JP6152840B2 - 車両の視界調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、視覚刺激を表示することにより運転者により認識される視覚情報を調整する車両の視界調整装置に関する。
従来より、高速走行時には、フロントウインドガラスを介して得られる対象物等の視覚情報が多いため、運転者に必要以上の緊張と疲労が与えられることが知られている。
特許文献1の車両の視界調整装置は、運転者対向位置と車両中心位置との間において運転者対向位置からオフセットした位置に設定された頂点から車幅方向両端側に向けて一様に傾斜する左右稜線を設定し、左右稜線よりも下方領域の可視光透過率を上方領域の可視光透過率よりも低くしてコントラスト差によって左右稜線に対応した見切り線を形成している。これにより、フロントウインドガラス下端側部分の遮蔽効果に加え、旋回時の頭部傾斜角の揺らぎを抑制でき、運転者の運転姿勢の安定化により操舵の乱れを抑制している。
また、フロントウインドガラスに視覚刺激として所定のマーキングを施すことによって、運転者の視線(注視点)を特定の範囲に誘導する技術も公知である。
特許文献2の車両用フロントウインドガラスは、フロントウインドガラスの左右両端に所定の目印を設けることにより、運転者の視線が左右の目印を結ぶ仮想直線よりも上側に散乱することを防ぎ且つ運転者の視線が仮想直線よりも下側に集中するように誘導して、運転者の運転感覚を補助している。この車両用フロントウインドガラスでは、仮想直線よりも上側に散乱する運転者の無意味な上空方向への視線移動を防止するため、運転者は路面上に安定した注意を払うことができる。
近年、画像処理の解析手法としてオプティカルフローが広く用いられている。
オプティカルフローとは、連続且つ時系列画像において、フレーム間で物体(注目点)がどの方向にどの程度移動するかを移動(速度)ベクトルで表したものである。
代表的なオプティカルフローの生成法としては、勾配法に基づく手法が良く知られている。この勾配法では、一つの基本拘束式と別の拘束式を制約としてオプティカルフローを表す未知変数の値を算出している。
一方、人の周辺視野は物体の移動や点滅に対して中心視野よりも判別力が優れているため、運転者はフロントウインドガラスの枠体で切り取られた視界においてオプティカルフローを視覚している。運転者の周辺視野によって視覚されたオプティカルフローは、実際に運転者が認識した速度感の評価指標とすることができる。
特開2005−75188号公報 特開2008−222204号公報
視覚情報は、運転者が運転する際に認識し得る情報の約90%を占めるとされている。
運転技量が十分に高い運転者は、オプティカルフローの湧出点或いはクリッピングポイントとなる目標地点を注視し、フロントウインドガラスを介したオプティカルフローに沿うように車両を操舵することで、安全且つ最短に目標地点に到達することができる。
このような運転の場合、視線を安定させるための眼球運動が少ないため、視覚情報処理に係る負荷が小さく、視線の修正操作の頻度も少ない。これにより、運転者によるオプティカルフローの認知性が更に向上し、正のサイクルが循環する。
一方、運転技量が高くない運転者の場合、視線を下げて車両近傍の路面を注視する傾向があるため、注視点と目標地点(湧出点等)とが一致せず、眼球運動の増加に伴い視覚情報処理の負荷が大きく、視線の修正操作の頻度も増加する。これにより、運転者によるオプティカルフローの認知性が低下し、負のサイクルが循環することになる。
特許文献2の車両用フロントウインドガラスのように、フロントウインドガラスの上端側部分に視覚刺激を形成することで、運転者の注視点を意識的に上方へ引き上げることにより、運転技量が高くない運転者であっても適正な運転操作の実践を期待できる。
しかし、運転者の注視点を意識的に上方へ引き上げたにも拘らず、車両の旋回走行時、オプティカルフローの認知性を十分に向上することができない虞がある。
本発明者は、車両の旋回走行時、フロントウインドガラスの上端側部分に、オプティカルフローの認知性低下の要因となるオプティカルフローの複次成分、所謂ノイズが発生することを知見した。
図8に基づき、運転者が視覚するオプティカルフローの複次成分について説明する。
図8に示すように、車両が左旋回走行する場合、旋回半径方向外側のオプティカルフローFと、このオプティカルフローFよりも旋回半径方向内側のオプティカルフローGと、複数のオプティカルフローがフロントウインドガラスWを介して運転者に認識されている。
