〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るループヒートパイプの液管内部の構成例を示しており、図2は、突起片による気泡の係止および分断状態の一例を示している。図1、図2に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
図1に示す液管2は、本開示のループヒートパイプを形成する機能部品の一例であり、冷却対象から伝熱させながら液相の冷媒10を流動させる管路である。ループヒートパイプは、液管2内を流動させた液相の冷媒10で冷却対象から吸熱して気化させ、冷却対象から離間した位置で気化した冷媒を凝縮して液相に変化させて循環させる。これによりループヒートパイプは、冷媒10の気化熱を利用して冷却対象である発熱体から熱を奪うことで冷却させる。液管2には、たとえば径大に形成された第1の流路4と、この第1の流路4に対して径小な開口部6をもって連通した第2の流路8と、この開口部6の周囲に複数の突起片12を備えている。
液管2は、たとえばループヒートパイプにおいて、図示しない凝縮部と冷却対象の近傍に配置される蒸発部との間に液相の冷媒10を流す循環経路を形成する。液管2に形成される循環経路は、凝縮により冷媒10が液化する凝縮部側が上流となり、冷媒10を吸熱によって気化させる蒸発部側が下流となる。液管2は、液相の冷媒10が流動する循環経路の一部に形成され、たとえば蒸発部の上流側に形成されてもよい。
第1の流路4は、液管2の上流側に形成され、内部に冷媒10が充満されている。そして第1の流路4は、内部に流動し、または貯留された冷媒10を第2の流路8側に流している。なお第1の流路4は、凝縮部から直接開口部6に冷媒10を流動させる管路に限られず、循環経路の途中に冷媒10を溜める貯留手段であってもよい。
第2の流路8は、少なくとも開口部6側が第1の流路4よりも径小に形成されており、この開口部6を通じて冷媒10を取り込んでいる。第2の流路8は、たとえば蒸発部側に向けて冷媒10を供給する管路で形成される。
突起片12は、本開示の突起片の一例であり、第1の流路4内の気泡を係止し、または気泡の一部を分断して、気泡によって開口部6が閉塞されるのを防止する。第1の流路4内には、冷媒10とともに多数の気泡が混入しており、冷媒10の流動に沿って循環経路を流動している。この気泡は、たとえば図示しない凝縮部における冷媒10の液相への変化に伴って混入するほか、冷媒10の温度や液管2の温度などによって冷媒10に溶け込んだ空気が溶出して発生する。径小な気泡は、開口部6を通過して第2の流路8内に流入する。しかし、開口部6よりも径大な気泡は、たとえば第2の流路8内にある冷媒10の表面張力などにより開口部6を通過できず、第1の流路4内に滞留する。突起片12は、たとえば第1の流路4内で滞留し、さらに他の気泡を取り込んで成長した気泡を分断する。
これらの第1の管路4、第2の管路8、開口部6および突起片12は、同一部材で形成してもよく、または別部材で形成された各部品を設置して一体化してもよい。
突起片12は、たとえば図2に示すように、開口部6の周縁に沿って複数枚が配置されている。各突起片12は、たとえば第2の流路8の前面側に対し、開口部6の開口径に合わせて、一面同士を対向して配置されている。突起片12の対向面は、たとえば開口部6の中心軸O(図1)に対してそれぞれ平行に形成されている。これにより第1の流路4には、開口部6の前面側に、複数の突起片12により囲まれた流動空間が形成され、第1の流路4から開口部6に向けた冷媒10の流動が阻害されない。
<突起片12の形状について>
突起片12は、開口部6の周縁側に対し、液管2を形成するケースと一体に形成され、またはケースの内壁に設置されており、第1の流路4内に対し、液管2の上流方向に向けて先端部14が突出している。突起片12は、それぞれ中心軸Oに対して径方向に延伸して形成されている。突起片12の先端部14は、中心軸Oに近い部分の突出量を最も大きく設定し、中心軸Oから径方向に離間するのに従って突出量が減少するように形成されている。
また、突起片12は、たとえば開口部6側に形成された底面から先端部14に向けて、中心軸O側に向けた面の厚さを所定の割合で減少する、所謂テーパ状であり、かつ先端部14が冷媒10の流動面に対して鋭角状に形成されている。これにより突起片12は、開口部6よりも大きな径の気泡を係止させるとともに挿通し、気泡との接触面が傾斜状になることで、接触する気泡面の変形量を増やせる。
第1の流路4内に流動する気泡本体16は、たとえば第2の流路8よりも径大な場合、開口部6の前面側において、各突起片12の先端部14に接触する。このとき気泡本体16は、冷媒10の流動により突起片12の先端部14から側面部分に沿って押し付けられ、変形する。さらに気泡本体16は、変形が大きくなると、たとえば突起片12の先端部14との接触部分の一部に破断面18が生じて一部が分断され、気泡分体20が形成される。この気泡本体16と気泡分体20は、たとえば開口部6よりも径小になる場合のほか、開口部6よりも径大であっても、突起片12が係止したときに、開口部6を閉塞させない大きさに分断される。
