JP6618951B2 - セパレータ巻芯及びセパレータ捲回体 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯及びセパレータ巻芯に非水電解液二次電池用セパレータが捲回されたセパレータ捲回体に関する。
リチウムイオン電池に用いられるセパレータは、セパレータ長尺がセパレータ巻芯(コア)に捲回されたセパレータ捲回体として、リチウムイオン電池の製造工程へ供給され、リチウムイオン電池の製造工程においては、上記セパレータ長尺を所定の長さに切ってセパレータとして用いる。
このセパレータ長尺がコアに捲回されたセパレータ捲回体の輸送時または保管時に、セパレータ長尺がダメージを受けるのを抑制する構成については多数の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、セパレータ捲回体のコアを芯材に通し、当該芯材の両端に、セパレータ捲回体を保護するためのプロテクタを配置した組立体が開示されている。
特許文献1に開示されているプロテクタを用いることにより、このセパレータ長尺がコアに捲回されたセパレータ捲回体の輸送時または保管時に、セパレータ長尺がダメージを受けるのを抑制することができる。
日本国特許公報「特許第5683078号(2015年1月23日登録)」
セパレータ捲回体のセパレータ巻芯(コア)は、捲回されるセパレータ長尺、すなわち、セパレータの品質に影響を及ぼし得る。
例えば、コアに異物が付着していたり、コアに大きな損傷がある場合などには、セパレータ長尺がコアに捲回される際に、コアの異物がセパレータ長尺に移ったり、セパレータ長尺に皺などの捲回不具合が生じたりする。
このような理由から、繰り返し使用されるコアについては、比較的厳格な洗浄や保管が要求される。
しかしながら、上述した特許文献1のように、セパレータ長尺がコアに捲回されたセパレータ捲回体の輸送時や保管時に、セパレータ長尺がダメージを受けるのを抑制する構成については多数の提案がなされているが、セパレータ長尺がコアに捲回される前であって、繰り返し使用されるコアを洗浄後に、保管する際において、損傷などが生じ難くするセパレータ巻芯(コア)については、あまり研究されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、洗浄した後に、濡れたセパレータ巻芯(コア)を重ねて保管する際などに、コア同士がくっ付いてしまい、重ねられた上のコアを取る際に下のコアが落下し損傷が生じるのを抑制することができるセパレータ巻芯(コア)を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセパレータ巻芯は、非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、上記セパレータ巻芯の側面は、凹部を有することを特徴としている。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯の側面に備えられた凹部によって、上記セパレータ巻芯を洗浄した後などにおいて、その側面同士を接触させて上記セパレータ巻芯を重ねても、上記セパレータ巻芯同士がくっ付くことを抑制することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄した後に、濡れたセパレータ巻芯(コア)を重ねて保管する際などに、コア同士がくっ付いてしまい、重ねられた上のコアを取る際に下のコアが落下し損傷が生じるのを抑制することができる。
リチウムイオン二次電池の断面構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の詳細構成を示す模式図である。 図1に示されるリチウムイオン二次電池の他の構成を示す模式図である。 (a)は、セパレータの原反をスリットするスリット装置の構成を示す模式図であり、(b)は、スリット装置によって、セパレータの原反が複数のセパレータ長尺にスリットされる様子を示す図である。 コアの側面形状の一例と、コアの側面同士を重ねた場合の一例とを示す図である。 コアに設けることができる凹部の一例を示す図である。 積層されたコアの滑り試験の方法を説明するための図である。 積層されたコアの垂直剥がし試験の方法を説明するための図である。 凹部の面積、すなわち、接触面接を変化させたときの滑り試験及び垂直剥がし試験の結果を示す図である。 (a)は、刻印部を含む凹部が側面に設けられたコアを示す図であり、(b)は、刻印部を含む凹部を示す図である。 (a)及び(b)は、実施形態1及び2において用いたコアの一例を示す図であり、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)及び(i)は、実施形態3において用いたコアの一例を示す図である。
〔基本構成〕
リチウムイオン二次電池、セパレータ、耐熱セパレータ、耐熱セパレータの製造方法について順に説明する。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、それゆえ、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器、自動車、航空機等の移動体に用いる電池として、また、電力の安定供給に資する定置用電池として広く使用されている。
図1は、リチウムイオン二次電池1の断面構成を示す模式図である。
図1に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、カソード11と、セパレータ12と、アノード13とを備える。リチウムイオン二次電池1の外部において、カソード11とアノード13との間に、外部機器2が接続される。そして、リチウムイオン二次電池1の充電時には方向Aへ、放電時には方向Bへ、電子が移動する。
(セパレータ)
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池1の正極であるカソード11と、その負極であるアノード13との間に、これらに挟持されるように配置される。セパレータ12は、カソード11とアノード13との間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルムである。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含み、ポリオレフィン多孔質基材とも呼ばれる。
図2は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の詳細構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が昇温したときの様子を示し、(c)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図2の(a)に示されるように、セパレータ12には、多数の孔Pが設けられている。通常、リチウムイオン二次電池1のリチウムイオン3は、孔Pを介し往来できる。