オプティカルフローFがフロントウインドガラスWの上端部によって途切れて消失する点をFaとし、消失タイミングをtaとしたとき、湧出点Aから点Faと同時発生且つ同期移動していたオプティカルフローG上の点Gaはtaの時点において、まだ消失しておらず、点Faが消失した後もオプティカルフローGに沿って移動を継続する。
点Gaは、点Faの消失タイミングtaから所定時間経過したtbの時点で、フロントウインドガラスWの上端部によって消失する。
つまり、点Faと点Gaが同時発生且つ同期移動しているため、この消失時間差(tb−ta)に起因した点Faから点Gaに向かう仮現運動が出現し、運転者には、オプティカルフローF,Gの複次成分Fiが錯視されているものと推測される。
即ち、オプティカルフローの認知性を向上するために運転者の注視点を上方へ引き上げたことによって、車両旋回時、運転者が、フロントウインドガラスの上端側部分に存在するオプティカルフローの複次成分(ノイズ)を視認し易くなり、その結果、運転者の眼球に不随意運動が生じる。それ故、不随意運動に伴う視覚情報処理に係る負荷が増加し、オプティカルフローの認知性向上を阻害することになる。
本発明の目的は、旋回走行時におけるオプティカルフローの認知性を向上できる車両の視界調整装置等を提供することである。
請求項1の車両の視界調整装置は、フロントウインドガラスを介して運転者により認識される視覚情報を調整する車両の視界調整装置において、車両の進行方向を判定する進行方向判定手段と、前記フロントウインドガラスの上端部の一部を底辺にすると共に前記底辺よりも下方に設定された頂部を有する刺激表示領域に視覚刺激を表示可能な視覚刺激表示手段とを備え、車両の旋回状態が判定されたとき、運転者がフロントウインドガラスを介して視覚的に認識する物体の運動成分の移動軌跡を表したオプティカルフローと前記刺激表示領域の頂部を含む領域境界ラインとの鋭角側交差角度が前記オプティカルフローと前記フロントウインドガラスの上端部との鋭角側交差角度よりも大きくなるように前記刺激表示領域を形成たことを特徴としている。
この車両の視界調整装置では、フロントウインドガラスの上端部の一部を底辺にすると共にこの底辺よりも下方に設定された頂部を有する刺激表示領域に視覚刺激を表示するため、運転者の注視点を上方へ引き付けることができる。
視覚刺激が、運転者がフロントウインドガラスを介して視覚的に認識する物体の運動成分の移動軌跡を表したオプティカルフローと刺激表示領域の頂部を含む領域境界ラインとの鋭角側交差角度が視覚情報とフロントウインドガラスの上端部との鋭角側交差角度よりも大きくなるように形成されたため、同時発生且つ同期移動する旋回半径方向外側のオプティカルフローと旋回半径方向内側のオプティカルフローとの消失時間差を低減でき、オプティカルフローの複次成分の発生自体を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、インスツルメントパネルの上端側部分から上方に膨出するように形成されたメータフードを備え、前記メータフードの頂部が運転席を基準として物理的正面方向に対応した車幅方向位置に形成されたことを特徴としている。
これにより、直進走行時、運転者がメータフードの頂部を走行用目印にすることができ、オプティカルフローの認知性を向上させることができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記視覚刺激表示手段は、車両の旋回状態が判定されたとき、前記刺激表示領域の頂部を前記物理的正面方向に対応した位置よりも前記旋回方向と反対方向に移動させることを特徴としている。
この構成により、オプティカルフローの消失タイミングを遅らせて運転者によるオプティカルフローの認知性を向上させると共にオプティカルフローの複次成分の発生を抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記視覚刺激表示手段は、走行速度が高い程又は旋回半径が小さい程、前記刺激表示領域の頂部の移動量を大きくすることを特徴としている。
これにより、走行速度が高い程又は旋回半径が小さい程、オプティカルフローの消失タイミングを遅らせて運転者によるオプティカルフローの認知性を向上させることができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記視覚刺激表示手段は、前記刺激表示領域に表示された遮蔽部を車幅方向に移動させることを特徴としている。
