JP6146935B2 - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶化合物を配向させた光学異方性層を有する位相差フィルムの製造方法に関する。
近年、液晶表示装置は、その用途展開が急速に進んでおり、携帯電話、パソコン用モニタ、テレビ、液晶プロジェクタなどに使われている。
一般に、液晶表示装置では、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードなどの表示モードで液晶を動作させることで、液晶を通過する光を電気的に制御して明暗の違いを画面上に表している。これにより、液晶表示装置は文字や画像を表現する。
このような液晶表示装置としては、一般に、TFT(Thin Film Transistor)−LCDが知られている。近年、液晶表示装置の用途展開が進むにつれて、視野角による輝度や色度変化の小さい表示装置の要望が高まっている。この要望に対応するためIPSモードの液晶表示装置の研究が進んでいる。IPSモードはタブレットPCなどのディスプレイとして多く採用され、画面の輝度が大きく向上してきている。このため、従来問題とされていなかった、黒表示の際の対角方向での僅かな光漏れが、表示品質の低下の原因として顕在化してきた。
このような問題に対して、特許文献1には、中間層を有する支持体の上に棒状の重合性液晶化合物を有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布し、塗布液を乾燥し、乾燥後の塗布液を加熱し、加熱された塗布液に活性放射線を照射して硬化させることで光学異方性層を形成する方法が記載されている。
また、特許文献2には、支持体上にブロッキング層と中間層を形成し、その上から液晶性化合物を含む塗布液を塗布し、その塗布液の温度を相転移温度以上に上昇させた後、相転移温度以下に保持する乾燥・加熱処理・硬化工程を経て光学異方性層を形成する方法が記載されている。
特開2010−211110号公報 特開2002−277637号公報
特許文献1の方法では、配向規制力が弱く、かつ加熱時間が不十分であることから、配向欠陥の発生を避けられなかった。
また、特許文献2の方法では中間膜を2層形成する必要があることから工程が煩雑となり、中間膜形成時の塗布液に支持体を溶解する溶媒を使用していないことから、支持体と中間膜との密着性能が悪いことが課題であった。
上述したように、支持体の上で液晶を配向させるには、支持体の上に中間層を設け、中間層の上に液晶相を形成する場合が多い。これは、中間層が、液晶を配向させる機能と支持体組成成分が液晶膜へ拡散するのを防止する機能とを有するからである。
しかしながら、中間層を形成するプロセスが必要となることから、製造コストの上昇や塵埃などの性能品質上の問題が懸念される。そこで、本願の発明者らは中間層を形成せずに配向する方法を鋭意検討した。
中間層を用いずに液晶垂直配向膜を支持体上に直接形成する場合には、支持体の表面にラビング処理やプラズマ処理などの特別な表面処理を行う必要がある。この表面処理は製造コストの上昇や、塵埃などの混入による品質低下を招く懸念がある。
また、光学異方性層(液晶層とも言う)を塗布により形成する際、IPSモード用位相差フィルムの場合には、支持体と液晶層との間の密着性(密着力)が不足し液晶層が剥がれる、という問題が顕在化した。密着性の不足は、支持体と液晶層とを結合させる因子がないために発生すると考えられる。
液晶層形成用の塗布液の溶媒として、支持体を溶解または膨潤する溶媒を用いて支持体―液晶層間の密着性を高めようとした。しかしながら、配向不良が発生し、密着性と配向との間でのトレードオフの問題が顕在化した。
そこで、発明者等が鋭意研究した結果、液晶配向不良の原因は、支持体中の成分が液晶層に溶出・混在し、液晶配向を阻害し配向欠陥が発生する、ということを見出した。