JP2020036195A - 画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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雅人 古川
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朝弘 仲吉
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亮 三上
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Abstract

【課題】画像読取装置内の光学部品に結露や埃が付着する等の状態が発生している場合でも、読み取った画像信号の輝度値の低下を抑え、原稿の読取処理を継続可能とし、装置のダウンタイムの短縮、コストアップを抑えること。【解決手段】原稿読取開始時に、画像読取部260で白基準板220を読み取りかつゲイン調整回路265で増幅された画像信号に基づき、CPU(A)250が画像読取部260の状態を判定し、判定結果を不揮発性メモリ256に記憶させておく。そして電源投入時に、画像読取部260で白基準板220を読み取りかつゲイン調整回路265で増幅された画像信号に基づき、CPU(A)250が列アンプ266および出力アンプ267で使用する第1増幅条件および第2増幅条件の調整を制御する。この際、CPU(A)250は、不揮発性メモリ256に記憶されている判定結果に関する情報に基づき、第1増幅条件に加えて第2増幅条件を調整するか否かを制御する(S501〜S507)。【選択図】図5

Description

本発明は、原稿に記録された画像情報を読み取る画像読取装置の技術に関する。
複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置には、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを得るスキャナ等の画像読取装置が備えられている。これらの画像読取装置は、原稿台ガラス上に載置された原稿に対して光を照射し、原稿面で拡散した光を反射ミラーやレンズといった光学部品を通してラインセンサで受光することで、原稿に印刷された情報を画像データに変換している。
原稿に光を照射する光源にはLEDが使用されており、特に複写機など原稿処理速度の速い読み取り装置では白色LEDを主走査方向に複数個並べた照明を使用することが多い。しかし、使用するLEDの個数が多くなるとLED部分故障などの不良が発生する可能性が出てくる。LED故障が発生して原稿を照明する光量が低下すると、読み取り画像の画質が劣化するなど原稿を正しく再現できなくなる。そのため、原稿読み取り開始に先立って照明が正常に点灯しているか確認する必要があり、その方法が提案されている。
例えば、一般的には読み取り画像に対して行うシェーディング補正処理の補正係数を生成するために、用意されている白基準板を読み取ってその画像データ信号の輝度値を所定のしきい値と比較し、照明光量を確認する方法がとられている。
しかし、読み取り装置内に結露が発生する、あるいは砂埃が光学部品に堆積したような状態では、照明光源や点灯回路に異常がなくても、レンズやミラーなどの光学部品の反射率、透過率が低下する。このため、イメージセンサに入射する原稿拡散光が減衰し、画像データ信号の輝度値が低下するので、上述のしきい値による判定では十分な照明光量チェックができない。
特許文献1では、読み取り装置内に結露が発生した場合を想定した照明光量のチェック方法について記載されている。白基準板の読み取り輝度値が基準値以上かどうかを光量確認部でしきい値判定し、基準値以下の場合は光量の再確認を実施する。この再確認では、照明光源の点灯時間を拡大する、あるいは点灯電流を増大し、光源光量を増大させて読み取り輝度値を取得し、その輝度値が最初の基準値より小さい第二の基準値以上かどうかを判定している。そして、再確認での読み取り輝度値が第二の基準値以上であれば、照明光源に異常は発生しておらず、機内に発生した結露によって読み取り輝度値が低下していると判断し、原稿読み取りを実行するか否かをユーザーに判断させている。
特許第6188557号公報
特許文献1の技術では、光量再確認時に、照明光源の点灯時間を拡大する、あるいは点灯電流を増すものである。しかし、通常の原稿読み取り時の光源点灯条件が最大設定になっている、又は最大設定に近い設定になっている場合には、点灯時間や点灯電流を増すことができない。そのため、読み取りに適切な調整がしきれず、所望の輝度値が得られないままといったケースが想定される。また、電流を増す場合には、LEDをはじめとする電気部品の電流定格、点灯時間を増やした際の温度上昇を考慮する必要があり、それを考慮するがために部品のコストアップを招いてしまう可能性もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、画像読取装置内の光学部品に結露や埃が付着する等の状態が発生している場合でも、光源の点灯時間や電流といった光源の点灯条件を変更することなく、読み取り画像信号の輝度値の低下を抑えることができる仕組みを提供することを目的とする。
本発明は、光源から光を照射し該光の反射光を光電変換して画像信号を出力する読取手段と、前記画像信号を増幅する第1増幅回路および第2増幅回路を有する増幅手段と、前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づきシェーディングデータを算出する算出手段と、前記増幅手段によって増幅された画像信号に対して、前記シェーディングデータを用いてシェーディング補正を行う補正手段と、前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づき、前記読取手段の状態を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に関する情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、前記読取手段が前記基準部材を読み取り得られた画像信号に基づき、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路で使用する第1増幅条件および第2増幅条件を調整する調整手段と、を有し、前記調整手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判定手段の判定結果に関する情報に基づき、前記第1増幅条件に加えて前記第2増幅条件を調整するか否かを制御することを特徴とする。
