JP6153044B1 - 人造皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に富み、表面が平滑で肌触りがよく、衣料生地や椅子張り地、車両内装材に適した人造皮革を提供する。【解決手段】熱可塑性合成繊維11に成る布帛12に熱可塑性樹脂13を付与して成る人造皮革の表面に、内部口径(d)が0.3mm以上で2mm以下の陥没穴24を形成する。その陥没穴24の周縁16と内部の内壁面18を、熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13との熱溶融物15によって構成する。陥没穴24の周縁16は、人造皮革の表面から窪んだ位置にする。陥没穴24の内部口径(d)は、人造皮革の表面の周縁16から陥没穴24の内部19に向けて漸次狭める。陥没穴24の最小内部口径(d)は1mm未満にすることが望ましい。陥没穴24によって人造皮革の表面に絵柄を点描することが出来る。陥没穴24は、その穴底25を加熱溶融して切開して貫通孔14としてもよい。【選択図】図6

Description

本発明は、通気性に優れた人造皮革、特に使用中に蒸れ感を与えず衣料生地や椅子張り地、車両内装材に適した人造皮革に関するものである。
人造皮革に通気性を付与する方法として、加熱金属針を突き刺す加熱穿孔法(例えば、特許文献1参照)、エンボスロールに通して樹脂皮膜に亀裂を発生させるエンボス加工法(例えば、特許文献2,3参照)、揉み加工を施して亀裂を発生させる揉み加工法(例えば、特許文献4参照)、樹脂皮膜に混入した可溶性異物を抽出する異物抽出法(例えば、特許文献5参照)、人造皮革の多孔質表面層に溶剤を塗布して多孔質皮膜を開孔させる溶剤塗布法(例えば、特許文献6参照)や、パンチング加工を施すパンチング法(例えば、特許文献7参照)が知られている。
特公昭55−45670公報(特開昭54−138102) 実公昭59−031756報(実開昭57−180791) 特公平02−002993報(特開昭59−199874) 特許第4405834号公報(特開2005−264371) 特公昭54−034029報(特開昭48−007957) 特許第4778864号公報(特開2008−057064) 特許第5683353号公報(特開2012−207352)
加熱穿孔法では、ホットパーフォレーション(加熱差込)時に熱溶融物が加熱金属針に融着し、その熱溶融物によって人造皮革から受ける加熱金属針の差込抵抗が増えて貫通孔を均一に穿設することが困難になり、その熱溶融物が加熱金属針から乗り移って人造皮革が汚染され易くなる。
エンボス加工法では、亀裂が微鯛で所要の通気性は確保し難く、また、エンボス模様が外観を支配し、平滑な無地調の人造皮革は得られない。
揉み加工法では、亀裂が微細で所要の通気性は確保し難く、また、樹脂皮膜に小皺が発生して銀付調人造皮革は得られない。
異物抽出法では、混入した可溶性異物によって樹脂皮膜の物性が損なわれ、耐久性に優れた人造皮革は得られない。
溶剤塗布法では、発生する開孔の口径が3〜159μmと微細で透湿性は確保されても蒸れ感を与えない程度の通気性は得られず、衣類や椅子張り地として使用中に開孔が目詰まりする等の点で耐久性を欠き、使用する溶剤がジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有機溶剤であることから健康衛生面でも問題になる。
パンチング加工法では、貫通孔の周縁が解れ易く、耐久性の点が問題になる。
そこで本発明は、耐久性に富み、表面が平滑で肌触りがよく、通気性に優れ、衣料生地や椅子張り地、車両内装材に適した人造皮革を提供することを目的とする。
本発明に係る人造皮革は、(1),熱可塑性合成繊維11に成る布帛12に熱可塑性樹脂13を付与して成る人造皮革の表面に内部口径(d)が0.3mm以上で2mm以下の陥没穴24が形成されており、(2) その陥没穴24の周縁16と内部の内壁面18が、熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13との熱溶融物15によって構成されており、(3) 陥没穴24の周縁16が、人造皮革の表面から窪んだ位置にあり、(4) 陥没穴24の内部口径(d)が、人造皮革の表面の周縁16での周縁口径(D)から陥没穴24の内部19に向けて漸次狭まっていることを第1の特徴とする。