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、支持体と光学異方性層との間の密着性の改善と、液晶配向不良の少ない位相差フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様では、位相差フィルムの製造方法は、可塑剤及び/あるいは光学特性調整剤を含む帯状の支持体を準備する工程と、連続走行する支持体の上に、棒状の重合性液晶化合物と配向制御剤と配向補助剤とを、支持体を溶解または膨潤する溶媒に溶解させた原料液を塗布して膜を形成する塗布工程と、支持体の上に塗布された膜を乾燥することで、配向制御剤と配向補助剤の位置を固定し、かつ溶媒を支持体の内部に0.3μm以上染み込ませた塗膜を形成する乾燥工程と、塗膜の内部温度が配向制御剤と配向補助剤とを塗膜の表面に移動させる温度となるように、塗膜を25秒以上加熱する熱処理工程と、熱処理工程後、塗膜の内部温度を配向制御剤と配向補助剤の位置を固定する温度になるよう冷却する冷却工程と、冷却工程後、3質量%未満の残留溶媒比率の塗膜に活性放射線を照射して、塗膜を硬化し、光学異方性層を形成する硬化工程と、を含む。
好ましくは、原料液に含まれる溶媒は、支持体の素材の溶解度パラメータSP値に対し±2[(J/cm1/2]の範囲内の溶解度パラメータSP値を有する。
好ましくは、原料液は、支持体を溶解・膨潤する溶媒に加えて、他の複数の溶媒を含む。
好ましくは、乾燥工程において、膜を0.1[g/m・sec]以下の乾燥速度で乾燥させる工程を含む。
好ましくは、支持体が、セルロース系フィルムである。
本発明によれば、支持体と光学異方性層との間の密着性が改善され、液晶配向不良の少ない位相差フィルムを製造することができる。
図1は、位相差フィルムの製造設備の概略構成図である。 図2Aは、液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤の作用を示す説明図である。 図2Bは、液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤の作用を示す説明図である。 図2Cは、液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤の作用を示す説明図である。 図2Dは、液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤の作用を示す説明図である。 図3は、実施例の結果を示す表図である。 図4は、実施例の結果を示す表図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
(位相差フィルムの製造方法)
本態様による位相差フィルムの製造方法は、可塑剤及び/あるいは光学特性調整剤を含む帯状の支持体を準備する工程と、連続走行する支持体の上に、棒状の重合性液晶化合物と配向制御剤と配向補助剤とを、支持体を溶解または膨潤する溶媒に溶解させた原料液を塗布して膜を形成する塗布工程と、支持体の上に塗布された膜を乾燥することで、配向制御剤と配向補助剤の位置を固定し、かつ溶媒を支持体の内部に0.3μm以上染み込ませた塗膜を形成する乾燥工程と、塗膜の内部温度が配向制御剤と配向補助剤とを塗膜の表面に移動させる温度となるように、塗膜を25秒以上加熱する熱処理工程と、熱処理工程後、塗膜の内部温度を配向制御剤と配向補助剤の位置を固定する温度になるよう冷却する冷却工程と、冷却工程後、3質量%未満の残留溶媒比率の塗膜に活性放射線を照射して、塗膜を硬化し、光学異方性層を形成する硬化工程と、を含む。
支持体上に光学異方性層を塗布方式で直接形成する際、支持体を溶解または膨潤する溶媒を用いて、重合性液晶化合物と配向制御剤と配向補助剤とを含む原料液を作製する。支持体を溶解または膨潤する溶媒を使用することで、乾燥工程中に溶媒が支持体内部に染み込み、支持体と膜との混合する領域が形成される。その状態で活性線照射し硬化することで、支持体と光学異方性層との間の密着性を向上させることができる。なお、染込み厚みは、0.3μm以上染み込ませることでより強固に密着する。
一方、支持体を溶解または膨潤する溶媒を含む原料液で光学異方性層を形成した場合、光学異方性層に支持体中の成分である可塑剤及び/又は光学特性調整剤が混在する。この場合、乾燥工程後の塗膜(液晶膜)は可塑剤及び/又は光学特性調整剤により配向が阻害され、特に可塑剤及び/又は光学特性調整剤が多く存在する支持体/光学異方性膜の界面部分での配向が阻害され配向欠陥が生じうる。
ここで、乾燥工程の後に熱処理工程を設け塗膜の温度を上昇させて粘度を下げる。これにより、塗膜中の液晶化合物が動いて塗膜を無配向状態にし、かつ配向制御剤及び配向補助剤を塗膜/空気界面に拡散させる。その状態を25秒以上維持した後、活性線照射前に冷却工程にて塗膜の温度を下げて粘度を上げる。これにより、塗膜中の液晶化合物の動きを緩やかにしながら、液晶化合物を再度配向させ、かつ配向制御剤及び配向補助剤の拡散が止まる。その状態で活性線照射することにより塗膜を硬化させることで、配向欠陥のない光学異方性層(液晶相)を形成できることを見出した。
