JP2021044711A - 画像読取装置 - Google Patents

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秀則 砂田
朝弘 仲吉
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Abstract

【課題】原稿エッジの検出精度が向上した画像読取装置を提供する。【解決手段】搬送される原稿と原稿が搬送される領域に対向して設けられた基準部材とを走査して画像を読み取るリーダと、読み取られた画像を構成する画素の輝度を増幅する出力アンプとを有する画像読取装置である。読み取られた画像を構成する画素のうち、注目画素とその周辺の画素との輝度の最大値と最小値との差を求め、その差がしきい値より大きい場合に、注目画素は原稿のエッジを構成する画素の候補であるエッジ候補画素であると判定する。出力アンプにより画素の輝度を増幅した場合には、エッジ候補画素であるかを判定するためのしきい値の値を大きくして判定を行う【選択図】図19

Description

本発明は、原稿に形成された画像(以下、「原稿画像」という。)を読み取る画像読取装置に関する。
複写機等に設けられる画像読取装置においては、いわゆる自動原稿搬送装置(ADF: Automatic Document Feeder) を備えるものがある。ADFは、原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ給紙及び搬送を行う。画像読取装置は、これらの原稿から原稿画像を光学的に読み取って画像データにするスキャン動作を行う。画像読取装置は、原稿搬送路上を搬送される原稿に対して光を照射し、原稿面で拡散された光を反射ミラーやレンズといった光学部品を通してラインセンサで受光する。その結果、原稿に印刷された原稿画像が画像データに変換される。
原稿に光を照射する光源にはLEDが使用されている。特に複写機など原稿処理速度の速い読取装置では、白色LEDを主走査方向に複数個並べた照明を使用することが多い。しかし、使用するLEDの個数が多くなると、LED間の発光量のバラツキや一部のLEDの故障などにより、主走査方向の中で読み取った輝度に差が出てくる。そのため、原稿の読み取りの前に、予め画像読取装置内に設置された白基準板に対して読み取りを行い、読み取った輝度が同じレベルになるように主走査方向の各画素に対して補正を加える。このようにすることで、原稿読取時における輝度のばらつきが補正される。
白基準板読み取り時の輝度が画像読取装置の正常な動作に必要なレベルに達していないなどの状態においては、画像読取動作が保証できない。従って、この場合には画像読取装置全体を故障として動作を中止させる。動作を中止するための判定基準として、画像読取装置が故障したと判定するための白基準板読み取り時の輝度に対して所定のしきい値が設定される。白基準板読み取り時の輝度がこの所定のしきい値を下回った時には、画像読取装置が停止される。
しかし、読取装置内に一時的に結露が発生した場合、あるいは、砂埃が光学部品に堆積する場合もある。この場合、レンズやミラーなどの光学部品の反射率や透過率の低下により読取センサで得られる輝度値が低下する。その結果、光源や点灯回路に異常がなくても、画像読取装置全体が故障したものと扱われてしまう。特許文献1は、読取装置内に結露が発生した場合を想定した光量のチェック方法について記載している。特許文献1の画像読取装置は、白基準板の読み取り輝度値が基準値以上かどうかを光量確認部で判定し、基準値以下の場合は光量の再確認処理を実行する。
再確認処理では、光源の点灯時間の拡大/点灯電流の増大により、光源から照射される光量を増大させた状態で白基準板の読み取りが行われる。画像読取装置は、その結果得られた輝度値に対して、最初の基準値より小さい第二の基準値以上かどうかを判定する。
この画像読取装置では、再確認処理での読み取り輝度値が第二の基準値以上であれば、光源に異常は発生しておらず、機内に発生した結露もしくは光学部品の汚れによって読み取り輝度値が低下していると判定する。その後、原稿読取装置は、結露が発生していることを示す警告メッセージをディスプレイに表示し、原稿読み取りを実行するか否かをユーザに判断させている。
特許文献1では、上述した光量の再確認時に光源の点灯時間の拡大/点灯電流を行って光量を増大させている。しかし、製品コストを考慮すると、通常の原稿読み取り時には光源は最大、あるいは最大に近い光量で点灯されるので、予め故障を考慮して通常の原稿読み取り時の光量にマージンを設けることは稀である。そのため、上述した再確認処理では、光量自体を大きくすることは困難である。
従って、再確認処理では、読取センサで得られる輝度値をデジタル変換するまでの処理において、ゲインを大きくすることで、所望の輝度値を得ることが可能である。
特許第6188557号
所望の輝度値が得られるようにゲインを大きくした場合、輝度値が大きくなるので原稿が適切に読み取られたように見える。しかし、この場合、読取センサがアナログ的に読み取って実測された輝度値は低い値であり、ゲインを大きくすることで輝度値をデジタル的に大きく見せているので画像信号としてのS/Nは低い。そのため、原稿内の輝度の変化に対して読み取った画像の滑らかさは、光源の故障や結露、光学部品の汚れ等がなくS/N比が高い場合に比べて劣ることになる。
このようにS/N比が低い状態では、原稿を含めた画像を読み取ってその中から原稿の端部を検出する処理において、読み取った画像の端部の検出精度が低下することがある。原稿の折れやしわ、読み取り部の背面部材の汚れ等が端部検出時の画像処理におけるノイズとなって、原稿の端部と判定するための直線部の抽出に支障を起こすからである。原稿の端部の抽出精度が下がると、読み取った原稿の画像の傾き/位置をデジタル的に補正するための斜行検知制御の精度も下がる。また、原稿読み取り部に付着したゴミによるスジをデジタル的に消去する流し読みゴミ補正制御の精度も下がる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、原稿のエッジ検出精度が向上した画像読取装置を提供することを目的とする。
本発明の画像読取装置は、搬送される原稿または前記原稿が搬送される領域に対向して設けられた基準部材を走査して画像を読み取る画像読取手段と、前記読み取られた画像を構成する画素の輝度を増幅する増幅手段(出力アンプ216、116)と、前記読み取られた画像を構成する画素のうち注目画素とその周辺の画素との輝度が所定の判定基準を満たすか否かを判定し、その判定結果から、前記注目画素が、前記原稿のエッジを構成する画素の候補であるエッジ候補画素であるか否かの判定を実行する判定手段と、前記判定手段での判定結果に応じて前記読み取った画像から前記原稿のエッジを求めるエッジ取得手段と、を有し、前記判定手段は、前記増幅手段による前記輝度の増幅を行わずに前記判定を行う場合には第1判定基準を用いた第1判定を行い、前記増幅手段により増幅された前記輝度を用いて前記判定を行う場合には、前記画素を前記エッジ候補画素であると判定するための基準が前記第1判定基準よりも厳しい第2判定基準を用いた第2判定を行うことを特徴とする。
本発明によれば、画像読取装置における原稿のエッジ検出精度を向上することができる。
画像読取装置及び自動原稿給紙装置の断面図。 ADF、リーダ及びコントローラの機能ブロック図 圧板構成の画像読取装置の断面図。 光量調整における輝度補正の説明図。 光量調整における輝度補正の説明図。 シェーディング白板における輝度補正の説明図。 (a)は原稿の説明図、(b)は読み取られた原稿の画像の説明図。 原稿と表面ガラス対向部材と表面流し読みガラスとの位置関係の説明図。 読み取られた原稿の画像の説明図。 エッジ判定処理によって抽出された影の説明図。 (a)は読み取られた画素の説明図、(b)は原稿部分を抽出した画像の説明図。 補正前後の各原稿画像位置の説明図。 画素ごとのエッジ判定処理の説明図。 エッジ判定処理の説明図。 エッジ候補画素から抽出された原稿エッジ説明図。 (a)、(b)、(c)はエッジ判定処理の説明図。 起動時の光量調整におけるCPUの処理を示すフローチャート。 (a)、(b)、(c)は、増幅率設定値の説明図。 リーダの動作を表すフローチャート。 原稿のタイプの設定を促す画面の説明図。 リーダの動作を表すフローチャート。
第1実施形態
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<画像読取装置及び自動原稿給紙装置による画像読取シーケンス>
図1に、第1実施形態の画像読取装置及び自動原稿給紙装置(以下、「ADF」と記載する)の構成図を示す。この画像読取装置(以下、「リーダ」と記載する)200は、ADF100を備える。また、リーダ200は、図2に示す後述するコントローラ400に接続されている。
リーダ200は、読取対象の原稿が載置可能な原稿台ガラス209を備える。ADF100は、原稿台ガラス209上に対して開閉可能に設けられる。リーダ200は、ADF100により搬送される原稿の一方の面(表面)の画像を、ADF100内の搬送経路の所定の読取位置で読み取ることができる。また、リーダ200は、ADF100を用いずに、原稿台ガラス209に載置された原稿の画像を読み取ることができる。ADF100は、搬送中の原稿の他方の面(裏面)の画像をリーダ200の読取位置とは異なる読取位置で読み取ることができる。
ADF100は、1枚以上の原稿からなる原稿束Sが載置される原稿トレイ30と、原稿が1枚ずつ搬送される搬送経路と、搬送経路を搬送中の原稿から裏面の画像を読み取る裏面読取ユニット110と、読取後の原稿が排出される排紙トレイ10とを備える。
原稿トレイ30は、原稿の搬送方向に直交する方向(幅方向)に2つ設けられるガイド板31、原稿束Sのサイズ検知用(原稿の搬送方向の長さ)センサである原稿長センサ17、18、及び原稿有無検知センサ11を備える。ガイド板31は、原稿トレイ30に載置される原稿束Sを幅方向に整合させる。2つのガイド板31の間隔により、原稿トレイ30に載置された原稿束Sの原稿幅が検知される。原稿長センサ17、18は、原稿トレイ30上の原稿の搬送方向に並んで配置され、原稿を検知する。原稿長センサ17、18の検知結果により、原稿束Sの原稿の搬送方向の長さ(原稿長)が判定される。原稿有無検知センサ11は、原稿トレイ30上の原稿の有無を検知する。
搬送経路には、原稿を1枚ずつリーダ200の読取位置(表面流し読み位置)及び裏面読取ユニット110の読取位置(裏面流し読み位置)を経由して排紙トレイ10へ排出するための構成が設けられる。以下の説明において、「上流」は原稿の搬送方向の上流側、「下流」は原稿の搬送方向の下流側である。
