JP6636974B2 - コア、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法 - Google Patents

コア、セパレータ捲回体、およびセパレータ捲回体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池用セパレータを捲回する回転面を有するコア、およびそのコアに電池用セパレータを捲回して得るセパレータ捲回体に関する。
リチウムイオン二次電池の内部において、正極および負極は、多孔質のセパレータによって分離される。リチウムイオン二次電池の製造には、このセパレータを円筒形状のコアに巻いたものであるセパレータ捲回体が用いられる。
特許文献1は、導電性部材を含むコアと、そのコアに微多孔膜を捲回した捲回体とを開示している。
特開2013−139340(2013年7月18日公開)
セパレータ捲回体の搬送時およびリチウムイオン二次電池の製造時には、コアに捲回された電池用セパレータは、コアの幅方向においてコアの外周面からずれないことが好ましい。しかし、特許文献1には、このずれの防止について記載されていない。
本発明の目的は、コアに捲回された電池用セパレータを、コアの幅方向においてコアの外周面からずれ動かないようにすることにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第一態様のコアは、外周面に電池用セパレータが捲回されるコアであって、上記外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されており、樹脂製である。
上記構成によれば、コアの溝が延びている方向(以下「溝方向」)は、おおむねコアの外周面の周方向となる。これにより、コアと電池用セパレータとの間の、コアの外周面の周方向に垂直な方向、つまりコアの幅方向における静摩擦係数を、溝方向がコアの幅方向であるコア(以下「コアa」)と電池用セパレータとの間の、コアaの幅方向における静摩擦係数よりも、大きくすることができる。ゆえに、コアに捲回された電池用セパレータは、コアaに捲回された電池用セパレータよりも、コアの幅方向においてコアの外周面からずれ動き難くなる。
また、本発明の第二態様のセパレータ捲回体は、上記コアと、上記外周面に捲回された電池用セパレータとを備える。
上記構成によれば、コアに捲回された電池用セパレータは、コアaに捲回された電池用セパレータよりも、コアの幅方向においてコアの外周面からずれ動き難くなる。ゆえに、コアに電池用セパレータを捲回して得られたセパレータ捲回体は、コアaに電池用セパレータを捲回して得られたセパレータ捲回体よりも、搬送および電池製造に好適である。
上記外周面の周方向に垂直な方向における平均ピーク間隔は、50μm以上500μm以下であることが好ましい。
上記平均ピーク間隔は、250μm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、コアに捲回された電池用セパレータへのコア表面の凹凸の転写が少なくなる。
上記溝は、上記外周面において螺旋状に形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、コアに捲回された電池用セパレータをコアから巻き出して電池のセパレータとして用いたときに、その電池のイオンの流れを、電池全体として均一化することができる。
上記コアと上記電池用セパレータとの間の、上記周方向に垂直な方向における静摩擦係数は、0.21以上0.5以下であることが好ましい。
また、本発明の第三態様のセパレータ捲回体の製造方法は、外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されたコアを準備する工程と、上記外周面に電池用セパレータを捲回する工程とを含む。
上記製造方法によれば、搬送および電池製造に好適なセパレータ捲回体を得ることができる。
本発明の各態様によれば、コアに捲回された電池用セパレータは、コアの幅方向においてコアの外周面からずれ動き難くなるという効果を奏する。また、搬送および電池製造に好適なセパレータ捲回体を得ることができるという効果を奏する。
リチウムイオン二次電池の断面構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の詳細構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の他の構成を示す模式図である。 セパレータをスリットするスリット装置の構成を示す模式図である。 図4に示されるスリット装置の切断装置の構成を示す側面図・正面図である。 本発明の参考形態のセパレータ捲回体の構成を示す模式図である。 図6に示されるコアの外周面の表面粗度を測定するための構成を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるセパレータ捲回体のコアの構成を示す模式図である。 図8に示されるコアの外周面のセパレータに対する静摩擦係数の測定方法を示す模式図である。 図8に示されるコアから巻き出したセパレータを備えるリチウムイオン二次電池の構成を示す模式図である。
〔基本構成〕
