JP2018085650A - 読取装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、読取ユニットに接続されているケーブルの異常状態を検出する読取装置を提供する。【解決手段】原稿台に載置された原稿に対して移動しながら原稿を光学的に読み取る読取ユニットと、読取ユニットにケーブルを介して接続され読取ユニットを制御する制御手段と、を有する。制御手段は電源が投入されると、読取ユニットをホームポジションに移動させ、ケーブルの異常状態を判定するための信号をケーブルに出力してケーブルの形状の異常を検出する。【選択図】図6
Description
本発明は、原稿台に載置された原稿を光学的に読み取る読取装置および制御方法に関する。
画像読取装置では、読取ユニットと画像読取装置本体との間で、読取りのための信号および供給電力を行うためにフレキシブルケーブルが構成されている。ここで、フレキシブルケーブルが原稿読取ガラスに接触し干渉してしまう場合がある。
特許文献1には、読取ユニットに取り付けられたフレキシブルケーブルの一端がキャリッジに固定され、他端の自由端側がフレキシブルケーブルを下方に押さえるように構成された画像読取装置が記載されている。特許文献1では、そのような構成により、フレキシブルケーブルの原稿読取ガラスへの接触を防いでいる。
しかしながら、近年、画像読取装置の小型化、薄型化が進んでおり、フレキシブルケーブルと原稿読取ガラスは、ますます近接する傾向にある。そのため、原稿読取ガラスとフレキシブルケーブルの接触を完全に防ぐことが極めて難しくなってきている。
フレキシブルケーブルが原稿読取ガラスに接触すると、原稿読取ガラスとの摩擦によりフレキシブルケーブルの形状に影響を及ぼし、走査速度の変動やフレキシブルケーブル自身の耐久性にも影響を及ぼしてしまう。また、フレキシブルケーブルが異常状態になった場合、読取ユニットの平行性に影響を与え、幾何特性等の画像不良を生じる原因となってしまう。
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、本発明は、簡易な構成で、読取ユニットに接続されているケーブルの異常状態を検出する読取装置および制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る読取装置は、原稿台に載置された原稿に対して移動しながら前記原稿を光学的に読み取る読取手段と、前記読取手段とケーブルを介して接続され、前記読取手段を制御する制御手段と、前記ケーブルの異常状態を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で、読取ユニットに接続されているケーブルの異常状態を検出することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1(a)は、本実施形態における画像読取装置100の断面図である。本実施形態においては、画像読取装置として、例えば複写機等の画像形成装置に用いられる画像読取装置を説明するが、これに限られず、例えば、単体の画像読取装置であっても良い。
画像読取装置100は、原稿Dの画像を光学的に読み取る画像読取部110と、画像読取部110へ原稿Dを給送する原稿給送部120とを含んで構成されている。原稿の読取方式には、ユーザによって原稿台ガラス10上に載置された原稿を読み取る「固定読み」方式と、原稿給送部120によって流し読みガラス20上へ搬送された原稿を読み取る「流し読み」方式とがある。画像読取装置100は、これらの両方式での読取りが可能である。
原稿給送部120は、ヒンジ等の開閉支持部材(不図示)によって画像読取部110に対して図1の奥側を中心に回動可能に支持されている。このため、原稿給送部120は、原稿台ガラス10と流し読みガラス20との上面を開閉可能に構成されている。
「固定読み」方式により原稿画像を読み取る場合は、ユーザによって原稿給送部120が開かれて原稿台ガラス10上に原稿が載置され、原稿給送部120が閉じられることで原稿台ガラス10上に原稿が固定される。原稿台ガラス10の下方には、読取走査ユニット50が構成され、走査方向H上を走査しながら原稿の画像を読み取ることが可能である。ここで、読取走査ユニット50の走査方向Hを副走査方向といい、副走査方向に直交する方向を主走査方向という。
一方、「流し読み」方式により原稿画像を読み取る場合は、ユーザによって原稿載置部30に載置される原稿Dを給送ローラ31が装置内に引き込み、分離ローラ32と分離板33とからなる分離部に給送する。ここで、分離ローラ32と分離板33は、給送ローラ31により複数枚の原稿Dが給送された場合に、原稿Dを1枚ずつに分離しながら搬送する。
