JP3122702U - 前あき型リバーシブルベスト - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な生地の複数を組合せ使用してかつリバーシブルで着用することにより、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感を相違せしめることができて、それにより、着用者が気温や室温等に応じて着分けをすることができる新規な前あき型リバーシブルベストを提供する。
【解決手段】縫製により形成された前あき型のベストであり、前見頃の一方の面1A(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、前身頃の他方の面1B(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃の一方の面(A面)を織物生地で形成するとともに、後身頃の他方の面1B(B面)を極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地で形成し、左右の前身頃にはスナップ釦を有する前あき型リバーシブルベスト。
【選択図】図1
【解決手段】縫製により形成された前あき型のベストであり、前見頃の一方の面1A(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、前身頃の他方の面1B(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃の一方の面(A面)を織物生地で形成するとともに、後身頃の他方の面1B(B面)を極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地で形成し、左右の前身頃にはスナップ釦を有する前あき型リバーシブルベスト。
【選択図】図1
Description
本考案は、前あき型リバーシブルベストに関する。
更に詳しくは、前あき型のリバーシブルベストであり、リバーシブルに使用した際に、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感が相違し、気温・室温に応じて着分けをすることができ、かつ、いずれの面を着用した場合でも着用時の見栄えの良いリバーシブルベストに関する。
更に詳しくは、前あき型のリバーシブルベストであり、リバーシブルに使用した際に、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感が相違し、気温・室温に応じて着分けをすることができ、かつ、いずれの面を着用した場合でも着用時の見栄えの良いリバーシブルベストに関する。
従来からリバーシブルに着用できる衣服については、種々のものが提案されている。
衣類をリバーシブルなものにする理由の一つは、一つの衣類でもファッション性の点で何通りかの着用の仕方ができるようにして着用者の欲求に応えることであり、例えば、一方の面と他方の面とで色彩や模様が相違するようにしてファッション性を上げて該欲求に応えるようにしたものなどが代表的な例である。
衣類をリバーシブルなものにする理由の一つは、一つの衣類でもファッション性の点で何通りかの着用の仕方ができるようにして着用者の欲求に応えることであり、例えば、一方の面と他方の面とで色彩や模様が相違するようにしてファッション性を上げて該欲求に応えるようにしたものなどが代表的な例である。
しかし、前あき型ベスト、特に、毛糸ニット製の前あき型ベストでなく、前後の身頃に織編物(以下、本発明では、織物あるいは編物を総称して「織編物」という)生地を使用して縫製して形成された前あき型ベストの場合には、一般に、該ベストは、背広上衣の内側に保温のためあるいは三つ揃いとしてのファッション性のために着用されるものであった。
すなわち、そのような織編物生地を縫製したベストの着用に際しては、暑いときには脱ぎ、寒いときには着用するというように着用かまたは非着用かという着方が主であって、そのようなベストを気温・室温に応じて表裏で相違するウォーム感に基づいて着分けるというような発想はなかった。特に、織編物生地を使用して縫製して形成された前あき型ベストでは、表裏間で生地使いは同一なものであって、一般にリバーシブル仕様のものはなく、まして、表裏でリバーシブルに着用した際に、表裏面間で着用者がウォーム感を相違して感ずるような生地使いのものは存在していなかった。
一方、リバーシブル着用をすることでウォーム感の相違を得ることをねらったものでないものとしては、例えば、前あき型のリバーシブルベストにおいて、表裏面で、シングルブレスト型とダブルブレスト型というようにスタイルで着分けができるようにした提案がある(特許文献1)。
しかし、この特許文献1において提案されているリバーシブルベストは、シングルとダブルという型の相違からのファッション性の付与を専らのねらいとしたものであり、特に、特別な生地の複数を組合せ使用した上でかつリバーシブルで着用することにより、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感を相違せしめて気温や室温等に応じて着分けをすることができるようにするという技術思想はないものであった。
また、左右一対の前身頃において、その前縁部の上下方向にそって開口させた複数ずつの釦ホールを左右対称形態に設け、かつ、該釦ホールに掛止め可能に並列して設けた複数の表裏一対の釦を設けて、前身頃の表裏両面には相違する色彩や柄模様を与えたというリバーシブルベストが提案されている(特許文献2)。