原稿を1枚ずつ原稿トレイ30からリーダ200の読取位置へ搬送するために、上流側から順に、給紙ローラ1、分離ローラ2及び分離パッド21、引抜ローラ3及び搬送ローラ4が設けられている。更に、搬送ローラ4の下流には、表面読取搬送ローラ5及び表面読取上流ローラ51が設けられている。原稿をリーダ200の読取位置から裏面読取ユニット110の読取位置へ搬送するために、上流側から順に、表面読取下流ローラ52、裏面読取搬送ローラ7が設けられている。原稿を裏面読取ユニット110の読取位置から排紙トレイ10へ排出するための構成には、上流側から順に、裏面読取下流ローラ54及び排紙ローラ9が設けられている。
給紙ローラ1と、分離ローラ2及び分離パッド21とは、搬送開始前に原稿束Sが原稿トレイ30から突出して搬送経路に進出することを規制する。給紙ローラ1は、給紙を行わない場合に原稿トレイ30の上方に待避しており、給紙開始時に、原稿トレイ30に載置される原稿束Sの最上位の原稿に落下して回転する。これにより原稿は搬送経路に導かれる。分離ローラ2及び分離パッド21は、給紙ローラ1によって給紙された原稿を1枚に分離する。この分離は公知の分離技術によって実現されている。分離ローラ2は、分離した原稿を引抜ローラ3へ搬送する。引抜ローラ3は、分離ローラ2及び分離パッド21により1枚に分離された原稿を搬送ローラ4へ搬送する。搬送ローラ4は、原稿を表面読取搬送ローラ5へ搬送する。
表面流し読み位置は、表面読取上流ローラ51と表面読取下流ローラ52との間に設けられる。表面読取搬送ローラ5及び表面読取上流ローラ51は、原稿を表面流し読み位置に搬送する。表面流し読み位置には表面ガラス対向部材6が設けられる。原稿は、表面ガラス対向部材6の下方を通過する間にリーダ200により表面が読み取られ、表面読取下流ローラ52により裏面流し読み位置へ搬送される。
裏面流し読み位置は、裏面読取上流ローラ53と裏面読取下流ローラ54との間に設けられる。裏面読取上流ローラ53は、原稿を裏面流し読み位置に搬送する。裏面流し読み位置には裏面ガラス対向部材8が設けられる。原稿は、裏面読取上流ローラ53と裏面読取下流ローラ54との間を通過する間に裏面読取ユニット110により裏面が読み取られ、裏面読取下流ローラ54により排紙ローラ9へ搬送される。排紙ローラ9は、搬送されてきた原稿を排紙トレイ10へ排出する。
搬送経路には、上流側から順に、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15、排紙センサ16が設けられる。各センサは、搬送されるゲンクを検知する。搬送経路の各ローラは、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15、排紙センサ16の検知結果に応じて駆動タイミングが制御される。また、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15、排紙センサ16の検知結果により、原稿の搬送トラブル(ジャム等)が検知される。
裏面読取ユニット110は、裏面流し読みガラス101、光源103a、103b、反射ミラー104a、104b、104c、及びCCD(Charge Coupled Device)センサ111を備える。裏面流し読みガラス101は移動可能であり、裏面ガラス対向部材8に対向して配置される。原稿は、裏面流し読みガラス101と裏面ガラス対向部材8との間を通過する。光源103a、103bから出射される光は、裏面流し読みガラス101を介して裏面流し読み位置を通過する原稿を照射する。原稿に照射された光の反射光は、裏面流し読みガラス101を介して反射ミラー104a、104b、104cに反射されてCCDセンサ111に受光される。CCDセンサ111は、受光素子としてCCD素子を用い、原稿による反射光をCCD素子で受光することで画像を読み取る。CCDセンサ111は、受光した反射光により、裏面の原稿画像を表す画像データを生成する。なお、裏面読取ユニット110の裏面流し読みガラス101の外側には、裏面読取ユニット110のシェーディング補正に用いられる裏面シェーディング白板102が設けられる。
リーダ200は、原稿台ガラス209と同じ面に設けられる表面流し読みガラス201及び表面シェーディング白板202と、表面読取ユニット210と、を備える。表面流し読みガラス201は、表面流し読み位置に対応し、表面ガラス対向部材6に対向する位置に設けられる。原稿は、表面流し読みガラス201と表面ガラス対向部材6との間を通過することになる。表面シェーディング白板202は、表面読取ユニット210のシェーディング補正に用いられる。
表面読取ユニット210及び裏面読取ユニット110は、いずれも同様の構成を有するCCDセンサユニットであり、光源203a、203b、反射ミラー204a、204b、204c、及びCCDセンサ211を備える。光源203a、203bから出射される光は、表面流し読みガラス201を介して表面流し読み位置を通過する原稿を照射する。原稿に照射された光の反射光は、表面流し読みガラス201を介して反射ミラー204a、204b、204cに反射されてCCDセンサ211に受光される。CCDセンサ211は、受光素子としてCCD素子を用い、原稿による反射光をCCD素子で受光することで画像を読み取る。CCDセンサ211は、受光した反射光により、表面の原稿画像を表す画像データを生成する。
表面読取ユニット210は、ADF100により搬送中の原稿から画像を読み取る場合には、図示の位置(表面流し読みガラス201の直下)から移動しない。表面読取ユニット210は、原稿台ガラス209に載置された原稿から画像を読み取る場合には、図中右方向に移動しながら原稿画像を1ラインずつ読み取ることになる。
<ブロック図の説明>
図2に、図1に示すADF100、リーダ200及びコントローラ400機能ブロック図を示す。図2において、ADF100、リーダ200、及びコントローラ400の説明図である。これらADF100、リーダ200、及びコントローラ400はバスBを介して通信可能に接続され、所定の制御手段により制御される。図1の例では、リーダ200のCPU321がこれらADF100等を制御する。なお、図3に示す圧板モデルでは、ADF100が設けられていないので、図2のADF100に示される裏面読取ユニット110等の制御ブロックは使用されないことになる。
図2において、リーダ200のCPU321は、バスラインを介してプログラム格納ROMであるROM322、ワークRAMであるRAM323に接続されている。CPU321は、ROM322に格納された制御プログラムをRAM323に展開して実行し、ADF100に接続される出力ポート及び入力ポートを経由してADF100における原稿搬送を制御する。
ADF100の出力ポートには、各種搬送用のローラを駆動する搬送系モータ121、裏面流し読みガラス101を移動させるガラスモータ122、原稿の裏面を照射する裏面用光源ランプ103が接続されている。ADF100の入力ポートには、図1に示される原稿有無検知センサ11及び原稿を搬送するためのタイミング生成に用いる搬送系センサ120が設けられている。搬送系センサ120には、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15、及び排紙センサ16が含まれる。また、ADF100の入力ポートには、読み取るべき原稿束が積載される原稿トレイにおいて原稿の大きさを取得するサイズ検知用センサ130が接続されている。サイズ検知用センサ130には、原稿長センサ17及び18及び図示しないトレイガイド幅検知センサが含まれる。
また、ADF100の入力ポートには、裏面読取ユニット110も接続されている。裏面読取ユニット110には、CCDセンサ111、CCDセンサ111で読み取ったアナログ信号にゲインを加えるアナログゲイン117、アナログ信号レベルをA/D変換するためのA/D変換部118が含まれる。CCDセンサ111は、入射光からアナログの電気信号に変換する3色のラインセンサ112、ラインセンサ112からのアナログ電気信号の出力のオフセットレベルを調整するオフセット調整回路113、及びゲイン回路114を有する。ゲイン回路114は、オフセット調整後のRed(以降Rと略す)、Green(以降Gと略す)、Blue(以降Bと略す)の3色の信号レベルをそろえるために色ごとに独立して増幅を行う列アンプ115を有する。更に、ゲイン回路114は、列アンプ115で増幅後のアナログ信号レベルをR、G及びBを一律に増幅させる出力アンプ116を有する。
図2のリーダ200のCPU321は、ADF100の制御とリーダ200とを制御する。リーダ200のバックアップ部330は、制御に使用する作業用データの一部あるいは画像読取装置ごとにそれぞれ設定を行う場合の設定値をバックアップする。バックアップ部330は、また、ゲイン回路114や出力アンプ216等の調整結果もバックアップ可能である。
光学系モータ326は、光学系駆動モータを駆動させるためのドライバ回路である。リーダ200には、光源ランプ203、表面読取ユニット210及びリーダセンサ327が接続されている。表面読取ユニット210は、CCDセンサ211、ゲインセンサ214、アナログゲイン217及びA/D変換部218を有する。CCDセンサ211は、ラインセンサ212、オフセット調整回路213を有する。ゲインセンサ214は、列アンプ215及び出力アンプ216を有する。
CPU321は、光学系モータ326を制御し、画像処理部325を介して表面読取ユニット210を制御することで画像読み取り処理を実行する。画像処理部325には、画像メモリ329が接続されている。また、画像処理部325の内部には、シェーディングRAM331、シェーディング補正回路332、斜行検知回路333、斜行補正回路334が設けられている。
表面読取ユニット210は、ADF100に積載された原稿の表面画像を読み取るだけではなく、原稿台ガラス209に載置された原稿の画像も読み取る。リーダセンサ327には、リーダ200に対するADF100の開閉を検知する圧板開閉検知センサや、原稿台ガラス209に載置された原稿の長さを検知するための圧板サイズ検知センサ等が含まれる。
紙搬送を実現するために、CPU321は、搬送パス上に設置されている原稿有無検知センサ11、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15及び排紙センサ16をモニタする。また、CPU321は、負荷である搬送系モータ121及びガラスモータ122を駆動する。CPU321は、ADF100における原稿の搬送制御と表面読取ユニット210及び裏面読取ユニット110での画像読み取り処理の同期を行うことで、所望の原稿画像の読み取りを実現している。
