JP6147523B2 - フルオロスルホニルイミド塩の製造方法 - Google Patents

フルオロスルホニルイミド塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロスルホニルイミド塩、詳しくは、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法に関する。
フルオロスルホニルイミド類は、電解質や、燃料電池の電解液への添加物、選択的求電子フッ素化剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、近赤外線吸収色素等として使用されるなど、様々な用途において有用な化合物である。
フルオロスルホニルイミド類の製造方法としては種々提案されており、例えば、フッ素化剤を使用して、クロロスルホニルイミドをハロゲン交換する方法(非特許文献1,2);尿素の存在下で、フルオロスルホン酸(HFSO3)を蒸留してビス(フルオロスルホニル)イミドを得る方法(特許文献1);フッ素含有スルホン酸(Rf1SO3H)とフッ素含有スルホンアミド(Rf2SO2NH2)とを、塩化チオニルの存在下で反応させる方法(特許文献2、Rf1,Rf2は、フッ素又は炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のペルフルオロアルキル基);スルファミン酸とクロロスルホン酸との反応生成物と、ハロゲン化剤とを反応させる方法(特許文献3);塩基性触媒の存在下、クロロスルホニルイミド類とフッ化物塩とを反応させる方法(特許文献4);等があり、また、本発明者らも、所定の元素を含むフッ化物を使用してフルオロスルホニルイミドを製造する方法を提案している(特許文献5)。
特表平8−511274号公報 国際公開第2011/148958号パンフレット 国際公開第2010/010613号パンフレット 特開2007−182410号公報 国際公開第2009/123328号パンフレット
John K. Ruff及びMax Lustig、Inorg.Synth. 11,138-140 (1968年) Jean’ne M. Shreeveら、Inorg. Chem. 1998, 37 (24), 6295-6303
しかしながら、上記製法によってフルオロスルホニルイミド類を製造する中で、本発明者等は、同じ製造方法を実施していても収率にバラツキがあり、低収率でしかフルオロスルホニルイミド類が得られない場合があることに気がついた。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、安定して高収率でフルオロスルホニル塩が得られる製造方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明のフルオロスルホニルイミド塩の製造方法とは、下記一般式(I)で表される化合物とフッ化物とを反応させて、下記一般式(II)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を製造する方法であって、上記フッ化物の水分量が6×103ppm以下である点に要旨を有するものである。なお、「ppm」は質量百万分率を表し、フッ化物中に含まれる水分等の質量比を示す。以下同様。
Figure 0006147523
(上記一般式中、R1は、フッ素、塩素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、R2は、有機カチオン又は無機カチオンであり、R3は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、mは2又は3の整数を示す。)
本発明においては、上記フッ化物が第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物であるのが好ましい。
さらに、水分量1×103ppm以下の反応溶媒を使用することが好ましく、上記反応溶媒として、非プロトン性溶媒を使用することは推奨される本発明の実施態様である。
なお、本発明における「フルオロスルホニルイミド」との文言には、フルオロスルホニル基を2つ有するビス(フルオロスルホニル)イミドの他、フッ素原子とフッ化アルキル基とがそれぞれスルホニルイミド基に置換したN−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドが含まれる。なお、「クロロスルホニルイミド」も同様である。また、「フルオロアルキル」とは、炭素数1〜6のアルキル基において、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたものを意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が含まれる。
本発明によれば、水分量の低い出発原料等を使用することにより反応系内に持ち込まれる水分量が低減される結果、出発原料や生成物の加水分解反応を抑制し、目的物であるフルオロスルホニルイミド塩を安定して高収率で得ることができる。
本発明のフルオロスルホニルイミド塩(以下、FSI塩と称することがある)の製造方法とは、下記一般式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と称する場合がある)とフッ化物とを反応させて、下記一般式(II)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を製造する方法であって、上記フッ化物の水分量が6×103ppm以下である点に特徴を有する。