しかし、この特許文献2において提案されているリバーシブルベストは、単に、色彩や柄模様を前身頃の表裏面で相違させるという、ファッション性のみに着目して提案されたものであって、特に、特別な生地の複数を組合せ使用した上でかつリバーシブルで着用することにより、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感を相違せしめて気温や室温等に応じて着分けをすることができるようにするという技術思想は存在していないものであった。
特開平10−273807号公報
登録実用新案第3034157号公報
本考案の目的は、上述したような点に鑑み、特別な生地の複数を組合せ使用してかつリバーシブルで着用することにより、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感を相違せしめることができて、それにより、着用者が気温や室温等に応じて着分けをすることができるという新規な前あき型リバーシブルベストを提供することにある。
上述した目的を達成する本考案の前あき型リバーシブルベストは、以下の(1)の構成からなる。
(1)縫製により形成された前あき型のベストであり、前見頃の一方の面(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、該前身頃の他方の面(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃の一方の面(A面)を織物生地で形成するとともに、該後身頃の他方の面(B面)を極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地で形成し、左右の前身頃にはスナップ釦を有することを特徴とする前あき型リバーシブルベスト。
また、かかる本考案の前あき型リバーシブルベストにおいて、好ましくは、以下の(2)から(5)のいずれかに記載の具体的構成からなるものである。
(2)スナップ釦が、前記前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凸型スナップ釦と、前記前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凹型スナップ釦とからなることを特徴とする上記(1)記載の前あき型リバーシブルベスト。
(3)前記極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地が、繊度0.01〜1.1デシテックスの極細起毛または極細立毛繊維を目付100〜280g/m2 の範囲内で有するものであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の前あき型リバーシブルベスト。
(4)前身頃の一方の面(A面)が極細繊維を用いたスエード調の人工皮革生地で形成され、後身頃の一方の面(A面)がポリエステル織物を用いた裏地で形成され、前身頃の他方の面(B面)と後身頃の他方の面(B面)とが極細繊維立毛編物で形成されてなることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の前あき型リバーシブルベスト。
(5)前身頃の一方の面(A面)が極細繊維を用いたスエード調の人工皮革生地で形成され、後身頃の一方の面(A面)がポリエステル織物を用いた裏地で形成され、前身頃の他方の面(B面)と後身頃の他方の面(B面)とが極細繊維起毛織物で形成されてなることを特徴とする上記(1)、(2)または(3)記載の前あき型リバーシブルベスト。
請求項1にかかる本考案の前あき型リバーシブルベストによれば、特別な生地の複数を組合せ使用してかつリバーシブルで着用することにより、一方の面使いと他方の面使いとで着用者が受けるウォーム感を相違せしめることができて、それにより、着用者が気温や室温等に応じて着分けをすることができ、また、スナップ釦を用いたことにより釦穴が覗き見えることが皆無でありファッション性の上でも優れた新規な前あき型リバーシブルベストを提供することができるものである。
請求項2にかかる本考案の前あき型リバーシブルベストによれば、釦穴が存在せず、外観上、左右の前身頃の双方に釦穴が見えるなどのファッション性の上でのマイナス点がない優れた前あき型リバーシブルベストを提供することができる。
請求項3、4または5にかかる本考案の前あき型リバーシブルベストによれば、後身頃の一方の面に存在する極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地により、特に、該起毛または立毛面を人体側になるようにして着用することにより着用者により高度に暖かさを感じさせることができる点で優れた前あき型リバーシブルベストを提供することができる。
以下、図面等に基づいて、更に詳しく本考案の前あき型リバーシブルベストについて説明する。
本考案にかかる前あき型リバーシブルベストは、縫製により形成された前あき型のベストであり、前見頃の一方の面(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、該前身頃の他方の面(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃の一方の面(A面)を織物生地で形成するとともに、該後身頃の他方の面(B面)を極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地で形成し、左右の前身頃にはスナップ釦を有することを特徴とするものである。