この構成により、簡単な構成で旋回走行時におけるオプティカルフローの運転者による視認時間を増加することができ、オプティカルフローの認知性を向上させることができる。
本発明の車両の視界調整装置によれば、旋回走行時におけるオプティカルフローの認知性を向上させることができる。
実施例1に係る車両の車体前方を車室内側から視た図である。 車室内側の平面図である。 視界調整装置のブロック図である。 視覚刺激の表示例であって、(a)は直進走行時の表示形態、(b)は左旋回走行時の表示形態、(c)は右旋回走行時の表示形態である。 左旋回走行時のオプティカルフローを表したモデル図である。 実施例2に係る視覚刺激の表示例であって、(a)は直進走行時の表示形態、(b)は左旋回走行時の表示形態、(c)は右旋回走行時の表示形態である。 実施例3に係る視覚刺激の表示例である。 左旋回走行時のオプティカルフローの複次成分に係る説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図5に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、本実施例では、ルーフパネル(図示略)と、前後方向に延びる左右1対のルーフサイドレール(図示略)と、上下方向に延びる左右1対のフロントピラー1と、これら左右1対のフロントピラー1の間に装着されたフロントウインドガラス2と、運転者がフロントウインドガラス2を介して認識する視界を調整する視界調整装置3等を備えた車両Vを例として説明する。
フロントウインドガラス2の上端側部分は、所定の領域において選択的に透過率が変更可能な調光ガラスによって構成されている。
このフロントウインドガラス2の上端側部分は、例えば、2枚の透明基板の間に液晶層を挟んで液晶層の光学特性を電気的に変化させることで透過率を変更可能に構成されている。液晶層は、視界調整装置3のECU(Electronic Control Unit)10により制御される。尚、液晶層の代わりにEL(エレクトロルミッセンス)層を採用しても良い。
車室内前側には右側の運転席シート4と、この運転席シート4に対してコンソールボックスを間に配設した状態で搭載された助手席シート5とが設けられ、それらの後側に後席シート(図示略)が搭載されている。運転席シート4及び助手席シート5の前方には、車幅方向に延びるインストルメントパネル6が設置されている。
インストルメントパネル6の右側部分には、複数のメータ等が装備され、これらメータ等の上側部分に上方且つ後方へ張り出した縦断面視にて部分円弧状のメータフード6aが設けられている。メータフード6aと運転席シート4との間には、操舵用のステアリングホイール7が装備されている。以下、車体の前後方向を前後方向とし、車体の左右方向を左右方向として説明する。
図2に示すように、運転席シート4、メータフード6a及びステアリングホイール7は、運転席シート4の車幅方向中心4pとメータフード6aの頂部6pとステアリングホイール7の頂部7pとが延長線E上に配置されるように配設されている。この延長線Eは、車両Vの物理的な正面方向に延びる車体中心線と同じ方向に向かって延設されている。
運転席シート4は延長線Eに沿って配設されているため、運転者が運転席シート4に着座したとき、運転者の視線は車両Vの物理的正面方向に向かうように設定されている。
視界調整装置3は、車両Vの旋回走行時、運転者の視線を上方に誘導するための遮蔽部19(視覚刺激)によって、旋回半径方向外側のオプティカルフローFの消失タイミングt1と旋回半径方向内側のオプティカルフローGの消失タイミングt2との消失時間差を減少させるように構成されている(図5参照)。
視界調整装置3は、ECU10を備えている。このECU10は、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットであり、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することにより各種演算処理を行っている。
図3に示すように、ECU10は、運転操作部11と、舵角センサ12と、速度センサ13と、ヨーレートセンサ14と、加速度センサ15と、車両走行部16と、液晶ドライバ部17等に電気的に接続されている。