Figure 0006147523
(上記一般式中、R1は、フッ素、塩素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、R2は、有機カチオン又は無機カチオンであり、R3は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、mは2又は3の整数を示す。)
本発明者等は、フルオロスルホニルイミド塩の収率が低下してしまう問題について検討を重ねた結果、反応系内に存在する水分量が多い場合に、生成物収率の低下が特に顕著になっており、反応系内に存在する水が原料や生成物の加水分解反応を促進させる原因となっていることを突き止めた。そして、出発原料として水分量が低減されたフッ化物を使用すれば、出発原料や生成物の分解反応が抑制され、高収率で目的物であるフルオロスルホニルイミド塩が得られることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の製造方法について、詳細に説明する。
1.化合物(I)(クロロスルホニルイミド類)
本発明では、上記一般式(I)で表される化合物(クロロスルホニルイミド類)を出発原料の一つとして使用する。化合物(I)としては、R1が、フッ素(F),塩素(Cl)、又は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を有する化合物が挙げられる。上記フッ化アルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、より好ましくは1〜4である。具体的な炭素数1〜6のフッ化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ペルフルオロ−n−プロピル基、フルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、フルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、ペルフルオロ−n−ブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ−t−ブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、フルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロ−t−ペンチル基、フルオロヘキシル基、ペルフルオロ−n−ヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペルフルオロ−n−プロピル基が好ましく、より好ましいのはトリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。
化合物(I)は、下記実施例に記載の方法で測定される水分量が1000ppm以下であるのが好ましい。上述のように、反応系内に存在する水分は、出発原料および生成物を加水分解させる原因となる。したがって、フッ化物のみならず、使用する出発原料に由来する水分量は可能な限り低減しておくのが好ましい。また、化合物(I)自体の分解を防ぐためにも水分量を低減しておくことは有効である。よって、化合物(I)が有する水分量は500ppm以下であるのがより好ましくは、さらに好ましくは100ppm以下である。なお、水分量は低いほど好ましく、下限は0ppmであることが最も好ましいが、水分量の下限は、1ppm程度であれば生成物収量の顕著な低下は見られ難い。また、水分量の下限は、5ppm程度であってもよい。
化合物(I)の水分量は、減圧乾燥処理や、減圧下での加熱乾燥処理や、蒸留処理により低減できる。また、上記処理後、化合物(I)を、乾燥窒素などと共に保管容器に封入したり、乾燥剤と共にデシケーター内で保管することで、上記範囲の水分量を維持することができる。
化合物(I)としては、市販のものを用いてもよいが、下記調製法1〜4によって合成したものを使用してもよい。
1−1.化合物(I)の調製法1
化合物(I)は、塩化シアン(CClN)を出発原料として合成することができる(下記スキーム参照)。
Figure 0006147523
式中、R1は、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を示す。
例えば、ビス(クロロスルホニル)イミドを合成する場合、塩化シアンに、無水硫酸(SO3)とクロロスルホン酸を反応させればよい。この際、まず、塩化シアンと無水硫酸とを反応させる(化合物(III)→化合物(IV))。これら出発原料の配合割合は、1:0.5〜1:10(塩化シアン:無水硫酸、モル比)とするのが好ましい。より好ましくは1:1〜1:5である。
塩化シアンと無水硫酸とを反応させる際の条件は特に限定されず、反応の進行状態に応じて適宜調整することができる。例えば、反応温度は0℃〜100℃とするのが好ましく(より好ましくは10℃〜50℃)、反応時間は0.1時間〜48時間(より好ましくは1時間〜24時間)とするのが好ましい。反応は無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒としては後述する非プロトン性溶媒を使用するのが好ましい。
次いで、得られたクロロスルホニルイソシアネート(ClSO2NCO、上記式(IV))を、クロロスルホン酸と反応させることでビス(クロロスルホニル)イミド(上記式(I)、R1はCl)が得られる。クロロスルホニルイソシアネート(化合物(IV))とクロロスルホン酸との配合割合は、1:0.5〜1:2(クロロスルホニルイソシアネート:クロロスルホン酸、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:0.8〜1:1.2である。
