JP6163057B2 - 水素化シラン化合物用装置の洗浄方法、およびこの方法により洗浄された水素化シラン化合物用装置 - Google Patents

水素化シラン化合物用装置の洗浄方法、およびこの方法により洗浄された水素化シラン化合物用装置 Download PDF

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Description

本発明は、水素化シラン化合物の洗浄方法に関するものである。
太陽電池、半導体等の用途に薄膜シリコンが用いられており、この薄膜シリコンは、従来、モノシランを原料とする気相成長製膜法(CVD法)によって作製されている。近年、CVD法に代わって、環状水素化シランを用いた新たな製法が注目されている。この製法は、水素化ポリシラン溶液を基材に塗布、焼成する塗布製膜法(液体プロセス)であり、前記水素化ポリシラン溶液の調製原料としてシクロペンタシランが使用されている。シクロペンタシランは市販されており、UV照射によって水素化ポリシランとなることが報告されている。しかしながら、シクロペンタシランは、その製造に高価な禁水試薬を用いる多段階合成や精製工程が必要であるため、非常に高価である。
そこで本発明者らは、シクロペンタシランの代替材料としてシクロヘキサシランに着目した。シクロヘキサシランは、ジフェニルジクロロシランを原料に用いて、環化、ハロゲン化、還元工程を経る合成法(非特許文献1)や、トリクロロシランとN,N,N,N”,N”−ペンタエチルジエチレントリアミン(ペデタ(pedeta))等の第三級ポリアミンとからテトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩を調製し、該テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩に金属水素化物還元剤を接触させて還元する方法で製造できることが報告されている(特許文献1)。
特許第4519955号公報
Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1977, 16, 403.
シクロヘキサシランを始めとする高次の水素化シラン化合物の有用性を考慮すれば、今後、需要が増し、大量生産されることが予想される。
また、水素化シラン化合物の半導体分野への適用を考慮すると、不純物の混入は可能な限り避けなければならないところ、水素化シラン化合物の合成や保存のために用いられる装置の洗浄方法は、これまで検討されたことがない。水素化シラン化合物は、酸素や水と反応してシロキサン系化合物を生成するが、これが水素化シラン化合物用装置に固着して汚れとして残存し、次に合成や保存を行うときの不純物となったり、水素化シラン化合物の純度低下を引き起こすおそれがある。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、水素化シラン化合物用装置を効率よく安全に洗浄する方法を見出すと共に、高度に清浄化された水素化シラン化合物用装置を提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決することのできた本発明は、
下記式(1)
(SiH2n …(1)
(式(1)中、nは3〜6である。)
および/または下記式(2)
Sim2m+2 …(2)
(式(2)中、mは3〜6である。)
で表される水素化シラン化合物が接触した装置を、
非プロトン性溶媒で洗浄する第1洗浄工程、
アルカリ性化合物のアルコール溶液で洗浄する第2洗浄工程、および
25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水で洗浄する第3洗浄工程を含むことを特徴とする水素化シラン化合物用装置の洗浄方法である。
アルカリ性化合物が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である態様、アルコールの炭素数が1〜12である態様、第3洗浄工程後に乾燥工程を行う態様は、いずれも本発明の洗浄方法の好適な実施態様である。
本発明には、本発明の洗浄方法により洗浄されたことを特徴とする水素化シラン化合物用装置も含まれ、この装置は水素化シラン化合物の保管用容器であることが好ましい。
