JP6151117B2 - ステッチ付表皮部材およびその製造方法 - Google Patents

ステッチ付表皮部材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6151117B2
JP6151117B2 JP2013151447A JP2013151447A JP6151117B2 JP 6151117 B2 JP6151117 B2 JP 6151117B2 JP 2013151447 A JP2013151447 A JP 2013151447A JP 2013151447 A JP2013151447 A JP 2013151447A JP 6151117 B2 JP6151117 B2 JP 6151117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin material
sewing
guide
skin
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013151447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015019914A (ja
Inventor
賢次郎 杉本
賢次郎 杉本
将治 長塚
将治 長塚
雅也 寿原
雅也 寿原
淳 小橋
淳 小橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Calsonic Kansei Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Calsonic Kansei Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2013151447A priority Critical patent/JP6151117B2/ja
Publication of JP2015019914A publication Critical patent/JP2015019914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6151117B2 publication Critical patent/JP6151117B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

この発明は、ステッチ付表皮部材およびその製造方法に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルなどの車両用内装部品が設置されている。
そして、上記した車両用内装部品には、硬質の芯材と軟質の表皮材との間に、クッション性を有する発泡層を介在させて一体化した(多層構造を有する)多層部品によって構成されたものが存在している。
そして、例えば、高級感を演出するなどのために、図7に示すように、上記した表皮材1に対し、(実際の縫製による)縫製線部2を設けたり、または、この縫製線部2の側部に擬似縫合溝3を存在させるようにしたりするなどして、皮革貼り調にする(ステッチ付表皮部材にする)ことも行われている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記した擬似縫合溝3は、縫い合わせ目を擬似的に表現するために、表皮材1に対して予め設けられる溝である。
特許第2727348号公報
しかしながら、上記ステッチ付表皮部材には、以下のような問題があった。
即ち、上記した擬似縫合溝3の側部に縫製によって縫製線部2を設ける際には、図8に示すように、ミシンなどの縫製装置に取付けたガイド部材5を、上記した擬似縫合溝3に沿って倣わせることにより、縫製線部2が擬似縫合溝3からズレないようにしていた。
しかし、このようなガイド部材5による倣いを行わせる場合、擬似縫合溝3の溝幅を、ある程度以上の大きさにしておかないと(溝幅w1)、図9、図10に示すように、ガイド部材5が擬似縫合溝3から外れ易くなってしまい(溝幅w2、w2<w1)、うまく倣わせることができなくなるので、擬似縫合溝3を、溝幅の広い、意匠性の低いものとせざるを得なかった。
これに対し、図9に示すように、溝幅を狭くして(溝幅w2)擬似縫合溝3の意匠性を高めようとすると、溝幅が狭くなった擬似縫合溝3に対する既存のガイド部材5の入込量が浅くなってしまい(入込量h1(図8),入込量h2(図9)、h2<h1)、上記したように、うまく倣わせることができなくなるため、その対策として、図11に示すように、ガイド部材5の先端部を尖らせて擬似縫合溝3への入込量を所要量確保する必要が生じる。
