実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、複数のフォトダイオードを一列に並べ、これに並列にCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子が配置されたリニアイメージセンサにより、原稿に対して照射された光の反射光を受光することで上記原稿を読み取り、その読み取り結果として画像データを取得する原稿読取装置であるスキャナユニットを例として説明する。
尚、本実施形態に係るスキャナユニットは、入力された印刷命令に基づいて画像形成出力を実行する画像形成装置に備えられているものとする。また、本実施形態に係るスキャナユニットは、上記リニアイメージセンサにおけるライン状の読み取り画像を、読取原稿の搬送に伴って搬送方向に連続的に取得することによりその読取原稿に形成されている画像を二次元的に読み取るシートスルー方式のスキャナユニットである。
このような本実施形態に係るスキャナユニットは、後述するように、スキャナ上部とスキャナ下部とにより構成されており、そのスキャナ上部とスキャナ下部とが形成する隙間に原稿搬送路が設けられている。また、本実施形態に係るスキャナユニットは、その原稿搬送路の所定の位置に上記リニアイメージセンサにより構成された画像を読み取るための読取部が備えられて構成されている。そのため、本実施形態に係るスキャナユニットは、上記隙間に沿って読取原稿を搬送しながら、その隙間の所定の位置において上記読取部により画像を読み取るようになっている。
尚、本実施形態に係るスキャナユニットは、上述したように、原稿搬送路がスキャナ上部とスキャナ下部とにより構成されているので、その隙間以上の厚さがある読取原稿(以下、「厚紙」とする)を読み取る際には、その隙間を大きくするようにスキャナ上部とスキャナ下部との少なくとも一方を移動させることにより、厚紙の読取原稿であっても原稿搬送路に搬送することが可能となる。
このように構成されたスキャナユニットにおいて、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿を読み取る際に上記隙間が大きくなることにより、上記リニアイメージセンサを構成する全受光素子のうち、読取原稿を読み取る領域(以下、「原稿領域」とする)以外(以下、「原稿外領域」とする)に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射しやすくなる状況において、その外光の影響を低減させるために、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対してその受光素子が飽和する強度で白色光を照射することにある。ここで、受光素子が飽和する強度とは、上記受光素子による読取値が最大値となる若しくは最大値を超える強度、即ち、受光素子による読取限界となる強度のことである。以下では、受光素子が上記のように飽和する強度の光を受光する現象のことを「白とび」と称する。
このような構成とすることにより、本実施形態に係るスキャナユニットは、原稿外領域に配置されている受光素子に対して外光が入射する状況において、その原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子を白とびさせることが可能となる。そのため、本実施形態に係るスキャナユニットによれば、厚紙の読取原稿を読み取る場合においても、白とびしている領域とそれ以外の領域とを検知することが可能となる。従って、本実施形態に係るスキャナユニットによれば、読取原稿の主走査方向における幅を正確に検知することができるので、原稿領域と原稿外領域とを正確に区別することが可能となり、原稿のサイズを正確に検知することが可能となる。その結果、本実施形態に係るスキャナユニットよれば、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。以下、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図1に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス、タッチパネル等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140及び入出力制御部150を含む。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル104は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図1に示すLCD60及び操作部70によって実現される。
ネットワークI/F108は、画像形成装置1がネットワークを介してPC等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSBインタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、図1に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリにロードされ、CPU10がそのプログラムに従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。
画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置に送られ画像形成出力が行われ、若しくは画像形成装置のHDD等の記憶装置に記憶され、また、ネットワークI/F108を介してPC等の外部の情報処理端末に送信される情報である。
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108を介してPC等の他の機器にアクセスする。
そして、図2において説明したADF101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107は、本実施形態に係る画像形成装置1において、図3に示すように配置されて構成されている。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を模式的に示す図である。尚、図3に示されている矢印は、本実施形態に係る画像形成装置1が、スキャナユニット102において原稿を搬送する方向(以下、「原稿搬送方向」とする)を示している。
次に、本実施形態に係るスキャナユニット102の全体構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るスキャナユニット102を主走査方向から見たときの断面図である。図5は、本実施形態に係るスキャナユニット102を原稿の読み取り面に直交する方向から見たときの透過図である。尚、ここで主走査方向とは、原稿の読み取り面において図3に示した原稿搬送方向に直交する方向のことである。以下では、原稿の読み取り面において原稿搬送方向に平行な方向を副走査方向とする。
図4に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取原稿201を上下で挟むことで読取原稿201を読み取り面に対して平らに保つために、スキャナ上部202とスキャナ下部203とをお互いが平行になるように備える。また、スキャナ上部202は、基準白板204、原稿厚検知センサ205、厚紙用光源206、原稿搬送ローラ207、原稿搬送ローラ208を含む。また、スキャナ下部203は、受光部209、読取用光源210、コンタクトガラス211、原稿サイズ検知センサ212、原稿検知センサ213、原稿搬送ローラ214、原稿搬送ローラ215を含む。即ち、本実施形態おいては、スキャナ上部が第二の機構部として機能し、スキャナ下部が第一の機構部として機能する。以下では、特に断りがない限り、受光部209、読取用光源210、コンタクトガラス211を総称して読取部とする。
尚、図4に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間によって原稿搬送路が構成されている。本実施形態に係るスキャナユニット102は、上記隙間の距離、即ち、原稿搬送路の高さが1mmとなるように構成されているが、これに限られず、厚紙をどの程度の厚さで定義するかによって決定されればよい。即ち、本実施形態においては、厚さが1mmを超える読取原稿を厚紙として定義している。
