JP2014155114A - 画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿接触に起因する白基準部材の汚れの影響を回避しつつ、正確なシェーディングデータを取得すること。
【解決手段】画像読取装置において、原稿を取る読取部と、その読取部に対向して配置され、原稿の撮像対象となる面が読取部とは反対側を搬送される透明部材と、透明部材を介して読取部と対向するように透明部材に配置された白基準部材と、透明部材を移動させる移動機構と、白基準データを生成する生成部と、シェーディング補正を行う補正部と、を備える。白基準部材は、読取部に対向する読取面が、透明部材の面であって読取部とは反対側の面に重なるように配置される。移動機構は、白基準データの生成に際しては白基準部材が読取位置に、原稿の読み取りに際しては原稿が読取位置に配置されるように、透明部材を移動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像読取装置、画像読取装置を備えた画像形成装置に関し、特に、正確なシェーディングデータを取得するための技術に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像読取装置は欠かせない機器となっている。このような画像読取装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置に搭載された画像読取装置においては、画像読取装置に備えられたランプの光量の変動及びCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子の感度バラつきなどを補正するために、原稿読取前に白色であることが既知である部材(以下「白基準部材」という)を読み取る。そして、この白基準部材を読み取ったときのデータをシェーディングデータとして用い、これを基準として、読取原稿のシェーディング補正(輝度補正)を行っている。
この白基準部材に汚れが付着した状態で読取操作を行うと、汚れが付着した部分の輝度が低下し、正確なシェーディングデータが取得できない。そこで、白基準部材の汚れを回避するための技術の一例として、特許文献1には、原稿ガラスを挟んで一方の面側に原稿搬送路を、他方の面側に白基準部材を備え、白基準部材を原稿搬送路から離れた位置に配置した画像読取装置が開示されている。
この画像読取装置では、原稿ガラスの一方の面側に原稿搬送ローラを備え、原稿搬送ローラにより原稿を上記一方の面に押し当てることで原稿搬送路を形成する。また、原稿ガラスの他方の面側には、光源及び読取部を備えており、光源から照射され、原稿ガラスを透過した光が原稿搬送路上の原稿により反射され、その反射光が原稿ガラスを透過して読取部に到達し、読み取られる。加えて原稿ガラスの他方の面側には、白基準部材と、読取部に入射する上記反射光の光路上に、白基準部材を進退可能に移動するソレノイド(移動装置)と、を備えておく。そして、シェーディングデータの取得時には、白基準部材を光路上に配置し、待機状態では光路から退避させる。よってこの画像読取装置によれば、原稿が白基準部材に接触することがなく、これに起因する白基準部材の汚れの付着を防止している。
他方、正確なシェーディングデータの取得を妨げる他の要因として、上述した白基準部材の汚れの他、照明深度の差異が挙げられる。即ち、光源から照射した光が読取対象によって反射され、光電変換素子に入射するまでの距離である光路長が異なると、同一の読み取り対象であっても、距離に応じた光量の減衰によって異なる読取結果となってしまう。
そのような課題に対して、白基準部材の読み取り時には、原稿の読み取り位置に白基準部材を移動させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された方法によれば、白基準部材はスキャンライン上に配置されるだけでなく、光源からの距離も原稿の読み取り位置と同様の位置に配置される。これにより、白基準部材の読み取り時と原稿の読み取り時とにおける照明深度の差異を解消することができる。
特許文献2に開示された発明によれば、上述したように照明深度の差異は解消することが可能である。しかしながら、上述した白基準部材の汚れには対応できていない。他方、特許文献1に開示された発明によれば、上述したような照明深度の差異が生じる。また、白基準部材の読み取り面が露出していることに変わりはなく、白基準部材の汚れを完全に回避することはできない。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、原稿接触に起因する白基準部材の汚れの影響を回避しつつ、正確なシェーディングデータを取得することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、撮像対象となる原稿を搬送する原稿搬送部と、前記原稿を読み取る読取部と、前記読取部に対向して配置され、前記原稿の撮像対象となる面が前記読取部とは反対側を搬送される透明部材と、前記透明部材を介して前記読取部と対向するように前記透明部材に配置された白基準部材と、前記透明部材を移動させる移動機構と、前記読取部が前記白基準部材を読み取って得られた出力を基に白基準データを生成する生成部と、前記白基準データを用いてシェーディング補正を行う補正部と、を備え、前記白基準部材は、前記読取部に対向する読取面が、前記透明部材の面であって前記読取部とは反対側の面に重なるように配置され、前記移動機構は、前記白基準データの生成に際して、前記白基準部材が前記読取部によって読み取られるように前記透明部材を移動させ、前記原稿の読み取りに際して、前記透明部材上を搬送される原稿が読み取られるように前記透明部材を移動させることを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、画像形成装置であって、上記画像読取装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、原稿接触に起因する白基準部材の汚れの影響を回避しつつ、正確なシェーディングデータを取得することが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である 本実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置を側面から見た状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置の本体フレームの上面を、読取部カバーを取り外して見た状態を示す図である。 基準白板のスライド移動を示す図であって、(a)は基準白板がスキャンライン上にある状態を示し、(b)は基準白板が退避位置にある状態を示す。 