JP6152184B2 - セパレータ捲回体、電池の製造方法、及びセパレータ捲回体の製造方法 - Google Patents

セパレータ捲回体、電池の製造方法、及びセパレータ捲回体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6152184B2
JP6152184B2 JP2016033629A JP2016033629A JP6152184B2 JP 6152184 B2 JP6152184 B2 JP 6152184B2 JP 2016033629 A JP2016033629 A JP 2016033629A JP 2016033629 A JP2016033629 A JP 2016033629A JP 6152184 B2 JP6152184 B2 JP 6152184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
core
resin
outer peripheral
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016033629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016171070A (ja
Inventor
大三郎 屋鋪
大三郎 屋鋪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to KR1020160027635A priority Critical patent/KR102545613B1/ko
Priority to US15/066,598 priority patent/US10115947B2/en
Priority to CN201610136823.6A priority patent/CN105977432B/zh
Publication of JP2016171070A publication Critical patent/JP2016171070A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152184B2 publication Critical patent/JP6152184B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
    • H01M50/411Organic material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/058Construction or manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/403Manufacturing processes of separators, membranes or diaphragms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Winding Of Webs (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明はリチウムイオン電池などの電池に用いられるセパレータ捲回体、セパレータ捲回体の製造方法、及び電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の内部において、正極及び負極は、多孔質のセパレータによって分離される。リチウムイオン二次電池の製造には、このセパレータを円筒形状のコアに巻いたものであるセパレータ捲回体が用いられる。
特許文献1は、導電性部材を含むコアに微多孔膜が捲回された捲回体を開示している。
特開2013−139340(2013年7月18日公開)
セパレータを巻き出したコアは、セパレータの巻取りに再利用できることが好ましい。特許文献1には、このコアの再利用について記載されていない。
本発明の目的は、再利用に適したコアを備えたセパレータ捲回体と、セパレータ捲回体の製造方法と、セパレータ捲回体から巻き出されたセパレータを備えた電池の製造方法とを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のセパレータ捲回体は、多孔質の電池用セパレータを巻いたコアを備え、前記コアの前記電池用セパレータに接する外周面の算術平均粗さは、3.7μm以上である。
また、本発明のセパレータ捲回体は、多孔質の電池用セパレータを巻いたコアを備え、前記コアの前記電池用セパレータに接する外周面の二乗平均平方根粗さは、4.0μm以上である。
発明者は、コアの外周面の表面粗度(算術平均粗さ又は二乗平均平方根粗さ)と、外周面から接着剤及び電池用セパレータを剥がすために必要となる力の大きさである剥離強度とが相関し、表面粗度が特定の条件を満たすときに、剥離強度が顕著に小さくなることを見出した。
上記構成によれば、剥離強度を従来のコアと比較して顕著に小さくできる。これにより、外周面から接着剤及び電池用セパレータを容易に剥がせるため、コアを再利用できる。
また、本発明のセパレータ捲回体では、前記電池用セパレータの前記外周面に接する一端は、前記外周面に固定されていてもよい。
上記構成によれば、電池用セパレータが外周面上でずれることを抑制できる。特に、電池用セパレータがコアに巻かれる前に、電池用セパレータの一端が外周面に固定されていれば、電池用セパレータがコアに巻かれるときにも、電池用セパレータが固定位置からずれることを抑制できる。よって、コアを再利用でき、かつ、巻きずれの少ないセパレータ捲回体を提供できる。
また、本発明のセパレータ捲回体では、前記電池用セパレータは、前記外周面に対向する機能層を備えていてもよい。
機能層の接着性が、電池用セパレータの機能層以外の部位よりも高い場合には、機能層は、外周面に付着し易くなる。このため、コアの再利用が妨げられることがある。
上記構成によれば、外周面から機能層を容易に剥がせるため、コアを再利用できる。
また、本発明のセパレータ捲回体では、前記コアは、樹脂を含んでいてもよい。
外周面から接着剤及び電池用セパレータを剥がすときには、コアの外周面側の部位に、コアから剥がれる方向に力が加わる。
上記構成によれば、例えば紙製のコアと比較してコアの外周面側が剥がれ難くなる。
本発明の電池は、カソード及びアノードと、前記カソード及び前記アノードに挟持されるように配置される上述のセパレータ捲回体から巻き出された前記電池用セパレータとを備える。
本発明の電池の製造方法は、上述のセパレータ捲回体から前記電池用セパレータを巻き出す工程と、巻き出された前記電池用セパレータを、カソード及びアノードの間に挟持されるように配置する工程とを含む。
上記構成によれば、セパレータ捲回体のコアを再利用できるため、セパレータ捲回体と、セパレータ捲回体から巻き出された電池用セパレータとを安価に提供できる。このため、電池を従来の電池と比較して安価に提供できる。
