工程を行う装置の概略説明図である。
本発明で扱う水素化シラン化合物は、下記式(1)
(SiH2n …(1)
(式(1)中、nは3〜6である。)
または下記式(2)
Sim2m+2 …(2)
(式(2)中、mは3〜6である。)
で表される。
式(1)で表される環状シラン化合物としては、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシランが挙げられ、式(2)で表される鎖状シラン化合物としては、トリシラン、テトラシラン、イソテトラシラン、ペンタシラン、ネオペンタシラン、イソペンタシラン、ヘキサシラン等が挙げられる。これらは、常温で液状であるため取り扱いやすい。
上記水素化シラン化合物は、酸素や水と反応し、シロキサン化合物を生成してしまう。また、環状シラン化合物は熱や光によって開環重合反応を起こすこともある。そこで本発明では、酸素濃度100ppm以下、水分量100ppm以下の不活性ガスが封入された保管容器内で、水素化シラン化合物を40℃以下で保管する。保管温度が40℃を超えると環状シラン化合物の開環重合が徐々に促進されるため、保管温度は40℃以下とする。なお、保管温度の下限は特に限定されない。融点以下に冷却して、水素化シラン化合物を固化させた状態で保管してもよいし、移送がし易いように液体のまま保管しても構わない。
また、不活性ガス中の酸素濃度や水分量は低いほど好ましいが、いずれも100ppm以下であれば、40℃以下で30日間の保管後の純度低下を1質量%以下に抑制することが可能となり、また、40℃以下で30日間の保管後のシロキサン化合物の生成量を1質量%以下に抑制することが可能となる。
不活性ガスとは、水素化シラン化合物と反応しないガスであり、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられ、窒素やアルゴンが好ましい。
保管容器は、密閉性、耐圧性と遮光性を有するものを用いる。耐圧性としては、0.1MPa以上の耐圧圧力を有することが好ましい。より好ましくは0.2MPa以上であり、0.3MPa以上がさらに好ましい。耐圧圧力の上限は特に限定されないが、容器の取り扱い易さの点では、2.0MPa以下が好ましく、0.5MPa以下がより好ましい。
保管容器ならびに後述する配管等の設備は、通常、ステンレス鋼で製造されるが、ハステロイ(登録商標)、MMCスーパーアロイ社製のMATシリーズ、MAシリーズ等の耐食合金により形成されていてもよい。保管容器や配管の内部の耐食性を向上させる目的で、金属材料からなる容器や配管の内部を、フッ素系樹脂等の樹脂材料によりコーティングしてもよい。
水素化シラン化合物は、合成後、蒸留等によって精製されるが、その後、そのまま配管を利用して、保管容器に移送してもよいが、一旦貯蔵容器に貯蔵してもよい。貯蔵中も貯蔵容器内の雰囲気は、酸素濃度100ppm以下、水分量100ppm以下の不活性ガスとし、水素化シラン化合物の温度は40℃以下にすることが好ましい。
保管容器には、酸素濃度と水分量が所定量に制御された不活性ガスを保管容器に導入するための不活性ガス導入用の第1バルブ付き配管と、貯蔵容器から液状で移送される水素化シラン化合物用の第2バルブ付き配管とが設けられていることが好ましい。図1には、保管容器の概略断面図を示した。保管容器1には、不活性ガス導入用のバルブ4と配管2とからなる不活性ガス導入用の第1バルブ付き配管と、水素化シラン化合物用のバルブ5と配管3とからなる第2バルブ付き配管とが接続されている。水素化シラン化合物は、第2バルブ付き配管から出し入れされる。なお、6と7はノズルである。また、バルブの構造としては特に限定されず、公知のバルブがいずれも使用可能である。
貯蔵容器から保管容器へと水素化シラン化合物を移送して、保管容器で保管する方法を実現するには、具体的には、例えば、図2に示すように、保管容器と同様の構成の貯蔵容器を用いる。すなわち、貯蔵容器8には、バルブ12と配管10とからなる不活性ガス導入用のバルブ付き配管と、バルブ11と配管9とからなる水素化シラン化合物用のバルブ付き配管が接続されている。配管9は液移送用配管13で保管容器1の水素化シラン化合物用の配管3と接続されている。まず、図示しない不活性ガスボンベ(例えば図3では不活性ガスボンベ27)から酸素と水分を所定量に調整した不活性ガスを、配管2と開状態のバルブ4を介して保管容器1に導入して、不活性ガスで保管容器1内の雰囲気を置換する。次いで、既に水素化シラン化合物が不活性ガスと共に封入されていた貯蔵容器8へ、不活性ガスボンベ14から不活性ガスを配管10と開状態のバルブ12を介して圧入する。これにより、貯蔵容器8中の圧力が高まるため、貯蔵容器8の水素化シラン化合物用のバルブ11と、保管容器1のバルブ5およびバルブ4を開けると、配管9、13および3を介して、貯蔵容器8内の水素化シラン化合物が保管容器1へ液移送され、余分な不活性ガスは導出される。そして、バルブ4および5を閉じることにより、水素化シラン化合物を不活性雰囲気下で保管できるようになる。
