まず、本実施例に係る貨幣管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る貨幣管理システムのシステム構成を説明するための説明図である。図1に示すように、貨幣管理システム80は、複数の釣銭機10、入出金機50、管理サーバ60及び店員用携帯端末70からなる。
複数の釣銭機10、入出金機50、管理サーバ60は、LAN(Local Area Network)等の通信回線32を介して相互接続されている。店員用携帯端末70は、無線LAN等により管理サーバ60に接続されており、フロア担当の責任者が携帯する。また、釣銭機10はPOS端末20を通じてPOSシステムのPOSサーバ40と接続される。
POS端末20は、商品の会計が行なわれた場合に、商品の種類、商品の数、商品の合計会計額、預り金額及び釣銭額を含む会計データを記憶するとともに、釣銭機10に対して入出金指示を送信する。この入出金指示は、客から受け取った預り金の金種及び数と、客に渡すべき釣銭の金種及び数を指定したデータである。また、POS端末20は、会計データをPOSサーバ40に送信する機能を有する。
釣銭機10は、貨幣を金種毎に収納する装置である。店員は、商品の会計が行なわれた場合に、預り金をこの釣銭機10に入金処理し、釣銭を釣銭機10から出金処理する。また、釣銭機10は、POS端末20からの入出金指示を受信した場合に在高データを更新する。在高データは、釣銭機10の内部に所在する貨幣の金種毎の数を示すデータである。
店員による貨幣の入金及び出金が適正に行なわれたならば、店員による入金処理及び出金処理が行なわれた後の釣銭機10内部の実際の在高と、POS端末20からの入出金指示により更新された在高データとが一致する。
また、レジにおいて、店員が担当を開始する時点及び終了(交代)する時点に、店員IDの読み取りが行なわれ、その間の会計に伴う入金処理及び出金処理は当該店員が担当したものとして、処理データに当該店員の店員IDが紐付けられる。
また、釣銭機10は、会計により増減した貨幣の補充と回収を行なうため、各金種について、在高データをフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値と比較する。
フル閾値は、当該金種を釣銭機10の内部に収納可能な上限数を示す。ニアフル閾値は、フル閾値よりも所定数だけ小さい値であり、在高データがニアフル閾値以上となった場合には、当該金種の貨幣を回収する必要があることが示される。
エンプティ閾値は、当該金種を釣銭機10の内部に収納すべき下限数を示し、通常は「0」に設定される。ニアエンプティ閾値は、エンプティ閾値よりも所定数だけ大きい値であり、在高データがニアエンプティ閾値以下となった場合には、当該金種の貨幣を補充する必要があることが示される。
釣銭機10から貨幣の回収を行なう場合には、店員は、釣銭機10から回収分の貨幣を出金処理し、入出金機50まで移動し、入出金機50に回収分の貨幣の入金処理を行なう。また、釣銭機10に対して貨幣の補充を行なう場合には、店員は、入出金機50から補充分の貨幣を出金処理し、補充が必要な釣銭機10まで移動し、釣銭機10に補充分の貨幣の入金処理を行なう。
釣銭機において回収処理や補充処理を行なう際には、処理を行なう店員(レジ担当とは別の店員の場合もある)の店員IDの読み取りが行なわれ、回収処理データ及び補充処理データに当該店員の店員IDが紐付けられる。
入出金機50は、主に店舗に設置された各釣銭機10に補充するための貨幣の収納と、各釣銭機10から回収した貨幣の収納とを行なう装置である。この入出金機50は、店舗の後方、すなわち店員のみが立ち入り可能な店員用区画(バックヤード)に設けられる。
釣銭機10及び入出金機50は、入出金が行なわれた場合に、入出金データを管理サーバ60に送信する。入出金データは、入出金が行なわれた装置と、入出金の目的と、入出金された金種及び数とを示すデータである。また、操作を行った店員の店員IDや処理時刻情報等が含まれる。さらに入出金機50における回収金の入金処理データには、回収元の釣銭機10の装置IDが含まれ、補充金の出金処理データには、補充先となる釣銭機10の装置IDが含まれる。
管理サーバ60は、釣銭機10及び入出金機50から受信した入出金データに基づいて、釣銭機10及び入出金機50の在高の管理と、貨幣の補充及び回収が適正に行なわれたかの判定とを行なう装置である。
管理サーバ60は、釣銭機10から会計による入出金を示す入出金データを受信した場合には、釣銭機10の在高を更新する。また、釣銭機10から貨幣の回収のための出金を示す入出金データを受信した場合には、該入出金データの受信から所定の回収時間閾値以内に、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信したか否かを判定する。所定の回収時間閾値以内に、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して回収時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60は、入出金機50から釣銭機10への補充のための出金を示す入出金データを受信した場合には、該入出金データの受信から所定の補充時間閾値以内に、補充分の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信したか否かを判定する。所定の補充時間閾値以内に、補充分の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して補充時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60は、釣銭機10からの回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。釣銭機10から回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して回収貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60は、入出金機50から釣銭機10への補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して補充貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
管理サーバ60により貨幣の移動が不適正であると判定された際に、店員用携帯端末70に送信される警報データには、発生した事象を示す情報に加えて、発生日時、関連する機器及び担当者を特定する情報が含まれる。
このように、本実施例に係る貨幣管理システム80は、管理サーバ60が、釣銭機10に入出金された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入出金された貨幣の金種及び数とを取得し、釣銭機10と入出金機50との間で行なわれる貨幣の移動が適正であるか否かを判定するので、不正及び貨幣装填誤りを効率良く防止することができる。
次に、図1に示した釣銭機10の構成について説明する。図2は、図1に示した釣銭機10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、釣銭機10は、表示操作部11、硬貨収納ユニット12、棒金ドロア13、紙幣収納ユニット14、管理サーバ通信部15、POS端末通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。表示操作部11は、金種別の在高を表示可能である。また、表示操作部11は、在高がフル閾値に到達した金種、在高がニアフル閾値以上となった金種、在高がニアエンプティ閾値以下となった金種、並びに在高がエンプティ閾値に到達した金種を表示することで、補充や回収の必要性を報知する。そして、補充処理中や回収処理中には、処理内容に関する情報を表示する。また、表示操作部11は、補充のための入金操作の受付と、回収のための出金操作の受付とを行なう。
硬貨収納ユニット12は、硬貨を金種別に収納する収納部である。棒金ドロア13は、硬貨を所定枚数重ねて包装した棒金を金種別に収納する収納部である。紙幣収納ユニット14は、紙幣を金種別に収納する収納部である。