図1は、本考案の前あき型リバーシブルベスト1の一実施態様例を説明する概略正面図であり、同図(a)は該ベスト1の一方の面Aを表にした場合、同図(b)は該ベストの他方の面Bを表にした場合をそれぞれ示し、本考案のベスト1は、リバーシブルで表面(A面またはB面)あるいは裏面(B面またはA面)のいずれも、着用者のその時々の好み・気分や、天候・屋外や室内の気温・湿度などに基づく意思に対応して、適宜に表側にして着用することができる。
ここで、図1(a)において、ベスト1は、一方の面1Aを表にして、左右の前身頃2と、後身頃B面13を着用者の背中側にして縫製されて形成されている。4はスナップ釦Cの装飾面であり、また、後身頃B面13の裏側(表の面側)は、後身頃A面12である。
図1(b)は、ベスト1は、一方の面1Bを表にして、左右の前身頃3と、後身頃A面12を着用者の背中側にして縫製されて形成されている。ここで、5はスナップ釦Dの装飾面であり、また、後身頃A面12の裏側(表の面側)は、後身頃B面13である。
図2は、図1に示した本考案の前あき型リバーシブルベスト1の釦を外した状態を説明する概略正面図であり、同図(a)は該ベストの一方の面Aを表にした場合、同図(b)は、該ベストの他方の面Bを表にした場合をそれぞれ示している。図2において、スナップ釦D(5)の裏面凹面あるいは裏面凸面7に対応してスナップ係合するのが、スナップ釦C(4)の裏面凸面あるいは裏面凹面6である。
本考案のリバーシブルベストは、前見頃の一方の面(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、該前身頃の他方の面(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成されるものであり、かつ、後身頃の一方の面(A面)は織物生地、該後身頃の他方の面(B面)は極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地で形成されて縫製されるものであり、 図3は、かかる本考案の前あき型リバーシブルベストを形成する複数生地の組合せの一実施態様例を説明するものであり、同図(a)はベストの一方の面(A面)を表にした場合、同図(b)は他方の面(B面)を表にした場合とを、それぞれ示したものである。
図3に示すように、例えば、一方の面(A面)の前身頃2を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成し、その裏面(B面)の前身頃3を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃のA面12は織物生地、該後身頃の他方の面(B面)13は極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地で形成されて縫製されるものである。
本考案の前あき型リバーシブルベストにおいて、特に、後身頃の他方の面(B面)を極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地で形成することが、良好なウォーム感を得る上で重要である。
本考案の前あき型リバーシブルベストにおいて、該極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物生地は、繊度0.01〜1.1デシテックスの起毛または立毛繊維を目付100〜280g/m2 の範囲内で有するものであることが、良好なウォーム感を着用者に与えることができるので好ましい。
該極細繊維は、ポリエステル系合成繊維を用いることが起毛繊維、立毛繊維が良好な体へたり性を示す上で好ましく、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、あるいはポリエステル系共重合繊維などを用いるのが好ましい。
スエード調の人工皮革生地、あるいは銀付き調の人工皮革生地は、それぞれ、極細繊維からなる不織布や編織物に、高分子弾性体樹脂を含浸あるいはコーティングして、バフィングしてスエード調に仕上げたり、あるいは、バフィングせずに銀付き調に仕上げた、従来から知られているものを使用することができる。具体的には、スエード調の人工皮革生地として東レ株式会社製の“エクセーヌ”(登録商標)等を使用することができる。
また、極細繊維起毛または極細繊維立毛織編物は、東レ株式会社製の極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)等や、東レ株式会社製の極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)等を使用することができる。
後身頃のA面12の織物生地は、極細繊維を用いた織物生地でもよく、あるいは、通常の繊度の繊維を用いた織物生地のいずれでもよい。