斯かる構成によれば、突起片12の先端部14を気泡内部に挿通および気泡表面への接触により、気泡本体16の変形および所定の大きさに分断させ、第2の流路8内が気泡によって閉塞されるのを阻止する。開口部6に沿って突起片12の厚さや突出量が変化することで、気泡の分断機能が高められ、気泡が突起片12に係止された状態で成長するのを阻止できる。
〔第2の実施の形態〕
図3は、第2の実施の形態に係るループヒートパイプの構成例を示す図である。図3に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
図3に示すループヒートパイプ30は、本開示のループヒートパイプの一例であり、冷却対象側に流動させた液相の冷媒10が吸熱することで気化して気相の冷媒40に相変化させ、この冷媒40を冷却対象から離間した位置で凝縮させて液相の冷媒10に相変化させる。ループヒートパイプ30は、冷媒10、40の相変化に伴う潜熱を利用して、発熱体34が発した熱hの熱移動を行い、冷却する。ループヒートパイプ30は、たとえば蒸発部32、凝縮部42、液管36、蒸気管38を備えている。
<蒸発部32の構成例について>
蒸発部32は、発熱体34の近傍に設置され、発熱体34が発した熱hを内部に流動させる冷媒10に吸熱させる吸熱手段の一例である。蒸発部32は、たとえば一端側に冷媒10が供給される液管36が接続され、他端側に吸熱によって気化した冷媒40を排出する蒸気管38が接続されている。蒸発部32には、たとえば液管36との接続部分に形成される液部44、この液部44に連接され、液部44よりも径小な吸熱管路48、蒸気管38との接続部分に形成される蒸気部52(図4)などが含まれる。
液部44は、液相の冷媒10を蒸発部32側に滞留させる手段の一例であり、蒸発部32内における冷媒10の流動方向の上流側であって、本開示の第1の流路の一例である。液部44は、たとえば液管36と同等の内径で形成されてもよい。
吸熱管路48は、液部44よりも径小な開口部46が形成され、この開口部46を通じて液部44から冷媒が供給される。吸熱管路48は、蒸発部32が取り込んだ熱hを内部に溜めた、または流動する冷媒10に伝熱する手段の一例である。また吸熱管路48は、液相の冷媒10が流動する少なくとも液管36、液部44よりも径小に形成され、管内部の冷媒10に対して毛細管力を発生させることで、液管36側から冷媒10を流動させる流動手段の一例である。吸熱管路48は、たとえば開口部46の内径と同等に形成されればよく、蒸気部52側との連通側に冷媒10の液面が形成される。
吸熱管路48は、冷媒10が気化し液面が吸熱管路48内で液管36方向に後退すると、液面を蒸気部52との連通部分まで引き戻すように毛細管力が作用し、液部44側から冷媒10を取り込むことで、ループヒートパイプ30内に冷媒10を循環させる。
液部44の内部には、開口部46の周囲に複数の突起片50が、冷媒10の流動方向の上流側に向けて立設されている。突起片50は、冷媒10に含まれる気泡を係止し、または所定の大きさに分断する手段の一例であって、吸熱管路48を形成するケース部材と一体に形成されればよい。
蒸発部32は、たとえば図4に示すように、冷媒10の流動方向に対して複数の吸熱管路48が形成されており、吸熱管路48の開口部46にそれぞれ突起片50が設けられている。吸熱管路48は、本開示の第2の流路の一例であり、たとえばループヒートパイプ30に設定される冷媒10の流動量や冷却機能に基づいて設置本数や管径などが設定される。すなわち、蒸発部32は、吸熱管路48の本数を多くするなどにより、冷媒10の流動量を増やすことで、吸熱量が多くなり、冷却機能が高められる。吸熱管路48は、たとえば発熱体34の上面側に対して並列に形成することで、略均等に吸熱を行うことができる。
蒸気部52は、各吸熱管路48から排出される気相の冷媒40を合流させ、蒸気管38側に流動させる。
<凝縮部42の構成について>
凝縮部42は、蒸発部32から離間して形成され、蒸気管38を通じて気相の冷媒40を取り込み、この冷媒40を凝縮する手段の一例である。凝縮部42には、たとえば図示しない放熱フィンやファンなどの放熱手段を設けてもよい。凝縮部42の内部には、放熱により凝縮され、液相に相変化した冷媒10が流動し、冷媒10の液面が形成される。
凝縮部42で凝縮された冷媒10は、液管36を通じて蒸発部32側に流される。これによりループヒートパイプ30は、蒸発部32と凝縮部42の間で、液相の冷媒10と気相の冷媒40を液管36、蒸気管38の異なる流路で循環させる。
<突起片50の構成例について>
図5は、突起片の形状および配置状態の一例を示している。図5に示す構成は一例である。
