実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、複数のフォトダイオードを一列に並べ、これに並列にCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子が配置されたリニアイメージセンサにより、原稿に対して照射された光の反射光を受光することで原稿を読み取り、その読み取り結果として画像データを取得する画像読取装置としてのスキャナユニットを例として説明する。
尚、本実施形態に係るスキャナユニットは、入力された印刷命令に基づいて画像形成出力を実行する画像形成装置に備えられているものとする。また、本実施形態に係るスキャナユニットは、上記リニアイメージセンサにおけるライン状の読み取り画像を、読取原稿の搬送に伴って搬送方向に連続的に取得することによりその読取原稿に形成されている画像を二次元的に読み取るシートスルー方式のスキャナユニットである。
このような本実施形態に係るスキャナユニットは、後述するように、スキャナ上部とスキャナ下部とにより構成されており、そのスキャナ上部とスキャナ下部とが形成する隙間に原稿搬送路が設けられている。また、本実施形態に係るスキャナユニットは、その原稿搬送路の所定の位置に上記リニアイメージセンサにより構成された画像を読み取るための読取部が備えられて構成されている。そのため、本実施形態に係るスキャナユニットは、上記隙間に沿って読取原稿を搬送しながら、その隙間の所定の位置において上記読取部により画像を読み取るようになっている。
さらに、本実施形態に係るスキャナユニットは、シェーディング補正用データを取得するための基準白板を備え、この基準白板を読み取るための基準面読取モードである基準白板読取モードと、読取原稿を読み取るための原稿読取モードとを切り換える構成とされている。
このように構成されたスキャナユニットにおいて、本実施形態に係る要旨の一つは、読み取り時間が長い長尺状の読取原稿の読み取り時や、読取原稿に対して光を照射する光源の光量低下に伴う読み取り時の濃度差を解消させ、読取原稿の先端と後端との間での濃度差の発生を防止するために、原稿読取モードにて原稿を読み取っている状態で、リニアイメージセンサにて読み取った原稿の少なくとも1主走査方向分のデータの値が、無地を示すデータの値から所定範囲である場合、即ち所定値以上(例えば、白ライン検出時)の場合に、基準白板読取モードに切り換えて、シェーディング補正用データの更新を行うことにある。
このような構成とすることにより、本実施形態に係るスキャナユニットは、上述のように、読取原稿の読み取り時に、少なくとも1主走査方向分のデータが所定値以上、例えば白ライン検出時の場合に、シェーディング補正用データの更新を行う。即ち、シェーディング補正用データを更新しても、読み取った読み取り画像の濃度差の発生がなく継ぎ目の発生がない白ライン検出時に、シェーディング補正用データを更新するようにしている。よって、原稿を読み取る際における濃度差の発生を解消することができ、読取原稿の読み取り中に基準白板を読み取ってシェーディング補正用データを更新することによって、読み取り画像中に発生する継ぎ目を目立たなくでき、ひいては継ぎ目の発生を無くすことができる。以下、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図1に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算部であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス、タッチパネル等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140及び入出力制御部150を含む。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル104は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図1に示すLCD60及び操作部70によって実現される。
ネットワークI/F108は、画像形成装置1がネットワークを介してPC等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSBインタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、図1に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリにロードされ、CPU10がそのプログラムに従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動部としての役割を担う。
画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置に送られ画像形成出力が行われ、若しくは画像形成装置のHDD等の記憶装置に記憶され、また、ネットワークI/F108を介してPC等の外部の情報処理端末に送信される情報である。
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108を介してPC等の他の機器にアクセスする。
そして、図2において説明したADF101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107は、本実施形態に係る画像形成装置1において、図3に示すように配置されて構成されている。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を模式的に示す図である。尚、図3に示されている矢印は、本実施形態に係る画像形成装置1が、スキャナユニット102において読取原稿を搬送する方向(以下、「原稿搬送方向」とする)を示している。
次に、本実施形態に係るスキャナユニット102の全体構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るスキャナユニット102を主走査方向から見たときの断面図である。尚、ここで主走査方向とは、読取原稿の読み取り面において図3に示した原稿搬送方向に直行する方向のことである。以下では、読取原稿の読み取り面において原稿搬送方向に平行な方向を副走査方向とする。
図4に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取原稿201を上下で挟むことで読取原稿201を読み取り面に対して平らに保つために、スキャナ上部202とスキャナ下部203とをお互いが平行になるように備える画像読取装置である。スキャナ上部202は、背景板204、原稿厚検知センサ205、原稿搬送ローラ206、原稿搬送ローラ207を含む。また、スキャナ下部203は、原稿挿入時の原稿受けとなる本体フレームであって、基準白板208、受光部209、読取用光源210、コンタクトガラス211、原稿サイズ検知センサ212、原稿検知センサ213、原稿搬送ローラ214、原稿搬送ローラ215を含む。以下、特に断りがない限り、受光部209、読取用光源210、コンタクトガラス211を総称して読取部とする。尚、図4に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、スキャナ上部202とスキャナ下部203とが形成する隙間によって原稿搬送路が構成されている。
背景板204は、比較的薄い、いわゆる薄紙の読取原稿201を読み取る際の裏写りを防止するための白色部材であって、受光部209に対向する位置に取り付けられている。原稿厚検知センサ205は、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口手前付近に配置されており、原稿搬送路に読取原稿201が搬送される前に、読取原稿201の厚さを検知する。原稿厚検知センサ205は、PSD(Position Sensitive Detector:半導体位置検出素子)を用いた距離検出センサで構成され、光ビームを対象物に斜めから照射し、その反射光を受光すると、対象物までの距離に応じて受光位置が異なる現象を利用している。原稿厚検知センサ205により検知した読取原稿201の厚さによって、スキャナ上部202の高さを調整することにより原稿搬送路の高さを変化させるか否かを判断することが可能となる。