本発明のセパレータ捲回体の製造方法は、多孔質の電池用セパレータを搬送する工程と、搬送されている前記電池用セパレータを、外周面の算術平均粗さが3.7μm以上であるコアに巻き取る工程とを含む。
また、本発明のセパレータ捲回体の製造方法は、多孔質の電池用セパレータを搬送する工程と、搬送されている前記電池用セパレータを、外周面の二乗平均平方根粗さが4.0μm以上であるコアに巻き取る工程とを含む。
上記製造方法によれば、コアを再利用できるセパレータ捲回体を製造できる。
本発明のセパレータ捲回体によれば、コアの外周面から接着剤及び電池用セパレータを容易に剥がせるため、コアを再利用できるという効果を奏する。
また、本発明の電池は、従来の電池と比較して安価に提供できるという効果を奏する。
また、本発明のセパレータ捲回体の製造方法によれば、コアを再利用できるセパレータ捲回体を製造できるという効果を奏する。
リチウムイオン二次電池の断面構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の詳細構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の他の構成を示す模式図である。 セパレータをスリットするスリット装置の構成を示す模式図である。 図4に示されるスリット装置の切断装置の構成を示す側面図・正面図である。 本発明の実施形態のセパレータ捲回体の構成を示す模式図である。 図6に示されるコアの外周面の表面粗度を測定するための構成を示す模式図である。 図6に示されるコアの外周面に貼り付けられた接着テープが剥がされるときに接着テープに加えられる引張力を測定するための構成を示す模式図及びその測定結果を示すグラフである。
〔基本構成〕
リチウムイオン二次電池、セパレータ、耐熱セパレータ、耐熱セパレータの製造方法、スリット装置、切断装置について順に説明する。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、それゆえ、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器、自動車、航空機等の移動体に用いる電池として、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
図1は、リチウムイオン二次電池1(電池)の断面構成を示す模式図である。
図1に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、カソード11と、セパレータ12(電池用セパレータ)と、アノード13とを備える。リチウムイオン二次電池1の外部において、カソード11とアノード13との間に、外部機器2が接続される。そして、リチウムイオン二次電池1の充電時には方向Aへ、放電時には方向Bへ、電子が移動する。
(セパレータ)
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルムである。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。
図2は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の詳細構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が昇温したときの様子を示し、(c)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図2の(a)に示されるように、セパレータ12には、多数の孔Pが設けられている。通常、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3は、孔Pを介し往来できる。
ここで、例えば、リチウムイオン二次電池1の過充電、又は、外部機器の短絡に起因する大電流等により、リチウムイオン二次電池1は、昇温することがある。この場合、図2の(b)に示されるように、セパレータ12が融解又は柔軟化し、孔Pが閉塞する。そして、セパレータ12は収縮する。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の昇温も停止する。
しかし、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温する場合、セパレータ12は、急激に収縮する。この場合、図2の(c)に示されるように、セパレータ12は、破壊されることがある。そして、リチウムイオン3が、破壊されたセパレータ12から漏れ出すため、リチウムイオン3の移動は停止しない。ゆえに、昇温は継続する。
(耐熱セパレータ)
図3は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の他の構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図3の(a)に示されるように、セパレータ12は、多孔質フィルム5と、耐熱層4とを備える耐熱セパレータであってもよい。耐熱層4は、多孔質フィルム5のカソード11側の片面に積層されている。なお、耐熱層4は、多孔質フィルム5のアノード13側の片面に積層されてもよいし、多孔質フィルム5の両面に積層されてもよい。そして、耐熱層4にも、孔Pと同様の孔が設けられている。通常、リチウムイオン3は、孔Pと耐熱層4の孔とを介し往来する。耐熱層4は、その材料として、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含む。
図3の(b)に示されるように、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温し、多孔質フィルム5が融解又は柔軟化しても、耐熱層4が多孔質フィルム5を補助しているため、多孔質フィルム5の形状は維持される。ゆえに、多孔質フィルム5が融解又は柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の過放電又は過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
(耐熱セパレータの製造工程)
リチウムイオン二次電池1の耐熱セパレータの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、多孔質フィルム5がその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。しかし、多孔質フィルム5が他の材料を含む場合でも、同様の製造工程により、セパレータ12を製造できる。
例えば、熱可塑性樹脂に可塑剤を加えてフィルム成形した後、該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。例えば、多孔質フィルム5が、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン樹脂から形成されてなる場合には、以下に示すような方法により製造することができる。
