JP2020200622A - 内装用表面材 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供する。【解決手段】粒子を含有するプリントを繊維集合体の少なくとも一方の主面上に備えた、内装用表面材であって、主面上に非連続的に存在するプリントを備えていると共に、表面粗さ(SMD)が2.75μm以上のプリントが存在している側の主面を有していて、皮シボ模様など非連続的に存在するプリントを主面上に備え、敢えて主面を表面粗さ(SMD)が大きい粗いものにすることで、錯覚により植え付けられ無意識に想像していた触感と、実際に主面を触り得られた触感との間に発生するギャップを小さくでき、具体的には、表面粗さ(SMD)が2.75μm以上のときに、ギャップを小さくできる。【選択図】図1

Description

本発明は内装用表面材に関する。
本願出願人は、構成部材として繊維集合体(例えば、繊維ウェブ、不織布、織物、編物など)を備える内装用表面材について、意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供するため検討を続けてきた。
そして、検討を続ける中で「繊維集合体の少なくとも一方の主面上にプリント層を備えた内装用表面材であって、前記内装用表面材における前記プリント層が露出している主面の表面粗さ(SMD)は2.71μm未満」であるという構成、ならびに、「プリント層は中空粒子を含有している」という構成を満足する内装用表面材(特許文献1)を提案した。本構成の内装用表面材では、プリント層が露出している主面の表面粗さ(SMD)が小さく主面が平滑であるため、触感が向上しているものであった。
国際公開2018/212245号パンフレット
しかしながら、特許文献1にかかる内装用表面材と同様に、粒子を含有するプリントを繊維集合体の少なくとも一方の主面上に備えた内装用表面材において、意匠性を向上させるためプリントを皮シボ模様など非連続的に存在させた場合(プリントが非連続的に存在している場合)、プリントが存在している側の主面の触感がなぜか劣るという問題が発生した。その結果、意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供できなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、意匠性と触感に優れる内装用表面材の提供を目的とする。
本発明は「粒子を含有するプリントを繊維集合体の少なくとも一方の主面上に備えた、内装用表面材であって、前記プリントは前記主面上に非連続的に存在しており、内装用表面材における前記プリントが存在している側の主面の表面粗さ(SMD)は2.75μm以上である、内装用表面材。」である。
本発明は、粒子を含有するプリントを繊維集合体の少なくとも一方の主面上に備えた、内装用表面材であって、主面上に非連続的に存在するプリントを備えていると共に、表面粗さ(SMD)が2.75μm以上の主面(内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面)を有している。
これまで、プリントが存在している側の主面における表面粗さ(SMD)が小さいことは、当該主面が平滑であり触感の向上に寄与し得るものであると考えられてきた。しかし、本願出願人が検討した結果、内装用表面材が主面上に非連続的に存在するプリントを備えている場合、表面粗さ(SMD)の小ささは触感の向上に寄与しないことを見出した。
この理由は完全に解明できてはいないが、次の理由によるものだと考えられる。
つまり、皮シボ模様など非連続的に存在するプリントを主面上に備えた当該内装用表面材を人が目にした時、非連続的に存在するプリントによって当該主面に凹凸が存在するように錯覚する。その後、人が当該主面を触った際に当該主面が平滑(表面粗さ(SMD)が小さい)であると、錯覚により植え付けられ無意識に想像していた触感(凹凸があり平滑ではないと想像していた触感)と、実際に当該主面を触り得られた触感との間にギャップが発生する。その結果、発生したギャップによって、当該主面の触感が想像していたものと異なり違和感を感じ、触感に劣ると人は判断する。
一方、本発明は、皮シボ模様など非連続的に存在するプリントを主面上に備えた当該内装用表面材において、敢えて当該主面を粗い(表面粗さ(SMD)が大きい)ものにすることで、錯覚により植え付けられ無意識に想像していた触感と、実際に当該主面を触り得られた触感との間に発生するギャップを小さくできる。具体的には、表面粗さ(SMD)が2.75μm以上のときに、当該ギャップを小さくできる。
以上から、本発明によって、意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供できる。
プリントまたは樹脂層の模様(非連続的に存在してなる皮シボ模様)であって、図中の黒色部分がプリントまたは樹脂層の存在する部分である。 プリントまたは樹脂層の別の模様(非連続的に存在してなる別の模様)であって、図中の黒色部分がプリントまたは樹脂層の存在する部分である。 プリントまたは樹脂層の更に別の模様(非連続的に存在してなる更に別の模様)であって、図中の黒色部分がプリントまたは樹脂層の存在する部分である。 プリントまたは樹脂層の更に別の模様(非連続的に存在してなる更に別の模様)であって、図中の黒色部分がプリントおよび/または樹脂層の存在する部分である。 プリントまたは樹脂層の更に別の模様(非連続的に存在してなる更に別の模様)であって、図中の黒色部分がプリントまたは樹脂層の存在する部分である。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。また、例示する各種の下限値と上限値は、所望により、任意に組み合わせることができる。
本発明の内装用表面材は繊維集合体とその一方の主面上にプリントを備えた構造を有している。
本発明でいう繊維集合体とは、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛である。本発明の内装用表面材は、繊維集合体(特に、不織布)を含んでいるため柔軟であり、人に抵抗感やヌメリ感を与えることで、しっとり感が高いなど、より触感に優れる内装用表面材となる。なお、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる繊維集合体(特に、不織布)を備えた内装用表面材は、より柔軟であり、人に抵抗感やヌメリ感を与えることで、しっとり感が高いなど、更に触感に優れていて好ましい。
また、本発明の内装用表面材は、繊維集合体を含んでいるため、柔軟で金型への追従性に優れる。特に、本発明の内装用表面材を構成する繊維集合体が不織布(特に、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)であると、更に柔軟で金型への追従性に優れ好ましい。
繊維集合体の構成繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機樹脂を用いて構成できる。
なお、これらの有機樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の有機樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。また、顔料を練り込み調製された繊維や、染色された繊維などの原着繊維であってもよい。