原稿搬送ローラ206,214は、図4に示すように、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口付近に配置されており、読取原稿201を上下から挟み込みながら読取部に向けて搬送する搬送部である。原稿搬送ローラ207,215は、図4に示すように、スキャナユニット102における原稿搬送路の出口付近に配置されており、読取原稿201を上下から挟み込みながら排紙トレイ103に向けて搬送する搬送部である。
基準白板208は、コンタクトガラス211上に設置されており、後述するシェーディング補正や黒レベル補正、ゲイン調整を行う際に明るさ基準として読み取られる明るさ基準部である。基準白板208とコンタクトガラス211とは密着しており、これら基準白板208とコンタクトガラス211との間に埃やごみ等が入り込まない構成とされている。
受光部209は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子209aと、読取用光源210から照射され読取原稿201や基準白板208により反射された光を集光するレンズ209bとを備える読取センサである。受光素子209aは、読取用光源210から照射され読取原稿201や基準白板208により反射されレンズ209bにて集光された光を受光する。そして、受光素子209aは、集光された光を図示しないイメージセンサにより電荷に変換する。
受光素子209aの具体的な態様としては、例えば、密着型イメージセンサであるCMOSイメージセンサにより構成されているCIS(Contact Image Sensor:密着センサ)方式や、レンズ縮小型イメージセンサであるCCDイメージセンサにより構成されている光学縮小方式等がある。尚、ここで光電変換されて生成された電荷は、信号検出回路(図示せず)に入力されて電圧に変換されてアナログ電気信号としてアナログ処理・A/D(Analog/Digital Conversion)変換回路221に入力される。そして、アナログ処理・A/D変換回路221に入力されたアナログ信号は増幅され、A/D変換が実施されてデジタルデータに変換される。
また、本実施形態に係る受光素子209aは、主走査方向に一次元的に画像を読み取るリニアイメージセンサにより構成されている。そのため、このようなリニアイメージセンサでは、読取原稿201を線状にしか読み取ることができないが、本実施形態に係るスキャナユニット102のように、読取原稿201を原稿搬送路に沿って搬送することにより連続的に一次元画像を読み取ることが可能となり、その結果、二次元的に読み取ることが可能となる。このようにして本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取原稿201をデジタル的に読み取り、画像データを取得するようになっている。このような処理によりデジタルデータに変換された画像データは、上述したように、例えば、画像形成装置に送られ画像形成出力が行われ、若しくは画像形成装置のHDD等の記憶装置に記憶され、また、ネットワークI/F108を介してPC等の外部の情報処理端末に送信される情報として使用される。
ここで、図4における「読取ライン」について説明する。本実施形態に係る受光素子209aは、上述したように、主走査方向に一次元的に画像を読み取るリニアイメージセンサにより構成されているが、この一次元的な主走査方向におけるライン、即ちスキャンラインが図4における「読取ライン」に相当する。
読取用光源210は、主走査方向に一次元配列されたLEDアレイにより構成され、若しくは、LED等の点光源とその点光源から照射された光を主走査方向に均一に導く導光体とで構成されている。また、読取用光源210は、キセノンランプや蛍光灯等により構成されていても良い。読取用光源210は、コンタクトガラス211を介して、原稿搬送路に搬送されてきた読取原稿201や基準白板208に対して光を照射する。尚、このとき照射された光は、読取原稿201や基準白板208により反射され、レンズ209bにより集光されてから受光素子209aに受光される。そのため、読取用光源210は、受光素子209aが受光可能な全領域に対して反射光が照射されるように、基準白板208と同程度の長さを有し、基準白板208に対して平行に配置されている。
ここで、読取用光源210の光量特性について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るスキャナユニット102にて読取原稿201の読み取り時間が長い場合の光量特性を示すグラフである。図6は、本発明の実施形態に係るスキャナユニット102の読取用光源210の光量低下が大きいときの光量特性を示すグラフである。図7は、本発明の実施形態に係るスキャナニット102と比較するための読取用光源210の光量が低下した状態でシェーディング補正用データを更新した場合を示す模式図で、(a)は読取原稿201、(b)は読み取り画像である。
読取用光源210は、より長い読み取り時間を要する長尺状の読取原稿201の読み取り時においては、図5に示すように、読取用光源210を点灯し、読取原稿201の読み取りを開始してから終了するまでの間に亘って、光量が徐々に低下していく傾向にある。特に、読取原稿201の先端の読み取り時と、読取原稿201の後端の読み取り時との間においては、読取用光源210から照射される光量の差が大きい。
時間経過に伴う光量低下が大きい読取用光源210の場合においては、図6に示すように、読取用光源210を点灯し、読取原稿201の読み取りを開始してから終了するまでの間に亘る光量の低下が著しく、読取原稿201の先端の読み取り時と後端の読み取り時との間の光量差がより大きくなってしまう。そして、図7(a)に示す無地の読取原稿201を読み取った場合においても、図7(b)に示すように、読取用光源210の光量低下に伴いスキャナユニット102による読み取り画像が徐々に暗くなっていくため、読取用光源210の光量低下に伴う読み取り画像の濃度差を解消させることを目的として、後述するシェーディング補正用データの更新が必要である。
コンタクトガラス211は、受光部209や読取用光源210に埃や塵などの異物が混入することを防止するためのカバーとして機能する。尚、コンタクトガラス211は、透明なガラスやアクリル樹脂等の有機ガラスで構成されているため、光を通すことができる。さらに、図4に示すように、コンタクトガラス211の原稿搬送方向の入り口側には、このコンタクトガラス211を原稿搬送方向に移動させるための連結部材211aが取り付けられている。連結部材211aは、下面側に連続した歯が形成された細長平板状のラックであり、この連結部材211aの下面の連続した歯に噛み合わされて歯車211bが取り付けられている。歯車211bは、コンタクトガラス211を原稿搬送方向に移動させるためのスライド用モータ211cの駆動軸に取り付けられている。尚、スライド用モータ211cは、モータに限らず電磁クラッチ等であってもよい。
コンタクトガラス211の原稿搬送方向の出口側には、スライド用モータ211cにて原稿搬送方向に移動させたコンタクトガラス211を弾性力にて元の位置に戻すための、例えばバネ等にて構成された弾性部材211dが取り付けられている。コンタクトガラス211は、スライド用モータ211cにて歯車211bを回転させて連結部材211aを原稿搬送方向に移動させてコンタクトガラス211を原稿搬送方向にスライド移動させた場合に、コンタクトガラス211上に設置された基準白板208を読取ライン上よりも原稿搬送方向側に移動させて原稿読取モードとなる。また、コンタクトガラス211は、スライド用モータ211cによるコンタクトガラス211の移動を解除させた場合に、弾性部材211dが有する弾性力にて、原稿搬送方向入口側に付勢され、コンタクトガラス211上の基準白板208が読み取ライン上に位置するように移動して基準白板読取モードとなる。
原稿サイズ検知センサ212は、スキャナユニット102における原稿搬送路の入り口手前付近に配置されており、原稿搬送路に読取原稿201が搬送される前に、読取原稿201のサイズを検知する。原稿サイズ検知センサ212は、複数個の受光素子が主走査方向に一列に配列されて構成されており、読取原稿201がその上を通過する際に、読取原稿201にて光が遮光されて、光を受光しなくなった受光素子209aの個数により原稿サイズを検知する。