リチウムイオン二次電池、セパレータ、耐熱セパレータ、耐熱セパレータの製造方法、スリット装置、切断装置について順に説明する。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、それゆえ、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器、自動車、航空機等の移動体に用いる電池として、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
図1は、リチウムイオン二次電池1(電池)の断面構成を示す模式図である。
図1に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、カソード11と、セパレータ12(電池用セパレータ)と、アノード13とを備える。リチウムイオン二次電池1の外部において、カソード11とアノード13との間に、外部機器2が接続される。そして、リチウムイオン二次電池1の充電時には方向Aへ、放電時には方向Bへ、電子が移動する。
(セパレータ)
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルムである。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。
図2は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の詳細構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が昇温したときの様子を示し、(c)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図2の(a)に示されるように、セパレータ12には、多数の孔Pが設けられている。通常、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3は、孔Pを介し往来できる。
ここで、例えば、リチウムイオン二次電池1の過充電、または、外部機器の短絡に起因する大電流等により、リチウムイオン二次電池1は、昇温することがある。この場合、図2の(b)に示されるように、セパレータ12が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞する。そして、セパレータ12は収縮する。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の昇温も停止する。
しかし、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温する場合、セパレータ12は、急激に収縮する。この場合、図2の(c)に示されるように、セパレータ12は、破壊されることがある。そして、リチウムイオン3が、破壊されたセパレータ12から漏れ出すため、リチウムイオン3の移動は停止しない。ゆえに、昇温は継続する。
(耐熱セパレータ)
図3は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の他の構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図3の(a)に示されるように、セパレータ12は、多孔質フィルム5と、耐熱層4とを備える耐熱セパレータであってもよい。耐熱層4は、多孔質フィルム5のカソード11側の片面に積層されている。なお、耐熱層4は、多孔質フィルム5のアノード13側の片面に積層されてもよいし、多孔質フィルム5の両面に積層されてもよい。そして、耐熱層4にも、孔Pと同様の孔が設けられている。通常、リチウムイオン3は、孔Pと耐熱層4の孔とを介し往来する。耐熱層4は、その材料として、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含む。
図3の(b)に示されるように、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温し、多孔質フィルム5が融解または柔軟化しても、耐熱層4が多孔質フィルム5を補助しているため、多孔質フィルム5の形状は維持される。ゆえに、多孔質フィルム5が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の過放電または過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
(耐熱セパレータの製造工程)
リチウムイオン二次電池1の耐熱セパレータの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、多孔質フィルム5がその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。しかし、多孔質フィルム5が他の材料を含む場合でも、同様の製造工程により、セパレータ12を製造できる。
例えば、熱可塑性樹脂に可塑剤を加えてフィルム成形した後、該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。例えば、多孔質フィルム5が、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン樹脂から形成されてなる場合には、以下に示すような方法により製造することができる。