本実施形態に係る画像読取装置内の制御ブロックを示すブロック図である。 本実施形態に係る読取動作の流れを示すフローチャートである。 変形例1に係る基準白板及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示し、(b)は、製造後の状態を示す。 変形例2に係る基準白板及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示し、(b)は、製造後の状態を示す。 変形例3に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図である。 変形例4に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示す斜視図であり、(b)は、製造途中の状態を示す側面図である。 変形例5に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)としての画像形成装置を例として説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による画像形成装置であり、撮像対象となる原稿を読み取る画像読取装置を備え、この画像読取装置において、読取原稿の輝度補正に用いる白基準データ(以下「シェーディングデータ」という)の取得に係る構成がその要旨である。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、エンジン13、HDD(Hard Disk Drive)14及びI/F15がバス18を介して接続されている。また、I/F15にはLCD(Liquid Crystal Display)16及び操作部17が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM11は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン13は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD16は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部17は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM12やHDD14若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM11に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)21、スキャナユニット22、排紙トレイ23、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26、排紙トレイ27及びネットワークI/F28を有する。ADF21及びスキャナユニット22を総称して画像読取装置2という。
また、コントローラ20は、主制御部30、エンジン制御部31、入出力制御部32、画像処理部33及び操作表示制御部34を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット22、プリントエンジン26を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル24は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F28は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ20は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM12や不揮発性メモリ並びにHDD14や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM11等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10の制御に従って構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ20が構成される。コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部30は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部31は、プリントエンジン26やスキャナユニット22等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。
入出力制御部32は、ネットワークI/F28を介して入力される信号や命令を主制御部30に入力する。また、主制御部30は、入出力制御部32を制御し、ネットワークI/F28を介して他の機器にアクセスする。
画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン26が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。操作表示制御部34は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部30に通知する。
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部32がネットワークI/F28を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部32は、受信した印刷ジョブを主制御部30に転送する。主制御部30は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部33を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
画像処理部33によって描画情報が生成されると、エンジン制御部31は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル25から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン26が画像形成部として機能する。プリントエンジン26によって画像形成が施された文書は排紙トレイ27に排紙される。
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル24の操作若しくはネットワークI/F28を介して外部のPC等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部34若しくは入出力制御部32が主制御部30にスキャン実行信号を転送する。主制御部30は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部31を制御する。