原稿検知センサ213は、読取原稿201がその上を通過する際に、読取原稿201により光が遮光されて、光を受光しなくなったことにより、原稿搬送路に読取原稿201が搬送されてきたことを検知する。また、原稿検知センサ213は、原稿搬送路に搬送されてきた読取原稿201がその上を通過し終えると再度光を受光することにより、読取原稿201が読取部に向けて搬送されていったことを検知する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取りに関する部分の機能構成について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取り関する部分の機能構成を模式的に示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1における読取原稿201の読み取りに関する部分は、CPU10、RAM20、読取処理部200及び信号処理部300により構成されている。また、読取処理部200は、原稿厚検知センサ205、原稿搬送ローラ206,214、原稿搬送ローラ207,215、受光素子209a、読取用光源210、コンタクトガラス211、スライド用モータ211c、原稿検知センサ213、原稿搬送モータ217、モータ駆動制御部218、光源制御部219、タイミング信号発生回路220、アナログ処理・A/D変換回路221を含み、信号処理部300は、ラインカウンタ部301、黒レベル補正部302、シェーディング補正部303、及び白ライン検出部304を含む。
原稿搬送モータ217は、原稿搬送ローラ206及び原稿搬送ローラ214の少なくともどちらかと、原稿搬送ローラ207及び原稿搬送ローラ215の少なくともどちらかを回転駆動させるためのモータである。モータ駆動制御部218は、CPU10からの制御信号に従い、スライド用モータ211c及び原稿搬送モータ217の駆動を制御する。
光源制御部219は、CPU10からの制御信号に従い、読取用光源210の点灯/消灯を制御し、また、その強度と点灯時間を制御する。タイミング信号発生回路220は、光源制御部219及びアナログ処理・A/D変換回路221に接続され、各駆動のタイミングを生成する。具体的に、タイミング信号発生回路220は、読取用光源210の点灯時間、即ち光量を制御する。
アナログ処理・A/D変換回路221は、入力されたアナログ電気信号に所定のゲインGをかけることによりそのアナログ電気信号を電気的に増幅し、A/D変換を実施することによりデジタルデータに変換してCPU10及び信号処理部300に出力する。
尚、本実施形態に係るスキャナユニット102は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで、基準白板208の読み取りデータの最大値を設定するために受光部209を構成する受光素子209aのゲイン調整を行うことで、所定のゲインGを取得するようになっている。そのためにスキャナユニット102は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで、読取用光源210の強度を、原稿読取時の強度である所定の強度Lに設定し、その強度Lにおいて基準白板208を読み取り、その結果取得したアナログ電気信号を予め設定されているアナログ電気信号と一致するようにゲイン調整を行い、このときのゲインを所定のゲインGとして取得する。このようにしてゲイン調整を行うことにより、スキャナユニット102が読み取ることができる読み取りデータのスケールを決定することができる。
尚、上記では所定のゲインGの取得は、電源がONになったタイミングや省エネ状態から通常状態に復帰したタイミングで行われる例について説明したが、装置の製造時に決定された値を用いるようにしても良い。また、所定のゲインGを取得する際に、読取用光源210から基準白板208に照射される所定の強度についても、装置の製造時に決定された値を用いるようにしても良い。
ラインカウンタ部301は、読取原稿201の読み取りを開始してからのライン同期信号をカウントし、この読取原稿201を主走査方向に亘って何往復走査したかを示す処理ライン数のカウントを行う。
黒レベル補正部302は、RAM20に格納されている黒補正用データとしての黒レベル補正用データを読み出して、アナログ処理・A/D変換回路221により出力されたデジタルデータに黒レベル補正を行う。ここで、黒レベル補正について説明する。読取用光源210の強度を0にして、即ち、読取用光源210を消灯した状態において、受光部209が基準白板208を読み取る場合、本来ならば受光部209は光を受光することはないので、このときの読取データはどの主走査方向における位置においても最低値の0になるはずであるが、外光等の影響により実際には0にはならない。
このため、そのまま読取原稿201を読み取ったのでは、読み取り画像データにその分の誤差が生じてしまい、読取原稿201を再現性良く読み取ることができない。そこで、本実施形態に係るスキャナユニット102はまず、読取原稿201の読み取りに先だって、読取用光源210を消灯した状態で受光部209により基準白板208を読み取ったときの読取データを黒レベル補正用データとしてRAM20に格納しておく。そして、スキャナユニット102は、受光部209による読取原稿201の読み取りを開始すると、そのときの読み取り画像データからRAM20に格納しておいた黒レベル補正用データを差し引く。
即ち、読取用光源210を消灯した状態で受光部209により基準白板208を読み取ったときの読取データ(黒レベル補正用データ)をK(n)とし、読取原稿201を読み取った時の読み取り画像データをD(n)とすると、D(n)−K(n)が黒レベル補正後の読み取り画像データとなる。尚、上記式中のnは主走査方向における位置であり、上記式を主走査方向の各位置において行うことを表す。このような算出処理により、本実施形態に係るスキャナユニット102は、読取データの最低値を0に合わせることが可能となるので、読取原稿201を再現性良く読み取ることができる。本実施形態においては、このような一連の処理を黒レベル補正という。
図9及び図10に黒レベル補正の処理を概念的に表す図を示す。図9は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210を消灯した状態で受光部209において基準白板208を読み取った時の実際の読取データを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。図10は、本実施形態に係るスキャナユニット102が黒レベル補正用データを生成する際の概念図である。
スキャナユニット102が、読取用光源210を消灯した状態で受光部209において基準白板208を読み取ると、本来ならば、そのときの読取データは主走査方向において一様に0にならなければならないが、実際には図9に示すように、主走査方向の各位置で異なった読取データとなってしまう。そこで、スキャナユニット102は、図10に示すように、図9に示す基準白板208の読取データが、主走査方向に一様に0となるように黒レベル補正用データを予め生成してRAM20に格納しておく。そして、黒レベル補正部302は、RAM20に格納されている黒レベル補正用データを、読取原稿201を読み取った時の読み取り画像データから差し引くことにより黒レベル補正を行うことが可能となる。
シェーディング補正部303は、RAM20に格納されている基準データであるシェーディング補正用データを読み出して、黒レベル補正部302において黒レベル補正が施された読み取り画像データにシェーディング補正を行い、シェーディング補正後の読み取り画像データをスキャナ動作の結果物である画像データとして出力する。ここで出力された画像データは、上述したように、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介してPC等の他の機器に送信される情報である。