この方法は、(1)超高分子量ポリエチレンと、炭酸カルシウム等の無機充填剤とを混練してポリエチレン樹脂組成物を得る混練工程、(2)ポリエチレン樹脂組成物を用いてフィルムを成形する圧延工程、(3)工程(2)で得られたフィルム中から無機充填剤を除去する除去工程、および、(4)工程(3)で得られたフィルムを延伸して多孔質フィルム5を得る延伸工程を含む。
除去工程によって、フィルム中に多数の微細孔が設けられる。延伸工程によって延伸されたフィルムの微細孔は、上述の孔Pとなる。これにより、所定の厚さと透気度とを有するポリエチレン微多孔膜である多孔質フィルム5が形成される。
なお、混練工程において、超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、無機充填剤100〜400重量部とを混練してもよい。
その後、塗工工程において、多孔質フィルム5の表面に耐熱層4を形成する。例えば、多孔質フィルム5に、アラミド/NMP(N−メチル−ピロリドン)溶液(塗工液)を塗布し、アラミド耐熱層である耐熱層4を形成する。耐熱層4は、多孔質フィルム5の片面だけに設けられても、両面に設けられてもよい。また、耐熱層4として、アルミナ/カルボキシメチルセルロース等のフィラーを含む混合液を塗工してもよい。
塗工液を多孔質フィルム5に塗工する方法は、均一にウェットコーティングできる方法であれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、キャピラリーコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法等を採用することができる。耐熱層4の厚さは塗工ウェット膜の厚み、塗工液中の固形分濃度によって制御することができる。
なお、塗工する際に多孔質フィルム5を固定あるいは搬送する支持体としては、樹脂製のフィルム、金属製のベルト、ドラム等を用いることができる。
以上のように、多孔質フィルム5に耐熱層4が積層されたセパレータ12(耐熱セパレータ)を製造できる。製造されたセパレータは、円筒形状のコアに巻き取られる。なお、以上の製造方法で製造される対象は、耐熱セパレータに限定されない。この製造方法は、塗工工程を含まなくてもよい。この場合、製造される対象は、耐熱層を有しないセパレータである。また、耐熱層に替えて他の機能層(例えば、後述の接着層)を有する接着セパレータを、耐熱セパレータと同様の製造方法により製造してもよい。
(スリット装置)
耐熱セパレータまたは耐熱層を有しないセパレータ(以下「セパレータ」)は、リチウムイオン二次電池1等の応用製品に適した幅(以下「製品幅」)であることが好ましい。しかし、生産性を上げるために、セパレータは、その幅が製品幅以上となるように製造される。そして、一旦製造された後に、セパレータは、製品幅に切断(スリット)される。
なお、「セパレータの幅」とは、セパレータの長手方向と厚み方向とに対し略垂直である方向の、セパレータの長さを意味する。以下では、スリットされる前の幅広のセパレータを「原反」と称し、スリットされたセパレータを特に「スリットセパレータ」と称する。また、スリットとは、セパレータを長手方向(製造におけるフィルムの流れ方向、MD:Machine direction)に沿って切断することを意味し、カットとは、セパレータを横断方向(TD:transverse direction)に沿って切断することを意味する。横断方向(TD)とは、セパレータの長手方向(MD)と厚み方向とに対し略垂直である方向を意味する。
図4は、セパレータをスリットするスリット装置6の構成を示す模式図であって、(a)は全体の構成を示し、(b)は原反をスリットする前後の構成を示す。
図4の(a)に示されるように、スリット装置6は、回転可能に支持された円柱形状の、巻出ローラー61と、ローラー62〜69と、複数の巻取ローラー70U・70Lとを備える。スリット装置6には、後述する切断装置7がさらに設けられている。
(スリット前)
スリット装置6では、原反を巻きつけた円筒形状のコアcが、巻出ローラー61に嵌められている。図4の(b)に示されるように、原反は、コアcから経路UまたはLへ巻き出される。巻き出された原反は、ローラー63〜67を経由し、ローラー68へ搬送される。搬送される工程において原反は、複数のセパレータにスリットされる。
(スリット後)
図4の(b)に示されるように、複数のスリットセパレータの一部は、それぞれ、巻取ローラー70Uに嵌められた円筒形状の各コアu(ボビン)へ巻き取られる。また、複数のスリットセパレータの他の一部は、それぞれ、巻取ローラー70Lに嵌められた円筒形状の各コアl(ボビン)へ巻き取られる。なお、ロール状に巻き取られたセパレータを「セパレータ捲回体」と称する。
(切断装置)
図5は、図4の(a)に示されるスリット装置6の切断装置7の構成を示す図であって、(a)は切断装置7の側面図であり、(b)は切断装置7の正面図である。
図5の(a)(b)に示されるように、切断装置7は、ホルダー71と、刃72とを備える。ホルダー71は、スリット装置6に備えられている筐体等に固定されている。そして、ホルダー71は、刃72と搬送されるセパレータ原反との位置関係が固定されるように、刃72を保持している。刃72は、鋭く研がれたエッジによってセパレータの原反をスリットする。
〔参考形態〕
≪セパレータ捲回体の構成≫