ここで、配向制御剤とは、液晶化合物を垂直に配向させる役割を担い、支持体界面側の配向に大きく寄与する。また、配向制御剤は空気界面側の配向にも寄与するが配向規制力が弱い。それをサポートするのが配向補助剤と呼ばれる添加剤である。配向補助剤は配向制御剤を空気界面側へ運んで偏在させる役割を果たす。空気界面側に移動した配向制御剤が空気界面での液晶化合物の垂直配向に寄与する。配向補助剤として界面活性剤を使用することが望ましい。
乾燥工程では、配向制御剤及び配向補助剤が空気界面側に拡散する前に、塗膜が乾燥され固定化される。その後の熱処理工程において、塗膜の粘度を下げることで配向制御剤及び配向補助剤が再び拡散する。この結果、空気界面に配向制御剤及び配向補助剤が多く存在し、空気界面側に拡散した配向制御剤により、空気界面側の配向規制力が強化される。
乾燥工程後の塗膜は、配向制御剤の効果により液晶化合物が垂直配向するが、一部支持体/塗膜の界面部分で配向が阻害される。その後の熱処理工程において、塗膜内の液晶化合物の配向を、配向阻害が発生している支持体/塗膜の界面部分を含め一度無配向状態にする。その後、活性線照射前に冷却することにより、液晶化合物を再度配向させるが、その際に空気界面側の配向規制力が強化されたことにより、支持体/塗膜の界面部分の配向がサポートされ、配向が全体に良化するものと推測される。
熱処理工程に関して、熱処理温度は液晶が無配向状態になり、かつ固定化された配向制御剤及び配向補助剤が再度拡散する温度にする必要がある。また、熱処理時間を25秒以上にすることで、支持体/塗膜の界面部分の配向阻害を崩すのに必要な時間を確保でき、配向制御剤及び配向補助剤が十分に空気界面に拡散する時間を確保できる。この結果、液晶化合物の配向が良化される。
冷却工程に関して、冷却温度は液晶が再度配向し、かつ配向制御剤及び配向補助剤が再度固定化する温度にする必要がある。
<支持体>
支持体は、光学的に透明であり、かつ複屈折を持つ樹脂フィルムが望ましい。工学的に透明とは、60%以上の透過率を有することを意味し、80%以上の透過率がより好ましい。また、複屈折は、フィルム面内のレタデーションRe、及びフィルム厚み方向のレタデーションRthで表され、
Re=(n−n)×d
(n:支持体の面内での最大屈折率となる方向での屈折率、n:x軸と面内垂直な方向の屈折率、d:フィルム厚み)
Rth=((n−n)/2−n)×d
(n:厚み方向の屈折率)
Re、Rth共に0〜150nmが望ましく、70〜120nmが特に望ましい。
支持体は、具体的には、セルロース系フィルム(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートなど)、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステル系フィルム(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化系フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネン系フィルムが挙げられる。このような材料としてセルロースエステルフィルムが望ましい。
また、支持体には所望の物理性能を持たせるための可塑剤、及び/又は、所望の光学性能を持たせるための光学特性調整剤が含まれている。
可塑剤としては、特に限定されるものではなく、その好ましい例には、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、樹脂酸系などが挙げられる。
光学特性調整剤としては、特に限定されるものではなく、その好ましい例には、特開2012−234094に示す窒素化合物を含む芳香環含有化合物や液晶化合物、異方的な形状の化合物、といった光学異方性の大きな化合物が挙げられる。
<原料液>
(重合性液晶化合物)