突起片50は、図5のAに示すように、液部44内において、開口部46の周縁に沿って設置され、またはケースと一体に形成されており、冷媒10の流動方向に対する上流側に向けて鋭角状の先端部54を突出させている。突起片50の先端部54は、中心軸Oに近い方の突出量が大きく、中心軸Oから離間するに従って突出量が減少するように、開口部46の径方向に対して傾斜されている。また、突起片50の突出方向の厚さは、先端部54を鋭角状に突出させるようにテーパ状に形成されており、2つの側壁部56が同等の角度で傾斜されればよい。すなわち、突起片50の突出方向の断面は、2つの側壁部56による二等辺三角形状で形成されればよい。
突起片50の底部側の厚さd1は、たとえば開口部46側から径方向に対して同等に形成してもよく、所謂三角柱形状で形成されればよい。また、突起片50は、底部の厚さd1を開口部46から離間するに従って、減少させるように形成してもよい。
突起片50は、開口部46の中心軸Oを介した径方向に、直線状に対向して形成される。また開口部46の周縁には、複数の突起片50が均等な角度またはそれに近い状態で配置されている。
突起片50は、少なくとも側壁部56の表面性状を冷媒10の濡れ性が高くなる、つまり親水性となるように形成されている。突起片50は、たとえば全体を親水性の高い材料で形成するほか、側壁部56の表面にガラスコーティングなどの親水処理を施してもよい。なお、親水性材料や親水処理は、ループヒートパイプ30に流動させる冷媒10によって濡れ性を高めるための材料が設定される。
突起片50は、たとえば図5のBに示すように、少なくとも開口部46に近接する部分の最大突出量Hは、開口部46の開口径φAよりも大きく設定されるとともに、液部44の内径、または上下または左右方向の幅L2の半分よりも大きくなるように設定される。すなわち、突起片50は、開口部46を通過できない大きさの気泡に対し、その表面に接触し、また内部に挿通した場合、先端部54が気泡の中心側まで到達し、気泡を大きく変形させるように形成される。また液部44の幅L2は、気泡が流動する経路の大きさの一例であり、たとえば吸熱管路48が1つの場合には内径が設定され、複数の吸熱管路48が並列に設置される場合、液部44の上下または左右のいずれか小さい方が設定される。
開口部46を介して直線状に設置された2つの突起片50の長さの合計は、少なくとも、液部44の幅L2の半分以上になるように設定される。すなわち、突起片の長さは、以下の条件に設定される。
(液部44の幅L2)≦2×〔(2つの突起片50の設置幅L1)−(開口径φA)〕
・・・(式1)
この式1により、突起片50は、液部44に流動する気泡の幅L2の方向に対して、半分以上の長さで接触し、変形させることができ、気泡の係止および分断機能を発揮する。
<突起片50による気泡の係止>
図6のAに示す開口部46よりも径大な気泡60は、液部44内の冷媒10の流動に伴って開口部46側に流動する。液部44内の冷媒10は、液部44よりも径小な開口部46に集約されるように流動するため、気泡60は、たとえば開口部46の前面側に対して直線上に近い方向から導かれる。従って、気泡60の一部は、開口部46の中心軸Oに近い位置に配置されることから、一部または全部の突起片50の最も突出量の高い位置が気泡60に接触する。そして、気泡60は、たとえば図6のBに示すように、突起片50に接触すると、開口部46側への冷媒10の流動に伴って開口部46側に流動し、突起片50に圧着状態となり、気泡60の内部に突起片50が挿通されることで係止される。このとき、気泡60は、突起片50との接触部分およびその周囲が突起片50の先端部54および側壁部56に沿って大きく内側に変形状態となる。
気泡60は、図7のAに示すように、複数の突起片50により所定角度α毎に接触部分が押圧され、変形状態となる。また冷媒10が開口部46に向けて集約方向に流動することで、気泡60は、縮小方向に押圧される。さらに、突起片50の側壁部56は、たとえば図7のBに示すように親水状態であり、側壁部56の表面側に沿って冷媒10が流れやすくなっている。これにより、冷媒10は、側壁部56が濡れやすい状態にあることで、側壁部56に沿って気泡60の変形部分にも流動する。
図8は、突起片に気泡が係止された状態例を示している。図8に示す気泡の形状、気泡に作用する力の状態は一例である。
気泡60は、図8のAに示すように、表面の一部が突起片50に圧着状態となり、突起片50の形状に沿って変形する。突起片50の先端部54は、気泡60の表面の一部を気泡60の内部側に向けて陥没状態となるように押圧する。このとき、突起片50の側壁部56は、表面側に沿って冷媒10が流動しており、突起片50と気泡60表面の変形部分との間の微小部分にも冷媒10が進入する。