次に、レジセンサS1で原稿Dの先端を検出すると、レジストローラ対34の回転を停止させ、分離ローラ32によって搬送される原稿Dの先端を受け止めて原稿Dの斜行を矯正する。レジセンサS1は、原稿Dの斜行矯正のタイミングを計る他、原稿Dの後端を検出したことに応じて給送ローラ31による給送タイミングを計ったり、原稿Dの先端及び後端の検出タイミングに応じて原稿Dのサイズ判定を行うことに用いられる。
レジストローラ対34により斜行が矯正された原稿Dは、搬送路PS1を介して流し読みガラス20上へと搬送される。そして、リードセンサS2で検知される読取タイミングに合わせて、流し読みガラス20の読取位置の下方で停止している読取走査ユニット50が画像を読み取る。このとき、原稿Dは、所定の回転数で回転するプラテンローラ35により流し読みガラス20の上面から浮き上がり量を規制された状態で搬送されながら、読取走査ユニット50によって画像を読み取られる。
また、プラテンローラ35の原稿搬送方向上流と原稿搬送方向下流にはそれぞれリードローラ対36、37が設けられており、原稿Dは、読取走査ユニット50によって画像が読み取られながらリードローラ対36、37によって搬送される。原稿Dの片面読取を行う場合、画像が読み取られた原稿Dは、リードローラ対37によって反転排出ローラ対38へ搬送され、原稿排出部39へ排出される。反転排出ローラ対38の搬送方向上流側には排出センサS3が設けられており、排出センサS3による原稿端部の検出タイミングから、原稿Dが原稿排出部39へ排出されたか否かが判定される。
また、原稿Dの両面読取を行う場合は、第一面目を読み取った後、原稿Dを排出中の反転排出ローラ対38を停止し、その後逆回転させて原稿Dを機内へ引き戻す。そして、フラッパ40にて搬送路を反転搬送路PS2に切り替えることで原稿Dを再度、搬送路PS1内に送り込み、読取走査ユニット50によって第二面目を読み取り、片面読取時と同様に原稿排出部39へ排出する。
ここで、レジセンサS1およびリードセンサS2、排出センサS3は、それぞれの原稿端部の検知タイミングによって原稿搬送時の滞留ジャムや遅延ジャム等の検出に用いられる。読取走査ユニット50は、ライン型イメージセンサであり、原稿画像を読み取る場合、主走査方向に延びる光源(後述)から原稿に対して光を照射し、その反射光を検出することによって原稿画像を読み取る。また、読取走査ユニット50は、駆動ベルト54に固定され、駆動モータ55の駆動力が駆動ベルト54を介して伝達されることで、原稿台ガラス10の下面のガイド軸56に沿って副走査方向H上を往復移動可能である。ここで、駆動モータ55には、ステッピングモータやDCモータ等が用いられる。
図1(b)は、読取走査ユニット50の断面図である。読取走査ユニット50は、原稿画像を読み取るための光を照射するための光源51a、51bと、光学レンズ52と、撮像部53とを含んで構成される。光源51a、51bはそれぞれ、赤色LED、緑色LED、青色LEDの3つを備えた白色タイプの導光管を含み、原稿台ガラス10に対して所定角度だけ傾斜する方向から原稿に対して光を照射する。
そして、光源51a、51bから照射され原稿面上で反射された反射光は、光学レンズ52によって主走査方向に並んだ複数の光電変換素子から構成される撮像部53の所定の結像位置へと導かれる。そして、原稿からの反射光が撮像部53によって撮像されることで原稿の画像データが等倍で読み取られ、不図示の画像メモリに格納される。
尚、主走査方向に並んだ撮像部53の各光電変換素子には歪み(出力誤差)が存在する。そこで、原稿画像を読み取る前に撮像部53の出力信号を一様にするために、原稿台ガラス10の端部に設けられた白色基準板60を読み取った時の出力信号を用いて歪みを補正するシェーディング補正を行う。また、シェーディング補正時には、光源51a、51bの露光量を基準値に保つために光量調整などが行われる。
図2は、本実施形態における画像読取装置100の制御部210の構成を示す図である。制御部210は、例えばコントローラ基板として構成され、画像読取装置100全体を統括的に制御する。CPU200は、制御部210内のシステムバス209に接続された各ブロックを制御する。
例えば、CPU200は、各種センサからの検知信号により以下のような制御を実行する。CPU200は、DF開閉センサ218からの検知信号により、原稿給送部120の開き状態を検出する。例えば、DF開閉センサ218に設けられたトリガスイッチの機構的な動作に応じた検知信号により、CPU200は、原稿給送部120の複数の角度を識別可能である。