光学異方性層に含まれる棒状の液晶化合物は、例えば、棒状ネマチック液晶化合物である。棒状ネマチック液晶化合物として、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials、5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、国際公開95/24455号公報、国際公開97/00600号公報、国際公開98/23580号公報、国際公開98/52905号公報、特開平1−272551号公報、特開平6−16616号公報、特開平7−110469号公報、特開平11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。
また、原料液中に含まれる重合性液晶化合物の量は、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましく、25〜35質量%であることが特に好ましい。
(配向制御剤)
配向制御剤は液晶化合物を垂直に配向させる役割を担い、中間膜界面側での液晶化合物の配向に寄与する。つまり、配向制御剤により、液晶化合物の分子が実質的に垂直に配向される。配向制御剤が液晶化合物の分子を実質的に垂直に配向できれば、特に限定されるものではない。好ましい例には、下記一般式で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。
配向制御剤として、液晶化合物を垂直配向させるための棒状構造(すなわち主鎖がある程度長く)かつ、中間膜や配向補助剤と結合しやすい親水基を持つ素材が好ましいと考えられる。例えば、以下の化学式(化1)における−N−Cの部分が配向制御剤の機能に関連すると考えられる。
一般式中、Rは炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、炭素原子数1〜20のアルコキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜15のアルコキシ基がさらに好ましい。但し、アルコキシ基中の1以上のCH及び互いに隣接しない2以上のCHは、−O−、−S−、−OCO−、−COO−、−NRa−、−NRaCO−、−CONRa−、−NRaSO−、又は−SONRa−で置換されていてもよい。Raは、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。
垂直配向とは、液晶分子長軸と膜面が垂直であることをいう。但し、厳密に垂直であることを要求するものではなく、本明細書では、液晶分子長軸と、膜面に対して垂直な面とのなす傾斜角(=チルト角)が30度未満の配向を意味するものとする。
配向制御剤の使用量は、原料液の固形分の0.001〜1質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.1質量%であることが特に好ましい。
(配向補助剤)
配向補助剤は、配向制御剤を空気界面側へ運んで偏在させる役割を果たし、空気界面での液晶化合物の垂直配向に寄与する。上述の配向制御剤は、空気界面側の配向にも寄与するが配向規制力が強くない。配向補助剤は、空気界面側の配向をサポートする。配向補助剤として界面活性剤を使用することが望ましい。但し、配向補助剤はこれに特に限定されるものではない。
好ましい例として、下記一般式(I)、(II)で表される化合物が含まれる。配向補助剤自体が空気界面へ行くための駆動力が必要とされるので、配向補助剤は液晶化合物との相溶性が悪いFを含む基と、配向制御剤と結合するための親水基と、を持つのが好ましいと考えられる。例えば、化2、化3(一般式(I)、(II))においては、Fを含む基としては左側の基、親水基としては右側の−COOR−の部分が相当する。これらが配向補助剤の機能に関連すると考えられる。
一般式中、Rは炭素原子数1〜30のアルコキシ基を表し、炭素原子数1〜20のアルコキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜15のアルコキシ基がさらに好ましい。
また前記一般式中、*のついた部分同士が結合することを示す。
また前記一般式中、a及びbは、化合物中に含まれる比率を示す。
配向補助剤の使用量は、液晶化合物に対して(原料液の場合は固形分)の0.001〜1質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.1質量%であることが特に好ましい。
(溶媒)