図6は、本発明の参考形態のセパレータ捲回体10の構成を示す模式図であって、(a)はコア8からセパレータ12が巻き出される前の状態を示し、(b)はコア8からセパレータ12が巻き出された状態を示し、(c)はセパレータ12が巻き出され、取り除かれた後のコア8の状態を示し、(d)は(b)の状態を別角度から示す。
図6の(a)に示されるように、セパレータ捲回体10は、セパレータ12を巻いたコア8を備える。このセパレータ12は、上述のようにスリットされている。
(コア)
コア8は、外側円筒部81と、内側円筒部82と、複数のリブ83とを備え、上述のコアu・lと同じ機能を有する。
外側円筒部81は、その外周面にセパレータ12を巻くための円筒部材である。内側円筒部82は、その内周面に巻取ローラーを嵌めるための円筒部材である。リブ83は、外側円筒部81の内周面と、内側円筒部82の外周面との間に延び、外側円筒部81を内周面から支持する支持部材である。
コア8の材料は、ABS樹脂を含む。ただし、本発明のコアの材料はこれに限定されない。コアの材料として、ABS樹脂の他に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、および塩化ビニール樹脂等の樹脂を含んでもよい。コアの材料は、金属、紙、フッ素樹脂でないことが好ましい。
(セパレータ)
セパレータ12の一端は、接着テープ130によってコア8と貼り付けられている。具体的には、セパレータ12の一端は、接着剤を備えた接着テープ130によって、コア8の外周面Sに固定されている。セパレータの一端を外周面Sに固定する手段は、接着テープ130の他、接着剤をセパレータ12の一端に直接塗布して固定する、またはクリップで固定する、等であってもよい。セパレータ12には、コア8の外周面の凹凸が転写される。
(コアの表面粗度)
図7は、図6の(c)に示されるコア8の外周面Sの表面粗度および平均ピーク間隔等の測定方法を示す模式図であって、(a)は全体構成を示し、(b)は測定ヘッド21の周辺構成を示す。図7の(a)〜(b)に示されるように、表面粗度測定装置20により、コア8の外周面Sの表面粗度等を測定できる。図7の(a)に示されるように、コア8は、輪留め31を介して台座30に固定されている。
表面粗度測定装置20は、測定ヘッド21と、移動機構22と、筐体23と、ケーブル24とを備え、固定部材32を介して台座30に固定されている。
測定ヘッド21の先端は、外周面Sに接触している。移動機構22は、測定ヘッド21を、コア8の幅方向である方向Dへ移動させる。
筐体23は、測定ヘッド21から外周面Sの表面粗度に応じた信号を受け、表面粗度を計算するモジュールを備える。ケーブル24は、表面粗度の計算結果・電力を、表面粗度測定装置20と外部装置との間で中継する。
(コアの表面粗度測定装置の仕様)
後述の表1に示されるコアの表面粗度Raおよび平均ピーク間隔の測定において、表面粗度測定装置20として、Mitutoyo社製の「Surftest(SJ−400)」を用いた。測定ヘッド21の触針先端は、60°円錐形である。この触針先端の先端半径は、2μmである。本参考形態において、表面粗度測定装置20の測定力を0.75mNに、測定速度を0.5mm/sに、評価長さを4.0mmに、カットオフ値を0.8mmに設定した。
(機能層を備えるセパレータの製造)
<ポリオレフィン多孔質フィルムの製造>
高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032(ティコナ株式会社製))を70重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115(日本精鑞株式会社製))30重量%、この高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計100重量部に対して、酸化防止剤(Irg1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製))0.4重量部、酸化防止剤(P168(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製))0.1重量部、ステアリン酸ナトリウム1.3重量部を加え、さらに全体積に対して38体積%となるように平均粒径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延しシートを作製した。このシートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて105℃で任意の倍率で延伸して、膜厚13.5μmのポリオレフィン多孔質フィルムを得た。
<機能層形成用スラリーの製造>
耐熱性を有する機能層を得るためのパラアラミドの製造条件は以下のとおりである。
撹拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有する、3リットルのセパラブルフラスコを使用して、パラアラミド(ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド))の製造を行った。十分乾燥した上記フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2200gを仕込み、次に、200℃で2時間真空乾燥した塩化カルシウム粉末151.07gを添加した。これを100℃に昇温して塩化カルシウムをNMPに完全に溶解した。この塩化カルシウム溶解液を室温に戻して、パラフェニレンジアミン68.23gを添加し完全に溶解させた。この溶液を20℃±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド124.97gを10分割して約5分おきに添加した。その後も撹拌しながら、溶液を20℃±2℃に保ったまま1時間熟成して、パラアラミド濃度が6重量%のパラアラミド溶液を得た。