硬貨収納ユニット12、棒金ドロア13及び紙幣収納ユニット14には、開店前に予め釣銭準備金として所定数の貨幣が金種別に収納されている。商品の会計時に客が硬貨を支払いに用いたならば、該硬貨は硬貨収納ユニット12に入金処理される。また、商品の会計時に釣銭として硬貨を払い出す場合には、該硬貨は硬貨収納ユニット12から出金処理される。釣銭として払い出すことで硬貨が少なくなり、同一金種の棒金が棒金ドロア13に収納されているならば、棒金ドロア13から棒金を出金処理し、包装を解いて硬貨収納ユニット12に入金処理する。
硬貨を回収する場合には、回収分の硬貨は硬貨収納ユニット12から出金処理される。また、硬貨を補充する場合には、補充分の硬貨が棒金であるならば棒金ドロア13に入金処理され、補充分の硬貨が棒金でなければ硬貨収納ユニット12に入金処理される。
また、商品の会計時に客が紙幣を支払いに用いたならば、該紙幣は紙幣収納ユニット14に入金処理される。また、商品の会計時に釣銭として紙幣を払い出す場合には、該紙幣は紙幣収納ユニット14から出金処理される。
釣銭機10から紙幣を回収する場合には、回収分の紙幣を回収カセットに集め、該回収カセットの取り外しを行なう。また、紙幣を補充する場合には、補充分の紙幣を回収カセットに詰めてから釣銭機10に装着すると、紙幣が繰り出されて紙幣収納ユニット14に金種別に振り分けられる。
管理サーバ通信部15は、通信回線32を介して管理サーバ60と通信を行うためのインターフェース部である。POS端末通信部16は、POS端末20との通信を行うためのインターフェース部である。
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリなどからなる記憶デバイスである。記憶部17には、入出金履歴データ17aと、在高データ17bと、在高閾値データ17cとが記憶される。
入出金履歴データ17aは、釣銭機10の入出金の履歴を示すデータである。在高データ17bは、金種別の在高を示すデータである。在高閾値データ17cは、金種別のフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値を示すデータである。
制御部18は、釣銭機10の全体制御を行う制御部であり、入出金処理部18a、在高管理部18b及び通知部18cを有する。入出金処理部18aは、釣銭機10の入出金を管理する処理部である。
入出金処理部18aは、POS端末20からの入出金指示を受信した場合に、該入出金指示を入出金履歴データ17aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット12及び紙幣収納ユニット14に入出金処理を行なわせる。
また、入出金処理部18aは、表示操作部11が回収のための出金操作を受け付けた場合に、該出金操作を入出金履歴データ17aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット12及び紙幣収納ユニット14に出金処理を行なわせる。
また、入出金処理部18aは、表示操作部11が補充のための入金操作を受け付けた場合に、該入金操作を入出金履歴データ17aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット12、棒金ドロア13及び紙幣収納ユニット14に入金処理を行なわせる。
在高管理部18bは、入出金処理部18aにより行なわれた入出金処理に応じて在高データ17bを更新する処理部である。具体的には、入金処理が行なわれた場合には、入金処理された金種に対し、入金処理された数を加算して、在高データ17bを更新する。そして、出金処理が行なわれた場合には、出金処理された金種に対し、出金処理された数を減算して、在高データ17bを更新する。
また、在高管理部18bは、在高データ17bを更新した場合に、更新後の在高を在高閾値データ17cに示された閾値と比較する。そして、在高管理部18bは、在高がフル閾値に到達した金種、在高がニアフル閾値以上となった金種、在高がニアエンプティ閾値以下となった金種、並びに在高がエンプティ閾値に到達した金種を、表示操作部11に表示制御する。
通知部18cは、管理サーバ60に対して、釣銭機10に関する情報を通知する処理部である。通知部18cは、入出金が行なわれた場合には、入出金データを管理サーバ60に通知する。入出金データには、釣銭機10を特定する装置IDと、入出金の目的と、入出金処理された金種及び数、さらに操作した店員の店員IDとを含む。
具体的には、装置ID「T02」の釣銭機10において会計による入出金が発生し、1000円紙幣2枚が入金処理され、釣銭として10円硬貨3枚が出金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:T02 会計 入金:1000円×2 出金:10円×3」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
また、装置ID「T02」の釣銭機10において補充により10円硬貨50枚が入金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:T02 補充 入金:10円×50」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
同様に、装置ID「T02」の釣銭機10において回収のために1000円紙幣20枚が出金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:T02 回収 出金:1000円×20」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
また、通知部18cは、いずれかの金種の在高が在高閾値データ17cに示された閾値に到達した場合には、在高通知データを管理サーバ60に通知する。在高通知データには、釣銭機10を特定する装置IDと、閾値の種別と、金種と、在高とを含む。
具体的には、装置ID「T02」の釣銭機10において10円硬貨の在高が15枚となり、ニアエンプティ閾値に到達した場合には、在高通知データとして「装置ID:T02
ニアエンプティ 10円 在高15」が管理サーバ60に送信される。この他、全金種の在高データが在高通知データに含まれる。
同様に、装置ID「T02」の釣銭機10において1000円紙幣の在高が50枚となり、ニアフル閾値に到達した場合には、在高通知データとして「装置ID:T02
ニアフル 1000円 在高50」が管理サーバ60に送信される。この他、全金種の在高データが在高通知データに含まれる。
また、通知部18cは、釣銭機10にエラーが発生した場合には、エラーデータを管理サーバ60に送信する。エラーデータには、釣銭機10を特定する装置IDと、発生したエラーを特定するエラーコードとを含む。
また、通知部18cは、釣銭機10に電源オンや筐体の開閉等の特定の操作が発生した場合には、操作受付データを管理サーバ60に送信する。操作受付データには、釣銭機10を特定する装置IDと、受け付けた操作を特定する操作コードとを含む。
次に、図1に示した入出金機50の構成について説明する。図3は、図1に示した入出金機50の構成を示すブロック図である。図3に示すように、入出金機50は、表示操作部51、硬貨収納ユニット52、棒金収納ユニット53、紙幣収納ユニット54、管理サーバ通信部55、記憶部56及び制御部57を有する。
表示操作部51は、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。表示操作部51は、金種別の在高を表示可能である。また、表示操作部51は、在高が入出金機50のフル閾値に到達した金種、在高が入出金機50のニアフル閾値以上となった金種、在高が入出金機50のニアエンプティ閾値以下となった金種、並びに在高が入出金機50のエンプティ閾値に到達した金種を表示することで、補充や回収の必要性を報知する。また、表示操作部51は、釣銭機10への補充のための出金操作の受付、釣銭機10からの回収のための入金操作の受付、入出金機50への補充のための入金操作の受付、並びに入出金機50からの回収のための出金操作の受付を行なう。
硬貨収納ユニット52は、硬貨を金種別に収納する収納部である。棒金収納ユニット53は、硬貨を所定枚数重ねて包装した棒金を金種別に収納する収納部である。紙幣収納ユニット54は、紙幣を金種別に収納する収納部である。