ここで、例えば、リチウムイオン二次電池1の過充電、または、外部機器の短絡に起因する大電流等により、リチウムイオン二次電池1は、昇温することがある。この場合、図2の(b)に示されるように、セパレータ12が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞する。そして、セパレータ12は収縮する。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の昇温も停止する。
しかし、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温する場合、セパレータ12は、急激に収縮する。この場合、図2の(c)に示されるように、セパレータ12は、破壊されることがある。そして、リチウムイオン3が、破壊されたセパレータ12から漏れ出すため、リチウムイオン3の移動は停止しない。ゆえに、昇温は継続する。
(耐熱セパレータ)
図3は、図1に示されるリチウムイオン二次電池1の他の構成を示す模式図であって、(a)は通常の構成を示し、(b)はリチウムイオン二次電池1が急激に昇温したときの様子を示す。
図3の(a)に示されるように、セパレータ12は、多孔質フィルム5と、耐熱層4とを備える耐熱セパレータであってもよい。耐熱層4は、多孔質フィルム5のカソード11側の片面に積層されている。なお、耐熱層4は、多孔質フィルム5のアノード13側の片面に積層されてもよいし、多孔質フィルム5の両面に積層されてもよい。そして、耐熱層4にも、孔Pと同様の孔が設けられている。通常、リチウムイオン3は、孔Pと耐熱層4の孔とを介し移動する。耐熱層4は、その材料として、例えば、全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)を含む。
図3の(b)に示されるように、リチウムイオン二次電池1が急激に昇温し、多孔質フィルム5が融解または柔軟化しても、耐熱層4が多孔質フィルム5を補助しているため、多孔質フィルム5の形状は維持される。ゆえに、多孔質フィルム5が融解または柔軟化し、孔Pが閉塞するにとどまる。これにより、リチウムイオン3の移動が停止するため、上述の過放電または過充電も停止する。このように、セパレータ12の破壊が抑制される。
上述した図3に示される耐熱層4を備えた耐熱セパレータは、積層セパレータに分類され、この他の積層セパレータとしては、耐熱層4の代わりに、接着層や保護層などの多孔質層を備えた場合を例に挙げることができる。
(積層セパレータである耐熱セパレータの製造工程)
リチウムイオン二次電池1の耐熱セパレータの製造は特に限定されるものではなく、公知の方法を利用して行うことができる。以下では、多孔質フィルム5がその材料として主にポリエチレンを含む場合を仮定して説明する。しかし、多孔質フィルム5が他の材料を含む場合でも、同様の製造工程により、セパレータ12を製造できる。
例えば、熱可塑性樹脂に可塑剤を加えてフィルム成形した後、該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。例えば、多孔質フィルム5が、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン樹脂から形成されてなる場合には、以下に示すような方法により製造することができる。
この方法は、(1)超高分子量ポリエチレンと、炭酸カルシウム等の無機充填剤とを混練してポリエチレン樹脂組成物を得る混練工程、(2)ポリエチレン樹脂組成物を用いてフィルムを成形する圧延工程、(3)工程(2)で得られたフィルム中から無機充填剤を除去する除去工程、及び、(4)工程(3)で得られたフィルムを延伸して多孔質フィルム5を得る延伸工程を含む。
除去工程によって、フィルム中に多数の微細孔が設けられる。延伸工程によって延伸されたフィルムの微細孔は、上述の孔Pとなる。これにより、所定の厚さと透気度とを有するポリエチレン微多孔膜である多孔質フィルム5が形成される。
なお、混練工程において、超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、無機充填剤100〜400重量部とを混練してもよい。
その後、塗工工程において、多孔質フィルム5の表面に耐熱層4を形成する。例えば、多孔質フィルム5に、アラミド/NMP(N−メチル−ピロリドン)溶液(塗工液)を塗布し、アラミド耐熱層である耐熱層4を形成する。耐熱層4は、多孔質フィルム5の片面だけに設けられても、両面に設けられてもよい。また、耐熱層4として、アルミナ/カルボキシメチルセルロース等のフィラーを含む混合液を塗工してもよい。
塗工液を多孔質フィルム5に塗工する方法は、均一にウェットコーティングできる方法であれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、キャピラリーコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法、グラビアコーター法、ダイコーター法などを採用することができる。耐熱層4の厚さは塗工ウェット膜の厚み、塗工液中の固形分濃度を調節することによって制御することができる。
なお、塗工する際に多孔質フィルム5を固定あるいは搬送する支持体としては、樹脂製のフィルム、金属製のベルト、ドラム等を用いることができる。
以上のように、多孔質フィルム5に耐熱層4が積層されたセパレータ12(耐熱セパレータ)を製造できる。製造されたセパレータは、例えば、円筒形状のセパレータ巻芯(コア)に巻き取られる。なお、以上の製造方法で製造される対象は、耐熱セパレータに限定されない。この製造方法は、塗工工程を含まなくてもよい。この場合、製造される対象は、耐熱層を有しないセパレータである。
〔実施形態1〕
耐熱セパレータまたは耐熱層を有しないセパレータ(以下「セパレータ(非水電解液二次電池用セパレータともいう)」)は、リチウムイオン二次電池1などの応用製品に適した幅(以下「製品幅」)であることが好ましい。しかし、生産性を上げるために、セパレータは、その幅が製品幅以上となるように製造される。これをセパレータの原反という。このセパレータの原反を、一旦製造した後に、スリット装置においては、セパレータの原反の長手方向と厚み方向とに対し略垂直である方向の長さを意味する「セパレータの幅」を製品幅に切断(スリット)し、セパレータ長尺とする。