しかし、このようにガイド部材5の先端部を尖らせると、倣い中に、尖ったガイド部材5(5a)が擬似縫合溝3内で引っ掛かったり、また、尖ったガイド部材5(5a)が擬似縫合溝3内に傷を付けたりするなどの新たな問題が生じることになるので、溝幅を狭くすることについては、これまで特に行われていなかった。
なお、ガイド部材5で擬似縫合溝3を倣わせながらの縫製のやり方では、縫製線部2を安定して高い精度に仕上げることが難しい、という本質的な問題も存在している。
一方で、上記した縫製線部2を、産業用ロボットを用いて自動縫製することなども行われている。この場合には、縫製線部2の複雑で微妙な形状を細かくティーチングする手間を省くために、図12に示すように、産業用ロボット(図示せず)に取付けられたレーザースキャン装置7を用いて、縫製の前に予め、表皮材1ごとに擬似縫合溝3の位置をスキャンさせて縫製位置のデータを取得させるようにしている。このように、一枚ごとに表皮材1をスキャンするのは、表皮材1は、一枚ずつ擬似縫合溝3の位置や形状が微妙に異なっていることや、また、縫製の際に表皮材1を載置する縫製用表皮材受治具8は、表皮材1を正確に位置決めできるようなものではなかったこと、などによる。
しかし、上記したように、表皮材1が縫製用表皮材受治具8に対して正確に位置決め保持されていないことなどにより、擬似縫合溝3が、スキャンする範囲から外れてしまい、スキャン時間が延びたり、または、スキャンできなくなったりしてしまうおそれがある。そして、表皮材1が正確に位置決め保持されていないことによって、擬似縫合溝3に沿った正確な縫製線部2の縫製ができなくなってしまうおそれがある。しかも、擬似縫合溝3がない場合には、擬似縫合溝3をスキャンすることができないので、産業用ロボットを用いて自動縫製を行わせることが困難となっていた。
そこで、本発明は、上記したような縫製線部や擬似縫合溝に関する問題を解決することを主な目的としている。
本発明は、表皮材に対して、縫製による縫製線部が形成されたステッチ付表皮部材に関する。
そして、表皮材の裏面側に、表皮材を部分的に厚肉にすることで、縫製線部を縫製する際にガイド部または位置決め部として使用可能な形状保持性を有するガイド突起部を設けると共に、表皮材の表面側における、ガイド突起部とは反対側となる位置またはその近傍に、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝が形成されるようにしている。
また、本発明のステッチ付表皮部材の製造方法は、表皮材を、射出成形によって形成すると共に、射出成形の際に、表皮材の裏面側に、表皮材を部分的に厚肉にすることで表皮材から突出すると共に形状保持性を有するガイド突起部を一体に形成し、また、表皮材の表面側における、ガイド突起部とは反対側となる位置またはその近傍に、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝を形成するものである。
そして、ガイド突起部を表皮材のガイド部や位置決め部に利用して、表皮材に縫製による縫製線部を形成させるようにする。
本発明のステッチ付表皮部材によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、表皮材の裏面側に表皮材を部分的に厚肉にして形状保持性を持たせたガイド突起部を(一体に)設ける。これにより、表皮材の表面側に擬似縫合溝を設けなくても、ガイド突起部を用いて、縫製時の表皮材のガイドや位置決めを行わせることが可能となる。
よって、縫製装置に対し、上記した擬似縫合溝に倣うガイド部材を設ける必要をなくすことができると共に、ガイド部材による倣いの影響を受けることなく縫製線部を形成することができる。
しかも、表皮材の裏面側に形成されたガイド突起部を基準として表皮材を正確にガイドしたり位置決め保持したりすることができるので、正確且つ確実に擬似縫合溝に沿った縫製を行わせることができるようになる。
以って、蛇行することのない、品質や意匠性の優れた縫製線部を、常に安定して形成することが可能となる。
また、本発明のステッチ付表皮部材の製造方法によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、表皮材を射出成形によって形成する。これにより、表皮材の裏面側に、自由な形状のガイド突起部を一体に形成することが可能となる。よって、ガイド突起部を、ガイドや位置決めにとって最適な形状にすることができる。
そして、射出成形による表皮材の裏面側に表皮材を部分的に厚肉にして形状保持性を持たせたガイド突起部を一体に設ける。これにより、ガイド突起部を用いて、表皮材をより直接的にガイドしたり位置決めしたりすることができるので、上記したように、擬似縫合溝に倣わせながら縫製線部を形成するような場合と比べて、縫製線部の品質を向上することが可能となる。