本発明によれば、画像読取装置内の光学部品に結露や埃が付着する等の状態が発生している場合でも、光源の点灯時間や電流といった光源の点灯条件を変更することなく、読み取り画像信号の輝度値の低下を抑えることができる。この結果、原稿の読取処理を継続することが可能となり、画像読取装置のダウンタイムを短縮することができる。また、光源をはじめとする電気部品のコストアップも抑えることもできる。
本実施形態の画像読取装置の一例を示す断面図。 本実施形態の画像読取装置の制御ブロック図。 シェーディング補正に関する輝度値の状態を説明する図。 画像読取装置の電源投入時の調整処理の一例を示すフローチャート。 ゲイン調整処理の一例を示すフローチャート。 LED調整後、列ゲイン調整後及び出力ゲイン調整後の輝度値の状態を説明する図。 ゲイン調整の信号増幅レベルを設定するための表示画面の一例を示す模式図。
発明を実施するための形態は、次の実施形態である。以下、本発明の一実施形態を図面にそって説明する。
〔第1実施形態〕
<本実施形態の画像読取装置の構成例>
図1は、本発明の一実施形態を示す画像読取装置の一例を示す断面図である。
本実施形態の画像読取装置1000は、原稿の画像を読み取る画像読取部(以下「リーダー」と呼ぶ)200と、自動原稿給紙部(以下「ADF」と呼ぶ)100を備えており、さらに図1には図示しないコントローラー400(図2)が接続されている。
<ブロック図の説明>
図2は、本実施形態の画像読取装置1000の制御部の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2(a)はリーダー200及びADF100の制御ブロックを示す。また、図2(b)はコントローラー400の制御ブロックを示す。
(リーダー200及びADF100)
まず、図2(a)の制御ブロックについて説明する。
CPU(A)250は、リーダー200及びADF100の各ユニットを統括的に制御する中央演算処理装置である。ROM(A)252は、CPU(A)250が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM(A)251は、CPU(A)250が制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。
CPU(A)250には、画像読取機能を実現するために、光学系モーター226、ホームポジション用センサ227、画像読取部260、画像処理部275、不揮発性メモリ256、ADF100、画像転送部(A)258等がそれぞれ接続されている。
光学系モーター226は、画像読取部260の読取ユニット209(図1)を副走査方向に移動させるためのモーターである。
ホームポジション用センサ227は、読取ユニット209をホームポジションに移動させる場合に読取ユニット209の位置を確認するためのセンサである。
画像読取部260では、原稿の画像を走査し、1ライン毎に読み取りを行う。画像読取部260は、光源261、ラインセンサ262、アナログ処理回路263、AD変換回路268、インターフェイス回路(I/F回路)269、タイミング生成回路270を有する。
光源261は、複数のLEDが並べてあり、所定の電流を流すことでLEDを点灯させる。
ラインセンサ262は、光源261で照射した光が読取対象物で反射し、それを受光してアナログ画像信号に変換するものである。
アナログ処理回路263は、サンプルホールド回路271、オフセット調整回路264、ゲイン調整回路265を有する。ラインセンサ262は、光源261から照射される光の読取対象物からの反射光を受光し光電変換してアナログ画像信号として出力する。サンプルホールド回路271は、ラインセンサ262からのアナログ画像信号をサンプリングする。オフセット調整回路264は、サンプルホールド回路出力のオフセットレベルを変更する。ゲイン調整回路265は、画像読取部260ゲイン調整処理を行う。
ゲイン調整回路265は、列アンプ回路266と、出力アンプ回路267を有する。列アンプ回路266は、入力信号をRed(R),Green(G),Blue(B)の色成分ごとに独立して増幅する(すなわち色成分ごとに独立してゲイン調整を行う)増幅回路である。出力アンプ回路267は、入力信号をR,G,B全体に共通で増幅する(すなわち全ての色成分に共通したゲイン調整を行う)増幅回路である。このように、列アンプ回路266と、出力アンプ回路267とは、異なる種類のゲイン調整方法によりゲイン調整を行うものである。本実施形態の画像読取装置1000では、列アンプ回路266及び出力アンプ回路267のいずれか、又はそれらを組み合わせて用いてゲインを調整可能である。
AD変換回路268は、アナログ処理回路263が出力するアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。
インターフェイス回路(I/F回路)269は、AD変換回路268から出力されるデジタル画像信号を後段の処理回路に伝送するためのものである。I/F回路269は、例えばデジタル画像信号をLVDS(Low Voltage Differential Signaling)信号に変換して出力する。
タイミング生成回路270は、ラインセンサ262、アナログ処理回路263、AD変換回路268、I/F回路269の動作を制御するタイミング信号を生成し、図示しないクロック信号源を基準クロックとして動作する。タイミング生成回路270は、CPU(A)250と接続されており、CPU(A)250によって制御タイミング信号の出力開始、停止が制御され、さらにこれによって読み取り動作の開始、停止が制御される。
画像処理部275は、I/F回路269から伝送されてくるデジタル画像信号を受け取り、デジタル画像信号に対してシェーディング補正回路253にてシェーディング補正処理を行う画像処理回路である。シェーディングRAM254は、シェーディング補正係数を保持しておくものであり、ラインセンサの1ライン分のデジタル画像信号を保持可能である。
画像処理部275は、CPU(A)250と接続されていて、CPU(A)250からの制御により動作する。画像処理部275は、読み取りジョブ開始時には、図1に示す白基準板220(白基準部材)から読み取った画像信号をシェーディング補正係数(シェーディングデータ)としてシェーディングRAM254に保持すべく制御する。また、画像処理部275は、原稿読み取り時には、シェーディングRAM254に保持されるシェーディング補正係数を用い、シェーディング補正回路253で画像信号に対してシェーディング補正処理を行う。