ここで、シェーディング補正について説明する。読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で、受光部209が基準白板208を読み取る場合、基準白板208を読取ラインから移動させず、またはスライド用モータ211cにて原稿搬送方向に移動させながら複数ラインを読み取る。このとき、主走査方向のどの位置においても読取データは同じ値になるはずであるが、基準白板208の読取面の形状や外光等の影響により実際には主走査方向の位置によって読取データは異なる値となる。
このため、そのまま読取原稿201を読み取ったのでは、読取データにその分の誤差が生じてしまい、読取原稿201を再現性良く読み取ることができない。そこで、スキャナユニット102はまず、読取原稿201の読み取りに先だって、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板208を読み取ったときの読取データをシェーディング補正用データとしてRAM20に格納しておく。そして、スキャナユニット102は、受光部209による読取原稿201の読み取りを開始すると、黒レベル補正が施された読み取り画像データに対して、RAM20に格納しておいたシェーディング補正用データと黒レベル補正用データとを用いて所定の処理を行う。
即ち、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板208を読み取ったときの読取データ(シェーディング補正用データ)をS(n)とすると、D(n)×[{D(n)−K(n)}/{S(n)−K(n)}]×αがシェーディング補正後の読み取り画像データとなる。尚、上記式中のαは、基準白板208の読取データを決定するための係数、即ち、読取データの最大値を決定するための係数である。このような算出処理により、スキャナユニット102は、読み取り画像データの最高値を主走査方向の各位置において合わせることが可能となるので、読取原稿201を再現性良く読み取ることができる。このような一連の処理をシェーディング補正という。尚、上述したような黒レベル補正及びシェーディング補正の方法は一例であって、他の方法により行われても良い。
図11〜図13にシェーディング補正の処理を概念的に表す図を示す。図11は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板208を読み取った時の理想の読取データを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。即ち、図11は、本実施形態に係るスキャナユニット102がシェーディング補正を行った後に基準白板208を読み取ったときの読取データを主走査方向に対してプロットしたグラフを示す図である。図12は、本実施形態に係るスキャナユニット102が、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板208を読み取ったときの読取データを主走査方向における位置に対してプロットしたグラフを示す図である。図13は、本実施形態に係るスキャナユニット102がシェーディング補正用データを生成する際の概念図である。
スキャナユニット102が、読取用光源210を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209において基準白板208を読み取ると、本来ならば、図11に示すように、そのときの読取データは主走査方向において一様にならなければならないが、実際には図12に示すように、主走査方向の各位置で異なった読取データとなってしまう。そこで、スキャナユニット102は、図13に示すように、図12に示す基準白板208の読取データが、図11に示すように、主走査方向に一様となるようにシェーディング補正用データを予め生成してRAM20に格納しておく。シェーディング補正部303は、RAM20に格納されているシェーディング補正用データと黒レベル補正用データとを、読取原稿201を読み取った時の読取データに対して上記のような所定の処理を施すことによりシェーディング補正を行う。
白ライン検出部304は、受光部209にて読み取った読取原稿201の少なくとも1主走査方向分、すなわち1ライン分の読み取り画像データである画素データの画像レベルが、無地を示す画素データの画像レベルから所定範囲内である場合に、その読み取った1ラインを白ラインと検出する。尚、受光部209にて読み取った読取原稿201の少なくとも1主走査方向分、すなわち1ライン分の画素データの画像レベルが、明度や輝度等の明るさを基準としたものではなく、暗度等の暗さを基準とし、その暗さを基準として、無地を示す画像データの画像レベルからの相違に基づき、読み取った1ライン分の画素データを、白ラインと検出するようにしてもよい。
図14に、白ラインの判定処理を概念的に表す図を示す。白ライン検出部304は、シェーディング補正部303にてシェーディング補正された後の少なくとも1ライン分のラインバッファを備え、格納された1ライン分の画素データに対して、その1ライン分のすべての画素データ中の画像レベル、例えば明度や輝度が、予め定めた所定値である閾値thを越えているか否かを判定する。そして、白ライン検出部304は、読取原稿201の先端側から、主走査方向に沿った1ライン毎に画像データの画像レベルを判定していき、図14および図15に示すように、読取原稿201中の、例えば文字等が主走査方向に沿って記されていない1ライン分のすべての画素データの画像レベルが閾値thを越えている場合に、その読み取った読取ラインが白、即ち白ライン(1ラインの全画素が白レベル)と判定し、CPU10へ白ライン検出信号を出力する。CPU10は、白ライン検出信号を受け取った場合に、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させた状態で受光部209により基準白板208の読み取りを再度行い、RAM20に格納されたシェーディング補正用データを更新する。尚、白ライン検出部304は、複数ライン分のすべての画素データの画像レベルが、閾値thを越えている場合にのみ、白ラインと判定してもよい。
即ち、CPU10は、受光部209にて基準白板208を読み取り、読取原稿201を読み取る際の基準データとなるシェーディング補正用データを得る基準白板読取モードと、受光部209にて読取原稿201を読み取る原稿読取モードとを切り換えるモード切替部(図示せず)を有しており、基準白板読取モードにてシェーディング補正用データを得てから原稿読取モードに切り換えて、読取原稿201の読み取りを行う。また、CPU10は、原稿読取モードにて読取原稿201を読み取っている状態で、読み取り画像データのうちの少なくとも1主走査方向分の画素データが白ライン検出部304にて、白ラインと判定された場合に、基準白板読取モードに切り換えて、シェーディング補正用データの更新を行う。
このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、受光部209にて読取原稿201を読み取っている原稿読取モードの状態で、読み取り画像データの1ライン分の画素データの画像レベルのすべてが閾値thを越え、その1ラインが白ラインと判定した場合に、基準白板読取モードに切り換えて、読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させ、この状態で、受光部209にて基準白板208を読み取り、その読み取った読取データを新たなシェーディング補正用データとし、すでにRAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新することにある。