この方法は、(1)超高分子量ポリエチレンと、炭酸カルシウム等の無機充填剤とを混練してポリエチレン樹脂組成物を得る混練工程、(2)ポリエチレン樹脂組成物を用いてフィルムを成形する圧延工程、(3)工程(2)で得られたフィルム中から無機充填剤を除去する除去工程、及び、(4)工程(3)で得られたフィルムを延伸して多孔質フィルム5を得る延伸工程を含む。
除去工程によって、フィルム中に多数の微細孔が設けられる。延伸工程によって延伸されたフィルムの微細孔は、上述の孔Pとなる。これにより、所定の厚さと透気度とを有するポリエチレン微多孔膜である多孔質フィルム5が形成される。
なお、混練工程において、超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、無機充填剤100〜400重量部とを混練してもよい。
その後、塗工工程において、多孔質フィルム5の表面に耐熱層4を形成する。例えば、多孔質フィルム5に、アラミド/NMP(N−メチル−ピロリドン)溶液(塗工液)を塗布し、アラミド耐熱層である耐熱層4を形成する。耐熱層4は、多孔質フィルム5の片面だけに設けられても、両面に設けられてもよい。また、耐熱層4として、アルミナ/カルボキシメチルセルロース等のフィラーを含む混合液を塗工してもよい。
塗工液を多孔質フィルム5に塗工する方法は、均一にウェットコーティングできる方法であれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、キャピラリーコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法などを採用することができる。耐熱層4の厚さは塗工ウェット膜の厚み、塗工液中の固形分濃度によって制御することができる。
なお、塗工する際に多孔質フィルム5を固定あるいは搬送する支持体としては、樹脂製のフィルム、金属製のベルト、ドラム等を用いることができる。
以上のように、多孔質フィルム5に耐熱層4が積層されたセパレータ12(耐熱セパレータ)を製造できる。製造されたセパレータは、円筒形状のコアに巻き取られる。なお、以上の製造方法で製造される対象は、耐熱セパレータに限定されない。この製造方法は、塗工工程を含まなくてもよい。この場合、製造される対象は、耐熱層を有しないセパレータである。また、耐熱層に替えて他の機能層(例えば、後述の接着層)を有する接着セパレータを、耐熱セパレータと同様の製造方法により製造してもよい。
(スリット装置)
耐熱セパレータ又は耐熱層を有しないセパレータ(以下「セパレータ」)は、リチウムイオン二次電池1などの応用製品に適した幅(以下「製品幅」)であることが好ましい。しかし、生産性を上げるために、セパレータは、その幅が製品幅以上となるように製造される。そして、一旦製造された後に、セパレータは、製品幅に切断(スリット)される。
なお、「セパレータの幅」とは、セパレータの長手方向と厚み方向とに対し略垂直である方向の、セパレータの長さを意味する。以下では、スリットされる前の幅広のセパレータを「原反」と称し、スリットされたセパレータを特に「スリットセパレータ」と称する。また、スリットとは、セパレータを長手方向(製造におけるフィルムの流れ方向、MD:Machine direction)に沿って切断することを意味し、カットとは、セパレータを横断方向(TD:transverse direction)に沿って切断することを意味する。横断方向(TD)とは、セパレータの長手方向(MD)と厚み方向とに対し略垂直である方向を意味する。
図4は、セパレータをスリットするスリット装置6の構成を示す模式図であって、(a)は全体の構成を示し、(b)は原反をスリットする前後の構成を示す。
図4の(a)に示されるように、スリット装置6は、回転可能に支持された円柱形状の、巻出ローラー61と、ローラー62〜69と、複数の巻取ローラー70U・70Lとを備える。スリット装置6には、後述する切断装置7がさらに設けられている。
(スリット前)
スリット装置6では、原反を巻きつけた円筒形状のコアcが、巻出ローラー61に嵌められている。図4の(b)に示されるように、原反は、コアcから経路U又はLへ巻き出される。巻き出された原反は、ローラー63〜67を経由し、ローラー68へ搬送される。搬送される工程において原反は、複数のセパレータにスリットされる。
(スリット後)
図4の(b)に示されるように、複数のスリットセパレータの一部は、それぞれ、巻取ローラー70Uに嵌められた円筒形状の各コアu(ボビン)へ巻き取られる。また、複数のスリットセパレータの他の一部は、それぞれ、巻取ローラー70Lに嵌められた円筒形状の各コアl(ボビン)へ巻き取られる。なお、ロール状に巻き取られたセパレータを「セパレータ捲回体」と称する。
(切断装置)
図5は、図4の(a)に示されるスリット装置6の切断装置7の構成を示す図であって、(a)は切断装置7の側面図であり、(b)は切断装置7の正面図である。
図5の(a)(b)に示されるように、切断装置7は、ホルダー71と、刃72とを備える。ホルダー71は、スリット装置6に備えられている筐体などに固定されている。そして、ホルダー71は、刃72と搬送されるセパレータ原反との位置関係が固定されるように、刃72を保持している。刃72は、鋭く研がれたエッジによってセパレータの原反をスリットする。
〔実施形態〕
≪セパレータ捲回体の構成≫
図6は、本発明の実施形態のセパレータ捲回体10の構成を示す模式図であって、(a)はコア8からセパレータ12が巻き出される前の状態を示し、(b)はコア8からセパレータ12が巻き出された状態を示し、(c)はセパレータ12が巻き出され、取り除かれた後のコア8の状態を示し、(d)は(b)の状態を別角度から示す。
図6の(a)に示されるように、セパレータ捲回体10は、セパレータ12を巻いたコア8を備える。このセパレータ12は、上述のようにスリットされている。
(コア)
コア8は、外側円筒部81と、内側円筒部82と、複数のリブ83とを備え、上述のコアu・lと同じ機能を有する。
外側円筒部81は、その外周面にセパレータ12を巻くための円筒部材である。内側円筒部82は、その内周面に巻取ローラーを嵌めるための円筒部材である。リブ83は、外側円筒部81の内周面と、内側円筒部82の外周面との間に延び、外側円筒部81を内周面から支持する支持部材である。
コア8の材料は、ABS樹脂を含む。ただし、本発明のコアの材料はこれに限定されない。コアの材料として、ABS樹脂の他に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、及び塩化ビニール樹脂などの樹脂を含んでもよい。コアの材料は、金属、紙、フッ素樹脂でないことが好ましい。
(セパレータ)