クロロスルホニルイソシアネートとクロロスルホン酸との反応は、不活性ガス雰囲気下、50℃〜200℃(より好ましくは70℃〜180℃)で、0.1時間〜48時間(より好ましくは1時間〜24時間)行えばよい。クロロスルホン酸は液状であるため、合成反応中は反応溶媒としても機能し得るが、必要に応じて、他の溶媒を用いてもよい。
化合物(I)を合成する上記反応においても、原料には水分量の低いものを使用するのが好ましい。したがって、塩化シアン、無水硫酸及びクロロスルホン酸は、いずれも含水量が1000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。なお、含水量は0ppmであるのが最も好ましいが、含水量の下限は1ppm程度であればよく、また、下限は5ppm程度であってもよい。
1−2.化合物(I)の調製法2
化合物(I)が、上記一般式(I)においてR1が炭素数1〜6のフッ化アルキル基を有するN−(クロロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドである場合は、クロロスルホニルイソシアネートとフッ化アルキルスルホン酸との反応、又は、フッ化アルキルスルホニルイソシアネートとクロロスルホン酸との反応により合成できる。好ましいフッ化アルキルスルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸が挙げられる。
クロロスルホニルイソシアネートとフッ化アルキルスルホン酸との配合比は、1:0.5〜1:2(クロロスルホニルイソシアネート:フッ化アルキルスルホン酸、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:0.8〜1:1.2である。フッ化アルキルスルホニルイソシアネートとクロロスルホン酸との配合比は、1:0.5〜1:2(フッ化アルキルスルホニルイソシアネート:クロロスルホン酸、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:0.8〜1:1.2である。反応条件は、いずれの場合もビス(クロロスルホニル)イミドを合成する際と同様の条件が採用できる。
この調製法2においても、原料には水分量の低いものを使用するのが好ましい。したがって、原料であるクロロスルホニルイソシアネート、フッ化アルキルスルホン酸、又は、フッ化アルキルスルホニルイソシアネート、クロロスルホン酸の水分量はいずれも1000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。なお、含水量は0ppmであるのが最も好ましいが、含水量の下限は1ppm程度であればよく、また、下限は5ppm程度であってもよい。
1−3.化合物(I)の調製法3
化合物(I)が、上記式(I)においてR1がフッ素であるN−(クロロスルホニル)−N−(フルオロスルホニル)イミドである場合は、クロロスルホニルイソシアネートとフルオロスルホン酸との反応、あるいは、フルオロスルホニルイソシアネートとクロロスルホン酸との反応により合成することができる。出発原料の配合量、水分量、および反応条件は、ビス(クロロスルホニル)イミドの場合(調製法1)と同様の条件が採用できる。
1−4.化合物(I)の調製法4
さらに、化合物(I)がビス(クロロスルホニル)イミドである場合は、アミド硫酸と塩化チオニルとを反応させた後、さらにクロロスルホン酸を反応させることでも合成できる(例えば、Z. Anorg. Allg. Chem 2005, 631, 55-59参照)。
Figure 0006147523
アミド硫酸と塩化チオニルの配合割合は、1:1〜1:20(アミド硫酸:塩化チオニル、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:2〜1:10である。また、クロロスルホン酸の配合割合は、アミド硫酸に対して1:0.5(アミド硫酸:クロロスルホン酸、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:1〜1:5である。
アミド硫酸に、塩化チオニル、クロロスルホン酸を反応させる際の条件は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜調整すればよい。例えば、反応温度は0℃〜200℃とするのが好ましく、より好ましくは50℃〜150℃であり、又、この温度範囲内で段階的に温度を上昇させて反応を行ってもよい。反応時間は0.1時間〜100時間とするのが好ましく、より好ましくは1時間〜50時間である。反応は無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて溶媒を用いてもよい。
原料であるアミド硫酸、塩化チオニル、クロロスルホン酸の水分量はいずれも1000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。なお、含水量は0ppmであるのが最も好ましいが、含水量の下限が1ppm程度、さらには5ppm程度であってもよい。なお、反応に溶媒を使用する場合は、水分量1000ppm以下の溶媒を使用するのが好ましい。
2.フッ化物