得られたパラアラミド溶液100gにNMP243gを添加し、60分間撹拌して、パラアラミド濃度が1.75重量%であるパラアラミド溶液を得た。他方、アルミナ粉末(アルミナC(日本アエロジル株式会社製)、真比重:3.2g/cm)6gと、アルミナ粉末(アドバンスドアルミナAA−03(住友化学株式会社製)、真比重:4.0g/cm)6gとを混合して、アルミナ粉末混合物12gを得た。そして、パラアラミド濃度が1.75重量%であるパラアラミド溶液に、アルミナ粉末混合物12gを混合し、240分間撹拌して、アルミナ粉末含有パラアラミド溶液を得、さらに、このアルミナ粉末含有パラアラミド溶液を1000メッシュの金網で濾過した。その後、濾液に酸化カルシウム0.73gを添加し、240分撹拌して中和を行い、減圧下で脱泡して、スラリーを得た。
<積層セパレータの製造>
ポリオレフィン多孔質フィルム(幅300mm、長さ300m)を巻き出し機に取り付け、そこから引き出されたポリオレフィン多孔質フィルムの片面に上記スラリーをバーコーターで塗布し塗工膜を得た。次に、塗工後のフィルムを恒温恒湿槽内(温度50℃、相対湿度70%)に通し、塗工膜からパラアラミドを析出させた。続いて、このフィルムを、水洗装置に通して、フィルムからNMPおよび塩化カルシウムを除去した。
その後、洗浄されたフィルムにドライヤーで熱風を送りつつ、熱ロールを通して水分を乾燥除去した。これによりポリオレフィン多孔質フィルムの片面に耐熱層(機能層)が積層されてなる厚み17μmの積層セパレータを得た。
得られた積層セパレータを60mm幅にスリットし、耐熱層を内側(コア側)にしてコアに巻き取って捲回体を作製した。巻取張力は1900重量グラムで実施した。捲回体を室温で2週間保管後、捲回体から巻き出された最内周(1周目)のフィルムのポリオレフィン側(外側)の表面粗度を、円周方向に直交する方向に測定した。
(測定装置の仕様)
後述の表1に示されるセパレータの表面粗度Raは、非接触表面形状計測システム(菱化システム社製、VertScan(登録商標)2.0 R5500GML)で測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
対物レンズ:5倍(マイケルソン型)
中間レンズ:1倍
波長フィルター:530nm
CCDカメラ:1/3インチ
測定モード:Wave
画像視野:700μm(円周方向に直交する方向)×940μm(円周方向)
画像連結枚数:円周方向に直交する方向に5枚
データの水平補正:4次
カットオフ:無し
〔実施形態〕
以下では、上述の部材と同じ機能を有する部材に同じ符号が付されている。
≪セパレータ捲回体の構成≫
図8は、本発明の実施形態におけるセパレータ捲回体のコア8の構成を示す模式図である。図8の(a)は、コア8の全体構成を示している。方向Cは、コア8の外周面Sの周方向である。方向Dは、上述のとおりコア8の幅方向、つまり方向Cに垂直な方向である。
図8の(b)は、図8の(a)に示されるコア8の外周面Sの一部Saを拡大した拡大図である。図8の(c)は、図8の(b)に示される外周面Sの、Da−Da断面を示す断面図である。外周面Sには、方向Cへ沿って延びている溝が形成されている。すなわち、上記溝は、方向Cに沿う方向に延びている。方向Cに沿う方向とは、方向Cに略平行な方向であり、具体的には、方向Cに延びる直線と、方向Cに沿う方向に延びる直線とが交わってなす鋭角の大きさが、10°以下となる方向である。
図8の(d)は、図8の(c)に示されるDa−Da断面の一部SEを示す拡大図である。外周面Sには、溝Ga〜Gcが形成されている。溝Gbの方向Dにおける両端は、頂点gaおよびgbをなしている。頂点gaは、溝Gbと溝Gaとの間に形成されている。頂点gbは、溝Gbと溝Gcとの間に形成されている。以下では、頂点gaと頂点gbとの間の、方向Dにおける間隔dを、溝Gbのピーク間隔と呼ぶ。
(コアの外周面の特性)
表1は、種々のコアについて、その外周面の特性を示す表である。「溝パターン方向」の欄は、コアの外周面に形成された溝が延びている方向を示す。「C」は、方向Cに沿う方向を意味する。「D」は、方向Dを意味する。
「静摩擦係数」の欄は、コアが運動していないときの最大の摩擦力の大きさをFとし、垂直抗力の大きさをPとしたときに、F/Pにて計算される値を示す。摩擦力は、コアを他の物体と摩擦するように運動させようとしているときに、コアの外周面に沿って作用する、外周面の周方向に垂直な方向の力である。垂直抗力は、コアを他の物体と摩擦するように運動させようとしているときに、コアの外周面に対して垂直に作用する力である。
「平均ピーク間隔」の欄は、コアの外周面に形成された溝のピーク間隔の平均値を示す。「コアのRa」の欄は、コアの外周面の算術平均粗さを示す。「セパレータのRa」の欄は、セパレータ表面の算術平均粗さを示す。「基準」の欄は、コアの外周面に捲回されていないセパレータの表面の算術平均粗さを示す。「1周目」の欄は、コアの外周面に捲回されたセパレータの、コアの外周面に接する部分の算術平均粗さを示す。