CPU321は、紙間補正を行う紙間補正処理部324の制御も行う。以下の説明において、リーダ200及びADFにおける各処理は、CPU321の制御により行われる。図1及び図2に示される表面読取ユニット210上に結像された画像信号は、デジタル画像データに変換される。変換された画像データは、読み取り画像データ通信線354を通じて画像処理部325に転送される。その後、転送された画像データには、シェーディング処理や画像データ上のスジ画像等のゴミ画像の検知及び補正、原稿の傾き量の検知及び補正等の各種画像処理が行われ、そのための作業領域として画像メモリ329が利用される。画像処理部325で処理された画像データは、順次、画像転送用クロック信号線を含むコントローラインターフェースのための画像通信線353を通じてコントローラ400へと送信される。
CPU321は、原稿画像データの先端の基準となる画先信号を出力するタイミングを調整し、コントローラインターフェース制御通信線352を通してコントローラ400へと通知する。
図2における画像処理用のコントローラ400を説明する。コントローラ400は、画像読取装置としてのリーダ200及び原稿搬送装置としてのADF100を含む画像読み取りシステムとして全体を制御する装置である。コントローラ400には、制御部401、変倍回転等の画像制御を行うための画像処理制御回路402、補正回路403、画像メモリ404及び操作部405を有する。
画像処理部325を経由してコントローラに送られてきたデジタル画像データは、画像処理制御回路402により画像制御をされた後、補正回路403へ送信される。そして、補正回路403は、画像信号に対して色味などの補正処理を行い、画像メモリ404に書き込む。以上の処理が原稿画像領域の画像データに対して実行されて原稿の読み取り画像が生成される。
第1実施形態では、操作部405はタッチパネルとなっており、ユーザからのシステム全体に対する画像読み取り動作指示を受け付ける。また、操作部405は、制御部401と通信して読み取られた画像やユーザに対してサービスマンによる清掃が必要である等の情報を表示するための表示部としても機能する。
<圧板構成の画像読み取り処理>
次に、図3に、第1実施形態のリーダ200の他の構成例として、圧板構成の画像読取装置の断面図を示す。リーダ200は図1に示されるリーダ200と同様であるが、図3においてはADF100の代わりに圧板230が設けられている。図3の例では、リーダ200はADF100を有していない。この場合、画像読み取り処理において、光源ランプ203と反射ミラー204とを有する表面読取ユニット210は、CPU321の制御の下で図3の矢線方向(副走査方向)に移動する。その結果、原稿台ガラス209上に載置された原稿画像の画像情報が光学的に1ラインずつ読み取られる。CPU321は、読み取られた画像情報を光電変換して図示しないコントローラ400に画像データとして転送する。
表面シェーディング白板202は、シェーディングによる白レベルの基準データを作成するための基準部材としての白板であり、原稿が搬送される領域に対向して設けられている。CPU321は、読み取りジョブ開始直後に、表面読取ユニット210を表面シェーディング白板202直下まで移動させて表面シェーディング白板202を読み取ることでシェーディングを実施する。
<ADFからの原稿給紙及び読み取り処理>
ADF100の動作について、図1を参照しながら説明する。以下の動作はCPU321により制御される。
<片面原稿読み取り>
ADF100を使用した片面原稿読み取り動作(片面流し読み)について詳細に説明する。ADF100には、1枚以上の原稿シートで構成される原稿束Sを積載する原稿トレイ30が設けられている。また、原稿の搬送開始前に原稿束Sが原稿トレイ30より突出して下流に進出してしまわないように原稿束Sを規制する分離パッド21及び分離ローラ2と給紙ローラ1とが設けられている。原稿トレイ30には、原稿有無検知センサ11が設けられており、原稿トレイ30上の原稿の有無を判定することが可能となっている。
給紙ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿束Sの原稿面に落下して回転する。これにより、原稿束の最上面の原稿が給紙される。給紙ローラ1によって給紙された原稿は、分離ローラ2と分離パッド21の作用によって1枚に分離される。この分離は公知の分離技術によって実現されている。分離ローラ2と分離パッド21によって分離された原稿は、引抜ローラ3によって搬送ローラ4へ搬送される。搬送ローラ4の下流側には、搬送ローラ4を通過した原稿を表面流し読みガラス201方向へ搬送する給紙路が配置されている。
給紙路に送られた原稿は、表面読み取り搬送ローラ5及び表面読取上流ローラ51、表面読取下流ローラ52によって表面流し読み位置に搬送される。表面流し読みガラス201と表面ガラス対向部材6との間を通過する原稿の表面は光源ランプ203a、203bで照射される。その反射光は、複数の反射ミラー204a、204b、204cで屈曲され、表面読取ユニット210によって原稿の表面画像を1ラインずつ読み取られる(表面読み取り)。
表面読取下流ローラ52により搬送された原稿は、裏面読み取り搬送ローラ7及び裏面読取上流ローラ53、裏面読取下流ローラ54によって搬送された後、排紙ローラ9によって排紙トレイ10まで搬送される。原稿が原稿トレイ30上に複数枚有る場合には、最終原稿の表面読み取り及び排紙トレイ10への排紙が終了するまで、前述の原稿束Sからの給紙等の処理を繰り返す。詳細には、分離、搬送処理、表面流し読み位置での片面読取処理、及び排紙処理等の処理を繰り返す。
<両面原稿読み取り>
ADF100を使用した両面原稿読み取り動作(両面流し読み)について説明する。両面流し読みは、片面流し読みにおける原稿表面の読み取りに、原稿裏面の読み取り動作を加えたものである。原稿の給紙、分離、搬送、及び表面読み取りについては前述の片面読み取り時と同様であるので説明を省略する。
表面読取下流ローラ52により搬送された原稿は、裏面読み取り搬送ローラ7及び裏面読取上流ローラ53、裏面読取下流ローラ54によって裏面流し読み位置に搬送される。原稿が裏面流し読み位置に達するより前に、移動可能に構成された裏面流し読みガラス101を図1に示す位置に移動させておく。裏面流し読みガラス101と裏面ガラス対向部材8の間を通過する原稿の裏面は光源103a、103bで照射される。その反射光は、複数の裏面反射ミラー104a、104b、104cで屈曲され、裏面読み取り用CCDセンサ111によって原稿の裏面画像が読み取られる(裏面読み取り)。裏面読取下流ローラ54により搬送された原稿は排紙ローラ9によって排紙トレイ10まで搬送される。
原稿が原稿トレイ30上に複数枚有る場合には、最終原稿の表面読み取り、裏面読み取り及び排紙トレイ10への排紙が終了するまで、前述の原稿束Sからの給紙等の処理を繰り返す。詳細には、分離、搬送処理、表面流し読み位置及び裏面流し読み位置での表裏それぞれの読取処理、及び排紙処理等の処理を繰り返す。
<搬送制御>
給紙ローラ1、分離ローラ2、引き抜きローラ3、搬送ローラ4、読み取り上流ローラ5、表面読取上流ローラ51、表面読取下流ローラ52、裏面読み取り搬送ローラ7は、原稿の搬送に用いられるローラである。また、裏面読取上流ローラ53、裏面読み取り下流ローラ54及び排紙ローラ9も、原稿の搬送に用いられるローラである。これらのローラは、図2に示される搬送系モータ121を駆動源として回転する。搬送系モータは1つまたは複数のモータで構成されており、図1では記載が省略されている。
原稿の給紙、分離、搬送、表面流し読み位置及び裏面流し読み位置での読み取り、及び排紙の処理で、搬送経路の各所に設けられた分離後センサ12等の各種センサにより原稿の有無または搬送経路上の位置が検知される。その後、CPU321は、検知結果に応じて各種処理を実行する。例えば、CPU321は、リードセンサ15の検知結果から搬送中の原稿の先端を検知する。その後、CPU321は、リードセンサ15の原稿先端検知タイミングとリードセンサ15から表面流し読み位置までの距離に基づいて、表面流し読み位置での読み取り開始を制御する。同様に、CPU321は、リードセンサ15の原稿先端検知タイミングと、リードセンサ15から裏面流し読み位置までの距離とに基づいて、裏面流し読み位置での読み取り開始を制御する。
CPU321は、ADFからの原稿の給紙及び搬送動作において、分離後センサ12、引抜センサ13、レジセンサ14、リードセンサ15、排紙センサ16の検知結果から、原稿ジャムが発生したか否かを判定する。例えば、上述したセンサのいずれかにおいて、原稿有りのまま、もしくは原稿なしのままの状態が所定時間以上続いた場合、原稿ジャムが発生したと判定する。
<光量調整>
表面シェーディング白板202及び裏面シェーディング白板102は、電源投入後の光量調整及び読込ジョブごとのシェーディング実施による白レベルの基準データを作成するための白板である。表面シェーディング白板202を用いた光量調整について説明を行う。特段の記載がない限り、以下の処理はCPU321によって実行される。CPU321は、光学系モータ326を駆動させて、表面読取ユニット210内のラインセンサ212で読み取る領域を、表面シェーディング白板202の位置に合わせるようにする。次に、CPU321は、光源ランプ203を消灯させた状態でラインセンサ212での1ライン分の読み取りを3色分実行する。その読み取りで得られた消灯時用の輝度データが所定の範囲に入るようにオフセット調整回路213を駆動する。
その後、CPU321は光源ランプ203を点灯させ、R、G、Bそれぞれの輝度データのレベルを合わせる。図4に、光量調整における輝度補正の説明図を示す。この図において、縦軸は輝度レベル、横軸は主走査位置、横軸の原点は装置の最も手前側の位置を表す。横軸の値が大きくなるにつれて主走査位置は装置奧側に移動する。後述する図5及び図6においても同様である。
光源ランプ203の色は白色で、ラインセンサ212は3色分それぞれ存在することから、得られるR、G、Bのそれぞれの輝度レベルには図4のように差が生じる。なお、輝度レベル896は、第1実施形態における所望の輝度レベルである。図示されるように、Gの感度が高い傾向があることからラインセンサ212のGで読み取った輝度レベルが一番高くなり、Rの感度が一番低くなっている。また、A/D変換部218で変換された10bitのデジタル値がシェーディングRAM331に格納されており、CPU321は、この格納されたデジタル値を読み出して輝度レベルを判定している。
CPU321は、R、G、Bのそれぞれの輝度レベルを合わせるために、列アンプ215を用いてBとRのアナログ信号レベルを増幅させる。第1実施形態では、CPU321はGの最大輝度レベルに対するBとRの最大輝度レベルの比率をそれぞれ求め、この比率が1となるようにBとRのアナログ信号レベルをそれぞれ増幅させる。これにより、光源ランプ203で表面シェーディング白板202を照射して得られた反射光の輝度レベルをRとGとBで合わせることができる。