なお、内装用表面材に難燃性が求められる場合には、繊維集合体の構成繊維が難燃性の有機樹脂を含んでいるのが好ましい。このような難燃性の有機樹脂として、例えば、モダアクリル樹脂、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、リン化合物を共重合したポリエステル樹脂、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル樹脂、アラミド樹脂、ハロゲン系やリン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込んだ樹脂などを挙げることができる。また、バインダ等を用いることで難燃剤を担持した内装用表面材であってもよい。
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
構成繊維は、一種類の有機樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の有機樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の有機樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
繊維集合体が構成繊維として熱融着性繊維を含んでいる場合には、繊維同士を熱融着することによって、繊維集合体に強度と形態安定性を付与し、毛羽立ちや繊維の飛散を抑制でき好ましい。このような熱融着性繊維は、全融着型の熱融着性繊維であっても良いし、上述した複合繊維のような態様の一部融着型の熱融着性繊維であっても良い。熱融着性繊維において熱融着性を発揮する成分として、例えば、低融点ポリオレフィン系樹脂や低融点ポリエステル系樹脂を含む熱融着性繊維などを適宜選択して使用することができる。
繊維集合体が捲縮性繊維を含んでいる場合には、伸縮性が増して金型への追従性に優れ好ましい。このような捲縮性繊維として、例えば、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現した捲縮性繊維やクリンプを有する繊維などを使用することができる。また、繊維集合体が加熱することで捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
繊維集合体が繊維ウェブや不織布である場合、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは接着繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
使用可能なバインダの種類は適宜選択するが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体(スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、アクリル系樹脂などを使用できる。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。
繊維集合体に含まれるバインダの目付は適宜選択する。具体的にバインダの目付は2g/m以上であることができる。また、バインダの目付は50g/m以下であることができ、30g/m以下であることができ、20g/m以下であることができる。
繊維集合体が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維集合体を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
繊維集合体の構成繊維の繊度は特に限定するものではないが、剛性に優れる内装用表面材を提供できるように、1dtex以上であることができ、1.5dtex以上であることができ、2dtex以上であることができる。他方、地合いに優れる内装材を調製可能な内装用表面材となるように、100dtex以下であることができ、50dtex以下であることができ、30dtex以下であることができ、10dtex以下であることができる。
また、繊維集合体の構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、剛性の観点から、20mm以上であることができ、25mm以上であることができ、30mm以上であることができる。他方、繊維長が110mmを超えると、繊維集合体の調製時に繊維塊が形成される傾向があり、地合いに優れる内装用表面材の提供が困難となるおそれがあることから、110mm以下であることができ、60mm以下であることができる。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
繊維集合体の、例えば、厚さ、目付などの諸構成は、特に限定されるべきものではなく適宜調整する。
繊維集合体の厚さは、0.5〜5mmであることができ、1〜3mmであることができ、1.1〜1.9mmであることができる。なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cm圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいう。
また、繊維集合体の目付は、例えば、50〜500g/mであることができ、80〜300g/mであることができ、100〜250g/mであることができる。なお、本発明において目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1mあたりの質量をいう。
本発明でいうプリントとは、繊維集合体の少なくとも一方の主面上に存在する、プリント樹脂を含有する層を指す。また、本発明の内装用表面材において、プリントは粒子を含有している。プリントを構成するプリント樹脂は、繊維集合体の少なくとも一方の主面上に粒子を担持する役割を担うことのできる樹脂であり、上述したバインダと同様の樹脂を採用することができる。特に、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供できることから、プリントを構成するプリント樹脂がアクリル系樹脂を含んでいるのが好ましく、プリントを構成するプリント樹脂がアクリル系樹脂のみであるのがより好ましい。
なお、内装用表面材の主面上にプリントが非連続的に存在することが明確であるよう、内装用表面材におけるプリントが存在する主面(例えば、繊維集合体におけるプリントが存在する側の主面)の色と、プリントの色が異なり構成された内装用表面材であるのが望ましい。
粒子を構成する成分、粒子の形状などの各構成は適宜選択できる。粒子を構成する成分は、繊維集合体の構成繊維を構成可能であると例示した有機樹脂や、シリカなどの無機成分であってもよい。
粒子の形状は、球状、楕円球状などの略球状、繊維状、多角形形状、不定形形状などであることができるが、プリント中に均一に粒子が分散可能であることで、より意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供できることから、粒子は球状や略球状であるのが好ましい。
粒子の平均粒子径は求める意匠性や触感に合わせ適宜選択できるが、非特許文献「渡辺信一 他「触感覚による粒子群の認識と言語評価」、精密工学会誌、出版年月:2005.11、Vol.71、PP1421−1425」に開示されている、平均粒子径が106μmの粒子、および、それよりも平均粒子径が小さい粒子は、人の指の指紋にひっかかり易いという知見から、当該粒子の存在によってぬめり感に優れ触感に優れる主面を備えた内装用表面材を提供し易いことから、平均粒子径が106μm以下の粒子を採用するのが好ましい。