このような構成とすることにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、RAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新しても、読み取り画像データ中に濃度差の発生がなく継ぎ目の発生がない白ライン検出時に、RAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新する。したがって、例えば長尺状の読取原稿201を読み取る際に、読取原稿201読取途中において読取用光源210から照射される光の光量が下がってしまうことに伴う、読取原稿201の先端と後端との間における読み取り画像データ中の濃度差の発生を防止することができる。また同時に、例えば文字や、写真、絵柄等のある程度の連続性を有する図形が記載れた読取原稿201の読み取り中にシェーディング補正用データを更新することによって生じ得る、読み取り画像データ中の継ぎ目の発生を目立たなくすることができ、ひいては読み取り画像データ中の継ぎ目の発生を無くすことができる。よって、品質の高い読取画像を得ることができる画像形成装置1を実現することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図16を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図16に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際にはまず、画像形成装置1は、基準白板読取モードにおいて、光源制御部219の制御により読取用光源210を消灯させ、その状態で受光部209により基準白板208を読み取り、黒レベル補正用データを生成してRAM20に格納する(S1201)。
さらに、画像形成装置1は、基準白板読取モードにおいて、光源制御部219の制御により読取用光源210を、読取原稿201を読み取る際の強度に点灯させ、その状態で受光部209により基準白板208を読み取り、シェーディング補正用データを生成してRAM20に格納する(S1202)。尚、S1201の処理及びS1202の処理を行う順番は逆であっても良いが、読取原稿201を読み取る直前であることを考慮すると、上記の順番の方が効率的である。
画像形成装置1は、上記各補正用データを取得した後、モータ駆動制御部218にてスライド用モータ211cを駆動させて弾性部材211dの弾性力に抗してコンタクトガラス211を原稿搬送方向に移動させ、コンタクトガラス211上の基準白板208を読取ライン上から退避させて原稿読取モードとする(S1203)。次いで、画像形成装置1は、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数を初期化する(S1204)。そして、モータ駆動制御部218の制御により原稿搬送モータ217を駆動させて読取原稿201を原稿搬送路に搬送し、読取部において受光部209により読取原稿201の読み取りを開始する(S1205)。
画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを開始すると、S1205の開始に合わせて、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数の加算を開始し(S1206)、読取原稿201の全領域を読み取っていき、その読取原稿201の後端を原稿サイズ検知センサ212にて検知すると(S1207/YES)、その読み取り画像データをスキャナ動作の結果物である画像データとして取得して読み取りを完了する(S1208)。そして、画像形成装置1は、モータ駆動制御部218によるスライド用モータ211cの駆動を停止させ弾性部材211dの弾性力にてコンタクトガラス211上の基準白板208を読取ライン上に移動させて基準白板読取モードとし(S1209)、読取原稿201の読み取り処理を終了する。
一方、画像形成装置1は、CPU10にて、その読取原稿201の後端を原稿サイズ検知センサ212にて検知せず(S1207/NO)、ラインカウンタ部301による読取ライン数が、予め定めた所定数N以下(読取ライン数≦N)であると(S1210/NO)、S1205へ進む。これに対し、画像形成装置1は、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数が、予め定めた所定数Nより大きい(読取ライン数>N)と(S1210/YES)、白ライン検出部304にて、1ライン分のすべての画素データの画像レベルが閾値thを越え、その読み取った1ラインが白ラインか否かの検出を行う(S1211)。S1211にて白ラインを検出できないと(S1211/NO)、S1205へ進み、S1211にて白ラインを検出すると(S1211/YES)、画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを中断し(S1212)、モータ駆動制御部218による各原稿搬送ローラ206,207,214,215の駆動を停止する(S1213)。
その後、画像形成装置1は、モータ駆動制御部218によるスライド用モータ211cの駆動を停止させ弾性部材211dの弾性力にてコンタクトガラス211上の基準白板208を読取ライン上に移動させて基準白板読取モードとする(S1214)。また、画像形成装置1は、モータ駆動制御部218にて各原稿搬送ローラ206,207,214,215を駆動させ、S1211にて白ラインを検出してからS1213にて各原稿搬送ローラ206,207,214,215の駆動を停止させるまでの間に搬送が進んでしまった分ほど読取原稿201を原稿搬送方向とは反対側へ巻き戻す(S1215)。
さらに、画像形成装置1は、基準白板読取モードにおいて、光源制御部219の制御により読取用光源210を、読取原稿201を読み取る際の強度に点灯させ、その状態で受光部209により基準白板208を読み取り、シェーディング補正用データを生成し、RAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新する(S1216)。そして、画像形成装置1は、モータ駆動制御部218にてスライド用モータ211cを駆動させて弾性部材211dの弾性力に抗してコンタクトガラス211を原稿搬送方向に移動させ、コンタクトガラス211上の基準白板208を読取ライン上から退避させて原稿読取モードとする(S1217)。その後、モータ駆動制御部218の制御により原稿搬送モータ217を駆動させて読取原稿201の読み取りを再開し(S1218)、S1204へ進む。
このような処理により、本実施形態に係る画像形成装置1は、例えば長尺状の読取原稿201を読み取る際に、読取原稿201の読み取り途中において読取用光源210から照射される光の光量が下がってしまうことに伴う、読取原稿201を読み取った後の読み取り画像中の先端と後端との間における濃度差の発生を防止することができる。また、白ライン検出部304にて1ライン分の画素データの画像レベルのすべてが閾値thを越えた場合に白ラインと判定し、シェーディング補正用データを更新しても濃度差が発生しないタイミング、即ち白ライン判定時にシェーディング補正用データを更新するようにしている。このため、例えば文字や、写真、絵柄等の連続性を有する図形が記された読取原稿201を読み取る際に、連続性を有する図形の読み取り中にシェーディング補正用データを更新することによって生じ得る、読み取り画像中の継ぎ目の発生を無くすことが可能となる。
さらに、本実施形態に係るスキャナユニット102によれば、白ライン検出部304に読み取り中の読取原稿201の所定箇所で白ラインを検出した場合に、白ライン検出部304にて白ラインを検出してから各原稿搬送ローラ206,207,214,215の駆動を停止させるまでの間に搬送が進んでしまった分に亘って、読取原稿201を原稿搬送方向とは反対側へ巻き戻すようにしている。この結果、白ラインを検出してから各原稿搬送ローラ206,207,214,215の駆動を停止させるまでの間に搬送が進んでしまった部分における読取原稿201の読み取り不良を防止することができるため、白ライン検出時にシェーディング補正用データを更新する構成としても、読取原稿201の読み取りを確実に行うことができる。よって、品質の高い読取画像を得ることができるスキャナユニット102、ひいては画像形成装置1を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、ラインカウンタ部301による読取ライン数が、予め定めた所定数Nより大きい場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する例について説明した。本実施形態においては、読取原稿201の読み取りを開始してから予め定めた所定時間Mが経過した場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する例について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、実施の形態1と略同一の構成を有するが、実施の形態1とは異なり、スキャナユニット102による読取原稿201の読み取りを開始してから所定時間Mが経過したら、白ライン検出部304による読取原稿201中の白ラインの検出を開始することを特徴とする。このような本実施形態に係る画像形成装置1は、計時部としてのタイマ(図示せず)を備えており、コントローラ100は、読取用光源210の光量の低下を、読取用光源210を点灯させてからの経過時間で判断している。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図17に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際には、黒レベル補正用データ及びシェーディング補正用データを取得し(S1201,S1202)、原稿読取モードとしてから(S1203)、CPU10にて、タイマのカウントを初期化する(S1304)。その後、読取原稿201の読み取りの開始(S1205)に合わせて、CPU10にて、タイマによるカウントをスタートする(S1306)。