図6の(b)に示されるように、セパレータ12の外面には、製品の端部を表す印であるテープ120が付与されている。通常は、印としてこのようなテープを付与することが多いが、シール、スタンプ、又は印刷された印を付与してもよい。テープ120が付与される面は、セパレータ12の外面に限定されず、セパレータ12の内面であってもよい。
セパレータ12は、テープ120よりもコア8に近い側の内周部121と、テープ120よりもコア8から遠い側の外周部122とに分かれる。セパレータ12の一端は、接着テープ130によってコア8と貼り付けられている。具体的には、セパレータ12の一端は、接着剤を備えた接着テープ130によって、コア8の外周面Sに固定されている。セパレータの一端を外周面Sに固定する手段は、接着テープ130の他、接着剤をセパレータ12の一端に直接塗布して固定する、又はクリップで固定する、などであってもよい。
セパレータ12には、コア8の外周面の凹凸が転写される。内周部121には、外周部122よりも、この凹凸が転写されやすい。このため、セパレータ12を電池の部品として用いるときには、テープ120で分けられた外周部122を用いる。
内周部121の長さは3mである。本発明のセパレータの内周部の長さは、この長さに限定されない。
発明者は、コア8の外周面Sの表面粗度(例えば算術平均粗さRaや二乗平均平方根粗さRq)と、外周面Sから接着剤(接着テープ130)及びセパレータ12を剥がすために必要となる力の大きさである剥離強度とが相関し、表面粗度が特定の条件を満たすときに、剥離強度が顕著に小さくなるため、コア8を容易に再利用できることを見出した。この表面粗度と剥離強度とについて順に説明する。
(コアの表面粗度)
図7は、図6の(c)に示されるコア8の外周面Sの表面粗度を測定するための構成を示す模式図であって、(a)は全体構成を示し、(b)は測定ヘッド21の周辺構成を示す。図7の(a)〜(b)に示されるように、表面粗度測定装置20により、コア8の外周面Sの表面粗度を測定している。図7の(a)に示されるように、コア8は、輪留め31を介して台座30に固定されている。
表面粗度測定装置20は、測定ヘッド21と、移動機構22と、筐体23と、ケーブル24とを備え、固定部材32を介して台座30に固定されている。
測定ヘッド21の先端は、外周面Sに接触している。移動機構22は、測定ヘッド21を、コア8の幅方向である方向Dへ移動させる。筐体23は、測定ヘッド21から外周面Sの表面粗度に応じた信号を受け、表面粗度を計算するモジュールを備える。ケーブル24は、表面粗度の計算結果・電力を、表面粗度測定装置20と外部装置との間で中継する。
(コアの表面粗度測定装置の仕様)
表面粗度測定装置20として、Mitutoyo社製の「Surftest(SJ−400)」を用いた。測定ヘッド21の触針先端は、60°円錐形である。この触針先端の先端半径は、2μmである。本実施形態において、表面粗度測定装置20の測定力を0.75mNに、測定速度を0.5mm/sに、評価長さを4.0mmに、カットオフ値を0.8mmに設定した。
(セパレータの剥離強度)
図6の(a)に示されるセパレータ捲回体10から、図6の(b)に示されるようにセパレータ12を巻き出し、図6の(c)に示されるようにコア8の外周面Sからセパレータ12を剥がすときに、セパレータ12には、引張力が加えられる。この引張力の大きさは、外周面Sからセパレータ12を剥がすために必要となる力の大きさであるセパレータ12の剥離強度を意味する。
(接着テープの剥離強度)
図6の(d)に示されるように、接着テープ130は、セパレータ12の内周部121側の一端をコア8に貼り付けている。そして、図6の(a)に示されるセパレータ捲回体10から、図6の(b)に示されるようにセパレータ12を巻き出し、図6の(c)に示されるようにコア8の外周面Sから接着テープ130を剥がすときに、接着テープ130には、引張力(通常、外周面Sから剥がされた接着テープ130と、外周面Sの接着テープ130が剥がされようとしている部位における接平面とがなす角度である剥離角度が、90°以上となる状態において、外周面Sから接着テープ130を剥がすための力)が加えられる。この引張力の大きさは、外周面Sから接着テープ130を剥がすために必要となる力の大きさである接着テープ130の剥離強度を意味する。
なお、接着テープ130と外周面Sとの間の接着力は、接着テープ130が外周面Sに貼り付いている接着面積に比例する。剥離角度が0°に近いときには、上述の引張力は、この接着面積に比例する。一方、剥離角度が90°に近いときには、引張力は、接着テープ130の幅に比例する。
(剥離強度の定量化)
以下では、上述の剥離強度を接着テープをコア8から剥がすために必要となる力として定量化する。
図8は、図6の(c)に示されるコア8の外周面Sの円周方向に貼り付けられた接着テープ12aが剥がされるときに接着テープ12aに加えられる引張力を測定するための構成及びその測定結果を示す図であって、(a)〜(c)はコア8から接着テープ12aを剥がしているときの状況を示す模式図であり、(d)は距離と引張力との関係を示すグラフであり、(e)は算術平均粗さRaと規格化された剥離強度NFとの関係を示すグラフであり、(f)は引張力の平均値を測定するときの状況を示す模式図である。
接着テープ12aは、3M社製の「Scotch(Cat.No 500−3−1235−10P、12mm幅)」である。引張力の測定に用いた試験機は、テンシロン万能材料試験機(オリエンテック社製、モデルRTG−1310)である。各サンプルに対し剥離強度試験を3回実施し、試験結果の平均値を剥離強度とした。
図8の(a)〜(c)に示されるように、外周面Sに接着テープ12aを貼り付け、外周面Sから接着テープ12aを剥がすときに、接着テープ12aに加えられる引張力を測定することにより、剥離強度を定量化できる。具体的には以下のとおりである。
図8の(a)に示されるように、接着テープ12aが、外周面Sに貼り付けられている。なお、コア8の外周面Sは、予めエタノールを用いて、付着している汚れ、油分等を拭き取られている。接着テープ12aは、上述のとおりその幅が12mmであり、コア8の円周方向の8分の3の長さに貼り付けられている。この状態から、接着テープ12aの端部pに、外周面Sに対し略垂直な方向へ引張力が加えられる。
図8の(d)に示される横軸の距離は、コア8の外周面Sから剥がれた接着テープ12aを引き上げた距離(mm)である。このとき、接着テープ12aは、速度100mm/minで引き上げられている。引張力が0から増加してある値を越えたときに、接着テープ12aは外周面Sから剥がれ出す。引張力Faは、接着テープ12aが外周面Sから剥がれ始めた直後の引張力である。
図8の(b)に示されるように、図8の(a)に示される状況からさらに、接着テープ12aが外周面Sから剥がれていく。引張力Fbは、接着テープ12aの外周面Sから剥がれた部分が延びている方向と、外周面Sに垂直な方向とが一致するとき(いわゆる90°剥離時)に、接着テープ12aの端部pに加えられている引張力である。このとき、接着テープ12aにおける剥がれた部分と外周面Sとの角度が90°になった時点までの、接着テープ12aを引き上げた距離または時刻を記録しておく。ここでは、以下のように剥離角度が90°のときを含むある範囲における平均の引張力を引張力Fbとして特定する。このとき、コア8は、移動または回転しないように固定されている。