粒子の平均粒子径が小さいほど、より人の指の指紋の中に入り込み人の指の指紋にひっかかり易いことから、平均粒子径は106μm以下であるのが好ましい。なお、平均粒子径の下限は適宜選択できるが、30μm以上であるのが現実的である。また、前記非特許文献によれば、粒子の平均粒子径が余りにも小さい場合には、人が該主面に露出している粒子を触った際に覚える感覚が鈍いものとなり、触感の向上効果が意図せず低くなる恐れがあることから、粒子の平均粒子径は35μmよりも大きいのが好ましい。
なお、本発明において粒子の平均粒子径は以下の方法で算出される値をいう。
(平均粒子径の算出方法)
(1)室温(25℃)雰囲気下に置いた複数の粒子の200倍の光学顕微鏡写真を撮影する、あるいは、室温(25℃)雰囲気下に置いた内装用表面材の両主面の200倍の光学顕微鏡写真を各々撮影する。
(2)撮影した写真のうち粒子の存在が認められた写真から、ランダムに10個の粒子を選出する。
(3)選出した10個の粒子の粒子径を各々算出し、算出した値の平均値を平均粒子径とする。なお、写真に写る粒子の面積と同じ面積を有する円の直径を算出し、その直径の値を粒子の粒子径とみなす。
プリントに含有されている粒子の粒子径における変動係数(以降、CV値と略称することがある)は、適宜選択できるが、CV値が小さいほど粒子の分布が狭いことで、より意匠性と触感に優れる内装用表面材を意図したとおり効率良く提供することができる。そのため、粒子の粒子径におけるCV値は、17%以下であるのが好ましく、16%以下であるのが好ましい。なお、粒子の粒子径におけるCV値の下限は適宜選択できるが、理想的には0%である。
粒子は中実粒子あるいは中空粒子のいずれでもよいが、人が主面を触った際にプリント中の粒子が粒子径方向へ変形し易いことで、ぬめり感に優れ触感に優れる内装用表面材を提供し易いことから、中空粒子を採用するのが好ましい。なお、粒子が中空粒子である場合、粒子径方向へ変形し易い中空粒子であるよう、中空粒子を構成する成分は有機樹脂を含んでいるのが好ましい。また、中空粒子として、有機樹脂と無機成分を含んだ構成を備える中空粒子を採用すると、分散媒に中空粒子が均一に分散してなる塗布液を調製し易くなる。その結果、該塗布液を用いることで、中空粒子が均一に分布してなるプリントを備えることで、より意匠性と触感に優れる内装用表面材を意図したとおり効率良く提供でき好ましい。
更に、内装用表面材の調製工程における加熱工程において、中空粒子が意図せず膨張すると、意図したプリントを備える内装用表面材を提供することが困難となる恐れがある。そのため、内装用表面材の調製工程における加熱温度範囲内で、粒子径が変化し難い中空粒子であるのが好ましく、具体的には、加熱温度150℃雰囲気下であっても粒子径が変化し難い中空粒子であるのが好ましい。
中空粒子の熱膨張率は、内装用表面材を構成可能な中空粒子、あるいは、内装用表面材から採取した中空粒子の、加熱温度(150℃)雰囲気下および室温(25℃)雰囲気下における平均粒子径の各値から算出することができる。つまり、室温(25℃)雰囲気下における中空粒子の平均粒子径に対する、加熱温度(150℃)雰囲気下における中空粒子の平均粒子径の百分率を算出することで、中空粒子の熱膨張率を算出することができる。具体的には、熱膨張率が100%に近い(80%以上120%以下、好ましくは、85%以上115%以下)中空粒子であるのが好ましい。
本発明の内装用表面材を構成するのに適する、上述の物性を満たす中空粒子の具体例として、松本油脂製薬株式会社のMFL−81GTA、MFL−81GCA、MFL−SEVEN、MFL−HD30CA、MFL−HD60CA、MFL−100MCA、MFL−110CALなどを挙げることができる。これらの中空粒子は、アクリルニトリル系コポリマーからなる中空微小球の表面を不活性無機紛体(例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン)でコーティングしたものである。
プリントが粒子を含有するその態様は適宜選択でき、プリントの主面上のみに粒子が存在している態様や、プリントの内部および主面上に粒子が存在している態様であることができる。
なお、プリントの主面上に粒子が存在している態様として、例えば、プリントの主面上にプリント樹脂によって粒子が接着担持されている態様や、プリントの主面に粒子の一部がめり込むことで担持されている態様などであることができる。そして、プリントの主面上に粒子の一部が露出する態様であることができる。
プリントは多種類の粒子を含有していても良いが、抵抗感やヌメリ感を与えることで、しっとり感が高いなど、より触感に優れる内装用表面材を提供できるよう、粒子として上述した構成を備えた中空粒子のみを含有するプリントを備えた内装用表面材であるのが好ましい。特に、上述した効果が効率良く発揮された内装用表面材を提供できるよう、粒子として本発明にかかる中空粒子を一種類のみ含有するプリントを備えた内装用表面材であるのが、より好ましい。
プリントに含有されている粒子の量は適宜選択するが、15g/m以下であることができ、12g/m以下であることができ、9g/m以下であることができる。一方、含有量の下限値は適宜調整するが、本発明に係る特性を有する内装用表面材を提供できるよう、0.1g/mよりも多いのが好ましく、0.3g/mよりも多いのが好ましい。
プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率は適宜調整できるが、25質量%よりも多いのが好ましい。該百分率が25質量%よりも多いことによって、抵抗感やヌメリ感を感じることによるしっとり感が高いという感覚を人に与え、より触感に優れる内装用表面材を提供できる。そのため、該百分率は28質量%以上であるのが好ましく、28質量%よりも多いのが好ましく、30質量%以上であるのが好ましく、30質量%よりも多いのが好ましく、35質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのが好ましい。また、該百分率の上限値は適宜選択でき、400質量%以下であることができ、200質量%以下であることができ、100質量%以下であることができる。
なお、プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率は、以下の方法で算出した値の小数点以下を四捨五入して算出できる。
A=100×B/C
A:プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)
B:プリントを構成する粒子の固形分質量(単位:g/m
C:プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量(単位:g/m