硬貨収納ユニット52、棒金収納ユニット53及び紙幣収納ユニット54には、開店前に予め補充準備金として所定数の貨幣が金種別に収納されている。釣銭機10に硬貨を補充する場合には、補充分の硬貨は硬貨収納ユニット52又は棒金収納ユニット53から出金処理される。また、釣銭機10から回収した硬貨は、硬貨収納ユニット52に入金処理される。
また、釣銭機10に紙幣を補充する場合には、補充分の紙幣は紙幣収納ユニット14から出金処理される。また、釣銭機10から回収した紙幣は、補充分の紙幣は紙幣収納ユニット54に入金処理される。
釣銭機10への補充により、入出金機50における在高がニアエンプティ閾値以下となった金種については、図示しない金庫や貨幣保管装置等から入出金機50に対する補充が行なわれる。また、釣銭機10からの回収により、入出金機50における在高がニアフル閾値以上となった金種については、機内の回収用カセットに送り込まれたり、入出金機50から回収され、図示しない金庫や貨幣保管装置等に収納される。
管理サーバ通信部55は、通信回線32を介して管理サーバ60と通信を行うためのインターフェース部である。
記憶部56は、ハードディスク装置や不揮発性メモリなどからなる記憶デバイスである。記憶部56には、入出金履歴データ56aと、在高データ56bと、在高閾値データ56cとが記憶される。
入出金履歴データ56aは、入出金機50の入出金の履歴を示すデータである。在高データ56bは、入出金機50の金種別の在高を示すデータである。在高閾値データ56cは、入出金機50の金種別のフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値を示すデータである。
制御部57は、入出金機50の全体制御を行う制御部であり、入出金処理部57a、在高管理部57b及び通知部57cを有する。入出金処理部57aは、入出金機50の入出金を管理する処理部である。
入出金処理部57aは、釣銭機10への補充のための出金操作を表示操作部51が受け付けた場合に、該出金操作を入出金履歴データ56aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット52、棒金収納ユニット53及び紙幣収納ユニット54に出金処理を行なわせる。補充金の出金処理時には、補充先となる釣銭機10を特定する情報(装置ID)を表示操作部51に入力させる。
また、入出金処理部57aは、釣銭機10から回収した貨幣を収納するための入金操作を表示操作部51が受け付けた場合に、該入金操作を入出金履歴データ56aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット52及び紙幣収納ユニット54に入金処理を行なわせる。回収金の入金処理時には、回収元となる釣銭機10を特定する情報(装置ID)を表示操作部51に入力させる。
また、入出金処理部57aは、入出金機50からの回収のための出金操作を表示操作部51が受け付けた場合に、該出金操作を入出金履歴データ56aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット52及び紙幣収納ユニット54に出金処理を行なわせる。
また、入出金処理部57aは、入出金機50への補充のための入金操作を表示操作部51が受け付けた場合に、該入金操作を入出金履歴データ56aに追加して格納するとともに、硬貨収納ユニット52、棒金収納ユニット53及び紙幣収納ユニット54に入金処理を行なわせる。
在高管理部57bは、入出金処理部57aにより行なわれた入出金処理に応じて在高データ56bを更新する処理部である。具体的には、入金処理が行なわれた場合には、入金処理された金種に対し、入金処理された数を加算して、在高データ56bを更新する。そして、出金処理が行なわれた場合には、出金処理された金種に対し、出金処理された数を減算して、在高データ56bを更新する。
また、在高管理部57bは、在高データ56bを更新した場合に、更新後の在高を在高閾値データ56cに示された閾値と比較する。そして、在高管理部57bは、在高がフル閾値に到達した金種、在高がニアフル閾値以上となった金種、在高がニアエンプティ閾値以下となった金種、並びに在高がエンプティ閾値に到達した金種を、表示操作部51に表示制御する。
通知部57cは、管理サーバ60に対して、入出金機50に関する情報を通知する処理部である。通知部57cは、入出金が行なわれた場合には、入出金データを管理サーバ60に通知する。入出金データには、入出金機50を特定する装置IDと、入出金の目的と、入出金処理された金種及び数、さらに操作した店員の店員IDとを含む。
具体的には、装置ID「N01」の入出金機50において、釣銭機10に補充するために10円硬貨50枚が出金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:N01 補充 出金:10円×50」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
同様に、装置ID「N01」の入出金機50において、釣銭機10から回収された1000円紙幣20枚が入金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:N01 回収 入金:1000円×20」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
また、装置ID「N01」の入出金機50において、500円硬貨100枚が自装置への補充として入金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:N01 入出金機補充 入金:500円×100」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
同様に、装置ID「N01」の入出金機50において、10000円紙幣100枚が回収のために出金処理された場合には、入出金データとして「装置ID:N01 入出金機回収 出金:10000円×100」が管理サーバ60に送信される。この他、操作した店員のIDと、全金種の在高データが入出金データに含まれる。
また、通知部57cは、いずれかの金種の在高が在高閾値データ56cに示された閾値に到達した場合には、在高通知データを管理サーバ60に通知する。在高通知データには、入出金機50を特定する装置IDと、閾値の種別と、金種と、在高とを含む。
具体的には、装置ID「N01」の入出金機50において500円硬貨の在高が50枚となり、ニアエンプティ閾値に到達した場合には、在高通知データとして「装置ID:N01 ニアエンプティ 500円 在高50」が管理サーバ60に送信される。この他、全金種の在高データが在高通知データに含まれる。
同様に、装置ID「N01」の入出金機50において10000円紙幣の在高が750枚となり、ニアフル閾値に到達した場合には、在高通知データとして「装置ID:N01 ニアフル 10000円 在高750」が管理サーバ60に送信される。この他、全金種の在高データが在高通知データに含まれる。
また、通知部57cは、入出金機50にエラーが発生した場合には、エラーデータを管理サーバ60に送信する。エラーデータには、入出金機50を特定する装置IDと、発生したエラーを特定するエラーコードとを含む。
また、通知部57cは、入出金機50に電源オンや筐体の開閉等の特定の操作が発生した場合には、操作受付データを管理サーバ60に送信する。操作受付データには、入出金機50を特定する装置IDと、受け付けた操作を特定する操作コードとを含む。
次に、図1に示した管理サーバ60の構成について説明する。図4は、図1に示した管理サーバ60の構成を示すブロック図である。図4に示すように、管理サーバ60は、入力部61、表示部62、無線通信部63、通信部64、記憶部65及び制御部66を有する。
入力部61は、キーボードやマウス等である。表示部62は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。無線通信部63は、店員用携帯端末70と無線通信を行なうためのインターフェース部である。通信部64は、通信回線32を介して釣銭機10及び入出金機50と通信を行うためのインターフェース部である。
記憶部65は、ハードディスクや不揮発性メモリからなる記憶デバイスである。記憶部65には、動作履歴データ65aと、装置別在高データ65bと、補充回収閾値データ65cと、移動時間閾値データ65dと、設置データ65eと、閾値制御データ65fとが記憶される。