エンジン制御部31は、ADF21を駆動し、ADF21にセットされた撮像対象原稿(以下「原稿」と略記する)をスキャナユニット22に搬送する。また、エンジン制御部31は、スキャナユニット22を駆動し、ADF21から搬送される原稿を撮像する。また、ADF21に原稿がセットされておらず、スキャナユニット22に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット22は、エンジン制御部31の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット22が撮像部として動作する。
撮像動作においては、スキャナユニット22に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部31は、スキャナユニット22が生成した撮像情報を画像処理部33に転送する。画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、エンジン制御部31から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
画像処理部33によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD14等に格納され若しくは入出力制御部32及びネットワークI/F28を介して外部の装置に送信される。
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部31がスキャナユニット22から受信した撮像情報若しくは画像処理部33が生成した画像情報に基づき、画像処理部33が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部31がプリントエンジン26を駆動する。
次に、本実施形態に係る画像読取装置2の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像読取装置を側面から見た状態を示す図である。図4は、本発明の実施形態に係る画像読取装置の本体フレームの上面を、読取部カバーを取り外して見た状態を示す図である。図5は、基準白板のスライド移動を示す図であって、(a)は基準白板がスキャンライン上にある状態を示し、(b)は基準白板が退避位置にある状態を示す。
図3に示すように、本実施形態に係る画像読取装置2は、床面上に載置される画像形成装置1の本体フレーム110と、本体フレーム110の上面110aを覆う読取部カバー210と、読取部カバー210を本体フレーム110に昇降可能に連結支持するカバー支持部300と、含む。
カバー支持部300は、本体フレーム110の上面110aと、読取部カバー210における本体フレーム110との対向面(以下(下面)という)210aとの間に隙間260を設けて、本体フレーム110に読取部カバー210を連結支持する。隙間260の一端部は、原稿101の挿入口261を形成し、他端部側は排紙トレイ23に連続する。そして、原稿101は、隙間260内を挿入口261から排紙トレイ23に向かって搬送される。以下の説明では、原稿101が搬送される方向を原稿搬送方向190といい、原稿搬送方向190において、挿入口261に相対的に近い方向を上流、排紙トレイ23に相対的に近い方向を下流という。
また、カバー支持部300は、図3では図示を省略するもの、読取部カバー210を昇降動させる機構を含む。そして、所定の厚み(原稿厚み閾値)を超える原稿を読み取る際には、読取部カバー210を上昇させて隙間260の間隔を広げ、読取動作が終了すると読取部カバー210を下降させる。
隙間260の挿入口261付近は、比較的厚みがある原稿101を待機させて保持可能な第一の間隔(図3ではN+αmmと図示)を有し、挿入口261よりも下流は、第一の間隔よりも狭い第二の間隔(図3ではNmmと図示)を有して形成される。第二の間隔が原稿厚み閾値に相当する。
本体フレーム110における挿入口261付近は、原稿101を載置する原稿トレイ111と、搭載された原稿101の原稿サイズを検出する原稿サイズセンサ112と、を備える。さらに本体フレーム110は、本体側前ローラ113と、原稿101の挿入及び原稿101の後端部が通過したことを検知する原稿挿入センサ114と、原稿101を光学的に走査して撮像情報を生成するイメージスキャナ120と、イメージスキャナ120の上部に配置された透明部材からなるコンタクトガラス130及び白基準部材としての基準白板131と、コンタクトガラス130及び基準白板131を一体的に移動させるための移動機構140と、コンタクトガラス130を支持するバネ146−1と、原稿101を搬送するための本体側後ローラ119と、を備える。
白基準部材は、白基準部材の読取時において、その読取面がコンタクトガラス130に重なった状態を維持できる態様であれば、その製法は限定されない。例えば、白基準部材として板状部材からなる基準白板131を用いる場合には、無色透明な接着剤を用いて固定したり、後述するようにコンタクトガラス130に凹部を設け、その内部に基準白板131を配置する場合には、取り外し可能な状態で凹部内に基準白板131を配置したりしてもよい。さらに、白基準部材として塗料などを用いる場合には、コンタクトガラス130に塗布により付着させてもよいし、白基準部材としてシールを用いる場合にはコンタクトガラス130に貼り付けてもよい。すなわち、本明細書において、「白基準部材は、その読取面がコンタクトガラス130に接して設けられる」には、接着、塗布、貼着などの固定方法、及び着脱自在に設けられた非固定方法を問わず、白基準部材の読取時に、その読取面がコンタクトガラス130に接して設けられた状態を維持可能な全ての態様を含むものである。
原稿サイズセンサ112は、図4に示すように、本体フレーム110における原稿トレイ111に、イメージスキャナ120が原稿101を光学的に走査する方向に沿って、複数の光センサを配置して構成する。原稿101が原稿サイズセンサ112の上部を通過すると、原稿サイズセンサ112に入射する光が遮光される。原稿サイズセンサ112は、この遮光状態を検知する。そして、遮光された光センサの個数を基に、原稿101の主走査方向のサイズを検出する。以下の説明では、イメージスキャナ120が原稿101を光学的に走査する方向を「主走査方向」といい、本体フレーム110の上面110aの面内において主走査方向に直交する方向を「副走査方向」という。
本体側前ローラ113は、原稿搬送用モータ(図3、図4では図示を省略する)により、原稿101を原稿搬送方向190へ送り出す方向(図3では反時計回り)に回転する。本体側前ローラ113、原稿搬送用モータ、本体側後ローラ119、更に後述するカバー側前ローラ213、及びカバー側後ローラ219が、撮像対象となる原稿を搬送する原稿搬送部を形成する。