以下では、スリットされる前の幅広のセパレータを「セパレータの原反」と称し、セパレータの幅が製品幅にスリットされたものを特に「セパレータ長尺」と称する。また、スリットとは、セパレータの原反を長手方向(製造におけるフィルムの流れ方向、MD:Machine direction)に沿って切断することを意味し、カットとは、セパレータ長尺を横断方向(TD:transverse direction)に沿って切断することを意味する。横断方向(TD)とは、セパレータ長尺の長手方向(MD)と厚み方向とに対し略垂直である方向を意味する。
(多孔質セパレータ捲回体)
図4の(a)は、切断装置7を備えたスリット装置6の構成を示す模式図であり、図4の(b)は、スリット装置6によって、多孔質セパレータの原反12Oが複数の多孔質セパレータ長尺12a・12bにスリットされる様子を示す図である。
なお、本実施形態においては、図3に示されるように、多孔質フィルム5の片面に耐熱層4として全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂層)を積層した多孔質セパレータの原反12Oを一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、多孔質セパレータの原反12Oは、耐熱層4を備えていない多孔質フィルム5であってもよく、多孔質フィルム5の両面に耐熱層4を備えたものであってもよい。さらには、耐熱層4の代わりに、接着層や保護層などの多孔質層を備えていてもよい。
図4の(a)に示されるように、スリット装置6は、回転可能に支持された円柱形状の、巻出ローラー63と、複数のローラー64・65・68U・68L・69U・69L、第1タッチローラー81U、第2タッチローラー81L、第1アーム82U、第2アーム82L、第1捲回補助ローラー83U、第2捲回補助ローラー83L、第1巻取ローラー70U、第2巻取ローラー70L、切断装置7を備える。
スリット装置6では、多孔質セパレータの原反12Oを巻きつけた円筒形状のコアcが、巻出ローラー63に嵌められている。多孔質セパレータの原反12Oは、コアcから経路UまたはLで巻き出される。多孔質セパレータの原反12OのA面を上面として搬送したい場合には、経路Lで巻き出し、多孔質セパレータの原反12OのB面を上面として搬送したい場合には、経路Uで巻き出せばよい。なお、本実施形態においては、多孔質セパレータの原反12OのA面を上面として搬送するので、経路Lで巻き出される。
なお、本実施形態において、上記A面は、多孔質フィルム5における耐熱層4と接する面と対向する表面であり、上記B面は、耐熱層4における多孔質フィルム5と接する面と対向する表面である。
このように巻き出された多孔質セパレータの原反12Oは、ローラー64及びローラー65を介して、切断装置7に搬送され、図4の(a)及び(b)に示されるように、切断装置7によって複数の多孔質セパレータ長尺12a・12bにスリットされる。
切断装置7によってスリットされた複数の多孔質セパレータ長尺12a・12bは、図4の(a)に示されるように、複数の多孔質セパレータ長尺12a・12bの一部12aの各々は、ローラー68U、ローラー69U及び第1捲回補助ローラー83Uを経由して、第1巻取ローラー70Uに嵌められた円筒形状の各コアuへ巻き取られる。また、複数の多孔質セパレータ長尺12a・12bの他の一部12bの各々は、ローラー68L、ローラー69L及び第2捲回補助ローラー83Lを経由して、第2巻取ローラー70Lに嵌められた円筒形状の各コアlへ巻き取られる。なお、コアu・lにロール状に巻き取られた多孔質セパレータ長尺12a・12bを多孔質セパレータ捲回体12U・12Lと称する。
ここで、コアu・lの質量は、通常、250g〜800gである。また、コアu・lの側面の面積は、通常、10cm〜80cmである。
(セパレータ巻芯(コア))
図5は、その側面に凹部を有さないコアu・l及びその側面に凹部を有するコアu1・u2の側面形状と、コアu・u1・u2とコアlとの側面同士を重ねた場合とを示す図である。
図6は、コアu’・u’’・u’’’・u’’’’・u’’’’’・u’’’’’’に設けることができる凹部の一例を示す図である。
図5の(a)は、同一であるコアuとコアlとの側面同士を重ねた際に、互いに対向する面である、コアuの一側面及びコアlの一側面を示す図である。
図示されているように、コアu・lの各々は、内環30と外環31とを垂直に繋ぐ8本のリブ29と、内環30と、外環31とからなるABS製のセパレータ巻芯である。そして、リブ29と、内環30と、外環31とは、コアuとコアlとを、その側面同士が完全に重なるように重ねた場合における、その重なった側面の中心である重ね軸C方向の幅が同一である。すなわち、コアu・lの各々においては、リブ29と、内環30と、外環31との図中奥行方向の幅が同一である。
なお、コアu・lの材料はABS樹脂に限定されない。コアu・lは、その材料として、通常、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又は塩化ビニール樹脂などの樹脂を含み、好ましくはABS樹脂を含む。コアの材料は、金属、紙、フッ素樹脂でないことが好ましい。
なお、本実施形態においては、コアu・lの各々は、厚さ5.5mm及び長さ26mmのリブ29と、厚さ6mm、外径82mm及び内径76mmの内環30と、厚さ6mm、外径152mm及び内径146mmの外環31とからなり、内環30の両側面については、内側にC1面取りされており、内環30の側面幅は5mmであるが、これらの各寸法は一例であり、これに限定されることはない。
図5の(b)は、コアuの一側面と、コアlの一側面とを完全に重ねたコア積層体S1を示す図である。
図5の(c)は、コアu1とコアlとの側面同士を重ねた際に、互いに対向する面である、コアu1の一側面及びコアlの一側面を示す図である。
コアu1は、その一側面に凹部20を有している点において、図5の(a)に図示したコアuと異なり、リブ29、内環30及び外環31の各々の寸法は、コアuと同じである。
なお、本実施形態においては、コアu1の2つの側面中、一つの側面のみに一つの凹部20を設けた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、例えば、凹部20は、一つの側面に複数個、各々の側面に一個ずつまたは複数個ずつ設けられていてもよい。
また、複数個の凹部20を設けた場合には、複数個の凹部20は、複数個の凹部20の一つを、重ね軸C(重なった側面の中心)を中心として、回転させた場合、平面視において、互いに重なるように配置されていてもよく、そうでなくてもよい。
図5の(d)は、コアu1の一側面と、コアlの一側面とを完全に重ねたコア積層体S2を示す図である。
図5の(e)は、コアu2とコアlとの側面同士を重ねた際に、互いに対向する面である、コアu2の一側面及びコアlの一側面を示す図である。