図4においてRとBをGのレベルに合わせた状態での、光量調整における輝度補正の説明図を図5に示す。図4と同様に、図5の縦軸は輝度レベル、横軸は主走査レベルを示す。
図5においては、R、G、Bの各輝度レベルが概ね揃っていることが示される。しかし、図4及び図5に示されるように、Gの輝度レベルは、所望のレベルである896よりも低い。従って、表面シェーディング白板202を読み取っても暗い画像になる。そこで、所望の輝度レベル(第1実施形態では896)を得るために、アナログゲイン217及び出力アンプ216でR、G、Bそれぞれのアナログ信号を全体的に増幅させる。
図5の場合、所望の輝度レベルが896であることから、Gの最大輝度レベルの値と所望の輝度レベル値である896との比率から必要なゲインを設定する。例えば、Gの最大輝度レベルが800である場合、必要なゲインは(896/800)となる。アナログゲイン217は、CCDセンサ211での読み取り時における読取感度を設定する。この読取感度は、読み取った光量の増幅倍率としても表される。読み取られた光量が低い場合でもアナログゲイン217の読取感度を高くすることで、画素の輝度値をアナログ的に増幅することができる。なお、出力アンプ216は、CCDセンサ211内でのアナログ信号処理の影響で周期的なパターンノイズの影響が出やすく、かつ増幅レベルの刻みもアナログゲイン217に比べて大きい。従って、好ましくはアナログゲイン217による増幅処理を優先的に使用する。この処理により、表面シェーディング白板202を読み取った時に、所望の輝度を有する白色の画像が得られるようになる。
このように、R、G、Bの輝度レベルが所定の値に達していても、輝度の読取値を増幅させている場合、輝度の読取値を増幅していない場合に比較して、輝度値の精度は低くなる。換言すれば輝度の分解能が低くなっている。また、輝度の値をアナログゲイン217のみで増幅した場合、アナログゲイン217と出力アンプ216とを用いて増幅した場合、及び出力アンプ216のみで増幅した場合のそれぞれにおいて、輝度値の精度あるいは分解能は異なる。
以上の例では表面について説明したが、裏面についても同様である。裏面の場合、CPU321は、裏面用光源ランプ103で裏面シェーディング白板102を照射して得られた反射光を裏面読取ユニット110で読み取る。そして、上述した表面における場合と同様に、シェーディングRAM331も利用して必要なゲインを設定する。
<シェーディング制御>
CPU321は、原稿の読み取り前に、表面シェーディング白板202及び裏面シェーディング白板102を表裏それぞれの表面読取ユニット210、裏面読取ユニット110で読み取る。その後に読み取られたデータを処理することで、表裏それぞれの基準データを作成する。具体的には、シェーディングを行う前のCCDセンサの各画素の輝度変換特性はばらついている。そのため、シェーディング白板は主走査方向に一様に白色度が保証されているにもかかわらず、シェーディング白板を読み取った時の輝度は必ずしも一様にはならない。
図6に、シェーディング白板における輝度の補正の説明図を示す。図6に示されるグラフは、ジョブ開始時におけるシェーディング補正前のレベルを表す。図示されるように、シェーディング白板を読み取った輝度レベルは、主走査方向の中央部が高くなることが多い。一方で、シェーディング白板を読み取った時の理想的な輝度レベルは図6に示される破線の目標レベル(1023)である。CPU321は、輝度レベルが目標レベルに到達するように、R、G、B各色の主走査方向に並ぶ画素全てに対して個別にシェーディング補正係数(以下、単に補正係数と記載する)を算出してシェーディング補正回路332に設定する。
CPU321は、原稿読み込み時にシェーディング補正回路332に設定された補正係数を有効にして、画素ごとに補正係数を用いて輝度値を補正する。その結果、シェーディング白板の白さを基準とした原稿の画像データが得られる。図6の例では輝度値の目標レベルは10bitデータの最大値である1023としている。従って、シェーディング白板と同じ輝度で読み取られた原稿が、R、G、Bがいずれも最大値である完全な白となるようにしている。これらのことからR、G、Bの各画素の補正係数は以下の式1で得られる。
補正係数=1023÷得られた輝度レベル (式1)
具体的な数字で説明すると、ある画素においてシェーディング白板を読み取った時の輝度レベルが800である場合、補正係数は1023÷800=1.27875として算出する。従って、補正係数は1.27875となり、この画素の実際に読み取られた輝度レベルにはこの値が乗算される。この補正係数はシェーディング補正回路332として最大で8にまで設定可能である。
しかし、補正係数が8に達すると、シェーディング補正前の信号でノイズにより輝度レベルが1ずれるとシェーディング補正後の輝度レベルでは8も変化する。このように、補正係数が大きいほどS/Nは低下することになる。第1実施形態では、シェーディング補正回路で補正係数が7倍以上の設定になった画素が現れた場合、CPU321は、読取装置として保障すべき画質が保てないとして装置の故障と判定する。この場合、CPU321は、ユーザに対して、操作部405を通じてサービスマンによる反射ミラー204や光源ランプ203の清掃もしくは交換の対応が必要であるとの表示を行う。
裏面シェーディング白板102は、ガラスモータ122により移動可能に構成された裏面流し読みガラス101に貼り付けてある。CPU321は、裏面読取ユニット110との対向面に裏面シェーディング白板102が位置するように裏面流し読みガラス101を移動させる。これにより裏面シェーディング白板102が読み取り可能になる。裏面シェーディング白板102の読取後、CPU321は、裏面流し読みガラス101を図1に示す位置に移動させて原稿読み取りを行う。
CPU321は、原稿台ガラス209上に原稿を載置した場合、ADF100の原稿トレイ30上に原稿を載置して流し読みを行う場合のいずれにおいても、読み取り開始時にこの処理を実行する。この処理は、必要に応じて、読み取り対象の表面読取ユニット210、裏面読取ユニット110のそれぞれまたは一方に対して実行される。
<画像による斜行検知制御>
搬送制御の説明で記載したように、CPU321は、リードセンサ15で原稿先端が検知されたことを基準にして原稿読み取りを開始する。この際、CPU321は、原稿が表面流し読みガラス201上の表面流し読み位置よりも所定距離手前の位置に到達したタイミングから画像の読み取りを開始している。原稿の搬送中の斜行による画像欠けを防ぐために、原稿がADF100での斜行許容範囲の上限で斜行していた場合であっても画像が欠けないようにするためである。
このように、CPU321は、リードセンサ15で検知された原稿先端が表面流し読みガラス201上の表面流し読み位置に到達するよりも先に画像の読み取りを開始している。
図7(a)に、原稿の説明図を、図7(b)に、読み取られた原稿の画像の説明図を示す。図7(b)に示されるように、読み取られた画像には、その背景として表面ガラス対向部材6を読み取った画像が含まれる。この読み取った画像に対して、CPU321は、画像処理部325内の斜行検知回路333を用いて、原稿と表面ガラス対向部材6との境界を判定する。詳細には、原稿先端が表面ガラス対向部材6に到達した時点では、原稿先端はどの部材にも挟持されていないので、原稿とその背景との境界部には細い影が出現する。CPU321は、この影を検出して原稿と表面ガラス対向部材6との境界を抽出する。
図8に、原稿先端が表面ガラス対向部材6に到達した時点での原稿と表面ガラス対向部材6と表面流し読みガラス201との位置関係を示す。図示されるように、原稿はどの部材にも挟持されていないので、表面ガラス対向部材6との間に隙間がある。
図9に、表面読取ユニット210で読み取った原稿の画像を示す。図示されるように、原稿の読取を行うと、原稿と背景との境界部に細く影が現れる。CPU321は、画像処理部325を用いて後述のエッジ判定処理によってこの影を抽出する。
図10に、エッジ判定処理によって抽出された影の説明図を示す。斜行検知における原稿と背景部の境界が出現していることが図10により示される。その後、CPU321は、影が矩形になるように、黒色画素が連続する位置を抽出することで原稿の四隅を決定し、読み取り画像中の原稿の位置と幅と斜行角度とを検出する。
<画像による斜行補正制御>
表面読取ユニット210を用いて読み取られた画像は、原稿が斜行した状態の画像のままで読取用の画像メモリ329に格納される。画像メモリ329に格納された画像をコントローラ400に送信する際に、斜行検知回路333で検知された原稿の位置と幅と斜行角度の結果に従って、斜行補正回路334を用いて原稿部分を抽出して画像データの斜行を補正する。
斜行補正における各画素及び画像全体の説明図を示すために、図11(a)に、読み取られた画素の説明図を、図11(b)に、原稿部分を抽出した画像の説明図をそれぞれ示す。画像による斜行検知制御の説明で記載したように、原稿の幅と斜行角度を検出することが可能である。CPU321は、原稿の画像データをコントローラ400に送信する際に各画素データが所定の順番で送信されるように、画素データの送信順を制御する。
図11(a)は、斜行した状態での画像であり、一つの四角の領域が一画素分を表す。また、図11(a)、(b)において、斜線で示された画素は原稿影であると検知された画素であり、点線は原稿端を表す。また、点線で囲まれた範囲が原稿の画像であり、点線で囲まれた範囲外の領域は、原稿外の領域として無効にする。CPU321は、この画像内の原稿の端部(図11(a)における点線部)の影を検出し、斜線の領域の内側を画素単位での原稿の端部とする。
原稿の4隅、つまり、原稿先端と原稿左端との交点、原稿先端と原稿右端との交点、原稿後端と原稿左端との交点、及び原稿後端と原稿右端との交点に囲われた矩形の領域が、原稿内の領域にある画像として扱われる。従って、原稿先端と原稿左端との交点と、原稿先端と原稿右端とを結ぶ線分が原稿先端に相当する。CPU321は、コントローラ400に画像データを送る場合、1ページの先頭を示す副走査基準信号であるVsync信号を送信し、さらに主走査方向の先頭を示す信号であるHsync信号を送信する。その後、原稿左端側から1ライン分の画素データを順番に1画素ずつ画像データを送信する。先頭の1ライン分の画像の転送が完了し後、CPU321は、再びHsync信号を送信し、次の1ライン分の画像を転送する。