また、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚さが1mm以下の読取原稿201を読み取る際には、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離、即ち、原稿搬送路の距離を変化させずに読み取るように構成されている。一方、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚さが1mmを超える読取原稿201を読み取る際には、後述する昇降モータ216によりスキャナ上部202及びスキャナ下部203の少なくともどちらかを上昇若しくは下降させることにより、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離(原稿搬送路の高さ)を読取原稿201の厚さに合わせて調整することによって読み取るように構成されている。従って、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚さが1mmを超える読取原稿201を読み取る場合であっても、スキャナユニット102の内部に読取原稿201が引っ掛かってしまって読み取ることができないということはない。
尚、上記では、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚さが1mm以下の読取原稿201を読み取る際には、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離(原稿搬送路の高さ)を変化させずに読み取る例について説明したが、厚さが1mm以下の読取原稿201を読み取る場合であっても、1mmを超える読取原稿201を読み取る場合と同様に、後述する昇降モータ216によりスキャナ上部202及びスキャナ下部203の少なくともどちらかを上昇若しくは下降させることにより、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離(原稿搬送路の高さ)を読取原稿201の厚さに合わせて調整することによって読み取るように構成されていても良い。
基準白板204は、後述するシェーディング補正や黒レベル補正、ゲイン調整を行う際に基準として読み取られる白板である。原稿厚検知センサ205は、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口手前付近に配置されており、原稿搬送路に読取原稿201が搬送される前に、読取原稿201の厚さを検知する。本実施形態に係る原稿厚検知センサ205は、PSD(Position Sensitive Detector:半導体位置検出素子)を用いたセンサで構成されており、光ビームを対象物に斜めから照射し、その反射光を受光すると、対象物までの距離に応じて受光位置が異なる現象を利用している。本実施形態に係るスキャナユニット102は、この原稿厚検知センサ205により検知した読取原稿201の厚さによって、原稿搬送路の高さを変化させるか否か、即ち、読取原稿201が厚紙か否かを判断することが可能となり、また、変化させる場合、即ち、厚紙の場合にはどの程度変化させるかを決定することが可能となる。
厚紙用光源206は、主走査方向に一次元配列されたLED(Light Emitting Diode)アレイにより構成され、若しくは、LED等の点光源とその点光源から照射された光を主走査方向に均一に導く導光体とで構成され、白色光を照射する。また、厚紙用光源206は、キセノンランプや蛍光灯等により構成されていても良い。本実施形態に係る厚紙用光源206は、読取原稿201が厚紙の場合に限って点灯され、即ち、本実施形態においては読取原稿201の厚さが1mm以上の場合に限って点灯され、受光部209に向けて白色光を照射する。即ち、本実施形態においては、厚紙用光源206が第二の光源として機能する。
尚、このとき、本実施形態においては、厚紙用光源206は、読取原稿201の厚さに関係なく、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離、即ち、原稿搬送路の高さが最大のときに、受光部209を構成する受光素子が飽和する強度で白色光を照射するように構成されている。また、厚紙用光源206は、受光部209が受光可能な全領域に対して白色光を照射することができるように、基準白板204と同程度の長さを有し、基準白板204に対して平行に配置されている。
ここで、受光素子が飽和する強度とは、上述したように、受光部209による読取値が最大値となる若しくは最大値を超える強度、即ち、受光部209による読取限界となる強度のことである。また、上述したように、以下では、受光部209を構成する受光素子が上記のように飽和する強度の光を受光する現象のことを「白とび」と称している。
ここで、厚紙用光源206の効果について説明する。上述したように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚紙の読取原稿201を読み取る際には、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する上記隙間が広くなるため、図5に示すように、受光部209を構成する全受光素子のうち、読取原稿201を読み取る領域(図5に示す「原稿領域」)以外(図5に示す「原稿外領域」)に相当する位置に配置されている受光素子に外光が入射しやすい構造になってしまう。
そのため、本実施形態に係るスキャナユニット102は、図5に示すように、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対してその受光素子が飽和する強度で厚紙用光源206から白色光を照射するように構成されている。尚、このとき、厚紙用光源206は、図5に示すように、受光部209に対して主走査方向に連続して白色光を照射するが、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子については、厚紙用光源206から照射された白色光は読取原稿201に遮られるため、上記白色光を受光することはない。
このような厚紙用光源206により、本実施形態に係るスキャナユニット102は、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射する状況において、その原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子を白とびさせることが可能となる。そのため、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る場合においても、白とびしている領域とそれ以外の領域とを検知することが可能となる。
従って、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読取原稿201の主走査方向における幅を正確に検知することができるので、原稿領域と原稿外領域とを正確に区別することが可能となり、読取原稿201のサイズを正確に検知することが可能となる。その結果、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。
即ち、厚紙用光源206を備えない画像形成装置においては、図6に示すように、厚紙の読取原稿201を読み取った際に、原稿外領域における読取値が、白とびした状態における読取値を示す255とはならないため、即ち、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子が白とびするには至らない程度の強度の光を受光するため、原稿外領域にも読取原稿201が存在するものとして検知してしまい、原稿サイズを正確に検知することができない。その結果、厚紙用光源206を備えない画像形成装置においては、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生しまうことになる。尚、図6は、厚紙用光源206を備えない画像形成装置において、厚紙の読取原稿201を読み取った際の読み取り値を主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。