気泡60は、突起片50側への流動が進むことで外形の一部が押圧されて歪みが生じる。このとき、気泡60には、たとえば突起片50との接触および陥没状態になることで、表面の一部が気泡60内部側に押圧力F1を受ける。また、突起片50から離れた部分には、たとえば周囲の冷媒10との境界部分に作用する表面張力F2により、気泡60の表面が球状になるように変形する。
開口部46側は、たとえば図8のBに示すように、径方向の突起片50の先端部54に沿って気泡60を変形させている。突起片50は、開口部46側から径方向に向けて突出量を変化させることで、気泡60全体を屈曲させるなど、気泡60の形状を大きく歪ませることができる。また、突起片50は、たとえば側壁部56を親水性にすることで、開口部46の前面側において冷媒10による表面張力F3が作用し、気泡60を進入させにくくしている。これにより、突起片50は、図8のCに示すように、気泡60の係止によって開口部46が閉塞されるのを阻止し、隣接する突起片50の間から冷媒10の流動経路を確保することで、ループヒートパイプ30内の冷媒10の循環を維持する。
<気泡60の分断状態について>
図9および図10は、突起片による気泡の分断状態例を示している。図9、図10に示す気泡の形状や力の作用状態は一例である。
開口部46側に流動してきた気泡60は、図9のAに示すように先端部54と接触する押圧面62で押圧され、さらに押圧面62の周辺部分が突起片50の側壁部56に沿って変形する。また気泡60は、外形の一部が水面との境界に作用する表面張力F2によって表面積を小さくするように、球形に変形しようとする。このような気泡60の変形は、たとえば図10のAに示すように、所定角度αをもって配置された隣り合う突起片50の間に生じる。このとき気泡60は、各突起片50の側壁部56の表面側との接触および変形部分に流入する冷媒10からの押圧力F1を受け、押圧面62が拡大していく。
気泡60は、図9のBに示すように冷媒10の流動により、気泡60が開口部46側に流されると、突起片50との隣接面が広がり、気泡60の内部側に対して突起片50が深く挿通される。突起片50の側壁部56は、先端部54に向けてテーパ状に形成することで、突起片50の挿通量に応じて気泡60の一部が押し広げられるとともに側壁部56との間に進入してくる冷媒10により押圧力F1を受ける範囲が増加し、気泡表面の変形が進む。そして押圧力F1の増加に伴い、気泡60の外周側に作用する表面張力F2が大きくなる。
気泡60は、図10のBに示すように、表面に作用する押圧力F1および表面張力F2が大きくなるにつれ、たとえば押圧面62に沿って気泡表面の一部が大きく歪んでいき、気泡全体が歪な形状になる。
そして気泡60は、図9のCに示すように、突起片50による押圧面62の一部が不安定になり、気泡内部に冷媒10が浸透すると、その浸透部分が拡大され、その浸透経路を破断面64として気泡60の一部が分断される。分断された気泡60は、図10のCに示すように、表面側に表面張力F2が作用して球形に変形する。また、元の気泡60の本体側には、破断面64が新たに冷媒10との境界面となり、この境界面を含む外形の周囲の冷媒10から表面張力F2が作用して、再び球形に変形する。
開口部46は、たとえば分断された気泡60のいずれか、または両方の内径が開口径φAよりも小さくなれば、冷媒10とともに取り込み、吸熱管路48側に流動させる。また、開口径φAよりも大きな気泡60は、再び突起片50によって係止され、分断される。
なお、この実施の形態では、開口部46の周縁に対し、突起片50を4つ設置し、それぞれの配置角度が中心軸Oに対して約90度になるように配置する場合を示したがこれに限られない。突起片50は、4つ以上配置してもよく、好ましくは偶数個で形成され、中心軸Oを介して2つずつ、直線状に配置されればよい。
<隣接する突起片の他の構成例について>
図11は、複数の突起片を連設された場合の構成例を示している。図11に示す構成は一例である。
液部44には、図11のAに示すように、たとえば横方向に並列に複数の吸熱管路48が設置され、開口部46が形成されている。開口部46は、それぞれ周縁側に気泡60の係止および分断を行う突起片50が形成される。また隣り合う開口部46間には、たとえば端面同士を接触させた突起片70が形成されている。突起片70の延伸長さは、隣り合う開口部46の形成間隔により設定され、たとえば開口部46の中心から等距離の位置で接触するように設定してもよい。
突起片70の先端部54は、たとえば図11のBに示すように、開口部46側を最も突出させており、開口部46から離間するに従って突出量を減少させることで、傾斜形状に形成されている。これにより隣り合う突起片70は、たとえば突出量が小さい部分同士を接触させていることから、開口部46間で先端部54が「V」字形上を形成する。突起片70の先端部54の突出量は、開口部46間に配置されない突起片50の先端部54の突出量と同等に減少させて形成されればよい。これにより、突起片70は、たとえば係止する気泡60が先端部54の延伸長さよりも径大な場合、隣接する突起片70の先端部54側にも接触することで、気泡60の表面をより複雑な形に歪ませることができ、分断機能を高められる。また、突起片70は、並列に並べられた開口部46間において突起片70を必ず気泡60に係止させることで、開口部46間での滞留による気泡60の径大化を阻止することができる。