また、CPU200は、原稿検知センサ220からの検知信号により、原稿載置部30への原稿の載置を検出し、カバー開閉センサ219により、原稿給送部120でジャムが発生した際に開けるためのカバーの開閉を検出する。さらに、CPU200は、原稿搬送路上に配置されたタイミングセンサ221、レジセンサ222、リードセンサ223、排紙センサ224により、原稿給送部120内の搬送路上の原稿を検出する。また、CPU200は、ホームポジション(HP)検知センサからの検知信号により、読取走査ユニット50がホームポジションに位置していることを検出する。画像読取センサ217は、図1の撮像部53に含まれるイメージセンサである。本実施形態では、読取走査ユニット50は、CIS方式の画像読取センサ217を用いるが、CCD方式の画像読取センサ217が用いられても良い。
CPU200は、上記の各センサ(センサ207として図示)から入力される検知信号に基づいて、以下のようなアクチュエータ208を制御する。アクチュエータ208は、読取部モータ211、搬送モータ212、給紙モータ213、離間スイッチ214、スタンプ215を含む。CPU200は、読取部モータ211の制御により、読取走査ユニット50を走査方向に移動させる。また、CPU200は、給紙モータ213の制御により、原稿載置部30に載置された原稿Dを分離部から搬送させ、また、搬送モータ212の制御により、搬送された原稿を流し読みガラス20の読取位置へ搬送させる。
また、CPU200は、離間スイッチ214の制御により、レジストローラ対34のローラ対の離間/接触を行わせる。さらに、CPU200は、スタンプ215により、搬送される原稿に搬送済みスタンプを付与させる。
RAM201は、汎用的なRAMであり、CPU200の作業領域及びデータの一時記憶領域として用いられる。ROM202は、汎用的なROMであり、画像読取装置100を駆動するためのファームウェアプログラムや、ファームウェアプログラムを制御するためのブートプログラムを記憶し、CPU200によってRAM201に読み出されて実行される。通信インタフェース(I/F)203は、外部のコンピュータ端末装置等と有線や無線等のネットワーク媒体を介して接続し、データやジョブ等が送受信される。操作部204は、パネルや入力キー等を有し、ユーザによる画像読取装置100の各種設定操作を受付けたり、ユーザインタフェース画面等を表示したりする。
印刷制御部205は、読取走査ユニット50を含む画像読取部206で原稿を読み取って取得された画像データを画像形成装置本体に出力する。画像形成装置本体は、図1では図示されていないが、画像読取部110の下方に位置する。画像形成装置本体は、インクジェット記録方式や電子写真方式等のプリンタエンジン、記録媒体であるシートを収納するトレイ、シートをプリンタエンジンの画像形成部へ搬送する搬送路、排出部等を含んで構成されている。また、画像形成装置本体も、プロセッサを有するコントローラを有しており、適宜、画像読取装置206のCPU200と連携することにより、画像形成装置の機能が実行される。
図3、図4、図5を参照しながら、フレキシブルケーブルの形状の判定について説明する。画像読取装置100では、制御部210は、読取走査ユニット50とフレキシブルケーブルを介して接続されており、フレキシブルケーブルは、図5に示すように、読取走査ユニット50が移動する筐体内に屈曲する形で収納されている。正常状態であれば、図5の正常状態501、503に示すように、フレキシブルケーブルの一部と、筐体の底部の板金との間に接触領域、若しくは、ほぼ近接する領域が生じる。
図3(a)は、フレキシブルケーブルが板金に沿って、接触もしくはほぼ近接している状態での波形を示す図である。CPU200は、フレキシブルケーブルの状態判定用の信号として、パルス状態の波形Aの信号を出力する。出力された信号は、フレキシブルケーブル内を通り、画像読取センサ103内でループバックし、波形Bとしてフレキシブルケーブル内に戻る。フレキシブルケーブル内に戻った信号は、波形整形回路により波形整形処理されて、制御部210のCPU200に入力される。その際、フレキシブルケーブルが板金に沿っているので、フレキシブルケーブルと板金との間の浮遊容量により、伝送される波形Bには歪みが生じる。
一方、図3(b)は、フレキシブルケーブルが板金に沿っていない状態での波形を示す図である。図3(a)と同様に、CPU200は、フレキシブルケーブルの状態判定用の信号として、パルス状態の波形Aを出力する。出力された信号は、フレキシブルケーブル内を通り、画像読取センサ103内でループバックし、波形Bとしてフレキシブルケーブル内に戻る。フレキシブルケーブル内に戻った信号は、波形整形回路により波形整形処理されて、制御部210のCPU200に入力される。その際、フレキシブルケーブルは板金に沿っていないので、フレキシブルケーブルと板金との間の浮遊容量は存在しない。そのために、波形Bには歪みが生じない。