一方、本実施形態のように、厚紙用光源206を備える画像形成装置1においては、図7に示すように、厚紙の読取原稿201を読み取った際に、原稿外領域における読取値が、白とびした状態における読取値を示す255となるため、即ち、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子を白とびさせることができるため、読取原稿201の主走査方向における幅を正確に検知することができるので、原稿領域と原稿外領域とを正確に区別することが可能となり、読取原稿201のサイズを正確に検知することが可能となる。その結果、厚紙用光源206を備える画像形成装置1においては、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。尚、図7は、本実施形態に係る画像形成装置1において、厚紙の読取原稿201を読み取った際の読み取り値を主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。
原稿搬送ローラ207及び214は、図4に示すように、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口付近に配置されており、読取原稿201を上下から挟み込みながら後述する原稿搬送モータ217によりそのどちらか少なくとも一方のローラが回転駆動されることで上記読取原稿201を読取部に向けて搬送する。原稿搬送ローラ208及び215は、図4に示すように、スキャナユニット102における原稿搬送路の出口付近に配置されており、読取原稿201を上下から挟み込みながら後述する原稿搬送モータ217によりそのどちらか少なくとも一方のローラが回転駆動されることで上記読取原稿201を排紙トレイ103に向けて搬送する。
受光部209は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子により構成されており、読取用光源210から照射され読取原稿201や基準白板204により反射された光を受光する。そして、受光部209は、入光してきた光を図示しないレンズにより集光し、集光された光を図示しないイメージセンサにより電荷に変換する。受光部209の具体的な態様としては、例えば、密着型イメージセンサであるCMOSイメージセンサにより構成されているCIS(Contact Image Sensor:密着センサ)方式や、レンズ縮小型イメージセンサであるCCDイメージセンサにより構成されている光学縮小方式等がある。尚、ここで光電変換されて生成された電荷は、後述するように、信号検出回路220に入力されて電圧に変換されてアナログ電気信号としてアナログ処理・A/D(Analog/Digital Conversion)変換回路221に入力される。そして、アナログ処理・A/D変換回路221に入力されたアナログ信号は増幅され、A/D変換が実施されてデジタルデータに変換される。
また、本実施形態に係る受光部209は、主走査方向に一次元的に画像を読み取るリニアイメージセンサにより構成されている。そのため、このようなリニアイメージセンサでは、読取原稿201を線状にしか読み取ることができないが、本実施形態に係るスキャナユニット102のように、読取原稿201を原稿搬送路に沿って搬送することにより連続的に一次元画像を読み取ることが可能となり、その結果、二次元的に読み取ることが可能となる。このようにして本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取原稿201をデジタル的に読み取り、画像データを取得するようになっている。このような処理によりデジタルデータに変換された画像データは、上述したように、例えば、画像形成装置に送られ画像形成出力が行われ、若しくは画像形成装置のHDD等の記憶装置に記憶され、また、ネットワークI/F108を介してPC等の外部の情報処理端末に送信される情報として使用される。
ここで、図4における「読取ライン」について説明する。本実施形態に係る受光部209は、上述したように、主走査方向に一次元的に画像を読み取るリニアイメージセンサにより構成されているが、この一次元的な主走査方向におけるラインが図4における「読取ライン」に相当する。
読取用光源210は、厚紙用光源206と同様に、主走査方向に一次元配列されたLEDアレイにより構成され、若しくは、LED等の点光源とその点光源から照射された光を主走査方向に均一に導く導光体とで構成されている。また、読取用光源210は、キセノンランプや蛍光灯等により構成されていても良い。読取用光源210は、コンタクトガラス211を介して、原稿搬送路に搬送されてきた読取原稿201や基準白板204に対して光を照射する。尚、このとき照射された光は、読取原稿201や基準白板204により反射され、受光部209により受光される。尚、このとき読取用光源210から照射された光は、読取原稿201や基準白板204により反射され、受光部209により受光される。そのため、読取用光源210は、受光部209が受光可能な全領域に対して反射光が照射されるように、基準白板204と同程度の長さを有し、基準白板204に対して平行に配置されている。即ち、本実施形態においては、読取用光源210が第一の光源として機能する。
コンタクトガラス211は、受光部209や読取用光源210に埃や塵などの異物が混入することを防止するためのカバーとして機能する。尚、コンタクトガラス211は、透明なガラスやアクリル樹脂等の有機ガラスで構成されているため、光を通すことができる。原稿サイズ検知センサ212は、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口手前付近に配置されており、原稿搬送路に読取原稿201が搬送される前に、読取原稿201のサイズを検知する。原稿サイズ検知センサ212は、図5に示すように、複数個の受光素子が主走査方向に一列に配列されて構成されており、読取原稿201がその上を通過する際に、読取原稿201により光が遮光されて、光を受光しなくなった受光素子の個数により原稿サイズを検知する。
原稿検知センサ213は、読取原稿201がその上を通過する際に、読取原稿201により光が遮光されて、光を受光しなくなったことにより、原稿搬送路に読取原稿201が搬送されてきたことを検知するためのセンサである。また、原稿検知センサ213は、原稿搬送路に搬送されてきた読取原稿201がその上を通過し終えると再度光を受光することにより、読取原稿201が読取部に向けて搬送されていったことを検知することができる。
尚、厚紙用光源206は、図4に示すように基準白板204の略右側に配置されている例について示しているが、基準白板204の略左側に配置されていても良い。また、厚紙用光源206は、図8に示すように、受光部209から見て基準白板204の裏側に配置されていても良いが、このような場合には、透けて受光部209により読み取られることがないように、読取ライン上に位置しないように配置されるようにする。このように、厚紙用光源206が受光部209から見て基準白板204の裏側に配置されるような構成とすることにより、スキャナユニット102の大きさを小さくすることが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取りに関する部分の機能構成について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取り関する部分の機能構成を模式的に示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取りに関する部分は、CPU10、RAM20、読取処理部200及び信号処理部300により構成されている。また、読取処理部200は、スキャナ上部202、原稿厚検知センサ205、厚紙用光源206、原稿搬送ローラ207、原稿搬送ローラ208、受光部209、読取用光源210、原稿検知センサ213、昇降モータ216、原稿搬送モータ217、モータ駆動制御部218、光源制御部219、信号検出回路220、アナログ処理・A/D変換回路221を含み、信号処理部300は、黒レベル補正部301、シェーディング補正部302を含む。
昇降モータ216は、スキャナ上部202及びスキャナ下部203の少なくともどちらかを上昇若しくは下降させるためのモータである。原稿搬送モータ217は、原稿搬送ローラ207及び原稿搬送ローラ214の少なくともどちらかと、原稿搬送ローラ208及び原稿搬送ローラ215の少なくともどちらかを回転駆動させるためのモータである。モータ駆動制御部218は、CPU10からの制御信号に従い、昇降モータ216及び原稿搬送モータ217の駆動を制御する。