本発明では、水分量が6×103ppm以下のフッ化物を使用する。フッ化物の水分量は、好ましくは2000ppm以下であり、より好ましくは1000ppm以下である。水分量が多すぎると、生成物や出発原料の加水分解反応を抑制し難く、結果として、生成物の収量を低下させてしまう。したがって、フッ化物の水分量は低いほど好ましく、水分量は0ppmであるのが最も好ましいが、1ppm程度、さらには5ppm程度であれば顕著な問題は生じ難く、出発原料や生成物の分解を抑制できる。なお、水分量を上記範囲とする方法としては、フッ化物を減圧下で乾燥させる方法、フッ化物を減圧下で加熱乾燥させる方法、フッ化物に乾燥窒素を流通する方法等が挙げられる。
フッ化物は、有機カチオンを有するもの、無機カチオンを有するもののいずれであってよい。具体的なフッ化物としては、フッ酸、フッ化アンモニウム、フッ化第四級アンモニウム塩、LiF、KF、NaF、CaF2、CsF、RbF等の金属フッ化物や、第11族〜第15族且つ第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物が挙げられる。上述の元素の中でも2価以上の陽イオンとなる元素を含むものが好ましい。具体的には、Cu、Zn、Sn、Pbなどの2価の陽イオンとなる元素、Biなどの3価の陽イオンとなる元素が好ましく、より好ましいフッ化物としては、CuF2、ZnF2、SnF2、PbF2およびBiF3が挙げられ、より一層好ましくはCuF2、ZnF2、BiF3であり、さらに好ましくはZnF2である。
3.化合物(I)とフッ化物との反応
本発明では、上記化合物(I)を所定の水分量を有するフッ化物と反応させる(化合物(I)→化合物(II)、フッ素化反応)。
化合物(I)と上述のフッ化物との配合比は、ビス(クロロスルホニル)イミド(化合物(I))と、2価のフッ化物とを反応させる場合であれば、1:0.8〜1:10(化合物(I):フッ化物、モル比)とするのが好ましく、より好ましくは1:1〜1:5であり、さらに好ましくは1:1〜1:2である。また、3価のフッ化物と反応させる場合であれば、1:0.5〜1:7とするのが好ましく、より好ましくは1:0.7〜1:3であり、さらに好ましくは1:0.7〜1:1.3である。一方、化合物(I)としてN−(クロロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミドやN−(クロロスルホニル)−N−(フルオロスルホニル)イミドを用いる場合(化合物(I):フッ化物、モル比)は、2価のフッ化物と反応させる際の配合比を1:0.4〜1:5とするのが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:2.5であり、さらに好ましくは1:0.5〜1:1であり、3価のフッ化物と反応させる場合であれば、1:0.3〜1:3とするのが好ましく、より好ましくは1:0.3〜1:0.8であり、さらに好ましくは1:0.3〜1:0.7である。
化合物(I)から化合物(II)を得る際の反応条件は、反応の進行状態に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは、反応温度を0℃〜200℃とし(より好ましくは10℃〜100℃)、反応時間を0.1時間〜48時間(より好ましくは1時間〜24時間)とすることが推奨される。
反応溶媒は、出発原料が液状であり互いに溶解している場合には、必ずしも用いる必要はないが、例えば、非プロトン性溶媒を用いるのが好ましい。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、バレロニトリル、ベンゾニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ニトロメタン、ニトロベンゼン等の非プロトン性溶媒が挙げられる。フッ素化反応を円滑に進行させる観点からは極性溶媒を使用することが推奨され、上記例示の溶媒の中でも、バレロニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び酢酸ブチルが好ましい。なお、精製時の作業性からは、沸点が低く、水と2相状態を形成し得る溶媒が好ましい。
反応系内に混入する水分量を低減する観点からは、水分量の低い反応溶媒を使用することも有効である。これにより反応溶媒に付随して反応系内へと侵入する水分量を低減できる。反応溶媒としては無水溶媒を使用するのが好ましいが、反応溶媒に許容される水分量は好ましくは1×103ppm以下であり、より好ましくは800ppm以下であり、さらに好ましくは500ppm以下である。なお、含水量は0ppmであるのが最も好ましいが、含水量の下限が10ppm程度、さらには50ppm程度であれば原料や生成物の顕著な分解を抑制できる。
4.その他の工程
上記反応により得られた化合物(II)は、精製工程に供してもよく、また、所望のカチオン(R2)を有する化合物とするため、カチオン交換反応工程へ供してもよい。なお、本発明では、カチオン交換工程の実施時期は特に限定されず、カチオン交換されたクロロスルホニルイミド類(化合物(I))を原料として、上述のフッ素化反応を行ってもよく、また、上記フッ素化工程により得られたフルオロスルホニルイミド類(化合物(II))を原料として、カチオン交換反応を行ってもよい。
カチオン交換反応工程では、目的に応じて、無機塩、有機塩を使い分ければよい。具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機塩;特許文献5に記載のオニウム塩;が挙げられる。
本発明では、生成物の純度を高めるため精製してもよい。精製方法としては、特に限定されず、洗浄、再沈殿法、分液抽出法、再結晶法、晶析法及びクロマトグラフィーによる精製法など従来公知の方法が採用できる。