そして、上記ステッチ付表皮部材およびその製造方法において、ガイド突起部の表面側に擬似縫合溝を設けるようにする。これによって、ガイド突起部と関連させて擬似縫合溝の位置精度を上げることができるので、擬似縫合溝の側部に精度良く安定して縫製線部を形成することが可能となる。
本発明の実施例にかかるステッチ付表皮部材を備えた車両用内装部品の正面図である。 (a)は図1のステッチ付表皮部材の部分拡大図である。(b)は(a)のステッチ付表皮部材の断面図である。 ステッチ付表皮部材に縫製線部を形成する縫製装置の部分拡大斜視図である。 図3の正面図である。 縫製装置による縫製工程の全体を示す装置構成図である。 図5の縫製用表皮材受治具の概略斜視図である。 従来例にかかるステッチ付表皮部材の平面図である。 図7の断面図である。 擬似縫合溝の溝幅を狭くした状態を示す断面図である。 ガイド部材が擬似縫合溝から外れた状態を示す断面図である。 ガイド部材が内に傷を付けた状態を示す断面図である。 表皮材の表面に形成された擬似縫合溝をスキャンしている状態を示す斜視図である。
以下、本実施の形態、および、それを具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図6は、この実施の形態の実施例およびその変形例を示すものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1に示すように、自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルなどの車両用内装部品20が設置されている。
そして、例えば、上記した車両用内装部品20を、硬質の芯材と軟質の表皮材21との間に、クッション性を有する発泡層(またはクッション層)を介在させて一体化してなる多層構造の部品(多層部品)などによって構成する。
このような多層構造の車両用内装部品20は、例えば、発泡成形型にセットされた芯材と表皮材21との間に、発泡成形の原料となる発泡液を注入して、発泡成形型内で発泡液を発泡させることによって発泡層を成形するようにした、いわゆる発泡成形などによって製造されている。但し、車両用内装部品20は、上記した多層部品に限るものではない。
そして、例えば、高級感を演出するなどのために、図1および図2(a)(b)に示すように、上記した表皮材21に対し、(実際の縫製による)縫製線部22を設けたり、または、この縫製線部22の側部に縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝23を設けたりして、皮革貼り調にする(即ち、ステッチ付表皮部材24とする)。
ここで、上記についての補足説明を行う。なお、補足説明については、必要に応じて参照すれば良い。
上記した「車両用内装部品20」は、文字通り、車両の内装部品のことである。車両用内装部品20には、上記したインストルメントパネルの他に、インストルメントパネルに取付けられるサブパネルや、グローブボックス、センターコンソール、コンソールボックス、ドアパネル、座席などが存在している。
上記した「ステッチ付表皮部材24」は、文字通り、縫製線部22が形成された表皮材21のことである。
上記した「表皮材21」は、文字通り、製品(この場合には、車両用内装部品20)の表面を構成する部材のことである。表皮材21は、基本的に、肉厚の薄いシート状のものなどが使用される。この場合には、自動車などの車両における、車室内の前部に設置されたインストルメントパネルなどの車両用内装部品20の表皮材21とされている。但し、表皮材21はインストルメントパネルのものに限るものではない。例えば、上記した各種の車両用内装部品20の表皮材21などとすることができる。
上記した「縫製」は、表皮材21を、図3、図4に示すような、ミシンなどの縫製装置25を用いて実際に縫うことである。
なお、上記した縫製装置25は、例えば、図5に示すように、産業用ロボット26に取付けて自動縫製を行わせるのに適したものなどとされる。上記した産業用ロボット26は、多関節アームを有して三次元的な動きや、より複雑な動きができるようにしたものとされる(多関節ロボット)。この産業用ロボット26は、上記した縫製装置25と、図6に示すようなレーザースキャン装置27などのデータ取込装置と、を持ち替えて使用することができるか、または、同時に持って使用することができるようなものなどとされる。
そして、上記した縫製装置25は、上糸と下糸とを絡めながら縫製を行う(縫製線部22を形成する)装置である。図3、図4には、上糸を通した縫針31を交換可能に保持すると共に、縫針31を昇降動させる針棒32(縫針昇降部)と、表皮材21を下面側から部分的に保持する針板部33(布下部保持部)および表皮材21を上面側から押さえる押さえ部34(布上部保持部)を有する布保持部と、が描かれている。