動作履歴データ65aは、複数の釣銭機10及び入出金機50の動作の履歴を示すデータである。装置別在高データ65bは、複数の釣銭機10及び入出金機50の現時点での金種別の在高を示すデータである。補充回収閾値データ65cは、貨幣の補充及び回収が必要であるかを判定するための在高に対する閾値を設定したデータである。移動時間閾値データ65dは、貨幣の補充又は回収に要した時間と比較するための閾値を設定したデータである。設置データ65eは、複数の釣銭機10及び入出金機50が店舗内のどこに設置されているかを示すデータである。閾値制御データ65fは、補充回収閾値データ65cに示された閾値を状況に応じて動的に制御するための制御データである。
制御部66は、管理サーバ60を全体制御する制御部であり、動作履歴管理部66a、装置別在高管理部66b、補充回収判定部66c、移動時間判定部66d、一致判定部66e及び閾値変更部66fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、動作履歴管理部66a、装置別在高管理部66b、補充回収判定部66c、移動時間判定部66d、一致判定部66e及び閾値変更部66fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
動作履歴管理部66aは、複数の釣銭機10及び入出金機50の動作履歴を管理する処理部である。具体的には、動作履歴管理部66aは、複数の釣銭機10及び入出金機50から受信した入出金データ、在高通知データ、エラーデータ及び操作受付データを動作履歴データ65aに格納することで、店舗内で各装置がどのように動作したかを総合的に管理する。
装置別在高管理部66bは、複数の釣銭機10及び入出金機50の在高を装置別に管理する処理部である。具体的には、装置別在高管理部66bは、入出金データを受信した場合に、入出金データに示された装置ID、入出金処理された金種及び数に基づいて、装置別在高データ65bを更新する。
補充回収判定部66cは、入出金データにより釣銭機10に対する貨幣の補充や回収の実行が示された場合に、装置別在高データ65bに示された在高と、補充回収閾値データ65cに示された閾値と比較し、釣銭機10に対する補充や回収が必要であるか否かを判定する処理部である。
移動時間判定部66dは、入出金データにより釣銭機10に対する貨幣の補充や回収の実行が示された場合に、釣銭機10と入出金機50との間での貨幣の移動が適正な時間内に行なわれたかを判定する処理部である。
具体的には、移動時間判定部66dは、釣銭機10から貨幣の回収のための出金を示す入出金データを受信した場合に移動時間の計測を開始する。そして、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信する前に、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された回収時間閾値を超過したならば、店員用携帯端末70に対して回収時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
また、移動時間判定部66dは、入出金機50から釣銭機10への補充用の出金を示す入出金データを受信した場合に移動時間の計測を開始する。そして、補充用の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信する前に、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された補充時間閾値を超過したならば、店員用携帯端末70に対して補充時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
一致判定部66eは、釣銭機10と入出金機50との間で補充や回収により貨幣の移動が行なわれた場合に、移動の前後で貨幣の金種及び数が一致するかを判定する処理部である。
具体的には、一致判定部66eは、入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して補充貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
また、一致判定部66eは、釣銭機10からの回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。釣銭機10から回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して回収貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
閾値変更部66fは、補充回収判定部66cによる判定時に、補充回収閾値データ65cに示された閾値を閾値制御データ65fに従って変更する処理部である。閾値制御データ65fには、閾値を変更するための条件と、条件が満たされた場合に行なわれる閾値に対する制御が規定されている。閾値を変更するための条件には、入出金機50の在高や、時刻等を用いることができる。また、閾値に対する制御としては、閾値の増減割合が示される。また、閾値に対する増減のみならず、補充禁止や回収禁止を用いることもできる。
次に、図4に示した記憶部65が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、記憶部65が記憶する動作履歴データ65a及び装置別在高データ65bについて説明するための説明図である。
図5(a)に示す動作履歴データ65aは、装置IDと、該装置IDを有する装置からデータを受信した時刻と、受信したデータが示す動作と、担当した店員IDである操作者IDとを関連づけたデータである。ここで、装置ID「N01」は入出金機50の装置IDであり、装置ID「T01」及び「T02」は釣銭機10の装置IDである。
図5(a)に示す動作履歴データ65aは、装置ID「N01」の入出金機50から、時刻「09:30」に電源オン操作を受け付けたことを示す操作受付データを受信したことを示している。この段階では、店員の担当は開始しておらず、操作者IDは「−」である。また、装置ID「T01」の釣銭機10から、時刻「09:32」に電源オン操作を受け付けたことを示す操作受付データを受信したことを示している。この段階では、店員の担当は開始しておらず、操作者IDは「−」である。また、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「09:33」に電源オン操作を受け付けたことを示す操作受付データを受信したことを示している。この段階では、店員の担当は開始しておらず、操作者IDは「−」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「10:05」に会計による入出金データを受信したことを示している。この入出金データは、「会計 入金:1000円×2 出金:10円×3」であり、装置ID「T02」の釣銭機10において会計による入出金が発生し、1000円紙幣2枚が入金処理され、釣銭として10円硬貨3枚が出金処理されたことを示している。また、操作者IDは「B01」である。ここで、操作者ID「B01〜03」はレジ担当者の店員IDであり、操作者ID「A01」及「A02」はフロア担当者の責任者の店員IDである。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「12:20」に在高通知データを受信したことを示している。この在高通知データは、「ニアエンプティ 10円 在高15」であり、装置ID「T02」の釣銭機10において10円硬貨の在高が15枚となり、ニアエンプティ閾値に到達したことを示している。また、操作者IDは「B01」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「N01」の入出金機50から、時刻「12:25」に入出金データを受信したことを示している。この入出金データは、「補充 出金:10円×50」であり、装置ID「N01」の入出金機50において、釣銭機10に補充するために10円硬貨50枚が出金処理されたことを示している。また、操作者IDは「A02」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「12:30」に入出金データを受信したことを示している。