なお、図11に示す突起片70は、開口部46間以外の部分に形成される突起片50よりも短く形成される場合を示したが、これに限られない。突起片70の長さは、突起片50よりも長く設定してもよい。
斯かる構成によれば、冷媒10に沿って流動する気泡60に対し、突起片50による押圧と側壁部56の親水性により気泡表面を大きく変形させ、さらに冷媒10との液面に作用する表面張力により、気泡60の一部の分断が可能となる。大きな径の気泡60を突起片50により分断可能にすることで、気泡60による吸熱管路48の閉塞が阻止できる。突起片の先端部の突出量を一定にせず、さらに側壁部56をテーパ状に形成し、気泡60に突起片50が入り込むに従って、押圧面62を広げて気泡60の歪みを増加させることで、気泡の分断機能が高められる。蒸発部32は、流動する気泡60を突起片50で係止し、開口部46側に接触させないことで、気泡60による閉塞を阻止し、吸熱管路48内への冷媒10の供給を維持することで、吸熱管路48内で冷媒10に作用させる毛細管力を維持できる。これにより、ループヒートパイプ30は、吸熱管路48で生じる冷媒10の気化に対し、毛細管力を利用した冷媒10の流動させることで、蒸発部32と凝縮部42間の冷媒10の循環を維持し、冷却機能を発揮することができる。
〔第3の実施の形態〕
図12、図13は、第3の実施の形態に係るループヒートパイプの突起片の構成例を示している。図12、図13に示す構成は一例である。
開口部46には、たとえば図12のAに示すように、液部44内に流動する冷媒10を通水させるとともに、冷媒10とともに流動する気泡60を係止し、一部を分断させる手段として、突起片80が形成されている。突起片80は、たとえば開口部46の周囲に沿って同等の配置角度で複数形成されている。各突起片80は、たとえば同等の形状に形成された2枚の平板状の突起部品81が平行に設置され、対向する突起部品81の側壁部84間に冷媒10を導くスリット82を形成している。このスリット82は、開口部46の中心側に向けて形成されており、対向する側壁部84に沿って流動する冷媒10を開口部46内に導水させる。
突起部品81の先端部86は、開口部46の中心に近い部分を最も大きく突出させており、開口部46から離間するのに従って、突出量を減少させることで、傾斜面を形成している。突起部品81の外縁部分の端部88は、たとえば開口部46の中心側に向けて所定の角度で傾斜して形成されている。また、突起部品81は、たとえば側壁部84のうち、スリット82を形成する面を中心軸Oに平行に形成している。これに対し突起部品81は、スリット82を形成しない面の側壁部84について、スリット82側に向けて傾斜させ、いわゆるテーパ状に形成されている。このテーパ形状は、たとえば突起部品81の厚さを底部側から先端部86側に向けて減少させ、先端部86を鋭角状になるように形成している。
さらに開口部46の周縁には、隣り合う突起片80同士を連結させ、冷媒10の流動をガイドするガイド壁90が形成される。ガイド壁90は、所定の配置角度で隣り合う突起部品81同士に対し、開口部46側において、開口部46が形成される壁部側から突起部品81の突出方向に沿って立設される。これによりガイド壁90は、開口部46に対して突起部品81間から冷媒10が流入するのを阻止する。ガイド壁90の先端部92は、たとえば図12のBに示すように、中央部分を凸形状にし、突起部品81の先端部86よりも高く突出させて形成している。
ガイド壁90は、たとえば開口部46側の壁面を開口部46の中心軸に対して平行に形成される。ガイド壁90の突出量H2は、たとえば開口部46の開口径φAよりも大きく設定されるとともに、液部44の内径、または上下または左右方向の幅L2(図5)の半分よりも大きくなるように設定される。また、開口部46を介して直線状に設置された2つの突起片80の長さの合計は、少なくとも、液部44の幅L2の半分以上になるように設定される。すなわち、突起片の長さは、以下の条件に設定される。
(液部44の幅L2)≦2×〔(2つの突起片80の設置幅L3)−(開口径φA)〕
・・・(式2)
突起部品81およびガイド壁90は、表面部分が親水性部材で形成され、または親水処理が施されており、壁面に沿って冷媒10が流動し易い状態となっている。
開口部46の周縁には、たとえば図13のAに示すように、4つの突起片80が同等の角度で形成されており、対向する突起部品81間およびガイド壁90によって形成される空間を通じて開口部46側に冷媒10が流動する。