水素化シラン化合物の液移送に当たっては、水素化シラン化合物が液体状態を維持できるように20〜40℃に維持することが好ましい。20℃を下回ると、水素化シラン化合物の固体が混じることがあり、配管閉塞等の原因となるおそれがある。40℃を超えると、重合体が生成して水素化シラン化合物の純度が低下するおそれがある。
水素化シラン化合物を保管容器1に移送した後に保管容器1を装置から取り外す際は、事前に洗浄工程を行うことが好ましい。移送後に、保管容器1の配管3やバルブ5に残存した水素化シラン化合物を放置しておくと、分解や固化したりして不純物となって、次の移送の際に保管容器1へ不純物が含まれた水素化シラン化合物が導入されるおそれがあるためである。保管容器1への水素化シラン化合物の移送が終了した段階で、水素化シラン化合物用のバルブ5と不活性ガス用のバルブ4を開けて保管容器1へ不活性ガスを導入し、バルブ5や配管3等に残存している水素化シラン化合物を貯蔵容器8へと逆移送させることもできるが、水素化シラン化合物は蒸気圧が低いため、不活性ガスの逆移送だけでは完全に除去できない。このため、洗浄液を用いた洗浄工程を併せて行うことが好ましい。
図3には、洗浄工程を実現するための洗浄液タンク15と洗浄液回収容器18を備えた装置の概略説明図を示した。図3においては、排気のため、配管2と配管20はメインラインとは繋げていない。洗浄工程を行うには、洗浄液タンク15から開状態のバルブ16と配管13を介して洗浄液を流通させ、配管3およびバルブ5の内壁に残存する水素化シラン化合物を洗浄し、配管19およびバルブ21を介して、洗浄液回収容器18に洗浄後の液を回収する。このとき、バルブ4,5,11,12,23,24は閉じられている。配管内に残存した液は、バルブ16を閉じた状態で、バルブ23を開いてポンプ26で減圧除去した後、バルブ23を閉じて不活性ガスボンベ27から不活性ガスを供給して配管内から完全に除去する。なお、不活性ガスは、洗浄液回収容器18、開状態のバルブ22を介して配管20から排気される。洗浄工程の前にも、配管13内に残存する水素化シラン化合物を除去するために、不活性ガスを不活性ガスボンベ27から流通させてもよい。洗浄工程が終了したら、洗浄液回収容器18を装置から取り外す。このときは、バルブ25を閉じて、貯蔵容器8や保管容器1等の配管へ大気の混入を防ぐようにする。また、保管容器1を取り外す際には、バルブ17を閉めて、貯蔵容器8への大気の混入を2重に(バルブ11も閉状態)防いでおく。
洗浄液として使える溶剤としては、非プロトン性溶媒が好ましく、具体的には、トルエンやキシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和環状炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の鎖状および環状エーテル類等が使用できる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。なお、洗浄液として用いる溶剤は、予め酸素および水分を除いたものを用いる。
本発明の保管方法で保管される水素化シラン化合物の合成方法としては、特に限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、シクロヘキサシランの純度およびシロキサン化合物の検出は、キャピラリーカラム(Agilent J&W 社製「DB−1MS」;0.25mm×50m)を装着したガスクロマトグラフ装置(島津製作所社製「GC2014」)にて分析することにより求めた。
実施例1
非特許文献1(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1977, 16, 403.)に記載の方法で合成したシクロヘキサシランを蒸留して、純度98.0質量%の精製シクロヘキサシランを得て、図2に示した貯蔵容器8に貯蔵した。貯蔵の際には、予め、酸素濃度10ppm、水分量10ppmの窒素ガスで貯蔵容器8の内部を窒素置換し、温度を25℃に保った。
精製シクロヘキサシランの保管容器として、耐圧圧力0.2MPaのステンレス鋼製の遮光性の保管容器を準備した。保管容器の構成は図1、図2に示したとおりである。不活性ガス用のバルブ4と水素化シラン化合物用のバルブ5を開けた状態で、配管3を介して、酸素濃度10ppm、水分量10ppmの窒素ガスを保管容器1に供給し、保管容器1の内部を窒素置換した。次いで、不活性ガス(窒素)ボンベ14から不活性ガスを配管10と開状態のバルブ12を介して貯蔵容器8へ圧入した。次に、貯蔵容器8の水素化シラン化合物用のバルブ11と、保管容器1のバルブ5およびバルブ4を開け、配管9、13および3を介して、貯蔵容器8内のシクロヘキサシランを25℃で保管容器1へ液移送させ、バルブ4および5を閉じた。移送速度は10cm3/秒であった。保管容器1の温度は25℃に保った。
30日保管した後、保管容器1内のシクロヘキサシランの純度を測定したところ、97.8質量%であり、シロキサン化合物は観測されなかった。
比較例1
液移送の際の温度を50℃とし、保管容器1の温度を50℃に維持したこと以外は実施例1と同様にして、シクロヘキサシランを保管した。50℃において30日保管後の容器内のシクロヘキサシランの純度を測定したところ、93.0質量%にまで低下していた。