本考案のリバーシブルベストにおいて、スナップ釦4、5は、左右のそれぞれの前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凸型スナップ釦と、前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凹型スナップ釦とからなることが好ましい。そのいずれの前身頃に凸型スナップ釦を用いて、他方の前身頃に凹型スナップ釦を用いるかは、特に限定されるものではなく、要は、左右の前身頃で、いずれか一方が凹型スナップで他方がそれに係止する凸型スナップであればよい。
図4は、スナップ釦を使用せずに、左右の前身頃に開けられた釦穴に通常の構造(表面が飾り面で、裏面に糸係止穴を有する構造)の釦を留めるようにした、本考案以外の前あき型リバーシブルベストの態様例を説明する概略正面図であり、同図(a)は該ベストの一方の面(A面)を表にした場合、同図(b)は該ベストの他方の面(B面)を表にした場合を、それぞれ示したものである。 図5は、図4に示した本考案以外の前あき型リバーシブルベストの釦を外した状態を説明する概略正面図であり、同図(a)は該ベストの一方の面(A面)を表にした場合、同図(b)は、該ベストの他方の面(B面)を表にした場合を、それぞれ示したものである。これら図4、図5において、8は釦(A面釦)、9は釦(B面釦)、10および11は釦穴、12は後身頃A面、13は後身頃B面である。
本考案において、生地とは、繊維もしくは繊維糸からなるシート状のものであって、織物、編物、あるいは不織布からなるもの、あるいはそれらの複数を組合わせてシート状にしてなるものなどのいずれであってもよく、要は、各身頃の縫製パーツ型を裁断することができて、かつ縫製することができるものをいうものである。したがって、セーターニットなどでベストを直接編み上げるものは本考案に含まれない概念である。
本考案のリバーシブルベストを得る際に、複数の生地パーツを重ねる場合は、それらを重ね合わせて縫製するか、あるいは、適宜の接着性樹脂などの接着剤などを用いて重ね合わせることにより行うことができる。
本考案に用いられる極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地は、例えば、以下の方法で製造することができる。すなわち、通常の方法で海島型複合繊維を製造し、適当な長さの短繊維にカットした後、ウェブを形成する。このウェブをニードル(針)を用いてパンチングして繊維を交絡させて不織布を作成する(ニードルパンチング法)。その後、海島型複合繊維の海成分をアルカリ処理等により溶出して繊維を極細化した後、例えば、ポリウレタンなどの高分子弾性体樹脂を含浸付与して高分子弾性体樹脂含浸極細繊維不織布を作成する。さらに、この高分子弾性体樹脂含浸極細繊維不織布を用いて、その外観・風合い・触感をスエード調もしくは銀付き調の皮革のようにするために、表面をバフィング処理(起毛処理)したり、あるいは銀面様にする型押し加工等をすることにより得ることができる。
また、本考案に用いられる極細繊維起毛織編物は、例えば、通常の方法で海島型複合繊維糸を用いて製織もしくは製編し、その織編物を起毛ローラー等を用いた起毛処理に供することにより得ることができる。
また、本考案に用いられる極細繊維立毛織編物は、例えば、通常の方法で得られた海島型複合繊維糸を接結パイル糸に用いて二重接結パイル織編物を製造し、しかる後、該接結パイル糸をカットして立毛織編物を得て後、海島型複合繊維の海成分をアルカリ処理等により溶出して繊維を極細化することにより製造することができる。
実施例1
ベストの前身頃A面に東レ株式会社製の“エクセーヌ”(登録商標)生地を用い、後身頃A面には通常の繊度のポリエステル繊維使いの織物裏地生地を用いて、また、前身頃B面は東レ株式会社製の極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)生地を用い、後身頃B面にも東レ株式会社製の極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)生地を用いた組合せにして、図1、図2に概要を示した形状の本考案にかかる前あき型リバーシブルベストを縫製した。
ベストの前身頃A面に東レ株式会社製の“エクセーヌ”(登録商標)生地を用い、後身頃A面には通常の繊度のポリエステル繊維使いの織物裏地生地を用いて、また、前身頃B面は東レ株式会社製の極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)生地を用い、後身頃B面にも東レ株式会社製の極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)生地を用いた組合せにして、図1、図2に概要を示した形状の本考案にかかる前あき型リバーシブルベストを縫製した。
後身頃B面に用いた極細繊維立毛編物“サミアソフィ”(登録商標)生地は、マイクロファイバーからなるものであり、極細繊維の立毛繊維が200g/m2 のものである。
このとき、釦は、裏面が凹面で表面が装飾面であるスナップ釦Cを左前身頃A面に縫着し、裏面が凸面で表面が装飾面であるスナップ釦Dを右左前身頃A面に縫着した。
スナップ釦のそれぞれは、釦表面の装飾面と、釦裏面の凸面あるいは凹面とで、身頃生地をその中間に挟んで、表裏にそれぞれ顕出している構成にしたものである。
こうして得られたリバーシブルベストについて、パネラー10人に5日間(昼間のみ1日8時間ずつ)にわたり着用してもらい、その着用感と、リバーシブル構造であることによる利便性・利点について評価を求めたところ、パネラー10人の全員が、室温や気温の高低に対応してベストを表裏面で着分けることが予想以上に効果的であり、室温や気温の高低変化がたとえあっても、それに対応して着分けをすれば、着用者はウォーム感を一定のレベル内に感じることが可能な、高機能性を有するベストであるとの評価であった。
