以下、本発明のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。また、実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その説明を省略することもある。
図1は、本発明の実施形態に係る現金処理システム1を示すブロック図である。
<現金処理システム1>
以下、本発明の実施形態に係る現金処理システム1について説明する。現金処理システム1は、複数の電子マネーチャージ機(以下、チャージ機と称す。)11、12、…、複数のレジスタ装置21、22、…、後方機30、複数の携帯端末71、72、…、管理装置40、サービス管理端末51、52、および、管理端末60を備えている。
店舗Aおよび店舗Bは、大型ショッピングセンター等のショッピング施設である。店舗Aには、後方機30、複数のチャージ機11、12、…、および、複数のレジスタ装置21、22、…が配設されている。また、図示されていないが、店舗Bにも、後方機、複数のチャージ機、および、複数のレジスタ装置が配設されている。
チャージ機11、12、…は、投入された現金の入金処理を行うとともに、電子マネー対応のカード、および、スマートフォン等の媒体(以下、電子マネー媒体と称す。)に関連付けられた電子マネーに、投入された現金の額に相当する分の電子マネーを加算する処理(すなわち、チャージ)を実行する。また、チャージ機11、12、…は、必要に応じて、内部に収納されている現金を釣銭として出金する。また、チャージ機11、12、…は、作業員の操作に応じて現金の入金、出金、および、計数を行う。このように、チャージ機11、12、…は、利用者のチャージ操作時の現金の入金、チャージ、出金処理、作業員の操作による入出金および計数処理等を行う現金処理装置である。
レジスタ装置21、22、…は、現金または電子マネーによる決済を受け付ける装置であり、決済時に使用される現金の入金処理、および、内部に収納されている現金の釣銭としての出金処理を実行する。また、レジスタ装置21、22、…は、作業員の操作に応じて現金の入金、出金、および、計数を行う。レジスタ装置21、22、…は、決済時の現金の出金処理、作業員の操作による入出金および計数処理等を行う現金処理装置である。
以下の説明において、チャージ機およびレジスタ装置をまとめて「フロント機器」と称す。
後方機30には、店舗Aに配設されているチャージ機11、12、…、および、レジスタ装置21、22、…から回収された現金が集められ、内部に収納される。また、後方機30内には、店舗A内のチャージ機11、12、…、および、レジスタ装置21、22、…における釣銭用に準備されている一定量の現金が収納されている。後方機30は、作業員の操作に応じて現金の入金、出金、および、計数を行う現金処理装置として機能する。図示されていないが、店舗Bに配設されている後方機も店舗Aに配設されている後方機30と同様の機能を有する。
なお、チャージ機11、12、…、レジスタ装置21、22、…、および、後方機30は、ネットワークWを介して、管理装置40、サービス管理端末51、52、および、管理端末60と通信可能である。店舗Bに配設された、チャージ機、レジスタ装置、および後方機も同様に、管理装置40、サービス管理端末51、52、および、管理端末60と通信可能である。
携帯端末71、72、…は、店舗Aの複数の作業員に一台ずつ所持されている通信端末機器であり、店舗A内に携帯端末71、72、…が位置する。携帯端末71、72、…は、例えば、スマートフォンである。携帯端末71、72、…は、管理装置40と無線通信可能である。
また、図示されていないが、店舗Bの複数の作業員も一台ずつ携帯端末を所持しており、店舗B内に複数の携帯端末が位置する。これらの携帯端末も管理装置40と無線通信可能である。
管理装置40は、チャージ機11、12、…、レジスタ装置21、22、…、および、後方機30、における処理全般を行う。管理装置40は、コンピュータであってもよいし、情報の記憶、情報の処理、および、情報の通信を行うことができるクラウドサーバであってもよい。
サービス管理端末51、52はそれぞれ、電子マネー事業者Aおよび電子マネー事業者Bのパーソナルコンピュータである。サービス管理端末51、52は、チャージ機11、12、…から送られてくるチャージ額に関する情報に基づいて、電子マネー事業者A、Bが運営する電子マネーのチャージ額および電子マネーの残高等を管理する。また、サービス管理端末51、52それぞれは、レジスタ装置21、22、…から送られてくる決済に関する情報に基づいて、電子マネー事業者A、Bが運営する電子マネーによる決済額、および、電子マネーの残高等を管理する。
管理端末60は、チャージ機11、12、…および、レジスタ装置21、22…等の電子マネーに関する処理を行う装置の管理を行う。具体的には、管理端末60は、チャージ機11、12、…からのチャージ額に関する情報、および、レジスタ装置21、22、…からの決済額に関する情報に基づいて、チャージ額や決済額等の取引による入出金に関する金額等を装置別に管理する。
なお、本発明の現金処理システムは、少なくとも、管理装置40、複数の現金処理装置、および、複数の携帯端末を備えていればよい。したがって、本発明の現金処理システムは、サービス管理端末51、52、および、管理端末60を備えていなくてもよい。また、本発明の現金処理システムが備える複数の現金処理装置は、同一店舗に配設されていてもよいし、2以上の店舗に配設されていてもよい。また、本発明の現金処理システムが備える複数の携帯端末は、同一店舗に位置するものであってもよいし、2以上の店舗に位置するものであってもよい。
以下の説明では、現金処理システム1は、管理装置40、店舗Aに配設されている後方機30、チャージ機11、12、…、レジスタ装置21、22、…、および、店舗A内に位置する複数の携帯端末71、72、…を備えているものとする。
図2は、店舗Aにおける、本発明の実施形態に係る現金処理システム1を構成する各機器の位置を例示する図である。なお、図2には、店舗Aの営業終了時刻における各機器の位置が示されている。
店舗Aの1Fフロアには、チャージ機11、レジスタ装置21、後方機30、および、携帯端末71、73が位置している。店舗Aの2Fフロアには、チャージ機12、レジスタ装置22、および、携帯端末72、74が位置している。図2において、かっこ内の表記は、各機器の配設位置または携帯端末の位置を示しており、階数、後方機30の位置を基準としたときの各機器のX方向およびY方向の座標を示している。
例えば、チャージ機11の表記(1F,0,Y2)は、1階フロア、X方向において後方機30と同じ座標、Y方向において後方機30よりも正の方向にY2離れた座標を示している。
図2には、1階フロアには、ビーコン機器81、82、店舗Aの2階フロアには、ビーコン機器91、92が配置されていることが示されている。
ビーコン機器81、82、91、92は、近距離無線通信の電波を発する。ビーコン機器81、82、91、92それぞれが発する電波には、自身が配置されている位置を示す情報(以下、ビーコン位置情報と称す。)が含まれている。本実施形態では、携帯端末71、72、73、74が自身の位置を検知するために店舗Aの各フロアの天井などの各場所に配置されている。図2には、4つのビーコン機器81、82、91、92しか示されていないが、実際には、店舗Aには多数のビーコン機器が配置されている。
図2には、2つのチャージ機11、12、2つのレジスタ装置21、22、4つの携帯端末71、72、73、73が位置していることが示されているが、店舗Aにはチャージ機およびレジスタ装置は多数配設されており、店舗A内には携帯端末が多数位置している。
図2には、現金処理システム1を構成する機器同士の情報のやり取りが示されている。図2における、情報I101、I102、I201、I202、I111、I112、I211、I212、I13~I17、I23、I241、I242、I251、I252、I26、I27、I29、I30およびメールI12、I18、I22、I28、I31については、後に詳細に説明する。
<チャージ機11>
以下、図3、および図4を用いて、チャージ機11の外観および構成について説明する。なお、チャージ機12等、他のチャージ機の外観および構成は、チャージ機11と同一なので、それらの説明は省略する。
図3は、チャージ機11の外観を示す図である。図4は、チャージ機11の構成を示すブロック図である。チャージ機11は、表示操作部101、音声出力部102、レシートプリンタ104、リーダライタ105、通信部106、記憶部107、制御部110、および、処理ユニット120を備えている。
表示操作部101は、タッチパネルディスプレイであり、操作用の画面の表示および各種入力操作を受け付ける入出力部として機能する。
音声出力部102は、操作のガイダンスや注意メッセージなどを音声出力するスピーカである。
レシートプリンタ104は、電子マネー媒体による電子マネーのチャージ額および電子マネーの残高等が印字されたレシートを発行する印刷機である。
リーダライタ105は、電子マネー媒体がリーダライタ105の近くに位置したことを検知すると、該電子マネー媒体に記憶されている情報の読み取り、および、電子マネーのチャージに関する情報の電子マネー媒体への書き込みを行う。よって、利用者は、電子マネー媒体をリーダライタ105にかざし、所定の操作を行うことで、電子マネーのチャージを行うことができる。
通信部106は、チャージ機11と管理装置40との通信を担う。
記憶部107は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク装置等の二次記憶媒体等からなる記憶デバイスであり、記憶部107には、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が含まれている。記憶部107には、在高データ108、および、処理履歴テーブル109が記憶されている。在高データ108は、チャージ機11内部に収納されている現在の現金量を示すデータである。処理履歴テーブル109は、チャージ機11において行われた処理に関する履歴を示すデータを管理する。
図5は、在高データ108を示す図である。在高データ108は、金種毎にチャージ機11内部に収納されている紙幣の枚数を示す。図5の在高データ108は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ60枚、20枚、および30枚であることを示している。
図6は、処理履歴テーブル109を示す図である。処理履歴テーブル109には、1回の処理毎に、処理が実行された日時、および、処理内容を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。処理内容の項目には、チャージ機11が実行した処理(回収または補充)、チャージ機11から回収された、または、チャージ機11に補充された金種毎の紙幣の枚数を示すデータが記憶されている。
例えば、図6の処理履歴テーブル109には、2019年10月1日の時刻21:00に、チャージ機11から、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ20枚、10枚、および30枚、回収されたことを示すデータが記憶されている。
なお、本明細書でいう、処理には、回収処理、補充処理、および、締め処理が含まれている。回収処理は、フロント機器から現金を回収する処理である。回収処理には、フロント機器内部に収納されている現金すべてを回収する全回収と、フロント機器内部に収納されている現金のうち、準備金よりも多い分(つまり、余剰金)のみを回収する残置回収とがある。準備金とは、釣銭として出金するためにフロント機器内部に収納しておく必要がある現金のことである。補充処理は、対象のフロント機器に現金を入金する処理である。締め処理は、一日等、一定期間中に対象の現金処理装置において行われた入出金量の集計を行う処理である。
図6に示されている処理履歴テーブル109には、実行した処理として、回収処理、および、補充処理が記憶されているが、締め処理も記憶されていてもよい。すなわち、処理履歴テーブル109には、締め処理が実行された日時、実行された処理(ここでは、締め処理)、および、締め処理により確定したチャージ機11内部に収納されている金種毎の紙幣の枚数を示すデータが互いに関連づけられて記憶されていてもよい。
また、記憶部107には、管理装置40から送られてきた情報が記憶される。