なお、内装用表面材が備えているプリントを構成している、粒子およびプリント樹脂の固形分質量を測定することが困難である場合には、内装用表面材の製造工程においてプリントを構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与した、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、プリント樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。あるいは、内装用表面材の製造工程においてプリントを構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与する、プリントを構成する粒子とプリント樹脂を含有する塗布液中の、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、プリント樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリントを構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。
なお、プリントはそのプリント樹脂と粒子以外に、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。
本発明の内装用表面材では、プリントが内装用表面材の主面上に非連続的に存在していることを特徴とする。ここでいう「非連続的」とは、内装用表面材の主面上に存在する全てのプリント同士が接触していない状態を意味する。つまり、内装用表面材の主面上に、プリントが存在していない部分により周囲の輪郭が形成されてなるプリントが存在している状態を意味する。具体例として、皮シボ模様やドット状の模様などでプリントが存在している態様を例示できる。一方、内装用表面材の主面全てを覆うようにプリントが存在している場合(プリントがベタ印刷されている場合)、当該プリントは内装用表面材の主面上に連続的に存在しているものである。
本願発明にかかる内装用表面材は、主面上に非連続的に存在するプリントを備えた内装用表面材であることによって、金型を用いたヒートプレス等の熱成型へ供した場合であっても、当該プリントにひび割れが発生するのを防止できる。その結果、意匠性と触感に優れる内装材を容易に提供できるという副次的な効果を発揮する。一方、主面全てを覆うように存在するプリントを備えた内装用表面材を、金型を用いたヒートプレス等の熱成型へ供すると、当該プリントにひび割れが発生し易い。その結果、意匠性と触感に優れる内装材を提供することが困難である。
なお、プリントは一種類のプリント樹脂を含有する層を備えていても、複数種類のプリント樹脂を含有する層を備えていてもよい。また、これらのプリント樹脂を含有する層を一層備える内装用表面材であっても、これらのプリント樹脂を含有する層を複数層備える内装用表面材であっても良い。具体例として、柄あるいはプリント樹脂や含有物が同一あるいは異なるプリントを複数備えていても良い。
なお、プリントは繊維集合体の一方の主面上に存在するのであれば、繊維集合体の両主面上にプリントが存在していても良く、繊維集合体の露出面全てにプリントが存在していても良い。また、プリントは繊維集合体の主面上にのみ存在する態様以外にも、プリントを構成する成分の一部が繊維集合体を構成する構成繊維間に侵入している態様であってもよい。
プリントの目付は適宜選択するが、例えば、0.5〜50g/mであることができ、1〜30g/mであることができる。
本発明の内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面の表面粗さ(SMD)は2.75μm以上である。なお、表面粗さ(SMD;surface roughness)は表面試験機(KES−FB4、カトーテック株式会社製)を用いて測定される値であり、表面材の試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、粗さ接触子(0.5mmワイヤー、接触面幅:5mm)に10.0gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定された表面の凹凸データの平均偏差(average deviation of surface roughness data)を意味し、単位はμmである。
表面粗さは文字通り、主面における凹凸、つまり主面の平滑性を示す指標である。本発明者は、本発明にかかるプリントを主面上に備える内装用表面材において、プリントが存在している側の主面の表面粗さ(SMD)が2.75μm以上であるときに、意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供できることを見出した。
表面粗さ(SMD)の値が大きい方が、当該ギャップを小さくできる傾向があり、意匠性と触感に優れる内装用表面材を提供し易いことから、表面粗さ(SMD)は2.80μm以上であるのが好ましい。なお、表面粗さ(SMD)の上限値は特に限定するものではない。しかし、表面粗さ(SMD)が過剰に高い値である場合、錯覚により植え付けられ無意識に想像していた触感と、実際に当該主面を触り得られた触感との間に新たなギャップが発生する恐れがあることから、表面粗さ(SMD)は4.5μm以下であるのが好ましい。
本発明の内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面は、触感に優れる内装用表面材を提供できるよう、表面粗さ(SMD)以外にも、平均摩擦係数(MIU)や平均摩擦係数の変動(MMD)の値を適宜調整できる。
平均摩擦係数(MIU)は主面の柔軟性を示す指標である。なお、平均摩擦係数(MIU;frictional coefficient)は、表面試験機(KES−FB4)を用いて測定されるμ(摩擦係数)の20mm間の平均値(average value of μ in a distance of 20 mm)であり、次に説明する平均摩擦係数の変動(MMD)を測定する条件と同じ条件で測定された平均値を意味する。
内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面の平均摩擦係数(MIU)が高いほど、当該主面は柔軟性に冨み、より優れた触感となる傾向があるため、平均摩擦係数(MIU)は0.27以上であるのが好ましく、0.30以上であるのが好ましく、0.34以上であるのがより好ましい。一方で、平均摩擦係数(MIU)の値が大き過ぎると、摩擦抵抗が強過ぎて、逆に触感を損なう恐れがあるため、1.6以下であるのが好ましい。
平均摩擦係数の変動(MMD)は主面の均一性を示す指標である。なお、平均摩擦係数の変動(MMD;fluctuations of average frictional coefficient)は表面試験機(KES−FB4)を用いて測定される値であり、表面材の試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、摩擦子(10mm×10mm)に50gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定されたμ(摩擦係数)の平均偏差を意味する。
内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面の平均摩擦係数の変動(MMD)が小さいほど、当該主面は均一性に冨む。その値は適宜調整するものであるが、平均摩擦係数の変動(MMD)は0〜0.070の範囲であることができ、0.010〜0.060の範囲であることができ、0.015〜0.050の範囲であることができる。
内装用表面材の厚さは適宜選択するが、2.5mm以下であることができ、2.0mm以下であることができ、1.4mm以下であることができる。一方、厚さの下限値は適宜調整するが、0.5mm以上であるのが現実的である。