具体的には、図8の(a)に示される状況において、接着テープ12aが外周面Sから剥がれた部分と剥がれていない部分との境界を表す位置qaは、図8の(b)に示される状況において位置qbまで移行する。
この過程において、図8の(f)に示されるように、位置qaを表す点およびコア8の回転軸CAを通過する点を結ぶ線分と、位置qbを表す点およびコア8の回転軸CAを通過する点を結ぶ線分とがなす角度θは、30°を越える角度から0°まで変化する。そして、角度θが30°から0°まで(0°を含む)変化する期間における引張力の平均値を引張力Fbとする。
なお、図8の(b)に示される状況において、接着テープ12aの長さは、60cm以上である。例えば、コア8の外径が6インチ(152mm)である場合には、角度θが30°から0°まで変化するときに、接着テープ12aの外周面Sから剥がれる部分の長さは、40mmである。そして、位置qaが外周面Sに沿って位置qbまで移動するときの平均速度は、例えば100mm/minである。また、このときの経過時間は、例えば24秒である。
図8の(c)に示されるように、図8の(b)に示される状況からさらに、接着テープ12aが外周面Sから剥がれていく。引張力Fcは、接着テープ12aの端部qが外周面Sから剥がれ終わる前の引張力である。
図8の(d)に示されるように、引張力は、引張力Fa、Fb、Fcの順に変化する。この変化は、外周面Sの状態を反映している。そして、この引張力が大きいほど、接着テープ12aを外周面Sから剥がすことが困難であることを意味する。同様に、この引張力が大きいほど、上述のセパレータ12を外周面Sから剥がすことも困難になる。
(表面粗度と剥離強度との関係)
Figure 0006152184
表1は、種々のコアについて測定した算術平均粗さRaと、二乗平均平方根粗さRq、剥離強度Fと、規格化された剥離強度NFとの関係を示す。
表1に示される算術平均粗さRa、二乗平均平方根粗さRqは、表面粗度測定装置20により測定されている。剥離強度Fは、種々の表面粗度を有する比較例1〜2、実施例1〜3のコアについて、図8の(a)〜(c)に示される構成により測定した引張力Fbの平均値(3回測定した平均値)を意味する。また、規格化された剥離強度NFは、接着テープ12aの横断方向の単位幅(m)あたりの引張力Fbを意味する。
図8の(e)に示されるように、規格化された剥離強度NFは、表面粗度が実施例1の算術平均粗さRaの値付近で顕著に小さくなる傾向にある。
(コアからセパレータへの凹凸の転写)
Figure 0006152184
表2は、種々のセパレータを種々のコアに巻いた後に、コアからセパレータへ転写された凹凸を、セパレータの表面粗度として測定した結果を示す。
セパレータには、下記の方法によって製造された積層セパレータを用いた。
(機能層を備えるセパレータの製造)
<ポリオレフィン多孔質フィルムの製造>
高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032(ティコナ株式会社製))を70重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115(日本精鑞株式会社製))30重量%、この高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計100重量部に対して、酸化防止剤(Irg1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製))0.4重量部、酸化防止剤(P168(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製))0.1重量部、ステアリン酸ナトリウム1.3重量部を加え、さらに全体積に対して38体積%となるように平均粒径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延しシートを作製した。このシートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて105℃で任意の倍率で延伸して、膜厚13.5μmのポリオレフィン多孔質フィルムを得た。
<機能層形成用スラリーの製造>
耐熱性を有する機能層を得るためのパラアラミドの製造条件は以下のとおりである。
撹拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する、3リットルのセパラブルフラスコを使用して、パラアラミド(ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド))の製造を行った。十分乾燥した上記フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2200gを仕込み、次に、200℃で2時間真空乾燥した塩化カルシウム粉末151.07gを添加した。これを100℃に昇温して塩化カルシウムをNMPに完全に溶解した。この塩化カルシウム溶解液を室温に戻して、パラフェニレンジアミン68.23gを添加し完全に溶解させた。この溶液を20℃±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド124.97gを10分割して約5分おきに添加した。その後も撹拌しながら、溶液を20℃±2℃に保ったまま1時間熟成して、パラアラミド濃度が6重量%のパラアラミド溶液を得た。
得られたパラアラミド溶液100gにNMP243gを添加し、60分間撹拌して、パラアラミド濃度が1.75重量%であるパラアラミド溶液を得た。他方、アルミナ粉末(アルミナC(日本アエロジル株式会社製)、真比重:3.2g/cm)6gと、アルミナ粉末(アドバンスドアルミナAA−03(住友化学株式会社製)、真比重:4.0g/cm)6gとを混合して、アルミナ粉末混合物12gを得た。そして、パラアラミド濃度が1.75重量%であるパラアラミド溶液に、アルミナ粉末混合物12gを混合し、240分間撹拌して、アルミナ粉末含有パラアラミド溶液を得、さらに、このアルミナ粉末含有パラアラミド溶液を1000メッシュの金網で濾過した。その後、濾液に酸化カルシウム0.73gを添加し、240分撹拌して中和を行い、減圧下で脱泡して、スラリーを得た。
<積層セパレータの製造>
ポリオレフィン多孔質フィルム(幅300mm、長さ300m)を巻き出し機に取り付け、そこから引き出されたポリオレフィン多孔質フィルムの片面に上記スラリーをバーコーターで塗布し塗工膜を得た。次に、塗工後のフィルムを恒温恒湿槽内(温度50℃、相対湿度70%)に通し、塗工膜からパラアラミドを析出させた。続いて、このフィルムを、水洗装置に通して、フィルムからNMP及び塩化カルシウムを除去した。