シェーディングRAM254は、CPU(A)250から読み出しアクセスが可能なようになっている。CPU(A)250は、シェーディングRAM254に読み出しアクセスすることによって、シェーディングRAM254に保持されているシェーディング補正係数、すなわち白基準板220の読み取り画像データを読み出すことが可能である。
また、CPU(A)250は、シェーディングRAM254から読み出した画像データの輝度値を、所定の輝度値と1画素ごとに比較するしきい値判定処理が可能になっている。なお、しきい値は、任意の値に設定可能であり、ROM(A)252又は不揮発性メモリ256等に保存される。
不揮発性メモリ256は、画像読取装置1000の電源が切られても記憶した値を保持するメモリである。不揮発性メモリ256は、例えば、ADF100で原稿を搬送して画像読取部260にて原稿を読取る際の読取り開始タイミングを微調整するためのタイミング値や各種設定値等を保持しておくために使用される。また、不揮発性メモリ256は、例えばシェーディング補正回路253でシェーディング補正する際のシェーディングターゲット値、或いはジョブ中に発生したアラームやエラー情報(上記しきい値判定処理の判定結果)などを保持しておくためにも使用される。
ADF100は、原稿搬送機能を実現するために、搬送系モーター111、搬送系センサ110、原稿検知センサ16、クラッチ112、ソレノイド113等を有し、それぞれCPU(A)251に接続されている。
搬送系モーター111は、各種搬送用のローラを駆動する。搬送系センサ110は、搬送経路の各所に設けられて、搬送経路を搬送される原稿を検知する。搬送系センサ110は、例えば図1に示すセンサ12、13、14、15等から成る。原稿検知センサ16は、原稿トレイ30上の原稿の有無を検知する。
画像転送部(A)258は、画像読取装置1000で原稿から読み取った画像データをコントローラー400に転送する。
(コントローラー400)
次に、図2(b)を用いてコントローラー400の制御ブロックについて説明する。
コントローラー400は、リーダー200、ADF100を含む画像読取システムとしての全体を制御する装置である。
コントローラー400は、CPU(B)401、ROM(B)402、RAM(B)403、画像転送部(B)408、画像メモリ406、操作部404等を有する。
CPU(B)401は、コントローラー400の各ユニットを統括的に制御する中央演算装置である。ROM(B)402は、CPU(B)401が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM(B)403は、CPU(B)401が制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。
画像転送部(B)408は、画像転送部(A)258から画像を受信し、画像メモリ(B)406へ格納する。操作部404はユーザーからの画像読取システム全体に対する動作指示やユーザーへのメッセージ表示および読み取られた画像の表示を行う為のものであり、CPU(B)401との間で通信して所望の表示や入力を実施する。
CPU(B)401は、CPU(A)250との通信ライン405を介して、画像読取制御に関する制御コマンドのやり取り及び制御用データの授受を行う。例えば、CPU(B)401は、操作部404からユーザーの画像読取開始指示を受け取り、CPU(A)250に画像読取開始要求を送信する。
<リーダー200及びADF100の動作の説明>
リーダー200及びADF100の動作について、図1を参照して説明する。
画像読取装置1000の動作中、CPU(A)250は、原稿トレイ30に設けられた原稿検知センサ16の出力を監視し、出力に変化があった場合は、その都度、通信ライン405を介して原稿検知センサ16の出力をCPU(B)401へ通知する。CPU(B)401は、通知された原稿検知センサ16の出力に基づき、原稿トレイ30上に原稿束Sが積載されているか否かを判断する。
リーダー200は、CPU(B)401からの画像読取開始要求に応答して原稿の読み取りを行う。操作部404を介し、ユーザーから画像読取開始指示が入力されたとき、CPU(B)401は、通信ライン405を介しCPU(A)250へ画像読取開始要求を送信する。画像読取開始要求は、「固定読み開始要求」または「流し読み開始要求」のいずれかである。
「固定読み開始要求」は、原稿台ガラス202上に載置された原稿について、読取ユニット209を、図1の矢印に示す副走査方向に一定速度で走査することで原稿を読み取る「固定読み」の開始を要求するものである。
「流し読み開始要求」は、原稿トレイ30に積載された原稿束Sについて、読取ユニット209を所定位置に停止させた状態で、ADF100により原稿を搬送しながら原稿を読み取る「流し読み」の開始を要求するものである。
ユーザーから原稿読み取り開始の指示が入力された際に、原稿トレイ30上に原稿束Sが積載されていなければ、CPU(B)401は、CPU(A)250へ「固定読み開始要求」を送信する。
一方、ユーザーから原稿読み取り開始の指示が入力された際に、原稿トレイ30上に原稿束Sが積載されていれば、CPU(B)401は、CPU(A)250へ「流し読み開始要求」を送信する。
リーダー200は、CPU(B)401からの画像読取開始要求が「固定読み開始要求」と「流し読み開始要求」のいずれであるかに応じて、固定読み又は流し読みを開始する。
(ADF100の構成例)
ADF100の動作について、図1を参照しながら説明する。
(片面原稿読み取り)
ADF100を使用した片面原稿読み取り動作(片面流し読み)について説明する。
ADF100は、1枚以上の原稿シートで構成される原稿束Sを積載する原稿トレイ30と、原稿の搬送開始前に原稿束Sが原稿トレイ30より突出して下流への進出を規制する分離パッド8及び分離ローラ2と、給紙ローラ1とを有する。
原稿トレイ30には、原稿検知センサ16が設けられ、原稿トレイ30上の原稿の有無が判断できるようになっている。また、原稿トレイ30には、センサ10、11が設けられ、原稿トレイ30上の原稿のサイズを判断できるようになっている。ADFカバーユニット32は、給紙ローラ1及び分離ローラ2を保持する。給紙ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿束Sの原稿面に落下して回転する。これにより、原稿束Sの最上面の原稿が給紙される。給紙ローラ1によって給紙された原稿は、分離ローラ2と分離パッド8の作用によって1枚に分離される。この分離は公知の分離技術によって実現されている。また、原稿トレイ30上には原稿搬送方向と直交する方向に作動可能とした原稿幅規制板が設けられている。この原稿幅規制板を積載された原稿に当接させることで、原稿分離時の原稿搬送方向と直交する方向に対する移動を規制し、原稿が斜行して搬送されることを軽減することができる。