上記針板部33は、縫針31が通る孔部を有するものとされる。また、押さえ部34は、縫針31が通るスリット部を有するフォーク状の部分を備えたものとされる。そして、縫針31は、これらの孔部およびスリット部を通して表皮材21に刺し通されることになる。そして、縫針31によって表皮材21の裏面側へ取り出された上糸に下糸が絡められることによって、縫い目が形成されるようになっている。
そして、上記針板部33と押さえ部34とは、それぞれ表皮材21の縫製を行っている部分の周囲を局部的に保持するようにした比較的小さな保持面を有するものとされる。なお、縫製装置25のその他の構成については、周知であるので、これ以上の説明は省略する。この場合、縫製装置25は、例えば、2本の縫製線部22(ダブルステッチ)を同時に形成できるような二連式のものなどとされる(二連式縫製装置)。
上記した「縫製線部22」は、縫製によって、表皮材21に形成された縫い目(ステッチ)のことである。この縫製線部22には、縫い目が1本のシングルステッチや、縫い目が2本の上記ダブルステッチなどがある。この場合には、上記したように、ダブルステッチとされる。製品品質上、縫製線部22は、縫い目が均等であることが望まれる。更に、ダブルステッチの場合には、左右の縫い目がきれいに揃うと共に、曲線部では左右の縫い目に内輪差や外輪差などが極力生じないようにすることが望まれる。
そして、以上のような基本的な構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
(構成1)
図2(b)に示すように、上記した表皮材21の裏面側に、上記した縫製線部22を縫製する際にガイド部または位置決め部となるガイド突起部41を設けるようにする。
(補足説明1)
ここで、上記した「裏面側」は、(薄いシート状の)表皮材21の、製品表面となる面とは反対側の面のことである。
上記した「ガイド突起部41」は、表皮材21の裏面側に一体に形成される。このガイド突起部41は、縫製線部22を形成する際に、ガイド部として使用したり、表皮材21の位置決め部として使用したりすることができるような形状や大きさなどを有する突起部のことである。このガイド突起部41は、好ましくは、縫製線部22にほぼ沿って連続して延びる突条などとされる。但し、ガイド突起部41は、その一部に不連続な部分を有するものなどとすることができる。また、ガイド突起部41は、製品の内部となる位置に形成されるようにしても良いし、または、後工程でカットされることによって製品の外部となる位置などに形成されるようにしても良い。
このガイド突起部41は、例えば、上記した真空成形などによって、均一な肉厚を有するシート状の表皮材21を部分的に凹むように賦形するなどして形成された擬似縫合溝23の裏面側にできるような僅かな突出形状とは、大きさや形状において本質的に異なるものである。これは、真空成形によって擬似縫合溝23の裏面側にできる突出形状が、裏面側への突出量が小さく、しかも、形状があまりはっきりしないものであり、ガイド部や位置決め部として使用するには不十分だからである。よって、この場合には、ガイド突起部41を、例えば、表皮材21に対して十分に肉厚が大きく、また、ほぼ台形状や矩形状などのように断面形状がはっきりしたものなどとなるようにしている。
(構成2)
上記した表皮材21の表面側における、上記したガイド突起部41とは反対側となる位置またはその近傍に、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝23が形成されるようにする。
(補足説明2)
ここで、上記した「表面側」は、表皮材21の、製品表面となる面のことである。
上記した「ガイド突起部41とは反対側となる位置の近傍」は、表皮材21の表面と裏面とに対し、擬似縫合溝23とガイド突起部41とが、同じ位置に形成されること、または、近い位置に形成されることである。この場合には、同じ位置に(ガイド突起部41の中央部に擬似縫合溝23が食い込んだような形状となるように)形成している。擬似縫合溝23は、縫製線部22やガイド突起部41に沿ったものとされる。
上記した「縫い合わせ目」は、例えば、二枚の布状体を重ね合わせて互いに縫い合わせ、その後、拡げることによって、二枚の布状体を縫い合わせた部分の間にできる繋ぎ目の窪みのことである。この場合には、一枚の表皮材21によって、縫い合わせ目を擬似的に表現させるようにしている。
上記した「擬似縫合溝23」は、上記した縫い合わせ目を擬似的に模倣した溝部のことである。即ち、実際の縫い合わせ目ではないものを、あたかも縫い合わせ目であるかのように見せるためのものである。この場合、擬似縫合溝23は、ミシンなどの縫製装置25に取付けたガイド部材で倣わせる必要のないものとなるので、意匠性のみを考慮して、これまでのものよりも溝幅を狭く形成することができる(狭幅擬似縫合溝、非倣い用擬似縫合溝)。