運転操作部11は、アクセルペダル(図示略)と、ブレーキペダル(図示略)等の操作機器によって構成されている。この運転操作部11は、運転者によって入力された操作量をECU10に出力している。
舵角センサ12は、運転者によって操作されたステアリングホイール7の操舵角度を検出するセンサであり、速度センサ13は、車両Vの実際の走行速度を検出するセンサである。ヨーレートセンサ14は、車両Vのヨーレートを検出するセンサであり、加速度センサ15は、車両Vの加速度を検出するセンサである。これらセンサ12〜15は、各々の検出結果をECU10に出力している。
車両走行部16は、車両Vの走行制御を実行するための駆動機構や操舵機構である。
この車両走行部16は、エンジン制御部、ステアリングアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ及びシフトアクチュエータ等(何れも図示略)によって構成されている。車両走行部16は、ECU10の出力信号に応じて車両Vの走行制御を実行する。
液晶ドライバ部17は、フロントウインドガラス2の上端側部分に設けられた刺激表示領域Sの液晶層に対して必要な電圧を供給することで刺激表示領域Sの透過率を100%から0%に変更可能に構成されている。この刺激表示領域Sは、フロントウインドガラス2の上端部の右端側部分に基部Q,Rを備え、この基部Q,R間を底辺とし且つ、この底辺の中央部下方に頂部Pを備えた二等辺三角形状に形成されている。
液晶ドライバ部17は、刺激表示領域Sの透過率を0%にすることで二等辺三角形状の遮蔽部19(視覚刺激)を形成している。遮蔽部19は、フロントウインドガラス2を介した運転者の視界を遮蔽している。ここで、液晶層を含むフロントウインドガラス2と液晶ドライバ部17とが、視覚刺激表示機構18(視覚刺激表示手段)に相当している。
図3に示すように、ECU10は、進行方向判定部21(進行方向判定手段)と、走行速度判定部22と、走行制御部23と、表示制御部24等を備えている。
進行方向判定部21は、舵角センサ12の出力に基づいて車両Vの進行方向を判定し、速度センサ13とヨーレートセンサ14の出力に基づいて旋回半径を判定している。
走行速度検出部22は、速度センサ13の出力に基づいて車両Vの走行速度を判定している。
走行制御部23は、運転者によって操作されたアクセルペダルの踏込量に基づきエンジンの目標出力を設定し、アクセルペダルの踏込量と車両Vの走行速度とに基づきシフトアクチュエータの目標作動量を設定している。また、この走行制御部23は、舵角センサ12の出力に基づきステアリングアクチュエータの目標作動量を設定し、ブレーキペダルの踏込量に基づきブレーキアクチュエータの目標作動量を設定している。
表示制御部24は、車両Vの旋回状態が判定されたとき、刺激表示領域Sの頂部Pが物理的正面方向に対応した位置C(以下、運転者対向位置Cという)よりも旋回方向と反対方向に移動するように視覚刺激表示機構18を制御している。
図4(a)に示すように、直進走行時、表示制御部24は、運転者対向位置Cの直上に頂部Pを配置し、頂部Pと基部Qとを結ぶ直線で左側領域境界ラインLlを形成し、頂部Pと基部Rとを結ぶ直線で右側領域境界ラインLrを形成して刺激表示領域Sを設定している。そして、この刺激表示領域Sの透過率を0%にすることで遮蔽部19を表示している。これにより、遮蔽部19の頂部Pとメータフード6aの頂部6pとにより直進走行用目印を構成し、遮蔽部19による刺激によって運転者の視線を上方へ誘導している。
図4(b)に示すように、左旋回走行時、表示制御部24は、頂部Pが運転者対向位置Cよりも右方に位置するように刺激表示領域Sを水平移動し、この刺激表示領域Sの透過率を0%にすることで右移動した遮蔽部19を表示している。
また、図4(c)に示すように、右旋回走行時、表示制御部24は、頂部Pが運転者対向位置Cよりも左方に位置するように刺激表示領域Sを水平移動し、この刺激表示領域Sの透過率を0%にすることで左移動した遮蔽部19を表示している。
表示制御部24は、車両Vの走行速度が高い程、しかも旋回半径が小さい程、運転者対向位置Cと頂部6pとを結ぶ延長線と頂部Pとの左右(水平)方向の離隔距離が大きくなるように刺激表示領域Sを移動させる。尚、頂部Pの移動軌跡は水平直線になるように設定されている。また、運転者対向位置Cと頂部6pとを結ぶ延長線と頂部Pとの最大離隔距離は、右側フロントピラー1に起因した右眼の融像割合低下抑制と違和感防止との両立を目的として、左右方向共に3cm程度が好ましい。