表1に示される実施例1〜5・比較例1および2として用いたコアの直径は152mmであり、幅は65mmであり、その材質はABSである。
(溝パターン)
実施例1〜5のコアの外周面に形成された溝は、図8の(b)(c)に示されるものと同様に、方向Cに沿う方向へ延びている。
図8の(e)は、図8の(a)に示されるコア8の比較例であるコアの外周面の一部を拡大した拡大図である。図8の(f)は、図8の(e)に示される外周面の、Ca−Ca断面を示す断面図である。比較例1および2のコアの外周面に形成された溝は、図8の(e)(f)に示されるものと同様に、方向Dに沿う方向へ延びている。
(静摩擦係数)
図9は、図8の(a)に示されるコア8とセパレータ12との間の、コア8の外周面Sの周方向に垂直な方向における静摩擦係数の測定方法を示す模式図である。コア8は、セパレータ12の上に配置されている。セパレータ12は、黒紙50(北越紀州製紙株式会社、色上質紙、黒、最厚口、四六版T目)の上に配置されている。黒紙50は、剛体と見なせる台の平面と見なせる表面に配置されている。コア8の外周面Sは、セパレータ12に接触している。
コア8には、接続部材91を介してフォースゲージ9(株式会社イマダ製、普及型デジタルフォースゲージ DS2-50N)が接続されている。接続部材91は、伸びないと見なせる紐状の部材である。接続部材91の一端は、コア8に接続されている。接続部材91の他端は、フォースゲージ9に接続されている。フォースゲージ9は、フォースゲージ9と接続部材91との接続部に作用する力の大きさを表示する機能を有する。
(静摩擦係数の測定動作の詳細)
フォースゲージ9は、コア8から離れる方向Eへ動かされる。このとき、方向Eは、コア8の外周面Sの周方向に垂直な方向に保たれる。また、接続部材91は、直線状になっている状態を保たれるとともに、黒紙50に略平行になっている状態を保たれる。以上により、フォースゲージ9が表示する力の大きさは、コア8の外周面Sに沿って作用する、外周面Sの周方向に垂直な方向の力におおむね等しくなる。
以上のように、コア8をセパレータ12と摩擦するように運動させようとしているときに、コア8の外周面Sに沿って作用する、外周面Sの周方向に垂直な方向の力である摩擦力を、フォースゲージ9を用いて測定できる。
表1に示される静摩擦係数は、図9に示される測定方法において、コア8として実施例1〜5・比較例1および2のコアを用いたときに、フォースゲージ9を用いて測定された上述の摩擦力の大きさをFとし、そのコアの外周面に対して垂直に作用する垂直抗力の大きさをPとしたときに、F/Pにて計算される。
(平均ピーク間隔およびコアのRa)
表1に示される平均ピーク間隔およびコアのRaは、図7に示される測定方法における表面粗度測定装置20を用いて測定される。比較例1および2の平均ピーク間隔ならびにコアのRaを測定するときは、図7に示される測定方法において、コア8および輪留め31を90度回転させて測定した。
≪本実施形態の効果≫
表1において、実施例1〜5のコア(以下「実施例コア」)の溝パターン方向は「C」である。これにより、実施例コアとセパレータ12との間の、実施例コアの外周面の周方向に垂直な方向、つまり実施例コアの幅方向における静摩擦係数を、溝パターン方向が「D」である比較例1および2のコア(以下「比較例コア」)の幅方向における静摩擦係数よりも大きくすることができる。ゆえに、実施例コアは、それ捲回されたセパレータ12が、比較例コアに捲回されたセパレータ12よりも、コアの外周面からずれ動き難くなるという効果を奏する。
このとき、コアとセパレータ12との間の、コアの幅方向における静摩擦係数は、0.21以上0.5以下である。なお、その静摩擦係数が0.5を越えると、コアにセパレータを巻き始めるときの位置合わせにおいて、作業性が著しく低下する。静摩擦係数が0.5以下であることでセパレータとコアとの間で適度な滑りが生じて、容易に位置合わせをすることができる。
(平均ピーク間隔に基づく効果)
表1において、実施例コアの平均ピーク間隔は、50μm以上500μm以下である。これにより、実施例コアとセパレータ12との間の、実施例コアの幅方向における静摩擦係数を、セパレータ捲回体の分野における基準に対して充分に大きくすることができる。
「セパレータ捲回体の分野における基準」は、例えば、そのセパレータ捲回体のコアとセパレータとの間の、コアの幅方向おける静摩擦係数がある値を越えるといった基準である。
例えば、セパレータ捲回体が搬送されるとき、または電池の製造に用いられるときには、10m/sの加速度の力がセパレータ捲回体に作用しても、セパレータがコアの外周面からずれ動かないことが好ましい。そして、セパレータ捲回体のコアとセパレータとの間の、コアの幅方向おける静摩擦係数が0.2を越えるときには、10m/sの加速度の力が作用しても、セパレータがコアの外周面からずれ動かないと見なせる。
また、表1において、実施例のコアの平均ピーク間隔は、468μm以下である。これにより、実施例コアに捲回されたセパレータのRaを、「1周目」において2.0μm以下にすることができる。実施例コアの平均ピーク間隔は、コアに捲回されたセパレータへのコア表面の凹凸の転写の観点から、好ましくは400μm以下であり、より好ましくは250μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。特に、コアの平均ピーク間隔が250μm以下であるときには、そのコアに捲回されたセパレータへのコア表面の凹凸の転写が著しく減少する。