図4は、波形の歪みについて説明するための図である。図4(a)は、フレキシブルケーブルが板金に沿っている状態について示す図である。まず、波形AがCPU200によりフレキシブルケーブルに出力される。波形Aは、前述のように、フレキシブルケーブル内を通り、画像読取センサ103内でループバックして制御部210に戻る。戻ってきた波形は、フレキシブルケーブルと板金との間の浮遊容量により、波形Bのように歪みが生じた波形となる。波形Bは、制御部210内の波形整形回路により、所定の閾値レベルに基づいて再度、方形波に波形整形される。波形Cは、その波形整形の結果得られる波形である。図4(a)に示すように、波形整形前の波形Aと波形Cから示されるように、波形に歪みが生じた分、立ち上がり時間に差分が発生することになる。なお、その差分時間は、波形Bの立ち上がり時点と、閾値に達する時点との間の時間から求められる。
図4(b)は、フレキシブルケーブルが板金に沿っていない状態について示す図である。図4(a)と同様に、波形AがCPU200によりフレキシブルケーブルに出力される。波形Aは、フレキシブルケーブル内を通り、画像読取センサ103内でループバックして制御部210に戻る。ここで、フレキシブルケーブルは板金に沿っていないので、フレキシブルケーブルと板金との間の浮遊容量は存在しない。そのため、波形Bには歪みが生じず、制御部210内の波形整形回路により再度、方形波に波形整形しても、波形整形前の波形Aと波形Cとの間に、立ち上がり時間に差分は発生しない。本実施形態では、上記のようなフレキシブルケーブルが板金に沿うことにより発生する波形の歪みの現象を用いて、フレキシブルケーブルの形状の正常/異常を判定する。
図5は、フレキシブルケーブルの正常状態と異常状態を示す図である。図5(a)は、読取走査ユニット50がホームポジションに位置する状態を示す図である。HP検知センサ101により、読取走査ユニット50がホームポジションに位置していることが検出される。図5(a)の正常状態501の場合、フレキシブルケーブルは板金に沿っている状態となるので、正常状態として、接触若しくは近接する領域に応じた差分時間Xが発生する。しかしながら、異常状態501に示すようにフレキシブルケーブルが正常状態でなければ、歪みがより小さくなり、差分時間はXより短くなる。
図5(b)は、読取走査ユニット50が中間位置(A4サイズ相当)に位置する状態を示す図である。図5(b)の正常状態503の場合、フレキシブルケーブルの板金に沿っている部分は、図5(a)の板金に沿っている状態に比べると1/2の長さとなる。従って、図5(b)の場合、正常状態として、差分時間X/2が発生する。しかしながら、異常状態504や異常状態505に示すようにフレキシブルケーブルが正常状態でなければ、差分時間は、0やX/4等、X/2より短くなる。
図5(c)は、読取走査ユニット50がホームポジションから最大量移動したフルストローク位置に位置する状態を示す図である。図5(c)の正常状態506の場合、フレキシブルケーブルは、伸びきった状態となるので、ケーブルが途中で曲がったりすることなく、板金に沿った状態とならない。従って、図5(c)の場合、正常状態として、差分時間は0となる。
本実施形態では、図5(a)〜(c)のように、読取走査ユニット50の各位置で取得された差分時間に基づいて、フレキシブルケーブルの異常状態を検出する。
図6は、電源が投入された画像読取装置100の起動時の動作を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、CPU200がROM202に記憶されたプログラムをRAM201に読み出して実行することにより実現される。画像読取装置100に電源が投入されると、図6の処理が開始する。
電源が投入されると、S101において、CPU200は、読取走査ユニット50をホームポジションに移動させる。S102において、CPU200は、フレキシブルケーブルの異常状態を判定するためのSP信号をフレキシブルケーブルに出力する。出力されるSP信号は、図4で説明したような波形Aである。