本発明に係る人造皮革の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、陥没穴24が人造皮革の表裏に貫通した貫通孔14である点にある。
本発明に係る人造皮革の第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、布帛12が熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸によってコースケージ(h)が2mm以下、ウェールゲージ(k)が2mm以下に編成された編地である点にある。
本発明に係る人造皮革の第4の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、布帛12がポリウレタン樹脂を10〜30質量%含有する不織布である点にある。
本発明に係る人造皮革の第5の特徴は、上記第1、第2、第3および第4の何れかの特徴に加えて、陥没穴24の形成されている人造皮革の窪み形成層を構成している熱可塑性合成繊維11の質量と熱可塑性樹脂13の質量の合計値として示される窪み形成層の単位面積当たりの総質量である目付け(Q)が700g/m以下である点にある。
本発明に係る人造皮革の第6の特徴は、上記第1、第2、第3、第4および第5の何れかの特徴に加えて、陥没穴24によって表面に絵柄が点描されている点にある。
本発明に係る人造皮革の第7の特徴は、上記第1、第2、第3、第4、第5および第6の何れかの特徴に加えて、陥没穴24の内部の最小内部口径(d)が1mm未満である点にある。
人造皮革の実質厚みは、人造皮革の単位面積当たりの質量である目付け(Mg/m)を人造皮革の比重(ρ)から導かれる密度(ρg/cm)で除した値、即ち、商(Mg/m÷ρg/cm=M/ρμm)として算定される。人造皮革の原材料となるポリエステルの比重は1.38で密度は1.38g/cm、ポリアクリル酸エステルの比重は1.15で密度は1.15g/cm、アクリル酸エステルコーポリマーの比重は1.28で密度は1.28g/cm、ポリアミド(ナイロン)の比重は1.14で密度は1.14g/cm、ビニロンの比重は1.30で密度は1.30g/cm、ポリ塩化ビニルの比重は1.39で密度は1.39g/cmであり、それらの合成繊維や合成樹脂の比重(ρ)は概して1.3前後で密度は1.3g/cmである。従って、目付け(M)が700g/mの人造皮革の実質厚みは概して538μmと言うことになる。
ここに「人造皮革の実質厚み」とは、人造皮革の内部空隙を排除した原材料合成繊維と原材料合成樹脂で構成される内部空隙を含まない状態での原材料厚みを意味する。
本発明に係る人造皮革の特徴は、その「人造皮革の実質厚み」によって規定することが出来るが、その理由は下記の通りである。
即ち、目付け(M)が700g/mの人造皮革を加熱し、その加熱痕として内部口径(d)が2mmの円形貫通孔14を形成する場合に発生する熱溶融物の質量は、内部口径(d)が2mmの貫通孔を打ち抜いて発生する直径2mmの円形打抜破片の質量に等しくなる。その直径2mmの円形打抜破片の面積は、半径1mmの円形の面積であり、0.0314cmとなる。熱溶融物の容積は、直径2mmの円形打抜破片の容積に相当し、その容積は半径1mmの円形打抜破片の面積0.0314cmと人造皮革の実質厚み538μm(=0.0538cm)との積(1.193mm)(≒0.00168932cm)となる。
つまり、本発明の適用される人造皮革の窪み形成層の単位面積当たりの総質量である目付け(Q)は700g/mであり、本発明の適用される人造皮革に形成される陥没穴や貫通孔の最高口径は2mmであるから、本発明の適用される人造皮革に発生する熱溶融物は、寸法が1.193mm(≒1.2mm)の立方体に等しい形状になる。窪み形成層の目付け(Q)が700g/mで実質厚みが538μm(=0.538mm)で陥没穴や貫通孔が最高口径2mmの円筒形であれば、その高さが538μm(=0.538mm)で口径2mmの円筒形の肉厚(tmm)は0.6mmとなり、その円筒形は肉厚が口径の三分の一程度のリング形になり、陥没穴21や貫通孔14の内壁面18に触れることがあっても違和感を与えない。