本発明の水素化シラン化合物用装置は、この装置に25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水を充填し、25℃で1時間放置した場合に、水中のハロゲンイオンの増加量が100質量ppb以下、金属元素の増加量が50質量ppb以下、粒径0.5μm以上の粒子の増加量が100個/mL以下であることが好ましく、また、水素化シラン化合物用装置に水素化シラン化合物を入れ、窒素雰囲気下密封した後、25℃で30日保管した場合の水素化シラン化合物の純度低下が0.5質量%以下であることも好ましい。
本発明によれば、水素化シラン化合物用装置を効率よく安全に洗浄することができるようになった。また、洗浄後の水素化シラン化合物用装置は、不純物の発生が抑制され、水素化シラン化合物の純度を低下させることのない高度に清浄化された装置となった。
本発明の洗浄方法で扱われる装置は、水素化シラン化合物と接触する装置である。本発明でいう水素化シラン化合物とは、下記式(1)
(SiH2n …(1)
(式(1)中、nは3〜6である。)
および/または下記式(2)
Sim2m+2 …(2)
(式(2)中、mは3〜6である。)
で表される化合物である。
式(1)で表される環状シラン化合物としては、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシラン等が挙げられ、式(2)で表される鎖状シラン化合物としては、トリシラン、テトラシラン、イソテトラシラン、ペンタシラン、ネオペンタシラン、イソペンタシラン、ヘキサシラン等が挙げられる。
上記水素化シラン化合物は、酸素や水と反応し、シロキサン化合物を生成してしまう。また、環状シラン化合物は熱や光によって開環重合反応を起こし、水素化シラン系ポリマーを生成してしまう。このような不純物を効率よく装置から除去するために、本発明では3つの洗浄工程を行う。なお、本発明でいう水素化シラン化合物用装置とは、水素化シラン化合物の合成、精製、保管(保存)等の工業的な一連の全ての工程において、水素化シラン化合物と接触しうる全ての装置を意味する。従って、水素化シラン化合物用装置には、例えば、合成装置、蒸留精製装置、濾過装置、貯蔵容器、保管容器、これらを連結する配管等が含まれる。これらの装置や配管等は、通常、ステンレス鋼で製造されるが、ハステロイ(登録商標)、MMCスーパーアロイ社製のMATシリーズ、MAシリーズ等の耐食合金により形成されていてもよい。保管容器や配管の内部の耐食性を向上させるため、金属材料からなる容器や配管の内部が、フッ素系樹脂等の樹脂材料によりコーティングされたものであってもよい。
[第1洗浄工程]
第1洗浄工程では、非プロトン性溶媒を用いて装置を洗浄する。装置に付着している水素化シラン化合物が非プロトン性溶媒に溶解して、洗い流される。また、装置に残存しているシロキサン化合物や水素化シランポリマーは非プロトン性溶媒には溶解しないが、この第1洗浄工程で、物理的に洗い流すことができる。使用できる非プロトン性溶媒としては、トルエンやキシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和環状炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の鎖状および環状エーテル類等が使用できる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
洗浄方法は、特に限定されず、化合物の合成や保存に用いられる装置についての公知の洗浄方法を適宜採用できる。例えば、合成装置であれば、反応生成物を次工程へ送った後、回収ラインを付け、反応容器に非プロトン性溶媒を充填した後、回収ラインから非プロトン性溶媒を回収する方法等がある。また、装置をばらしてから、非プロトン性溶媒をかけ洗い、浸漬、拭き洗い等を施すこともできる。かけ洗いの際には、エアーと共に非プロトン性溶媒を吹き付けて洗浄効果を高めてもよく、装置に溶媒を充填した際や装置を溶媒に浸漬した際に、超音波振動を印加してもよい。異なる洗浄方法を組み合わせて行うことも可能である。
洗浄時の雰囲気は、洗浄作業中に自然発火性のシランガスが発生したときの発火の危険を防ぐため、酸素濃度を低減させた環境とすることが好ましい。このような環境であれば、特に限定されないが、例えば、洗浄面に接する雰囲気を、酸素濃度0.1体積%以下の窒素雰囲気として洗浄を行うことが好ましい。
洗浄回数は特に限定されず、1回でもよいが、充分な洗浄効果を得るためには、好ましくは2〜50回程度である。洗浄温度も特に限定されず、0〜70℃が好ましく、より好ましくは0〜50℃であり、さらに好ましくは10〜30℃である。洗浄の際に用いる非プロトン性溶媒の量は、被洗浄面積当たりの使用量として、0.1〜10.0L/m2程度が好ましく、より好ましくは0.2〜5.0L/m2程度、さらに好ましくは0.2〜2.0L/m2程度である。