次に、本実施例の車両Vの視界調整装置3における作用、効果について説明する。
車両Vが、左旋回走行している例を用いて本発明の原理を説明する。
図5に示すように、左旋回走行時、フロントウインドガラス2の左端側部分に湧出点Aが存在し、この湧出点AからオプティカルフローF,G等が時計回り方向に出現している。
オプティカルフローFの途中部は、左側領域境界ラインLlによって途切れて消失し、同様に、オプティカルフローFよりも旋回半径内側のオプティカルフローGの途中部も、左側領域境界ラインLlによって途切れて消失している。
オプティカルフローFにおいて左側領域境界ラインLlによって消失する点をF1、点F1が消失する消失タイミングをt1、オプティカルフローFと左側領域境界ラインLlとの交差角度のうち鋭角側交差角度をθ1、湧出点Aから点F1と同時発生且つ同期移動していたオプティカルフローG上の点をG1、点G1が消失する消失タイミングをt2、オプティカルフローGと左側領域境界ラインLlとの交差角度のうち鋭角側交差角度をθ2と仮定する。そして、遮蔽部19を省略した比較例として、オプティカルフローFにおいてフロントウインドガラス2の上端部によって消失する点をFa、点Faが消失する消失タイミングをta、オプティカルフローFとフロントウインドガラス2の上端部との交差角度のうち鋭角側交差角度をΘ1、湧出点Aから点Faと同時発生且つ同期移動していたオプティカルフローG上の点をGa、点Gaが消失する消失タイミングをtb、オプティカルフローGとフロントウインドガラス2の上端部との交差角度のうち鋭角側交差角度をΘ2と仮定する。
左側領域境界ラインLlが、鋭角側交差角度Θ1<θ1(Θ2<θ2)の関係式が成立するように形成されている、換言すれば、消失する点G1が消失する点F1よりも下方になるように形成されているため、遮蔽部19を省略したフロントウインドガラス2の上端部による消失時間差(tb−ta)に比べて遮蔽部19を用いた左側領域境界ラインLlによる消失時間差(t2−t1)を小さくすることができる。
また、通常、人の眼の分解能が50〜100msであるため、消失時間差(t2−t1)が100ms未満になるように左側領域境界ラインLlの勾配が設定されている。
これにより、視覚上、点F1から点G2に向かう仮現運動の出現を抑え、オプティカルフローF,Gの複次成分Fi(図8参照)の発生を抑制している。
尚、右旋回走行時には、右側領域境界ラインLrが左側領域境界ラインLlと同様の機能を達成している。
この車両Vの視界調整装置3によれば、フロントウインドガラス2の上端部の一部を底辺にすると共にこの底辺よりも下方に設定された頂部Pを有する刺激表示領域Sに遮蔽部19を表示するため、運転者の注視点を上方へ引き付けることができる。
遮蔽部19が、運転者により認識されたオプティカルフローF,Gと刺激表示領域Sの頂部Pを含む領域境界ラインLl(Lr)との鋭角側交差角度θ1,θ2が視覚情報とフロントウインドガラス2の上端部との鋭角側交差角度Θ1,Θ2よりも大きくなるように形成されたため、同時発生且つ同期移動する旋回半径方向外側の視覚情報と旋回半径方向内側の視覚情報との消失時間差を低減でき、オプティカルフローF,Gの複次成分の発生自体を抑制することができる。それ故、眼球の不随意運動が少なくなり、視覚情報処理に係る負荷を減少でき、視線の修正操作の頻度も少ないため、運転者によるオプティカルフローの認知性を更に向上することができる。
インスツルメントパネル6の上端側部分から上方に膨出するように形成されたメータフード6aを備え、メータフード6aの頂部6pが運転席シート4を基準として車体中心線方向に対応した車幅方向位置に形成されているため、直進走行時、運転者がメータフード6aの頂部6pを走行用目印にすることができ、オプティカルフローF,Gの認知性を向上させることができる。
視覚刺激表示機構18は、車両Vの旋回状態が判定されたとき、刺激表示領域Sの頂部Pを運転者対向位置Cよりも旋回方向と反対方向に移動させるため、オプティカルフローF,Gの消失タイミングを遅らせて運転者によるオプティカルフローF,Gの認知性を向上させると共にオプティカルフローF,Gの複次成分の発生を抑制することができる。
特に、メータフード6aがインスツルメントパネル6の上端側部分から上方に膨出している場合、遮蔽部19とメータフード6aとの間が狭くなるものの、遮蔽部19を旋回方向と反対方向に移動させて運転者が視認するオプティカルフローF,Gの存在時間を増加することができる。