内装用表面材の目付は適宜選択するが、300g/m以下であることができ、250g/m以下であることができる。一方、目付の下限値は適宜調整するが、100g/m以上であるのが現実的である。
内装用表面材の通気度は適宜選択するが、吸音効果が期待される周波数領域の範囲が広い内装用表面材を提供できるように、通気度は5cm/cm・s以上であることができる。上限値は適宜選択できるが、吸音効果に富むよう、通気度は60cm/cm・s以下であることができる。なお、この「通気度」はJIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.8.1(フラジール形法)によって測定される値をいう。
本発明の内装用表面材は、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を備えていてもよい。
次に、本発明の内装用表面材の製造方法について説明する。なお、上述の内装用表面材について説明した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる内装用表面材の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)繊維集合体を用意する工程、
(2)プリントを構成可能な樹脂と粒子を溶媒あるいは分散媒に混合して、塗布液を調製する工程、
(3)繊維集合体の一方の主面上に、非連続的にプリントが存在する態様となるように、塗布液を付与する工程、
(4)塗布液を付与した繊維集合体を加熱することで、溶媒あるいは分散媒を除去する工程、
を備える、内装用表面材の製造方法を挙げることができる。
まず、(1)繊維集合体を用意する工程、について説明する。
繊維集合体として、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。繊維集合体における構成繊維の繊度や繊維長、繊維集合体の厚さや目付は上述した数値のものを採用することができる。
次いで、(2)プリントを構成可能な樹脂と粒子を溶媒あるいは分散媒に混合して、塗布液を調製する工程、について説明する。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面上へ好適に塗布液を塗布できるよう、プリントを構成可能な樹脂が溶解すると共に、粒子が溶解せず分散可能な溶媒を採用する、あるいは、プリントを構成可能な樹脂粒子および粒子が溶解せず分散可能な分散媒を採用するのが好ましい。また、塗布液には粒子以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。
そして、(3)繊維集合体の一方の主面上に、非連続的にプリントが存在する態様となるように、塗布液を付与する工程、について説明する。
繊維集合体の一方の主面上に、塗布液を付与する方法は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面に塗布液をそのまま、あるいは泡立てた状態で、捺染により非連続的に付与する方法や、プリンターを用いて塗布液を繊維集合体の一方の主面に非連続的に付与する方法などを採用できる。なお、一種類の塗布液を付与する、あるいは、複数種類の塗布液を付与しても良い。また、複数種類の塗布液を付与する場合には、各塗布液の付与態様(模様、塗布液の組成)は異なっていても良い。
更に、(4)塗布液を付与した繊維集合体を加熱することで、溶媒あるいは分散媒を除去する工程、について説明する。
溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。溶媒あるいは分散媒を除去する際の加熱温度は溶媒あるいは分散媒が揮発可能な温度であると共に、繊維集合体や粒子など構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。
なお、繊維集合体が繊維ウェブの場合には、本(4)工程によって構成繊維同士を接着する(溶融したバインダで接着する、あるいは、構成繊維に含まれる熱可塑性成分を溶融させ接着する)ことで、不織布を形成してもよい。
上述の製造方法を用いることで、本発明に係る内装用表面材を製造することができる。
上述の内装用表面材の製造方法では、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を積層する工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程、などの、各種二次工程を備えた内装用表面材の製造方法であってもよい。
更に、リライアントプレス処理などの、表面を平滑とするためにプリント側主面を加圧処理する工程へ供してもよい。
更に、本発明にかかる内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面上に、樹脂層を設けても良い。樹脂の種類は適宜選択でき、繊維集合体の構成繊維を構成可能であると例示した有機樹脂などを採用できる。樹脂層がアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
なお、当該樹脂層は主面上に連続的に形成されているものであっても、非連続的に存在するように形成されているものであっても良い。
また、樹脂層は、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。なお、プリントの存在による内装用表面材の意匠性と触感の向上効果が効率よく発揮されるよう、樹脂層の色とプリントの色が異なる(望ましくは透明な樹脂層を備えている)ことで、プリントが非連続的に存在することが明確となっているのが望ましい。
樹脂層の目付は適宜調整できるが、2g/m〜80g/mであることができ、5g/m〜55g/mであることができ、10g/m〜30g/mであることができる。
なお、本発明にかかる内装用表面材が樹脂層を備えている場合、表面粗さ(SMD)などの主面の特性は、内装用表面材における露出している樹脂層の主面に対し、各種測定を行うことで評価できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(繊維集合体の調製)
次のようにして繊維集合体である、各種バインダ接着不織布を調製した。
バインダ接着不織布A
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:38mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール間へ供することで、ニードルパンチ不織布を調製した。
次いで、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した面とは反対の面から、以下に記載の割合で配合したバインダ液Aを泡立てた状態で塗布し、ギャップ間隔を有するロール間へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、繊維集合体としてバインダ接着不織布A(目付:182g/m、バインダ量:2g/m、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)を調製した。
バインダ液A
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):2.3部