原稿挿入センサ114は、本体側前ローラ113とイメージスキャナ120との間に光センサを配置して構成される。原稿101が原稿挿入センサ114の上部を通過すると、原稿挿入センサ114に入射する光が遮光される。原稿101の前端部が原稿挿入センサ114上に到達すると、原稿挿入センサ114が遮光状態を検出して原稿が挿入されたことを検知し、原稿101の後端部が原稿挿入センサ114上を通過し終えて再び原稿挿入センサ114に光が入射すると、原稿101が通過し終えたことを検知する。
本体フレーム110における原稿挿入センサ114と本体側後ローラ119との間には、凹部110bを備える。イメージスキャナ120は、本体フレーム110の内部であって、上記凹部110bに対応する位置に設けられる。イメージスキャナ120は、読取用光源121、レンズ122、及び受光素子123を含んで構成される。読取用光源121は、可視光を発するものである。レンズ122は、読取用光源121から照射された光のうち、基準白板131または原稿101で反射された反射光を集光する。受光素子123は、レンズ122で集光された光を検出し、その光量に応じた電荷量に光電変換する。本実施形態では、イメージスキャナ120として、密着イメージセンサ(Contact Image Sensor、CIS)を用い、読取用光源121として、LEDアレイ、LED及び導光体の組み合わせ、キセノンランプ、蛍光灯などを用いる。本実施形態では、基準白板131及び原稿101の読取位置をスキャンライン125という。
本体フレーム110の凹部110b内には、スキャンライン125を覆う位置に、コンタクトガラス130が配置される。コンタクトガラス130の上面130aは、白色の板状部材からなる基準白板131が密着して固定されている。基準白板131におけるコンタクトガラス130の上面130aとの接触面131aが、基準白板131の読取面となる。このため、基準白板131の読取面は永久的に露出することがなく、ゴミなどの異物や汚れの付着を確実に回避することができる。
基準白板131はスキャンライン125上を定位置として配置される。そして、移動機構140がコンタクトガラス130を原稿搬送方向190に沿って移動させることで、基準白板131の読取時には、基準白板131がスキャンライン125上に配置され、原稿101の読取時には、基準白板131がスキャンライン125上から離れた位置(退避位置)へと移動する。そして原稿101の読取終了後は、基準白板131がスキャンライン125上へと戻される。
コンタクトガラス130の上面130aは、本体フレーム110の上面110aとほぼ同一の高さ(面一)となるように配置される。本実施形態では、二つのバネ146−1、146−2を備え、これらのバネ146−1、146−2を副走査方向に沿って間隔を開けて備える。そして、二つのバネ146−1、146−2の各々は、コンタクトガラス130の下流側と凹部110bの内壁面とを連結して支持する。また、コンタクトガラス130の上流側は移動機構140により支持することにより、コンタクトガラス130が凹部110b内で浮かせた状態で移動可能に支持される。
移動機構140は、スライドモータ141と、スライドモータ141の回転軸142に連結された歯車部143と、歯車部143及びコンタクトガラス130を連結する連結部材144−1、144−2(図4参照)と、を含む。連結部材144−1、144−2は、副走査方向に沿って間隔を開けて設けられる。連結部材144−1、144−2の各々は、歯車部143にかみ合うための溝145が備えられる。また、図4では図示を省略するものの、歯車部143は二つ備えられ、回転軸142に副走査方向に沿って間隔を開けて設けられる。そして、歯車部143のそれぞれが、連結部材144−1、144−2のそれぞれに設けられた溝145とかみ合い、スライドモータ141の回転駆動力を連結部材144−1、144−2に伝達する。
待機状態では、図5の(a)に示すように、基準白板131がスキャンライン125上にある。このとき、コンタクトガラス130及び本体フレーム110の間に隙間が生じないように、コンタクトガラス130の上流側端部を本体フレーム110に当接させる。これにより、搬送されてきた原稿101の前端部が、上記隙間に落下することに起因する紙詰まりを抑止する。この状態から、スライドモータ141が正回転(図5における反時計回り)すると、回転軸142及び歯車部143が回転し、歯車部143が溝145にかみ合うことにより、連結部材144−1及びコンタクトガラス130が原稿搬送方向190にスライド移動する。このスライド移動に従って、バネ146−1は収縮する。これより、図5の(b)に示すように基準白板131は、退避位置150へと移動する。
図5の(b)の状態でスライドモータ141が逆回転(図5における時計回り)すると、バネ146−1のバネ力によりコンタクトガラス130はスキャンライン125に向けて押し戻される。なお、バネ146−1に代わり、コンタクトガラス130のスライド方向を規制するとともにコンタクトガラス130をスライド可能に支持するレールを備えてもよい。この場合、スライドモータ141を逆回転させることで生じる回転駆動力により、コンタクトガラス130を退避位置からスキャンライン125へスライド移動する。本実施形態では、移動機構140の駆動手段として、スライドモータ141及びラックアンドピニオン機構を用いたが、電磁クラッチを用いて連結部材144−1を駆動させてもよい。なお、図5では、連結部材144−1及びバネ146−1を図示し、連結部材144−2及びバネ146−2は図示していないが、連結部材144−2及びバネ146−2は、連結部材144−1及びバネ146−1と同様に動くので、その説明は省略する。
読取用光源121から照射された光はコンタクトガラス130を透過し、基準白板131におけるコンタクトガラス130との接触面131aで反射する。反射光は、コンタクトガラス130を透過してレンズ122に入射し、集光された光を受光素子123が受光する。受光素子123は、受光量に応じた電荷量を生成する。この電荷量を用いて、シェーディングデータが生成される。
本体フレーム110における凹部110bよりも下流には、本体側後ローラ119が備えられる(図3及び図4参照)。本体側後ローラ119も、原稿搬送用モータ(図3、図4では図示を省略する)により、原稿101を原稿搬送方向190へ送り出す方向(図3では反時計回り)に回転する。
一方、読取部カバー210における原稿トレイ111と対向する位置には、比較的厚みがある原稿を保持可能にするための切欠き部211と、原稿101の厚みを検出するため紙厚センサ212と、を備える。さらに読取部カバー210における本体側前ローラ113と対峙する位置には、カバー側前ローラ213を備え、本体側後ローラ119と対峙する位置にカバー側後ローラ219を備える。