なお、擬似縫合溝23の側部には、必要に応じて、縫製線部22を形成する位置を示す、薄いガイド線43(図2(b)参照)を形成することができる。このガイド線43は、擬似縫合溝23よりも浅い、極めて微かな線状の窪みであり、縫製線部22を形成した時に、縫合糸44によって表皮材21をきつく縫い込んだ状態を表現したり強調したりするためのものであると共に、縫合糸44の上面が、表皮材21の表面から過度に突出し過ぎないように縫合糸44の高さを調整するためのものである。そして、縫製線部22は、このガイド線43の上に形成されるため、縫製線部22がこのガイド線43から僅かにでも外れてしまうと、縫製線部22の乱れが目立ってしまうので、製品品質の低下が明確になる。よって、縫製線部22を正確に形成できる場合にのみ、このガイド線43は、その機能を十分に発揮することができる。
以下、上記したステッチ付表皮部材24の製造方法について説明する。
(構成3)
表皮材21を、射出成形によって形成する(射出成形工程および射出成形表皮)。この射出成形の際に、表皮材21の裏面側に、図2(b)に示すように、表皮材21から突出するガイド突起部41を一体に形成する(表皮材一体型ガイド突起)。
そして、図3〜図5に示すように、このガイド突起部41を上記した表皮材21のガイド部や位置決め部に利用して、この表皮材21に縫製による縫製線部22を形成させるようにする(縫製工程)。
(補足説明3)
ここで、上記した「射出成形」は、金型内に溶融した樹脂材料を注入することによって樹脂製品を製造する成形技術のことである。射出成形により、ガイド突起部41は、表皮材21に一体に形成される。なお、この射出成形以外では、(薄いシート状の)表皮材21の裏面側に、自由な形状(肉厚や断面形状など)のガイド突起部41、または、ガイドや位置決めに適したようなガイド突起部41を一体に作成することは困難である。
上記した「ガイド突起部41を上記した表皮材21のガイド部や位置決め部に利用する」とは、表皮材21の裏面側で、ガイド突起部41を使って、表皮材21をガイドしたり位置決めしたりすることである。具体的なガイドの仕方や位置決めの仕方については後述する。
なお、上記した擬似縫合溝23については、設けるのが好ましいが、設けても、設けなくても良い。
(構成4)
図3、図4に示すように、上記した表皮材21の裏面側に一体形成した上記ガイド突起部41を、縫製装置25の針板部33に形成した凹溝部51に嵌合することでガイドしながら縫製線部22の縫製を行うようにする。
(補足説明4)
ここで、上記した「凹溝部51」は、ガイド突起部41とほぼ同じ断面形状を有するものとされる。この凹溝部51は、縫製装置25の針板部33に対して、縫製線部22の縫製方向に沿って延びるように形成される。
この場合には、2本の縫製線部22(ダブルステッチ)が形成されるようにした縫製装置25の針板部33の、2本の縫針31を通すための2つの孔部の間に、凹溝部51が形成されるようにしている。
(構成5)
図6(図5も併せて参照のこと)に示すように、上記した表皮材21の裏面側に一体形成した上記ガイド突起部41を、上記した表皮材21を載置する縫製用表皮材受治具55に形成した凹溝部51に嵌合することで位置決めして縫製線部22の縫製を行うようにする。
(補足説明5)
ここで、上記した「縫製用表皮材受治具55」は、縫製の際に、表皮材21を載置保持する縫製台である。この縫製用表皮材受治具55は、例えば、表皮材21を真空引きによって固定するようなものなどとされている。この縫製用表皮材受治具55は、必要な場合には、例えば、図5に示すように、水平回転機構56を介して水平回転可能なものなどとすることができる。あるいは、縫製用表皮材受治具55は、図示しない昇降機構を介して昇降可能なものとしたり、図示しない垂直回転機構を介して縦回転可能なものとしたり、あるいは、これらを組み合わせたようなものなどとすることができる。
上記した産業用ロボット26と、縫製用表皮材受治具55とは、例えば、安全柵57によって囲われた空間の内部に設置させるようにする。そして、安全柵57の外側にいる作業員が、部品棚58に収納された未加工の表皮材21を、安全柵57に設けた作業穴から安全柵57内の縫製用表皮材受治具55にセットし、操作盤59を操作して、縫製用表皮材受治具55を回転させたり、産業用ロボット26を作動させたりして、レーザースキャン装置27によるスキャンや、縫製装置25による縫製などを行わせ、縫製終了後に、縫製線部22が形成された表皮材21(ステッチ付表皮部材24)を縫製用表皮材受治具55から取り外し、安全柵57の外部へ取り出して、部品棚58の別の収納位置などへ収納するような設備構成などとされる。