溶媒は液晶化合物を溶解し、かつ支持体を溶解または膨潤する特性を有する。例えば、セルロースエステルを溶解または膨潤する溶媒として、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどがある。また、支持体を溶解または膨潤する溶媒を複数組み合わせることもできる。
ここで膨潤とは、樹脂のような高分子物質の固体状態の形状を維持しつつ、相対的に低い分子量の溶媒分子が高分子物質の隙間に入り込んで浸透することで体積膨張している状態のことを意味し、具体的には厚み0.1mmの高分子フィルムを溶媒に10分間浸漬し、厚みが1%以上増加することをいう。厚みはフィルムシックネステスタ(アンリツ製 KB601)で測定することが出来る。また、溶解とは溶媒分子に取り囲まれた高分子鎖が離れて溶媒中に分散した状態を意味し、具体的には、50mm×50mm×0.1mmの高分子フィルムを溶媒に10分間浸漬し、フィルムの重量が浸漬する前後で0.1%以上減少することをいう。重量は電子天秤(Mettler Toredo製 XS104)で測定することができる。
また、溶解または膨潤させない溶媒を一部含んでもよい。これらの溶媒は、例えば、支持体の溶解・膨潤を制御するのに好ましい。例えば、アルコール類(エタノール、メタノール、n-ブタノール、i-プロピルアルコール、n-プロピルアルコールなど)、炭化水素類(キシレン、トルエンなど)などがある。
上述したように、原料液は、支持体を溶解または膨潤する溶媒に加えて、他の複数の溶媒を含んでもよい。
原料液に含まれる溶媒は、支持体の素材の溶解度パラメータSP値に対し±2(J/cm1/2の範囲内の溶解度パラメータSP値を有することが好ましい。具体的には、セルロースエステル(SP値:10.9)に対し、メチルエチルケトン(SP値:9.3)、アセトン(SP値:10.0)、酢酸メチル(SP値:9.6)、酢酸エチル(SP値:9.0)の組み合わせが挙げられる。
上述の範囲の溶媒を使用することにより、光学異方性層と支持体との密着性を向上できる。
原料液には支持体を溶解または膨潤する溶媒(=SP値が支持体に対し近い溶媒)が含まれていれば、他の複数の溶媒が含まれていてもよい。他の溶媒により、支持体の溶解性を制御できるので、密着性を向上させることが可能となるのでより好ましい。
<重合開始剤>
原料液には、重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。前記光重合開始剤の使用量は、第2原料液の固形分の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
(原料液の調製)
原料液は、溶媒に液晶化合物と、配向制御剤と、配向補助剤とを溶解した塗布液として調製される。本実施の形態の製造方法では、原料液に光重合開始剤を添加することが好ましい。本実施の形態の塗布工程では、塗布液を中間膜の表面に塗布されることが好ましい。塗布方法として、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。
(製造工程)
図1は、本実施の形態に係る位相差フィルムの製造設備の一例を示す。この製造設備を用いた位相差フィルムの製造方法は、帯状の支持体上に、原料液を塗布する塗布工程と、塗膜を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた後、塗膜を熱処理する熱処理工程と、熱処理後、塗膜に活性放射線を照射し硬化させて光学異方性層を形成する硬化工程と、を有している。製造設備及び各工程について説明する。
位相差フィルムの製造設備10は、支持体Wを送り出す送り出し装置12と、原料液を塗布する塗布ヘッド14と、支持体Wを保持するバックアップローラ16と、塗布ヘッド14の上流側の減圧チャンバー18と、乾燥装置20と、熱処理装置22、冷却装置24、活性線照射装置26と、温調ローラ28と、巻き取り装置30とを備えている。
(a)帯状の支持体を準備する工程
帯状の支持体Wは、巻き芯に巻きつけられたロール状を有している。ロール状の支持体Wを送り出し装置12を用いて連続走行させる。送り出し装置12は、巻き芯に巻きつけられたロール状の支持体Wを設置できるローラ(不図示)を備えている。このローラを回転させることで塗布装置などに帯状の支持体Wを連続搬送する。
(b)原料液を塗布し膜を形成する塗布工程