光源制御部219は、CPU10からの制御信号に従い、厚紙用光源206及び読取用光源210の点灯/消灯を制御し、また、その強度と点灯時間を制御する。信号検出回路220は、受光部209を構成する受光素子により生成された電荷を電圧に変換してアナログ電気信号としてアナログ処理・A/D変換回路221に入力する。
アナログ処理・A/D変換回路221は、入力されたアナログ電気信号に所定のゲインGをかけることによりそのアナログ電気信号を電気的に増幅し、A/D変換を実施することによりデジタルデータに変換してCPU10及び信号処理部300に出力する。尚、アナログ処理・A/D変換回路221は、上述したように、本実施形態に係る画像形成装置1が厚紙の読取原稿201を読み取る際には、図7に示すような読取値をデジタルデータとして出力する。そして、このとき、図7に示すようなデジタルデータが入力されたCPU10は、入力されたそのデジタルデータに基づいて、白とびしている領域とそれ以外の領域とを区別することにより、原稿領域と原稿外領域とを区別する、即ち、読取原稿201の主走査方向における幅を検知する。即ち、本実施形態においては、CPU10が原稿幅検知部として機能する。
尚、本実施形態に係るスキャナユニット102は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで、基準白板204の読み取りデータの最大値を設定するために受光部209を構成する受光素子のゲイン調整を行うことで、所定のゲインGを取得するようになっている。そのためにスキャナユニット102は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで、読取用光源210の強度を、画像読取時の強度である所定の強度Lに設定し、その強度Lにおいて基準白板204を読み取り、その結果取得したアナログ電気信号を予め設定されているアナログ電気信号と一致するようにゲイン調整を行い、このときのゲインを所定のゲインGとして取得する。このようにしてゲイン調整を行うことにより、スキャナユニット102が読み取ることができる読み取りデータのスケールを決定することができる。
尚、上記では所定のゲインGの取得は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで行われる例について説明したが、装置の製造時に決定された値を用いるようにしても良い。また、所定のゲインGを取得する際に、読取用光源210から基準白板204に照射される所定の強度Lについても、装置の製造時に決定された値を用いるようにしても良い。
黒レベル補正部301は、RAM20に格納されている黒レベル補正用データを読み出して、アナログ処理・A/D変換回路221により出力されたデジタルデータに黒レベル補正を行う。ここで、黒レベル補正について説明する。読取用光源210の強度を0にして、即ち、読取用光源210を消灯した状態において、受光部209が基準白板204を読み取る場合、本来ならば受光部209は光を受光することはないので、このときの読取データはどの主走査方向における位置においても最低値の0になるはずであるが、外光等の影響により実際には0にはならない。
このため、そのまま読取原稿201を読み取ったのでは、読取データにその分の誤差が生じてしまい、読取原稿201を再現性良く読み取ることができない。そこで、本実施形態に係るスキャナユニット102はまず、読取原稿201の読み取りに先だって、読取用光源210を消灯した状態で受光部209により基準白板204を読み取ったときの読取データを黒レベル補正用データとしてRAM20に格納しておく。そして、スキャナユニット102は、受光部209による読取原稿201の読み取りを開始すると、そのときの読取データからRAM20に格納しておいた黒レベル補正用データを差し引く。
即ち、読取用光源210を消灯した状態で受光部209により基準白板204を読み取ったときの読取データ(黒レベル補正用データ)をK(n)とし、読取原稿201を読み取った時の読取データをD(n)とすると、D(n)−K(n)が黒レベル補正後の読取データとなる。尚、上記式中のnは主走査方向における位置であり、上記式を主走査方向の各位置において行うことを表す。このような算出処理により、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取データの最低値を0に合わせることが可能となるので、読取原稿201を再現性良く読み取ることができる。本実施形態においては、このような一連の処理を黒レベル補正という。
図10及び図11に黒レベル補正の処理を概念的に表す図を示す。図10は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210を消灯した状態で受光部209において基準白板204を読み取った時の実際の読み取りデータを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。図11は、本実施形態に係るスキャナユニット102が黒レベル補正用データを生成する際の概念図である。
スキャナユニット102が、読取用光源210を消灯した状態で受光部209において基準白板204を読み取ると、本来ならば、そのときの読取データは主走査方向において一様に0にならなければならないが、実際には図10に示すように、主走査方向の各位置で異なった読取データとなってしまう。そこで、スキャナユニット102は、図11に示すように、図10に示す基準白板204の読取データが、主走査方向に一様に0となるように黒レベル補正用データを予め生成してRAM20に格納しておく。そして、黒レベル補正部301は、RAM20に格納されている黒レベル補正用データを、読取原稿201を読み取った時の読取データから差し引くことにより黒レベル補正を行うことが可能となる。
シェーディング補正部302は、RAM20に格納されているシェーディング補正用データを読み出して、黒レベル補正部301において黒レベル補正が施された読取データにシェーディング補正を行い、シェーディング補正後の読取データをスキャナ動作の結果物である画像データとして出力する。ここで出力された画像データは、上述したように、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介してPC等の他の機器に送信される情報である。ここで、シェーディング補正について説明する。読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で、受光部209が基準白板204を読み取る場合、主走査方向のどの位置においても読取データは同じ値になるはずであるが、基準白板204の読取面の形状や外光等の影響により実際には主走査方向の位置によって読取データは異なる値となる。
このため、そのまま読取原稿201を読み取ったのでは、読取データにその分の誤差が生じてしまい、読取原稿201を再現性良く読み取ることができない。そこで、本実施形態に係るスキャナユニット102はまず、読取原稿201の読み取りに先だって、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板204を読み取ったときの読取データをシェーディング補正用データとしてRAM20に格納しておく。そして、スキャナユニット102は、受光部209による読取原稿201の読み取りを開始すると、黒レベル補正が施された読取データに対して、RAM20に格納しておいたシェーディング補正用データと黒レベル補正用データとを用いて所定の処理を行う。
即ち、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板204を読み取ったときの読取データ(シェーディング補正用データ)をS(n)とすると、D(n)×[{D(n)−K(n)}/{S(n)−K(n)}]×αがシェーディング補正後の読取データとなる。尚、上記式中のαは、基準白板204の読取データを決定するための係数、即ち、読取データの最大値を決定するための係数である。このような算出処理により、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取データの最高値を主走査方向の各位置において合わせることが可能となるので、読取原稿201を再現性良く読み取ることができる。本実施形態においては、このような一連の処理をシェーディング補正という。尚、上述したような黒レベル補正及びシェーディング補正の方法は一例であって、他の方法により行われても良い。