さらに、CPU10にて、読取原稿201の後端を原稿サイズ検知センサ212にて検知しない場合(S1207/NO)は、タイマのカウント、即ち読取原稿201の読み取りを開始してからの経過時間が、所定時間Mを越えているか否かの判断を行う(S1310)。タイマのカウントが所定時間M以下(タイマカウント≦M)であると(S1310/NO)、S1205へ進む。一方、画像形成装置1は、CPU10にて、タイマのカウンタが所定時間Mを越えている(タイマカウント>M)と(S1310/YES)、白ライン検出部304による読取ラインの白ラインの検出を開始する(S1211)。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、読取原稿201の読み取りを開始してから所定時間Mが経過した場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始し、白ライン検出部304にて白ラインが検出された場合に、シェーディング補正用データを更新することにある。
即ち、読取用光源210の光量の低下を、読取用光源210を点灯してからの経過時間と関連付けて所定時間Mを定めることにより、読取原稿201の読み取りを開始してから所定時間Mが経過した場合に、読取用光源210の光量が低下しはじめ、読み取り画像の濃度が変化しはじめると判断することができる。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、読取原稿201の読み取りを開始してからの経過時間を基準として、白ライン検出部304にて白ラインの検出を開始するタイミングを制御することが可能となるので、実施の形態1の効果に加えて、白ライン検出部304にて白ラインの検出を開始するタイミングの制御をより容易にできる。
実施の形態3.
実施の形態2においては、読取原稿201の読み取りを開始してから予め定めた所定時間Mが経過した場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する例について説明した。本実施形態においては、読取原稿201の読み取りと同時に、読取原稿201の領域外の背景板204を読み取り、読み取った背景板204の読取値である画素データの画像レベルが、予め定めた閾値th1以下となった場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する例について説明する。尚、実施の形態1及び2と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1及び2と略同一の構成を有するが、実施の形態1及び2とは異なり、受光部209にて読取原稿201を読み取ると同時に、読取原稿201の主走査方向において原稿領域外に位置する背景板204を読み取ることを特徴する。このような本実施形態に係るスキャナユニット102の具体的な構成について、図18及び図19を参照して説明する。図18は、スキャナユニット102を上方から見たときの概略図である。図19は、スキャナユニット102による背景板204の読み値を時間に対してプロットしたグラフを示す図である。
本実施形態に係るスキャナユニット102は、図18に示すように、読取原稿201の主走査方向の幅寸法より大きな幅寸法を有する背景板204が、スキャナ上部202の下面に取り付けられている。背景板204は、主走査方向の中心位置を、受光部209の主走査方向の中心位置に合わせた状態とし、受光部209に対向する位置に取り付けられている。受光素子209aは、主走査方向において、読取原稿201の主走査方向の幅寸法より大きな領域に亘って取り付けられている。受光素子209aは、主走査方向の中心位置を、背景板204の主走査方向の中心位置に合わせた状態とされている。受光素子209aは、読取原稿201の読み取り時に、主走査方向において読取原稿201より外側に位置する原稿外領域A1,A2を読み取る構成とされ、これら原稿外領域A1,A2に位置する背景板204の一部を読み取る。
ここで、背景板204の読み取りについて説明する。読取用光源210の強度を、読取原稿201を読み取る際の強度で点灯させ、この状態で、読取原稿201の読み取りと同時に、原稿外領域A1,A2に位置する背景板204の一部を受光部209にて読み取っていくと、図19に示すように、読取用光源210の光量の低下に伴い、読み取った背景板204の画素データの画像レベル、例えば明度や輝度が下がっていく。そこで、背景板204の読み値である読み取り画像の画像レベルが、予め定めた閾値th1以下となった場合に、CPU10にて、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する。尚、背景板204の読み値は、図19に示すように、読取用光源210を点灯させてからの経過時間に伴って徐々に低下していくため、背景板204の読み値ではなく、読取原稿201の読み取りを開始してから、予め定めた所定時間T以降に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図20に示すように、画像形成装置1は、黒レベル補正用データ及びシェーディング補正用データをそれぞれ取得した後、原稿読取モードとしてから(S1203)、受光部209による読取原稿201の読み取りを開始する(S1205)。
画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを開始した後に、その読取原稿201の後端の原稿サイズ検知センサ212による検知を行う(S1207)。そして、画像形成装置1は、CPU10にて、その読取原稿201の後端を原稿サイズ検知センサ212にて検知しない場合(S1207/NO)、背景板204の読み取り画像の画像レベルが閾値th1以下(背景板読み値≦th1)であると(S1610/NO)、S1205へ進む。一方、画像形成装置1は、CPU10にて、背景板204の読み取り画像の画像レベルが、閾値th1より大きい(背景板読み値>th1)と(S1610/YES)、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始する(S1211)。さらに、画像形成装置1は、RAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新し(S1216)、原稿読取モードとした後(S1217)、読取原稿201の読み取りを再開し(S1218)、S1205へ進む。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、読取原稿201の読み取りとともに原稿領域外A1,A2の背景板204の読み取りを行い、背景板204の読み取り画像の画像レベルが閾値th1以下となった場合に、白ライン検出部304による白ラインの検出を開始し、白ライン検出部304にて白ラインを検出した場合に、シェーディング補正用データを更新することにある。