図11(a)内の1−1、1−2、1−3、・・・のそれぞれ領域は、コントローラ400に転送される1画素に対応する。m−n(m、nは整数)の領域は、原稿内で先頭からm番目のラインにある、左端からn番目の画素を示す。図11(a)の例では、CPU321は、原稿内の左上隅の画素から右隣にある画素を順次コントローラ400に送信する。右隣の画素が原稿外の画素である場合、または、既にコントローラ400に送信済みの画素である場合には、当該画素の真下の画素(図11(a)において1つ下の段にある画素)をコントローラ400に送信する。原稿右端の画素に到達した場合には、CPU321は、原稿内でコントローラ400に送信されていない画素のうち左上隅(左端かつ一番上)の画素に移動して、順次画素をコントローラ400に送信する。
図11(a)を参照すると、CPU321は、原稿内の画素のうち左上隅の画素を画素1−1としてコントローラ400に送る。次に、画素1−1の右隣は影、つまり原稿外の画素であるので、この画素の真下にある画素を画素1−2としてコントローラ400に転送する。
画素1−2の右隣の画素は原稿外の画素ではなく、既に転送済みの画素でもないことから、CPU321は、この右隣の画素を画素1−3としてコントローラ400に送信する。このように、CPU321は、順次右隣の画素をコントローラ400に送信し、画素1―10に到達した場合、原稿内でコントローラ400に未送信の画素のうち左上隅の画素である画素2―1をコントローラ400に送信する。
このようにして、原稿内の画素にはそれぞれ画素1−1から画素9−10までの番号が割り振られてコントローラ400に送信される。コントローラ400は、このように送信された画素をそのままラインごとに順番に並べることで、図11(b)に示されるように元原稿の画像を再現することができる。CPU321は、画像メモリ329に格納された画像データをコントローラ400へと送信する順番を制御することで斜行を補正することができる。この画像データにおいて、原稿画像の回転を補正した後の原稿先端位置に対して、主走査方向において原稿の先端と左端の交点と、先端と右端の交点とから、原稿読み取り時の原稿の位置を求めることができる。
図12に、補正前後の各原稿画像位置の説明図を示す。図示されるように、原稿の搬送方向を図の上下方向とすると、主走査方向は図の左右方向となる。この中で、実線で囲まれた領域が回転補正後の原稿画像となる。また、この図の上側が原稿搬送方向の先端側になり、実際に読み取りを行った領域の端部からの距離が得られる。表面読取ユニット210の読み取りについては、主走査方向の全幅で行っている。これにより、原稿が斜行しても主走査方向において読み取りが欠ける領域が発生しないように、原稿よりも広い範囲で読み取りを行っている。
<エッジ判定処理>
以下、原稿画像における原稿のエッジ(端部)判定処理について説明する。このエッジ判定処理では、原稿と背景との境界部には原稿の影が出現することから画素間の輝度から注目画素が原稿画像のエッジを構成する画素の候補であるエッジ候補画素であるか否かを判定する処理を行う。
図13に、画素ごとのエッジ判定処理の説明図を示す。図中において、判定すべき注目画素は、ケース1の中央にある輝度データ716の画素である。CPU321は、注目画素とその周辺の画素の輝度から注目画素がエッジ候補画素であるか否かを判定する。ここでいう周辺の画素とは、注目画素から所定の距離内にある画素(注目画素を除く)である。例えば画素の中心点間の距離を基準にして、注目画素との距離が√2以下である画素を周辺の画素とすると、注目画素を中心とする3×3−1=8個の画素が周辺画素となる。
注目画素と周辺画素とを含む3×3=9個の画素について、注目画素がエッジ候補画素であるか否かを判定するための所定の判定条件を満たした場合に、注目画素がエッジ候補画素であると判定される。第1実施形態では、CPU321は、注目画素と周辺画素とを含む3×3=9個の画素について輝度の変化量を求める。そして、CPU321は、注目画素がエッジ候補画素であるか否かを判定するための判定条件を満たしたかを判定する。
CPU321は、上述した輝度の変化量として、注目画素と周辺画素とを含む3×3=9個の画素のうちから最大値と最小値を求め、最大値と最小値との差分が所定のしきい値以上であれば注目画素はエッジ候補画素であると判定する。第1実施形態では、所定のしきい値は56としている。なお、判定条件として輝度の変化量や最大値と最小値との差分を用いるのは一例に過ぎず、例えば、分散や標準偏差など、輝度の値の散らばり具合を表す値を判定条件に用いてもよい。この場合、分散または標準偏差の値が所定のしきい値より大きい場合に、注目画素がエッジ候補画素であるとして判定される。
ケース1では、9つの画素のうち輝度が最大、最小である画素の輝度値はそれぞれ736、684である。両者の差分は52であり、所定のしきい値である56よりも小さいことから、注目画素はエッジ候補画素ではないと判定される。
ケース2では、各画素の輝度レベルはケース1と同じであるが、しきい値が56から40に変更されている。この場合、輝度が最大、最小である画素の輝度値の差分はケース1と同じく52であるものの、この値はしきい値40よりも大きい。従って、ケース2の場合には、注目画素はエッジ候補画素であると判定される。このように、しきい値の設定に応じてエッジ判定結果は変化する。
影の出やすさは原稿の種類によって変動し、用紙の坪量が小さい薄紙だと影が出にくくなる傾向がある。この場合、しきい値を小さくすることで、影を検出することは可能である。しかし、しきい値を小さくしすぎると、表面ガラス対向部材6の製造時のムラや汚れによって発生した、表面ガラス対向部材6の表面の輝度レベルのムラを原稿の影と誤検知するおそれもある。そのため、注目画素がエッジ画素であるか否かを判定するための輝度レベルの差分に対するしきい値は、ある程度大きい値にする必要がある。以上のことから、読取装置として対応する原稿の種類の中で一番影が出にくい用紙であっても原稿の影であると判定できるようにしきい値を設定している。
CPU321は、この注目画素と周辺画素とを含む3×3=9個の画素について、上述した判定を、原稿画像のうち最端部の画素を除く全画素に対して行う。その結果、原稿内の画素についてエッジ候補画素であるか否かの判定を行うことができる。この判定処理を図9に例示される画像に対して行うことで、原稿先端部の影は、エッジ画素の集まりとしての図10にあるような幅を持った線として得られる。以下、得られた多数のエッジ候補画素から原稿端部を判定するエッジ判定処理について説明する。なお、得られた多数のエッジ候補画素は、図10に示されるようにある程度の幅を持った線となる。
図14に、エッジ判定処理の説明図を示す。図14の「エッジ抽出時の画像」に示されるように、原稿先端近傍には抽出されたエッジ候補画素が多数並んでいる。図7を参照して説明したように、図14の紙面において上側は表面ガラスの対向部材6の位置に相当し、下側は原稿の位置に相当する。このエッジ抽出時の画像に対して、原稿の搬送方向に向かって1列の範囲(図中の点線で囲まれた領域)で原稿分析する。1列分の画素が図14の右側に「画素列」で示される。
CPU321は、読み取り先端側から、原稿があると推定される中央側(図14では下側)に向かって、エッジ画素が連続する位置をサーチする。このサーチによって、エッジ画素が幅を持って並んでいる位置を発見できる。図14の画素列を参照すると、原稿先端側に最初に出現するエッジ候補画素は1つだけが出現しており、連続してはいない。従って、CPU321は、このエッジ候補画素はエッジを構成しないと判定する。一方、その次に出現するエッジ候補画素は連続して6個出現していることから、CPU321は、原稿先端部の影を構成していると判定する。そして、連続した6個のエッジ候補画素のうち、最も原稿側に近い画素を原稿のエッジと判定することで原稿のエッジ取得を行う。
このように、エッジ候補画素が複数連続している場合に、その一番原稿側にある一画素がエッジであると判定される。各列について、図14を参照して説明したようにどの画素がエッジであるかを判定し、判定されたエッジ画素から形成される直線を原稿先端位置とすることでエッジ取得を行う。図15に、エッジ判定後の画像を示す。図示されるように、原稿先端に相当するエッジ画素の列を近似処理して線分とすることで、原稿の形を矩形とみなした時の原稿先端を形成する線分の傾きを得ることができる。
<ゲイン調整量が大きい場合のエッジ判定パラメータ変更>
光量調整の説明では、R、G、Bのそれぞれについて、光量の最大輝度レベルGの最大輝度レベルを所望の輝度レベルである896に引き上げている。その際に、上述したように、出力アンプ216による輝度レベルの増幅処理よりもアナログゲイン217による増幅処理を優先して行う。しかし、アナログゲイン217によるゲイン量の増幅倍率には上限がある。第1実施形態では、後述するように、その上限は1.37倍としている。アナログゲイン217での増幅倍率をこの1.37倍に設定してもGの最大輝度レベルが所望の輝度レベルに到達できない場合は、CPU321は、出力アンプ216も用いて輝度レベルを大きくする。
ただし、前述したように、出力アンプ216を用いた場合、アナログ信号処理回路の影響で周期的なパターンノイズも増幅されることからノイズが出やすくなる。このため、エッジ判定処理における輝度データからのエッジ判定処理においても、しきい値の変更が必要となる。
図16(a)、(b)に、輝度レベルの精度が異なる場合のエッジ判定処理の説明図を示す。図16(c)は、しきい値を変更した場合のエッジ判定処理の説明図である。図16(a)は、10bitの輝度データで下位2bitを切り捨てた時の注目画素を中心とする3×3の画素における輝度値を示す。従って、各画素における輝度値はいずれも4の倍数になっている。例えば注目画素の値及び左上隅の画素の値はそれぞれ716、736であり、2進法表示ではそれぞれ1011100000、1011001100となる。このように、2進法表示の下位2bitはいずれも0となっている。
この状態から、反射ミラー204や表面読取ユニット210のレンズ等の汚れにより、光量調整で増幅を行う前における輝度の読取値レベルが半減した場合を考える。この場合、所望の輝度レベルを得るためには、出力アンプ216で2倍のゲインを乗算する必要がある。このように出力アンプ216で輝度値を2倍にすることで、輝度レベルを確保しているものの、輝度値の精度、あるいは実質的な分解能は下がっている。
これを説明用に簡単に数値化して説明すると、図16(b)のように10bitの輝度データのうち切り捨てるビットを1bit追加して下位3bitを切り捨てたものとなる。実際にはアナログのレベルでゲインを掛けているので、輝度データとしてはA/D変換後のレベルで下位3bitが0にならない場合もある。しかし、下位3bitは分解能未満の値なので、この下位3bitの値はノイズによって変わるレベルと考えられる。従って、輝度レベルとしては、図16(b)の輝度レベルの値のうち丸で囲んだ部分の画素の輝度レベルである728、712、712、704及び680が図16(a)から変化している。