その後、洗浄されたフィルムにドライヤーで熱風を送りつつ、熱ロールを通して水分を乾燥除去した。これによりポリオレフィン多孔質フィルムの片面に耐熱層(機能層)が積層されてなる厚み17μmの積層セパレータを得た。
得られた積層セパレータを60mm幅にスリットし、耐熱層を内側(コア側)にしてコアに巻き取って捲回体を作製した。巻取張力は1900重量グラムで実施した。捲回体を室温で2週間保管後、捲回体から巻き出された最内周(1周目)〜6周目のフィルムのポリオレフィン側(外側)の表面粗度を、円周方向に直交する方向に測定した。
(測定装置の仕様)
表2に示されるフィルムの表面粗度は、非接触表面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan(登録商標)2.0 R5500GML)で測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
対物レンズ:5倍(マイケルソン型)
中間レンズ:1倍
波長フィルター:530nm
CCDカメラ:1/3インチ
測定モード:Wave
画像視野:700μm(円周方向に直交する方向)×940μm(円周方向)
画像連結枚数:円周方向に直交する方向に5枚
データの水平補正:4次
カットオフ:無し
(コアの仕様)
比較例2a、実施例1a〜3aで用いたコアの直径は152mmであり、幅は65mmであり、その材質はABSである。
(凹凸転写のまとめ)
表2において、「基準」は、コアに巻き取られる前のセパレータの表面粗度である。
「1周目」の欄の数値は、コアに巻かれたセパレータのうち、コアの外周面から1周するまでの位置で測定されたセパレータの表面粗度であることを意味する。なお、該欄の数値は、捲回体から巻き出された後のセパレータの該位置において測定された表面粗度の値である。
「2〜6周目」の欄の数値は、それぞれ、コアに巻かれたセパレータのうち、上記1周目で測定された位置に対応する位置の2〜6周目の位置で測定されたセパレータの表面粗度であることを意味する。すなわち、各測定値は、1周分の間隔を空けて測定された値である。なお、コアに巻かれたセパレータのうち、コアの外周面から6周した位置は、そのセパレータをコアに巻きつけ始めるときに接着テープで貼り付けたセパレータの一端から、他端の方向へおおよそ2.5m離れた位置である。
表2に示されるように、比較例2aのセパレータの表面粗度について、「1周目」の値は「基準」の値より大きいものの、「基準」の値と同程度である。
そして、実施例1a・2aのセパレータの表面粗度について、「1周目」の値は「基準」の値より大きいものの、「6周目」の値は「基準」の値と同一である。また、実施例3aのセパレータの表面粗度について、「1周目」の値は「基準」の値より大きいものの、「12周目」の値は「基準」の値と同程度に近づく。
以上のように、比較例2aのコアよりも表面粗度が大きな実施例1a・2aのコアにセパレータを巻いたときでも、コアの外周面から6周目(2.5m)付近に位置するセパレータには、コアから凹凸が転写していない。また、より表面粗度が大きな実施例3aのコアにセパレータを巻いたときでも、コアの外周面から12周目(約5m)付近に位置するセパレータでは、コアの凹凸によるセパレータの表面粗度への影響は小さくなっている。実施例3aのように、コアの表面粗度RaまたはRqが大きければ、規格化された剥離強度NFをより下げることができる。ただし、コアの凹凸がセパレータに転写される影響を考慮すれば、コアの表面粗度Raは13.1より小さいまたはRqは15.7より小さいことが好ましい。
(表面粗度と機能層の付着量)
Figure 0006152184
表3は、表2に示される種々のコアについて測定した表面粗度(算術平均粗さRa及び二乗平均平方根粗さRq)と、コアに巻きつけられたセパレータを取り除いた後のコアの外表面における機能層の付着量とを示す。
実施例1a、2a及び3aでは機能層の付着量は少なかったが、比較例2aではこの付着量が多かった。
≪本実施形態の効果≫
上記規格化された剥離強度NFが大きいほど、セパレータの機能層がコアに付着する力が強いと考えられる。そのため、規格化された剥離強度NFが大きい、すなわちコアの表面粗度Ra、Rqが小さい比較例2aのコアでは、機能層がセパレータから剥がれてコアに付着したままになったと考えられる。一方で、規格化された剥離強度NFが小さい、すなわちコアの表面粗度Ra、Rqが大きい実施例1a〜3aのコアでは、機能層のコアへの付着力が小さい。そのため、実施例1a〜3aのコアでは、ほとんど機能層がコアに残ることなく(セパレータから剥がれることなく)、機能層を含むセパレータをコアから容易に剥がすことができる。
表1に示されるように、特定の外周面の算術平均粗さRaを有するコアを備えるセパレータ捲回体では、剥離強度を従来のセパレータ捲回体と比較して顕著に小さくできる。このとき、コアの外周面から接着剤及び電池用セパレータを容易に剥がせ、コアを再利用できる。
また、表1に示されるように、特定の外周面の二乗平均平方根粗さRqを有するコアを備えるセパレータ捲回体では、剥離強度を従来のセパレータ捲回体と比較して顕著に小さくできる。このときも、コアの外周面から接着剤及び電池用セパレータを容易に剥がせ、コアを再利用できる。
(セパレータ捲回体の製造方法)
また、図4の(a)に示されるように、セパレータ12を搬送する工程と、搬送されているセパレータ12を上述のコアに巻き取る工程とを含むセパレータ捲回体10の製造方法も、本発明に含まれる。
以上により、コアを再利用できるセパレータ捲回体を製造できる。
(リチウムイオン電池)
また、図1、図2の(a)〜(c)、又は図3の(a)〜(b)に示されるように、カソード11及びアノード13と、カソード11及びアノード13に挟持されるように配置される、上述のコアを備えるセパレータ捲回体10から巻き出されたセパレータ12とを備えるリチウムイオン二次電池1も、本発明に含まれる。
本発明の一態様の電池(例えばリチウムイオン二次電池1)の製造方法は、カソード11及びアノード13を準備する工程と、上記セパレータ捲回体10からセパレータ12を巻き出す工程と、カソード11及びアノード13の間にセパレータ12が挟持されるように巻き出されたセパレータ12を配置する工程とを含む。その後、積層されたカソード11、アノード13、及びセパレータ12は、電池に対応するサイズに切断される。
これにより、セパレータ捲回体10のコア8を再利用できるため、セパレータ捲回体10と、セパレータ捲回体10から巻き出されたセパレータ12とを安価に提供できる。このため、リチウムイオン二次電池1を従来の電池と比較して安価に提供できる。
(機能層を備えたセパレータを備えたセパレータ捲回体)
図3の(a)〜(b)に示されるように、セパレータ12が耐熱層4を備えた耐熱セパレータであり、かつ、耐熱層4がコア8の外周面Sに対向しているセパレータ捲回体10も、本発明に含まれる。