実施例2
ベストの前身頃A面に東レ株式会社製の“エクセーヌ”(登録商標)生地を用い、後身頃A面には通常の繊度のポリエステル繊維使いの織物裏地生地を用いて、また、前身頃B面は東レ株式会社製の東レ株式会社製の極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)生地を用い、後身頃B面にも東レ株式会社製の極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)生地を用いた組合せにして、図1、図2に概要を示した形状の本考案にかかる前あき型リバーシブルベストを縫製した。
ベストの前身頃A面に東レ株式会社製の“エクセーヌ”(登録商標)生地を用い、後身頃A面には通常の繊度のポリエステル繊維使いの織物裏地生地を用いて、また、前身頃B面は東レ株式会社製の東レ株式会社製の極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)生地を用い、後身頃B面にも東レ株式会社製の極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)生地を用いた組合せにして、図1、図2に概要を示した形状の本考案にかかる前あき型リバーシブルベストを縫製した。
後身頃B面に用いた極細繊維起毛織物“サミア”(登録商標)生地は、マイクロファイバーからなるものであり、極細繊維の起毛繊維が200g/m2 のものである。
このとき、釦は、裏面が凹面で表面が装飾面であるスナップ釦Cを左前身頃A面に縫着し、裏面が凸面で表面が装飾面であるスナップ釦Dを右左前身頃A面に縫着した。
実施例1と同様に、スナップ釦のそれぞれは、釦表面の装飾面と、釦裏面の凸面あるいは凹面とで、身頃生地をその中間に挟んで、表裏にそれぞれ顕出している構成にしたものである。
こうして得られたリバーシブルベストについても、実施例1と同様に、パネラー10人に5日間(昼間のみ1日8時間ずつ)にわたり着用してもらい、その着用感と、リバーシブル構造であることによる利便性・利点について評価を求めたところ、パネラー10人の全員が、室温や気温の高低に対応してベストを表裏面で着分けることが予想以上に効果的であり、室温や気温の高低変化がたとえあっても、それに対応して着分けをすれば、着用者はウォーム感を一定のレベル内に感じることが可能な、高機能性を有するベストであるとの評価であった。
1:ベスト
1A:ベストA面
1B:ベストB面
2:前身頃A面
3:前身頃B面
4:スナップ釦Cの装飾面
5:スナップ釦Dの装飾面
6:スナップ釦C(4)の裏面凸面あるいは裏面凹面
7:スナップ釦D(5)の裏面凹面あるいは裏面凸面
8:釦(A面釦)
9:釦(B面釦)
10:釦穴
11:釦穴
12:後身頃A面
13:後身頃B面
1A:ベストA面
1B:ベストB面
2:前身頃A面
3:前身頃B面
4:スナップ釦Cの装飾面
5:スナップ釦Dの装飾面
6:スナップ釦C(4)の裏面凸面あるいは裏面凹面
7:スナップ釦D(5)の裏面凹面あるいは裏面凸面
8:釦(A面釦)
9:釦(B面釦)
10:釦穴
11:釦穴
12:後身頃A面
13:後身頃B面
Claims (5)
- 縫製により形成された前あき型のベストであり、前見頃の一方の面(A面)を極細繊維を用いたスエード調もしくは銀付き調の人工皮革生地で形成するとともに、該前身頃の他方の面(B面)を極細繊維を用いた織編物生地で形成し、かつ、後身頃の一方の面(A面)を織物生地で形成するとともに、該後身頃の他方の面(B面)を極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地で形成し、左右の前身頃にはスナップ釦を有することを特徴とする前あき型リバーシブルベスト。
- スナップ釦が、前記前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凸型スナップ釦と、前記前身頃生地を挟んで両面から打込み固着されてなる凹型スナップ釦とからなることを特徴とする請求項1記載の前あき型リバーシブルベスト。
- 前記極細繊維起毛織編物または極細繊維立毛織編物生地が、繊度0.01〜1.1デシテックスの極細起毛または極細立毛繊維を目付100〜280g/m2 の範囲内で有するものであることを特徴とする請求項1または2記載の前あき型リバーシブルベスト。
- 前身頃の一方の面(A面)が極細繊維を用いたスエード調の人工皮革生地で形成され、後身頃の一方の面(A面)がポリエステル織物を用いた裏地で形成され、前身頃の他方の面(B面)と後身頃の他方の面(B面)とが極細繊維立毛編物で形成されてなることを特徴とする請求項1、2または3記載の前あき型リバーシブルベスト。
- 前身頃の一方の面(A面)が極細繊維を用いたスエード調の人工皮革生地で形成され、後身頃の一方の面(A面)がポリエステル織物を用いた裏地で形成され、前身頃の他方の面(B面)と後身頃の他方の面(B面)とが極細繊維起毛織物で形成されてなることを特徴とする請求項1、2または3記載の前あき型リバーシブルベスト。
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