陥没穴24や貫通孔14が人造皮革の触感風合いを左右するか否かは、その陥没穴24や貫通孔14を構成している熱溶融物15は、人造皮革の原材料である熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13によって組成され、その熱溶融物15の容積は、上記の通り内部空隙を含む人造皮革の厚みや嵩目付けによってではなく、陥没穴24や貫通孔14が形成されている窪み形成層を構成している熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13との質量を合計した目付け(Q)によって規定される。従って、本発明の人造皮革の特徴は、原材料合成繊維と原材料合成樹脂によって構成されていて陥没穴24や貫通孔14が形成されている窪み形成層の「実質厚み」によって規定することが出来る。
貫通孔14が形成されている人造皮革では、窪み形成層の厚みが人造皮革の実質厚みとなるが、貫通孔14ではなく、陥没穴24が形成されている人造皮革では、その窪み形成層の実質厚みは、人造皮革全体の厚み(t)の一部であり、全体の見掛けの厚み(T)と窪み形成層の見掛けの厚み(t)との比(t/T)として算定される(図6)。
同様に、陥没穴24が形成されている人造皮革の窪み形成層の目付け(Q)は、人造皮革全体の目付け(M)と人造皮革全体の見掛けの厚み(T)と窪み形成層の見掛けの厚み(t)との比(t/T)との積(M×t/T)として算定される(図6)。
それは、陥没穴24が形成されている人造皮革の触感風合いは、陥没穴24の穴底(25)以下にあって熱溶融物15を構成していない下層の熱可塑性合成繊維や熱可塑性樹脂に左右されないからである。
その陥没穴や貫通孔の内部口径(d)を1mm未満にすれば、その熱溶融物の容積は一層細かくなって、肌身に優しい人造皮革が得られることになる。
即ち、前記の通り、目付け(Q)が700g/mの人造皮革の陥没穴24の窪み形成層の実質厚みは概して538μmになる。そして直径1mmの円形打抜破片の面積は、半径0.5mmの円形の面積であり、0.0078cmとなる。その場合の熱溶融物の容積は、直径1mmの円形打抜破片の容積に相当し、その容積は半径05mmの円形打抜破片の面積(0.0078cm)と人造皮革の実質厚み(0.0538cm)との積(0.74mm)と更に微小になる。従って、本発明の人造皮革の陥没穴や貫通孔の内壁面18に触れることがあっても違和感を与えない。
加えて本発明の人造皮革では、陥没穴24や貫通孔14の周縁16は人造皮革の表面から窪んだ位置にあり、而も、その内部口径(d)は周縁16での周縁口径(D)から陥没穴24や貫通孔14の内部19に向けて漸次狭まっているので、陥没穴24や貫通孔14の内部を構成する熱溶融物15に直接肌身が触れることがなく、表面が平滑で肌触りがよく、通気性に優れ、衣料生地や椅子張り地、車両内装材に適した人造皮革が得られる。
更に熱溶融物15を微小にするためには窪み形成層の目付け(Q)を減らして600g/m以下に、更に好ましくは600g/m以下にし、人造皮革の実質厚みが概して460μm以下になるようにする。
本発明の人造皮革を構成する熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13は、陥没穴24や貫通孔14において冷却して硬化して周縁16・17と内壁面18を構成する熱溶融物15を介し、恰も鳩目で綴じ合わされたかのように強固に接合されるので、陥没穴24や貫通孔14において熱可塑性合成繊維11や熱可塑性樹脂13が解れ出すことはなく、耐久性に優れた人造皮革が得られる。