分離ローラ2と分離パッド8によって分離された原稿は、搬送ローラ3へ搬送される。搬送ローラ3の下流側には、原稿を流し読みガラス201方向へ搬送する給紙路が配置されている。給紙路に送られた原稿は、搬送ローラ4によって流し読み位置に搬送される。流し読みガラス201と対向部材5の間を通過する原稿は光源261で照射される。その反射光は、複数のミラー204、205、206で屈曲されながら、画像読取部260によって原稿の画像を1ラインずつ読み取られる。
流し読み位置を通過した原稿は、ジャンプ台219を介して搬送ローラ6の方向に進み、搬送ローラ6によって搬送された後、フラッパ9を押し上げて進み、その後、排紙ローラ7によって排紙トレイ31まで搬送される。
原稿が原稿トレイ30上に複数枚有る場合には、ADF100は、最終原稿の読み取り及び排紙トレイ31への排紙が終了するまで、先述の原稿束Sからの給紙、分離、搬送処理、流し読み位置での読取処理、及び排紙処理、を繰り返す。
(両面原稿読み取り)
ADF100を使用した両面原稿読み取り動作(両面流し読み)について説明する。なお、
片面原稿読み取り動作と同一の部分については説明を省略する。
片面原稿読取時と同様に読み取られて、流し読み位置を通過した原稿は、搬送ローラ6によって搬送された後、フラッパ9を押し上げて進む。ADF100は、搬送センサ15により原稿後端が抜けたことが検知されたら、原稿後端がフラッパ9を抜けた位置に到達したと判断される時間経過後に、搬送系モーター111の駆動を停止させる。停止後、ADF100は、今度は搬送系モーター111を逆方向に回転するよう設定を行い、駆動を開始する。すると排紙ローラ7が逆方向に回転し、原稿が先ほどとは反対の方向に搬送される。この時、フラッパ9の規制により原稿は反転パス18に進入する。
反転パス18に進入した原稿は、搬送ローラ3へ搬送される。搬送ローラ3へ到達すると、ADF100は、搬送系モーター111を停止させる。この時、原稿先端が搬送ローラ3にて挟持された状態となる。ADF100は、排紙ローラ7を上下方向に離間させる為のソレノイド113(図2)を駆動させて排紙ローラ7を離間させてから、搬送系モーター111を正方向に回転するように設定を行い、駆動を開始する。これにより、搬送開始前に原稿トレイ30上では上面だった原稿面が今度は下面となった状態となる。その後、片面読取時と同様の制御を実施して、画像読取部260にて原稿の読取を行う。これにより、先ほど読み込んだ面とは反対側(裏面)の原稿の読取を行うことができる。
搬送ローラ3の駆動による原稿搬送を開始したのち、ADF100は、裏面側の原稿読取終了後に原稿後端が搬送ローラ6を抜けるまでの間の任意のタイミングにおいて、ソレノイド113を駆動させて排紙ローラ7を当接させる。これにより、原稿裏面読取後の搬送ローラ6を原稿後端が抜けた後も、排紙ローラ7により原稿の搬送を継続することができる。
その後、ADF100は、原稿後端がフラッパ9を抜けて時点で再度搬送系モーター111の駆動を停止させる。停止後、ADF100は、再度反転パス18に進入するよう、搬送系モーター111を逆転させ、先ほどと同じ方法により原稿を逆転方向へ搬送駆動を実施する。原稿が反転パス18を進み搬送ローラ3に到達の時点で、ADF100は、再度搬送系モーター111を停止、正転方向に駆動させ、原稿を搬送パスへ進める。ただし、今度の場合は、画像読取部260による読取は行わない。搬送ローラ3の駆動による原稿搬送を開始したのち、原稿後端が搬送ローラ6を抜けるまでの間の任意のタイミングにおいて、ソレノイド113を駆動させて排紙ローラ7を当接させる。これにより、搬送ローラ6を原稿後端が抜けた後も、排紙ローラ7により原稿の搬送を継続することができる。その後の処理については片面原稿読取時と同様であり、最終的に排紙トレイ31まで搬送される。
なお、裏面原稿読取後に再度反転パス18へ原稿を搬送する理由は、原稿裏面読取後の状態のまま排紙トレイ31に原稿を排紙させると、片面読取時とは異なる面(表面)が上面となって排出されてしまう。この状態で複数枚原稿の読取を行った場合、原稿読取後の原稿束のページ順が原稿トレイ30に原稿を積載させた時と逆になってしまい、ユーザーにとって不便である。そのため裏面読取終了後に、再度原稿を反転させることで片面読取時と同じページ順で原稿束が排出完了となる状態にするためである。
原稿が原稿トレイ30上に複数枚有る場合には、ADF100は、最終原稿の表面読み取り及び排紙トレイ31への排紙が終了するまで、先述の原稿束Sからの給紙、分離、搬送処理、流し読み位置での片面読取処理、及び排紙処理、を繰り返す。
<シェーディング補正の説明>
図3(a)〜図3(c)は、原稿読み取り開始時にシェーディング補正係数を生成すべく、白基準板220を読み取って、画像処理部275のシェーディングRAM254に保持された画像データの主走査方向のRedの輝度値の様子を表す図である。つまり、後述する調整が行われた列アンプおよび出力アンプを用いて調整された後のRedの輝度値である。
図3(a)〜図3(c)において、横軸は、主走査位置を示す。縦軸は、256階調の輝度値を示す。図3にはRedの輝度値のみを示すが、他の色(Green,Blue)についても輝度値が得られる。
輝度値に対しては、1個以上のしきい値が設けられており、原稿読み取り開始時のシェーディング補正係数生成時には、それらのしきい値とシェーディングRAM254内の画像データ輝度値とが比較される。
図3(a)の301は、光源261が正常に点灯しており、反射ミラー204,205,206や結像レンズ207、ラインセンサ262のカバーガラス面に汚れが付着していない状態の輝度値を示している。
まず、第一しきい値は、照明光源が正常に点灯し、光学部品に汚れ、くもりなどが発生していない状態にあることを判定するためのしきい値である。輝度値がこの値以上であれば、読み取った画像は十分な画質が得られることを示す。本実施形態の例では、正常時の画像データの輝度値は平均して「192」程度であり、第一しきい値の「128」より大きいため「異常なし」と判断される。そして、輝度値に基づきシェーディング補正係数を算出し、原稿の読み取りを実行する。