図12〜図14にシェーディング補正の処理を概念的に表す図を示す。図12は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板204を読み取った時の理想の読取データを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。即ち、図12は、本実施形態に係るスキャナユニット102がシェーディング補正を行った後に基準白板204を読み取ったときの読取データを主走査方向に対してプロットしたグラフを示す図である。図13は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板204を読み取ったときの読取データを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。図14は、本実施形態に係るスキャナユニット102がシェーディング補正用データを生成する際の概念図である。
スキャナユニット102が、読取用光源210を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209において基準白板204を読み取ると、本来ならば、図12に示すように、そのときの読取データは主走査方向において一様にならなければならないが、実際には図13に示すように、主走査方向の各位置で異なった読取データとなってしまう。そこで、スキャナユニット102は、図14に示すように、図13に示す基準白板204の読取データが、図12に示すように、主走査方向に一様となるようにシェーディング補正用データを予め生成してRAM20に格納しておく。そして、シェーディング補正部302は、RAM20に格納されているシェーディング補正用データと黒レベル補正用データとを、読取原稿201を読み取った時の読取データに対して上記のような所定の処理を施すことによりシェーディング補正を行うことが可能となる。
このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に上記隙間が大きくなることにより、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射しやすくなる状況において、その外光の影響を低減させるために、厚紙用光源206から上記受光素子に対してその受光素子が飽和する強度で白色光を照射することにある。
このような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射する状況において、その原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子を白とびさせることが可能となる。そのため、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る場合においても、白とびしている領域とそれ以外の領域とを検知することが可能となる。
従って、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読取原稿201の主走査方向における幅を正確に検知することができるので、原稿領域と原稿外領域とを正確に区別することが可能となり、読取原稿201のサイズを正確に検知することが可能となる。その結果、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。また、上記のような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿が搬送方向に対して水平を保っていない(以下、「スキューしている」とする)場合であっても、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
さらに、上記のような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿の色や原稿に形成されている画像に関係なく、上記と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿用紙が黒色やそれに近い色、若しくは、RGB(Red Green Blue)の少なくとも一つの色の輝度値が最大値に近い色の原稿である場合や、黒色やそれに近い色、若しくは、RGBの少なくとも一つの色の輝度値が最大値に近い色によるベタ塗の画像が占める割合が高い原稿である場合であっても、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図15を参照して説明する。図15は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図15に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際にはまず、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により読取用光源210を消灯させ、その状態で受光部209により基準白板204を読み取り、黒レベル補正用データを生成してRAM20に格納する(S1501)。次に、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により読取用光源210を、読取原稿201を読み取る際の強度に点灯させ、その状態で受光部209により基準白板204を読み取り、シェーディング補正用データを生成してRAM20に格納する(S1502)。尚、S1501の処理及びS1502の処理を行う順番は逆であっても良いが、読取原稿201を読み取る直前であることを考慮すると、上記の順番の方が効率的である。
画像形成装置1は、上記各補正用データを取得すると、原稿厚検知センサ205により読取原稿201の厚さを検知し(S1503)、CPU10により読取原稿201の厚さが1mm以下であるか否かを判定する(S1504)。尚、上述したように、本実施形態においては、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間によって原稿搬送路が構成されているため、S1504の処理における判定に用いられる基準値は上記の1mmに限らず、その隙間の距離、即ち、原稿搬送路の高さに基づいて決定されればいくつでもよい。即ち、S1504の処理における判定に用いられる基準値は、本実施形態においては厚紙として定義される厚さを表す。
画像形成装置1は、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mm以下であると判定すると(S1504/YES)、モータ駆動制御部218の制御により原稿搬送モータ217を駆動させて読取原稿201を原稿搬送路に搬送し、読取部において受光部209により読取原稿201の読み取り(S1505)を開始する。画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを開始すると、順次、黒レベル補正部301及びシェーディング補正部302においてその読取データに対して黒レベル補正及びシェーディング補正を施す(S1506)。画像形成装置1は、読取原稿201の全領域を読み取り、その読取データ全てに対して上記各補正を施し終えると、(S1507/YES)、その読取データをスキャナ動作の結果物である画像データとして取得する(S1508)。そして、画像形成装置1は、他の読取原稿201がなければ(S1509/YES)、読取原稿201の読み取り処理を終了する。
一方、画像形成装置1は、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mmを超えると判定すると(S1504/NO)、モータ駆動制御部218の制御により昇降モータ216を駆動させてスキャナ上部202及びスキャナ下部203の少なくともどちらかを上昇若しくは下降させることにより、読取原稿201の厚さに合わせて、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離を大きく、即ち、原稿搬送路の高さを高くなるように調整する(S1510)。