本発明によると、耐久性に優れ、伸縮性に富み、柔軟可撓で肌触りがよく、衣料生地として肌身によく馴染み、椅子張り地や車両内装材として曲面によく馴染んで張設し易い人造皮革が得られる。即ち、人造皮革の基材には、熱可塑性合成繊維11を素材とするものであれば、織地、編地および不織布の何れの布帛も使用することが出来る。
編地では、ニードルループ面とシンカーループ面が表裏しており、シンカーループ面では、編成(コース)方向にシンカーループがコースケージ毎(h)に隆起した凹凸面となるが、ニードルループ面では、シンカーループとニードルループを繋ぐ編糸が編成(コース)方向に続くループパイルのように並んで鎖編目を形成した平滑面となる。
このため、熱可塑性樹脂13の皮膜を編地12のニードルループ面に積層することによって、滑らかで感触のよい人造皮革を得ることが出来る。
人造皮革の基材に使用する不織布は、言わば洋紙や和紙の一種であり、洋紙や和紙に樹脂皮膜を積層すれば硬い厚紙になるように、不織布に樹脂皮膜を積層すれば形状安定性や寸法安定性は向上しても柔軟可撓な人造皮革は得られない。従って、人造皮革の基材に不織布を使用する場合は、不織布に熱可塑性樹脂13を含侵させるだけで樹脂皮膜を積層せずに使用することが推奨される。その場合、人造皮革の柔軟可撓性の点からして、不織布に含侵させる熱可塑性樹脂13としてはウレタン樹脂を使用することが推奨される。
又、人造皮革の柔軟可撓性の点からして、不織布には単繊維繊度0.25dtex未満の、好ましくは0.20dtex未満、更に好ましくは0.10dtex未満の極細熱可塑性合成繊維11、特に極細ポリエステル繊維を使用することが推奨される。
人造皮革の基材に使用する熱可塑性合成繊維11の単繊維繊度が太くなると、加熱されて溶融破断した破断繊維の先端に発生する熱溶融物15の溶融塊の粒径も太くなり、人造皮革に触れ合う衣類が引っ掛かって解れ易くなる。その衣類の解れを回避する上でも、人造皮革の基材には単繊維繊度0.25dtex未満、好ましくは0.20dtex未満、更に好ましくは0.10dtex未満の熱可塑性合成繊維11の使用が推奨される。
ポリエステル繊維の使用が推奨される理由は、第一には、ポリエステル繊維の熱溶融物15は、ポリアミド(ナイロン)やポリプロピレン、ポリエチレン等の他の合成繊維の熱溶融物に比して硬く、熱溶融物15による人造皮表裏の綴じ合わせ鳩目効果が高まること、第二には、ポリアミドやポリプロピレン、ポリエチレン等に比して融点が高く、陥没穴24や貫通孔14を形成する際の融点の温度管理がし易いことによる。
陥没穴24や貫通孔14によって表面に絵柄を点描するときは、いかにも陥没穴や通気孔を穿設したたのような堅苦しい印象を与えず、デザイン的にも優れた人造皮革を得ることが出来る。
本発明に係る緯編地を基材に使用した人造皮革の拡大平面図である。 図1に図示した人造皮革のX−X線での断面図である。 本発明に係る人造皮革の断面の顕微鏡写真の模写図である。 本発明に係る人造皮革の平面図である。 本発明に係る不織布を基材に使用した人造皮革の陥没穴での断面の顕微鏡写真の模写図である。 本発明に係る陥没穴を形成した人造皮革の平面図であり、一部を円で囲んで拡大して図示している。
陥没穴24や貫通孔14の形成は、レーザー光線照射装置を使用し、レーザー光線を人造皮革の表面に照射し、レーザー光線によって熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13を加熱して行う。
ところで、熱可塑性合成繊維の堆積層に火炎を放射すると陥没穴が発生し、そのまま放射すると穴底も燃焼して陥没穴は貫通孔となり、更に放射し続けると貫通孔は火炎が吹き抜ける口径の広いトンネルとなり、その出入口と内部の口径差は微小になる。
このことは熱可塑性合成繊維の堆積層にレーザー光線を照射する場合も同様であり、レーザー光線を長時間に亙って照射し続けると貫通孔14の周縁口径(D)と内部口径(d)の間に広狭差が消失して本発明の予期する人造皮革は得難くなる。
従って、本発明においてレーザー光線を照射して周縁16の周縁口径(D)と内部の口径(d)の間に広狭差のある陥没穴24や貫通孔14を穿設するためには、その陥没穴24や貫通孔14の輪郭が如何に微細であっても、その微細な輪郭をなぞって切り取るように、その微細な輪郭に沿ってレーザー光線を瞬時移動して照射する。