塗布工程では、塗布装置を用いて、連続搬送された帯状の支持体Wの上に原料液を塗布する。塗布装置としては、一般的な塗布装置を限定なく使用することができる。例えば、連続搬送される帯状の支持体Wを保持するバックアップローラ16と、バックアップローラ16にラップされた帯状の支持体Wの上に原料液を塗布する塗布ヘッド14と、塗布ヘッド14からの原料液と帯状の支持体上との間に形成されるビード(塗布液の溜まり)を安定化するために塗布ヘッド14の上流側に減圧チャンバー18と、を有する塗布装置などがある。塗布ヘッド14から供給される第1原料液の流量は、ポンプによって必要な膜厚となるように調整される。また、減圧チャンバー18の減圧度は減圧ポンプで調整される。バックアップローラ16との隙間が狭く調整され、ビードが安定して形成される。
(c)支持体の上に塗布された膜を乾燥し塗膜とする乾燥工程
乾燥工程では、膜を加熱する乾燥装置20を用いて塗布工程で帯状の支持体Wの上に塗布された膜を乾燥する。乾燥装置20として、一般的な乾燥装置を限定なく使用することができる。例えば、熱風による対流乾燥方式、赤外線などの輻射熱による輻射乾燥方式などを用いることができる。熱風を用いる場合には、熱風の温度及び風量を調整して塗膜の乾燥を制御する。また熱風の当て方として、スリットノズル(帯状の支持体の幅方向にスリット状の開口形状を持つノズル)やパンチングノズル(多孔式の平板ノズル)などを用いることができる。乾燥工程では、塗膜が乾燥点に達するまで塗膜を乾燥させる。ここで、乾燥点とは塗膜の膜面温度が塗膜近傍の乾燥風の温度と同じ温度となる乾燥工程中の箇所のことを指し、塗膜からの溶媒の蒸発が平衡状態に達し、蒸発に伴う吸熱反応がなくなる箇所(=すなわち、塗膜内の溶剤が減少し、蒸発がほとんど生じなくなる箇所)まで乾燥させることを意味する。このときの塗膜粘度は5000mPa・s以上である。塗膜の粘度は、乾燥点に到達した支持体上の塗膜をすばやく掻き落として薬瓶に入れ、振動粘度計(エーアンドディー製、SV−10)で測定することができる。
乾燥工程中に原料液に含まれる溶媒を支持体Wの内部に0.3μm以上染み込ませる。これにより、支持体Wと膜との混合する領域が形成される。
また、乾燥工程で乾燥速度を制御することにより、支持体Wに対する溶媒の溶解性を制御することができる。乾燥速度を0.1[g/m・sec]以下にすることにより、さらに密着性能が向上するのでより好ましい。乾燥速度を遅くすることで、溶媒の支持体に対する染み込み量が増えて密着性を向上することができる。
また、膜を乾燥することにより、配向制御剤及び配向補助剤の位置が固定される。
(d)塗膜を加熱する熱処理工程
熱処理工程では、乾燥工程で乾燥された塗膜を有する帯状の支持体Wの塗膜を熱処理するため、熱処理装置22を有する。配向制御剤及び配向補助剤を塗膜の表面に拡散させる温度となるよう25秒以上加熱する。この塗膜の温度を90〜120℃の範囲とすることが好ましい。
熱処理装置22は、一般的な加熱装置を限定なく使用することができる。例えば、熱風による対流乾燥方式、赤外線などの輻射熱による輻射乾燥方式などを用いる。熱風を用いる場合には、熱風の温度及び風量を調整して塗膜の乾燥を制御する。また熱風の当て方として、スリットノズル(帯状の支持体の幅方向にスリット状の開口形状を持つノズル)やパンチングノズル(多孔式の平板ノズル)などを用いることができる。また、熱処理工程は乾燥工程と間をあけず連続して設けることもできる。
(e)塗膜に活性放射線を照射し光学異方性層を形成する硬化工程
熱処理工程で熱処理された塗膜を有する帯状の支持体Wは、冷却工程において冷却装置24により硬化工程の活性放射線照射に適切な温度に調整される。冷却装置24としては一般的に冷却風による対流冷却方式などが用いられる。冷却風を用いる場合には、冷却風の温度及び風量を調整して塗膜の温度を制御する。また冷却風の当て方として、スリットノズル(帯状の支持体の幅方向にスリット状の開口形状を持つノズル)やパンチングノズル(多孔式の平板ノズル)などを用いることができる。また、特に冷却工程を設けずとも適切な塗膜温度になる場合には、冷却装置を設置しなくてもよい。冷却する温度は、液晶化合物が再度配向し、かつ前記配向制御剤と前記配向補助剤の位置が固定される温度になるようにする。