さらに、セパレータ12が接着層を備えた接着セパレータであり、かつ、接着層がコア8の外周面Sに対向しているセパレータ捲回体も、本発明に含まれる。この接着層としては、ポリフッ化ビニリデンなどの接着性樹脂の塗工液を多孔質フィルム5に塗工することで形成される層が挙げられる。
耐熱層4及び接着層は、多孔質フィルム5よりも接着性が高いため、コア8の外周面Sに付着し易い。よって、耐熱層4や接着層といった機能層を備えるセパレータにおいては、機能層のコアへの付着によってコアの再利用が妨げられることがある。本発明によれば、機能層のコアへの付着を抑制することができる。
(セパレータの一端の固定)
図6の(b)及び(d)に示されるように、セパレータ12の外周面Sに接する一端は、外周面Sに固定されている。
これにより、セパレータ12が外周面S上でずれることを抑制できる。特に、セパレータ12がコア8に巻かれる前に、セパレータ12の一端が外周面Sに固定されていれば、セパレータ12がコア8に巻かれるときにも、セパレータ12が固定位置からずれることを抑制できる。よって、コア8を再利用でき、かつ、巻きずれの少ないセパレータ捲回体10を提供できる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、電池用セパレータ以外の一般的なフィルムをコアに巻き取ったフィルム捲回体、このフィルム捲回体の製造方法、及びリチウムイオン二次電池以外のフィルムを利用した一般的な応用製品にも利用することができる。
1 リチウムイオン二次電池(電池)
4 耐熱層(機能層)
5 多孔質フィルム
8・u・l コア
10 セパレータ捲回体
11 カソード
12 セパレータ(電池用セパレータ)
13 アノード
S 外周面

Claims (7)

  1. 多孔質の電池用セパレータを巻いたコアを備え、
    前記電池用セパレータは、ポリオレフィンを含む多孔質フィルムの表面に、耐熱性樹脂を含む耐熱層が形成されたものであり、
    前記コアは、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂及び塩化ビニール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、
    前記コアの前記電池用セパレータに接する外周面の算術平均粗さは、3.7μm以上であり、
    前記電池用セパレータにおける前記耐熱層が形成された面が、前記コアの前記外周面に接するように、前記コアに前記電池用セパレータが巻かれていることを特徴とするセパレータ捲回体。
  2. 多孔質の電池用セパレータを巻いたコアを備え、
    前記電池用セパレータは、ポリオレフィンを含む多孔質フィルムの表面に、耐熱性樹脂を含む耐熱層が形成されたものであり、
    前記コアは、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂及び塩化ビニール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、
    前記コアの前記電池用セパレータに接する外周面の二乗平均平方根粗さは、4.0μm以上であり、
    前記電池用セパレータにおける前記耐熱層が形成された面が、前記コアの前記外周面に接するように、前記コアに前記電池用セパレータが巻かれていることを特徴とするセパレータ捲回体。
  3. 前記コアは、ABS樹脂を含む請求項1または2に記載のセパレータ捲回体。
  4. 前記電池用セパレータの前記外周面に接する一端は、前記外周面に固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のセパレータ捲回体。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のセパレータ捲回体から前記電池用セパレータを巻き出す工程と、
    巻き出された前記電池用セパレータを、カソード及びアノードの間に挟持されるように配置する工程とを含むことを特徴とする電池の製造方法。
  6. 多孔質の電池用セパレータを搬送する工程と、
    搬送されている前記電池用セパレータを、外周面の算術平均粗さが3.7μm以上であるコアに巻き取る工程と、
    を含み、
    前記電池用セパレータは、ポリオレフィンを含む多孔質フィルムの表面に、耐熱性樹脂を含む耐熱層が形成されたものであり、
    前記コアは、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂及び塩化ビニール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、
    前記巻き取る工程では、前記電池用セパレータにおける前記耐熱層が形成された面が、前記コアの前記外周面に接するように、前記コアに前記電池用セパレータが巻かれることを特徴とするセパレータ捲回体の製造方法。
  7. 多孔質の電池用セパレータを搬送する工程と、
    搬送されている前記電池用セパレータを、外周面の二乗平均平方根粗さが4.0μm以上であるコアに巻き取る工程と、
    を含み、
    前記電池用セパレータは、ポリオレフィンを含む多孔質フィルムの表面に、耐熱性樹脂を含む耐熱層が形成されたものであり、
    前記コアは、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂及び塩化ビニール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含み、
    前記巻き取る工程では、前記電池用セパレータにおける前記耐熱層が形成された面が、前記コアの前記外周面に接するように、前記コアに前記電池用セパレータが巻かれることを特徴とするセパレータ捲回体の製造方法。
JP2016033629A 2015-03-13 2016-02-24 セパレータ捲回体、電池の製造方法、及びセパレータ捲回体の製造方法 Active JP6152184B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020160027635A KR102545613B1 (ko) 2015-03-13 2016-03-08 세퍼레이터 권회체, 전지의 제조 방법, 및 세퍼레이터 권회체의 제조 방법
US15/066,598 US10115947B2 (en) 2015-03-13 2016-03-10 Separator roll, method for producing battery, and method for producing separator roll
CN201610136823.6A CN105977432B (zh) 2015-03-13 2016-03-10 隔离膜卷体、电池的制造方法、以及隔离膜卷体的制造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015050519 2015-03-13