椅子張り地や車両内装材に使用する人造皮革では、熱可塑性樹脂13の皮膜の積層面側の周縁16の周縁口径(D)と貫通孔14の内部19の内部口径(d)の間に広狭差を大きくしたい場合は、熱可塑性樹脂13の皮膜の積層面よりも遅れてレーザー光線に加熱されることになる人造皮革の裏面や人造皮革の基材布帛12の裏面に水溶性樹脂組成物やエマルジョン樹脂組成物等のバッキング接着剤を裏打ちしておくとよい。
椅子張り地や車両内装材に使用する人造皮革では、それを基材に施工し易くする上でも裏面にバッキング接着剤を裏打ちしておくとよい。そのようにバッキング接着剤を裏打ちする上でも、又、基材に施工し易くする上でも、人造皮革の裏面には起毛処理を施しておくとよい。
本発明の人造皮革には、熱可塑性樹脂13を表面に積層した合成皮革(図3)と熱可塑性樹脂13を内部に染み込ませた人工皮革(図6)との双方が包含される。合成皮革でも人工皮革でもレーザー光線を表面に照射すると熱可塑性合成繊維11と熱可塑性樹脂13が一体化した熱溶融物15が照射箇所に発生し、その一体化した熱溶融物15に周縁16が縁取られ、周縁16が表面から窪んだ位置にあり、口径dが周縁16から内部19に向けて漸次狭まった所謂テーパー付きの陥没穴24や貫通孔14が発生するからである。
熱可塑性樹脂13を内部に染み込ませた人工皮革(図6)は、その表面に熱可塑性樹脂を積層した合成皮革(図3)に調製して本発明の人造皮革に使用することも出来る。
熱可塑性樹脂13には、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステルコーポリマー、ポリアミド(ナイロン)、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコーポリマー、エチレン塩化ビニルコーポリマー、エチレン酢酸ビニル塩化ビニルターポリマー、ポリウレタン、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタンコーポリマー、その他、合成ゴムや天然ゴムも使用することが出来る。
人造皮革の表面に点描する絵柄は、人造皮革の直交する縦寸法mと横寸法nがそれぞれ2cmの単位面積(4cm)の単位領域20a・20b・20c・20d………に分布する陥没穴24や貫通孔14a・14b・14c・14d………の開口面積Sa・Sb・Sc・Sd………の単位面積(4cm)に占める開口面積占有率を部分的に変え、その単位領域20a・20b・20c・20d………の開口面積占有率の相異(差異)によっで描出することが出来る。
人造皮革の表面に点描する絵柄は、その単位領域20a・20b・20c・20d………に分布する陥没穴24や貫通孔1,4a・14b・14c・14d………の開口面積Sa・Sb・Sc・Sd………を部分的に変え、その開口面積Sa・Sb・Sc・Sd………の相異(差異)によって描出することも出来る。
人造皮革の表面に点描する絵柄は、その単位領域20a・20b・20c・20d………に分布する陥没穴24や貫通孔14a・14b・14c・14d………の分布間隔を部分的に変え、その分布間隔の相異(差異)によって描出することも出来る。その絵柄は、幾何学的図形でも写実的絵画でも抽象的絵柄でもよく、人造皮革の表面の全体でも極一部に描出することも出来る。その絵柄の画素となる陥没穴24や貫通孔14の内部口径(d)は2mm以下にすべきであるが、絵柄の構図によっては陥没穴24や貫通孔14の個数の半分を超えない範囲において、好ましくは陥没穴24や貫通孔14の個数の2割以下となる範囲において、内部口径(d)が2mm以上4mm以下、好ましくは2mm以上3mm以下の陥没穴や貫通孔を形成することも可能である。
人造皮革の表面に点描する絵柄は、その単位領域20a・20b・20c・20d………に分布する陥没穴24や貫通孔14a・14b・14c・14d………を縁取る周縁16a・16b・16c・16d………の形状を部分的に変え、その周縁16a・16b・16c・16d………の形状の相異(差異)によって描出することも出来る(図4)。