5.化合物(II)
上記本発明により得られる化合物(II)は、一般式(II)中、R2は、有機カチオン又は無機カチオンであり、R3は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基である。R2は、フッ化物に由来し、具体的な有機カチオン又は無機カチオンとしては、水素イオン、アンモニウム、第四級アンモニウム、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、及び、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素のイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。R2は、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であるのが好ましい。R3で表されるフッ化アルキル基は、化合物(I)のR1と同様である。
本発明により得られる化合物(II)の水分量は500ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは400ppm以下であり、さらに好ましくは300ppm以下である。水分量の下限は特に限定されないが、0ppmであることが最も好ましい。なお、水分量の下限は、1ppm程度であればよい。また、水分量の下限は5ppm程度であってもよい。
本発明により得られる化合物(II)には、製造工程で用いた反応溶媒や精製溶媒などが残存することがある。斯かる残存溶媒の量は4000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは2000ppm以下であり、より一層好ましくは1500ppm以下であり、さらに好ましくは1000ppm以下である。残存溶媒量の下限は特に限定されないが、0ppmであることが最も好ましい。なお、残存溶媒量の下限は1ppm程度であればよい。また、残存溶媒量の下限は10ppm程度であってもよい。
残存溶媒としては、特に限定されないが、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の脂肪族エーテル系溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の脂肪族エステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のアミド系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル、バレロントリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、テトラリン、シメン、メチルエチルベンゼン、2−エチルトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶媒;オクタン、デカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、デカリン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、イソパラフィン(例えば、「マルカゾールR」(丸善石油化学株式会社製の2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンの混合物)、「アイソパー(登録商標)G」(エクソンモービル製のC9−C11混合イソパラフィン)、「アイソパー(登録商標)E」(エクソンモービル製のC8−C10混合イソパラフィン))等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、炭素数8〜12のアルキルシクロヘキサン(例えば、「スワクリーン150」(丸善石油化学株式会社製のC9アルキルシクロヘキサンの混合物)等の環式脂肪族炭化水素;アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール等の芳香族エーテル系溶媒などが挙げられる。なお、「ppm」は質量百万分率を表し、フッ化物中に含まれる残存溶媒の質量比を示す。
本発明により得られる化合物(II)には、その製造工程で使用する原材料や反応に用いる容器などに由来する金属分が含まれることがある。斯かる金属量は化合物(II)中1000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは800ppm以下であり、より一層好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは100ppm以下である。金属量の下限は特に限定されないが、0ppmであることが最も好ましい。なお、金属量の下限は、0.1ppm程度であればよい。また、金属量の下限は1ppm程度であってもよい。金属は特に限定されないが、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、バリウム、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ガリウム、ゲルマニウム、鉄、鉛、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、ルビジウム、セレン、ケイ素、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ、チタン、タングステン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、金、水銀、ビスマス等が挙げられる。なお、化合物(II)のR2がリチウムの場合は、リチウムの含有量は上記に示した範囲を超えることになる。R2がその他の金属の場合も同様である。なお、「ppm」は質量百万分率を表し、フッ化物中に含まれる金属の質量比を示す。