そして、上記工程の初期にて、図6に示すような、凹溝部51を有する縫製用表皮材受治具55に対して、その凹溝部51にガイド突起部41が嵌合されるように、表皮材21をセットする。なお、この場合には、縫製線部22は、例えば、ガイド突起部41から離れた位置などに形成されることになる。
なお、構成4と構成5とは、どちらか一方を用いれば良い。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(作用効果1)
表皮材21の裏面側にガイド突起部41を(一体に)設けた。これにより、表皮材21の表面側に擬似縫合溝23を設けなくても、ガイド突起部41を用いて、縫製時の表皮材21のガイドや位置決めを行わせることが可能となる。
よって、縫製装置25に対し、上記した擬似縫合溝23に倣うガイド部材を設ける必要をなくすことができると共に、ガイド部材による倣いの影響(即ち、ガイド部材が、擬似縫合溝23からが外れたり、擬似縫合溝23を傷付けたりすることなど)を受けることなく縫製線部22を形成することができる。
しかも、表皮材21の裏面側に形成されたガイド突起部41を基準として表皮材21をガイドしたり位置決め保持したりすることができるので、正確且つ確実に擬似縫合溝23に沿った縫製を行わせることができるようになる。
以って、蛇行することのない、品質や意匠性の優れた縫製線部22を、常に安定して形成することが可能となる。
(作用効果2)
表皮材21の表面側に擬似縫合溝23を設ける。これによって、縫製線部22が形成される表皮材21に高級感を演出することができる。しかも、この場合、擬似縫合溝23は、倣いを行わせるためのものではないので、溝幅を狭くするなどして、意匠性を高めることができる。
そして、ガイド突起部41の表面側に擬似縫合溝23を設ける。これによって、ガイド突起部41と関連させて擬似縫合溝23の位置精度を上げることができるので、擬似縫合溝23の側部に精度良く安定して縫製線部22を形成することが可能となる。
また、上記により、擬似縫合溝23の位置精度が上がるので、例えば、産業用ロボット26に縫製装置25を取付けて自動縫製を行わせるために、予め表皮材21の表面側の擬似縫合溝23をスキャンするような場合に、擬似縫合溝23が、産業用ロボット26に取付けられたレーザースキャン装置27のスキャン範囲から外れることがなくなるので、スキャン時間が延びたり、スキャンできなくなったりすることを防止でき、擬似縫合溝23を精度良くスキャンすることが可能となる。
(作用効果3)
表皮材21を射出成形によって形成する。これにより、表皮材21の裏面側に、自由な形状のガイド突起部41を一体に形成することが可能となる。よって、ガイド突起部41を、ガイドや位置決めにとって最適な形状にすることができる。
そして、射出成形による表皮材21の裏面側にガイド突起部41を一体に設ける。これにより、ガイド突起部41を用いて、表皮材21をより直接的にガイドしたり位置決めしたりすることができるので、上記したように、擬似縫合溝23に倣わせながら縫製線部22を形成するような、比較的精度の低いガイドを行わせる場合と比べて、縫製線部22の品質を向上することが可能となる。
(作用効果4)
縫製装置25の針板部33に形成した凹溝部51に、表皮材21の裏面側に形成したガイド突起部41を嵌合する。これによって、裏面側にガイド突起部41を有する表皮材21を、凹溝部51を利用して針板部33で正確かつ確実にガイドさせながら縫製を行わせることが可能となる。以って、より正確な縫製線部22を形成することができるようになる。
(作用効果5)
縫製用表皮材受治具55に形成した凹溝部51に、表皮材21の裏面側に形成したガイド突起部41を嵌合する。これによって、裏面側にガイド突起部41を有する表皮材21を、縫製用表皮材受治具55に正確かつ確実に位置決めすることが可能となる。以って、より正確な縫製線部22を形成することができるようになる。
これに対し、縫製用表皮材受治具55に凹溝部51がない場合には、表皮材21全体を正確に位置決めした状態で縫製用表皮材受治具55にセットすることが難しく、また、位置ズレがあっても修正することが難しいものとなる。
しかも、縫製用表皮材受治具55の凹溝部51は、複数の表皮材21に共通して使用されるものであり、表皮材21のように個々にバラ付きがないため、最初に一度、凹溝部51の位置をスキャンしておくだけで、表皮材21や縫製位置などの正確な位置を取得することができるので、一枚ごとに表皮材21をスキャンする手間をなくすことなども可能となる。その分、作業時間の短縮化を図ることなどが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