制御部110は、チャージ機11の動作全般を制御する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を備えている。CPUが、チャージ機11の現金処理に関するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、展開したプログラムをCPUが実行することで、CPUは、通信制御部111、認証部112、および、処理制御部113として機能する。
通信制御部111は、通信部106を介して管理装置40との情報のやりとりを行う。一例をあげると、通信制御部111は、チャージ機11内部に収納している現金に関する情報(以下、現金情報と称す。)を管理装置40に送信する。本実施形態において現金情報は、在高データ108である。
認証部112は、チャージ機11に対して行われた認証操作を検知した場合、該認証操作が適切な認証操作であるか否かを判定する。
処理制御部113は、検知された認証操作が適切な認証操作であると判定された場合、処理ユニット120を制御することで指定された処理を実行する。
なお、制御部110は、チャージ機11の在高が変化した場合、その変化に応じて、在高データ108を更新する。また、制御部110は、チャージ機11で回収処理、または、補充処理が行われた場合、処理履歴テーブル109を更新する。
処理ユニット120は、紙幣受入部121、紙幣払出部122、出金リジェクト部123、紙幣収納部131、132、133、カセット134、カセット装着部135、および、処理部140を備えている。
紙幣受入部121は、紙幣の投入口であり、チャージ機11における利用者が正対する面(以下、前面と称す。)に配置されている(図3参照)。利用者は、電子マネーのチャージを行う際に、紙幣受入部121から紙幣を投入する。
紙幣払出部122は、チャージ機11内部から利用者に返却される紙幣の出口であり、チャージ機11の前面に配置されている。返却される紙幣には、チャージ操作の取消による投入済の紙幣、金種不明の紙幣、および、お釣りの紙幣等が含まれる。
以下で説明する出金リジェクト部123、紙幣収納部131、132、133、カセット134、カセット装着部135、および、処理部140は、チャージ機11の内部に配置されている。
出金リジェクト部123には、金種が識別できない等、出金に適さない紙幣が収納される。例えば、処理部140は、紙幣を出金する際に、紙幣収納部131、132、133のいずれから繰り出した紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により処理部140によって識別することができなかった紙幣を出金リジェクト部123に搬送する。
紙幣収納部131、132、133は、紙幣の収納容器であり、それぞれ千円札、5千円札、および1万円札の紙幣が収納される。また、紙幣収納部131、132、133は、内部に収納されている紙幣を1枚ずつ処理部140に繰り出すことが可能である。
カセット134は、紙幣収納部131、132、133に収納されている現金や、出金リジェクト部123に収納されている紙幣等の回収、および、釣銭として使用される現金の補充に用いられる。カセット134は、内部に紙幣が収納可能であるとともに、内部に収納されている紙幣を1枚ずつ処理部140に繰り出すことも可能である。
カセット装着部135は、カセット134が着脱可能な取付部である。作業員は、チャージ機11の前面の扉を開くことで、カセット134の着脱操作ができる。
処理部140は、搬送部141および識別部142を備えている。搬送部141は、周回搬送路および接続搬送路を備えている。接続搬送路は、周回搬送路と、紙幣受入部121、紙幣払出部122、出金リジェクト部123、紙幣収納部131、132、133、およびカセット134とを接続する搬送路である。
処理制御部113は、一方向または他方向周りに周回搬送路を回転駆動させることで、紙幣を1枚ずつ搬送する。例えば、処理制御部113は、紙幣を紙幣収納部131に収納する場合には、周回搬送路を一方向周りに回転駆動し、紙幣を紙幣収納部131から繰り出す場合には、周回搬送路を他方向回りに回転駆動させる。また、処理制御部113は、周回搬送路と各接続搬送路との間で紙幣の搬送経路を切り換えることで、紙幣の搬送先を制御する。
識別部142は、搬送部141によって搬送されている紙幣の金種、真偽、正損、表裏、および、搬送状態等を識別する。
<レジスタ装置21>
以下、図7、および図8を用いて、レジスタ装置21の外観および構成について説明する。なお、レジスタ装置22等、他のレジスタ装置の外観および構成は、レジスタ装置21と同一なので、それらの説明は省略する。
図7は、レジスタ装置21の外観を示す図である。図8は、レジスタ装置21の構成を示すブロック図である。
レジスタ装置21は、商品の決済時に客から渡された現金を収納し、必要に応じて釣銭を払い出す装置である。レジスタ装置21は、POS(Point Of Sales)レジスタ200、硬貨釣銭機220、棒金収納機260、および、紙幣釣銭機280を備えている。図7に示されているように、POSレジスタ200、硬貨釣銭機220、棒金収納機260、および、紙幣釣銭機280はそれぞれ別装置である。
POSレジスタ200は、商品代金の決済を行うための装置であり、顧客の購入した商品の識別コードおよび個数の入力を受け付けて顧客への請求金額を算出する。また、POSレジスタ200は、現金が硬貨釣銭機220、および、紙幣釣銭機280に投入されると、硬貨釣銭機220および紙幣釣銭機280から通知される受付金額と該請求金額に基づいて釣銭を払い出すように硬貨釣銭機220および紙幣釣銭機280に指示を行う。
POSレジスタ200は、表示部201、操作部202、レシートプリンタ203、バーコードリーダ204、カードリーダ205、記憶部207、通信部206、および、制御部210を備えている。
表示部201は、硬貨釣銭機220における硬貨の処理状況、紙幣釣銭機280における紙幣の処理状況、現金の預かり額、および、決済対象の商品の一覧等を表示する。
操作部202は、複数のボタンを備えている。レジスタ装置の使用者(以下、レジ使用者と称す。)は、操作部202を押下することで、POSレジスタ200に対する入力操作を行うことができる。
レシートプリンタ203は、商品代金の決済内容が印字されたレシートを発行する印刷機である。バーコードリーダ204は、商品の包装容器等に付されているバーコードを読み取る。カードリーダ205は、POSレジスタ200を操作するレジ使用者のカード等の情報を読み取るものである。通信部206は、POSレジスタ200と硬貨釣銭機220との通信を担う。
POSレジスタ200は、電子マネー媒体の情報の読み取り、および、電子マネー媒体への情報の書き込みを行うリーダライタ(不図示)を備えている。顧客は、リーダライタに電子マネー媒体をかざすことで、電子マネーのチャージおよび電子マネーによる決済を行うことができる。
記憶部207は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、記憶部207には、ROMおよびRAMが含まれている。記憶部207には、在高データ208および処理履歴テーブル209が記憶されている。
図9は、在高データ208を示す図である。在高データ208は、レジスタ装置21内部に収納されている現在の現金量を示すデータであり、紙幣および硬貨の枚数、および、棒金の本数を金種毎に示している。
在高データ208は、紙幣在高データ284、硬貨在高データ224、および、棒金在高データ264を含む。紙幣在高データ284は、紙幣釣銭機280の内部に収納されている現在の紙幣の枚数を金種毎に示すデータである。なお、紙幣在高データ284は、上述した、チャージ機11における在高データ108と同様に構成されている。硬貨在高データ224は、硬貨釣銭機220内部に収納されている現在の硬貨の枚数を金種毎に示すデータである。棒金在高データ264は、棒金収納機260に収納されている現在の棒金の本数を金種毎に示すデータである。
図9の紙幣在高データ284は、レジスタ装置21内部(具体的には、紙幣釣銭機280内部)に、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ40枚、30枚、および30枚、収納されていることを示している。
また、図9の硬貨在高データ224は、レジスタ装置21内部(具体的には、硬貨釣銭機220内部)に、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、および、500円玉が、バラ状態で、それぞれ40枚、50枚、110枚、20枚、20枚、および、10枚、収納されていることを示している。
また、図9の棒金在高データ264は、レジスタ装置21内部(具体的には、棒金収納機260内部)に、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、および、500円玉の棒金が、それぞれ1本、1本、1本、1本、0本、および、0本、収納されていることを示している。
処理履歴テーブル209は、レジスタ装置21において行われた処理に関する履歴データを管理する。処理履歴テーブル209は、紙幣に関する処理履歴を管理する紙幣処理履歴テーブル209aおよび硬貨に関する処理履歴を管理する硬貨処理履歴テーブル209bを含む。
図10は、紙幣処理履歴テーブル209aを示す図である。紙幣処理履歴テーブル209aは、チャージ機11が管理する処理履歴テーブル109と同様に構成されているので、紙幣処理履歴テーブル209aの詳細な説明は省略する。
硬貨処理履歴テーブル209bには、1回の処理毎に、処理が実行された日時、レジスタ装置21が実行した処理内容を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。
なお、紙幣処理履歴テーブル209aには、締め処理が実行された日時、実行された処理(締め処理)、および、締め処理により確定したレジスタ装置21内部に収納されている金種毎の紙幣の枚数を示すデータが互いに関連づけられて記憶されていてもよい。同様に、硬貨処理履歴テーブル209bには、締め処理が実行された日時、実行された処理(締め処理)、および、締め処理により確定したレジスタ装置21内部に収納されている金種毎の硬貨、および、棒金の数を示すデータが互いに関連づけられて記憶されていてもよい。
また、記憶部207には、管理装置40から送られてきた情報が記憶される。
制御部210は、レジスタ装置21の動作全般を制御する。制御部210は、CPUを備えている。CPUが、レジスタ装置21の現金処理に関するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、展開したプログラムをCPUが実行することで、CPUは、通信制御部211、認証部212、および、処理制御部213として機能する。
通信制御部211は、通信部206を介して管理装置40、および、硬貨釣銭機220との情報のやり取りを行う。また、通信制御部211は、通信部206および紙幣釣銭機280を介して、紙幣釣銭機280との情報のやりとりを行う。一例をあげるとすると、通信制御部211は、在高データ208を管理装置40に送信する。
認証部212は、レジスタ装置21に対して行われた認証操作を検知した場合、該認証操作が適切な操作であるか否かを判定する。
処理制御部213は、検知された認証操作が適切な認証操作であると判定された場合、硬貨釣銭機220および紙幣釣銭機280を制御することで指定された処理を実行する。
また、制御部210は、硬貨釣銭機220、棒金収納機260、および紙幣釣銭機280の少なくともいずれかの在高が変化した場合、各機器から在高データの更新情報を取得する。そして、制御部210は、取得した更新情報に基づいて、紙幣在高データ284、硬貨在高データ224、および、棒金在高データ264を更新する。
さらに、制御部210は、レジスタ装置22で回収処理または補充処理が行われた場合、処理履歴テーブル209を更新する。
硬貨釣銭機220は、POSレジスタ200による制御の下、硬貨の入出金処理を行う装置である。硬貨釣銭機220は、表示操作部221、通信部222、記憶部223、制御部230、および、処理ユニット240を備える。
表示操作部221は、タッチパネルディスプレイであり、硬貨釣銭機220の上面に設けられている(図7参照)。表示操作部221は、硬貨釣銭機220、および、棒金収納機260における硬貨、ならびに、紙幣釣銭機280における紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機220、棒金収納機260、および、紙幣釣銭機280の在高等の情報を表示する表示部として機能する。また、表示操作部221は、硬貨釣銭機220、棒金収納機260、および、紙幣釣銭機280に対する指示の入力するための操作部として機能する。なお、後述するレジスタ装置に対する認証操作および処理操作は、この表示操作部221を通じて行われる。