[第2洗浄工程]
第2洗浄工程では、アルカリ性化合物のアルコール溶液を用いて、第1洗浄工程で洗浄された装置を洗浄する。この工程は、第1洗浄工程で除去できなかった水素化シラン化合物を安全なシロキサン化合物へと変性させると共に、このシロキサン化合物はアルカリに溶解するため、この工程で除去が可能である。
アルカリ性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩、ならびに、アルカリ土類金属の水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩よりなる群から選択される1種以上が好ましい。中でも、洗浄効果や変性効果の点で、アルカリ金属化合物が好ましく、より好ましくはアルカリ金属の水酸化物であり、最も好ましくはKOHである。
アルコールとしては特に限定されず、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコールいずれであってもよく、モノアルコールでも多価アルコールでもよい。中でも、炭素数が1〜12の脂肪族のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。これらのアルコールはアルキル基等の置換基を有していてもよい。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
第2洗浄工程で用いられるアルカリ性化合物のアルコール溶液中、アルカリ性化合物の量は、アルコール100質量部に対し、1〜50質量部が好ましい。1質量部より少ないと、洗浄効果や変性効果が充分に発現せず、50質量部よりも多いと、変性反応の進行が速すぎて制御できなくなるおそれがある。
またアルカリ性化合物のアルコール溶液中には水が含まれていてもよい。水を加えることで、アルカリ性化合物のアルコールへの溶解性を高める効果がある。水はアルコール100質量部に対し、1〜70質量部が好ましい。1質量部以上であれば、アルカリ性化合物の溶解性が向上する傾向にある。しかし70質量部よりも多くなると、シロキサン化合物がアルカリ性化合物のアルコール溶液に溶けにくくなるおそれがある。
洗浄方法、洗浄時の雰囲気、洗浄回数、洗浄温度、洗浄液の使用量等は、第1洗浄工程と同様である。
[第3洗浄工程]
第3洗浄工程は、第1洗浄工程および第2洗浄工程後に行われ、装置内に残存した不純物や微粒子を除去する工程である。また、第2洗浄工程で用いたアルカリ性化合物のアルコール溶液も洗い流される。
第3洗浄工程での洗浄液は、25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水である。この電気伝導率は0.5μS/cm以下であることが好ましく、0.1μS/cm以下であることがより好ましく、0.06μS/cm以下であることがさらに好ましい。この電気伝導率の下限は低いほど好ましいが、入手の困難性等を考慮すれば、0.056μS/cm程度以上で充分である。なお、電気伝導率は、例えば、市販の電気伝導率計で測定できるが、超純水製造装置に電気伝導率計が備えられていれば、その値で確認することができる。
洗浄方法、洗浄回数、洗浄温度、洗浄液の使用量等は、第1洗浄工程と同様である。第3洗浄工程は、クラス1000レベルのクリーンルーム内で行うとよい。
[乾燥工程]
第3洗浄工程後、水素化シラン化合物用装置を乾燥する乾燥工程を行ってもよい。乾燥工程は、乾燥機を用いたり、ケミカルクリーンレベルの不活性ガス(例えば、窒素等)を噴射することにより、行える。
[水素化シラン化合物用装置]
本発明には、本発明の洗浄方法で洗浄された水素化シラン化合物用装置も包含されるが、本発明の水素化シラン化合物用装置は高度に清浄化されているので、精製後の高純度な水素化シラン化合物を保管するための容器として用いることが好ましい。この保管用容器(保管用容器には限定されず、水を溜められる水素化シラン化合物用装置なら何でもよい)は、第3洗浄工程で洗浄液として用いる25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水を入れ、25℃で1時間放置しても、水中のハロゲンイオンの増加量が100質量ppb以下、金属元素(例えば、ナトリウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、カリウム等)の増加量が50質量ppb以下、粒径0.5μm以上の粒子の増加量が100個/mL以下であるという特性を有する。