即ち、読取用光源210の光量の低下を、背景板204の読み取り画像の画像レベルと関連付けて閾値th1を定めることにより、読取原稿201の読み取りを開始してから背景板204の読み取り画像の画像レベルが閾値th1以下となった場合に、読取用光源210の光量が低下しはじめ、読み取り画像の濃度が変化しはじめると判断する。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、背景板204の読み取り画像の画像レベルを基準として、白ライン検出部304にて白ラインの検出を開始するタイミングを制御するため、読取用光源210の光量変化特性に対応させた制御が可能となり、実施の形態1の効果に加えて、白ライン検出部304にて白ラインの検出を開始するタイミングの制御をより精度良く行うことができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3においては、白ライン検出部304にて白ラインを検出した場合に、シェーディング補正用データを更新する例について説明した。本実施形態においては、シェーディング補正用データを更新する際に黒レベル補正用データの更新を行う例について説明する。尚、実施の形態1〜3と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1〜3と略同一の構成を有するが、実施の形態1〜3とは異なり、シェーディング補正用データの更新時に、黒レベル補正部302による黒レベル補正用データの更新を行う構成を特徴とする。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図21を参照して説明する。図21は、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図21に示すように、画像形成装置1は、RAM20に格納しているシェーディング補正用データの更新を行った後(S1216)、光源制御部219の制御により読取用光源210を消灯させ、その状態で受光部209により基準白板208を読み取り、黒レベル補正部302にて黒レベル補正用データを生成し、RAM20に格納している黒レベル補正用データを更新する(S1701)。その後、画像形成装置1は、コンタクトガラス211上の基準白板208を読取ライン上から退避させてから(S1217)、原稿搬送モータ217を駆動させ読取原稿201の読み取りを再開させる(S1218)。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、白ライン検出部304にて白ラインを検出した際に行うシェーディング補正用データの更新に合わせて、黒レベル補正部302による黒レベル補正用データの更新を行うことにある。尚、本実施形態に係る画像形成装置1においては、シェーディング補正用データの更新を行った後に、黒レベル補正用データの更新を行っているが、シェーディング補正用データの更新を行う前に、黒レベル補正用データの更新を行ってもよい。
このような処理により、本実施形態に係る画像形成装置1は、シェーディング補正データを更新する状態においては、コンタクトガラス211上の基準白板208が読取ライン上に移動して基準白板読取モードとなっている。この状態で、読取用光源210を消灯させて受光部209にて基準白板208を読み取ることによって、黒レベル補正用データを生成することができる。よって、シェーディング補正用データの更新時においては、基準白板208を移動させる必要がなく、読取用光源210を消灯させるだけの制御で、黒レベル補正部302による黒レベル補正用データの生成を行うことができる。
さらに、シェーディング補正用データの更新時に黒レベル補正用データの更新を行うことにより、再度、シェーディング補正用データを生成する際の基準となる黒レベル補正データをより適切なデータとすることができる。よって、複数回に亘るシェーディング補正用データの更新をより精度よく行うことが可能となるため、より品質の高い読取画像を得ることができるスキャナユニット102を実現することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜3においては、白ライン検出部304にて白ラインを検出した場合に、シェーディング補正用データを、直ちに補正する例について説明した。本実施形態においては、シェーディング補正用データを更新する際に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づいていくように、シェーディング補正用データを連続的に切り替えて補正していく例について説明する。尚、実施の形態1〜4と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1〜4と略同一の構成を有するが、実施の形態1〜4とは異なり、シェーディング補正用データの更新時に、本シェーディング補正用データを連続的に切り替えながら更新する構成を特徴とする。
即ち、本実施形態に係る画像形成装置1の白ライン検出部304は、読取原稿201の先端側から、主走査方向に沿った1ライン毎に画像データの画像レベルを判定していき、図22に示すように、読取原稿201中の、例えば文字等が主走査方向に沿って記されていない1ライン分のすべての画素データの画像レベルが閾値thを越えている場合に、その読み取った読取ラインを白ラインと判定し、この白ライン判定時に、図23に示すように、シェーディング補正用データを直ちに更新してしまうことによって生じる、読取原稿201を読み取った画像データ上に生じる繋ぎ目が目立たなくなるように、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づくように、シェーディング補正用データを更新する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図24を参照して説明する。図24は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図24に示すように、画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを再開した後(S1218)、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数を初期化する(S2401)。そして、画像形成装置1は、S1216にて生成したシェーディング補正用データを、徐々に切り替えながら、モータ駆動制御部218の制御により原稿搬送モータ217を駆動させて読取原稿201を原稿搬送路に搬送し、読取部において受光部209により読取原稿201の読み取りを開始する(S2402)。
その後、画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを開始すると、S2402の開始に合わせて、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数の加算を開始し(S2403)、読取原稿201の全領域を読み取っていき、シェーディング補正用データが、予め定めた目標値まで切り替わると(S2404/YES)、S1205へ進む。一方、画像形成装置1は、シェーディング補正用データが、予め定めた目標値まで切り替わっていないと(S2404/NO)、S2402へ進み、S2402及びS2403の処理を繰り返す。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、シェーディング補正用データを更新する際に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づくように、シェーディング補正用データを徐々に切り替えることにある。尚、本実施形態に係る画像形成装置1においては、シェーディング補正用データを更新する際に、シェーディング補正用データを連続的に切り替えているが、このシェーディング補正用データを、予め定めた所定値刻みに段階的に切り替えてもよい。
このような処理により、本実施形態に係る画像形成装置1は、シェーディング補正用データを更新する際に、予め生成したシェーディング補正用データに直ちに更新してしまう場合に生じ得る、読取原稿201中の、例えば文字等が主走査方向に沿って記されていない1ライン分のすべての画素データの画像レベルが閾値thを越え、その読み取った読取ラインを白ラインと判定したときに、シェーディング補正用データの更新前後時において、読取原稿201の読み取り画像データ中に、白色の差による繋ぎ目が生じてしまうこと防止することができる。
実施の形態6.