切欠き部211における読取部カバー210の下面210a及び本体フレーム110の上面110aの間隔が、隙間260における第一の間隔に相当する。切欠き部211における挿入口261とは反対側の端部には、原稿厚み閾値を超える厚みがある原稿101が当接することで、これより先に原稿101が搬送されることを抑止する搬送抑止面211aを備える。搬送抑止面211aの下端部には、原稿搬送方向190に沿って下方向(本体フレーム110に近づく方向)に向かって傾斜する傾斜面211bを備える。原稿101は、傾斜面211bに沿って搬送されることで、原稿101の搬送を滑らかにし、紙詰まりを抑止する。
紙厚センサ212は、読取部カバー210の挿入口261付近に備えられる。本実施形態ではPSD(Position Sensitive Detector)素子を用いた距離検出センサを用いている。この距離検出センサでは、原稿トレイ111に載置された原稿101の紙面に対し斜め方向から光ビームを照射し、その反射光の受光位置の違いを基に原稿101の紙面までの距離を検出し、これを基に原稿101の厚みを検知している。
カバー側前ローラ213及びカバー側後ローラ219は、原稿搬送用モータ(図3、図4では図示を省略する)により、原稿101を原稿搬送方向190へ送り出す方向(図3では時計回り)に回転する。原稿101は、本体側前ローラ113及びカバー側前ローラ213の間、及び本体側後ローラ119及びカバー側後ローラ219の間を通って原稿搬送方向190に沿って押し出される。
次に、本実施形態に係る画像読取装置2の制御ブロックについて、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る画像読取装置内の制御ブロックを示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態に係る画像読取装置2の内部構成は、大きくは読取動作を行う読取部400と、読取部400から出力されたデジタル信号を補正する信号処理部450と、読取部400及び信号処理部450の演算手段として機能するCPU490と、を備える。本実施形態では、CPU490は、画像読取装置2内に備えたが、画像形成装置1の主制御部30を構成するCPU10が画像読取装置2のCPU490を兼ねてもよい。
読取部400は、スライドモータ141と、読取部カバー210を昇降動させるカバー昇降用モータ301と、本体側前ローラ113、カバー側前ローラ213、本体側後ローラ119及びカバー側後ローラ219を駆動するための原稿搬送用モータ401と、これら各モータに接続され、各モータの駆動制御を行うモータ駆動回路402と、を含む。モータ駆動回路402はCPU490に接続される。CPU490からの制御信号をモータ駆動回路402が受信し、これに従って各モータは駆動制御される。
また、読取部400は、紙厚センサ212及び原稿挿入センサ114を含む。これらの各センサもCPU490に接続される。各センサの検知結果は、CPU490に転送される。CPU490は、紙厚センサ212の検知結果を基に、モータ駆動回路402に対して読取部カバー210の上昇幅を算出し、この上昇幅相当分の回転駆動を指示する制御信号をモータ駆動回路402に出力する。モータ駆動回路402は、この制御信号に従ってカバー昇降用モータ301を回転駆動して、読取部カバー210を上昇させる。また、CPU490は、原稿挿入センサ114が原稿101の後端部が通過し終えたことを検知すると、モータ駆動回路402に対して読取部カバー210を下降させるための制御信号をモータ駆動回路402に出力する。モータ駆動回路402は、この制御信号に従ってカバー昇降用モータ301を回転駆動して、読取部カバー210を下降させる。
さらに読取部400は、読取用光源121、光源用駆動回路126、受光素子123、アナログ処理・A/D変換回路127、及びタイミング信号発生回路128を含む。光源用駆動回路126は、読取用光源121及びCPU490に接続される。タイミング信号発生回路128は、CPU490に接続されるとともに、光源用駆動回路126、及びアナログ処理・A/D変換回路127に接続され、各回路の駆動タイミング信号を生成している。
読取用光源121は光源用駆動回路126により駆動され、点灯、消灯の制御はCPU490により行う。また、LEDのような光源では1ライン中の点灯時間の制御(光量の制御)を行うことが可能であるため、そのような場合光量(点灯時間)はタイミング信号発生回路128により制御される。
原稿挿入センサ114が遮光状態を検知すると、その信号をCPU490に送る。これによりCPU490は、原稿101が原稿挿入センサ114に到達したと判断し、光源用駆動回路126に対して読取用光源121の点灯を指示する制御信号を送り、光源用駆動回路126が読取用光源121を点灯する。受光素子123は、基準白板131または原稿101からの反射光を受光し、光電変換してアナログ信号を生成する。アナログ処理・A/D変換回路127は、受光素子123からのアナログ信号をデジタル量に変換する。このときアナログ処理・A/D変換回路127では所定のゲインがかけられる。ゲインをかけられたデジタル量は、信号処理部450へと転送される。このデジタル量は撮像信号とも称される。
原稿挿入センサ114が光の入射状態を検知すると、その信号をCPU490に送る。これによりCPU490は、原稿101の後端部が通過した上に達したと判断し、光源用駆動回路126に対して読取用光源121の消灯を指示する制御信号を送り、光源用駆動回路126が読取用光源121を消灯する。
信号処理部450は、読取部400から得られたデジタル量(撮像信号)に対し、黒レベル補正を行う黒レベル補正部451と、シェーディングデータの生成及び輝度補正を行うシェーディング部452と、メモリ453と、を含む。メモリ453は、CPU490、黒レベル補正部451、及びシェーディング部452に接続されている。読取部400から撮像信号が送られると、メモリ453にロードされ、黒レベル補正部451及びシェーディング部452がメモリ453の領域を用いて黒レベル補正及びシェーディング補正を行う。黒レベル補正部451及びシェーディング部452は、各処理を実現するソフトウェアとCPUなどのハードウェアとの組み合わせによって構成される。シェーディング部452は、シェーディングデータを生成する生成部452aと、シェーディングデータを用いて輝度補正を行う補正部452bと、を備える。シェーディングデータを生成する際には、スキャンライン125から基準白板131を動かさずに1ラインのみを読み取ってシェーディングデータを生成してもよいし、原稿搬送方向190に基準白板131を移動させながらイメージスキャナ120が複数ライン読み取り、生成部452aが、複数ラインを読み取って得られた出力を平均化してシェーディングデータを生成してもよい。補正部452bは、生成部452aが生成したシェーディングデータを基に、読取部400から送られた撮像信号の輝度補正を行う。