すなわち、容器に入れる前の水が、容器に入れた後でもほとんど汚染されないということである。ハロゲンイオンの増加量は50質量ppb以下であることが好ましく、30質量ppb以下であることがより好ましい。また、金属元素の増加量は30質量ppb以下であることが好ましく、10質量ppb以下であることがより好ましい。そして、粒径0.5μm以上の粒子の増加量は50個/mL以下であることが好ましく、10個/mL以下であることがより好ましい。なお、ハロゲンイオン、金属元素の定量方法と、粒径0.5μm以上の粒子数の測定方法は、実施例で後述する。
本発明の水素化シラン化合物用装置は、上述のとおり、高度に清浄化されているので、水素化シラン化合物を保管しても、水素化シラン化合物が不純物によって悪影響を受け、その純度が大きく低下してしまうことはない。例えば、水素化シラン化合物用装置のうち、保管用容器内を窒素雰囲気とした後、水素化シラン化合物を入れて密封し、25℃で30日間放置しても、純度低下は0.5質量%以下である。なお、窒素雰囲気中の酸素濃度は1ppm以下(体積基準)、露点は−70℃以下としておくことが好ましい。酸素や水分の存在は純度低下に繋がるからである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[粒径0.5μm以上の粒子の含有量]
レーザー光散乱を利用したパーティクルカウンター(パーティクル メジャリング システムズ(PMS)社製;「AZ−SO2/LS−200」)により、粒径0.5μm以上の粒子の個数を測定した。
[ハロゲンイオンの定量]
イオンクロマトグラフィ(日本ダイオネクス社製;「ISC−3000」)を用いた。
[金属元素の定量]
ICP−MS(高周波発光質量分析器;Agilent Technologies社製;「Agilent7700」)を用いて、金属元素の定量を行った。
[シクロヘキサシラン(CHS)の純度]
窒素雰囲気下のグローブボックス内でCHSを超脱水ヘキサンで2質量%に希釈し、バイヤル瓶にこの溶液を入れ密封した後、ガスクロマトグラフィ(島津製作所社製:「GC2014」)で下記条件で純度を測定した。
キャリアガス:N2
キャピラリーカラム:Agilent J&W社製;「DB−1MS」
試料注入温度:300℃
検出器温度:300℃
試料注入量:1μL
カラム温度:50〜300℃
実施例1
非特許文献1(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1977, 16, 403.)に記載の方法で合成したシクロヘキサシラン(CHS)を蒸留して、純度97.0質量%の精製CHSを得た。CHS用保管容器として、SUS316L製の100mLの容器を準備した。窒素雰囲気下のグローブボックス内で、保管容器にCHSを満たし、24時間放置した後、容器からCHSを取り出し、容器を乾燥させた。
ヘキサンを用意し、酸素濃度0.1体積%以下の窒素雰囲気下の簡易グローブボックスにおいて、保管容器をかけ洗いして、第1洗浄工程を行った。かけ洗いは30mLずつ3回行った。
イソプロパノール80質量%、水15質量%、水酸化カリウム5質量%の組成の洗浄液を用意し、酸素濃度0.1体積%以下の簡易グローブボックスにおいて、第1洗浄工程後の保管容器に対し、前記洗浄液でかけ洗いを行った。かけ洗いは、30mLずつ5回行い、その後、洗浄液を保管容器に充填して、1時間浸漬洗浄した(第2洗浄工程)。1時間後、洗浄液は廃棄した。
超純水製造装置(日本ミリポア社製;「Milli−Q Element A−10」を用いて、第3洗浄工程用の水を調製した。得られた水(超純水)の電気伝導率は、装置に内蔵された電気伝導率計によれば、25℃で0.055μS/cmであった。また、粒径0.5μm以上の粒子の含量は、2個/mLであった。第2洗浄工程で洗浄されたCHS用保管容器を、クラス1000のクリーンルーム内において、上記超純水でかけ洗いにより洗浄した。かけ洗いは、30mLずつ10回行った。
その後、クラス100のクリーンオーブン中で60℃で24時間乾燥を行った。
第3洗浄工程および乾燥工程を終えた保管容器に、超純水を充填し、密封後、1時間放置した。充填前の超純水に比べ、ハロゲンイオンの増加量は24質量ppb、金属元素の増加量は8ppb、粒径0.5μm以上の粒子の増加量は3個/mLであった。
実施例2