コアu2は、その一側面に2つの凹部20を有している点において、図5の(c)に図示したコアu1と異なり、リブ29、内環30及び外環31の各々の寸法は、コアu1と同じである。
なお、本実施形態においては、コアu2の2つの側面中、一つの側面のみに2つの凹部20を設けた場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、例えば、凹部20は、一つの側面に3個以上または、各々の側面に複数個ずつ設けられていてもよい。
また、コアu2においては、複数個の凹部20は、複数個の凹部20の一つを、重ね軸Cを中心として、回転させた場合、平面視において、互いに重なるように配置した場合であるが、これに限定されることはなく、複数個の凹部20は、複数個の凹部20の一つを、重ね軸Cを中心として、回転させた場合、平面視において、互いに重ならないように配置してもよい。
図5の(f)は、コアu2の一側面と、コアlの一側面とを完全に重ねたコア積層体S3を示す図である。
図6の(a)は、コアu’においてリブ29’に凹部20’を設けた場合であり、図示されているように、リブ29’において凹部20’を設ける位置は、内環30及び外環31の各々と繋がる両端部から0.5mm以上の間隔を離して設けることが好ましい。なお、リブ29’の寸法は、リブ29の寸法と同じである。
図6の(b)は、コアu’’においてリブ29’’に凹部20’’を設けた場合であり、図示されているように、リブ29’’において凹部20’’を設ける位置は、内環30及び外環31の各々と繋がる両端部、すなわち、外環側からも内環側からも0.5mm以上の間隔を離して設けることが好ましい。そして、リブ29’’の幅方向においても両端部から0.5mm以上の間隔を離して設けることが好ましい。このように、リブ29’’の幅方向において、両端部から間隔を離して凹部20’’を設けることにより、リブの幅方向の両側に壁29a’’・29b’’が形成される。
図6の(b)に図示したコアu’’は、壁29a’’・29b’’がリブ29’’の幅方向の両側に設けられた場合であるが、これに限定されることはなく、壁はリブ29’’の幅方向の片側のみに設けられていてもよく、図6の(a)の場合のように、壁はリブの幅方向の両側に設けられていなくてもよい。
壁がリブの幅方向の両側または片側に設けられた場合、壁の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。
なお、凹部20’’の長さは、特に限定されないが、凹部20’’は内環30及び外環31の各々と繋がる両端部から0.5mm以上離して設けられることが好ましい。
なお、リブ29’’の寸法は、リブ29の寸法と同じである。
なお、本実施形態においては、凹部20・20’・20’’をリブ29・29’・29’’の側面に設けた場合を一例に挙げて説明したが、凹部は、内環30の側面や外環31の側面に設けられてもよい。
図6の(c)及び図6の(d)は、コアu’’’・u’’’’において凹部20’’’・20’’’’を外環31’・31’’の側面に設けた場合を示す図である。
図6の(c)に図示されているように、凹部20’’’は、外環31’の外環外周面から0.5mm以上離して設けることが好ましい。
また、図6の(d)に図示されているように、凹部20’’’’は、外環31’’の外環外周面側及び外環内周面側の各々からから0.5mm以上離して設けてもよい。このように凹部20’’’’を設けることにより、壁31a’’・31b’’を外環の幅方向において形成することができる。
図6の(c)及び図6の(d)に図示されているように壁が外環の幅方向の両側または片側に設けられた場合、壁の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。
以上のように、凹部20’’’・20’’’’を設けることにより、多孔質セパレータ長尺12a・12bを捲回する際に凹部20’’’・20’’’’の形状が、多孔質セパレータ長尺12a・12bに転写されるのを抑制できる。一方、外環31’・31’’の側面に設けた凹部が外環外周面に繋がっている場合においては、多孔質セパレータ長尺12a・12bを捲回する際に凹部の形状が、多孔質セパレータ長尺12a・12bに転写されてしまう。
なお、凹部20’’’・20’’’’の長さは、特に限定されず、外環31’・31’’の寸法は、外環31の寸法と同じである。
図6の(e)及び図6の(f)は、コアu’’’’’・u’’’’’’において凹部20’’’’’・20’’’’’’を内環30’・30’’の側面に設けた場合を示す図である。
図6の(e)に図示されているように、凹部20’’’’’は、内環30’の内環内周面から0.5mm以上離して設けることが好ましい。
また、図6の(f)に図示されているように、凹部20’’’’’’は、内環30’’の内環内周面側及び内環外周面側の各々からから0.5mm以上離して設けてもよい。このように凹部20’’’’’’を設けることにより、壁30a’’・30b’’を内環の幅方向において形成することができる。
図6の(e)及び図6の(f)に図示されているように壁が内環の幅方向の両側または片側に設けられた場合、壁の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。
なお、凹部20’’’’’・20’’’’’’の長さは、特に限定されず、内環30’・30’’の寸法は、内環30の寸法と同じである。
上述した図6においては、コアの側面に、凹部を一つ設けた場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、コアの側面に、凹部を複数個設けてもよい。なお、コアの側面に、凹部を複数個設ける場合には、複数個の凹部は、リブ、内環及び外環の何れかのみに設けられていてもよく、リブ、内環及び外環の少なくとも2つ以上において設けられていてもよい。
凹部20を有さないコアuとコアlとの側面同士を重ねた図5の(b)に図示されているコア積層体S1においては、コアu及びコアlの一方の側面の全面積が、コアu及びコアlの一方の側面と対向するコアu及びコアlの他方の側面と接触する。
凹部20を有するコアu1とコアlとの側面同士を重ねた図5の(d)に図示されているコア積層体S2においては、コアu1の側面が、コアu1の側面の全面積の3.9%に該当する面積の凹部20を有するので、コアu1及びコアlの一方の側面の全面積の96.1%が、コアu1及びコアlの一方の側面と対向するコアu1及びコアlの他方の側面と接触する。
2つの凹部20を有するコアu2とコアlとの側面同士を重ねた図5の(f)に図示されているコア積層体S3においては、コアu2の側面は、コアu2の側面の全面積の7.8%に該当する面積の凹部20を有するので、コアu2及びコアlの一方の側面の全面積の92.2%が、コアu2及びコアlの一方の側面と対向するコアu2及びコアlの他方の側面と接触する。