この入出金データは、「補充 入金:10円×50」であり、装置ID「T02」の釣銭機10において補充により10円硬貨50枚が入金処理されたことを示している。また、操作者IDは「A02」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T01」の釣銭機10から、時刻「14:40」にエラーコード2のエラーデータを受信したことを示している。この時の操作者IDは「B02」である。また、装置ID「T01」の釣銭機10から、時刻「14:41」に筐体の開閉操作を受け付けたことを示す操作受付データを受信したことを示している。この時の操作者IDは「B02」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「15:10」に在高通知データを受信したことを示している。この在高通知データは、「ニアフル 1000円 在高50」であり、装置ID「T02」の釣銭機10において1000円紙幣の在高が50枚となり、ニアフル閾値に到達したことを示している。また、操作者IDは「B03」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「T02」の釣銭機10から、時刻「15:12」に入出金データを受信したことを示している。この入出金データは、「回収 出金:1000円×20」であり、装置ID「T02」の釣銭機10において回収のために1000円紙幣20枚が出金処理されたことを示している。この時の操作者IDは「A01」である。
また、動作履歴データ65aは、装置ID「N01」の入出金機50から、時刻「15:19」に入出金データを受信したことを示している。この入出金データは、「回収 入金:1000円×20」であり、装置ID「N01」の入出金機50において、釣銭機10から回収された1000円紙幣20枚が入金処理されたことを示している。この時の操作者IDは「A01」である。
図5(b)に示す装置別在高データ65bは、装置IDに対し、金種別の在高を対応付けている。具体的には、装置別在高データ65bは、装置ID「N01」の入出金機50は、10000円紙幣の在高が50枚であり、5000円紙幣の在高が100枚であり、1000円紙幣の在高が250枚であり、500円硬貨の在高が400枚であり、100円硬貨の在高が600枚であることを示している。
また、装置別在高データ65bは、装置ID「T01」の釣銭機10は、10000円紙幣の在高が8枚であり、5000円紙幣の在高が10枚であり、1000円紙幣の在高が32枚であり、500円硬貨の在高が25枚であり、100円硬貨の在高が48枚であることを示している。また、装置別在高データ65bは、装置ID「T02」の釣銭機10は、10000円紙幣の在高が12枚であり、5000円紙幣の在高が19枚であり、1000円紙幣の在高が50枚であり、500円硬貨の在高が48枚であり、100円硬貨の在高が62枚であることを示している。なお、棒金ドロア13に収納される棒金の在高についても同様に管理される。
図6は、記憶部65が記憶する補充回収閾値データ65c、移動時間閾値データ65d及び設置データ65eについて説明するための説明図である。図6(a)に示す補充回収閾値データ65cは、装置IDと、各金種のフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値とを関連づけたデータである。これらの閾値は、フル閾値が最も大きい値であり、ニアフル閾値はフル閾値よりも小さい値である。ニアエンプティ閾値はニアフル閾値よりも小さい値であり、エンプティ閾値は最も小さい値である。これらの閾値のうち、ニアフル閾値が回収閾値、ニアエンプティ閾値が補充閾値として用いられる。また、補充回収閾値データ65cのフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値は、在高閾値データ17c及び在高閾値データ56cのフル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値と一致させておくことが好ましいが、必ずしも一致させる必要はなく、異なる値に設定してもよい。
図6(a)に示す補充回収閾値データ65cは、装置ID「N01」の入出金機50について、10000円紙幣のフル閾値を800枚に設定し、ニアフル閾値を750枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。なお、10000円紙幣は、釣銭として用いられることが無く、釣銭機10への補充が必要でないため、ニアエンプティ閾値は設定していない。
補充回収閾値データ65cは、装置ID「N01」の入出金機50について、5000円紙幣のフル閾値を800枚に設定し、ニアフル閾値を750枚に設定し、ニアエンプティ閾値を50枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「N01」の入出金機50について、1000円紙幣のフル閾値を800枚に設定し、ニアフル閾値を750枚に設定し、ニアエンプティ閾値を100枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T01」の釣銭機10について、10000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を400枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T01」の釣銭機10について、5000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を450枚に設定し、ニアエンプティ閾値を10枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T01」の釣銭機10について、1000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を400枚に設定し、ニアエンプティ閾値を50枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T02」の釣銭機10について、10000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を400枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T02」の釣銭機10について、5000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を450枚に設定し、ニアエンプティ閾値を10枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
また、補充回収閾値データ65cは、装置ID「T02」の釣銭機10について、1000円紙幣のフル閾値を500枚に設定し、ニアフル閾値を400枚に設定し、ニアエンプティ閾値を50枚に設定し、エンプティ閾値を0枚に設定している。
図6(b)に示す移動時間閾値データ65dは、装置IDに対し、補充時間閾値と回収時間閾値とを関連付けたデータである。具体的には、装置ID「N01」の入出金機50について、補充時間閾値を20分に設定し、回収時間閾値を20分に設定している。これは、入出金機50に対して金庫から貨幣を補充する場合と、入出金機50から金庫に貨幣を回収する場合には、それぞれ20分以内に完了すべきことを示している。
また、移動時間閾値データ65dは、装置ID「T01」の釣銭機10について、補充時間閾値を15分に設定し、回収時間閾値を10分に設定している。これは、入出金機50から装置ID「T01」の釣銭機10に貨幣を補充する場合には、15分以内に補充を完了し、装置ID「T01」の釣銭機10から入出金機50に貨幣を回収する場合には、10分以内に回収を完了すべきことを示している。
また、移動時間閾値データ65dは、装置ID「T21」の釣銭機10について、補充時間閾値を20分に設定し、回収時間閾値を15分に設定している。これは、入出金機50から装置ID「T21」の釣銭機10に貨幣を補充する場合には、20分以内に補充を完了し、装置ID「T21」の釣銭機10から入出金機50に貨幣を回収する場合には、15分以内に回収を完了すべきことを示している。