通信部222は、硬貨釣銭機220と、POSレジスタ200、棒金収納機260、および紙幣釣銭機280それぞれとの通信を担う。
記憶部223は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、記憶部223には、ROMおよびRAMが含まれている。記憶部223には、硬貨在高データ224が記憶されている。
制御部230は、硬貨釣銭機220の制御全般を行う。例えば、制御部230は、処理ユニット240を制御することで、硬貨の入出金処理等の硬貨に関する処理を行う。また、制御部230は、硬貨釣銭機220内に収納されている硬貨の在高が変化した場合には、硬貨在高データ224を更新し、更新情報をPOSレジスタ200に送信する。さらに、制御部230は、表示操作部221を通じた認証操作および処理操作により入力された情報をPOSレジスタ200に送信する。
処理ユニット240は、硬貨受入部241、硬貨払出部242、硬貨収納部243、および、処理部250を備えている。
硬貨受入部241は、硬貨の投入口であり、レジ使用者が正対する側の上部に配置されている(図7参照)。硬貨払出部242は、硬貨釣銭機220から返却される硬貨の出口である。返却される硬貨には、釣銭として出金する硬貨、偽貨、または、損貨と識別される等が原因で返却対象となった硬貨等が含まれる。硬貨収納部243には、硬貨が真貨であり且つ正貨と識別された硬貨が金種別に収納される。
処理部250は、搬送部251および識別部252を備えている。搬送部251は、搬送路を備えている。制御部230は、搬送路を駆動することで、硬貨を硬貨収納部243、および、硬貨払出部242等に搬送する。識別部252は、搬送部251によって搬送されている硬貨の真偽および正損を識別する。
棒金収納機260は、硬貨釣銭機220の下側に配置されている。棒金収納機260は、棒金収納部261、通信部262、記憶部263、および、制御部270を備えている。
棒金収納機260は、引出状の収納部であり、棒金が1本ずつ収納されるポケット部を備えている。
通信部262は、棒金収納機260と硬貨釣銭機220との通信を担う。記憶部263は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。記憶部263には、棒金在高データ264が記憶されている。
制御部270は、棒金収納機260の全体を制御する。制御部270は、棒金収納部261に収納されている棒金の在高が変化した場合には、変化に応じて棒金在高データ264を更新するとともに、通信部262および硬貨釣銭機220を介して棒金在高データ264の更新情報をPOSレジスタ200に送信する。
紙幣釣銭機280は、POSレジスタ200による制御の下、紙幣の入出金処理を行う装置である。紙幣釣銭機280は、通信部282、記憶部283、制御部290、および、処理ユニット295を備える。
通信部282は、紙幣釣銭機280と硬貨釣銭機220との通信を担う。なお、紙幣釣銭機280とPOSレジスタ200との通信は、硬貨釣銭機220を介して行われる。
記憶部283は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。記憶部283には、紙幣在高データ284が記憶されている。
制御部290は、紙幣釣銭機280の制御全般を行う。例えば、制御部290は、処理ユニット295を制御することで、紙幣の回収処理および補充処理を含む入出金処理等の紙幣に関する処理を行う。また、制御部290は、紙幣釣銭機280内に収納されている紙幣の在高が変化した場合には、紙幣在高データ284を更新し、更新情報をPOSレジスタ200に送信する。
処理ユニット295は、チャージ機11の処理ユニット120と同様の構成および機能を有している。このため、処理ユニット295の詳細な説明を省略する。
なお、図7における、296、297、および298は、それぞれ、紙幣受入部、紙幣払出部、および、カセットである。紙幣受入部296、紙幣払出部297、および、カセット298は、それぞれ、チャージ機11の紙幣受入部121、紙幣払出部122、および、カセット134にそれぞれ対応する。
<後方機30>
図11は、後方機30の構成を示すブロック図である。後方機30は、カードリーダ300、表示操作部301、通信部302、記憶部303、処理ユニット308、および、制御部310を備えている。
カードリーダ300は、後方機30を操作する作業員の社員証等のカードの情報を読み取るものである。
表示操作部301は、タッチパネルディスプレイであり、操作用の画面の表示および各種入力操作を受け付ける入出力部として機能する。
通信部302は、後方機30と管理装置40との通信を担う。
記憶部303は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク装置等の二次記憶媒体等からなる記憶デバイスであり、記憶部303には、ROMおよびRAMが含まれている。記憶部303には、在高データ304、処理履歴テーブル305および、作業員管理データ306が記憶されている。在高データ304は、後方機30の内部に収納されている現在の紙幣、硬貨、および、棒金の数を金種毎に示すデータであり、POSレジスタ200に記憶されている在高データ208と同様に構成されている。
処理履歴テーブル305は、後方機30において行われた処理の履歴を示すデータを管理する。処理履歴テーブル305には、1回の処理毎に、処理が実行された日時、および、処理内容を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。処理履歴テーブル305は、POSレジスタ200に記憶されている処理履歴テーブル209と同様に構成されている。
処理履歴テーブル209と同様、処理履歴テーブル305には、締め処理に関する履歴データが記憶されていてもよい。
作業員管理データ306は、店舗Aの作業員の氏名と、作業員同士を識別する識別コードである作業員IDとが互いに関連づけられているデータを含む。なお、作業員が携帯する社員証には、作業員IDが電子情報として記憶されている。
処理ユニット308は、制御部310による制御の下、紙幣および硬貨の入出金処理、および、締め処理を実行する。処理ユニット308は、チャージ機11の処理ユニット120と同様の構成および機能を有していので、処理ユニット308の詳細な説明を省略する。
制御部310は、後方機30の動作全般を制御する。制御部310は、CPUを備えている。CPUが、後方機30の現金処理に関するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、展開したプログラムをCPUが実行することで、CPUは、認証部311、処理制御部312、および、通信制御部313として機能する。
認証部311は、後方機30に対して行われた認証操作を検知した場合、該認証操作が適切な認証操作であるか否かを判定する。
処理制御部312は、検知された認証操作が適切な操作であると判定された場合、処理ユニット308を制御することで指定された処理を実行する。
通信制御部313は、通信部302を介して管理装置40に各種情報を送信する。
なお、制御部310は、後方機30の在高が変化した場合、その変化に応じて、在高データ304を更新する。また、制御部310は、後方機30で入金処理、または、出金処理が行われた場合、処理履歴テーブル305を更新する。
<携帯端末71>
携帯端末71は、スマートフォン等の持ち運び可能な通信端末機器である。携帯端末71は、1人の作業員に1つずつ所持されている。ここで、作業員は、例えば、店舗Aの運営に従事する従業員である。
図12は、携帯端末71の構成を示すブロック図である。なお、携帯端末72、73、74等、他の携帯端末の構成は、携帯端末71と同一なので、それらの説明は省略する。
携帯端末71は、表示操作部701、ビーコン受信部702、記憶部703、通信部704、および、制御部710を備えている。
表示操作部701は、タッチパネルディスプレイであり、操作用の画面、各種情報等の表示および各種入力操作を受け付ける入出力部として機能する。
ビーコン受信部702は、ビーコン機器81、82、91、92が発する電波を受信する。
記憶部703は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク装置等の二次記憶媒体等からなる記憶デバイスであり、記憶部223には、ROMおよびRAMが含まれている。記憶部703には、携帯端末71と他の携帯端末とを識別する識別コードである携帯端末ID、および、携帯端末71を所持する作業員IDが互いに関連付けられて記憶されている。また、記憶部703には、管理装置40から送られてきた各種情報、店舗Aのフロアマップデータ、および、携帯端末71の現在位置を示す情報が記憶されている。
通信部704は、携帯端末71と管理装置40との通信を担う。
制御部710は、携帯端末71の制御全般を行う。制御部710は、CPUを備えている。CPUが、現金処理に関するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、展開したプログラムをCPUが実行することで、CPUは、位置特定部711、通信制御部712、および、表示制御部713として機能する。
位置特定部711は、ビーコン受信部702が受信した電波に含まれるビーコン位置情報および店舗Aのフロアマップデータに基づいて、携帯端末71の現在位置を特定する。
通信制御部712は、携帯端末71を特定する携帯端末IDと、携帯端末71の現在位置を示す情報とを含む端末位置情報を管理装置40に送信する。また、通信制御部712は、管理装置40から各種情報を受信する。
表示制御部713は、各種情報を表示操作部701に表示する。
<管理装置40>
図13は、管理装置40の構成を示すブロック図である。管理装置40は、入力部401、出力部402、通信部403、記憶部410、および、制御部420を備えている。
入力部401は、キーボードやマウス等の入力装置である。出力部402は、ディスプレイ等の表示装置である。通信部403は、管理装置40と、チャージ機11、12、…、レジスタ装置21、22、…、後方機30、および、携帯端末71、72、73、74、…、それぞれとの通信を担う。
記憶部410は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク装置等の二次記憶媒体等からなる記憶デバイスであり、記憶部410には、ROMおよびRAMが含まれている。記憶部410には、基準量管理テーブル412、装置位置管理テーブル413、在高管理テーブル414、処理情報管理テーブル415、端末管理テーブル416、回収処理管理テーブル417、および補充処理管理テーブル418が記憶されている。基準量管理テーブル412、および、装置位置管理テーブル413に記憶されている各データは、既知のデータであり、処理情報管理テーブル415、端末管理テーブル416、回収処理管理テーブル417、および補充処理管理テーブル418に記憶されているデータは、順次更新されるデータである。
図14は、基準量管理テーブル412を示す図である。基準量管理テーブル412には、フロント機器毎に、フロント機器IDおよび金種毎の準備金の基準量を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。
フロント機器IDは、フロント機器同士を識別する識別コードである。本実施形態において、チャージ機11、チャージ機12、レジスタ装置21、および、レジスタ装置22のフロント機器IDはそれぞれ、「C1」、「C2」、「P1」、および「P2」である。
準備金の基準量を示すデータは、フロント機器内に釣銭用として収納しておくべき現金(ここでは、紙幣)の基準量を金種毎に指定するデータである。
例えば、図14の基準量管理テーブル412には、チャージ機11(フロント機器IDが、「C1」)の準備金の基準量が、千円札および5千円札がそれぞれ、60枚および20枚であることを示すデータが記憶されている。なお、図14には示されていないが、レジスタ装置21、22のフロント機器IDに関連づけられた準備金の基準量を示すデータには、硬貨および棒金の金種毎の基準量を指定するデータが含まれている。