この図16(b)での、輝度値が716である注目画素を中心とする3×3の画素における輝度レベルから得られるエッジ判定処理の結果は次のようになる。まず、輝度データの最大値は736、最小値は680であるので、両者の差分は56である。この値は、エッジ画素と判定するためのしきい値である56以上であるので、この注目画素はエッジ画素と判定される。
図16(a)のように反射ミラー204等の汚れが少なく出力アンプのゲインを掛ける必要がない状態においては、注目画素はエッジではないと判定されていなかった。注目画素周辺の輝度データの最大値が736、最小値が684で差分が52であり、しきい値56より小さいからである。このことから、反射ミラー204等の汚れによって輝度値が下がった場合、増幅率、つまりゲインを高くして輝度値を上昇させたことが原因となって、エッジの判定結果が変化してしまうことが示される。
そのため、実質的に輝度値の精度が低くなってエッジ判定に用いる輝度データの差分が変化する場合には、しきい値を引き上げることで、不要にエッジ判定が増えることを抑制する処理が必要である。この場合しきい値の上昇量については、ゲインの上昇に応じてしきい値の上昇量を増加させてもよい。例えば輝度値のゲインとしきい値の値とが一次関数あるいは二次関数の関係性を有するようにしきい値を定めてもよい。
一方、輝度値のゲインに対して段階的にしきい値を定めてもよい。第1実施形態では、出力アンプ216でのゲインを1倍より大きな値とした場合に、しきい値を元の値である56から、その値よりも大きい値である64に引き上げるようにする。
図16(c)を参照して説明すると、図示されるように、注目画素を中心とした3×3の画素の輝度レベルは図16(b)と同じ値である。従って、輝度データの最大値と最小値との差分とは56になる。しかし、この図16(c)の例では、出力アンプ216のゲインを1倍よりも大きい値にしたことからしきい値を64に上昇させており、上述した差分56よりも、しきい値64の方が大きい。従って、汚れによってゲインを大きくしたような場合でも、エッジ判定処理の結果は図16(a)と同様に、「注目画素はエッジではない」との判定になる。この処理により、汚れなどにより輝度値のゲインが大きくなっても、原稿端部のエッジ判定結果に与える影響を抑えることができる。
<電源起動後の光量調整のCPUの処理フロー>
画像読取装置であるリーダ200は、CPU321の制御により、起動時に自動的に表裏の表面読取ユニット210/110の光量調整を行っている。この起動時の自動調整から得られるオフセット調整値及びゲイン調整値はRAM323に格納される。
実行完了まで数秒かかるオフセット調整とゲイン調整を起動時に実施しておくことで、ユーザからの画像読み取り指示を受けた時にはシェーディング制御を行うだけでよい。シェーディング制御は動作開始から0.1秒未満で完了するので、ユーザからの読み取り指示に対する応答時間を短縮することができる。通常、電源ONからOFFまでの間では、オフセット調整及びゲイン調整の特性変動は小さく、かつシェーディング制御による調整結果によって十分補正可能な範囲であるからである。
図17に、起動時の光量調整におけるCPUの処理を示すフローチャートを示す。なお、この説明では表面読取ユニット210を対象にしているが、裏面読取ユニット110についても同様である。リーダ200の電源が投入されてCPU321が起動すると、CPU321は、光学系モータ326を駆動させる。これにより、ラインセンサ212で読み取る領域が表面シェーディング白板202の位置に合わせられる(S1701)。CPU321は、表面読取ユニット210の電源をONし(S1702)、予め列アンプ215、出力アンプ216、及びアナログゲイン217のゲインを初期値(1倍)に設定する。
その後、CPU321は、光源ランプ203を消灯した状態でオフセット調整を実行する(S1703)。オフセット調整が終了した後、CPU321は、光源ランプ203を点灯させ(S1704)、ラインセンサ212で表面シェーディング白板202の読み取りを実行し、輝度データをシェーディングRAM331に格納する。この時得られた輝度データのうち、R/G/Bの各色での最大の値を取得する(S1705)。
CPU321は、輝度データの最大値が取得できた時点で光源ランプ203を消灯させ(S1706)、輝度データの最大値を各色の間で比較して輝度の比率を算出する(S1707)。S1707で得られた各色での輝度の比率から、R/G/Bの輝度レベルがほぼ同じになるように列アンプ215に適切な値を設定する(S1708)。
ここで、列アンプのゲイン設定値の説明図を図18(a)、(b)、(c)に示す。図18(a)に示されるように、ゲイン設定値は図示されるように0〜7の8段階に設定されている。アナログゲインの設定値は、図18(b)に示されるように0〜3の4段階に設定されており、出力アンプの設定値は、図18(c)に示されるように0〜3の4段階に設定されている。図18(a)に示され列アンプのゲイン設定値は、S1707で得られた比率より低い倍率のうち、最大の増幅率となる設定値を選択する。例を挙げると、輝度データの比率が1.5倍だとすると、列アンプ215に設定すべきゲインの値は1.5倍よりも低い最大の値、つまり、1.49倍の値となる。この1.49倍の値は設定値5に対応するので、CPU321は、列アンプ215の設定値を5とする。
CPU321は、S1708で列アンプ215に適切な倍率を設定した後、再び光源ランプ203を点灯させ(S1709)、S1705と同様にラインセンサ212で表面シェーディング白板202の読み取りを実行する。その後、CPU321は、輝度データの最大値を各色の間で比較して輝度の比率を算出し、輝度データをシェーディングRAM331に格納する(S1710)。その後、CPU321は、再び光源ランプ203を消灯する(S1711)。光量調整に関して説明したように、CPU321は、輝度データの各色の中で最大値を求め、その中で一番大きい値と、所望の輝度レベルである896との比率を求める。この時の比率から、R、G、Bでの色間の輝度レベル合わせを行った後に必要なゲイン量を求める(S1712)。
図18(a)、(b)、(c)に示したように、アナログゲイン217及び出力アンプ216の設定値は、複数設定されており、増幅なしを表す1倍(この時の設定値は0)を除くと3段階ずつ用意されている。詳細には、アナログゲイン217の設定値1、2及び3に対しては増幅倍率1.11倍、1.23倍、及び1.37倍が対応する。出力アンプ216の設定値1、2及び3に対しては、増幅倍率1.2倍、1.4倍、及び1.6倍が対応する。いずれにおいても、設定値3が最大増幅倍率となっている。
CPU321は、必要なゲインに対してアナログゲイン217だけで増幅可能か判定するために、必要なゲイン量が所定値以上であるかを判定する。この例では、CPU321は、アナログゲイン217での最大倍率1.37倍と出力アンプ216の1段目のゲインである1.2倍の積である1.644倍以上であるか否かを判定する(S1713)。必要なゲイン量が所定値未満である場合、つまり、1.644倍未満である場合は、アナログゲイン217を最大設定である設定3とすることで、所望の輝度レベルが得られる。なお、第1実施形態ではゲインの倍率は連続的な値ではなく、離散的な値になっている。このことから、第1実施形態では、必要なゲイン量が1.37倍を超えて1.644倍である場合であっても、アナログゲイン217を設定3として1.37倍とすることで所望の輝度レベルが得られたものとする。CPU321は、このようにアナログゲイン217だけで増幅可能な場合(S1713:Yes)はアナログゲイン217の設定を、設定値1〜3のうち対応する設定値とする(S1714)。
1.644倍以上である場合は、アナログゲイン217の最大設定だけではなく出力アンプ216による増幅も必要となると判定される。アナログゲイン217だけではゲインが足りない場合(S1713:No)は、CPU321は、アナログゲイン217を最大設定である設定値3に設定する(S1715)。
CPU321は、所望のゲインを得るために必要となるゲインに対応した設定値を出力アンプ216に設定し(S1716)、出力アンプ216でのゲイン設定をRAM323に記録する(S1717)。この時、揮発性であるRAM323だけではなく、不揮発性であるバックアップ部330に設定を記録しておくことで、電源起動後の光量調整を省略した場合でも、読取装置として必要なゲインが大きい状態か否かが分かるようになる。
<ADF読み取り時のCPU処理フロー>
第1実施形態では、原稿トレイに異なるサイズの原稿が載置されたにもかかわらず、原稿サイズ混載が指定されずに原稿の表面に対する読み取りジョブが開始された場合を説明する。この場合、指定された読み取りサイズよりも小さなサイズの原稿に対して原稿の画像データを適切に配置するようにしている。図19に、CPU321によって実行される、リーダ200の動作を表すフローチャートを示す。以下、このフローチャートを参照して説明を行う。
CPU321は、コントローラ400から原稿トレイ30に載置された原稿束の給紙開始要求を受信したかを判定する(S1901)。受信していない場合(S1901:No)、再度S1901を実行する。給紙開始要求を受信した場合(S1901:Yes)、CPU321は、表面読取ユニット210の電源を投入するとともに斜行検知で用いるエッジ判定パラメータの設定を行う。電源起動後の光量調整のCPUの処理フローで説明したように、電源起動時の光量調整の結果としてRAM323に出力アンプ216でのゲイン設定の有無が記録されている。
CPU321は、出力アンプ216でのゲイン設定があるか否かを判定する(S1902)。ゲイン設定有り(S1902:Yes)ならば、反射ミラー204等が汚れている時用のしきい値を設定(S1904)してCCDセンサを起動する。上述した例では、このしきい値の値は64である。従って、画素をエッジ候補画素として判定するための基準(しきい値)が厳しくされている。ゲイン設定がない(S1902:No)場合、通常時用のしきい値を設定(S1903)してCCDセンサを起動する。上述した例では、このしきい値の値は56である。
CPU321は、しきい値を設定して表面読取ユニット210の電源を投入した後にシェーディング動作を実行する(S1905)。そして、シェーディングの結果として各画素の補正係数を確認し、シェーディング制御に関して説明したように補正係数が所定値以上になった画素があるかを判定する(S1906)。第1実施形態では、補正係数が7倍以上になった画素があるかを確認する。