ガイド壁90は、たとえば図13のBに示すように、開口部46側に向けられた内壁を中心軸Oに対して平行に形成するとともに、外壁側をテーパ状に傾斜形状に形成している。このガイド壁90は、たとえば外壁側の厚さを開口部46が形成される壁面側から先端部92側に向けて薄くし、外壁側を中心軸Oに向けて傾斜させて先端部92を鋭角状に形成する。
このような形状により、突起片80およびガイド壁90は、たとえば開口部46の前面側およびスリット82内において、冷媒10の流動経路を狭めることがなく、突起片80が形成されても、冷媒10の流動状態を保持させることができる。また突起片80で形成されるスリット82の形成幅L4は、たとえば開口部48に対して同等または径小に形成される。これによりスリット82は、たとえば図13のCに示すように、内部に開口部46よりも径大な気泡60の通過を阻止する。
<突起片80による気泡60の係止および分断について>
図14は、突起片80に対する気泡60の係止状態の外観を示している。液部44内の気泡60は、たとえば図14のAに示すように、冷媒10の流動に従って開口部46側に流動すると、突起部品81の先端部86やガイド壁90の先端部92と接触する。そして気泡60は、たとえば図14のBに示すように、冷媒10とともに開口部46側に流動すると、表面の一部が中心側に向けて押圧され、全体形状が歪んだ状態で突起片80に係止状態となる。
このとき気泡60には、たとえば図15のAに示すように、突起部品81の先端部86から側壁部84に沿って表面の一部が圧着状態となり、変形する。突起部品81の先端部86は、気泡60の表面の一部を気泡60の内部側に向けて陥没状態となるように押圧する。そして側壁部84には、表面に沿って冷媒10が流動しており、突起部品81と気泡60の変形部分との間に冷媒10が進入する。このとき、気泡60には、たとえば突起部品81との接触および陥没状態になることで、表面の一部が気泡60内部側に押圧力F1を受ける。また、突起片80から離れた部分には、たとえば周囲の冷媒10との境界部分に作用する表面張力F2により、気泡表面が球状になるように変形する。
スリット82には、内部に冷媒10が流動していることから、対向した突起部品81の先端側において、側壁部84に沿って表面張力F3が作用することで、径大な気泡60が進入しにくくなっている。
冷媒10は、たとえば図15のBに示すように、スリット82を形成する突起部品81の側壁部84を通じて開口部46側に流入する。このとき、気泡60は、突起部品81の傾斜した先端部86およびガイド壁90の先端部92に沿って変形する。また、開口部46の前面側には、スリット82および突起片80の先端部86やガイド壁90によって冷媒10が流動する空間が形成される。さらに開口部46の前面側には、突起片80やガイド壁90の壁面に沿って冷媒10に作用する表面張力F3が作用することで、開口部46への気泡60の進入が阻止される。
<気泡60の分断状態について>
開口部46側に流動してきた気泡60は、図16のAに示すように先端部86と接触する押圧面62で押圧され、さらに押圧面62の周辺部分が突起部品81の側壁部84に沿って変形する。気泡60は、外形の一部が、冷媒10の水面との境界に作用する表面張力F2によって表面積を小さくするように、球形に変形しようとする。気泡60は、突起部品81の側壁部84の表面側との接触および変形部分に流入する冷媒10からの押圧力F1を受け、押圧面62が拡大していく。
気泡60は、図16のBに示すように冷媒10の流動により、気泡60が開口部46側に流されると、突起部品81との接触面が広がり、気泡60の内部側に対して突起部品81が深く挿通される。突起部品81の側壁部84が先端部86に向けてテーパ状に形成されることで、気泡60は、突起部品81の挿通深さに応じて一部が拡開される。また気泡60は、側壁部84による変形部分との間に進入してくる冷媒10により押圧力F1を受ける範囲が増加し、表面の変形が進む。そして押圧力F1の増加に伴い、気泡60の外周側に作用する表面張力F2が大きくなる。
そして気泡60は、図16のCに示すように、突起部品81による押圧面62の一部が不安定になり、内部に冷媒10が浸透すると、その浸透部分が拡大され、その浸透経路を破断面64として気泡60の一部が分断される。
分断された気泡60は、たとえば図17に示すように、表面側に表面張力F2が作用して球形に変形する。また、元の気泡60の本体側には、分断面64が新たに冷媒10との境界面となり、この境界面を含む外形の周囲の冷媒10から表面張力F2が作用して、再び球形に変形する。
開口部46は、たとえば分断された気泡60のいずれか、または両方の内径が開口径Aまたはスリット82の幅L4よりも小さくなれば、冷媒10とともに取り込み、吸熱管路48側に流動させる。また、開口径Aまたはスリット82の幅L4よりも大きな気泡60は、再び突起片80によって係止され、分断される。