黒レベル補正部451は、原稿101の読み取り開始直前に、読取用光源121が消灯した状態で受光素子123からの出力を取得し、この出力量に応じて黒レベル補正値を生成する。そして、原稿101の読取時に、メモリ453に展開された原稿101の撮像信号に対して黒レベル補正値を用いた補正を施す。シェーディング部452は、原稿101の読み取り開始直前に、読取用光源121を点灯させた状態で基準白板131からの反射光を受光素子123にて受光する。そして受光素子123の出力をシェーディング部452が取得し、この出力量に応じてシェーディングデータを生成する。そして、原稿101の読取時には、メモリ453に展開された原稿101の撮像信号に対してシェーディングデータを用いた補正を施す。黒レベル補正及びシェーディング補正がされた原稿101の撮像信号は、画像情報として画像処理部33に出力される。
次に、本実施形態に係る画像読取装置2の読取動作について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る読取動作の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、ユーザが原稿トレイ111に原稿101を置くと、原稿サイズセンサ112が遮光状態を検知し、CPU490が、原稿トレイ111上に原稿101があることを検知する(S701)。
原稿サイズセンサ112が原稿101を検知してから一定時間内に原稿挿入センサ114に反応がない場合、CPU490は原稿101の厚みが、厚み閾値(Nmm)以上あると判断し(S702/YES)、紙厚センサ212により、原稿101の厚みを検出する(S703)。そして、CPU490は、原稿101の厚みに応じて読取部カバー210の上昇幅を算出し、それに応じた制御信号をモータ駆動回路402に出力する。モータ駆動回路402は、カバー昇降用モータ301を駆動し、読取部カバー210を上昇させる(S704)。読取部カバー210の上昇後、操作者は、原稿101を原稿搬送方向190に沿ってさらに差し込み、原稿101の前端部を本体側前ローラ113に接触させて、原稿トレイ111上に原稿101を載置する。
CPU490は、読取用光源121が消灯した状態で受光素子123から出力を得て、黒レベル補正値を取得する。また、基準白板131をスキャンライン125に配置した状態で読取用光源121を点灯させる。そして、受光素子123から出力を得て、シェーディングデータを取得する(S705)。原稿101が厚み閾値未満の場合(S702/NO)、上記ステップS705へ進み、黒レベル補正値及びシェーディングデータを取得する(S705)。
シェーディングデータの取得が終了すると、CPU490は、モータ駆動回路402に対し各ローラを回転駆動させる制御信号を出力し原稿101の搬送が開始する(S706)。原稿101が搬送されて原稿挿入センサ114に達すると、原稿挿入センサ114が遮光されることにより、CPU490に検知結果が出力され原稿101の位置が検知される。原稿挿入センサ114からコンタクトガラス130の上流側端部までの距離、及び原稿搬送速度は既知であるので、CPU490は、予め原稿挿入センサ114からコンタクトガラス130の上流側端部までの所要通過時間(第一時間という)を算出しておく。そして、原稿挿入センサ114が原稿101の挿入を検知してからの経過時間を計測し、これが第一時間を超えると、モータ駆動回路402に対してスライドモータ141を正回転させる制御信号を出力する。スライドモータ141が回転駆動することにより歯車部143が回転する。そして、歯車部143が溝145にかみ合って連結部材144−1及びコンタクトガラス130が原稿搬送方向190へ押し出される。これにより、コンタクトガラス130と一体となって基準白板131がスキャンライン125から退避位置へと移動する(S707)。コンタクトガラス130は、原稿101の前端部がコンタクトガラス130に乗り始めてから、原稿101の搬送速度と同等又は原稿搬送速度よりも遅い速度でコンタクトガラス130をスライドさせることが望ましい。これにより、コンタクトガラス130のスライド移動に伴って生じる本体フレーム110の凹部110bとコンタクトガラス130との隙間に、原稿101の前端部が落ちて紙詰まりが生じることを防ぐことができる。
さらに原稿101が搬送されると、原稿101がスキャンライン125に到達し、原稿読取動作が実行される(S708)。
原稿101がさらに搬送されて、原稿挿入センサ114が再度光を検出し、この検出結果をCPU490へ出力する。原稿挿入センサ114からコンタクトガラス130の下流側の端部までの距離、及び原稿搬送速度は既知であるので、CPU490は、予め原稿挿入センサ114からコンタクトガラス130の下流側端部までの到達時間(第二時間という)を算出しておく。そして、原稿挿入センサ114が、原稿101の後端部の通過を検知してからの経過時間を計測し、これが第二時間を超えると、モータ駆動回路402に対してスライドモータ141を逆回転させる制御信号を出力し、基準白板131をスキャンライン125上に戻すため、コンタクトガラス130をスライドさせる(S709)。その後、原稿101は排紙トレイ23に排出され、原稿読取動作が終了する。
上記では、ステップS705の黒レベル、白レベルの取得処理を、ステップS704に続いて行うとして説明したが、ステップS705の黒レベル、白レベルの取得処理は、ステップS706の原稿搬送開始前に実行されていればよく、ステップS704の後に限らない。より具体的には、ステップS701において原稿の挿入を検知すると、ステップS702からステップS704までのいずれかの処理と並行して実行してもよい。例えば、ステップS702とステップS705とを並行して実行し、読取部カバー210の上昇動作(S704)が完了する前に、黒レベル、白レベルの取得処理(S705)が完了させておいてもよい。これにより、読取部カバー210の上昇動作からすぐに原稿搬送を開始(S706)することができる。この場合、読取部カバー210を上昇させてから(S704)、黒レベル、白レベルを取得し(S705)、原稿を搬送する(S706)という処理の流れと比較して、黒レベル、白レベルの取得(S705)に要する時間分、原稿挿入(S701)から原稿搬送開始(S706)までにかかる所要時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、基準白板131の読取面がコンタクトガラス130に密着して配置されている。このため、基準白板131の読取面に対して異物や汚れなどが付着することはなく、正確なシェーディングデータが提供される基準白板の状態を維持することが可能である。