酸素濃度1ppm以下(体積基準)、露点−70℃以下に調整された窒素雰囲気のグローブボックス内で純度97質量%のCHSを乾燥後の清浄化された容器に充填し、30日後の純度を測定した。純度低下は0.1質量%以下であった。
比較例1
実施例1において、第2洗浄工程でKOHを用いなかった以外は、実施例1と同様にして洗浄試験評価を行った。洗浄後の容器に超純水を充填して1時間放置した後のハロゲンイオンの増加量は730質量ppbであり、金属元素の含量の増加量は1200質量ppbであり、粒径0.5μmの粒子の増加量は500個/mLであった。また、容器内を目視で確認したところ、白色の固形物が付着しており、明らかに洗浄不足であった。
比較例2
実施例1において、第2洗浄工程の洗浄液を、水90質量%とKOH10質量%の洗浄液とした以外は、実施例1と同様にして洗浄試験評価を行った。洗浄後の容器に超純水を充填して1時間放置した後のハロゲンイオンの増加量は80質量ppbであり、金属元素の含量の増加量は60質量ppbであり、粒径0.5μmの粒子の増加量は300個/mLであった。
また、第2洗浄工程の洗浄液を、水90質量%とKOH10質量%の洗浄液とした以外は、実施例1と同様にして洗浄を行った。洗浄後の容器に、実施例2と同様にして、酸素濃度1ppm以下(体積基準)、露点−70℃以下に調整されたグローブボックス内で純度97質量%のCHSを充填し、30日経過後の純度を測定したところ、1.3質量%の純度低下が見られた。
本発明法は、水素化シラン化合物を合成したり保管した後の水素化シラン化合物用装置を高効率にかつ高度に清浄化できるため、次回、水素化シラン化合物を合成したり保管する場合に不純物や微粒子の混入や発生を抑制できるようになった。本発明法で高度に清浄化された装置を用いて合成される、あるいは保管される水素化シラン化合物は、太陽電池や半導体等の用途におけるシリコン原料として好適に利用される。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    (SiH2n…(1)
    (式(1)中、nは3〜6である。)
    および/または下記式(2)
    Sim2m+2…(2)
    (式(2)中、mは3〜6である。)
    で表される水素化シラン化合物が接触した装置を、
    非プロトン性溶媒で洗浄する第1洗浄工程、
    アルカリ性化合物のアルコール溶液で洗浄する第2洗浄工程、および
    25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水で洗浄する第3洗浄工程を含むことを特徴とする水素化シラン化合物用装置の洗浄方法。
  2. 上記アルカリ性化合物が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 上記アルコールの炭素数が1〜12である請求項1または2に記載の洗浄方法。
  4. 第3洗浄工程後に乾燥工程を行う請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄方法。
  5. 下記式(1)および/または下記式(2)で表される水素化シラン化合物が接触した装置であり、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄方法により洗浄されたことを特徴とする下記式(1)および/または下記式(2)で表される水素化シラン化合物用装置。
    (SiH 2 n …(1)
    Si m 2m+2 …(2)
    (式(1)中、nは3〜6である。式(2)中、mは3〜6である。)
  6. 上記式(1)および/または上記式(2)で表される水素化シラン化合物の保管用容器である請求項5に記載の水素化シラン化合物用装置。
  7. 上記水素化シラン化合物用装置に25℃における電気伝導率が1μS/cm以下の水を充填し、25℃で1時間放置した場合に、水中のハロゲンイオンの増加量が100質量ppb以下、金属元素の増加量が50質量ppb以下、粒径0.5μm以上の粒子の増加量が100個/mL以下である請求項5または6に記載の水素化シラン化合物用装置。
  8. 上記水素化シラン化合物用装置に、上記式(1)および/または上記式(2)で表される水素化シラン化合物を入れ、窒素雰囲気下密封した後、25℃で30日保管した場合の水素化シラン化合物の純度低下が0.5質量%以下である請求項5〜7のいずれかに記載の水素化シラン化合物用装置。
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