平均溝ピーク間隔が広いコアでは、コアの外周面と、セパレータとの接触面積が少なくなる。このため、コアの外周面にセパレータを捲回したときに、溝の頂点にかかる圧力が大きくなる。このとき、コアに捲回されたセパレータへのコア表面の凹凸の転写が大きくなる傾向にある。
例えば、表1において、実施例4の「コアのRa」と、実施例5の「コアのRa」とは、同程度である。一方、平均ピーク間隔が比較的広い実施例4の「セパレータのRa」の「1周目」の値は、実施例5の「セパレータのRa」の「1周目」の値よりも大きくなっている。
そして、コア表面の凹凸がより大きく転写されたセパレータは、電池等の製品に利用されたときに、不具合を生じる可能性がより高くなる。このため、外周面の凹凸が一定の基準よりも大きなコア(以下「凹凸コア」)に捲回されたセパレータは、製品として利用できない。ゆえに、凹凸コアにセパレータを捲回するときには、セパレータの、コアの表面近くに巻かれた部分であり、コア表面の凹凸が比較的大きく転写される部分(いわゆる「捨て巻部分」)が長くなる。このため、凹凸コアは、セパレータ捲回体のコアとして好ましくない。
(コアのRaに基づく効果)
表1において、実施例1〜5・比較例1および2(以下「全コア」)の「コアのRa」は、0.1μm以上50μm以下である。このとき、全コアとセパレータ12との間の、全コアの溝方向と垂直な方向における静摩擦係数を、上述のセパレータ捲回体の分野における基準に対して充分に大きくすることができる。
ただし、上述のとおり、セパレータがコアの外周面からずれ動くときには、セパレータが、コアの幅方向へ動くことが多い。ゆえに、実施例コアのように溝パターン方向が「C」である、つまり外周面に形成された溝がコアの円周方向に沿う方向へ延びているとともに、「コアのRa」が0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。そして、コアのRaが50μmを越えると、そのコアに捲回されたセパレータへのコア表面の凹凸の転写が、顕著になる傾向にある。
「コアのRa」は、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。コアのRaが0.3μm以上であると、コアとセパレータ12との間の、コアの幅方向における静摩擦係数を、より充分に大きくすることができる。また、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。コアのRaが30μmを以下であると、そのコアに捲回されたセパレータへのコア表面の凹凸の転写を、より抑えることができる。言い換えれば、「コアのRa」は、0.3μm以上30μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上15μm以下であることがさらにより好ましい。
(溝の形態による効果)
図10は、図8の(a)に示されるコア8から巻き出したセパレータ12を備えるリチウムイオン二次電池1の構成を示す模式図である。リチウムイオン二次電池1は、上述のカソード11・セパレータ12・アノード13とは別に、捲回芯19をさらに備える。
捲回芯19には、セパレータ12が層状に捲回されている。カソード11およびアノード13は、層状に捲回されているセパレータ12の層の間に挟持されている。
図10の(a)は、リチウムイオン二次電池1のセパレータ12に、螺旋状の凹凸形状Tが形成されている構成を示す。凹凸形状Tは、セパレータ12を捲回していたコア8の外周面Sに形成されている溝が転写されたものである。
図8の(d)に示されるように、溝Ga〜Gcは、切削刃40をコア8の外周面Sに当て、コア8を回転させることにより形成される。このとき、図8の(d)に示される断面において、切削刃40を、コア8が一回転する間に、溝Gaの位置から溝Gbの位置まで、方向Dへ移動させる。これにより、溝Gaと溝Gbとが、コア8の外周面Sにおいて連続した螺旋状の溝として形成される。そして、切削刃40を、溝Gbの位置から溝Gcの位置まで同様に移動させることにより、螺旋状の溝を方向Dへ伸ばすことができる。また、切削刃40を同様に移動させることにより、螺旋状の溝をコア8の全幅に伸ばすことができる。
図10の(a)に示されるリチウムイオン二次電池1のセパレータ12の凹凸形状Tは、コア8の全幅に伸ばされた螺旋状の溝が転写されたものである。図10の(a)に示されるリチウムイオン二次電池1の方向Cは、図8の(a)に示されるコア8の方向Cに対応している。また、図10の(a)に示されるリチウムイオン二次電池1の方向Dは、図8の(a)に示されるコア8の方向Dに対応している。なお、図10の(a)では、凹凸形状Tが疎らに描写されているが、これは図を簡潔にするための描写である。実際には、凹凸形状Tは、セパレータ12の表面に密に転写されている。
図10の(b)は、図10の(a)に示されるリチウムイオン二次電池1の方向Dに垂直な断面を示す断面図である。図10の(b)では、捲回芯19と、一層のセパレータ12とが描写されている。その断面において、一層のセパレータ12には、凹凸形状Tが点状に存在している。同様に、他の層(非図示)のセパレータ12にも、凹凸形状Tが点状に存在している。