図15は、装置位置管理テーブル413を示す図である。装置位置管理テーブル413には、フロント機器毎に、フロント機器ID、および、フロント機器の店舗Aにおける配設位置を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。フロント機器の配設位置を示すデータは、店舗Aにおける階と、X方向およびY方向における座標とから構成されており、図2に示されている各フロント機器の配設位置を示す。
図16は、在高管理テーブル414を示す図である。在高管理テーブル414には、フロント機器毎に、フロント機器ID、フロント機器における金種毎の在高、および、金種毎の準備金の基準量に対する過不足度合を示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。フロント機器における金種毎の在高を示すデータは、各フロント機器から取得した在高データ108、208に対応する。
過不足度合を示すデータは、各フロント機器の在高から準備金の基準量を金種毎に差し引いた値を示している。該過不足度合の符号が正であれば、該過不足度合は、対応するフロント機器に余剰金が収納されていることを示しており、過不足度合の符号が負であれば、該過不足度合は、対応するフロント機器に十分な準備金が収納されていないことを示している。
例えば、図16の在高管理テーブル414は、レジスタ装置21(フロント機器IDが、「P1」)の在高が、千円札、5千円札、および、1万円札が、それぞれ40枚、30枚、および、30枚であり、レジスタ装置21には、余剰金が、千円札および5千円札がそれぞれ10枚および15枚分収納されていることを示している。
なお、図16には示されていないが、レジスタ装置21、22のフロント機器IDに関連づけられた在高を示すデータには、硬貨および棒金の金種毎の在高を示すデータが含まれている。また、レジスタ装置21、22のフロント機器IDに関連づいた過不足度合を示すデータには、硬貨および棒金の金種毎の過不足度合を示すデータが含まれている。
図17は、処理情報管理テーブル415を示す図である。処理情報管理テーブル415は、処理対象のフロント機器、および、処理内容を指定する処理情報に含まれるデータを管理するテーブルである。
処理情報管理テーブル415には、処理対象のフロント機器毎に、フロント機器ID、フロント機器が分類された処理区分、および、フロント機器に対する処理内容を示すデータが互いに関連づけられて記憶されている。処理区分については、後に詳細に説明する。処理内容を示すデータには、処理名、補充元、補充先、回収先、金種毎の回収金、および、金種毎の補充金を示すデータが含まれる。なお、図17の回収先を示すデータの中の「B1」は、後方機30に対応付けられた識別コードである。処理情報管理テーブル415については、後に詳細に説明する。
図18は、端末管理テーブル416を示す図である。端末管理テーブル416には、携帯端末ID毎に、携帯端末ID、作業員ID、携帯端末の現在位置、および、対象機器IDを示すデータが互いに関連付けられて記憶されている。本実施形態において、携帯端末71、72、73、74の携帯端末IDはそれぞれ、「M1」、「M2」、「M3」、および「M4」である。携帯端末の現在位置を示すデータは、制御部420が各携帯端末から取得した端末位置情報に含まれる携帯端末の現在位置を示す情報に対応する。携帯端末の現在位置は、管理装置40が各携帯端末から端末位置情報を取得し、携帯端末IDと関連づけて記憶部410に記憶させることで更新される。
例えば、図18の端末管理テーブル416には、携帯端末71(携帯端末IDが「M1」)が、作業員IDが「H1」である作業員によって所持されており、店舗Aの1階フロアの座標(X1,Y2)で示される位置に位置していることを示すデータが記憶されている。
対象機器IDを示すデータは、各作業員に割り当てられた処理対象のフロント機器のフロント機器IDである。例えば、図18の端末管理テーブル416には、作業員IDが「H1」である作業員には、フロント機器IDが「C1」であるフロント機器(つまり、チャージ機11)が割り当てられていることを示すデータが記憶されている。
図19は、回収処理管理テーブル417を示す図である。回収処理管理テーブル417には、回収処理毎に、現金の回収元であるフロント機器のフロント機器ID、金種毎の回収金、金種毎の入金量、および、回収金と入金量との整合判定結果を示すデータが互いに関連づけられて記憶されている。回収処理管理テーブル417については、後に詳細に説明する。
図20は、補充処理管理テーブル418を示す図である。補充処理管理テーブル418には、補充処理毎に、現金の補充元であるフロント機器のフロント機器ID、補充元からの金種毎の回収金、現金の補充先であるフロント機器のフロント機器ID、補充先への金種毎の補充金、および、回収金と補充金との整合判定結果を示すデータが互いに関連づけられて記憶されている。補充処理管理テーブル418については、後に詳細に説明する。
制御部420は、管理装置40の動作全般を制御する。制御部420は、CPUを備えている。CPUが、管理装置40の現金処理に関するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、展開したプログラムをCPUが実行することで、CPUは、情報取得部421、処理指定部422、情報生成部423、特定部424、通信制御部425、および、整合判定部426として機能する。
情報取得部421は、各フロント機器、後方機30、各携帯端末から各種情報を取得する。
処理指定部422は、在高管理テーブル414に基づいて、各フロント機器に対して実行すべき処理内容を指定する。
情報生成部423は、情報取得部421が取得する情報に基づいて、処理情報を生成する。さらに、情報生成部423は、該処理情報と、認証パスワードとを含む識別情報を生成する。
特定部424は、端末管理テーブル416に基づいて、複数の携帯端末の中から識別情報の送信先である携帯端末を特定する。
通信制御部425は、識別情報を通信部403を介して、各フロント機器および携帯端末に送信する。また、通信制御部425は、各種情報を各フロント機器および携帯端末に送信する。
整合判定部426は、回収処理において、回収元のフロント機器から回収された現金と、後方機30に入金された現金とが整合するか否かを判定する。また、整合判定部426は、補充処理において、回収元のフロント機器から回収された現金と、補充先のフロント機器に補充された現金とが整合するか否かを判定する。
<現金処理システム1の動作>
次に、図2および図21~26を用いて、現金処理システム1の動作について説明する。以下に示す現金を処理する動作は、紙幣を処理する動作であるとして説明する。
図21は、現金処理システム1が行う処理を示すフローチャートである。
管理装置40において、情報取得部421は、チャージ機11、12、…、および、レジスタ装置21、22、…から現金情報I101、I201、I102、I202、…を取得する(ステップS11)。現金情報I101、I201、I102、I202、…は、チャージ機11、12、…、および、レジスタ装置21、22、…の在高データである。制御部420は、取得した現金情報I101、I201、I102、I202、…を在高管理テーブル414(図16参照)に記憶させる。ここで、現金情報I101、I201、I102、I202、…は、在高データの送信元であるフロント機器のフロント機器IDと関連付けられて在高管理テーブル414に記憶される。
なお、管理装置40がステップS11の処理を開始するトリガとしては、例えば、管理装置40が備えるタイマー(不図示)が示す時刻が店舗Aの営業終了時刻に達したこと、および、管理装置40が店舗Aの所定のパーソナルコンピュータからの処理開始の指示を検知したこと等が挙げられる。
続いて、管理装置40において、情報生成部423は、現金情報I101、I201、I102、I202、…に基づいて、処理対象のフロント機器、および、該フロント機器に対して実行すべき処理内容を指定する処理情報を生成する(ステップS12)。ステップS12については、後に詳細に説明する。
次に、処理情報によって指定された処理毎に、該指定された処理に関係するフロント機器、後方機30、および、管理装置40は、指定された処理に関する動作をそれぞれ実行する(ステップS13)。ステップS13については、後に詳細に説明する。
図22は、管理装置40が行う処理情報を生成する処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートは、ステップS12の詳細を示すものである。
処理指定部422は、店舗Aに配設されているチャージ機11、12、…、レジスタ装置21、22、…の中から、一つのフロント機器を選択する(ステップS21)。以下、処理指定部422は、チャージ機11を選択したとして、説明する。
次に、処理指定部422は、選択したフロント機器のフロント機器IDに基づいて、基準量管理テーブル412(図14参照)を参照し、該フロント機器IDに関連付けられた準備金の基準量を示すデータを取得する(ステップS22)。
具体的には、処理指定部422は、基準量管理テーブル412を参照し、チャージ機11のフロント機器IDである「C1」に関連付けられている準備金の金種毎の枚数(千円札、および、5千円札がそれぞれ、60枚および20枚)を示すデータを取得する。なお、1万円札の準備金の基準枚数は0枚である。
以下に示すステップS23~S32は、各フロント機器に対して行うべき処理毎に、チャージ機11、12、…、および、レジスタ装置21、22、…を複数の処理区分に分類する処理である。処理区分には、「回収」、「補充」、「補充かつ回収」、および、「処理無し」がある。
処理指定部422は、選択されたフロント機器の在高データと、準備金の基準量とを金種毎に比較する(ステップS23)。比較結果に基づいて、処理指定部422は、千円札、5千円札、および、1万円札の中で、在高が準備金の基準量以上である金種が存在するか否かを判定する(ステップS24)。
処理指定部422は、在高が準備金の基準量以上である金種が存在すると判定した場合(ステップS24のYES)、処理指定部422は、該金種の中で、在高が基準量よりも目安値以上大きい金種が存在するか否かを判定する(ステップS25)。
目安値は、記憶部410に記憶されている。目安値は、回収処理を実行するか否かを判定する目安である。本実施形態において、目安値は、金種、および、フロント機器に関係なく10枚である。なお、目安値は、金種毎に異なっていてもよく、さらに、フロント機器毎に異なっていてもよい。また、目安値は、店舗Aに配設されているチャージ機11、12、…および、レジスタ装置21、22、…の各記憶部にも記憶されている。
基準量よりも目安値以上大きい金種が一つでも存在すると判定された場合(ステップS25のYES)、処理指定部422は、千円札、5千円札、および、1万円札の中で、準備金の基準量よりも在高が小さい金種が一つでも存在するか否かを判定する(ステップS26)。処理指定部422は、準備金の基準量よりも在高が小さい金種が一つでも存在すると判定した場合(ステップS26のYES)、選択されたフロント機器を「補充かつ回収」の区分に分類する(ステップS27)。その後、ステップS32の処理が行われる。
準備金の基準量よりも在高が小さい金種が存在しないと判定された場合(ステップS26のNO)、処理指定部422は、選択されたフロント機器を「回収」の区分に分類する(ステップS28)。その後、ステップS32の処理が行われる。
在高が基準量よりも目安値以上大きい金種が存在しないと判定された場合(ステップS25のNO)、ステップS29の処理が行われる。
在高が準備金の基準量以上である金種が存在しないと判定された場合(ステップS24のNO)、ステップS29の処理が行われる。なお、ステップS29は、ステップS26と同じ処理である。
在高が準備金の基準量よりも小さい金種が一つでも存在すると判定された場合(ステップS29のYES)、処理指定部422は、選択されたフロント機器を「補充」の区分に分類する(ステップS30)。その後、ステップS32の処理が行われる。
在高が準備金の基準量よりも小さい金種が存在しないと判定された場合(ステップS29のNO)、処理指定部422は、選択されたフロント機器を「処理無し」の区分に分類する(ステップS31)。その後、ステップS32の処理が行われる。
ステップS32において、処理指定部422は、店舗Aに配設されているすべてのフロント機器を処理区分に分類したか否か判定する。
すべてフロント機器の分類が完了していないと判定された場合(ステップS32のNO)、ステップS21の処理に戻る。処理指定部422は、すべてフロント機器の分類が完了するまで、ステップS21~S32の処理を繰り返す。