・増粘剤:0.2部
・界面活性剤:0.2部
・25%アンモニア水:0.1部
・水:97.2部

バインダ接着不織布B
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:38mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール間へ供することで、ニードルパンチ不織布を調製した。
次いで、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した面とは反対の面から、以下に記載の割合で配合したバインダ液Bを泡立てた状態で塗布し、ギャップ間隔を有するロール間へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、繊維集合体としてバインダ接着不織布B(目付:180g/m、バインダ量:12g/m、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)を調製した。
バインダ液B
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):13部
・増粘剤:0.3部
・界面活性剤:0.2部
・25%アンモニア水:0.1部
・水:86.4部
(プリント液の調製)
次の割合で配合した各種プリント液を調製した。なお、プリント液に配合した中空粒子は、有機樹脂からなる中空粒子の外周に無機成分が存在している中空粒子であった。
プリント液A
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):10部
・増粘剤(固形分質量:1.5質量%):30部
・消泡剤(固形分質量:40質量%):0.4部
・中空粒子(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)MFL−100MCA、松本油脂製薬株式会社、熱膨張率:112.3%、中空粒子の固形分質量:100質量%):2部
・顔料(固形分質量:3.8質量%):4部
・25%アンモニア水:1部
・水:52.6部
なお、本プリント液において、中空粒子の質量(固形分)/アクリル酸エステル樹脂の質量(固形分)は40質量%であった。

プリント液B
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):10部
・増粘剤(固形分質量:1.5質量%):30部
・消泡剤(固形分質量:40質量%):0.4部
・中空粒子(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)MFL−100MCA、松本油脂製薬株式会社、熱膨張率:112.3%、中空粒子の固形分質量:100質量%):2部
・顔料(固形分質量:3.8質量%):0.14部
・25%アンモニア水:1部
・水:56.46部
なお、本プリント液において、アクリル酸エステル樹脂の質量(固形分)に占める中空粒子の質量(固形分)の百分率は40質量%であった。

プリント液C
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):6.5部
・増粘剤(固形分質量:1.5質量%):30部
・消泡剤(固形分質量:40質量%):0.4部
・中空粒子(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)MFL−100MCA、松本油脂製薬株式会社、熱膨張率:112.3%、中空粒子の固形分質量:100質量%):1.3部
・顔料(固形分質量:3.8質量%):3部
・25%アンモニア水:1部
・水:57.8部
なお、なお、本プリント液において、アクリル酸エステル樹脂の質量(固形分)に占める中空粒子の質量(固形分)の百分率は40質量%であった。
(樹脂液の調製)
次の割合で配合した各種樹脂液を調製した。
樹脂液A
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−5℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:45質量%):40部
・増粘剤A(固形分質量:1.5質量%):20部
・増粘剤B(固形分質量:28質量%):1部
・消泡剤(固形分質量:14質量%):0.5部
・顔料(固形分質量:40質量%):3部
・架橋剤(固形分質量:40質量%):2部
・25%アンモニア水:1部
・水:32.5部

樹脂液B
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):20部
・増粘剤A(固形分質量:1.5質量%):28部
・増粘剤B(固形分質量:28質量%):3部
・消泡剤(固形分質量:40質量%):0.4部
・25%アンモニア水:1部
・水:47.6部

樹脂液C
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(アクリル酸エステル樹脂のTg:−40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):20部
・増粘剤A(固形分質量:1.5質量%):20部
・増粘剤B(固形分質量:28質量%):1部
・消泡剤(固形分質量:40質量%):0.4部
・顔料(固形分質量:38質量%):1.6部
・架橋剤(固形分質量:40質量%):1部
・25%アンモニア水:1部
・水:55部
(比較例1)
バインダ接着不織布Aのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Aを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Aの一方の主面上の全面を覆う、プリント液A由来のプリントを備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:202g/m、厚さ:1.4mm、通気度:64.5cc/cm/sec、プリントの目付:20g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側全面を覆いプリントが連続的に(ベタ印刷で)存在していることが確認できた。
(比較例2)
バインダ接着不織布Aのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Bを皮シボ模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Aの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液B由来のプリントを備えた(図1に図示する皮シボ模様を印刷)内装用表面材(目付:194g/m、厚さ:1.6mm、通気度:70.1cc/cm/sec、プリントの目付:12g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例1)
プリント液Bの代わりにプリント液Aを用いたこと以外は、比較例2と同様にして、バインダ接着不織布Aの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液A由来のプリントを備えた(図1に図示する皮シボ模様を印刷)、内装用表面材(目付:194g/m、厚さ:1.4mm、通気度:68.6cc/cm/sec、プリントの目付:12g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(比較例3)