以上のように、コアu1・u2における凹部20のサイズや数を調整することにより、コアu1とコアlとの側面同士の接触面積及びコアu2とコアlとの側面同士の接触面積を変えることができる。
凹部20の深さは、通常、0.1mm以上であり、0.3mm以上であってもよい。また、通常、3mm以下であり、1mm以下であってもよい。凹部20の深さが0.1mm以上であると、上記コアを洗浄した後、側面同士を接触させて上記コアを重ねても、より確実にコア同士がくっ付くことを抑制することができる。また、凹部20の深さが3mm以下であると、上記コアの強度を十分に維持することができ、上記コアを洗浄した際に乾燥を早くすることができる。また、凹部20に異物が入り込み付着することを抑制することができる。
なお、図5に図示するコア積層体S1・S2・S3においては、コア積層体を構成する2つのコア中、何れか一方のコアのみに凹部20が設けられている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、コア積層体を構成する2つのコアに凹部20が設けられていてもよい。
なお、本実施形態においては、コアの側面を、算術平均粗さRaが0.1〜1.0μmになるように加工したものを用いているが、これに限定されることはない。また、上述した側面の全面積に対する凹部の割合の算出や側面の全面積に対する接触面積の割合の算出時には、0.1〜1.0μm程度であるコアの側面の粗さによる影響は考慮していない。
以上のように、側面に凹部20を有するコアu1・u2を用いることにより、コアの側面同士を重ねた際に、コアの側面同士の接触面積を適切な程度に減らすことができ、洗浄した後に、濡れたコアを積み上げたときに横滑りして崩れることを抑制しながらも、コア同士がくっ付いてしまうのを抑制できる。
したがって、側面に凹部20を有するコアu1・u2を用いることにより、コアの落下などによってコアに生じ得る損傷を抑制することができる。
(積層セパレータ巻芯(コア)の滑り試験及び垂直剥がし試験)
図7は、積層されたコアの滑り試験の方法を説明するための図である。
図示されているように、積層されたコアの滑り試験には、分度器22と、平面板23と、緩衝材24と、コアu1と、コアlとが用いられる。
ここでは、積層されたコアu1とコアlとを用いて滑り試験を行う場合を一例に挙げて説明する。
図7の(a)及び図7の(c)に図示されているように、コアu1の側面とコアlの側面とを水でまんべんなく濡らした後、平面板23にコアlを固定し、コアl上にコアu1を重ねた。コアlとコアu1とを重ねる際には、コアlの8本のリブ29と、コアu1の8本のリブ29とが、平面視において、完全に重なるように、コアlの一側面と凹部20が設けられているコアu1の一側面とを重ねた。
そして、コアlとコアu1とが積層されている平面板23を1度/秒で傾けて行き、上に重ねたコアu1が緩衝材24に滑り落ちた時の角度を、分度器22から読み、滑り出し角度とした(図7の(b)及び図7の(d)参照)。
なお、この積層コアの滑り試験は、各サンプルに対して、10回(N=10)実施し、その平均値を滑り出し角度とした。
一方、図8は、積層されたコアの垂直剥がし試験の方法を説明するための図である。
ここでも、積層されたコアu1とコアlとのコア積層体S2を用いて、垂直剥がし試験を行う場合を一例に挙げて説明する。
図8の(a)に図示されているように、コアlを接地面に固定し、コアu1の側面とコアlの側面とを水でまんべんなく濡らした後、コアlとコアu1とを重ねる際に、コアlの8本のリブ29と、コアu1の8本のリブ29とが、平面視において、完全に重なるように、コアlの一側面と凹部20が設けられているコアu1の一側面とを重ねた。
その後、図8の(b)に図示されているように、重ねられたコアl及びコアu1中の上側のコアu1を、テンシロン万能材料試験機(オリエンテック社製、モデルRTG−1310)で50mm/minの速度で垂直に引き上げ、応力のピークの値と、重ねられたコアlとコアu1とが剥離後に応力が安定したときの値との差を垂直剥がし強度とした。
なお、この積層コアの垂直剥がし試験は、各サンプルに対して、5回(N=5)実施し、その平均値を垂直剥がし強度とした。
図9は、凹部の面積、すなわち、接触面接を変化させたときの各サンプルの滑り試験及び垂直剥がし試験の結果を示す図である。
図示されているように、凹部面積割合0%すなわち、両コアの側面同士の接触面積が100%であるサンプル1(比較例)の場合、滑り出し角度は41.7度であり、垂直剥がし強度は3.53Nであった。
なお、凹部面積割合は、凹部が設けられたコアの一側面の全体面積(リブの一側面の面積+内環の一側面の面積+外環の一側面の面積)中、凹部の面積が占める割合を意味する。図9における各サンプルにおいては、凹部が設けられたコアの一側面と重ねられる他方のコアの一側面には、凹部は設けられてないものとし、前記全体面積と両コアの側面同士の接触面積の差を凹部面積割合とした。
凹部面積割合3.9%(両コアの側面同士の接触面積が96.1%)であるサンプル2の場合、滑り出し角度は35.1度であり、垂直剥がし強度は3.06Nであり、凹部面積割合7.7%(両コアの側面同士の接触面積が92.3%)であるサンプル3の場合、滑り出し角度は34.9度であり、垂直剥がし強度は2.87Nであり、凹部面積割合14.8%(両コアの側面同士の接触面積が85.2%)であるサンプル4の場合、滑り出し角度は29.9度であり、垂直剥がし強度は2.02Nであり、凹部面積割合29.7%(両コアの側面同士の接触面積が70.3%)であるサンプル5の場合、滑り出し角度は26.0度であり、垂直剥がし強度は1.39Nであった。
積層されたセパレータ巻芯(コア)の通常の保管時に、積層されたコアを平面に対して26.0度以上も傾けるということは一般的にないため、サンプル5における滑り出し角度(26.0度)の値は、洗浄した後に洗浄液で濡れたコアを積み上げたときに横滑りして崩れることを抑制するという観点からは十分に大きい値である。また、コア洗浄を、ベルトコンベア等を用いて連続的に実施する場合に、横滑りを抑制するという観点においても十分に大きい値である。
なお、垂直剥がし強度に関しては、比較例としてのサンプル1においては、垂直剥がし強度は3.53Nと大きく、くっ付いてしまった上側のコアと下側のコアとが容易に剥がれないことを意味するので、上側のコアを、持ち上げる時に、下側のコアが一緒に持ち上げられた後に剥がれて落下してしまう恐れが高い。
一方、サンプル2及びサンプル3で得られる垂直剥がし強度(3.06N及び2.87N)程度であれば、くっ付いてしまった上側のコアと下側のコアとが、上側のコアを、持ち上げる時に、比較的容易に剥がれるので、サンプル1のように、下側のコアが上側のコアと一緒に持ち上げられた後に剥がれて落下する恐れを抑制できる。