画像形成装置1は、原稿搬送路の高さを読取原稿201に合わせて調整したら、光源制御部219の制御により厚紙用光源206を所定の強度で点灯させ(S1511)、S1505〜S1509と同様の処理(S1512〜S1516)を行う。ここで、S1509の処理における所定の強度とは、上述したように、受光部209を構成する受光素子が飽和する強度である。尚、このとき、厚紙用光源206は、図5に示すように、受光部209に対して主走査方向に連続して白色光を照射するが、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子については、厚紙用光源206から照射された白色光は読取原稿201に遮られるため、上記白色光を受光することはない。そして、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により厚紙用光源206を消灯して(S1517)、読取原稿201の読み取り処理を終了する。
このような処理により、本実施形態に係る画像形成装置1は、厚紙を読み取る場合であっても、即ち、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射する状況においても、読み取り画像におけるその受光素子に相当する部分を白とびさせることが可能となる。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、読取原稿201のサイズを正確に検知することが可能となり、その結果、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に上記隙間が大きくなることにより、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射しやすくなる状況において、その外光の影響を低減させるために、厚紙用光源206から上記受光素子に対してその受光素子が飽和する強度で白色光を照射することにある。
このような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対して外光が入射する状況において、その原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子を白とびさせることが可能となる。そのため、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る場合においても、白とびしている領域とそれ以外の領域とを検知することが可能となる。
従って、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読取原稿201の主走査方向における幅を正確に検知することができるので、原稿領域と原稿外領域とを正確に区別することが可能となり、読取原稿201のサイズを正確に検知することが可能となる。その結果、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、読み取り画像における原稿外領域に相当する部分に中間濃度が発生することを防ぐことが可能となり、読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。また、上記のような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿がスキューしている場合であっても、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
さらに、上記のような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿の色や原稿に形成されている画像に関係なく、上記と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、原稿用紙が黒色やそれに近い色、若しくは、RGBの少なくとも一つの色の輝度値が最大値に近い色の原稿である場合や、黒色やそれに近い色、若しくは、RGBの少なくとも一つの色の輝度値が最大値に近い色によるベタ塗の画像が占める割合が高い原稿である場合であっても、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、厚紙用光源206は、読取原稿201の厚さが1mmを超えた場合に、その読取原稿201の厚さに関係なく常に一定の強度で白色光を照射する例について説明した。本実施形態においては、厚紙用光源206は、読取原稿201の厚さが1mmを超えた場合に、その読取原稿201の厚さに応じて照射する白色光の強度を変化させる例について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、実施の形態1と略同一の構成を有するが、実施の形態1とは異なり、読取原稿201の厚さが1mmを超えた場合に厚紙用光源206が照射する白色光の強度を、その読取原稿201の厚さに応じて変化させるように制御するように構成されていることを特徴とする。このような本実施形態に係る画像形成装置1は、図16に示すような、読取原稿201の厚さ(mm)と厚紙用光源206が照射する白色光の強度(Lx)との関係性を示す情報(以下、「強度決定情報」とする)を、製造時等にROM30等の不揮発性の記憶媒体に予め格納している。図16は、本実施形態に係る画像形成装置1が格納する強度決定情報の一例を示す図である。尚、強度決定情報は、図16に示すようなグラフとして表された情報の他に、読取原稿201の厚さ(mm)と厚紙用光源206が照射する白色光の強度(Lx)とが対応付けられたテーブルとして表された情報であっても良い。
ここで、このような構成とすることが可能な理由について説明する。実施の形態1において説明したように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取原稿201の厚さに応じて、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離、即ち、原稿搬送路の高さは変化するように構成されている。また、実施の形態1において説明したように、本実施形態においては、厚紙用光源206はスキャナ上部202に設けられ、受光部209はスキャナ下部203に設けられている。従って、読取原稿201の厚さに応じて、受光部209を構成する受光素子を飽和させるために必要な厚紙用光源206からの白色光の強度は変化することになる。
具体的には、読取原稿201の厚さが厚ければ厚いほど、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離が大きくなるため、それに伴って厚紙用光源206と受光部209との間の距離も大きくなる。従って、厚紙用光源206は、読取原稿201の厚さが増すにつれて強度を増していかなければ、受光素子を飽和させることができなくなってしまう。以上のような理由により、本実施形態に係る構成とすることが可能となる。
このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、強度決定情報を参照してその読取原稿201の厚さに応じて、厚紙用光源206が照射する白色光の強度を決定することにある。このような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、受光部209を構成する受光素子を飽和させることができる必要最低限の強度で厚紙用光源206を点灯させることが可能となる。そのため、本実施形態に係るが画像形成装置1によれば、必要以上に大きな強度で厚紙用光源206を点灯させる必要がなくなるので、実施の形態1の効果に加えて、消費電力を低減させることが可能となる。
このように構成された画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について、図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図17に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際にはまず、画像形成装置1は、図15において説明したS1501〜S1504と同様の処理を行う(S1701〜S1704)。