斯かる構成によれば、液部44内において、開口部46の前面周囲を複数の突起部品81およびガイド壁90によって包囲することで、気泡60に挿通させる先端部や、気泡表面を沿わせる壁面を増やすことで、気泡の変形量を大きくし、分断機能を高めることができる。また、突起部品81やガイド部品90の表面性状を親水性にすることで、壁面に沿って変形する気泡の変形面に沿って冷媒10が通水されるので、気泡の破断を促すことができる。また、開口部46の前面周囲を複数の突起部品81およびガイド壁90によって包囲することで、冷媒10の気泡が係止された場合でも冷媒10の流動経路が確保でき、ループヒートパイプ30内における冷媒10の循環を維持させることができる。
〔比較例〕
次に、従来の突起片を利用した蒸発部内部の構成との比較例について説明する。図18は、突起片の比較例を示している。
図18に示す蒸発部120は、たとえば冷媒10の流動経路の上流側の径大な液部44が下流側の径小な吸熱管路48に連通しており、連通部分の開口部分に沿って一体または複数の柱状の突起片122が立設されている。突起片122は、たとえば吸熱管路48の開口径と同等の間隔で形成されている。
突起片122は、液部44内を流動してきた径大な気泡60に対し、図18のAに示すように、先端部分を接触させて係止し、開口部内への進入を阻止することができる。このとき突起片122は、先端部分が気泡60の表面の一部に接触している。気泡60は、たとえば冷媒10の流動によって突起片122側に押し付けられており、突起片122との接触部分とその周辺の一部に押圧面62が形成され、変形する。
気泡60は、たとえば蒸発部120内の冷媒10の流動状態が変化しなければ、突起片122による係止状態が維持される。
気泡60は、たとえば図18のBに示すように時間の経過や、冷媒10に含まれる空気量の変化などにより径大に発達する場合がある。気泡60は、たとえば冷媒10に含まれる気泡が集約される場合や、蒸発部120が搭載されるヒートパイプ内において、冷媒10の温度変化に伴って内部圧力が変化することで径大になる場合がある。
突起片122は、たとえば気泡60が径大になると、気泡表面に対する接触角度が大きくなることや、表面が変形し難くなることで、気泡内部に貫通する場合がある。気泡60が貫通した突起片122は、先端部分の表面が冷媒10から分離してしまうことで、気泡表面を変形させることができない。したがって、気泡60は、表面を球形に維持した状態で、表面一部が径小な吸熱管路48開口部46に接触し、冷媒10の進入を阻止することになる。
開口部46が気泡60によって閉塞された吸熱管路48は、たとえば液部44側の冷媒10から寸断されることで、内部の冷媒10の液面に対して毛細管力が作用しなくなる。また、吸熱管路48は、図示しない発熱体からの熱によって加熱され、内部の冷媒10が気化していく。したがって、吸熱管路48は、内部の冷媒10が全て気化すると、吸熱機能を失う、所謂ドライアウト状態となる可能性がある。
このような構成に対し、本開示のループヒートパイプは、吸熱管路48の開口部46に沿って複数の突起片50、80を形成し、気泡60を係止および分断を行う。この突起片50、80は、気泡60の表面に接触する先端部の突出量を開口部46側から径方向に向けて減少させるとともに、先端部に向けてテーパ状に形成することで、係止した気泡表面を大きく変形させて、分断を促す。さらに、突起片50、80の表面性状を親水性に形成することで、気泡60に対する押圧面62に沿って冷媒10を通水させるので、突起片が気泡内部に貫通するのを防止できるとともに、通水した冷媒10により気泡60の分断を促すことができる。
このように気泡60が突起片50により分断されることで、開口部46を閉塞させないので、ループヒートパイプ内の冷媒10の循環を維持させることができる。
〔他の実施の形態〕
以上説明した実施形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、突起片50が設置される第2の管路として、管径を径小にし、内部の冷媒10の気化に伴って液面に作用する毛細管力により冷媒10を循環させる吸熱管路48を利用する場合を示したがこれに限られない。蒸発部は、たとえば冷媒10を流動させる手段として、たとえば図19に示すように、液部44の下流側にウィック(Wick)100を備えてもよい。蒸発部は、たとえば上流側の液部44に対して径小な開口部46が形成され、その下流側にウィック100を収納する蒸気部102が形成される。
ウィック100は多層構造で形成され、内側に形成される液流路104が開口部46に連通している。この液流路104は、本開示の第2の流路の一例であって、たとえば内部が行き止まりになっており、冷媒10が充填される。液流路104の外層側には、多孔質体が形成されており、たとえば微小な孔が形成され、液流路104内の冷媒10を孔に作用する毛細管力によって吸い上げている。蒸発部では、ウィック100の表面側に吸い上げられた冷媒10が発熱体34から発した熱により気化する。気化した冷媒40は、ウィック100の周囲を通じて図示しない蒸気管側に流動する。