図3の(a)に示されるように、リチウムイオン3は、セパレータ12の孔Pを介し、セパレータ12の厚み方向、つまり方向Dに垂直な方向へ移動する。そして、上述の凹凸形状Tは、リチウムイオン3の移動を阻害することがある。
図10の(b)に示される方向Dに垂直な断面において、セパレータ12の各層には、凹凸形状Tが点状に存在している。このため、リチウムイオン3は、セパレータ12の凹凸形状Tが存在していない位置に形成された孔Pを介し、セパレータ12の厚み方向へ移動できる。
そして、図10の(a)に示されるリチウムイオン二次電池1では、リチウムイオン二次電池1のセパレータ12を捲回していたコア8の外周面Sの溝が、方向Dに垂直な断面において、点状に偏りなくセパレータ12に対して転写されている。よって、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3の流れが、リチウムイオン二次電池1の全体として均一化される。
(溝の形態の比較例)
図10の(c)は、リチウムイオン二次電池1のセパレータ12に、複数の凹凸形状Ta、Tb、…が形成されている構成を示す。図10の(d)は、図10の(c)に示されるリチウムイオン二次電池1の方向Dに垂直な断面を示す断面図である。なお、図10の(c)では、凹凸形状Ta、Tb、…が疎らに描写されているが、これは図を簡潔にするための描写である。実際には、これらの凹凸形状は、セパレータ12の表面に密に転写されている。
図10の(d)に示される方向Dに垂直な断面において、セパレータ12の各層には、複数の凹凸形状Ta、Tb、…のいずれかである凹凸形状Txが存在していることがある。このとき、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3の流れが、リチウムイオン二次電池1の全体として不均一となり得る。
(セパレータ捲回体の製造方法)
図8の(a)に示されるように、方向Cに沿った溝が外周面Sに形成されたコア8を準備する工程と、図6の(a)に示されるように、外周面Sにセパレータ12を捲回する工程とを含むセパレータ捲回体の製造方法も、本発明に含まれる。以上の製造方法によれば、搬送および電池製造に好適なセパレータ捲回体を得ることができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、電池用セパレータ以外の一般的なフィルムをコアに巻き取ったフィルム捲回体、このフィルム捲回体の製造方法、およびリチウムイオン二次電池以外のフィルムを利用した一般的な応用製品にも利用することができる。
1 リチウムイオン二次電池(電池)
4 耐熱層(機能層)
5 多孔質フィルム
8・u・l コア
10 セパレータ捲回体
11 カソード
12 セパレータ(電池用セパレータ)
13 アノード
S 外周面

Claims (7)

  1. 外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されている、樹脂製であるコアと、
    上記コアの上記外周面に捲回された、多孔質フィルムに全芳香族ポリアミドを含む耐熱層が積層された電池用セパレータと、を備え、
    上記外周面の周方向に沿った上記溝は、上記外周面の周方向に延びる直線と交わってなす鋭角の大きさが10°以下となる方向に延びる溝であるセパレータ捲回体。
  2. 外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されている、樹脂製であるコアと、
    上記コアの上記外周面に捲回された、多孔質フィルムに全芳香族ポリアミドを含む耐熱層が積層された電池用セパレータと、を備え、
    上記外周面の周方向に垂直な方向における、上記溝の両端がなす頂点の間隔であるピーク間隔の平均値が50μm以上500μm以下であるセパレータ捲回体。
  3. 上記ピーク間隔の平均値は、250μm以下である請求項2に記載のセパレータ捲回体。
  4. 上記溝は、上記外周面において螺旋状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のセパレータ捲回体。
  5. 上記コアと上記電池用セパレータとの間の、上記周方向に垂直な方向における静摩擦係数は、0.21以上0.5以下である請求項1から4のいずれか一項に記載のセパレータ捲回体。
  6. 外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されたコアを準備する工程と、
    上記外周面に、多孔質フィルムに全芳香族ポリアミドを含む耐熱層が積層された電池用セパレータを捲回する工程と、を含み、
    上記外周面の周方向に沿った上記溝は、上記外周面の周方向に延びる直線と交わってなす鋭角の大きさが10°以下となる方向に延びる溝であるセパレータ捲回体の製造方法。
  7. 外周面の周方向に沿った溝が上記外周面に形成されたコアを準備する工程と、
    上記外周面に、多孔質フィルムに全芳香族ポリアミドを含む耐熱層が積層された電池用セパレータを捲回する工程と、を含み、
    上記外周面の周方向に垂直な方向における、上記溝の両端がなす頂点の間隔であるピーク間隔の平均値が50μm以上500μm以下であるセパレータ捲回体の製造方法。
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