21 表皮材
22 縫製線部
23 擬似縫合溝
24 ステッチ付表皮部材
25 縫製装置
33 針板部
41 ガイド突起部
51 凹溝部
55 縫製用表皮材受治具

Claims (5)

  1. 表皮材に対して、縫製による縫製線部が形成されたステッチ付表皮部材であって、
    前記表皮材の裏面側に、前記表皮材を部分的に厚肉にすることで、前記縫製線部を縫製する際にガイド部または位置決め部として使用可能な形状保持性を有するガイド突起部を設けると共に、
    前記表皮材の表面側における、前記ガイド突起部とは反対側となる位置またはその近傍に、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝が形成されたことを特徴とするステッチ付表皮部材。
  2. 前記ガイド突起部は、台形状をしていることを特徴とする請求項1に記載のステッチ付表皮部材。
  3. 表皮材を、射出成形によって形成すると共に、射出成形の際に、前記表皮材の裏面側に、表皮材を部分的に厚肉にすることで表皮材から突出すると共に形状保持性を有するガイド突起部を一体に形成し、
    前記表皮材の表面側における、前記ガイド突起部とは反対側となる位置またはその近傍に、縫い合わせ目を擬似的に表現した擬似縫合溝を形成し、
    前記ガイド突起部を前記表皮材のガイドや位置決め部に利用して、前記表皮材に縫製による縫製線部を形成させることを特徴とするステッチ付表皮部材の製造方法。
  4. 前記表皮材の裏面側に一体形成した前記ガイド突起部を、
    縫製装置の針板部に形成した凹溝部に嵌合することでガイドしながら縫製線部の縫製を行うことを特徴とする請求項3に記載のステッチ付表皮部材の製造方法。
  5. 前記表皮材の裏面側に一体形成した前記ガイド突起部を、
    前記表皮材を載置する縫製用表皮材受治具に形成した凹溝部に嵌合することで位置決めして縫製線部の縫製を行うことを特徴とする請求項3に記載のステッチ付表皮部材の製造方法。
JP2013151447A 2013-07-22 2013-07-22 ステッチ付表皮部材およびその製造方法 Active JP6151117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013151447A JP6151117B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 ステッチ付表皮部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013151447A JP6151117B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 ステッチ付表皮部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015019914A JP2015019914A (ja) 2015-02-02
JP6151117B2 true JP6151117B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=52484912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013151447A Active JP6151117B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 ステッチ付表皮部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6151117B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111936686A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 本田技研工业株式会社 缝制装置、工件保持夹具以及缝制方法
US11674249B2 (en) 2018-08-02 2023-06-13 Honda Motor Co., Ltd. Sewing device and sewing method

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3041298B1 (fr) * 2015-09-17 2017-11-24 Faurecia Sieges D'automobile Realisation d'une couture dans une coiffe pour siege de vehicule automobile