具体的には、チャージ機11の在高(千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ60枚、20枚、および30枚)に対して、チャージ機11の準備金の基準量は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ、60枚、20枚、および0枚である。よって、1万円札の在高(30枚)が、基準量と目安値との合計値(0枚+10枚)以上である。よって、処理指定部422は、チャージ機11を「回収」の処理区分に分類する。
同様にして、処理指定部422は、チャージ機12、レジスタ装置21およびレジスタ装置22をそれぞれ、「補充かつ回収」、「回収」、および「回収」に分類する。
仮に、チャージ機11の在高が、千円札、5千円札、および1万円札それぞれが、60枚、20枚、および8枚であった場合、処理指定部422は、チャージ機11を「処理無し」に分類する。また、仮に、チャージ機11の在高が、千円札、5千円札、および1万円札それぞれが、40枚、10枚、および、9枚であった場合、処理指定部422は、チャージ機11を「補充」に分類する。
処理指定部422は、フロント機器を分類する度に、該フロント機器のフロント機器IDと、分類区分とを関連づけて、処理情報管理テーブル415(図17参照)に記憶させる。
なお、ステップS23において、処理指定部422は、フロント機器の在高データから準備金の基準量を金種毎に差し引き、差し引いたことで得られた値の絶対値および符号に基づいて、ステップS24、S25、S26、S29の判定を行っている。また、処理指定部422は、金種毎に得られた値を、金種毎の過不足度合を示すデータとして、フロント機器IDと関連づけて在高管理テーブル414(図16参照)に記憶させる。
処理指定部422は、すべてのフロント機器の分類が完了した場合(ステップS32のYES)、処理指定部422は、現金の補充元と補充先と指定するフロント機器のペアを抽出する(ステップS33)。
ここで、処理指定部422は、在高管理テーブル414における過不足度合を示すデータを参照する。そして、処理指定部422は、負の過不足度合に関連付いているフロント機器IDを選択する。次に、処理指定部422は、選択したフロント機器IDに関連付いている負の過不足度合と同一の金種、かつ、同じ絶対値である正の過不足度合に関連付いているフロント機器IDを選択する。そして、処理指定部422は、補充先として負の過不足度合に関連付いているフロント機器IDに対応するフロント機器を指定し、正の過不足度合に関連付いているフロント機器IDに対応するフロント機器を補充元に指定する。
例えば、図16に示されている在高管理テーブル414によれば、処理指定部422は、フロント機器ID「C2」を選択する。フロント機器ID「C2」に関連付いている負の過不足度合は、千円札の「-20」、および、5千円札の「-20」である。フロント機器ID「P2」に関連付いている千円札の「20」および5千円札の「20」はそれぞれ、フロント機器ID「C2」に関連付いている千円札の「-20」および5千円札の「-20」に対して、同一の金種、かつ、同じ絶対値である正の過不足度合である。よって、処理指定部422は、補充先としてフロント機器ID「C2」に対応するチャージ機12を指定し、補充元としてフロント機器ID「P2」に対応するレジスタ装置22を指定する。
次に、処理指定部422は、分類された処理区分、在高管理テーブル414、および、ペア抽出結果に基づいて各フロント機器に対する処理内容を指定する(ステップS34)。そして、処理指定部422は、指定した処理内容と、処理対象のフロント機器のフロント機器IDとを関連づけて、処理情報管理テーブル415(図17参照)に記憶させる。
例えば、図17の処理情報管理テーブル415には、チャージ機11に対する処理内容として、回収先が後方機30であり、回収金が1万円札30枚である回収処理が指定されていることを示すデータが記憶されている。なお、処理指定部422は、チャージ機11のように、「回収」の区分に分類され、かつ、補充元としてペア抽出されていないフロント機器に対して、回収金の回収先として後方機30を指定する。
また、図17の処理情報管理テーブル415には、チャージ機12(IDが「C2」)に対する処理内容として、補充元がレジスタ装置22(IDが「P2」)であって補充金が、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、20枚、20枚、および、30枚である補充処理と、回収先が後方機30であり、回収金が1万円札60枚である回収処理とが指定されていることを示すデータが記憶されている。
なお、フロント機器に対して補充処理と回収処理の両方が指定された場合、補充処理が先に実行される。よって、チャージ機12では、補充処理が実行されることで1万円札30枚がチャージ機12に補充されるので、回収処理では、該補充処理前のチャージ機12の余剰金(つまり、1万円札30枚)に、補充処理で補充されることで増加した分の余剰金(1万円札30枚)が加算された1万円札60枚が回収金として指定される。
また、図17の処理情報管理テーブル415には、レジスタ装置22(IDが「P2」)に対する処理内容として、補充先がチャージ機12(IDが「C2」)であって回収金が、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、20枚、20枚、および、30枚である回収処理が指定されていることを示すデータが記憶されている。
処理指定部422は、他のフロント機器に対しても同様にして処理内容を指定する。
次に、情報生成部423は、処理情報管理テーブル415に基づいて、処理対象のフロント機器毎に処理情報を生成する(ステップS35)。処理情報は、処理情報管理テーブル415に記憶されているデータで構成される。
なお、ステップS33において、処理指定部422は、以下(1)~(4)の手順でペア抽出することもできる。
(1)在高管理テーブル414(図16参照)を参照して、負の過不足度合に関連付いているフロント機器IDを選択する。
(2)選択したフロント機器IDに関連付いている負の過不足度合と同一の金種、かつ、該過不足度合以上の絶対値を有する正の過不足度合に関連付いているフロント機器IDを選択する。
(3)(2)で選択されたフロント機IDが複数個ある場合、選択されたフロント機IDに関連付いている正の過不足度合の中から、(1)で選択されたフロント機器IDと関連付いている過不足度合の絶対値に最も近い絶対値を有する過不足度合に関連付いているフロント機器IDを選択する。
(4)(2)で選択された唯一のフロント機器IDまたは(3)で選択されたフロント機器IDに対応するフロント機器を補充元に指定し、(1)で選択されたフロント機器IDに関連付いているフロント機器を補充先に指定するペアを抽出する。
すなわち、準備金が不足しているフロント機器を補充元として指定し、該フロント機器における準備金の不足量以上であり、かつ、該不足量との差が小さい余剰金が収納されているフロント機器を補充元として指定するペアを抽出する。
仮に、チャージ機12の過不足度合が千円札および5千円札がそれぞれ「-30」、および「-30」であり、レジスタ装置21の過不足度合が千円札および5千円札がそれぞれ「50」、および「50」であり、レジスタ装置22の過不足度合が千円札および5千円札がそれぞれ「40」、および「40」であったとする。この場合、処理指定部422は、チャージ機12に対する補充先として、レジスタ装置21ではなく、レジスタ装置22を選択する。
次に、ステップS13の処理について説明する。
まず、図2、図23および図24を用いて、ステップS13の処理の一例であるチャージ機11から余剰金を回収し、回収された余剰金を後方機30に入金する処理について説明する。図23および図24は、現金処理システム1が行う現金の回収処理を示すシーケンス図である。
まず、ステップA11~A14およびA17において、管理装置40は、チャージ機11から余剰金を回収し、回収された余剰金を後方機30に入金する処理(以下、処理96と称す。)を実行させる作業員を特定する。本明細書において、作業員を特定することは、該作業員が所持する携帯端末を特定することを意味する。
情報取得部421は、携帯端末71、72、73、74、…、から端末位置情報I111、I211、I112、I212、…を取得する(ステップA11)。情報取得部421は、取得した端末位置情報I111、I211、I112、I212、…の送信元であるフロント機器のフロント機器IDに関連付けて端末管理テーブル416(図18参照)に記憶させる。
次に、特定部424は、端末位置情報I111、I211、I112、I212、…、および、装置位置管理テーブル413(図15参照)に基づいて、複数の携帯端末の中からチャージ機11に最も近い携帯端末を特定する(ステップA12)。
ここで、特定部424は、装置位置管理テーブル413からチャージ機11のフロント機器ID「C1」に関連づけられた装置位置を示すデータを取得する。そして、特定部424は、取得した配設位置を示すデータを、端末位置情報I111、I211、I112、I212、…それぞれと比較して、チャージ機11から各携帯端末までの距離を算出する。そして、特定部424は、算出結果に基づいて、チャージ機11から最も近い位置に位置する携帯端末を特定する。図2において、チャージ機11に最も近い携帯端末は、携帯端末71であるので、特定部424は、携帯端末71をチャージ機11から最も近い端末として特定する。
次に、通信制御部425は、携帯端末71に処理依頼メールI12を送信する(ステップA13)。処理依頼メールI12には、少なくとも処理の実行を依頼する旨と、処理対象のフロント機器に関する情報とが含まれていればよい。なお、携帯端末71では、処理依頼メールを受信すると、表示制御部713が、処理依頼メールの内容を表示操作部701に表示させる。
次に、管理装置40では、制御部420は、依頼引受処理が検知されたか否かを判定する(ステップA14)。依頼引受処理とは、処理依頼メールI12に対する応答として、依頼引受を通知する情報(つまり、引受応答情報I13)を携帯端末71から管理装置40が受信することである。例えば、作業員は、携帯端末71に搭載されている専用のアプリを介して、依頼の引き受け、または、依頼の拒否を選択する操作を表示操作部701を通じて行う。携帯端末71の通信制御部313は、依頼の引き受けが選択されたことを検知した場合、引受応答情報I13を管理装置40に送信する。通信制御部313は、依頼の拒否が選択されたことを検知した場合、依頼拒否を通知する情報を管理装置40に送信する。
次に、管理装置40では、制御部420は、依頼引受処理が検知されない場合(ステップA14のNO)、特定部424は、複数の携帯端末の中の特定されていない携帯端末の中から、他の携帯端末を特定する(ステップA17)。
制御部420は、管理装置40が、処理依頼メールに対する応答として依頼拒否を通知する情報を携帯端末71から受信したとき、または、一定時間、引受応答情報I13を受信しないときに、依頼引受処理が検知されていないと判定する。
本実施形態では、ステップA17において、特定部424は、携帯端末71を除く複数の携帯端末71の中から、チャージ機11に最も近い携帯端末を特定する。そして、管理装置40は、ステップA13およびA14の処理を行う。ステップS13A、14AおよびA17は、依頼引受処理が検知されるまで繰り返される。
依頼引受処理が検知された場合(ステップA14のYES)、特定部424は、引受応答情報I13の送信先である携帯端末を、処理96を実行させる作業員が所持する携帯端末として特定する。そして、特定部424は、特定した携帯端末の携帯端末IDと、処理96を指定する処理情報に含まれるフロント機器IDとを関連付けて、端末管理テーブル416(図18参照)に記憶させる。
以下、ステップA11~A14、およびA17において、特定部424が、携帯端末71を、処理96を実行させる作業員が所持する携帯端末として特定したとして説明する。
次に、情報生成部423は、識別情報I14、I15を生成する(ステップA15)。識別情報I14、I15は、チャージ機11、および、携帯端末71にそれぞれ送信する情報であるが、本実施形態において、識別情報I14、I15は同一である。
情報生成部423は、認証パスワードを生成し、処理96を指定する処理情報と認証パスワードとを結合させる。ここで、認証パスワードは、所定時間経過すると、無効になるパスワードである。なお、処理96を指定する処理情報は、ステップS35において生成されている。