次に、上述のシェーディングRAM254に保持された画像データの輝度値が第一しきい値未満、且つ第二しきい値(<第一しきい値)以上となった場合である。図3(b)がこれに該当する。図3(b)の302は、ラインセンサ262の出力信号レベルが小さくなり、シェーディングRAM254の画像データが正常時301の半分程度になっている状態を表している。このような状態になるのは、光源261に異常はないが、白基準板220からの反射光が減衰することで受光量がダウンしていることが原因である可能性がある。例えば反射ミラー204,205,206や結像レンズ207、ラインセンサ262のカバーガラス面に埃などの汚れや結露によるくもりにより、シェーディング補正用サンプリング時に白基準板220からの反射光の光量が減衰することがある。この状態で読み取り動作を実行すると、輝度値が第一しきい値以上であった場合と比べ、得られる画像にざらつきが生じるなどの状態が発生しやすくなる可能性がある。CPU(A)250は、第一しきい値未満且つ第二しきい値以上である場合は、輝度値が第一しきい値未満になったことを示す情報として「アラーム」を示す情報(アラーム情報)を不揮発性メモリ256に記録する。そして、輝度値に基づきシェーディング補正係数を算出し、原稿の読み取りを実行する。
最後に、第二のしきい値未満となった場合である。図3(c)がそれに該当する。図3(c)の303は、反射ミラー204,205,206や結像レンズ207、ラインセンサ262のカバーガラス面などの光学部品による汚れの影響が大きい場合の輝度値の例に対応する。図3(c)の303は、図3(b)の302と比較しても、半分程度しか画像信号出力が得られなかった場合の輝度値の例である。第二しきい値の「64」より輝度値が小さいので、許容レベルの画質は得られない可能性がある。また、くもりや汚れの他に、光源261やラインセンサ262を含む画像読取部260や、画像処理部275などの各回路のいずれかが故障し、正常に画像データが取得できない状態となっている可能性もある。CPU(A)250は、第二しきい値未満である場合、上記「アラーム」を示す情報(アラーム情報)を不揮発性メモリ256に記録する。さらに、この場合、正常に画像データを取得できない状況であると考えられるので、原稿の読み取りを禁止する。
図3(b)のように輝度値が前記第一しきい値未満且つ第二しきい値以上となった場合、もしくは、図3(c)のように輝度値が第二しきい値未満となった場合、CPU(A)250は、アラーム情報を不揮発性メモリ256に記録する。これにより、不揮発性メモリ256に記録された情報を基にリーダー200で実施すべき制御の切り替えに使用することが可能となる。また情報は不揮発であるため、画像読取装置1000の電源がOFFされ、再度ONされた後でも該情報に基づいてリーダー200で実施すべき制御の切り替えに使用することが可能となる。また、本実施の形態では、一度、アラーム情報を不揮発性メモリ256に記録した場合、その後のシェーディング補正係数の生成処理において正常と判断されたとしても、アラーム情報は削除されない。
以上のように、シェーディングデータの生成のために白基準板から読み取られた画像信号の輝度値と所定のしきい値との比較結果に基づく情報が、不揮発性メモリ256に記録される。
なお、上述の輝度値が第二しきい値未満となった場合、すなわち「エラー」と判断された場合には、これ以上の読取動作は不可であり、その旨を操作部404に表示させ、且つその後の画像読取ジョブ投入等の操作もできないようにさせておくことが望ましい。すはわち、CPU(A)250は、上述したしきい値判定処理の結果が「エラー」に対応する場合、原稿の読取処理を禁止等に制限する。また、上述したしきい値判定処理の結果が「アラーム」に対応する場合、CPU(A)250は、操作部404等に、読取動作は可能であるが品質が低下する可能性がある旨のメッセージを表示するようにしてもよい。また、アラーム、エラーのいずれか、或いはその両方とも、CPU(A)250が、ネットワーク等を通じサービスマン等の予め設定された通知先に、その旨を通知してもよい。
なお、「エラー」は、不揮発性メモリ256に記憶しないので、電源を切断することにより情報は消去される。電源を切断し、投入したのちのシェーディング補正係数を生成する際に、同様の判定が行われることになる。その際に、エラーと判定されない場合は、原稿を読み取ることが可能となる。
<電源投入時の調整処理の説明>
以下、図4を用いて、電源投入時の調整処理について説明する。
図4は、画像読取装置1000に電源が投入された際に、画像読取部260にて実行される調整処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、CPU(A)250がROM(A)251に格納されているプログラムを、実行することにより実施される。この調整処理を実行することで、光学系の分光特性により発生するカラーアンバランスが調整され、画像読取部260における画像読取のアナログ信号を所定のレベルで出力することが可能となる。
図4に示すように、まずS401において、CPU(A)250は、読取ユニット209を所定の待機位置(ホームポジション)へ移動させる。CPU(A)250は、ホームポジション用センサ227のON/OFF状態を見て、その状態に基づき光学系モーター226を駆動させることで読取ユニット209を副走査方向に移動させる。CPU(A)250は、ホームポジション用センサ227が所定位置を検知してから所定距離進んだ位置で停止させる。
次にS402において、CPU(A)250は、画像読取部260に電流を流し、タイミング生成回路270でタイミング信号を生成させ、画像読取部260内の回路等が稼動可能となる状態にしておく。
次にS403において、CPU(A)250は、黒レベルの信号のオフセット調整を実行する。具体的にはCPU(A)250はアナログ処理回路263に対し黒レベルのターゲット値やサンプリング数などの諸設定を行った後、光源261を消灯させたままの状態で信号を出力する。そしてその信号レベルに基づき電圧を調整する。このオフセット調整を実施することで、例えば黒側の信号を所定のターゲットのレベルにすることができる。
S404において、CPU(A)250は、光源の光量が所定値になるよう、光量の調整を行う。具体的には、CPU(A)250は、光源261を点灯させ、白基準板220で反射した光をラインセンサ262で受光し、その輝度値がターゲット光量になったか否かを判定する。そして、ターゲット光量になっていない場合、CPU(A)250は、光源を駆動する電流量を変えて再度光源を点灯及び判定を繰り返す。