また、基準白板131は、コンタクトガラス130の表面上であって原稿が搬送される側に配置されている。そして、基準白板131は、読取時にはスキャンライン上に配置されて読み取られる。これにより、信号処理部450がシェーディングデータを取得する。また、原稿読取時には、基準白板131はスキャンライン上から退避されるため、通常通り原稿を読み取ることが可能である。このような構成によれば、受光素子123に対する基準白板131の読み取り位置と原稿の読み取り位置とが同一になるため、基準白板の反射光と原稿の反射光との光路長の差に起因する減衰の影響を受けることなく、正確なシェーディングデータを取得することができる。
さらに、コンタクトガラスは、原稿の前端部がコンタクトガラスに乗り始めてからスライド移動を開始するので、原稿前端部がコンタクトガラスと本体フレームとの間に落ち込むことに起因する紙詰まりを防止することができる。
上記では、白基準部材として基準白板131を用い、これをコンタクトガラス130に固定したが、白基準部材の種類及びこれをコンタクトガラスに固定する態様は種々あり、上記の例に限定されない。以下、図8乃至図12に基づいて、白基準部材の別態様について説明する。図8は、変形例1に係る基準白板及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示し、(b)は、製造後の状態を示す。図9は、変形例2に係る基準白板及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示し、(b)は、製造後の状態を示す。図10は、変形例3に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図である。図11は、変形例4に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図であって、(a)は製造途中の状態を示す斜視図であり、(b)は、製造途中の状態を示す側面図である。図12は、変形例5に係る白基準部材及びコンタクトガラスを示す図である。
別態様の一例として、白基準部材として上記基準白板を用い、これをコンタクトガラスの上面に面一に固定する態様(変形例1)がありうる。変形例1では、図8の(a)に示すように、コンタクトガラス130の上面130aに凹部130bを設け、基準白板131を凹部130bにはめ込む。この際、基準白板131の上面(読取部カバー210との対向面)131bが、コンタクトガラス130の上面130aと同じ高さ(面一)になるように、凹部130bの深さを基準白板131の厚みに一致させる。これにより、図8の(b)に示すように、原稿搬送路が平らになり、紙詰まりを防ぐ。なお、原稿101の反射光と基準白板131の反射光との光路差をより小さくするために、基準白板131の厚み及び凹部130bの深さは、出来るだけ薄く、浅いものが望ましい。
また、変形例1とは異なる構成で、基準白板131をコンタクトガラス130の上面130aと同じ高さに配置した態様(変形例2)もある。変形例2では、図9の(a)に示すように、コンタクトガラス130の上面130aに基準白板131を固定する。そして、コンタクトガラス130の上面130aのうち、基準白板131が固定されていない部分に、基準白板131と同じ厚みを有する透明部材からなるスペーサ132を固定する。基準白板131及びスペーサ132の厚みを同じにすることにより、図9の(b)に示すように基準白板131の上面131b及びスペーサ132の上面132aが平らになる。なお、図9の(a)では、原稿搬送方向190に沿って基準白板131を挟んで二つのスペーサ132を配置したが、コンタクトガラス130の上流側端部または下流端部に基準白板131を固定し、コンタクトガラス130のうち基準白板131を固定していない部位を一つのスペーサで覆ってもよい。変形例1と比較すると、コンタクトガラス130及び基準白板131の固定作業が容易にできる。
さらに、白基準部材として基準白板131に代わりコンタクトガラス130の一部に白色材料を付着させる態様もありうる。変形例3では、図10に示すように、コンタクトガラス130の上面130aに塗料、シールなどの薄膜状の白色体133を付着させる。白色体133の材料を問わない。また、白色体133をコンタクトガラス130に付着させる手法は、蒸着、接着、塗布、貼付など白色体133の材料に合わせて種々ありうる。白色体133を薄膜状に付着させることで、その厚みは基準白板131に比べて薄くできるので、白色体133及びコンタクトガラス130を平らに形成することができる。そのため、白色体133の読取位置(白色体133とコンタクトガラス130との密着面)からイメージスキャナ120までの距離と原稿101の読取位置からイメージスキャナ120までの距離との差を、シェーディングデータの正確性という観点からは無視できる程度に形成することができる。さらに、白色体133とコンタクトガラス130の上面との段差がほとんど生じないので、紙詰まりを防ぐことができる。
上述の変形例1、2、3において白基準部材及びコンタクトガラスの上面が平らに形成され、これらの面が原稿搬送路となる。そこで、さらなる変形例(変形例4)として、図11に示すように、白基準部材及びコンタクトガラス130の上面を透明部材からなるカバー部材134で覆ってもよい。この際、カバー部材134は出来るだけ薄いものが望ましい。これにより、原稿搬送路での凹凸が無くなり、紙詰まりをさらに効果的に防ぐことができる。図11では、図8に示す変形例1の態様にカバー部材134を追加した例を示すが、変形例2、変形例3の態様にカバー部材134を追加してもよい。
また、変形例5として、紙詰まりを防止する観点から、白基準部材の形状を変更する態様もありうる。変形例5では、白基準部材の読取面とは反対側に、前記原稿の搬送方向の上流から下流に向かって白基準部材の厚みが増すように透明部材に対して傾斜した傾斜面を形成する。そして、この傾斜面を原稿の搬送路として用いる。例えば、白基準部材を、少なくとも一つの側面を白色面により形成した略三角柱状部材として構成する。そして、白色面を読取面として用い、透明部材に接触させて配置する。また他の二つの側面のうち上流に位置する側面を、原稿の搬送路として用いる。例えば、図12に示す白基準部材135は、略三角柱状部材として形成する。そして、一つの側面を白色面として形成する。その白色面をコンタクトガラス130に接触させて配置する。すなわち、白色面が、接触面135aであり、かつ読取面となる。また、略三角柱状部材の残り二つの側面のうち、原稿搬送方向190の上流に位置する側面を原稿搬送路として用いる傾斜面135bとして用いる。これにより、白基準部材135は、上流から下流に向けて、白基準部材135の厚みが増すようにコンタクトガラス130の上面130aに対して配置される。白基準部材135の読取位置は、コンタクトガラス130の上面130aと同じ高さとなるので、白基準部材135の読取位置からイメージスキャナ120までの距離と、原稿101の読取位置からイメージスキャナ120までの距離とが等しく、より正確なシェーディングデータが取得できる。さらに、白基準部材135に設けられた傾斜面135bに沿って原稿101が搬送されることで、コンタクトガラス130の上面130aと白基準部材135との段差に起因する紙詰まりを防ぐことができる。