処理96を指定する処理情報とは、処理情報管理テーブル415(図17参照)における、フロント機器ID「C1」と、フロント機器ID「C1」に関連付けられた回収金が1万円札30枚であり、回収先が後方機30である回収処理を指定するデータを含む情報である。
次に、通信制御部425は、識別情報I14、I15をそれぞれチャージ機11および携帯端末71に送信する(ステップA16)。
チャージ機11では、通信制御部111は、識別情報I14を受信し(ステップB11)、記憶部107に記憶させる。
なお、携帯端末71では、通信制御部712は、識別情報I15を受信して記憶部703に記憶させる。また、表示制御部713は、識別情報I15を表示操作部701に表示させる。作業員(作業員IDが「H1」)は、識別情報I15を閲覧することで処理対象のフロント機器、処理内容、および、認証パスワードが分かる。その後、作業員(作業員IDが「H1」)は、チャージ機11に向い、認証操作、および、後述する処理操作を行う。
チャージ機11では、認証部112は、チャージ機11に対する認証操作が検知されたか否かを判定する(ステップB12)。本実施形態において、チャージ機に対する認証操作は、表示操作部101を通じて所定の情報が入力されることである。作業員(作業員IDが「H1」)は、携帯端末71の表示操作部701に表示されている認証パスワードを入力する。
認証操作が検知されていないと判定された場合(ステップB12のNO)、認証部112は、認証操作が検知されるまでステップB12の処理を繰り返す。
認証操作が検知されたと判定された場合(ステップB12のYES)、認証部112は、検知された認証操作が適切か否か判定する(ステップB13)。認証部112は、認証操作により入力された情報が、チャージ機11が受信した識別情報I14に含まれる認証パスワードと一致する場合に、認証操作が適切と判定し、一致しない場合、認証操作が不適切と判定する。
検知された認証操作が不適切と判定された場合(ステップB13のNO)、認証部112は、ステップB12およびB13の処理を繰り返す。
検知された認証操作が適切と判定された場合(ステップB13のYES)、処理制御部113は、適切な処理を指定する処理操作が検知されたか否かを判定する(ステップB14)。処理制御部113は、チャージ機11が受信した識別情報I14の処理情報で指定された処理内容に一致する処理を指定する処理操作が検知された場合、適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。一方、識別情報I14の処理情報で指定された処理内容に一致しない処理を指定する処理操作が検知された場合、処理制御部113は、不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。本実施形態において、フロント機器に対して行われる処理操作は、回収または補充を指定する操作である。
不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップB14のNO)、処理制御部113は、適切な処理を指定する処理操作を検知するまでステップB14を繰り返す。
適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップB14のYES)、処理制御部113は、処理ユニット120を制御することで、チャージ機11が受信した識別情報I14に含まれる処理情報によって指定されている処理(ここでは、回収処理)を実行する(ステップB15)。具体的には、処理制御部113は、処理ユニット120を制御して紙幣収納部133の内部の1万円札30枚をカセット134に搬送する。
回収処理が完了すると、作業員(作業員IDが「H1」)は、チャージ機11の前面の扉を開いて、カセット134をカセット装着部135から取り外し、持参してきたカセットをカセット装着部135に装着する。
回収処理が完了すると、通信制御部111は、回収金情報I16を管理装置40に送信する(ステップB16)。回収金情報は、回収処理により回収された現金の情報であり、金種毎に枚数が特定されている。具体的には、回収金情報I16は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ0枚、0枚、および30枚であることを示す。
なお、通信制御部111は、回収金情報I14に加えて、回収処理の開始時、完了時、および、開始時から完了時までの間において所定時間毎に、処理開始、処理完了、および処理経過を通知する情報を管理装置40に送信する。
管理装置40では、情報取得部421は、回収金情報I16を受信し(ステップA18)、回収金情報I16を送信元のフロント機器のフロント機器IDと関連づけて、回収処理管理テーブル417(図19参照)に記憶させる。図19の回収処理管理テーブル417には、回収元であるチャージ機11のフロント機器ID「C1」に関連付けられて、回収金が、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、0、0、30であるデータが記憶されている。
作業員(作業員IDが「H1」)は、回収金が収納されているカセット134を後方機30に運び、認証操作および入金操作を行う。
後方機30において、認証部311は、後方機30に対する認証操作が検知されたか否かを判定する(ステップE11)。本実施形態において、認証操作は、電子情報が記憶されたカードがカードリーダ300にかざされることである。作業員(作業員IDが「H1」)は、社員証をカードリーダ300にかざす。
認証操作が検知されていないと判定された場合(ステップE11のNO)、認証部311は、認証操作が検知されるまでステップE11の処理を繰り返す。
認証操作が検知されたと判定された場合(ステップE11のYES)、認証部311は、検知された認証操作が適切か否か判定する(ステップE12)。認証部311は、カードリーダ300がカードから読み取った作業員IDが作業員管理データ306に含まれると判定した場合、認証操作が適切と判定し、含まれないと判定した場合、認証操作が不適切と判定する。
検知された認証操作が不適切と判定された場合(ステップE12のNO)、認証部311は、ステップE11およびE12の処理を繰り返す。
検知された認証操作が適切と判定された場合(ステップE12のYES)、処理制御部312は、入金操作が検知されたか否かを判定する(ステップE13)。入金操作は、表示操作部301に表示される操作用の画面で、入金処理を指定し、かつ、回収元のフロント機器(ここでは、チャージ機11)を指定するタッチ操作である。なお、作業員(作業員IDが「H1」)は、入金操作を行うに際して、カセット134を後方機30の所定の位置に装着する。
入金操作が検知されたと判定されていない場合(ステップE13のNO)、処理制御部312は、入金操作が検知されるまでステップE13を繰り返す。
入金操作が検知されたと判定された場合(ステップE13のYES)、処理制御部312は、処理ユニット308を制御することで、入金処理を実行する(ステップE14)。具体的には、処理制御部312は、処理ユニット308を制御して、カセット134から回収金を後方機30内部に搬送し、金種毎に回収金を計数し、金種毎に紙幣収納部(不図示)に収納する。
入金処理が完了すると、通信制御部111は、入金操作時に指定されたフロント機器のフロント機器IDとともに、入金情報I17を管理装置40に送信する(ステップE15)。入金情報は、入金処理により後方機30に入金された現金の情報であり、金種毎に枚数が特定されている。以下の説明において、入金情報I17は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ0枚、0枚、および29枚であるとする。
なお、通信制御部313は、チャージ機11の通信制御部211と同様、入金処理の開始時、完了時、および、開始時から完了時までの間において所定時間毎に、処理開始、処理完了、および処理経過を通知する情報を管理装置40に送信する。
管理装置40では、情報取得部421は、フロント機器IDおよび入金情報I17を受信し(ステップA19)、受信したフロント機器IDと同一のフロント機器IDに関連づけて入金情報I17を回収処理管理テーブル417に記憶させる。図19の回収処理管理テーブル417には、回収元であるチャージ機11のフロント機器ID「C1」に関連付けられて、入金量が、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、0、0、29であるデータが記憶されている。
管理装置40では、整合判定部426が、回収処理管理テーブル417を参照し、金種毎に回収金情報と入金情報とが一致するか否かを判定する(ステップA20)。そして判定結果を、判定対象の回収金情報と入金情報とに関連づけて回収処理管理テーブル417に記憶させる。
回収金情報と入金情報とが一致したと判定された場合(ステップA20のYES)、整合判定部426は、回収処理管理テーブル417に「正」を示すデータを、判定対象の回収金情報および入金情報と関連付けて記憶させる。そして、通信制御部425は、処理96に関する処理の完了を通知する処理完了メールI18を携帯端末71に送信し(ステップA21)、管理装置40の処理は終了する。
回収金情報と入金情報とが一致しない金種が一つでも存在すると判定された場合(ステップA20のNO)、整合判定部426は、回収処理管理テーブル417に「不」を示すデータを、判定対象の回収金情報および入金情報と関連付けて記憶させる。
チャージ機11からの回収金情報I16(千円札、5千円札、1万円札がそれぞれ、0枚、0枚、および30枚)と、後方機30への入金情報I17(千円札、5千円札、1万円札がそれぞれ、0枚、0枚、および29枚)とは、1万円札の枚数が一致しない。よって、整合判定部426は、回収金情報I27と入金情報とが一致しないと判定し、「不」を示すデータを回収金情報I16および回収金情報I27と関連づけて回収処理管理テーブル417に記憶させる(図19参照)。
そして、通信制御部425は、対処を促すメールを携帯端末71に送信する(ステップA22)。対処を促すメールには、例えば、回収処理に関わったフロント機器や後方機30の点検を促す内容が記載されている。
携帯端末71では、対処を促すメールを受信すると、表示制御部713が、受信された対処を促すメールの内容を表示操作部701に表示する。作業員(作業員IDが「H1」)は、対処を促すメールの内容にしたがって、後方機30およびチャージ機11の少なくとも一方に対して対処操作を行う。
後方機30では、制御部310が表示操作部301から対処操作が行われたことを検知し(ステップE16のYES)、かつ、対処操作が完了したことを検知した場合(ステップE17のYES)、通信制御部313は、対処完了を通知する情報を管理装置40に送信する(ステップE18)。制御部110が、対処操作が行われたことを検知しない場合(ステップE16のNO)、後方機30の処理は終了する。制御部310が、対処操作が完了したことを検知しない場合(ステップE17のNO)、対処操作が完了したことを検知するまで、ステップE17の処理を繰り返す。
以下、作業員(作業員IDが「H1」)が行う対処操作の例を示す。作業員(作業員IDが「H1」)は、後方機30に対して点検を行い、後方機30の搬送部に1枚の1万円札が詰まっていたことを発見し、詰まっていた1万円札を取り除き、再度入金操作を行う。
詳細は図示されていないが、後方機30が再度入金処理を行った場合、通信制御部313は、入金情報I27の更新情報を管理装置40に送信する。管理装置40では、制御部420が更新情報を受信し、回収処理管理テーブル417における、フロント機器「C1」に関連づけられている入金を示すデータが更新される。整合判定部426は、回収処理管理テーブル417のフロント機器「C1」に関連づけられている回収金を示すデータと、更新された入金を示すデータとが整合した場合、回収処理管理テーブル417における、更新された入金を示すデータに関連付けられた「不」を示すデータを「正」を示すデータに更新する。そして、整合判定部426は、回収金情報I26と入金情報I27との整合を通知する情報を後方機30に送信する。
後方機30では、制御部310が、回収金情報I26と入金情報I27との整合を通知する情報を管理装置40から受信したとき、対処操作が完了したことを検知したと判定する(ステップE17のYES)。
チャージ機11における、ステップB17~B19はそれぞれ、ステップE16~E18の処理と同様であるため、ステップB17~B19の説明は省略する。
作業員(作業員IDが「H1」)による対処操作が完了すると、管理装置40は、対処完了を通知する情報を、チャージ機11および後方機30の少なくとも一方から受信する(ステップA23)。その後、通信制御部425が、ステップA21の処理を実行し、管理装置40の処理は終了する。