S405において、CPU(A)250は、ゲイン調整を実施する。具体的には、CPU(A)250は、光源261を点灯させた状態で白基準板220をラインセンサ262を用いて読み取り、その輝度値からゲイン調整回路265内の各アンプに対し増幅量を設定する。詳細は後述する図5で示す。このゲイン調整を実施することで、例えば白側の信号を所定のターゲットレベルにすることができる。ただし、これらの各アンプは必要に応じて増幅させればよく、例えば列アンプ回路266のみで必要な信号レベルに到達する場合、出力アンプ回路267に対して調整処理を行う必要はなく、出力アンプ回路267にはデフォルトの1倍が設定される。
次にS406において、CPU(A)250は、オフセットの再調整を実施する。オフセット調整の具体的な方法はS403で説明した内容と同一なため割愛する。上記S405でゲインを上げている関係で全体的な信号レベルは上がった状態となっている。このとき取得した輝度値がターゲット値から所定値以上差分がある場合、その差分だけターゲット値を加味した上で再度オフセット調整を繰り返す。
上記S406の処理の後、CPU(A)250は、本フローチャートを終了する。
なお、図4に示した調整処理は、画像読取装置1000に電源が投入されたタイミングのみならず、スリープ(省電力状態)から復帰したタイミング、その他のタイミングでも実行してもよい。
<ゲイン調整>
以下、図5及び図6を用いて、ゲイン調整処理について説明する。
図5は、図4のS405で説明したゲイン調整の詳細な処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、CPU(A)250がROM(A)251に格納されているプログラムを、実行することにより実施される。
図6は、LED調整後、列ゲイン調整後及び出力ゲイン調整後の輝度値の状態を説明する図である。
S501において、CPU(A)250は、列アンプゲイン調整を実施すべく、光源261を点灯させて白基準板220で反射した光を所定時間ラインセンサ262で受光させ、その輝度値をR,G,Bごとに取得する。取得された主走査位置ごとの輝度値から最大輝度値を求める。最大輝度値はR,G,Bごとに求められる。なお、列アンプゲイン調整前のイメージは、例えば図6の(a)に示すようになる。
次にS502において、CPU(A)250は、上記S501の結果に基づいて、列アンプ回路266に対して増幅量(増幅条件)の決定を行う。Gの最大輝度値を基準としたR,Bの最大輝度値との比率を求め、その比率に応じた増幅量をR,Bに設定する。調整後のイメージは、例えば図6の(b)に示したようになる。本実施例では、列アンプ回路266の増幅量の分解能が高くないため、RGBの最大値を一致させることができない。
次にS503において、CPU(A)250は、アラーム情報が、不揮発性メモリ256に記録されているか否かを判定する。つまり、今回のゲイン調整を実行するより前に実行されたシェーディング補正係数生成時に読取輝度値が第一しきい値未満となり、「アラーム」状態と判断されたか否かを判定する。
アラーム情報が、不揮発性メモリに256に記録されていない場合には、列アンプのゲインのみで所定の輝度値を得ることが可能であるので、出力アンプ側の調整が必要ない。つまり、出力アンプによる信号を増幅させる必要がない。すなわち、上記S503において、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記録されていないと判定した場合(S503でNOの場合)、CPU(A)250は、本フローチャートの処理を終了する。
アラーム情報が不揮発性メモリ256に記録されている場合には、列アンプによる信号増幅のみでは所定の輝度値を取得することができていない可能性があるため、更なるゲイン調整を実施させる。すなわち、上記S503において、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記録されていると判定した場合(S503でYESの場合)、CPU(A)250は、S504に処理を進める。この場合、操作部404に、読取動作は可能であるが品質が低下する可能性がある旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
S504〜S507において、CPU(A)250は、出力アンプゲイン調整を行う。ここでは、上記S502で調整した増幅量でゲインがかかった状態であるため、出力アンプゲイン調整をする際はその状態での輝度値を取得する。S504において、CPU(A)250は、上記S501と同様に、光源261を点灯させて、白基準板220をラインセンサ262で読み取り、S502によって調整された列アンプを用いて調整を行い、輝度値を取得する。なお、出力アンプゲイン調整前のイメージは、例えば図6の(b)に示すようになる。
次にS505において、CPU(A)250は、出力アンプゲインの増幅量について、どの程度拡張するかの判定を実施する。
ここで、出力アンプゲイン調整について説明する。
出力アンプゲイン調整では、上記S504の結果に基づいて、出力アンプ回路267に対する増幅量(増幅条件)の決定を行う。具体的には、R、G、Bそれぞれの最大輝度値のうち、この3色の中から最も大きな輝度値を代表値としてターゲット値と比較する。図6(b)を例にすると、ターゲット値(896)と規定していて、且つ最大輝度値はGreenである。従って、「896/Greenの最大輝度値」で算出された比率を基に、出力アンプに設定する増幅量を決定する。出力アンプゲイン調整後のイメージは、例えば図6の(c)に示すようになる。
ゲイン調整により各アンプにて増幅可能である。しかし、入力信号の輝度値が低く階調の分解能が低い場合、ゲインの増幅により信号のダイナミックレンジが拡張されるため、アナログ信号の再現性の低い部分が拡張されて階調性の低い画像になる。このため、ゲインの増幅率が高くなる程ざらつきが発生しやすくなる。またゲインの増幅率が高くなる程、A/D変換におけるサンプリングタイミングも遅くなることから、読取時間に対する影響が発生してくる場合もある。そのためゲインの増幅率は少ない方が望ましい。ただし、ユーザーの希望に応じて増幅率の設定を複数個設定できる方がよい。