JP2015050519 2015-03-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016171070A JP2016171070A (ja) 2016-09-23
JP6152184B2 true JP6152184B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=56984078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016033629A Active JP6152184B2 (ja) 2015-03-13 2016-02-24 セパレータ捲回体、電池の製造方法、及びセパレータ捲回体の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6152184B2 (ja)
KR (1) KR102545613B1 (ja)
CN (1) CN105977432B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6933513B2 (ja) * 2016-11-30 2021-09-08 住友化学株式会社 欠陥検査装置、欠陥検査方法、セパレータ捲回体の製造方法、及びセパレータ捲回体
JP6496762B2 (ja) 2017-03-03 2019-04-03 住友化学株式会社 非水電解液二次電池用セパレータ
CN107954233A (zh) * 2017-12-01 2018-04-24 江苏迎阳无纺机械有限公司 无纺布卷绕机的收卷辊结构
CN108630871B (zh) * 2018-05-16 2021-05-28 深圳市星源材质科技股份有限公司 一种电池、电池隔膜及其制备方法
EP3905378A4 (en) * 2018-12-26 2022-03-02 Kuraray Co., Ltd. ALKALINE BATTERY SEPARATOR AND PROCESS FOR ITS MANUFACTURE
WO2023135909A1 (ja) * 2022-01-12 2023-07-20 株式会社村田製作所 電子部品収納容器

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61162448A (ja) * 1985-01-07 1986-07-23 Diafoil Co Ltd フイルムの巻取り方法
JP3597224B2 (ja) * 1994-07-26 2004-12-02 東燃化学株式会社 ポリオレフィンフィルムの平滑化方法
KR100614390B1 (ko) * 2004-09-06 2006-08-21 삼성에스디아이 주식회사 권취형 전극 조립체와 이를 구비하는 리튬 이온 이차 전지및 이의 제조 방법
JP2009023734A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Unitika Ltd ポリアミドフィルムの巻き取り方法
JP4846882B2 (ja) * 2009-08-25 2011-12-28 旭化成イーマテリアルズ株式会社 微多孔膜捲回体及びその製造方法
JP6149266B2 (ja) 2011-12-07 2017-06-21 東レ株式会社 微多孔膜捲回体およびその製造方法
JP6416542B2 (ja) * 2014-08-19 2018-10-31 旭化成株式会社 捲回体

Also Published As

Publication number Publication date
CN105977432B (zh) 2020-10-16
KR102545613B1 (ko) 2023-06-21
CN105977432A (zh) 2016-09-28
JP2016171070A (ja) 2016-09-23
KR20160110162A (ko) 2016-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6152184B2 (ja) セパレータ捲回体、電池の製造方法、及びセパレータ捲回体の製造方法
JP6105776B1 (ja) コア、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法
US10115947B2 (en) Separator roll, method for producing battery, and method for producing separator roll
JP6081517B2 (ja) セパレータ捲回体及びセパレータ捲回体の製造方法
US10427904B2 (en) Method for producing film and method for winding off film
JP7014512B2 (ja) 電池用セパレータの製造方法及び電池用セパレータ製造装置
JP6636974B2 (ja) コア、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法
KR101889610B1 (ko) 필름의 제조 방법, 전지용 세퍼레이터 필름, 비수 전해액 이차 전지용 세퍼레이터 및 비수 전해액 이차 전지
KR101891453B1 (ko) 전지용 세퍼레이터 필름, 비수 전해액 이차 전지용 세퍼레이터 및 비수 전해액 이차 전지
CN108604657B (zh) 隔膜的卷曲量测定方法、分切装置及卷曲量测定装置
JP6794315B2 (ja) フィルム捲回体並びにその製造方法、およびフィルム
US10673098B2 (en) Separator core and separator roll
JP6632501B2 (ja) フィルムの製造方法、電池用セパレータフィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池
JP2020177818A (ja) 電池用セパレータの製造システム、及び電池用セパレータの製造方法
JP2017017045A (ja) セパレータ捲回装置及びセパレータ捲回体
JP2018034999A (ja) 巻芯、セパレータ捲回体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161101

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20161101

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20161124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350