次に、図2、図25および図26を用いて、ステップS13の処理の一例であるレジスタ装置22から余剰金を回収し、回収された余剰金をチャージ機12に補充し、さらに、チャージ機12から余剰金を回収し、回収された余剰金を後方機30に入金する処理について説明する。
図25および図26は、現金処理システム1が行う、現金の補充および回収を含む処理を示すシーケンス図である。
まず、ステップA31~A34およびA37において、管理装置40は、レジスタ装置22から余剰金を回収し、回収された余剰金をチャージ機12に補充し(以下、処理97と称す。)、さらに、チャージ機12から余剰金を回収し、回収された余剰金を後方機30に入金する(以下、処理98と称す。)処理を実行させる作業員を特定する。
ステップA31は、図23のステップA11と同様である。
ステップA31の後、特定部424は、端末位置情報I111、I211、I112、I212、…、および、装置位置管理テーブル413(図15参照)に基づいて、複数の携帯端末の中からレジスタ装置22に最も近い携帯端末を特定する(ステップA32)。具体的には、特定部424は、携帯端末72を特定する。
次に、通信制御部425は、携帯端末71に処理依頼メールI22を送信する(ステップA33)。処理依頼メールI22は、処理依頼メールI12と同様に構成されている。
次に、管理装置40では、制御部420は、依頼引受処理が検知されたか否かを判定する(ステップA34)。ここで、制御部420は、引受応答情報I23が受信されたか否かを判定する。
次に、管理装置40では、制御部420は、依頼引受処理が検知されない場合(ステップA34のNO)、特定部424は、複数の携帯端末の中の特定されていない携帯端末の中から、他の携帯端末を特定する(ステップA37)。
制御部420は、処理依頼メールI22に対する応答として依頼拒否を通知する情報を携帯端末71から受信した、または、一定時間、引受応答情報I23を受信しない場合、依頼引受処理が検知されないと判定する。
本実施形態では、ステップA37において、特定部424は、携帯端末72を除く複数の携帯端末71の中から、補充元であるレジスタ装置22に最も近い携帯端末を特定する。そして、管理装置40は、ステップA33およびA34の処理を行う。ステップA33、A34およびA37は、依頼引受処理が検知されるまで繰り返される。
依頼引受処理が検知された場合(ステップA34のYES)、特定部424は、引受応答情報I23の送信先である携帯端末を、処理97および98の両方を実行させる作業員が所持する携帯端末として特定する。そして、特定部424は、特定した携帯端末の携帯端末IDと、処理97および処理98を指定する処理情報に含まれる処理対象のフロント機器のフロント機器IDとを関連付けて、端末管理テーブル416(図18参照)に記憶させる。
以下の説明では、ステップA31~A34、およびA37において、特定部424が、携帯端末72を、処理97および98を実行させる作業員が所持する携帯端末として特定したとして説明する。図18に示されているように、端末管理テーブル416には、携帯端末72に対応する携帯端末ID「M2」に関連付けられて「P2」および「C2」を示すデータが記憶される。
次に、情報生成部423は、処理97を指定する識別情報I241、I251、処理98を指定するI242、I252を生成する(ステップA35)。識別情報I241は、レジスタ装置22、および、チャージ機12に送信する情報であり、識別情報I251は、携帯端末72に送信する情報であるが、本実施形態において、識別情報I241、I251は互いに同一である。また、識別情報I242、I252はそれぞれ、チャージ機12および携帯端末72に送信する情報であるが、本実施形態において、識別情報I242、I252は互いに同一である。
ステップA35において、情報生成部423は、2つの認証パスワードを生成する。そして、情報生成部423は、処理97を指定する処理情報と、一方の認証パスワードとを結合し、処理98を指定する処理情報と、他方の認証パスワードとを結合する。なお、処理97を指定する処理情報および処理98を指定する処理情報は、図22に示されているステップS35において、すでに生成されている。
処理97を指定する処理情報とは、以下の(a)および(b)の両方のデータを含む情報である。
(a)処理情報管理テーブル415(図17参照)における、フロント機器ID「P2」と、フロント機器ID「P2」に関連付けられている回収金が、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ20枚、20枚、および30枚であり、補充先がチャージ機12(IDが「C2」)である回収処理を指定するデータ
(b)処理情報管理テーブル415における、フロント機器ID「C2」と、フロント機器ID「C2」に関連付けられている補充金が、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ20枚、20枚、および30枚であり、補充元がレジスタ装置22(IDが「P2」)である補充処理を指定するデータ
処理98を指定する処理情報とは、処理情報管理テーブル415における、フロント機器ID「C2」と、フロント機器ID「C2」に関連付けられた回収金が1万円札60枚であり、回収先が後方機30である回収処理を指定するデータを含む情報である。
次に、通信制御部425は、識別情報I241をレジスタ装置22およびチャージ機12に、識別情報I251およびI252を携帯端末72に、そして、識別情報I242をチャージ機12に、それぞれ送信する(ステップA36)。
レジスタ装置22では、通信制御部211は、識別情報I241を受信し(ステップD31)、記憶部207に記憶させる。
チャージ機12では、通信制御部111は、識別情報I241、I242を受信し(ステップB31)、記憶部107に記憶させる。
なお、携帯端末72では、通信制御部712は、識別情報I251、I252を受信して記憶部703に記憶させる。また、表示制御部713は、まず、識別情報I251を表示操作部701に表示させる。作業員(作業員IDが「H2」)は、識別情報I251を閲覧することで最初の処理対象のフロント機器、処理内容、および、認証パスワードが分かる。その後、作業員(作業員IDが「H2」)は、レジスタ装置22に向い、認証操作、および、処理操作を行う。
レジスタ装置22では、認証部212は、レジスタ装置22に対する認証操作が検知されたか否かを判定する(ステップD32)。本実施形態において、レジスタ装置に対する認証操作は、表示操作部221を通じて所定の情報が入力されることである。作業員(作業員IDが「H2」)は、携帯端末72の表示操作部701に表示されている認証パスワードを入力する。
認証操作が検知されていないと判定された場合(ステップD32のNO)、認証部212は、認証操作が検知されるまでステップD32の処理を繰り返す。
認証操作が検知されたと判定された場合(ステップD32のYES)。認証部212は、検知された認証操作が適切か否か判定する(ステップD33)。認証部212は、認証操作により入力された情報が、レジスタ装置22が受信した識別情報I241に含まれる認証パスワードと一致する場合に、認証操作が適切と判定し、一致しない場合、認証操作が不適切と判定する。
検知された認証操作が不適切と判定された場合(ステップD33のNO)、認証部311は、ステップD32およびD33の処理を繰り返す。
検知された認証操作が適切と判定された場合(ステップD33のYES)、処理制御部213は、適切な処理を指定する処理操作が検知されたか否かを判定する(ステップD34)。処理制御部213は、レジスタ装置22が受信した識別情報I241に含まれる処理情報で指定された処理内容に一致する処理を指定する処理操作が検知された場合、適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。一方、識別情報I241に含まれる処理情報によって指定された処理内容に一致しない処理を指定する処理操作が検知された場合、処理制御部213は、不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。
不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップD34のNO)、処理制御部213は、適切な処理を指定する処理操作を検知するまでステップD34を繰り返す。
適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップD34のYES)、処理制御部213は、紙幣釣銭機280を制御することで、識別情報I241の処理情報によって指定されている処理(ここでは、回収処理)を実行する(ステップD35)。具体的には、処理制御部213は、紙幣釣銭機280を制御して紙幣収納部(不図示)の内部の千円札、5千円札、および1万円札それぞれ、20枚、20枚、および30枚をカセット298に搬送する。
回収処理が完了すると、作業員(作業員IDが「H2」)は、紙幣釣銭機280のカセット298を紙幣釣銭機280から取り外し、持参してきたカセットを紙幣釣銭機280に装着する。
回収処理が完了すると、通信制御部211は、回収金情報I26を管理装置40に送信する(ステップD36)。具体的には、回収金情報I26は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ20枚、20枚、および30枚であることを示す。
なお、通信制御部211は、回収金情報I26に加えて、チャージ機11と同様、回収処理の開始時、完了時、および、開始時から完了時までの間において所定時間毎に、処理開始、処理完了、および、処理経過を通知する情報を管理装置40に送信する。
管理装置40では、情報取得部421は、回収金情報I26を受信し(ステップA38)、回収金情報I26を送信元のフロント機器のフロント機器IDと関連づけて、補充処理管理テーブル418(図20参照)に記憶させる。図20の補充処理管理テーブル418には、補充元であるレジスタ装置22のフロント機器ID「P2」に関連付けられて、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、20、20、30であるデータが記憶されている。
作業員(作業員IDが「H2」)は、回収金が収納されているカセット298を持って、チャージ機12に向かう。そして、作業員(作業員IDが「H2」)は、チャージ機12に対して、認証操作および処理操作を行う。
チャージ機12において、認証部112は、チャージ機12に対する認証操作が検知されたか否かを判定する(ステップB32)。ステップB32は、ステップB12と同様の処理である。
認証操作が検知されていないと判定された場合(ステップB32のNO)、認証部112は、認証操作が検知されるまでステップB32の処理を繰り返す。
認証操作が検知されたと判定された場合(ステップB32のYES)、認証部112は、検知された認証操作が適切か否か判定する(ステップB33)。認証部112は、認証操作により入力された情報が、チャージ機12が受信した識別情報I241に含まれる認証パスワードと一致する場合に、認証操作が適切と判定し、一致しない場合、認証操作が不適切と判定する。
検知された認証操作が不適切と判定された場合(ステップB33のNO)、認証部212は、ステップB32およびB33の処理を繰り返す。
検知された認証操作が適切と判定した場合(ステップB33のYES)、処理制御部113は、適切な処理を指定する処理操作が検知されたか否かを判定する(ステップB34)。処理制御部113は、チャージ機12が受信した識別情報I241に含まれる処理情報で指定された処理内容に一致する処理を指定する処理操作が検知された場合、適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。一方、チャージ機12が受信した識別情報I241の処理情報で指定された処理内容に一致しない処理を指定する処理操作が検知された場合、処理制御部113は、不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定する。なお、作業員(作業員IDが「H2」)は、処理操作を行うに際して、カセット298をチャージ機12のカセット装着部に装着する。
不適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップB34のNO)、処理制御部113は、適切な処理を指定する処理操作を検知するまでステップB34を繰り返す。