例えば一つは画像品質が規定の範囲内となるレベルに収まる増幅率(標準レベルに収まる増幅率)、もう一つは、画像品質は規定の範囲からはやや劣るもののアンプの設定可能な上限近傍の増幅率(標準レベルを超える増幅率)などである。なお、画像品質が劣る増幅率(標準レベルを超える増幅率)を設定可能とする理由は、以下のようなものである。例えば、汚れや結露の蓄積によってシェーディング時の輝度値が前記第二しきい値未満近傍となった場合でも、すぐには光学部品の清掃や交換等の対応ができない場合がある。そのような場合に、前記シェーディング結果が第二しきい値未満となると、エラーと判定されて画像読取装置の使用が不可となってしまう。そのような状況でも極力ユーザーが使用可能な期間を継続しダウンタイムを減らせるよう、上記の標準レベルを超える増幅率を設定可能としておく。このように少なくとも2段階の設定値を持たせるようにできることも、本実施形態の特徴である(3段階以上の増幅率を設定可能としてもよい)。なお、この増幅率の選択はユーザー、もしくはサービスマン等が操作部404を通じて値を入力することで切り替え可能とする。切り替えの例は後述する図7にて説明する。
例えば、列アンプゲインが1.0〜1.4倍の範囲で調整可能とする。また、出力アンプゲインが1.0〜1.6倍の範囲で調整可能とする。上記S503においてアラームが発生していないと判定された場合は、列アンプゲイン調整のみで所望の輝度値が得られるため、出力アンプゲインの設定は1.0倍でよく、従ってアナログ処理回路263では最大でも合計1.4倍のゲインでよい。一方、上記S503でアラームが発生している場合には出力アンプのゲインも調整するようにする。
以下、具体的に説明する。
上記S505において、調整拡張設定なしと判定した場合(S505でYESの場合)、CPU(A)250は、S506に処理を進める。
S506において、CPU(A)250は、上記S504で算出した輝度値と、ターゲット値との比率を基に出力アンプ回路267のゲイン量を1.0〜1.4倍の間で設定する。この場合、起動時のゲイン調整工程で出力アンプゲイン調整用の調整時間がかかることになるが、その代わり最大で列アンプゲイン1.4倍×出力アンプゲイン1.4倍=1.96倍の利得を得ることができる。
一方、上記S505において、調整拡張設定ありと判定した場合(S505でNOの場合)、CPU(A)250は、S507に処理を進める。
S507において、CPU(A)250は、上記S504で算出した輝度値と、ターゲット値との比率を基に出力アンプのゲイン量を1.0倍〜1.6倍に設定する。この場合、起動時のゲイン調整工程で出力アンプゲイン調整用の調整時間のほかに、画質面や読取時間の面でトレードオフの関係とはなるが最大で列アンプゲイン1.4倍×出力アンプゲイン1.6倍=2.24倍の利得を得ることができる。図6(b)の輝度値イメージに対して全体的に底上げされることになるので、調整後のイメージは図6の(c)に示すようになる。
上記S506又は上記S507の処理の後、CPU(A)250は、本フローチャートの処理を終了する。なお、この後、原稿読み取り開始に応じたタイミングで行われるシェーディング補正(図3)は、上記図4及び図3に示した調整処理がなされた状態で行われることになる。
図7は、操作部404に表示される表示画面804の一例を示す模式図である。なお、表示画面804を表示させるための情報は、例えばROM(B)402又は操作部404内の図示しないメモリに格納されている。
標準ボタン802は、上述した標準レベルに収まる増幅率を選択するためのボタンである。拡張ボタン803は、標準レベルを超える増幅率を選択するためのボタンである。OKボタン806は、表示画面804での設定を有効にするためのボタンである。設定取消ボタン805は、表示画面804での設定を取り消すためのボタンである。
ユーザーが標準ボタン802を選択してOKボタン806を押下した場合、出力アンプのゲイン量は最大で1.4倍までが設定可能となる。一方、拡張ボタン803を選択してOKボタン806を押下した場合、出力アンプのゲイン量は最大で1.6倍まで設定可能となる。このように、表示画面804は、出力アンプ回路267を使用してゲイン調整する場合の調整レベル(標準レベル、拡張レベルなど)をユーザーが設定するためのものであり、設定された値は、例えば不揮発性メモリ256に記録される。上述したS505〜S507では、CPU(A)250が、表示画面804において設定された調整レベルの範囲(標準レベル:1.0〜1.4倍、拡張レベル:1.0〜1.6倍)でゲイン調整を行うように制御する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は先述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態では二つのゲイン調整方法について説明したが、三つ以上のゲイン調整方法を有していて、且つ前記不揮発性メモリの情報に基づいて三つ以上のゲイン調整方法の使用有無の組み合わせを実施してもよい。例えば、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記憶されていない場合には2種類のゲイン調整方法を用い、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記憶されている場合には3種類以上のゲイン調整方法を用いてゲイン調整するようにしてもよい。すなわち、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記憶されている場合には、不揮発性メモリ256にアラーム情報が記憶されていない場合よりも多くの種類のゲイン調整方法を用いてゲイン調整するようにしてもよい。
また、本実施形態ではアナログ信号に対してのゲイン調整について説明したが、A/D変換後のデジタル信号に対してゲイン調整をかけてもよい。その際に、本実施形態の図5のS505で説明したようなゲイン拡張判定、及びS506,S507に示したようなゲイン設定を実施してもよい。ゲイン拡張判定の際は、各ゲイン調整方法に適した判定方法を用いてもよい。
本実施の形態によれば、画像読取装置内の光学部品に結露や埃が付着する等の状態が発生している場合でも、点灯時間や電流といった光源の点灯条件を変更することなく、読み取り画像信号の輝度値の低下を抑えることができる。例えば、光源の点灯時間や点灯電流といった光源の点灯条件がすでに最大設定に近い設定になっており、さらなる点灯時間や点灯電流の増加ができないような場合でも、エラーに到達しにくくすることができる。その結果、原稿の読取処理を継続することが可能となり、画像読取装置のダウンタイムを短縮することができる。また、本実施形態によれば、点灯時間や電流等の光源の点灯条件を変更することなく画像信号の輝度値の低下を抑えることができる。これにより、光源(LED等)をはじめとする電気部品の電流定格、点灯時間を増やした際の温度上昇を考慮する必要がなく、部品のコストアップも抑えることもできる。