図6(c)に示す設置データ65eは、装置IDに対し、該装置IDを有する装置の設置場所を関連付けたデータである。具体的には、設置データ65eは、装置ID「N01」の入出金機50が店舗の後方(バックヤード)に設置されていることを示している。
また、設置データ65eは、装置ID「T01」の釣銭機10が店舗1階のレジ1に設置され、装置ID「T02」の釣銭機10が店舗1階のレジ2に設置され、装置ID「T21」の釣銭機10が店舗2階のレジ1に設置されていることを示している。
図7は、記憶部65が記憶する閾値制御データ65fについて説明するための説明図である。図7に示す閾値制御データ65fは、閾値を変更するための条件と、条件が満たされた場合に行なわれる閾値に対する制御とを関連付けたデータである。
閾値制御データ65fに基づいて補充閾値及び回収閾値を変更することで、補充回収判定部66cは、店舗の状況に応じた判定を行なうことができる。例えば、入出金機50の在高が不十分であれば、釣銭機10への補充を抑制し、入出金機50の在高が過剰であれば、釣銭機10からの回収を抑制することができる。また、店舗の2階の営業時間が21時までであり、店舗の1階の営業時間が23時までである場合のように、売り場によって営業時間が異なる場合には、営業時間の終了が近づいた売り場に設置された釣銭機10について補充を抑制し、営業時間の終了後には補充を禁止することができる。
具体的には、閾値制御データ65fは、入出金機50においてエンプティ閾値に到達した金種については、釣銭機10への補充を禁止することを規定している。このため、補充回収判定部66cは、入出金機50の在高が入出金機50のエンプティ閾値に到達した金種については、釣銭機10の在高が釣銭機10のニアエンプティ閾値以下であっても、該金種の補充は不要であると判定する。
また、閾値制御データ65fは、入出金機50においてニアエンプティ閾値以下である金種については、釣銭機10への補充閾値(釣銭機10のニアエンプティ閾値)を5%減少させることを規定している。このため、補充回収判定部66cは、入出金機50の在高が入出金機50のニアエンプティ閾値以下である金種については、釣銭機10のニアエンプティ閾値を5%減少した値と釣銭機10の在高とを比較して、該金種の補充が必要であるかを判定する。
また、閾値制御データ65fは、入出金機50においてフル閾値に到達した金種については、釣銭機10からの回収を禁止することを規定している。このため、補充回収判定部66cは、入出金機50の在高が入出金機50のフル閾値に到達した金種については、釣銭機10の在高が釣銭機10のニアフル閾値以上であっても、該金種の回収は不要であると判定する。
また、閾値制御データ65fは、入出金機50においてニアフル閾値以上である金種については、釣銭機10からの回収閾値(釣銭機10のニアフル閾値)を5%増加させることを規定している。このため、補充回収判定部66cは、入出金機50の在高が入出金機50のニアフル閾値以上である金種については、釣銭機10のニアフル閾値を5%増加した値と釣銭機10の在高とを比較して、該金種の回収が必要であるかを判定する。
また、閾値制御データ65fは、時刻が20時以降であれば、店舗の2階レジに設置された釣銭機10への補充閾値(釣銭機10のニアエンプティ閾値)を10%減少させることを規定している。このため、補充回収判定部66cは、時刻が20時以降であれば、店舗の2階レジに設置された釣銭機10への補充について、釣銭機10のニアエンプティ閾値を10%減少した値と釣銭機10の在高とを比較して、該金種の補充が必要であるかを判定する。
また、閾値制御データ65fは、時刻が21時以降であれば、店舗の2階レジに設置された釣銭機10への補充を禁止することを規定している。このため、補充回収判定部66cは、時刻が21時以降であれば、店舗の2階レジに設置された釣銭機10への補充について、釣銭機10の在高が釣銭機10のニアエンプティ閾値以下であっても、該金種の補充は不要であると判定する。
また、閾値制御データ65fは、時刻が22時以降であれば、店舗の1階レジに設置された釣銭機10への補充閾値(釣銭機10のニアエンプティ閾値)を20%減少させることを規定している。このため、補充回収判定部66cは、時刻が22時以降であれば、店舗の1階レジに設置された釣銭機10への補充について、釣銭機10のニアエンプティ閾値を20%減少した値と釣銭機10の在高とを比較して、該金種の補充が必要であるかを判定する。
また、閾値制御データ65fは、閉店後には、店舗の1階レジに設置された釣銭機10への補充を禁止することを規定している。このため、補充回収判定部66cは、閉店後には、店舗の1階レジに設置された釣銭機10への補充について、釣銭機10の在高が釣銭機10のニアエンプティ閾値以下であっても、該金種の補充は不要であると判定する。
次に、貨幣の移動時の判定について説明する。図8は、貨幣の移動時の判定について説明するための説明図である。図8(a)は、釣銭機10に補充を行なう場合の貨幣の移動を示している。
図8(a)に示すように、釣銭機10に補充を行なう場合には、店員は、入出金機50から補充分の貨幣を出金処理し、釣銭機10の位置まで移動し、釣銭機10に対して補充分の貨幣を入金処理する。
入出金機50は、補充分の貨幣が出金処理された場合に、入出金データを管理サーバ60に送信する。この入出金データには、出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50の装置IDと、補充先となる釣銭機10の装置IDとが示される。また、管理サーバ60は、入出金データの受信時刻を出金処理の時刻とする。
また、釣銭機10は、補充分の貨幣が入金処理された場合に、入出金データを管理サーバ60に送信する。この入出金データには、入金処理された貨幣の金種及び数と、補充が行なわれた釣銭機10の装置IDとが示される。また、管理サーバ60は、入出金データの受信時刻を入金処理の時刻とする。
管理サーバ60の補充回収判定部66cは、釣銭機10から入出金データを受信した場合に、該釣銭機10の在高を装置別在高データ65bから読み出し、在高が補充閾値以下であるか否かを判定する。この補充閾値は、閾値変更部66fにより変更された値を用いる。在高が補充閾値よりも大きいならば、補充回収判定部66cは、店員用携帯端末70に対して、不要な補充が行なわれた旨を示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60の移動時間判定部66dは、入出金機50から釣銭機10への補充用の出金を示す入出金データを受信した場合に移動時間の計測を開始する。そして、補充用の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信する前に、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された補充時間閾値を超過したならば、店員用携帯端末70に対して補充時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60の一致判定部66eは、入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して補充貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
図8(b)は、釣銭機10から回収を行なう場合の貨幣の移動を示している。図8(b)に示すように、釣銭機10から回収を行なう場合には、店員は、釣銭機10から回収分の貨幣を出金処理し、入出金機50の位置まで移動し、入出金機50に対して回収分の貨幣を入金処理する。
釣銭機10は、回収分の貨幣が出金処理された場合に、入出金データを管理サーバ60に送信する。この入出金データには、出金処理された貨幣の金種及び数と、回収元の釣銭機10の装置IDとが示される。また、管理サーバ60は、入出金データの受信時刻を出金処理の時刻とする。
また、入出金機50は、回収分の貨幣が入金処理された場合に、入出金データを管理サーバ60に送信する。この入出金データには、入金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50の装置IDと、回収元の釣銭機10の装置IDとが示される。また、管理サーバ60は、入出金データの受信時刻を入金処理の時刻とする。