S103において、CPU200は、ループバックしてきた信号を受信し、波形整形回路により波形整形し、波形整形前の信号と波形整形後の信号とを比較する。そして、波形整形前の信号の立ち上がり時と、波形整形後の信号の立ち上がり時との差分時間Nを取得し、RAM等の記憶部に記憶する。ここで、差分時間Nは、波形整形前の信号の立ち上がり時と、信号レベルが閾値に達する時点との差から求めても良い。そして、CPU200は、差分時間Nが規定時間より短いか否かを判定する。ここで、差分時間Nが規定時間より短いと判定された場合には、S105に進み、CPU200は、フレキシブルケーブルが異常状態であることを警告通知し、画像読取装置100をスタンバイ状態とする。その後、図6の処理を終了する。警告通知は、例えば、操作部204に警告メッセージを表示することで行われても良い。一方、差分時間Nが規定時間より短くないと判定された場合には、S104において、CPU200は、フレキシブルケーブルは正常状態であると判定し、画像読取装置100をスタンバイ状態とする。その後、図6の処理を終了する。
図7は、画像読取装置100の画像読取動作(固定読み)の読取制御処理を示すフローチャートである。図7の処理は、例えば、CPU200がROM202に記憶されたプログラムをRAM201に読み出して実行することにより実現される。例えば、ユーザが操作部204に表示されたメイン画面上でコピー機能の実行を指示すると、図7の処理が開始する。
S201において、CPU200は、原稿台ガラス10上(原稿台上)に載置された原稿の画像を読取るために、読取走査ユニット50を走査させる。S202において、CPU200は、原稿サイズ分の走査が終了し、原稿画像の読取りが終了すると、読取走査ユニット50を停止させる。S203において、CPU200は、読み取った画像から走査対象の原稿サイズがラージ系のサイズであるか否かを判定する。ここで、ラージ系のサイズとは、読取走査ユニット50がフルストローク分走査する原稿サイズである。ラージ系のサイズであると判定された場合、S204において、CPU200は、読取走査ユニット50をホームポジションに戻すようにバックスキャンする。読取走査ユニット50がホームポジションに戻ると、S208において、CPU200は、印刷制御部205により、画像形成装置本体の画像形成部と連携し、スキャンで取得された読取データに基づいてコピー機能を実行する。その後、CPU200は、画像読取装置100をスタンバイ状態とし、図7の処理を終了する。一方、S203でラージ系のサイズでないと判定された場合、S205において、CPU200は、現在の読取走査ユニット50の位置について、フレキシブルケーブルの異常状態を判定するためのSP信号をフレキシブルケーブルに送信する。
S206において、CPU200は、ループバックしてきた信号を波形整形回路により波形整形し、波形整形前の信号と波形整形後の信号とを比較する。そして、波形整形前の信号の立ち上がり時と、波形整形後の信号の立ち上がり時との差分時間Xを取得する。そして、CPU200は、その差分時間Xが下記の式(1)の条件を満たすか否かを判定する。
X ≧ N×L/A ・・・(1)
ここで、Nは、S102においてホームポジションで取得された差分時間である。また、Lは、読取走査ユニット50がホームポジションから移動した距離であり、例えば原稿がA4サイズ相当であれば、読取走査ユニット50がフルストロークで走査可能な距離のおよそ1/2となる。Aは、読取走査ユニット50がフルストロークで走査可能な距離である。つまり、フレキシブルケーブルが正常状態であれば、式(1)の右辺は、読取走査ユニット50の位置に対応した値、例えばN/2となる。
ここで、Nは、S102においてホームポジションで取得された差分時間である。また、Lは、読取走査ユニット50がホームポジションから移動した距離であり、例えば原稿がA4サイズ相当であれば、読取走査ユニット50がフルストロークで走査可能な距離のおよそ1/2となる。Aは、読取走査ユニット50がフルストロークで走査可能な距離である。つまり、フレキシブルケーブルが正常状態であれば、式(1)の右辺は、読取走査ユニット50の位置に対応した値、例えばN/2となる。
差分時間Xが式(1)の条件を満たすと判定された場合、S207に進み、差分時間Xが式(1)の条件を満たさないと判定された場合、S209に進む。S207において、CPU200は、フレキシブルケーブルは正常状態であると判定し、読取走査ユニット50をホームポジションに戻すようにバックスキャンする。S207の後は、S208の処理が実行される。一方、S209において、CPU200は、自己復帰動作を実行し、その後、図7の処理を終了する。自己復帰動作については、図8において後述する。図7の処理においては、S208でコピー動作が行われているが、読取データを用いた処理であれば、ファクシミリ機能や送信機能等、他の機能を実行する処理であっても良い。
図8は、図7のS209の自己復帰動作を示すフローチャートである。S301において、CPU200は、読取走査ユニット50をフルストロークで走査可能な距離分、読取走査ユニット50を移動させる。S302において、CPU200は、読取走査ユニット50をフルストロークで走査可能な距離分移動させた位置で、読取走査ユニット50を停止させる。