視覚刺激表示機構18は、走行速度が高い程又は旋回半径が小さい程、刺激表示領域Sの頂部Pの移動量を大きくするため、走行速度が高い程又は旋回半径が小さい程、オプティカルフローF,Gの消失タイミングを遅らせて運転者によるオプティカルフローF,Gの認知性を向上させることができる。
視覚刺激表示機構18は、刺激表示領域Sに表示された遮蔽部19を車幅方向に移動させるため、簡単な構成で旋回走行時におけるオプティカルフローF,Gの運転者による視認時間を増加することができ、オプティカルフローF,Gの認知性を向上させることができる。
次に、実施例2に係る視界調整装置について図6(a)〜図6(c)に基づいて説明する。尚、実施例1と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例1の刺激表示領域Sは、頂部Pの移動軌跡が水平直線上を通るように設定された形状固定の二等辺三角形状であったのに対し、実施例2の刺激表示領域SAは、基部QAと基部RAを結ぶ底辺が固定され、頂部PAのみが可動に構成されている。
図6(a)に示すように、直進走行時、表示制御部24Aは、運転者対向位置Cの直上に頂部Pを配置し、頂部PAと基部QAとを結ぶ直線で左側領域境界ラインMlを形成し、頂部PAと基部RAとを結ぶ直線で右側領域境界ラインMrを形成することにより二等辺三角形状の刺激表示領域SAを設定している。そして、この刺激表示領域SAの透過率を0%にすることで遮蔽部19Aを表示している。これにより、遮蔽部19Aの頂部PAとメータフード6aの頂部6pとにより直進走行用目印を構成し、遮蔽部19Aにより運転者の視線を上方へ引き付けている。
図6(b)に示すように、左旋回走行時、表示制御部24Aは、頂部PAが運転者対向位置Cよりも右方に位置するように部分円弧Bに沿って移動し、この右側領域境界ラインMrよりも左側領域境界ラインMlが長く形成された刺激表示領域SAの透過率を0%にすることで遮蔽部19Aを表示している。また、図6(c)に示すように、右旋回走行時、表示制御部24Aは、頂部PAが運転者対向位置Cよりも左方に位置するように部分円弧Bに沿って移動し、この左側領域境界ラインMlよりも右側領域境界ラインMrが長く形成された刺激表示領域SAの透過率を0%にすることで遮蔽部19Aを表示している。
刺激表示領域SAの頂部PAは、走行速度が高い程或いは旋回半径が小さい程、運転者対向位置Cとメータフード6aの頂部6pとを結ぶ延長線からの離隔距離が大きくなるように移動され、運転者対向位置Cとメータフード6aの頂部6pとを結ぶ延長線から離隔する程下方へ移行するように制御されている。
この実施例2によれば、実施例1の効果に加えて、基部QAと基部RAを結ぶ底辺が固定であるため、遮蔽部19Aの表示制御の負荷低減を図ることができる。
しかも、走行速度が高い程或いは旋回半径が小さい程、遮蔽部19Aの面積を増加して、運転者の注視点を上方へ引き付けつつ、オプティカルフローの消失時間差を低減することができる。
次に、実施例3に係る視界調整装置について図7に基づいて説明する。尚、実施例1と同様の部材には、同じ符号を付している。
実施例1は、頂部Pと基部Qとを結ぶ直線で左側領域境界ラインLlを形成し、頂部Pと基部Rとを結ぶ直線で右側領域境界ラインLrを形成して刺激表示領域Sを設定したのに対し、実施例3は、頂部PBと基部QBとを結ぶ湾曲線で左側領域境界ラインNlを形成し、頂部PBと基部RBとを結ぶ湾曲線で右側領域境界ラインNrを形成して刺激表示領域SBを設定している。左側領域境界ラインNlと右側領域境界ラインNrは、下方に突出するように夫々形成されている。
表示制御部24Bは、左旋回走行時、頂部PBが運転者対向位置Cよりも右方に位置するように刺激表示領域SBを水平移動し、右旋回走行時、頂部PBが運転者対向位置Cよりも左方に位置するように刺激表示領域SBを水平移動している。
これにより、直線で領域境界ラインLl,Lrを形成したときに比べて、刺激表示領域SBの移動量が少なくても、オプティカルフローの消失時間差を一層低減することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、刺激表示領域の透過率を100%から0%に変更可能に構成した例を説明したが、透過率を外界を視覚上認識可能な割合、例えば30%に構成に構成しても良い。また、走行速度が高い程或いは旋回半径が小さい程、刺激表示領域の頂部を物理的正面方向に対応した位置よりも旋回方向と反対方向に移動させると共に移動に伴って刺激表示領域の透過率を低下させるように構成することも可能である。遮蔽部の色は黒色以外でも良く、移動量に応じて変化させても良い。