KR102076817B1 (ko) * 2018-05-31 2020-02-12 (주)몰텍스 차량용 마감시트 전주금형 제조방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02249581A (ja) * 1989-03-22 1990-10-05 Mitsuboshi Belting Ltd 表皮体の製造方法
JP4381955B2 (ja) * 2004-10-21 2009-12-09 株式会社タチエス 自動車シートに用いる表皮
JP5054944B2 (ja) * 2006-08-24 2012-10-24 カルソニックカンセイ株式会社 車両用内装部品及びその製造方法
JP2012192572A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Inoac Corp 表皮材および表皮材の製造方法、この表皮材を用いた車両内装部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111936686A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 本田技研工业株式会社 缝制装置、工件保持夹具以及缝制方法
US11674249B2 (en) 2018-08-02 2023-06-13 Honda Motor Co., Ltd. Sewing device and sewing method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015019914A (ja) 2015-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6151117B2 (ja) ステッチ付表皮部材およびその製造方法
JP2015065998A (ja) シート状部材のファン取付部及びそのファン取付部の作製方法
JP2011087696A (ja) 打刻データ作成装置及び打刻データ作成プログラム
KR20170048407A (ko) 형성된 부재를 블라인드 스티치 하는 장치와 방법 및 그 방법으로 형성된 부재
JP2010222727A (ja) 多針刺繍ミシン
CN111094073B (zh) 包括辅助部的车辆用内饰材料
US10815595B2 (en) Manufacturing method, manufacturing apparatus and manufacturing jig of trim cover surface material
US10259361B2 (en) Forming of a stitch in a motor vehicle seat cover
CN109649235B (zh) 车辆用座椅
US9738998B2 (en) Forming shapes with an embroidery machine
CN106004583B (zh) 车辆用座椅用的发泡成形体、车辆用座椅用的头枕以及车辆用座椅用的扶手
JP6092042B2 (ja) バックパッド及びバックパッド用裏面材
JP6198619B2 (ja) バックパッド及びバックパッド用裏面材
JP2016182769A (ja) 車両用シート用発泡成形体の製造方法及び製造装置
CN106004581B (zh) 车辆用座椅用的发泡成形体、车辆用座椅用的头枕以及车辆用座椅用的扶手
JP6617094B2 (ja) 車両用内装部品及び車両用内装部品の製造治具
JP2008307834A (ja) クッション体の製造方法
KR102419938B1 (ko) 차량 시트용 가죽의 스티치 형성방법
KR102231122B1 (ko) 어댑터를 포함하는 원단 고정용 지그
JP6443859B2 (ja) 畳縫着装置、および、畳縫着方法
JP2006241657A (ja) シークインを用いた刺繍体及びその刺繍方法
JP5514588B2 (ja) 縫製装置用押さえ治具、表皮材縫製装置、表皮材および表皮材の製造方法
JP2011055885A (ja) 打刻データ作成装置及び打刻データ作成プログラム
JP2017209151A (ja) 表皮のイセ込み追従性判定装置及びイセ込み追従性判定方法
JP6303172B2 (ja) 表皮材縫製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161213

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6151117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350