硬化工程では、活性線照射装置26を用いて冷却工程で冷却された塗膜活性線を照射し、塗膜を硬化する。活性線照射装置26として例えば、紫外線照射装置などを用いる。紫外線照射装置を用いる場合には、紫外線の照射強度、及び照射量を調整し、塗膜の硬化度を調整する。照射強度は10〜1000mW/cmが好ましく、100〜400mW/cmがより好ましい。また、積算照射量は10〜1000mJ/cmが望ましく、20〜200mJ/cmがより望ましい。また必要に応じ、活性線が照射される際の塗膜周辺の雰囲気の酸素濃度を低下させ、塗膜の硬化度を調整してもよく、50〜1000ppmが望ましい。活性線照射装置26による活性線照射前に塗膜の残留溶媒比率を3質量%未満とする。膜内の残留溶剤比率を3質量%以上とすると、膜内の残留溶剤が配向、及びその後の活性線照射による架橋反応を阻害し、配向不良や膜強度の低下が生じる。
また、活性線照射前の塗膜温度は、任意の方法で調整することが可能であり、例えば帯状の支持体を温調ローラ28にラップさせて調整することができる。5〜80℃が望ましく、20〜50℃がより好ましい。
硬化工程の後、巻き取り工程にて、巻き取り装置30により中間層が形成された帯状の支持体Wを巻き取る。巻き取り装置30は、巻き芯を設置できるローラ(不図示)を備え、ローラを回転させることで帯状の支持体Wを連続的に巻き取る。
次に、液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤の作用について図2Aから図2Dを参照して説明する。
図2Aは、塗布工程で、支持体の上に液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤を含む原料液が塗布され、膜が形成されている状態を示している。液晶化合物、配向制御剤、配向補助剤のすべての素材が無配向に配置されている。
図2Bは、乾燥工程での膜の乾燥が行われた状態を示している。中間層と塗膜との界面において、一部の液晶化合物が配向制御剤により垂直方向に配向されている。塗膜と空気との界面において、配向補助剤で空気界面側に拡散した配向制御剤により、液晶化合物が垂直に配向されている。膜の乾燥が進むと、配向制御剤と配向補助剤の拡散が停止する。その結果、一部の液晶化合物が垂直方向に配向されない。また、溶媒を支持体の内部に0.3μm以上染込ませる。
図2Cは、熱処理工程で塗膜が加熱された状態を示している。塗膜の粘度が低くなり、配向制御剤と配向補助剤とが空気界面側に拡散する。また、液晶化合物の配向が崩れ、液晶化合物がランダムの配置となる。
図2Dは、冷却工程を経て活性線を照射した状態を示している。活性線照射前に冷却することにより液晶化合物が再度配向する。また、その際に配向制御剤と配向補助剤とが空気界面側に移動しているので、空気界面側での液晶化合物に対する配向規制力が強化される。その結果として、支持体/光学異方性層の界面部分の配向が支持され、光学異方性層の液晶化合物の配向が全体に良化するものと推測される。
以下、本発明の実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<支持体の準備>
市販の富士フイルム(株)製セルローストリアセテートフィルム(TAC)であるフジタックTD40UZを準備した。このフィルムを飛行時間型二次イオン質量分析計TOF-SIMS(ION−TOF製 TOF SIMS 5)を用いて、成分を分析したところ、支持体・及び添加物に起因した分子イオン(支持体成分:C 、可塑剤成分;C1415(フタル酸エステル由来)、光学発現剤成分:C2425(窒素化合物由来))が検出された。
<原料液の調製>
以下の化学式(化4)で示される化合物80質量%、以下の化学式(化5)で示される下記化合物20質量%からなる重合性液晶化合物(液晶相―等方相転移温度は示差走査熱量測定DCS(TA Instrument製 Q20)により算出)と、以下の化学式(化6)で示される光重合開始剤IRGACURE907(BASF社製、IRGACUREは登録商標)3質量%と、以下の化学式(化7)で示される配向制御剤1質量%と、以下の化学式(化8)で示される配向補助剤:0.4質量%と、をメチルエチルケトン及びシクロヘキサノンを80:20の割合で混合した溶媒に溶解することで、光学異方性膜形成用の固形分濃度33質量%の原料液を調製した。別の有機溶媒として、MEK(メチルエチルケトン)、シクロヘキサノン、MIBK(メチルイソブチルケトン)とを単独で、又は組み合わせて使用した。
<光学異方性層の形成>