刺激表示領域の透過率を低下させた場合、運転者の視線が刺激表示領域に引き寄せられるため、運転者が視認可能なオプティカルフローの存在時間を増加するように刺激表示領域の頂部を旋回方向と反対方向に移動させることが好ましい。
2〕前記実施形態においては、刺激表示領域を左右方向に平行移動、又は底辺を固定して、頂部を上下左右に移動させた例を説明したが、底辺を左右方向に平行移動させると共に頂部の左右方向の移動量に比例するように頂部を下方に移動させても良い。
これにより、刺激表示領域による運転者が視認可能なオプティカルフローを減少させることなく、運転者の視線を刺激表示領域に引き寄せることができる。
また、頂部の移動軌跡を部分円弧状に形成した例を説明したが、頂部の移動軌跡を湾曲状に形成しても良い。
3〕前記実施形態においては、刺激表示領域を基本的に三角形状に形成した例を説明したが、少なくとも運転者の視線を引き付けるように下方に突出した頂部を備えれば良く、五角形状であっても良い。また、移動量に応じて刺激表示領域の形状を変化させても良い。この場合、オプティカルフローの消失時間差が減少するように領域境界ラインの曲率や形状を設定する。
4〕前記実施形態においては、所定の領域において選択的に透過率が変更可能な調光ガラスによって視覚刺激を形成した例を説明したが、少なくとも運転者の視線を引き付けることができれば良く、移動可能なフィルムシート、フロントウインドガラスに投射可能なヘッドアップディスプレイ等を用いることも可能である。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
2 フロントウインドガラス
3 視界調整装置
4 運転席シート
6a メータフード
18 視覚刺激表示機構
19,19A,19B 遮蔽部
21 進行方向判定部
24 視覚刺激表示機構
S,SA,SB 刺激表示領域
P,PA,PB 頂部
θ1,θ2 (視覚刺激表示領域)交差角度
Θ1,Θ2 (フロントウインドガラス)交差角度
V 車両

Claims (5)

  1. フロントウインドガラスを介して運転者により認識される視覚情報を調整する車両の視界調整装置において、
    車両の進行方向を判定する進行方向判定手段と、
    前記フロントウインドガラスの上端部の一部を底辺にすると共に前記底辺よりも下方に設定された頂部を有する刺激表示領域に視覚刺激を表示可能な視覚刺激表示手段とを備え、
    車両の旋回状態が判定されたとき、運転者がフロントウインドガラスを介して視覚的に認識する物体の運動成分の移動軌跡を表したオプティカルフローと前記刺激表示領域の頂部を含む領域境界ラインとの鋭角側交差角度が前記オプティカルフローと前記フロントウインドガラスの上端部との鋭角側交差角度よりも大きくなるように前記刺激表示領域を形成たことを特徴とする車両の視界調整装置。
  2. インスツルメントパネルの上端側部分から上方に膨出するように形成されたメータフードを備え、
    前記メータフードの頂部が運転席を基準として物理的正面方向に対応した車幅方向位置に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の視界調整装置。
  3. 前記視覚刺激表示手段は、車両の旋回状態が判定されたとき、前記刺激表示領域の頂部を前記物理的正面方向に対応した位置よりも前記旋回方向と反対方向に移動させることを特徴とする請求項2に記載の車両の視界調整装置。
  4. 前記視覚刺激表示手段は、走行速度が高い程又は旋回半径が小さい程、前記刺激表示領域の頂部の移動量を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の車両の視界調整装置。
  5. 前記視覚刺激表示手段は、前記刺激表示領域に表示された遮蔽部を車幅方向に移動させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の視界調整装置。
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