実施の形態5においては、シェーディング補正用データを更新する際に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づいていくように、シェーディング補正用データを連続的に切り替えて補正していく例について説明した。本実施形態においては、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づいていくように、シェーディング補正用データを連続的に切り替えて補正していく際に、読取原稿201から読み取った画像データ上に、白色以外の色彩を読み取った場合に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが目標値となるように、シェーディング補正用データを一気に引き上げて更新する。尚、実施の形態1〜5と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1〜5と略同一の構成を有するが、実施の形態1〜5とは異なり、シェーディング補正用データの更新時に、白色以外の画像データを取得したら、シェーディング補正用データを一気に引き上げる更新を行う構成を特徴とする。
即ち、本実施形態に係る画像形成装置1の白ライン検出部304は、読取原稿201の先端側から、主走査方向に沿った1ライン毎に画像データの画像レベルを判定していき、図25に示すように、読取原稿201中の1ライン分を白ラインと判定した際に、上記実施の形態5と同様に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づくように、シェーディング補正用データを更新していく。この際に、読取原稿201中の1ライン分において、白色以外の色彩、例えば黒色の文字等を読み取った場合(図25のA点)に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、予め定めた目標値となるように、シェーディング補正用データを一気に更新する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図26を参照して説明する。図26は、本発明の他の実施形態に係るに係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図26に示すように、画像形成装置1は、読取原稿201の読み取りを再開し(S1218)、ラインカウンタ部301による読取ライン数を初期化してから(S2401)、上記S1216にて生成したシェーディング補正用データを、徐々に切り替えながら、読取原稿201の読み取りを開始する(S2402)。
このとき、画像形成装置1は、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数が、予め定めた所定数Nより大きい(読取ライン数>N)と、白ライン検出部304にて、1ライン分のすべての画素データの画像レベルが閾値thを越え、その読み取った1ラインが白ラインと検出する(S2601/YES)。この場合に、画像形成装置1は、S2402の開始に合わせて、CPU10にて、ラインカウンタ部301による読取ライン数の加算を開始し(S2403)、読取原稿201の全領域を読み取っていき、シェーディング補正用データが、予め定めた目標値まで切り替わると(S2404/YES)、S1205へ進む。一方、画像形成装置1は、シェーディング補正用データが、予め定めた目標値まで切り替わっていないと(S2404/NO)、S2601へ進み、S2601、S2402及びS2403の処理を繰り返す。これに対し、S1211にて白ライン検出部304により白ラインを検出できず、白色以外の色彩、例えば黒色の文字等を読み取ると(S2601/NO)、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、予め定めた目標値となるように、S1216にて生成したシェーディング補正用データに一気に更新してから(S2602)、S1205へ進む。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、シェーディング補正用データを更新する際に、背景板204の読取値である画像データの画像レベルが、徐々に目標値に近づくように、シェーディング補正用データを徐々に切り替えていき、目標値となる途中の段階で、白ライン以外の色彩を検出した場合(図25のA点)に、シェーディング補正用データを瞬時に更新することにある。尚、本実施形態に係る画像形成装置1においては、白ライン以外の色彩を検出した場合に、シェーディング補正用データを一気、即ち瞬時に引き上げる更新をしているが、シェーディング補正用データを更新する際に、予め定めた所定値刻みに段階的に切り替えてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置1は、シェーディング補正用データを更新する際に、シェーディング補正用データの更新前後時において、読取原稿201の読み取り画像データ中に、白色の差による繋ぎ目が生じてしまうこと防止するために、シェーディング補正用データを徐々に切り替えていく途中で、白ライン以外の色彩を検出した場合に生じ得る、白ライン以外の文字や写真、絵柄等の読み取り画像データが徐々に変化してしまうことを防止することができる。
実施の形態7.
実施の形態1〜6においては、白ライン検出部304にて白ラインを検出した場合に、シェーディング補正用データを直ちに更新する例について説明した。本実施形態においては、白ライン検出部304にて白ラインを検出してから、シェーディング補正用データを更新するまでの間に、読取用光源210から照射される光量を引き上げる例について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るスキャナユニット102は、実施の形態1と略同一の構成を有するが、実施の形態1とは異なり、白ライン検出後であって、シェーディング補正用データを生成する前の間に、読取用光源210の光量を調整して、読取用光源201からの光量を回復させる構成を特徴とする。
即ち、本実施形態に係る画像形成装置1の光源制御部219は、点灯後の時間経過とともに減少していく読取用光源210の光量の低下によって生じる、シェーディング補正用データを生成する際のSN比の低下を防止するために、白ライン検出部304にて白ラインを判定してから、シェーディング補正用データを生成するまでの間に、読取用光源210を再点灯させて光量を引き上げる制御を行う。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について図27を参照して説明する。図27は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置1がスキャナユニット102において読取原稿201を読み取る際の処理について説明するためのフローチャートである。図27に示すように、画像形成装置1は、白ライン検出部304にて白ラインを検出し(S1211/YES)、S1212〜S1215の処理を行う。この後、画像形成装置1は、基準白板読取モードにおいて、光源制御部219の制御により読取用光源210を再点灯させる等して、読取用光源210の光量を調整して、点灯からの時間経過とともに低下した光量を引き上げて回復させてから(S2701)、その状態で受光部209により基準白板208を読み取り、シェーディング補正用データを生成し、RAM20に格納しているシェーディング補正用データを更新する(S1216)。
以上、説明したように、このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、白ライン検出部304にて白ラインを検出してから、シェーディング補正用データを更新するまでの間に、読取用光源210の光量を回復させることにある。尚、本実施形態に係る画像形成装置1においては、シェーディング補正用データを生成する直前に、読取用光源210の光量を引き上げているが、白ライン検出部304にて白ラインを検出してから、シェーディング補正用データを生成するまでの間であれば、いずれの段階で読取用光源210の光量を引き上げる処理を行ってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置1は、ライン検出部304にて白ラインを判定してから、シェーディング補正用データを生成するまでの間に、読取用光源210の光量を引き上げる制御を行うことにより、読取用光源210の光量の引き上げる制御を行わない場合(図28(a)中のA線)に比べ、背景板204の読取値である画像データの画像レベルを、理想データに近づけることができる(図28(a)および図28(b)のB線)。よって、点灯後の時間経過とともに減少していく読取用光源210の光量の低下にて生じる、シェーディング補正用データを生成する際のSN比の低下を防止することができ、読取原稿201をより適切に読取処理することができる。