本実施形態では、図7のS206で差分時間Xが式(1)の条件を満たさないと判定された場合、フルストロークで走査可能な距離分、読取走査ユニット50を移動させる。その動作により、図5(c)に示すように、フレキシブルケーブルを一旦、伸長状態とすることでケーブル形状を矯正することができる。
S303において、CPU200は、図7のS202で停止させた位置まで、読取走査ユニット50をバックスキャンする。S304において、CPU200は、フレキシブルケーブルの異常状態を判定するためのSP信号をフレキシブルケーブルに出力する。
S305において、CPU200は、ループバックしてきた信号を波形整形回路により波形整形し、波形整形前の信号と波形整形後の信号とを比較する。そして、波形整形前の信号の立ち上がり時と、波形整形後の信号の立ち上がり時との差分時間Xを取得する。そして、CPU200は、その差分時間Xが式(1)の条件を満たすか否かを判定する。ここで、差分時間Xが式(1)の条件を満たすと判定された場合、S306において、CPU200は、フレキシブルケーブルの状態が正常状態に復帰したと判定し、読取走査ユニット50をホームポジションまでバックスキャンする。その後、CPU200は、画像読取装置100をスタンバイ状態とし、図8の処理を終了する。
一方、差分時間Xが式(1)の条件を満たさないと判定された場合、S307において、CPU200は、フレキシブルケーブルの状態が正常状態に復帰していないと判定する。そして、読取走査ユニット50をホームポジションまでバックスキャンし、画像読取装置100を縮退モードとしてスタンバイ状態とする。その後、図8の処理を終了する。
縮退モードとは、固定読みを禁止し、原稿給送装置から給紙された原稿を読み取る流し読みのみ実行可能とするモードのことである。つまり、自己復帰動作を行ったにも関わらずフレキシブルケーブルの状態が異常状態のままであれば、固定読みを実行し続けると、読取走査ユニット50の走査速度の変動により色ずれが発生したり、フレキシブルケーブルの耐久性に影響を及ぼすおそれがある。本実施形態では、S307において固定読みを禁止することにより、そのようなおそれを事前に防ぐことができる。
S307で縮退モードに移行するとともに、CPU200は、画像読取装置100が縮退モードであるという情報をROM等の不揮発性メモリに格納しておく。そして、操作部にフレキシブルケーブルの確認や交換等、メンテナンスが必要である旨のメッセージを警告表示するようにしても良い。サービスマン等によるメンテナンスが行われた際には、図6において説明したように、読取走査ユニット50をホームポジションに位置させ、SP信号を出力する処理を実行するようにしても良い。その際、ホームポジションにおける差分時間が規定時間より短いか否かを判定し、差分時間が規定時間より短くないと判定したならば、フレキシブルケーブルは正常状態であると判定して、不揮発性メモリに格納した縮退モードの情報を削除する。CPU200は、縮退モードの情報を削除すると、固定読みの禁止を解除する。このように、フレキシブルケーブルの異常状態を検出して縮退モードに移行すると、固定読みの実行が制限される。
若しくは、S307で縮退モードに移行した場合に、固定読みを禁止する以外の方法が実行されても良い。例えば、固定読みを禁止せず、操作部204を介して固定読みの実行指示を受け付けるときに、フレキシブルケーブルが異常状態であり流し読みを推奨するメッセージを表示するようにしても良い。また、その際に、固定読みを実行するか、読取をキャンセルするか、若しくは、流し読みを行うかについての選択画面を表示するようにしても良い。
以上のように、本実施形態によれば、読取ユニットの平行性を損なうフレキシブルケーブルの異常状態を簡易な構成で検出し、画像不良を防ぐことができる。また、本実施形態では、フレキシブルケーブルの異常屈曲等を検知した場合には、自己復帰動作が行われる。自己復帰動作によってもなおフレキシブルケーブルの異常状態を修正できない場合、縮退モードに移行し、フレキシブルケーブルに影響がない画像読取(流し読み)を動作可能にし、サービスマンに警告通知し、フレキシブルケーブルの交換を促すことができる。
50 読取走査ユニット: 100 画像読取装置: 200 CPU: 201 RAM: 202 ROM
Claims (13)
- 原稿台に載置された原稿に対して移動しながら前記原稿を光学的に読み取る読取手段と、
前記読取手段とケーブルを介して接続され、前記読取手段を制御する制御手段と、
前記ケーブルの異常状態を検出する検出手段と、を有する、ことを特徴とする読取装置。 - 前記制御手段は、前記ケーブルを介して前記読取手段に信号を送信し、