〔実施形態2〕
本実施形態のコアu1の側面に設けられた凹部25は、刻印部26を含んでいる点において上述した実施形態1とは異なる。
図10の(a)は、刻印部26を含む凹部25が側面に設けられたコアu1を示す図であり、図10の(b)は、刻印部26を含む凹部25を示す図である。
図10の(a)及び図10の(b)に図示されているように、凹部25の略中央部分には、種々の情報を作業者に提示する、例えば、文字、数字、記号などで構成される刻印部26が設けられている。
なお、コアu1が複数の凹部を備える場合には、複数の凹部中の一つ以上の凹部が刻印部を含んでいてもよく、複数の凹部が刻印部を含んでいる場合は、当該複数の刻印部にはそれぞれ異なる情報が刻印されていてもよい。
なお、刻印それ自身が凹部を形成していてもよい。
なお、刻印部26の高さは、コアu1の側面における凹部25以外の部分と同じ高さであってもよく、コアu1の側面における凹部25以外の部分の高さより低くてもよい。
〔実施形態3〕
本実施形態においては、コアを構成するリブ29と、内環30と、外環31との重ね軸C方向の幅を調整することで、コアの側面に凹部を設けている点において、上述した実施形態1及び2とは異なる。
図11の(a)及び図11の(b)は、リブ29と、内環30と、外環31との重ね軸C方向の幅が同一である、上述した実施形態1及び2において用いたコアuの一例を示す図であり、図11の(c)は、外環31及びリブ29の重ね軸C方向の幅が、内環30の重ね軸C方向の幅より短いコアu3の一例を示す図であり、図11の(d)は、内環30及びリブ29の重ね軸C方向の幅が、外環31の重ね軸C方向の幅より短いコアu4の一例を示す図であり、図11の(e)は、内環30の重ね軸C方向の幅が、リブ29及び外環31の重ね軸C方向の幅より短いコアu5の一例を示す図であり、図11の(f)は、外環31の重ね軸C方向の幅が、リブ29及び内環30の重ね軸C方向の幅より短いコアu6の一例を示す図であり、図11の(g)は、内環30及び外環31の重ね軸C方向の幅が、リブ29の重ね軸C方向の幅より短いコアu7の一例を示す図であり、図11の(h)は、リブ29の重ね軸C方向の幅が、内環30及び外環31の重ね軸C方向の幅より短いコアu8の一例を示す図であり、図11の(i)は、一部のリブ29の重ね軸C方向の幅が、内環30、外環31及びその他のリブ29の重ね軸C方向の幅より短いコアu9の一例を示す図である。
図11の(c)に図示されたコアu3の側面には、リブ29及び外環31の重ね軸C方向の幅が、内環30の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部32が設けられている。また、図11の(d)に図示されたコアu4の側面には、リブ29及び内環30の重ね軸C方向の幅が、外環31の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部33が設けられている。また、図11の(e)に図示されたコアu5の側面には、内環30の重ね軸C方向の幅が、リブ29及び外環31の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部34が設けられている。また、図11の(f)に図示されたコアu6の側面には、外環31の重ね軸C方向の幅が、リブ29及び内環30の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部35が設けられている。また、図11の(g)に図示されたコアu7の側面には、内環30及び外環31の重ね軸C方向の幅が、リブ29の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部36が設けられている。また、図11の(h)に図示されたコアu8の側面には、リブ29の重ね軸C方向の幅が、内環30及び外環31の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部37が設けられている。また、図11の(i)に図示されたコアu9の側面には、リブ29の一部の重ね軸C方向の幅が、その他のリブ29、内環30及び外環31の重ね軸C方向の幅より短い部分である凹部38が設けられている。
なお、本実施形態においては、凹部32〜37は、重ね軸Cに対して、全回転角度において、回転対称である、すなわち、凹部32〜37は、重ね軸Cを中心として、何度回転させても常に重なる形状である場合を一例に挙げて説明したが、凹部32〜37の形状がこれに限定されることはない。
また、本実施形態においては、凹部32〜38を形成する場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、凹部は、リブ29、内環30及び外環31のうちの一つまたは二つの重ね軸C方向の幅を、リブ29、内環30及び外環31のうちの残りの重ね軸C方向の幅より短くして、形成すればよい。
凹部の大きさ及び形状は、2つのコアを、その側面同士が重なるように重ねた場合、一方側の側面の全面積(リブの一側面の面積+内環の一側面の面積+外環の一側面の面積)の75%以上97%以下が、上記一方側の側面と対向する他方側の側面と接触するような大きさ及び形状とすることが好ましく、凹部の大きさ及び形状を、上記一方側の側面の全面積の85%以上97%以下が、上記一方側の側面と対向する他方側の側面と接触するような大きさ及び形状とすることがさらに好ましい。
また、凹部が設けられた一側面の全体面積(リブの一側面の面積+内環の一側面の面積+外環の一側面の面積)中、凹部の面積が占める割合を、3%以上25%以下とすることが好ましく、3%以上15%以下とすることがさらに好ましい。
なお、コアu3〜u9の場合においては、リブ、内環及び外環の厚さや長さをそれぞれ適宜調整することで、凹部32〜38の面積が占める割合を調整することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るセパレータ巻芯は、非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、上記セパレータ巻芯の側面は、凹部を有する構成である。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯の側面に備えられた凹部によって、上記セパレータ巻芯を洗浄した後などにおいて、その側面同士を接触させて上記セパレータ巻芯を重ねても、上記セパレータ巻芯同士がくっ付くことを抑制することができる。
本発明の態様2に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1において、上記凹部は、刻印部を含む構成としてもよい。
