JP6617094B2 - 車両用内装部品及び車両用内装部品の製造治具 - Google Patents
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Description
この構成によれば、仮想ステッチライン付近における触感の低下が抑制される。
図1及び図2に示すように、車両用内装部品10は、車両用のドアトリムの一部を構成する。車両用内装部品10は、板状の基材11と、当該基材11に重ね合わされる撓み部材12と、当該撓み部材12に施されるステッチ13と、同じく撓み部材12に施されるシボ加工ライン14とを備える。
撓み部材12は、軟質ポリ塩化ビニル等の比較的軟質で弾性変形可能とされた合成樹脂材料であって、基材11に沿って延びるように形状が付けられた板部20と、板部20の基材11に対向する裏面20aに突設される多数の突起21とを有する。なお、裏面20aは、突設面に相当する。また、裏面20aに対し、板部20の基材11とは反対側を表面20bとする。
図8、図9、及び図10に示すように、縫製装置80は、矩形状の台座81と、台座81の台板面81aから鉛直方向に向かって延びる第1支持部82と、第1支持部82の先端部から台板面81aと平行に延びる第2支持部83とを備える。第2支持部83の先端部は、縫製対象を縫製するための針や押さえが設けられるヘッド部84とされている。これら台座81、第1支持部82、第2支持部83、及びヘッド部84の内部には、縫製対象を送るための送り機構や針を上下に変位させるための針振り機構、これら各機構の駆動源となるモータや、モータの駆動を制御するマイコンを備えた基板等が適宜配置されている。
針板90は、境界部87に取り付けられたとき針板面91と台板面81aとが滑らかに連続するように、その板厚が境界部87の段差高さと等しく設定されている。
図4及び図5に示すように、突起21を、ステッチ13が施される部位である仮想ステッチラインSLを挟むように並設させた。これにより、仮想ステッチラインSL上にステッチ13を施す際に、突起21がステッチ13に巻き込まれない。したがって、仮想ステッチラインSL(ステッチ13)付近における触感が低下しない。一方で、図1に示すように、車両用内装部品10は、ステッチ13が施された外観となる。したがって、この構成の車両用内装部品10では、触感と意匠性とが両立する。
図8に示すように、縫製装置80は、針溝92に臨む溝縁部93が針板面91に対して嵩上げされた針板90を採用する。この溝縁部93の針板面91に対する嵩上げ量は、突起21の突設寸法Hと等しく設定されている。このため、縫製装置80の縫製対象である撓み部材12にステッチ13を施す際、溝縁部93が撓み部材12の板部20を直接的に支持する。したがって、縫製装置80の針85を撓み部材12に差し込んだとき、撓み部材12、正確には板部20及び突起21は、撓み変形しにくい。このため、仮想ステッチラインSLにステッチ13を好適に施すことができる。
・上記実施形態において、仮想ステッチラインSL、ガイドラインGL、及びシボ加工ライン14は、直線に限らず曲線であってもよい。これら各ラインが曲線である場合には、互いの曲線は平行曲線となる。
・上記実施形態において、シボ加工ライン14は、省略されていてもよい。
・上記実施形態において、縫製装置80は、2本の針85を採用したが、1本の針を採用してもよい。
次に、上記実施形態及び上記別例より想起される技術的思想について記載する。
Claims (5)
- 基材と、
前記基材に重ねられる板部、及び、前記板部に突設され、前記板部が前記基材に対して接近するとき、当該基材と摺動しながら接触することによって倒れるように撓み変形する突起を有する撓み部材と、
前記撓み部材に施されるステッチとを備え、
前記複数の突起は、前記撓み部材に支持される基端部及び前記基材と接触する先端部が、前記板部に設定される仮想ステッチラインに重ならないように配置され、
前記ステッチは、前記仮想ステッチラインに沿うように施される車両用内装部品。 - 請求項1に記載の車両用内装部品において、
前記複数の突起のうちの一部は、前記仮想ステッチラインに沿って配置される車両用内装部品。 - 請求項2に記載の車両用内装部品において、
前記撓み部材の前記突起が設けられる側と反対側の面には、前記仮想ステッチラインに沿ってシボ加工が連なるように施されたシボ加工ラインが設けられ、
前記撓み部材の前記突起が設けられる面には、前記シボ加工ラインと対応するように前記突起が並設される車両用内装部品。 - 基材に重ねられる板部、及び前記板部に突設され、前記板部が前記基材に対して接近するとき、当該基材と摺動しながら接触することによって倒れるように撓み変形する突起を有する撓み部材にステッチを施す縫製装置に使用される車両用内装部品の製造治具であって、
前記撓み部材を支持する針板は、前記ステッチを施すための針の進入を許容する針溝に臨む溝縁部が前記突起の突出量よりも大きく嵩上げされている車両用内装部品の製造治具。 - 前記突起は、その基端部から先端部に向かうに連れて徐々に先細りとなるとともに、前記基端部と前記先端部とを結ぶ法線が、当該突起が設けられる前記撓み部材の突設面に対し傾く形状であって、
前記突起を有して構成される前記撓み部材に対して前記ステッチを施す請求項4に記載の車両用内装部品の製造治具。
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