本発明により得られる化合物(II)には、その製造工程、例えば、カチオン交換工程で用いたアミン系化合物が残存することがある。化合物(II)に含まれるアミン系化合物量は2000ppm以下であるのが好ましく、より好ましくは1500ppm以下であり、より一層好ましくは1000ppm以下であり、さらに好ましくは500ppm以下である。アミン系化合物量の下限は特に限定されないが、0ppmであることが最も好ましい。なお、アミン系化合物量の下限は、1ppm程度であればよい。また、アミン系化合物量の下限は、10ppm程度であってもよい。アミン系化合物は特に限定されないが、アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の炭素原子数1〜8のアルキル基を有する第一級、第二級または第三級のアルキルアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど炭素原子数1〜8のアルキレン基と2以上のアミノ基を有する脂肪族アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン;アニリン、ベンジルアミン、メタキシレンジアミンなどの芳香族アミン;これらのアミンのエチレンオキサイド付加物;ホルムアミジン;グアニジン;アミジン;ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリミジン、ピロール、イミダゾール、イミダゾリン、トリアゾール、チアゾール、ピリジン、インドールなどの複素環式アミンなどがあげられる。また、上記アミン系化合物を対応するアンモニウムカチオンとして含む塩化合物も、本発明に係るアミン系化合物に挙げることができる。上記塩化合物としては、上記アンモニウムカチオンのハロゲン化物、水酸化物、炭酸化物および炭酸水素化物などが挙げられる。なお、化合物(II)においてR2で表される有機カチオンがアミン系化合物である場合には、上記に記載の範囲を超えて化合物(II)にアミン系化合物が含まれることがある。なお、「ppm」は質量百万分率を表し、フッ化物中に含まれるアミン系化合物の質量比を示す。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[化合物の同定およびフッ素化選択率]
生成物の同定は、NMR測定により行った。Varian社製「Unity Plus」(400MHz)を用いて、19F−NMRスペクトルを測定した。また、このとき得られたスペクトルのピーク強度に基づいて、フッ素化選択率を求めた。
[アミン系化合物量の測定]
アミン系化合物の量は、イオンメーター又はガスクロマトグラフにより測定した。
[水分含有量の測定]
平沼産業(株)製カールフィッシャー水分測定装置「AQ−2100」を用いて、下記実施例及び比較例で得られたFSI塩、その出発原料及び反応溶媒(有機溶媒)に含まれる水分量を測定した。なお、FSI塩、出発原料の取扱い、水分含有量の測定等の一連の操作については、ドライルーム(温度:25℃、露点:−70℃〜−50℃)で行った。試料注入量は試料の水分含有量に応じて0.1ml〜3mlとし、発生液には「ハイドラナール(登録商標) クローマットAK」(Sigma Aldrich社製)を使用し、対極液には「ハイドラナール(登録商標) クローマットCG−K」(Sigma Aldrich社製)を使用した。試料は、外気に触れないよう注射器を用いて試料注入口より注入した。
固体状態の試料の測定は、予め水分含有量を測定した溶媒に溶かして調製した試料溶液について水分含有量の測定を行い、測定溶液中の水分量(測定値)から溶媒に由来する水分量を差し引くことで、固体中(FSI塩等)の水分含有量を算出した。
[ICP発光分光分析]
下記例で得られたフルオロスルホニルイミド塩0.1gを超純水9.9gと混合した濃度1質量%の水溶液を測定試料とし、ICP発光分光分析装置を使用して、測定試料に含まれる金属量を測定した。検量線は、XSTC−622B(SPEX社)を用いて、後述する34元素について作成した。なお、定量限界(下限値)は0.1ppmである。
実施例1
50mlの反応容器に、2.00g(0.0093mol)のビス(クロロスルホニル)イミド、18gの酢酸ブチル(水分量350ppm)を加え、攪拌した。ここに、1.01g(0.0098mol)のZnF2(水分量313ppm)を加え、室温(25℃)で6時間反応を行った。19F−NMRでの分析により、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が90.4%の選択率で得られていることを確認した。
100ml反応容器に、25質量%アンモニア水5.40g(0.079mol、ビス(クロロスルホニル)イミドに対して8.5当量)を加え、攪拌下、室温で、反応溶液を滴下して加えた。反応溶液の滴下終了後、攪拌を停止し、水層と酢酸ブチル層の2層に分かれた反応溶液から、塩化亜鉛などの副生物を含む水層を除去し、有機層として、アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。