上記構成によれば、上記凹部は刻印部を含むので、上記刻印部によって、種々の情報を作業者に提示することができる。
本発明の態様3に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1において、上記セパレータ巻芯は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が同一である、外環と、リブと、内環とからなり、上記凹部は、上記外環、上記リブ及び上記内環のうち少なくとも一つの側面に形成されている構成としてもよい。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯の側面において、凹部以外の部分は平坦であるため、上記セパレータ巻芯同士を重ねてもがたつかず、安定して上記セパレータ巻芯同士を重ねることができる。
また、上記外環、上記リブ及び上記内環のうち少なくとも一つの側面に形成された凹部により、上記セパレータ巻芯同士のくっ付きを抑制することができる。
本発明の態様4に係るセパレータ巻芯は、上記の態様3において、上記凹部は、刻印部を含む構成としてもよい。
上記構成によれば、上記凹部は刻印部を含むので、上記刻印部によって、種々の情報を作業者に提示することができる。
本発明の態様5に係るセパレータ巻芯は、上記の態様3または4において、上記凹部は、複数個設けられ、かつ、上記セパレータ巻芯の2つの側面中、少なくとも一方の側面に設けられており、上記複数の凹部の各々は、上記複数の凹部の一つを、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸を中心として、回転させた場合、平面視において、互いに重なる構成としてもよい。
上記構成によれば、対称的に設けられた上記複数個の凹部によって、上記セパレータ巻芯同士のくっ付きをまんべんなく抑制することができる。
本発明の態様6に係るセパレータ巻芯は、上記の態様3または4において、上記凹部は、複数個設けられ、かつ、上記セパレータ巻芯の2つの側面中、少なくとも一方の側面に設けられており、上記複数の凹部の各々は、上記複数の凹部の一つを、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸を中心として、回転させた場合、平面視において、互いに重ならない構成としてもよい。
上記構成によれば、非対称的に設けられた上記複数個の凹部によって、上記セパレータ巻芯同士のくっ付きをまんべんなく抑制することができる。
本発明の態様7に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1から4の何れかにおいて、上記凹部は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸に対して、全回転角度において、回転対称である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記凹部は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸に対して、全回転角度において、回転対称であるので、上記セパレータ巻芯同士のくっ付き抑制効果が高い。
本発明の態様8に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1において、上記セパレータ巻芯は、外環と、リブと、内環からなり、上記凹部は、上記外環、上記リブ及び上記内環のうちの一つまたは二つの上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が、上記外環、上記リブ及び上記内環のうちの残りの上記重ね軸方向の幅より短く形成された部分である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記凹部を上記外環、上記リブ及び上記内環のうち少なくとも一つの側面に形成した場合と比較して、上記凹部の面積が大きくなるため、上記セパレータ巻芯同士を重ねたときの接触面積を小さくすることができ、上記セパレータ巻芯を重ねたときの上記セパレータ巻芯同士のくっ付き抑制効果が高い。
また、上記凹部の面積が大きくなるので、材料費の削減効果が高い。
本発明の態様9に係るセパレータ巻芯は、上記の態様8において、上記凹部は、上記外環の上記重ね軸方向の幅より上記内環の上記重ね軸方向の幅が短く形成された部分である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯同士を重ねた際、外環同士が接触するため、外環の上記重ね軸方向の幅より内環の上記重ね軸方向の幅が長い場合と比較して、上記セパレータ巻芯同士ががたつかず、安定して上記セパレータ巻芯を重ねて配置することができる。
また、上記セパレータ巻芯をローラーなどにセットし易い。
本発明の態様10に係るセパレータ巻芯は、上記の態様8において、上記凹部は、上記内環の上記重ね軸方向の幅より上記外環の上記重ね軸方向の幅が短く形成された部分である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯同士を重ねた際の上記セパレータ巻芯同士のくっ付きを抑制することができる。
また、上記セパレータ巻芯をローラーにセットしたときや、上記セパレータ巻芯同士を重ねたとき、非水電解液二次電池用セパレータの端面を保護しやすい。
本発明の態様11に係るセパレータ巻芯は、上記の態様8において、上記リブは、複数個のリブからなり、上記凹部は、上記複数個のリブの上記重ね軸方向の幅より上記外環の上記重ね軸方向の幅及び上記内環の上記重ね軸方向の幅が短く形成された部分である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記複数個のリブが凸部となるので、上記セパレータ巻芯同士を重ねた際、上記セパレータ巻芯同士のくっ付き抑制効果が高い。
本発明の態様12に係るセパレータ巻芯は、上記の態様8において、上記リブは、複数個のリブからなり、上記凹部は、上記外環の上記重ね軸方向の幅及び上記内環の上記重ね軸方向の幅より上記複数個のリブの上記重ね軸方向の幅が短く形成された部分である構成としてもよい。
上記構成によれば、上記複数個のリブが凹部となるので、上記セパレータ巻芯同士を重ねた際、上記セパレータ巻芯同士のくっ付き抑制効果が高い。
本発明の態様13に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1から12の何れかにおいて、上記凹部の深さが0.1mm以上であることが好ましい。
上記構成によれば、上記セパレータ巻芯を洗浄した後、側面同士を接触させて上記セパレータ巻芯を重ねても、より確実にセパレータ巻芯同士がくっ付くことを抑制することができる。