そして、画像形成装置1は、S1704の処理において、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mm以下であると判定すると(S1704/YES)、図15において説明したS1505〜S1509と同様の処理を行う(S1705〜S1709)。一方、画像形成装置1は、S1704の処理において、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mmを超えると判定すると(S1704/NO)、図15において説明したS1510と同様の処理を行う(S1710)。
画像形成装置1は、S1710の処理において原稿搬送路の高さを読取原稿201に合わせて調整したら、CPU10により、ROM30等の不揮発性の記憶媒体に格納している強度決定情報を参照して、S1703の処理において検知した原稿厚に対応する強度値を取得する(S1711)。そして、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により、S1711の処理においてCPU10が取得した強度値で厚紙用光源206を点灯させ(S1712)、S1705〜S1709と同様の処理(S1713〜S1717)を行う。
尚、このとき、厚紙用光源206は、図5に示すように、受光部209に対して主走査方向に連続して白色光を照射するが、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子については、厚紙用光源206から照射された白色光は読取原稿201に遮られるため、上記白色光を受光することはない。そして、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により厚紙用光源206を消灯して(S1718)、読取原稿201の読み取り処理を終了する。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、強度決定情報を参照してその読取原稿201の厚さに応じて、厚紙用光源206が照射する白色光の強度を決定することにある。このような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、受光部209を構成する受光素子を飽和させることができる必要最低限の強度で厚紙用光源206を点灯させることが可能となる。そのため、本実施形態に係るが画像形成装置1によれば、必要以上に大きな強度で厚紙用光源206を点灯させる必要がなくなるので、実施の形態1の効果に加えて、消費電力を低減させることが可能となる。
尚、実施の形態1及び2においては、受光部209を構成する受光素子が飽和する強度、即ち、受光素子を白とびさせる強度で厚紙用光源206から受光部209に対して白色光を照射する例について説明したが、必ずしもそのような強度ではなく、CPU10が、厚紙の読取原稿201を読み取った際に原稿領域と原稿外領域とを区別することができる程度の強度、即ち、そのときの読取値に原稿領域と原稿外領域とが区別できる程度の差が生じるような強度であれば良い。
尚、このとき、本実施形態においては、厚紙用光源206は、読取原稿201の厚さに関係なく、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間の距離、即ち、原稿搬送路の高さが最大のときに、受光部209を構成する受光素子が飽和する強度で白色光を照射するように構成されている。また、厚紙用光源206は、受光部209が受光可能な全領域に対して白色光を照射することができるように、基準白板204と同程度の長さを有し、基準白板204に対して平行に配置されている。
ここで、受光素子が飽和する強度とは、上述したように、受光部209による読取値が最大値となる若しくは最大値を超える強度、即ち、受光部209による読取限界となる強度のことである。また、上述したように、以下では、受光部209を構成する受光素子が上記のように飽和する強度の光を受光する現象のことを「白とび」と称している。
ここで、厚紙用光源206の効果について説明する。上述したように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚紙の読取原稿201を読み取る際には、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する上記隙間が広くなるため、図5に示すように、受光部209を構成する全受光素子のうち、読取原稿201を読み取る領域(図5に示す「原稿領域」)以外(図5に示す「原稿外領域」)に相当する位置に配置されている受光素子に外光が入射しやすい構造になってしまう。
そのため、本実施形態に係るスキャナユニット102は、図5に示すように、原稿外領域に相当する位置に配置されている受光素子に対してその受光素子が飽和する強度で厚紙用光源206から白色光を照射するように構成されている。尚、このとき、厚紙用光源206は、図5に示すように、受光部209に対して主走査方向に連続して白色光を照射するが、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子については、厚紙用光源206から照射された白色光は読取原稿201に遮られるため、上記白色光を受光することはない。
実施の形態3.
実施の形態1及び2においては、厚紙用光源206が一つのブロックから構成されている場合を例として説明した。本実施形態においては、厚紙用光源206が主走査方向に複数のブロックに分割されて構成されている場合を例として説明する。尚、実施の形態1及び2と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1及び2と略同一の構成を有するが、実施の形態1及び2とは異なり、厚紙用光源206が主走査方向に複数のブロックに分割されて構成されていることを特徴とする。このような本実施形態に係るスキャナユニット102の具体的な構成について、図18〜図20を参照して説明する。図18〜図20は、本実施形態に係るスキャナユニット102を原稿読み取り面に直交する方向から見た透過図である。
本実施形態に係るスキャナユニット102は、図18〜図20示すように、厚紙用光源206が、206a、206b、206c、206d、206e、206f、206gのように主走査方向に7つのブロックに分割されて構成されている。また、本実施形態に係る画像形成装置1は、光源制御部219の制御により、これらの厚紙用光源206の各ブロック206a〜206gをそれぞれ独立して点灯させることが可能である。尚、図18〜図20に示す厚紙用光源206の主走査方向へのブロック数は一例であって、上述した数より少なくても多くても同様の効果を得ることができる。
このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、その読取原稿201の主走査方向におけるサイズや位置に合わせて、厚紙用光源206の必要なブロックのみを点灯させることにある。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206の不要なブロックについては消灯させることが可能となるので、実施の形態1及び2の効果に加えて、さらに消費電力を低減させることが可能となる。
例えば、図18に示す例では、画像形成装置1は、読取原稿201をスキャナユニット102の原稿搬送路の略中央部分を通過させるようにして読み取る際には、厚紙用光源206の206a、206b及び206f、206gのブロックのみを点灯させ、その他のブロックについては消灯させることが可能となる。また、図19に示す例では、図18に示した読取原稿201よりも主走査方向のサイズが大きい読取原稿201をスキャナユニット102の原稿搬送路の略中央部分を通過させるようにして読み取る際には、厚紙用光源206の206a及び206gのブロックのみを点灯させ、その他のブロックについては消灯させることが可能となる。また、図20に示す例では、図18に示した読取原稿201と同一サイズの読取原稿201をスキャナユニット102の原稿搬送路の右端部分を通過させるようにして読み取る際には、厚紙用光源206の206a、206b、206cのブロックのみを点灯させ、その他のブロックについては消灯させることが可能となる。尚、図18〜図20においては読取原稿201は厚紙である。