本発明において、陥没穴24や實通孔14の内部口径(d)は、その内部の空隙を口径dの真円と仮定して成り立つ陥没穴24や貫通孔14の開口面積Sと内部口径(d)との関係式S=π×(d/2)によって算定される。
ここに、開口面積Sは、水平に支持された人造皮革を平面視して陥没穴の穴底25や貫通孔内部に透視して看視される貫通孔内部の空隙の面積を意味し、その空隙の面積は、その空隙を写し取った空隙の面積を実測して求められる。
前記の通り熱溶融物15を細かくするためには、布帛12の質量と熱可塑性樹脂13の皮膜の質量の合計値である窪み形成層の目付け(Q)を600g/m以下に、好ましくは500g/m以下にすることが望ましい。
単繊維繊度0.04dtexのポリエステル繊維に成る目付け172.5g/mのポリエステル繊維不織布にウレタン樹脂を57.5g/m(乾燥重量)を含侵させたダイアルシックネスゲージで測定される見掛け厚みが0.6mmであり、総目付けが230g/m、従って「実質厚み」が177μm(=230g/m÷1.3g/cm)の不織布(合成繊維製フェルト)を炭酸ガスレーザー光線照射装置に通し、微細な円形輪郭をなぞって切り取るようにレーザー光線を人工布帛原反に照射し、貫通孔分布密度4個/cm(単位領域内貫通孔分布個数16個/4cm)、貫通孔内部口径(d)0.86mm、貫通孔開口面積0.58mmの円形貫通孔を穿孔して人工皮革を仕上げた。
炭酸ガスレーザー光線照射装置には、最大出力600W〜1000W、平均出力10W〜330W、レーザー光線波長10.6μm、発振周波数25kHz以下、作動速度4000mm/min、ビームサイズ12±0.5mm、マーキング線太さ0.4/2mmののハイテック社製のレーザー光線照射装置「Biade RF−333」を使用した。
得られた人工皮革の単位領域(4cm)内に占める開口面積占有率は2.32%、JIS−L−1096(フラジールA法)による通気度は25.37cc/cm/sec、JIS−L−1096(カンチレバーA法)による剛軟度は6.4cmであり、レーザー光線に加熱されて発生した熱溶融物15は貫通孔14の周縁16から食み出て表面に突出しておらず、貫通孔14の口径dは人造皮革の表面の周縁16から陥没穴24の内部19に向けて漸次狭まっており、柔軟可撓で肌触りがよく、肌身によく馴染み、衣料布帛としての高品質を備えていた。
本発明の人造皮革は、衣料生地、椅子張り地、車両内装材のほか壁張地、家具表面材、表装材等化粧材に利用可能である。
d :内部口径
m :縦寸法
n :緯寸法
D :周縁口径
11:熱可塑性合成繊維
12:布帛
13:熱可塑性樹脂
14:貫通孔
15:熱溶融物
16:周縁
17:周縁
18:内壁面
19:内部
20:単位領域
24:陥没穴
25:穴底

Claims (4)

  1. (1) 熱可塑性合成繊維(11)に成る布帛(12)に熱可塑性樹脂(13)を付与して成る人造皮革の表面に内部口径(d)が0.3mm以上で2mm以下の陥没穴(24)が形成されており、
    (2) その陥没穴(24)の周縁(16)と内部の内壁面(18)が、熱可塑性合成繊維(11)と熱可塑性樹脂(13)との熱溶融物(15)によって構成されており、
    (3) 陥没穴(24)の周縁(16)が、人造皮革の表面から窪んだ位置にあり、
    (4) 陥没穴(24)の内部口径(d)が、人造皮革の表面の周縁(16)での周縁口径(D)から陥没穴(24)の内部(19)に向けて漸次狭まっている人造皮革。
  2. 陥没穴(24)が人造皮革の表裏に貫通した貫通孔(14)である請求項1に記載の人造皮革。
  3. 陥没穴(24)の形成されている人造皮革の窪み形成層を構成している熱可塑性合成繊維(11)の質量と熱可塑性樹脂(13)の質量の合計値として示される窪み形成層の単位面積当たりの総質量である目付け(Q)が700g/m以下である請求項1と2の何れかに記載の人造皮革。
  4. 陥没穴(24)によって表面に絵柄が点描されている請求項1と2と3の何れかに記載の人造皮革。
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