本発明の態様14に係るセパレータ巻芯は、上記の態様1から13の何れかにおいて、上記凹部が設けられた一側面の全体面積中、上記凹部の面積が占める割合は、3%以上25%以下であることが好ましい。
上記構成によれば、上記凹部が設けられた一側面の全体面積中、上記凹部の面積が占める割合は、3%以上25%以下であるので、上記セパレータ巻芯を洗浄した後、側面同士を接触させて上記セパレータ巻芯を重ねても、より確実にセパレータ巻芯同士がくっ付くことを抑制することができるとともに、上記セパレータ巻芯を洗浄した後に、濡れたセパレータ巻芯を積み上げたときに横滑りして崩れることも抑制することができる。
本発明の態様15に係るセパレータ捲回体は、上記の態様1から14の何れか1項において、上記の態様1から14の何れか1項に記載のセパレータ巻芯に、上記非水電解液二次電池用セパレータが捲回された構成としてもよい。
上記構成によれば、セパレータ巻芯同士のくっ付きなどによる落下で生じる損傷などが生じ難いセパレータ巻芯を用いることにより、セパレータ巻芯に捲回されるセパレータ長尺に皺などの捲回不具合が生じるのを抑制できる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、セパレータ巻芯及びセパレータ捲回体に利用することができる。
1 リチウムイオン二次電池
12a 多孔質セパレータ長尺
12b 多孔質セパレータ長尺
12U 多孔質セパレータ捲回体
12L 多孔質セパレータ捲回体
12O 多孔質セパレータの原反
u、l コア(セパレータ巻芯)
u1〜u9 コア(セパレータ巻芯)
u’、u’’、u’’’ コア(セパレータ巻芯)
u’’’’ コア(セパレータ巻芯)
u’’’’’ コア(セパレータ巻芯)
u’’’’’’ コア(セパレータ巻芯)
20 凹部
20’ 凹部
20’’ 凹部
20’’’ 凹部
20’’’’ 凹部
20’’’’’ 凹部
20’’’’’’ 凹部
21 凹部
25 凹部
26 刻印部
29 リブ
29’ リブ
29’’ リブ
30 内環
30’ 内環
30’’ 内環
31 外環
31’ 外環
31’’ 外環
32〜38 凹部

Claims (7)

  1. 非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、
    上記セパレータ巻芯の少なくとも一方の側面は、複数の凹部を有し、
    上記セパレータ巻芯は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が同一である、外環と、リブと、内環とを含み、
    少なくとも一個の上記凹部、上記側のうち、上記リブを形成する部分に設けられ、当該凹部上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸を軸とした円の円周方向において、上記側面のうち、上記リブを形成する部分の両端部から間隔を離して設けられ
    上記凹部が設けられた、上記セパレータ巻芯の、上記リブの一側面の面積と、上記内環の一側面の面積と、上記外環の一側面の面積との合計面積中、上記凹部の面積が占める割合が、3.9%以上29.7%以下であることを特徴とするセパレータ巻芯。
  2. 非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、
    上記セパレータ巻芯の側面は、凹部を有し、
    上記凹部は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸に対して、対称の形状を有し
    上記セパレータ巻芯は、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が同一である、外環と、リブと、内環とを含み、
    上記凹部は、上記側面のうち、少なくとも、上記外環を形成する部分と上記内環を形成する部分とのそれぞれ形成され
    上記凹部が設けられた、上記セパレータ巻芯の、上記リブの一側面の面積と、上記内環の一側面の面積と、上記外環の一側面の面積との合計面積中、上記凹部の面積が占める割合が、3.9%以上29.7%以下であることを特徴とするセパレータ巻芯。
  3. 上記凹部は、刻印部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセパレータ巻芯。
  4. 非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、
    上記セパレータ巻芯の側面は、凹部を有し、
    上記セパレータ巻芯は、外環と、リブと、内環とを含み、
    上記凹部は、上記リブと、上記内環との、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が、上記外環の上記重ね軸方向の幅より短く形成された部分であり、
    上記凹部を有する上記セパレータ巻芯の側面において、上記外環を形成する部分と、上記内環を形成する部分とが、上記リブを形成する部分を介して滑らかに接続し、
    上記凹部が設けられた、上記セパレータ巻芯の、上記リブの一側面の面積と、上記内環の一側面の面積と、上記外環の一側面の面積との合計面積中、上記凹部の面積が占める割合が、3.9%以上29.7%以下であることを特徴とするセパレータ巻芯。
  5. 上記凹部の深さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のセパレータ巻芯。
  6. 非水電解液二次電池用セパレータが捲回されるセパレータ巻芯であって、
    上記セパレータ巻芯の側面は、凸部を有し、
    上記セパレータ巻芯は、外環と、リブと、内環とを含み、
    上記凸部は、上記リブと、上記内環との、上記セパレータ巻芯の側面の中心を通る重ね軸方向の幅が、上記外環の上記重ね軸方向の幅より長く形成された部分であり、
    上記凸部を有する上記セパレータ巻芯の側面において、上記外環を形成する部分と、上記内環を形成する部分とが、上記リブを形成する部分を介して滑らかに接続し、
    上記凸部が設けられた、上記セパレータ巻芯の、上記リブの一側面の面積と、上記内環の一側面の面積と、上記外環の一側面の面積との合計面積中、上記凸部の面積が占める割合が、3.9%以上29.7%以下であることを特徴とするセパレータ巻芯。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載のセパレータ巻芯に、上記非水電解液二次電池用セパレータが捲回されたことを特徴とするセパレータ捲回体。
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