補正係数が7倍以上になった画素が存在した場合(S1906:Yes)、装置の故障が発生したものとして、操作部405に故障発生を示すメッセージを出してもらうようにコントローラ400に通知する(S1907)。補正係数が7倍以上になった画素が存在しない場合(S1906:No)は読み取りが正常にできると判定できるので、CPU321は読み取り終了要求を受信していないか確認する(S1910)。
操作部405等から原稿読み取りのキャンセルを指示された場合はコントローラ400から原稿読み取り終了要求が送信される。従って、CPU321は原稿の給紙開始動作を開始する前に読み取り終了要求を受信していないか確認し(S1910)、読み取り終了要求を受信した場合(S1910:Yes)は原稿搬送を停止する。その後、CPU321は、表面読取ユニット210を停止して(S1940)処理を終了する。
原稿読み取り終了要求を受信していない場合(S1910:No)は、読み取るべき原稿サイズ分に対して斜行補正を行うための領域を加えた分の画像データを格納できるメモリの容量を画像メモリ329から確保する(S1911)。この時に必要な容量は、原稿の読み取り領域サイズと解像度とカラー/白黒、片面/両面等のパラメータから必要となる画像データのサイズが算出される。
画像メモリ329から必要な画像データの容量を確保したのち、ADFからの原稿給紙処理の片面原稿読み取りに関して説明したように、CPU321は、給紙(S1912)を行う。その後、CPU321は、搬送制御に関して説明したように、分離後センサ12等の各種センサで原稿の搬送経路上の位置を検知する。分離後センサ12を例に挙げて説明すると、CPU321は、分離後センサ12が原稿有りを検知するかを判定する(S1913)。原稿有りを検知していない場合は(S1913:No)、CPU321は、所定時間経過したかを判定し(S1914)、経過していなければ(S1914:No)、再度S1913を実行する。
分離後センサ12が原稿を検知できないまま所定時間経過した場合(S1914:Yes)、CPU321は、原稿の搬送が正しくできなかったものと判定する。そして、原稿の搬送及び表面読取ユニット210を停止させる(S1930)。その後、CPU321は、ジャムが発生したことをRAM323に記録し、さらに操作部405で表示するためにコントローラ400に通知する(S1931)。
一方、所定時間が経過するまでに原稿有りを検知した場合(S1913:Yes)、CPU321は、次の搬送経路上のセンサとして引き抜きセンサ13で原稿有りか否かを判定する(S1915)。S1915で引き抜きセンサ13が原稿有りを検知するまでは、CPU321は、所定時間経過したかを判定し(S1916)、経過していなければ(S1916:No)、再度S1915を実行する。引き抜きセンサ13が原稿を検知できないまま所定時間経過した場合(S1916:Yes)、CPU321は、原稿の搬送が正しくできなかったものと判定し、上述したS1930以降の処理を実行する。
所定時間が経過するまでに原稿有りを検知した場合(S1915:Yes)、CPU321は、次の搬送経路上のセンサとしてレジセンサ14で原稿有りか否かを判定する(S1917)。S1917でレジセンサ14が原稿有りを検知するまでは、CPU321は、所定時間経過したかを判定し(S1918)、経過していなければ(S1918:No)、再度S1917を実行する。レジセンサ14が原稿を検知できないまま所定時間経過した場合(S1918:Yes)、CPU321は、原稿の搬送が正しくできなかったものと判定し、上述したS1930以降の処理を実行する。
所定時間が経過するまでに原稿有りを検知した場合(S1917:Yes)、CPU321は、次の搬送経路上のセンサとしてリードセンサ15で原稿有りか否かを判定する(S1919)。S1919でリードセンサ15が原稿有りを検知するまでは、CPU321は、所定時間経過したかを判定し(S1920)、経過していなければ(S1920:No)、再度S1919を実行する。リードセンサ15が原稿を検知できないまま所定時間経過した場合(S1920:Yes)、CPU321は、原稿の搬送が正しくできなかったものと判定し、上述したS1930以降の処理を実行する。
次に、リードセンサ15で原稿有りを検知した場合(S1919:Yes)を説明する。この場合、CPU321は、原稿先端が表面流し読み位置に到達したタイミングで表面読取ユニット210での原稿表面の読み取りを開始する(S1921)。実際には、図8、11、12を参照して説明したように、リーダ200は、画像データで斜行を検知するために原稿の周囲も含めて読み取りを行う。
従って、CPU321は、原稿先端が表面流し読み位置に到達するタイミングよりも前の時点で原稿の読み取りを開始させる。原稿の読み取り範囲は、読み取るべき原稿サイズの領域に斜行検知で必要となる領域を加えた範囲である。CPU321は、原稿表面の読み取りを行った後は、読み取り動作を終了する。
原稿先端が表面流し読み位置を通過した後、CPU321は排紙センサ16で原稿の先端が検知されたか否かを判定する(S1922)。排紙センサ16が原稿有りを検知するまでは、CPU321は、所定時間経過したかを判定し(S1923)、経過していなければ(S1923:No)、再度S1922を実行する。排紙センサ16が原稿を検知できないまま所定時間経過した場合(S1923:Yes)、CPU321は、原稿の搬送が正しくできなかったものと判定し、上述したS1930以降の処理を実行する。
原稿先端が検知された場合(S1922:Yes)、原稿が排紙トレイ10へと排出される。この場合、CPU321は、原稿は正しく搬送されたと判定し、画像による斜行検知制御に関して説明したように、表面読取ユニット210によって読み取られた画像から原稿の領域を抽出する(S1924)。CPU321は、画像によって抽出された原稿サイズとコントローラ400から読み取るように要求された原稿サイズを比較して適切なサイズを決定する。その後、決定されたサイズがコントローラ400に画像データとして転送される(S1925)。
この転送において、抽出された画像サイズよりもコントローラ400から要求された画像サイズの方が大きい場合を説明する。この場合、CPU321は、抽出された画像サイズよりも大きい部分に白の画像データを付加することで画像の整形を行い、整形後の画像をコントローラ400に送信する。次に、原稿として抽出された画像よりもコントローラ400から要求された画像サイズの方が小さい場合を説明する。この場合、CPU321は、抽出された画像の端部を削除することで画像の整形を行い、整形後の画像をコントローラ400に送信する。
次に、CPU321は、原稿有無検知センサ11で原稿トレイ30に原稿が残っているか否かを確認(S1926)する。原稿が残っている場合(S1926:Yes)、S1910を再度実行して原稿に対する読み取り終了要求の確認を行う。原稿が残っていない場合(S1926:No)、CPU321は、一連の読み取り動作を終了させるために原稿の搬送と表面読取ユニット210の読み取りを停止させる(S1927)。
以上説明したように、第1実施形態では、画像読取に基づいて得られた画素の輝度の精度に応じて、エッジ判定処理におけるエッジ画素の判定基準を変更している。例えば、光学系で読み取られた画素の輝度を増幅する場合に、増幅処理のタイプに応じて、エッジ画素の判定基準を変更している。特に、光学系で読み取られた画素の輝度に対して出力アンプ216で増幅処理を行ったか否かに応じて、ADFからの原稿の読み取りにおけるエッジ判定処理におけるしきい値を変更する。これにより、増幅処理によって画素の輝度の精度あるいは分解能が低くなった場合であっても、画素の輝度の精度あるいは分解能が高い場合と同様のエッジ判定結果を得ることができる。
なお、第1実施形態では原稿の斜行検知にエッジ判定処理を用いているが、エッジ判定処理は原稿の先端の検出に利用可能である。また、読み取り画像中のスジ汚れの検出など、エッジ判定が必要となる任意の画像処理に適用することが可能である。
第2実施形態
第1実施形態では、原稿の種類については特に設定せずにエッジ判定処理を行う例を示した。第2実施形態では、第1実施形態に示したADF100及びリーダ200において、原稿トレイ30にセットする原稿の種類をユーザが設定して入力することを可能とした。
原稿の種類が設定された場合には、CPU321は、設定された原稿の種類に応じた制御を行う。原稿の種類により、紙種が薄紙か否かを設定することで、エッジ判定用のしきい値を切り替えるか否かを制御している。
図20に、原稿のタイプの設定を促す画面の説明図を示す。図示されるように、原稿トレイ30の原稿有無検知センサ11が原稿を検知した場合、原稿がセットされたことが画面上で示される。なお、図示の例では、この画面は操作部405の表示部に示される。この画面では、原稿の種類を選択するように、「紙種を選択して下さい」との表示がなされる。この表示は、原稿セット時に常に表示してもよい。また、原稿セット時に常に図20のような画面を表示するとユーザにとっては煩わしいと感じられる場合もある。従って、原稿セット時には図20の表示を行わずに常に普通紙がセットされたものとしてエッジ判定処理を行ってもよい。この場合、初期設定画面やメニュー画面などからユーザが紙種を選択して入力可能となるようにする。
エッジ判定制御に関する説明で述べたように、原稿の種類によって原稿の影の出やすさには差があり、薄紙のように透過性が高い原稿の場合には原稿先端部の影も出にくくなる。第2実施形態では、ユーザによって原稿が薄紙であるとの入力が行われた場合に、影が出にくい原稿であっても原稿の影を検出できるように、影か否かを判定するためのエッジ判定におけるしきい値を低い値に設定している。
第1実施形態では、図19のS1904に示されるように、出力アンプ216によるゲイン設定がある場合には、反射ミラー204等が汚れている場合におけるエッジ判定用のしきい値が用いられる。従って、エッジ判定時には、通常時用のしきい値よりも大きいしきい値が用いられる。その結果、表面ガラス対向部材6の輝度レベルのムラの部分にある画素をエッジであるとして誤検出するおそれが小さくなるという利点がある。しかしながら、薄紙原稿の先端部の影は薄いので、エッジ判定処理におけるしきい値を大きくすると、薄紙原稿の影を構成する画素をエッジ画素として検出できなくなるおそれもある。
そこで、第2実施形態では、原稿トレイ30にセットされた原稿が薄紙原稿のように原稿の影が薄くなる紙種である場合におけるエッジ判定処理におけるしきい値の設定例を説明する。具体的には、出力アンプ216による増幅処理がなされている場合に、原稿の影の濃度に応じてエッジ判定処理のしきい値を変更する。