このようなウィック100を備えた管路に対し、開口部46の周縁側に複数の突起片50を備えることで、気泡60による開口部46の閉塞を阻止でき、冷媒10の循環を維持させることができる。
(2) 上記実施の形態では、開口部6に沿って配置される突起片12について、同等の形状および寸法で形成された場合を示したがこれに限られない。突起片12は、それぞれ突出長さ、または径方向への延伸長さを異ならせて形成されてもよい。突起片12は、たとえば流路内の形状や重力の影響など、第1の流路4に流動する気泡の発生状態や流動状態に応じて形状や寸法を設定してもよい。突起片12は、たとえば開口部6に対して気泡が上方から流入する回数が多い場合、開口部6の上方側の突起片12の突出長さや延伸長さを大きくしてもよい。これにより第1の流路4では、気泡の流動に対して突起片12を接触させる可能性を高め、気泡の分断を行うことができる。
次に、以上述べた実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1)内部に循環させた冷媒の気化熱を利用して、発熱体を冷却させるループヒートパイプであって、
液管側の循環経路の上流側に形成され、内部に液相の冷媒を流す第1の流路と、
前記第1の流路よりも径小な開口部をもって連通され、前記第1の流路から流入した冷媒を取り込む第2の流路と、
前記開口部の周囲に、前記開口部を介して一部分同士を対向させるように複数配置され、前記第1の流路側に向けて先端部を突出させて前記第1の流路を流動する気泡を係止し、または気泡の一部を分断する突起片と、
を備え、前記突起片は、前記開口部の中心側から径方向に向けて突出量を減少させながら延伸して形成され、かつ前記開口部側から前記第1の流路側の前記先端部に対してテーパ状に形成されることを特徴とする、ループヒートパイプ。
(付記2)前記突起片は、少なくとも表面が親水性部材で形成されることを特徴とする、付記1に記載のループヒートパイプ。
(付記3)前記突起片は、前記先端部を前記第1の流路内の気泡表面に圧着させるとともに、側面部分を気泡表面に密着することで、気泡の一部を前記突起片の形状に沿って変形させ、分断することを特徴とする、付記1または付記2に記載のループヒートパイプ。
(付記4)前記突起片は、対向する他の前記突起片に対して、前記開口部の径方向に直線状に配置されることを特徴とする、付記1ないし付記3のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記5)前記第2の流路は、流入した冷媒を毛細管力によって流動させるとともに、近接した発熱体からの熱により冷媒を蒸発させる蒸発部を形成することを特徴とする、付記1ないし付記4のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記6)前記突起片は、前記開口部の周囲に均等角度で形成されることを特徴とする、付記1ないし付記5のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記7)前記突起片は、少なくとも前記先端部の最大突出部分の長さが前記開口部の径よりも大きく形成されることを特徴とする、付記1ないし付記6のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記8)前記突起片は、前記開口部の径方向の延伸長さが、少なくとも前記開口部の開口径よりも大きく設定されることを特徴とする、付記1ないし付記7のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記9)前記開口部を介して対向する複数の前記突起片の延伸長さは、少なくとも前記第1の流路の半径より長く設定されることを特徴とする、付記1ないし付記8のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記10)前記突起片は、同等の形状を持った複数の突起部品が前記開口部の円周方向に沿って、一定の間隔で並列に配置され、この突起部品間に冷媒を通過させて前記第1の流路から前記開口部側に冷媒を導くスリットが形成されることを特徴とする、付記1ないし付記9のいずれか1つに記載のループヒートパイプ。
(付記11)さらに、前記開口部に沿って形成され、隣り合う前記突起片の間で前記開口部側への冷媒の流入を阻止するガイド壁を備え、
前記ガイド壁は、隣り合う前記突起部品同士を前記開口部側で連結させるとともに、前記第1の管路側への突出量が前記突起部品よりも大きく設定されることを特徴とする、付記10に記載のループヒートパイプ。
(付記12)前記ガイド壁は、外壁側を前記開口部側から先端側に向けて、前記第2の流路の中心線方向に傾斜して形成されることを特徴とする、付記11に記載のループヒートパイプ。
以上説明したように、本発明の好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。