1 画像形成装置
2 画像読取装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 原稿
110 本体フレーム
110a 上面
110b 凹部
111 原稿トレイ
112 原稿サイズセンサ
113 本懐側前ローラ
114 原稿挿入センサ
119 本体側後ローラ
120 イメージスキャナ
121 読取用光源
122 レンズ
123 受光素子
125 スキャンライン
126 光源用駆動回路
127 アナログ処理・A/D変換回路
128 タイミング信号発生回路
130 コンタクトガラス
130a 上面
130b 凹部
131 基準白板
131a 接触面
131b 上面
132 スペーサ
132a 上面
133 白色体
134 カバー部材
135 白基準部材
135a 接触面
135b 傾斜面
140 移動機構
141 スライドモータ
142 回転軸
143 歯車部
144−1、144−2 連結部材
145 溝
146−1、146−2 バネ
150 退避位置
180 原稿搬送用モータ
190 原稿搬送方向
210 読取部カバー
210a 下面
211 切欠き部
211a 搬送抑止面
211b 傾斜面
212 紙厚センサ
213 カバー側前ローラ
219 カバー側後ローラ
260 隙間
261 挿入口
300 カバー支持部
301 カバー昇降用モータ
400 読取部
401 原稿搬送用モータ
402 モータ駆動回路
450 信号処理部
451 黒レベル補正部
452 シェーディング部
452a 生成部
452b 補正部
453 メモリ
490 CPU
特開2004−282135号公報 特開2002−359731号公報

Claims (10)

  1. 撮像対象となる原稿を搬送する原稿搬送部と、
    前記原稿を読み取る読取部と、
    前記読取部に対向して配置され、前記原稿の撮像対象となる面が前記読取部とは反対側を搬送される透明部材と、
    前記透明部材を介して前記読取部と対向するように前記透明部材に配置された白基準部材と、
    前記透明部材を移動させる移動機構と、
    前記読取部が前記白基準部材を読み取って得られた出力を基に白基準データを生成する生成部と、
    前記白基準データを用いてシェーディング補正を行う補正部と、を備え、
    前記白基準部材は、前記読取部に対向する読取面が、前記透明部材の面であって前記読取部とは反対側の面に重なるように配置され、
    前記移動機構は、前記白基準データの生成に際して、前記白基準部材が前記読取部によって読み取られるように前記透明部材を移動させ、前記原稿の読み取りに際して、前記透明部材上を搬送される原稿が読み取られるように前記透明部材を移動させることを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1記載の画像読取装置であって、
    前記移動機構は、前記白基準部材を前記読取部による読取位置から退避させる際に、前記透明部材を前記原稿の搬送方向に沿って移動させることを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
    前記白基準部材は、白色の板状部材からなる基準白板であり、
    前記透明部材に前記基準白板の厚み相当の凹部を備え、その凹部内に前記基準白板を配置することを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
    前記白基準部材は、白色の板状部材からなる基準白板であり、
    前記透明部材の前記読取部とは反対側の面において、前記基準白板の面が重ならない部分に、前記基準白板の厚みと同じ厚みを有する透明部材からなるスペーサを配置することを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
    前記白基準部材は、前記透明部材における前記読取部とは反対側の面に白色材料を付着させて形成することを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一つに記載の画像読取装置であって、
    前記白基準部材及び前記透明部材を覆うカバー部材を備え、当該カバー部材における前記透明部材及び白基準部材との対向面とは反対側の面を平らに形成し、その反対側の面を前記原稿の搬送路として用いることを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
    前記白基準部材は、前記読取面とは反対側に、前記原稿の搬送方向の上流から下流に向かって前記白基準部材の厚みが増すように前記透明部材に対して傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面を前記原稿の搬送路として用いることを特徴とする画像読取装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の画像読取装置であって、
    前記読取部は、前記白基準部材を複数ライン読み取り、
    前記生成部は、前記複数ラインを読み取って得られた出力を平均化して前記白基準データを生成することを特徴とする画像読取装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の画像読取装置であって、
    前記原稿の搬送路を覆う読取部カバーと、
    前記読取部カバーを昇降可能に支持するカバー支持部と、を更に備え、
    前記カバー支持部による前記読取部カバーの上昇動作が完了するまでに、前記読取部が、前記白基準部材の読み取りを行うことを特徴とする画像読取装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一つに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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