得られた有機層に含まれるアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドに対して、リチウムの量が2当量となるように、15質量%の水酸化リチウム水溶液2.42g(Liとして0.015mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。その後、反応溶液から水層を除去して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。
得られた溶液を濃縮し、1,2,4−トリメチルベンゼンと溶媒置換することで結晶が析出する。これを、ろ過、乾燥することで、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを得た(収量:1.20g)。結晶に含まれる残留溶媒は、酢酸ブチルが650ppm、1,2,4−トリメチルベンゼンが256ppmであった。水分量は150ppmであった。アルミニウム、ヒ素、アンチモン、バリウム、ホウ素、カドミウム、カルシウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、ガリウム、ゲルマニウム、鉄、鉛、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、ルビジウム、セレン、ケイ素、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ、チタン、タングステン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウムのいずれの金属の含有量も100ppm以下であった。アミン系化合物量は470ppmであった。
実施例2
水分量が519ppmであるZnF2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。19F−NMRで分析したところ、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が90.4%の選択率で得られていることを確認した。
実施例3
水分量が1300ppmであるZnF2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。19F−NMRでの分析により、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が86.5%の選択率で得られていることを確認した。
実施例4
水分量が2500ppmであるZnF2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。19F−NMRでの分析により、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が69.3%の選択率で得られていることを確認した。
実施例5
水分量が5500ppmであるZnF2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。19F−NMRでの分析により、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が75.7%の選択率で得られていることを確認した。
比較例1
水分量が8.01%であるZnF2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。19F−NMRでの分析により、ビス[ジ(フルオロスルホニル)イミド]亜鉛塩が23.8%の選択率で得られていることを確認した。
実施例1〜5及び比較例1で使用したフッ化物の水分量及びフッ素化選択率を表1に示す。
Figure 0006147523
本発明の製法により得られるフルオロスルホニルイミド塩は、一次電池、リチウム(イオン)二次電池や燃料電池等の充電/放電機構を有する電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、太陽電池・エレクトロクロミック表示素子等の電気化学デバイスを構成するイオン伝導体の材料として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物とフッ化物とを反応させて、下記一般式(II)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を製造する方法であって、
    上記フッ化物がCuF 2 、ZnF 2 、SnF 2 、PbF 2 またはBiF 3 であり、且つその水分量が1300ppm(質量百万分率、以下同様)以下であることを特徴とするフルオロスルホニルイミド塩の製造方法。
    Figure 0006147523

    (上記一般式中、R1は、フッ素、塩素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、R2は、有機カチオン又は無機カチオンであり、R3は、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基であり、mは2又は3の整数を示す。)
  2. さらに、水分量1×103ppm以下の反応溶媒を使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記反応溶媒が非プロトン性溶媒である請求項に記載の製造方法。
  4. 上記一般式(I)で表される化合物とフッ化物とを温度0℃〜室温で反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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