適切な処理を指定する処理操作が検知されたと判定された場合(ステップB34のYES)、処理制御部113は、処理ユニット120を制御することで、識別情報I241の処理情報によって指定されている処理(ここでは、補充処理)を実行する(ステップB35)。具体的には、処理制御部113は、処理ユニット120を制御してカセット298の内部の千円札、5千円札、および、1万円札をそれぞれ紙幣収納部131、132、133に搬送する。
補充処理が完了すると、通信制御部111は、補充金情報I27を管理装置40に送信する(ステップB36)。補充金情報I27は、補充処理により補充された現金の情報であり、金種毎に枚数が特定されている。具体的には、回収金情報I17は、千円札、5千円札、および1万円札がそれぞれ20枚、20枚、および30枚であることを示す。
なお、通信制御部111は、回収処理時と同様、補充金情報I27に加えて、補充処理の開始時、完了時、および、開始時から完了時までの間において所定時間毎に、補充開始、処理完了、および、処理経過を通知する情報を管理装置40に送信する。
管理装置40では、情報取得部421は、補充金情報I27を受信し(ステップA39)、補充金情報I38を送信元のフロント機器のフロント機器IDと関連づけて、補充処理管理テーブル418に記憶させる。図20の補充処理管理テーブル418には、補充元であるチャージ機12のフロント機器ID「C2」に関連付けられて、千円札、5千円札、および、1万円札がそれぞれ、20、20、30であるデータが記憶されている。
管理装置40では、整合判定部426が、補充処理管理テーブル418を参照し、金種毎に補充金情報I26と回収金情報I27とが一致するか否かを判定する(ステップA40)。そして判定結果を、判定対象の回収金情報I26を示すデータおよび補充金情報I27を示すデータに関連づけて補充処理管理テーブル418に記憶させる。
補充金情報I26と回収金情報I27とが一致したと判定された場合(ステップA40のYES)、整合判定部426は、補充処理管理テーブル418に「正」を示すデータを、判定対象の回収金情報I26を示すデータおよび補充金情報I27を示すデータに関連づけて記憶させる。そして、通信制御部425は、処理97に関する処理の完了を通知する処理完了メールI28を携帯端末71に送信する(ステップA41)。
補充金情報I26と回収金情報I27とが一致しない金種が一つでも存在すると判定された場合(ステップA40のNO)、整合判定部426は、補充処理管理テーブル418に「不」を示すデータを、判定対象の回収金情報I26を示すデータおよび補充金情報I27を示すデータに関連づけて記憶させる。そして、管理装置40は、ステップA42およびA43の処理を実行する。ステップA42およびA43の処理は、ステップA22およびA23の処理に対応する。
なお、ステップB37、B38、およびB39は、それぞれステップB17、B18、B19と同様の処理である。また、ステップD37、D38、D39は、それぞれステップB37、B38、およびB39に対応する処理である。よって、ステップB37、B38、B39、D37、D38、D39の説明を省略する。なお、レジスタ装置22は、ステップD39の処理が行われた後、または、対処操作がない場合(ステップD37のNO)、処理を終了する。
管理装置40が、処理97に関する処理の完了を通知する処理完了メールI28を携帯端末71に送信した後、管理装置40、チャージ機12、および、後方機30は、回収関連処理を行う(ステップF10)。ステップF10は、図24のステップA18~A23、B12~B19、E11~E18の処理である。ステップF10において、回収金情報I16を回収金情報I29、回収金情報I17を入金情報I30、および、処理完了メールI18を処理完了メールI31にそれぞれ読み替えた処理が実行される。なお、回収金情報I29は、処理98に伴う回収処理によってチャージ機12から回収された金種毎の回収金を示すデータであり、エラー等がなければ、千円札、5千円札、1万円札がそれぞれ、0枚、0枚、および60枚であることを示す。入金情報I30は、処理98に伴う入金処理によって後方機30に入金された金種毎の入金量を示すデータであり、エラー等がなければ、千円札、5千円札、1万円札がそれぞれ、0枚、0枚、および60枚であることを示す。処理完了メールI31は、処理98に関する処理の完了を通知するメールである。なお、ステップF10が実行されているとき、携帯端末72では、表示制御部713が、表示操作部701に対する所定の操作を受けて、表示操作部701に識別情報I252を表示させる。
仮に、チャージ機12が、「補充かつ処理」ではなく「補充」の処理区分に分類されて、かつ、レジスタ装置22が補充元、チャージ機12が補充先としてペア抽出されている場合、現金処理システム1は、図25および図26のステップF10を除く処理を実行する。
また、「補充」の処理区分に分類されて、かつ、ペア抽出されていないフロント機器に対して、作業員は、後方機30から出金した現金を補充する。この場合、管理装置40は、該フロント機器と後方機30の近くの携帯端末とに識別情報を送信する。後方機30は、作業員による認証操作および出金操作により、指定された現金を出金する。フロント機器は、図25および図26のステップB32~B39と同様の処理を実行する。
上述したように、本実施形態の現金処理システム1は、処理対象のフロント機器および該フロント機器に対する処理内容を指定する処理情報と認証パスワードとを含む識別情報を携帯端末および処理対象のフロント機器に送信する。そのフロント機器は、識別情報がフロント機器の入力部として機能する構成部の操作により入力された場合、識別情報に含まれる処理情報によって指定される処理を実行する。したがって、現金処理システム1は、専門の担当者以外の作業員の携帯端末に識別情報を送信することで該作業員に指定した作業を実行させることができる。
現金処理システム1は、複数の携帯端末それぞれに、異なるフロント機器および処理内容を指定する処理情報を含む識別情報を送信することができる。したがって、現金処理システム1は、多数の現金処理装置が配設されている店舗において、該店舗のすべてのフロント機器に対する現金の回収および補充を効率的に行うことができ、回収および補充に対する作業員の負担を軽減できる。
また、現金処理システム1は、処理対象のフロント機器から最も近い携帯端末に識別情報を送信する。よって、処理対象のフロント機器に近い作業員に処理を実行させることができるので、フロント機器に対する現金の回収および補充をより効率的に行うことができる。
管理装置40は、各フロント機器における在高データを取得して管理している。管理装置40は、フロント機器において、余剰金の内訳、または、準備金の基準量に対する金種毎の不足分を把握することができる。また、管理装置40は、レジスタ装置から余剰金を回収する処理と、該回収した余剰金をチャージ機に補充する処理とを指定する識別情報をチャージ機、レジスタ装置、および携帯端末に送信することで、フロント機器間で現金を移動させることができる。つまり、管理装置40は、作業員に対して、余剰金が収納されているレジスタ装置から余剰金を回収して、回収した余剰金を準備金が不足しているチャージ機に補充する処理を実行させることができる。
よって、現金を補充する際、作業員が、後方機30から補充対象のフロント機器まで補充金を運ぶ必要はなくなるので、作業員は、より効率的にかつ低負担でフロント機器に現金の補充を行うことができる。
<変形例>
作業員が処置対象のフロント機器において行う認証操作は、必ずしも認証パスワードの入力でなくてもよい。例えば、認証操作は、携帯端末の表示操作部701に、識別情報を含むQRコード(登録商標)を表示させ、表示されたQRコードを、フロント機器のQRコードリーダ(不図示)に読み取らせる操作であってもよい。この場合、QRコードに識別情報が含まれているので、この認証操作は、フロント機器に対する指定された処理を実行させる処理操作も兼ねる。
なお、識別情報には必ずしも認証パスワードが含まれていなくてもよい。識別情報には、端末関連情報が含まれていればよい。端末関連情報は、例えば、認証パスワード、処理対象のフロント機器に送信する識別情報と同一の識別情報の送信先である携帯端末の携帯端末ID等、該携帯端末に関係する情報である。
また、管理装置40が、処理対象のフロント機器に処理情報に加えて携帯端末IDを送信する場合、携帯端末には、処理情報のみを送信してもよい。この場合、作業員は、フロント機器に対して携帯端末に記憶されている該携帯端末の携帯端末IDを入力する。フロント機器では、認証部が、管理装置40から送られてきた携帯端末IDと、入力された携帯端末IDとが一致した場合に、適切な認証操作が行われたと判定する。
上述した実施形態では、管理装置40は、処理対象のフロント機器と同じ識別情報を一つの携帯端末に送信していたが、複数の携帯端末に送信してもよい。例えば、管理装置40は、処理対象のフロント機器から距離が近い3つの携帯端末に識別情報を送信してもよい。この場合、処理対象のフロント機器は、該3つの携帯端末に送信された識別情報に基づく認証操作の中で、最初に行われた認証操作のみを適切な認証操作と判定する。
上述した実施形態では、携帯端末がビーコン機器81、82、91、92、…の電波を受信することで自身の現在位置を特定すると説明したが、携帯端末が自身の現在位置を特定する方法はこの方法に限られない。例えば、携帯端末は、該携帯端末が備えるカメラ(不図示)による周囲の撮影結果に基づいて、店舗における自身の位置を特定してもよい。
フロント機器から送られてくる現金情報I101、I201、I102、I202、…は、必ずしも送信元の機器の在高データでなくてもよい。例えば、現金情報I101、I201、I102、I202、…は、各フロント機器における金種毎の余剰金の量、および、準備金の基準量に対する不足量を示すデータであってもよい。
上述した実施形態では、現金処理システム1は、店舗Aの営業時間外に実行する、または、店舗Aの所定のパーソナルコンピュータからの処理開始の指示を検知したときに実行するとして説明したが必ずしもこれらに限られない。
例えば、チャージ機11内部に収納されている釣銭となる千円札および5千円札の枚数が所定の閾値を下回った場合、チャージ機11は、補充処理を要求する旨、および現在の在高データを含む緊急情報を管理装置40に送信してもよい。この場合、管理装置40は、緊急情報を受信した場合、チャージ機11、補充元となるレジスタ装置、および該レジスタ装置の近くの携帯端末に送信する識別情報を生成する。そして、現金処理システム1は、図25および図26に示されているステップF10を除く各処理と同様の処理を行う。
現金処理システム1は、店舗Aの営業時間外に実行する、または、店舗Aの所定のパーソナルコンピュータからの処理開始の指示を検知した場合、すべてのフロント機器に対して締め処理を指定してもよい。
上述した実施形態では、フロント機器から別のフロント機器への現金の補充に関して、レジスタ装置からチャージ機への補充のみが説明されている。しかしながら、本発明の現金処理システム1は、レジスタ装置から別のレジスタ装置、チャージ機から別のチャージ機、および、チャージ機からレジスタ装置への現金の補充についても、レジスタ装置からチャージ機への補充と同様に実行することができる。
上述した実施形態では、レジスタ装置について、紙幣に関する処理についてのみ説明されているが、現金処理システム1は、硬貨の補充や回収についても紙幣に関する処理と同様に実行することができる。
上述したように、本発明の現金処理システムは、店舗Aに配設されている後方機30、複数のチャージ機、複数のレジスタ装置、および、店舗Aに位置する複数の携帯端末に加えて、店舗A以外の店舗に配設されている複数の後方機、複数のチャージ機、複数のレジスタ装置、および、店舗A以外の位置に位置する複数の携帯端末を含んでいてもよい。この場合、管理装置40は、店舗毎にテーブル412~418を記憶している。
現金処理システムが、複数の店舗に配設されている複数の後方機、および、複数のフロント機器を備え、さらに、複数の携帯端末を備えている場合、現金処理システムは、警送業者が携帯端末を所持することで、各店舗への現金の配送および各店舗からの現金の回収をより効率的に行うことができる。さらに、現金処理システムは、緊急で現金が必要になった店舗に対して、該店舗近くの警送業者であり、かつ、別の店舗からの回収金を搬送している警送業者を向かわせることができる。つまり、現金処理システムは、急な現金不足に陥った店舗に対して迅速に現金を供給することができる。