管理サーバ60の補充回収判定部66cは、釣銭機10から入出金データを受信した場合に、該釣銭機10の在高を装置別在高データ65bから読み出し、在高が回収閾値以上であるか否かを判定する。この回収閾値は、閾値変更部66fにより変更された値を用いる。在高が回収閾値よりも小さいならば、補充回収判定部66cは、店員用携帯端末70に対して、不要な回収が行なわれた旨を示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60の移動時間判定部66dは、釣銭機10から貨幣の回収のための出金を示す入出金データを受信した場合に移動時間の計測を開始する。そして、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信する前に、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された回収時間閾値を超過したならば、店員用携帯端末70に対して回収時間閾値を超過したことを示す警報データを送信する。
また、管理サーバ60の一致判定部66eは、釣銭機10からの回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する。釣銭機10から回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ、管理サーバ60は、店員用携帯端末70に対して回収貨幣が不一致であることを示す警報データを送信する。
図8では、1台の釣銭機10に対して、補充や回収を行なう場合を示したが、補充や回収は複数の釣銭機10に対して行なわれる場合もある。図9は、複数の釣銭機10に対して補充や回収を行なう場合について説明するための説明図である。
図9(a)は、複数の釣銭機10に対して分配補充を行なう場合を示している。複数の釣銭機10で在高が補充閾値以下となった場合には、複数の釣銭機10に対して補充するための貨幣を入出金機50から一括して出金処理し、出金処理した貨幣を複数の釣銭機10に分配して入金処理することで作業を効率的に行なうことができる。
入出金機50において補充金を出金する際に、補充先となる釣銭機10の装置IDの入力を受け付けて、当該装置IDと、出金した補充金の内訳(金種毎の数)と、出金処理を行なった店員の店員IDとを含む補充金出金情報を管理サーバ60に送信する。一方、補充金の入金を受けた釣銭機10は、自機の装置IDと補充された補充金の内訳(金種毎の数)と、入金処理を行なった店員の店員IDとを含む補充金入金情報を管理サーバ60へ送信する。
このように貨幣を分配して補充した場合には、管理サーバ60の一致判定部66eは、複数の釣銭機10に入金処理された貨幣の数を金種別に集計し、集計結果が入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と一致するかを判定する。
図9(b)は、複数の釣銭機10から一括回収を行なう場合を示している。複数の釣銭機10で在高が回収閾値以上となった場合には、複数の釣銭機10からそれぞれ回収分の貨幣を出金処理し、出金処理した貨幣を入出金機50に一括して入金処理することで作業を効率的に行なうことができる。
回収分の貨幣を出金した釣銭機10は、自機の装置IDと、出金された回収金の内訳(金種毎の数)と、出金処理を行なった店員の店員IDとを含む回収金出金情報を管理サーバ60に送信する。一方、回収金の入金を受け付けた入出金機50は、回収元である釣銭機10の装置IDの入力を受け付けて、当該装置IDと、入金された補充金の内訳(金種毎の数)と、入金処理を行なった店員の店員IDとを含む回収金入金情報を管理サーバ60へ送信する。
このように貨幣を一括して回収した場合には、管理サーバ60の一致判定部66eは、複数の釣銭機10から出金処理された貨幣の数を金種別に集計し、集計結果が入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数と一致するかを判定する。
次に、管理サーバ60の処理手順について説明する。図10は、管理サーバ60の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、管理サーバ60の動作履歴管理部66aは、釣銭機10又は入出金機50から、入出金データ、在高通知データ、エラーデータ又は操作受付データを受信したか否かを判定する(ステップS101)。
入出金データ、在高通知データ、エラーデータ又は操作受付データを受信したならば(ステップS101;Yes)、動作履歴管理部66aは、受信したデータを動作履歴データ65aに格納して動作履歴データ65aを更新する(ステップS102)。
ステップ102の後、装置別在高管理部66bは、入出金が行なわれたか否か、すなわち受信したデータが入出金データであるか否かを判定する(ステップS103)。受信したデータが入出金データである場合には(ステップS103;Yes)、装置別在高管理部66bは、入出金データに示された装置ID、入出金処理された金種及び数に基づいて、装置別在高データ65bを更新する(ステップS104)。
ステップS104の後、管理サーバ60は、補充判定処理(ステップS105)及び回収判定処理(ステップS106)を行なって、処理を終了する。また、データを受信していない場合(ステップS101;No)並びに受信したデータが入出金データでない場合(ステップS103;No)には、管理サーバ60は処理を終了する。
図11は、図10に示した補充判定処理を詳細に説明するフローチャートである。補充判定処理では、移動時間判定部66dは、受信した入出金データが入出金機50から釣銭機10への補充用の出金を示す入出金データであるか否かを判定する(ステップS201)。その結果、受信した入出金データが入出金機50から釣銭機10への補充用の出金を示す入出金データでなければ(ステップS201;No)、補充判定処理を終了する。
一方、受信した入出金データが入出金機50から釣銭機10への補充用の出金を示す入出金データであるならば(ステップS201;Yes)、移動時間判定部66dは、移動時間の計測を開始する。そして、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された補充時間閾値となるまでに、補充用の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信したか否かを判定する(ステップS202)。
計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された補充時間閾値となるまでに、補充用の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信しなければ(ステップS202;No)、移動時間判定部66dは、店員用携帯端末70に対して補充時間閾値を超過したことを示す警報データを送信し(ステップS203)、補充判定処理を終了する。
計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された補充時間閾値となるまでに、補充用の貨幣の入金を示す入出金データを釣銭機10から受信したならば(ステップS202;Yes)、補充回収判定部66cは、補充先の釣銭機10の在高を装置別在高データ65bから読み出し、在高が補充閾値以下であるか否かを判定する(ステップS204)。この補充閾値は、閾値変更部66fにより変更された値を用いる。補充先の釣銭機10の在高が補充閾値よりも大きいならば(ステップS204;No)、補充回収判定部66cは、店員用携帯端末70に対して、不要な補充が行なわれた旨を示す警報データを送信する(ステップS205)。
補充先の釣銭機10の在高が補充閾値以下である場合(ステップS204;Yes)、若しくは店員用携帯端末70に対して不要な補充が行なわれた旨を示す警報データを送信した(ステップS205)後、一致判定部66eは、入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する(ステップS206)。この時、複数の釣銭機10から補充用の貨幣の入金を示す入出金データを受信していたならば、一致判定部66eは、複数の釣銭機10に入金処理された貨幣の数を金種別に集計し、集計結果が入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と一致するかを判定する。
入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致したならば(ステップS206;Yes)、一致判定部66eは補充判定処理を終了する。