また、本実施形態では、必要な場合にのみゲイン調整の段階を増やせる。例えば、アラーム状態でない場合には、列アンプ回路266のみの一段階のゲイン調整を行う。一方、アラーム状態の場合には、列アンプ回路266でのゲイン調整と出力アンプ回路267でのゲイン調整の二段階のゲイン調整を行う。これにより、無駄に画素ごとのサンプリング時間が延びたり、画質に影響を及ぼすことを、回避することができる。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されていてもよい。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
1000 画像読取装置
250 CPU(A)
261 光源
262 ラインセンサ
266 列アンプ回路
267 出力アンプ回路
273 シェーディング補正回路
274 シェーディングRAM

Claims (9)

  1. 光源から光を照射し該光の反射光を光電変換して画像信号を出力する読取手段と、
    前記画像信号を増幅する第1増幅回路および第2増幅回路を有する増幅手段と、
    前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づきシェーディングデータを算出する算出手段と、
    前記増幅手段によって増幅された画像信号に対して、前記シェーディングデータを用いてシェーディング補正を行う補正手段と、
    前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づき、前記読取手段の状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に関する情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、
    前記読取手段が前記基準部材を読み取り得られた画像信号に基づき、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路で使用する第1増幅条件および第2増幅条件を調整する調整手段と、を有し、
    前記調整手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判定手段の判定結果に関する情報に基づき、前記第1増幅条件に加えて前記第2増幅条件を調整するか否かを制御することを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記判定手段は、前記輝度値が第1しきい値よりも小さい場合、前記読取手段が第1状態であると判定し、
    前記制御手段は、前記記憶手段に前記判定結果として前記第1状態を示す情報が記憶されていない場合には、前記第1増幅条件を調整し、前記記憶手段に前記判定結果として前記第1状態を示す情報が記憶されている場合には、前記第1増幅条件に加えて前記第2増幅条件を調整するように制御することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  3. 前記第1増幅回路は、前記画像信号の色成分ごとに独立して前記画像信号の増幅を行うものであり、
    前記第2増幅回路は、前記画像信号の全ての色成分に共通して前記画像信号の増幅を行うものであることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記第2増幅条件を調整する場合の調整レベルを設定する設定手段を有し、
    前記調整手段は、前記第2増幅条件の調整では、前記設定手段で設定された調整レベルの範囲で調整を行うように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記所定のしきい値は、前記第1しきい値よりも小さい第2しきい値を含み、
    前記判定手段は、前記輝度値が前記第2しきい値よりも小さい場合には、前記読取手段が第2状態であると判定し、
    前記判定手段により前記第2状態と判定された場合、前記読取手段による原稿の読み取り処理を禁止する制限手段を設け、
    前記記憶手段は、前記判定手段により前記第2状態と判定された場合、前記判定結果として前記第1状態を示す情報を記憶することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  6. 前記判定手段により前記読取手段が少なくとも前記第1状態であると判定された場合には、その旨を所定の通知先に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記読取手段のゲイン調整は、前記画像読取装置への電源投入に応じたタイミングで実行され、
    前記判定手段による判定は、前記読取手段により原稿の読取処理を行う場合に実行されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  8. 光源から光を照射し該光の反射光を光電変換して画像信号を出力する読取手段と、前記画像信号を増幅する第1増幅回路および第2増幅回路を有する増幅手段と、前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づきシェーディングデータを算出する算出手段と、前記増幅手段によって増幅された画像信号に対して、前記シェーディングデータを用いてシェーディング補正を行う補正手段と、不揮発性の記憶手段と、を有する画像読取装置の制御方法であって、
    前記読取手段が基準部材を読み取りかつ前記増幅手段により増幅された画像信号に基づき、前記読取手段の状態を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップでの判定結果に関する情報を前記記憶手段に記憶させておくステップと、
    前記読取手段が前記基準部材を読み取り得られた画像信号に基づき、前記第1増幅回路および前記第2増幅回路で使用する第1増幅条件および第2増幅条件を調整する調整ステップを有し、
    前記調整ステップでは、前記記憶手段に記憶されている前記判定ステップでの判定結果に関する情報に基づき、前記第1増幅条件に加えて前記第2増幅条件を調整するか否かを制御することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
  9. コンピュータを、請求項1〜7のいずれか1項に記載の調整手段として機能させるためのプログラム。
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