比較例2
保管容器1に導入する窒素ガス中の酸素濃度を1000ppmとしたこと以外は実施例1と同様にして、シクロヘキサシランを保管した。30日保管後の容器内の純度を測定したところ、95.0質量%にまで低下しており、また、シロキサン化合物が2.0質量%生成していることが確認された。
実施例2
実施例1と同様にして、保管容器1へシクロヘキサシランを液移送した。図3に示した装置を用い、保管容器1のバルブ4および5を閉じた状態で、窒素ガスを5L/分の速度で流通させた。次いで、バルブ11,23および24を閉じた状態で、洗浄液タンク15から洗浄液としてヘキサンを液移送用配管13を通じて、水素化シラン化合物用の配管3とバルブ5の内壁に残存するシクロヘキサシランを洗浄し、洗浄後の液を配管19を介して洗浄液回収容器18に回収した。配管内に残存した洗浄液は、ポンプ26で減圧除去した後、窒素ガスボンベ27から窒素ガスを供給して窒素ブローすることで、残存するシクロヘキサシランを完全に除去した。洗浄工程が終了した後、洗浄装置から保管容器1を取り外した。保管容器1内のシクロヘキサシランの純度測定を行ったところ、純度は98.0質量%であり、純度の低下は起こっていなかった。また、配管3やバルブ5の内部には、目視で異物の存在は確認できなかった。
比較例3
比較例1と同様にして、50℃の保管容器へシクロヘキサシランを50℃で液移送した。その後、実施例2と同様にして洗浄工程を行い、保管容器1を取り外した。保管容器1内のシクロヘキサシランの純度測定を行ったところ、純度は95.0質量%に低下しており、重合物の生成が確認された。また、配管の内壁には、重合物の加水分解物が観測された。
比較例4
ヘキサンを用いた洗浄工程を省略したこと以外は実施例2と同様にして、シクロヘキサシランを保管容器1に導入し、装置から取り外した。その結果、配管3やバルブ5の内壁に、白色固体が付着していた。この白色固体は、残存していたシクロヘキサシランの加水分解によって生じたシロキサン化合物であることが確認できた。
本発明法は、劣化しやすい水素化シラン化合物を安定に長期間保管することのできる方法であり、本発明で保管される水素化シラン化合物は、太陽電池や半導体等の用途におけるシリコン原料として好適に利用される。
1 保管容器
2 不活性ガス用配管
3 水素化シラン化合物用配管
4,5,11,12,16,17,21,22,23,24,25 バルブ
8 貯蔵容器
9,10,19,20 配管
13 液移送用配管
14,27 不活性ガス(窒素)ボンベ
15 洗浄液タンク
18 洗浄液回収容器
26 ポンプ

Claims (11)

  1. 下記式(1)
    (SiH2n ・・・(1)
    (式(1)中、nは3〜6である。
    表される水素化シラン化合物を、酸素濃度100ppm以下、水分量100ppm以下の不活性ガスが封入された保管容器内で40℃以下で保管することを特徴とする水素化シラン化合物の保管方法。
  2. 30日間保管した場合の水素化シラン化合物の純度低下が1質量%以下である請求項1に記載の保管方法。
  3. 30日間保管した場合に保管容器内に生成したシロキサン化合物の量が1質量%以下である請求項1または2に記載の保管方法。
  4. 前記保管容器が少なくとも2個のバルブ付き配管を有し、そのうちの1個が液体状の水素化シラン化合物用バルブ付き配管であり、もう1個が前記不活性ガス用バルブ付き配管である請求項1〜3のいずれかに記載の保管方法。
  5. 精製後の水素化シラン化合物を貯蔵する貯蔵容器と、前記保管容器の水素化シラン化合物用バルブ付き配管とを液移送用配管で連結し、前記保管容器の不活性ガス用バルブ付き配管から保管容器内に不活性ガスを充填した後、貯蔵容器から水素化シラン化合物を保管容器へ20〜40℃で液移送する工程を含む請求項4に記載の保管方法。
  6. 前記貯蔵容器内に不活性ガスを導入して貯蔵容器内の圧力を高めることで、水素化シラン化合物を貯蔵容器から保管容器へ液移送させる請求項5に記載の保管方法。
  7. 水素化シラン化合物を保管容器へ導入した後、水素化シラン化合物用バルブ付き配管のバルブを閉め、このバルブ付き配管に残存した水素化シラン化合物を除去する工程を含む請求項4〜6のいずれかに記載の保管方法。
  8. 前記水素化シラン化合物の除去を溶剤で行う請求項7に記載の保管方法。
  9. 前記溶剤が、非プロトン性溶剤である請求項8に記載の保管方法。
  10. 前記水素化シラン化合物用バルブ付き配管に残存した水素化シラン化合物を除去する工程の後、前記水素化シラン化合物用バルブ付き配管内を減圧し、該配管内に残存した液を減圧除去する工程を更に含む請求項7〜9のいずれかに記載の保管方法。
  11. 前記減圧除去する工程の後、前記水素化シラン化合物用バルブ付き配管内に不活性ガスを供給する工程を更に含む請求項10に記載の保管方法。
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