また、入出金機50から補充のために出金処理された貨幣の金種及び数と、釣銭機10に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ(ステップS206;No)、一致判定部66eは、店員用携帯端末70に対して補充貨幣が不一致であることを示す警報データを送信して(ステップS207)、補充判定処理を終了する。
図12は、図10に示した回収判定処理を詳細に説明するフローチャートである。回収判定処理では、補充回収判定部66cは、受信した入出金データが釣銭機10からの回収のための出金を示す入出金データであるか否かを判定する(ステップS301)。その結果、受信した入出金データが釣銭機10からの回収のための出金を示す入出金データでなければ(ステップS301;No)、回収判定処理を終了する。
一方、受信した入出金データが釣銭機10からの回収のための出金を示す入出金データであるならば(ステップS301;Yes)、補充回収判定部66cは、回収元の釣銭機10の在高を装置別在高データ65bから読み出し、在高が回収閾値以上であるか否かを判定する(ステップS302)。この回収閾値は、閾値変更部66fにより変更された値を用いる。回収元の釣銭機10の在高が回収閾値よりも小さいならば(ステップS302;No)、補充回収判定部66cは、店員用携帯端末70に対して、不要な回収が行なわれた旨を示す警報データを送信する(ステップS303)。
また、移動時間判定部66dは、釣銭機10からの回収のための出金を示す入出金データを受信した場合に、移動時間の計測を開始する。そして、計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された回収時間閾値となるまでに、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信したか否かを判定する(ステップS304)。
計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された回収時間閾値となるまでに、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信しなければ(ステップS304;No)、移動時間判定部66dは、店員用携帯端末70に対して回収時間閾値を超過したことを示す警報データを送信し(ステップS305)、回収判定処理を終了する。
計測した移動時間が移動時間閾値データ65dに示された回収時間閾値となるまでに、回収した貨幣の入金を示す入出金データを入出金機50から受信したならば(ステップ304;Yes)、一致判定部66eは、釣銭機10からの回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致するか否かを判定する(ステップS306)。この時、複数の釣銭機10から回収のための貨幣の出金を示す入出金データを受信していたならば、一致判定部66eは、複数の釣銭機10から出金処理された貨幣の数を金種別に集計し、集計結果が入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数と一致するかを判定する。
釣銭機10から回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致したならば(ステップS306;Yes)、一致判定部66eは回収判定処理を終了する。
また、釣銭機10から回収のために出金処理された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入金処理された貨幣の金種及び数とが一致しなければ(ステップS306;No)、一致判定部66eは、店員用携帯端末70に対して回収貨幣が不一致であることを示す警報データを送信して(ステップS307)、回収判定処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、管理サーバ60が、釣銭機10に入出金された貨幣の金種及び数と、入出金機50に入出金された貨幣の金種及び数とを取得し、釣銭機10と入出金機50との間で行なわれる貨幣の移動が適正であるか否かを判定するので、不正及び貨幣装填誤りを効率良く防止することができる。
具体的には、釣銭機10と入出金機50との間で貨幣の移動が行なわれた場合に、貨幣の移動が所定の時間閾値内に行なわれたか、移動前後の貨幣の金種及び数が一致するか、並びに貨幣の移動が必要であったかを判定している。そして、貨幣の移動が所定の時間閾値内に行なわれなかった場合、移動前後の貨幣の金種及び数が一致しない場合、並びに貨幣の移動が不要であった場合には、店員用携帯端末70に対して警報データを送信するので、店員用携帯端末70を携行する店員は、不適正な貨幣の移動が発生したことを速やかに認識できる。
これらの警報データには、対象となる入出金処理の発生時刻、入出金された金額情報、関連する装置の装置ID、入出金処理を行なった店員の店員ID等が含まれており、原因解明の手助けとなる。
なお、店員用携帯端末70は、専用の端末であってもよいし、携帯電話端末等の汎用の情報処理端末であってもよい。汎用の携帯端末を店員用携帯端末70として用いる場合には、警報をメール等により送信しても良い。また、入出金管理のためのプログラムを情報処理端末にインストールして用いることとしてもよい。
さらに、本実施例では、不適正な貨幣の移動が発生した場合に店員用携帯端末70に警報を送信する場合について説明したが、店員用携帯端末70が管理サーバ60にアクセスして動作履歴データ65aや装置別在高データ65bを取得し、店員用携帯端末70の表示部に表示するよう構成してもよい。
また、本実施例では、釣銭機10と入出金機50との間で貨幣の移動が行なわれた場合に、該貨幣の移動が適正であるか否かを判定する構成について説明したが、貨幣の補充について予約を行なって貨幣の移動を管理する補充予約処理を行なうように構成してもよい。
補充予約処理を行なう場合には、釣銭機10においてエンプティ若しくはニアエンプティが発生して補充が必要となり、所定の操作が行われた場合、必要な補充金情報、当該釣銭機10の装置ID、担当する店員の店員ID等を含む補充予約コマンドが入出金機50へ送信される。ここで、補充金情報は、在高に基づいて算出された貨幣量や、予め設定された貨幣量でもよい。また、エンプティやニアエンプティを生じた金種だけでなく、在庫量が標準量よりも少ない他の金種についても補充の対象としてもよい。
補充予約コマンドを受けた入出金機50は、その内容を記憶する。そして、担当の店員若しくは要請を受けた店員が入出金機50を操作すると、補充予約を受けた出金情報が表示され、出金情報を選択すると予約された補充金が出金される。この時、店員IDの照合を行ない、当事者か上位の権限を有する管理者しか出金できないように制限を設けることが望ましい。
出金を行なった店員は、出金された補充金を該当するレジに運び、釣銭機10に入金する。このように、補充予約処理を行なうよう構成することで、出金伝票を作成する手間を省ける上、金種や補充量の指定間違いを防止できる。
また、本実施例では、釣銭機10から貨幣を回収する際に、フル閾値、ニアフル閾値、ニアエンプティ閾値及びエンプティ閾値を用いて判定を行なう場合について説明したが、釣銭機10に残置すべき貨幣量として予め設定される残置閾値を超える貨幣分を回収するように構成してもよい。
また、閉店時に釣銭機10及び入出金機50に貨幣を所定数残すように構成し、翌日用の釣銭準備金としてもよい。この場合には、エンプティ閾値を翌日の釣銭準備金の数に設定すればよい。また、所定の時刻まではエンプティ閾値を0に設定し、所定の時刻以降はエンプティ閾値を翌日の釣銭準備金の数に変更することもできる。
また、本実施例では、管理サーバ60が入出金データを受信した時刻を入出金が行なわれた時刻として用いる場合について説明したが、入出金が行なわれた時刻を釣銭機10及び入出金機50が特定し、入出金データに含めて管理サーバ60に送信するように構成してもよい。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、管理サーバ60と入出金機50とを一体に構成してもよい。また、入出金機50に替えて、釣銭機10から回収した貨幣の入金処理を行なう回収金入金装置と、釣銭機10へ補充する貨幣の出金処理を行なう補充金出金装置とを設けてもよい。