比較例1で調製した内装用表面材に対し、そのプリントが存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Aを皮シボ模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面に、非連続的に存在する樹脂液A由来の樹脂層を備えた(図1に図示する皮シボ模様を印刷)内装用表面材(目付:218g/m、厚さ:1.4mm、通気度:32.6cc/cm/sec、プリントの目付:20g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の目付:16g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
調製した比較例と実施例の内装用表面材におけるプリントの態様、および、内装用表面材の各物性をまとめ、表1に記載した。なお、存在しない項目については「−」を記載した。
また、以降「触感」および「成形性」の欄には、内装用表面材を以下の評価方法へ供した結果を記載した。
(触感の評価方法)
調製した内装用表面材のプリントが存在している側の主面を目視で確認した後、当該主面を触った際の触感をモニターに評価させた。なお、比較例1の当該主面を触った際に感じた触感を基準として、触感の良さを同等に感じた又はより触感の良さを感じたと評価されたものには「〇」、触感の良さに劣っていると評価されたものには「×」を記載した。
(成形性の評価方法)
1.ガラスシート、発泡ウレタン、ガラスシート、ポリエチレンテレフタレートフィルムの順で積層してなる基材を用意した。
2.基材におけるポリエチレンテレフタレートフィルムが露出している側の主面上に、調製した内装用表面材を積層した。このとき、当該主面と、内装用表面材におけるプリントが存在していない側の主面を向かい合わせ接触させて積層した。
3.内装用表面材と基材を積層した状態で上下一対の金型に挟み込み、熱と圧力を作用させてヒートプレス(成形温度:130℃)することで成形を施した後、冷却して内装材を調製した。
4.調製した内装材におけるプリントが存在している側の主面を目視で観察した。目視で観察した結果、プリントにひび割れが発生していなかった場合には「〇」、プリントにひび割れが発生していた場合には「×」を記載した。
Figure 2020200622
比較例1〜3と実施例1を比較した結果から、主面上に粒子を含有したプリントが非連続的に存在していると共に、内装用表面材におけるプリントが存在している側の主面の表面粗さ(SMD)が2.75μm以上であるときに、触感に優れる内装用表面材を提供できることが判明した。
なお、実施例1と比較例3を比較した結果から、触感の優劣は、内装用表面材における人が触る主面の表面粗さ(SMD)が2.75μm以上か否かにのみ依存するものではなく、粒子を含有したプリントの層が非連続的か否かにも依存するものであることが判明した。
また、比較例1と実施例1を比べた結果から、主面上に粒子を含有したプリントが非連続的に存在していることによって、プリントにひび割れが発生するのを防止して内装材を調製可能な、成形性に優れる内装用表面材を提供できることが判明した。
(比較例4)
比較例2で調製した内装用表面材に対し、そのプリントが存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Bを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液B由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:206g/m、厚さ:1.6mm、通気度:64.1cc/cm/sec、プリントの目付:20g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の目付:12g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例2)
実施例1で調製した内装用表面材に対し、そのプリントが存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Cを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液C由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:206g/m、厚さ:1.4mm、通気度:60.4cc/cm/sec、プリントの目付:12g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の目付:12g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
調製した比較例と実施例の内装用表面材におけるプリントの態様、および、内装用表面材の各物性をまとめ、表2に記載した。なお、存在しない項目については「−」を記載した。また、理解がし易いよう比較例2と実施例1の結果も併せて記載した。
Figure 2020200622
実施例1と実施例2を比較した結果から、内装用表面材の主面にプリントが露出しているか否かは、触感に優れる内装用表面材であるか否かに直接関与するものではないことが判明した。
(実施例3)
バインダ接着不織布Bのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Cを皮シボ模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Bの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液C由来のプリントを備えた(図1に図示する皮シボ模様を印刷)内装用表面材(目付:192g/m、プリントの目付:12g/m)を調製した。
このようにして調製した内装用表面材に対し、そのプリントが存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Cを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液C由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:204g/m、厚さ:1.5mm、通気度:58.5cc/cm/sec、プリントの目付:12g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の目付:12g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例4)
実施例3で調製した内装用表面材に対し、更に、樹脂層が存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Bを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液B由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:216g/m、厚さ:1.5mm、通気度:38.9cc/cm/sec、プリントの目付:12g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例5)