前記検出手段は、当該送信に応じて前記読取手段から前記ケーブルを介して受信した信号に基づいて、前記ケーブルの形状の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。 - 前記読取手段は、前記ケーブルを介して受信した信号を前記ケーブルにループバックすることを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
- 前記検出手段は、前記読取手段から前記ケーブルを介して受信した信号の波形に基づいて、前記ケーブルの形状の異常を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の読取装置。
- 前記検出手段は、前記読取手段から前記ケーブルを介して受信し波形整形を行う前の信号の波形に基づいて、前記ケーブルの形状の異常を検出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の読取装置。
- 前記検出手段は、前記読取手段から前記ケーブルを介して受信し波形整形を行う前の信号の立ち上がり時点と、当該信号のレベルが閾値に達する時点との差に基づいて、前記ケーブルの形状の異常を検出することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の読取装置。
- 前記読取手段がホームポジションから離れるほど、前記ケーブルと筐体との接触もしくは近接する領域は小さくなり、
前記検出手段は、前記差が前記読取手段の位置に対応した規定時間より短い場合に、前記ケーブルの形状が異常であると判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の読取装置。 - 前記読取手段がホームポジションから離れるほど、前記規定時間は小さくなることを特徴とする請求項7に記載の読取装置。
- 前記読取装置の起動時に前記読取手段がホームポジションに位置する場合、前記検出手段は、前記ケーブルを介して前記読取手段に前記信号を送信することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の読取装置。
- 前記原稿台上に載置された原稿の読み取りを行うために前記読取手段が当該原稿を走査する場合、前記検出手段は、前記ケーブルを介して前記読取手段に前記信号を送信することを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の読取装置。
- 前記検出手段により前記ケーブルの形状の異常を検出すると、前記制御手段は、前記読取手段が移動可能な最大量、前記読取手段をホームポジションから移動させ、
当該移動の後、前記検出手段は、前記ケーブルを介して前記読取手段に信号を送信する、ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか1項に記載の読取装置。 - 前記検出手段により前記ケーブルの形状の異常を検出すると、前記制御手段は、前記原稿台に載置された原稿に対する読取りを制限することを特徴とする請求項2乃至11のいずれか1項に記載の読取装置。
- 原稿台に載置された原稿に対して移動しながら前記原稿を光学的に読み取る読取手段を備える読取装置において実行される制御方法であって、
前記読取手段とケーブルを介して接続され、前記読取手段を制御する制御工程と、
前記ケーブルの異常状態を検出する検出工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016228257A JP2018085650A (ja) | 2016-11-24 | 2016-11-24 | 読取装置および制御方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020039037A (ja) * | 2018-09-03 | 2020-03-12 | セイコーエプソン株式会社 | 読取り装置 |
JP2020115623A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-30 | キヤノン株式会社 | 画像読取装置 |
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2016
- 2016-11-24 JP JP2016228257A patent/JP2018085650A/ja active Pending
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