原稿の影の濃度は原稿の種類に応じて異なる。従って、ユーザにより入力された原稿の種類に応じてエッジ判定処理のしきい値を変更し、影が薄い原稿にはしきい値を低くし、影が濃い原稿にはしきい値を高くすることもできる。これにより、影が薄い原稿についてはエッジが抽出されやすくなり、本来影と判定されるべき画素が影ではないとされることを防ぐことができる。一方、影が濃い原稿ではしきい値を高くすることで、ゴミ等のノイズにより本来エッジではない画素がエッジであると誤判定されるおそれが小さくなる。
以下、ユーザにより入力された原稿の種類に応じてエッジ判定処理のしきい値を変更する例を説明する。この例では、影が薄い原稿である薄紙には、薄紙用のしきい値を設定し、その他の原稿は薄紙よりも影が濃いものとして通常原稿用のしきい値を設定する。また、エッジ判定処理において、薄紙用のしきい値は、薄紙用ではない原稿(通常原稿用)のしきい値とは異なる値とする。
図21に、CPU321によって実行される、第2実施形態におけるリーダ200の動作を示す。なお、図中においてS1905以降の処理は図19のS1905以降の処理と同様であるので説明は省略する。
CPU321は、コントローラ400から原稿トレイ30に載置された原稿束の給紙開始要求を受信したかを判定する(S2101)。受信していない場合(S2101:No)、再度S2101を実行する。給紙開始要求を受信した場合(S2101:Yes)、CPU321は、表面読取ユニット210の電源を投入するとともに斜行検知で用いるエッジ判定パラメータの設定を行う。電源起動後の光量調整のCPUの処理フローで説明したように、電源起動時の光量調整の結果としてRAM323に出力アンプ216でのゲイン設定の有無が記録されている。
CPU321は、出力アンプ216でのゲイン設定があるか否かを判定し(S2102)、ゲイン設定有り(S2102:Yes)ならば、原稿が薄紙設定されているかを判定する(S2104)。原稿が薄紙設定されている場合(S2104:Yes)、ゲイン設定ありでかつ薄紙用のしきい値を設定してCCDセンサを起動し(S2105)、S1905以降の処理を実行する。薄紙設定されていない場合(S2104:No)は、ゲイン設定ありでかつ通常紙用のしきい値を設定してCCDセンサを起動し(S2106)、S1905以降の処理を実行する。
S2105で設定するしきい値は、ユーザから原稿が薄紙であると設定された場合のしきい値である。従って、原稿の影が薄くてもエッジ判定が可能となるように、S2106で設定する通常紙用のしきい値よりも小さい値とし、画素をエッジ候補画素と判定するための基準(しきい値)が緩和されている。
また、第1実施形態では、ゲイン設定がある場合のしきい値(S1904で設定されるしきい値)は、前述したように、ゲイン設定がない場合のしきい値より大きくした。しかし、第2実施形態のS2105では、第1実施形態とは異なり、原稿トレイ30にセットされた原稿は薄紙であり原稿の影が薄いことが判明している。従って、しきい値を大きくするとエッジ判定ができなくなるおそれもある。これを回避するために、S2105で設定されるしきい値を、S2103で設定される通常時用のしきい値と同じ値としてもよい。
S2106で設定するしきい値は、「ゲイン設定ありでかつ通常紙用のしきい値」である。また、原稿トレイ30にセットされた原稿が薄紙であるとの設定がユーザから入力されてはいない。従って、S2106で設定するしきい値は、図19のS1904で設定したしきい値である64としてもよい。更には、原稿が薄紙であるとの設定がユーザから入力されてはいないことは、原稿が薄紙ではない蓋然性も高くなるので、S2106で設定するしきい値を、第1実施形態でのしきい値の値である64よりも大きい値としてもよい。
図21のS1905以降の処理は、図19におけるS1905以降の処理と同様であるので説明を省略する。このように、原稿トレイ30にセットされた原稿が薄紙であるとの入力の有無も判定に含めることで、出力アンプ216でのゲイン設定の有無に応じて原稿読み取りにおけるエッジ判定処理を適切に設定することが可能となる。
なお、第2実施形態では、原稿トレイに原稿をセットした時にユーザが操作部を通じて原稿が薄紙であるか否かをリーダ200に入力している。しかし、例えば原稿の搬送路内に原稿の種類を判定するセンサを配置して、搬送される原稿の紙厚から原稿が薄紙か否かを判定し、その結果に応じてエッジ判定用におけるしきい値を設定するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、光量調整時のゲインの設定に応じて、原稿先端検知に用いるエッジ判定用のしきい値を変えている。これによって、読み取り部の汚れ等の原因によって読み取り画像のS/Nが低下した状態であっても原稿の先端検知の精度を向上させることが可能となる。
また、第1実施形態及び第2実施形態は一例であり、任意の修正及び変更が可能である。例えば、各実施形態では、注目画素がエッジ候補画素であるか否かの判定基準として、注目画素と周辺画素とを含む3×3=9個の画素についての輝度の最大値と最小値との差分を用いた。しかしながら、周辺画素数として、注目画素を中心とする5×5=25個の画素を用いて輝度の最大値と最小値との差分を求めるようにしてもよい。また、輝度の最大値と最小値との差分に代えて、輝度の値の散らばり具合を表す任意の指標を用いてもよい。

Claims (11)

  1. 搬送される原稿または前記原稿が搬送される領域に対向して設けられた基準部材を走査して画像を読み取る画像読取手段と、
    前記読み取られた画像を構成する画素の輝度を増幅する増幅手段と、
    前記読み取られた画像を構成する画素のうち注目画素とその周辺の画素との輝度が所定の判定基準を満たすか否かを判定し、その判定結果から、前記注目画素が、前記原稿のエッジを構成する画素の候補であるエッジ候補画素であるか否かの判定を実行する判定手段と、
    前記判定手段での判定結果に応じて前記読み取った画像から前記原稿のエッジを求めるエッジ取得手段と、を有し、
    前記判定手段は、
    前記増幅手段による前記輝度の増幅を行わずに前記判定を行う場合には第1判定基準を用いた第1判定を行い、
    前記増幅手段により増幅された前記輝度を用いて前記判定を行う場合には、前記画素を前記エッジ候補画素であると判定するための基準が前記第1判定基準よりも厳しい第2判定基準を用いた第2判定を行うことを特徴とする、
    画像読取装置。
  2. 前記判定手段は、前記注目画素の輝度と前記周辺の画素の輝度との変化量を求めて前記注目画素が前記エッジ候補画素であるかの前記判定を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記判定手段は、前記注目画素の輝度と前記周辺の画素の輝度のうちから最大値と最小値との差分を求めて前記注目画素が前記エッジ候補画素であるかの前記判定を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載の画像読取装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記第1判定では、第1のしきい値よりも前記差分が大きい場合に、前記注目画素が前記エッジ候補画素であると判定し、
    前記第2判定では、前記第1のしきい値よりも大きい第2しきい値よりも前記差分が大きい場合に、前記注目画素が前記エッジ候補画素であると判定することを特徴とする、
    請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記判定手段は、前記増幅手段により増幅された前記輝度を用いて前記判定を行う場合に、前記搬送される原稿の種類に応じて、前記第2判定での前記第2判定基準を変更することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  6. 前記判定手段は、前記搬送される原稿が、前記画像読取手段による読み取り時に生じる影が薄くなる種類の原稿である場合には、前記画素を前記エッジ候補画素であると判定するための基準が緩和されるように、前記第2判定での前記第2判定基準を変更することを特徴とする、
    請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記判定手段は、
    前記増幅手段により増幅された前記輝度を用いて前記判定を行う場合に、前記搬送される原稿が、前記画像読取手段による読み取り時に生じる影が薄くなる種類の原稿である場合には、前記第2判定での前記第2しきい値の値を小さくすることを特徴とする、
    請求項4に記載の画像読取装置。
  8. 制御手段を更に有し、
    前記画像読取手段は、画像の読取感度を高くして前記画素の前記輝度を増幅することが可能であり、
    前記制御手段は、
    前記読取手段が読み取った前記基準部材の画像を構成する画素の最大の輝度が第1輝度よりも小さい場合に、前記最大の輝度が前記第1輝度に増幅される増幅倍率である第1増幅倍率を求め、かつ、
    前記第1増幅倍率が第1の所定値未満である場合には、前記画像読取手段を前記読取感度が高くなるように制御して、前記原稿を読み取った画像を構成する前記画素の輝度を増幅させ、
    前記判定手段を、前記第1判定を行うように制御することを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  9. 前記画像読取手段には、前記読取感度が複数設定されており、
    前記制御手段は、前記第1増幅倍率が前記第1の所定値未満である場合には、
    前記画像読取手段を制御して、前記原稿を読み取った画像を構成する前記画素の輝度を、前記画像読取手段に設定された複数の前記読取感度のうちいずれかの増幅倍率を用いて増幅させ、
    前記判定手段を、前記第1判定を行うように制御することを特徴とする、
    請求項8に記載の画像読取装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1増幅倍率が前記第1の所定値以上である場合には、
    前記画像読取手段を制御して、前記原稿を読み取った画像を構成する画素の輝度を、前記画像読取手段に設定された複数の前記読取感度のうち最大の読取感度を用いて増幅させ、
    前記増幅手段を制御して、前記最大の読取感度で増幅された輝度を更に増幅させ、かつ、
    前記判定手段を制御して、前記第2判定を行わせることを特徴とする、
    請求項9に記載の画像読取装置。
  11. 表示部を更に有し、
    前記制御手段は、前記第1増幅倍率が第2の所定値以上である場合に、前記画像読取手段での画像読取が正常に行われていないことを示す情報を前記表示部に表示することを特徴とする、
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像読取装置。
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