プリント液Cの代わりにプリント液Aを用いたこと、また、シリンダを用いてプリント液Aをドット状の模様(直径1mmのドットが、37個/cmとなるようにランダムに並んだ状態であり、プリント液A由来のプリントが非連続的に存在)に塗布したこと以外は、実施例4と同様にして、内装用表面材(目付:207g/m、厚さ:1.4mm、通気度:29.1cc/cm/sec、プリントの目付:3g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例6)
シリンダを用いてプリント液Aを実施例5の態様と異なるドット状の模様(直径0.5mmのドットが、112個/cmとなるように規則的に並んだ状態であり、プリント液A由来のプリントが非連続的に存在)に塗布したこと以外は、実施例5と同様にして、内装用表面材(目付:205g/m、厚さ:1.4mm、通気度:39.31cc/cm/sec、プリントの目付:1g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例7)
バインダ接着不織布Bのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Cを図2に図示するような非連続的な模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Bの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液C由来のプリントを備えた(図2に図示する模様を印刷)内装用表面材(目付:184g/m、厚さ:1.5mm、通気度:83.9cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例8)
実施例7で調製した内装用表面材に対し、そのプリントが存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Cを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液C由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:196g/m、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の目付:12g/m)を調製した。
更に、樹脂層が存在している側の主面の全面に対して、シリンダを用いて樹脂液Bを塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、内装用表面材のプリントが存在している側の主面上の全面を覆う、樹脂液B由来の樹脂層を備えた(ベタ印刷)内装用表面材(目付:208g/m、厚さ:1.5mm、通気度:59.2cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例9)
バインダ接着不織布Bのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Cを図3に図示するような非連続的な模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Bの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液C由来のプリントを備えた(図3に図示する模様を印刷)内装用表面材(目付:182g/m、プリントの目付:2g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
実施例7で調製した内装用表面材の代わりに、このようにして調製した内装用表面材を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、内装用表面材(目付:206g/m、厚さ:1.5mm、通気度:60.5cc/cm/sec、プリントの目付:2g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例10)
バインダ接着不織布Bのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Cを図4に図示するような非連続的な模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Bの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液C由来のプリントを備えた(図4に図示する模様を印刷)内装用表面材(目付:184g/m、厚さ:1.5mm、通気度:80.4cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例11)
実施例7で調製した内装用表面材の代わりに、実施例10で調製した内装用表面材を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、内装用表面材(目付:208g/m、厚さ:1.5mm、通気度:55.6cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例12)
バインダ接着不織布Bのバインダ塗布面の全面に対して、シリンダを用いてプリント液Cを図5に図示するような非連続的な模様に塗布した後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布Bの一方の主面上の全面に、非連続的に存在するプリント液C由来のプリントを備えた(図5に図示する模様を印刷)内装用表面材(目付:184g/m、厚さ:1.4mm、通気度:84.0cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%)を調製した。
なお、このようにして調製した内装用表面材を目視で観察したところ、一方の主面側にプリントが非連続的に存在していることが確認できた。
(実施例13)
実施例7で調製した内装用表面材の代わりに、実施例12で調製した内装用表面材を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、内装用表面材(目付:208g/m、厚さ:1.5mm、通気度:57.9cc/cm/sec、プリントの目付:4g/m、中空粒子の平均粒子径:73.0μm、CV値:8.4%、樹脂層の合計目付:24g/m)を調製した。
調製した比較例と実施例の内装用表面材におけるプリントの態様、および、内装用表面材の各物性をまとめ、表3に記載した。
Figure 2020200622
本発明の内装用表面材は、意匠性と触感に優れるため、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど自動車用;パーティションなどのインテリア用;壁装材などの建材用に、好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. 粒子を含有するプリントを繊維集合体の少なくとも一方の主面上に備えた、内装用表面材であって、
    前記プリントは前記主面上に非連続的に存在しており、
    内装用表面材における前記プリントが存在している側の主面の表面粗さ(SMD)は2.75μm以上である、
    内装用表面材。
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