このように構成された画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について、図21を参照して説明する。図21は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図21に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際にはまず、画像形成装置1は、図15において説明したS1501〜S1504と同様の処理を行う(S2101〜S2104)。
そして、画像形成装置1は、S2104の処理において、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mm以下であると判定すると(S2104/YES)、図15において説明したS1505〜S1509と同様の処理を行う(S2105〜S2109)。一方、画像形成装置1は、S2104の処理において、CPU10により、読取原稿201の厚さが1mmを超えると判定すると(S2104/NO)、図15において説明したS1510と同様の処理を行う(S2110)。
画像形成装置1は、S2110の処理において原稿搬送路の高さを読取原稿201に合わせて調整したら、原稿サイズ検知センサ212により読取原稿201の原稿サイズと主走査方向における位置とを検知し(S2111)、その検知結果に基づいてCPU10により厚紙用光源206の点灯させるブロックを決定する(S2112)。そして、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により、S2111の処理においてCPU10が決定したブロックのみを点灯させ(S2113)、S2105〜S2109と同様の処理(S2114〜S2118)を行う。
尚、このとき、厚紙用光源206は、図5に示すように、受光部209に対して主走査方向に連続して白色光を照射するが、受光部209を構成する全受光素子のうち、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子については、厚紙用光源206から照射された白色光は読取原稿201に遮られるため、上記白色光を受光することはない。そして、画像形成装置1は、光源制御部219の制御により厚紙用光源206を消灯して(S2119)、読取原稿201の読み取り処理を終了する。
このように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、厚紙用光源206が主走査方向に複数のブロックに分割されて構成されることにより、厚紙用光源206の必要なブロックのみを点灯させて、不要なブロックについては消灯させることが可能となるので、厚紙の読取原稿201の読み取りに際して、消費電力を低減させることが可能となる。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、その読取原稿201の主走査方向におけるサイズや位置に合わせて、厚紙用光源206の必要なブロックのみを点灯させることにある。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206の不要なブロックについては消灯させることが可能となるので、実施の形態1及び2の効果に加えて、さらに消費電力を低減させることが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3においては、コンタクトガラス211が透明なガラスやアクリル樹脂などの有機ガラスで構成されているスキャナユニットを例として説明した。本実施形態においては、実施の形態1〜3にとは異なり、コンタクトガラス211が拡散板で構成されている例について説明する。尚、実施の形態1〜3と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1〜3と略同一の構成を有するが、実施の形態1〜3とは異なり、コンタクトガラス211が拡散板で構成されていることを特徴とする。ここで、拡散板とは、光源から照射された光を一定の方向に拡散させることができる透明の板のことであり、必要な方向や必要な範囲だけに光を拡散させるために利用される。
このような本実施形態に係るスキャナユニット102のコンタクトガラス211の具体的な構成について、図22を参照して説明する。図22は、本実施形態に係るスキャナユニット102のコンタクトガラス211を原稿搬送方向から見たときの断面図である。図22に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102のコンタクトガラス211は、厚紙用光源206から照射された光を図22に向かって左側に拡散する拡散板211Aと、厚紙用光源206から照射された光を図22に向かって右側に拡散する拡散板211Bとにより構成されている。尚、本実施形態に係る拡散板211Aと拡散板211Bとは、図22に示すように、主走査方向において略同一の長さを有する。
ここで、本実施形態に係るスキャナユニット102のコンタクトガラス211が図22に示されるように構成されることにより生じる特有の効果を説明する。そのために、実施の形態1〜3に示したスキャナユニット102と本実施形態に係るスキャナユニット102とを図23及び図24を参照して比較する。図23は、実施の形態1〜3に係るスキャナユニット102を原稿搬送方向から見たときの断面図である。図24は、本実施形態に係るスキャナユニット102を原稿搬送方向から見たときの断面図である。
図23に示すように、実施の形態1〜3に係るスキャナユニット102においては、即ち、コンタクトガラス211が拡散板ではなく通常の透明な板で構成されているスキャナユニット102においては、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206から照射された白色光は、受光部209を構成する複数の受光素子のうち、読取原稿201の主走査方向における両端部の内側の領域(図23に示す「進入領域」)に相当する位置に配置されている受光素子に照射されることになる。即ち、読取原稿201を読み取る領域(図23に示す「原稿領域」)に相当する位置に配置されている受光素子は、読取原稿201からの反射光のみを受光することが理想であるが、図23のような構成では、それらの受光素子の一部が厚紙用光源206からの白色光をも受光してしまうことになる。従って、図23に示すような構成では、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206から照射された白色光の影響を受けることになり、その影響のために、原稿サイズを正確に検知することができなくなり、その結果、読み取り画像の品質や再現性が低下してしまうことになる。
一方、図24に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102においては、即ち、コンタクトガラス211が図22に示すような拡散板Aと拡散板Bとで構成されているスキャナユニット102においては、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206から照射された白色光は、読取原稿201の主走査方向における両端部の内側の領域に相当する位置に配置されている受光素子には照射されることはない。
即ち、本実施形態に係るスキャナユニット102が図24に示すように構成されることにより、読取原稿201を読み取る領域(図24に示す「原稿領域」)に相当する位置に配置されている受光素子に、厚紙用光源206から照射された白色光が入射することを防ぐことが可能となる。従って、本実施形態に係るスキャナユニット102においては、原稿領域に相当する位置に配置されている受光素子は読取原稿201からの反射光のみを受光することが可能となる。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、本実施形態に係るスキャナユニット102は、図24に示すように、図22に示すような拡散板によりコンタクトガラス211が構成されることにある。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、厚紙の読取原稿201を読み取る際に、厚紙用光源206から照射された白色光の影響を受けることがないので、実施の形態1〜3の効果に加えて、さらに正確に原稿サイズを検知することが可能となり、その結果、さらに読み取り画像の品質や再現性を向上させることが可能となる。