調製した原料液を、図1に示す製造設備のスリットダイに供給し、フィルム上に塗布した。塗布後、乾燥工程にて膜の溶媒を乾燥させ塗膜を形成した。具体的には、55℃温風にて乾燥点に到達するまで乾燥させ、塗膜を形成した。なお乾燥点は、乾燥工程の塗膜温度、及び塗布後の塗膜のない帯状支持体の膜面温度(=塗膜近傍の乾燥風の温度)を測定して、同じ温度になる箇所を見出すことで確認した。ここで、塗膜温度、及び帯状支持体の膜面温度は非接触温度計(IT2―80、キーエンス社製)を設置して測定を行った。その後、塗膜の温度を重合性液晶化合物が再度配向し、かつ配向制御剤及び配向補助剤が固定化する温度まで冷却する冷却工程を経て、紫外線照射前の温度を表に記載された温度にして酸素濃度300ppm雰囲気中で高圧水銀灯により300mJ/cmの積算光量の紫外線照射を行った。
製造条件を変え、実施例1−10、比較例1−11となる位相差フィルムを製造した。ここで、乾燥速度は乾燥工程の温度や溶媒ガス濃度を調節することで制御を行った。なお、塗布膜の乾燥速度は、乾燥工程直後の固形分濃度から算出し、乾燥工程後の固形分濃度は、乾燥工程後のフィルムをサンプリングして、真空乾燥装置(ヤマト科学製 DP22)で溶媒を除去する前後の質量より算出した。質量は電子天秤(Mettler Toredo製 XS104)で計測を行った。
また、熱処理工程後の残留溶媒比率は、乾燥速度と同様、熱処理工程後のフィルムをサンプリングして、真空乾燥装置(ヤマト科学製 DP22)で溶媒を除去する前後の質量より算出した。質量は電子天秤(Mettler Toredo製 XS104)で計測を行った。
また、支持体中への溶媒の染み込み厚みに関しては、活性照射線工程を経たサンプルの断面を集光イオンビーム(FIB)で切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することで測定を行った。(FIBとSEMは、装置が一体となっているFEI製Helios400Sを用いて評価を行った。)
<配向欠陥の評価>
得られたフィルムをクロスニコル偏光子に挟み、配向欠陥に起因して観察される白濁部の有無を目視にて観察した。
A :白濁部なし
B :若干の白濁部が見えるが、実用上弊害なし
C :白濁部がはっきり見え、実用上弊害あり
<密着性の評価>
JIS K5600−5−6(JIS:Japanese Industrial Standards、JIS K5600―5―6はISO 2409に対応、ISO:International Organization for Standardization)に準拠したクロスカット法により評価を行った。
A :はがれ0%(はがれなし)
B :はがれ5%以内
C :はがれ10%以内
D :はがれ10%より大きい
<評価結果>
図3及び図4の表は、製造条件と評価結果を示している。
実施例1−10は密着性に関してC以上の評価を、配向欠陥に関しての評価はB以上であった。実施例3は、染込み厚みが1.5μmであったので、密着性に関して評価はAであった。一方で、実施例8は、染込み厚みが0.5μmであったので密着性に関して評価はCであった。
熱処理工程において100℃、60秒の条件を満たす、実施例1−3,6,8−10は配向欠陥に関して評価はAであった。配向制御剤と配向補助剤とが塗膜の表面に拡散していると考える。一方、熱処理工程において、実施例4では液晶相−等方相転移温度より少し高い87℃、実施例5では時間が26秒であったので、配向欠陥に関して、それぞれ評価はBであった。配向制御剤と配向補助剤との拡散が実施例1−3,6,8−10に比較して少なかったと考えられる。冷却工程において、実施例7は液晶相−等方相転移温度より低い83℃であった。評価はBであった。
比較例1では、溶媒としてMIBKを用いたので、染込み厚さが0.1μmであった。そのため、密着性に関して、評価はDであった。
比較例2では、支持体としてPETを使用し、溶媒としてMEKを使用した。0.1μmであったので、密着性に関して、評価はDであった。
比較例3、4では、液晶相−等方相転移温度に対して±1℃であり、配向制御剤と配向補助剤の拡散が充分でなく、配向欠陥に関して評価はCであった。
比較例5では、熱処理時間が24秒であったので、配向欠陥に関して、評価はCであった。比較例6では、残留溶媒比率が4質量%であったので、配向欠陥に関して、評価はCであった。
比較例7では、0.2μmであったので、密着性に関して、評価がDであった。
比較例8では、冷却工程において、液晶相−等方相転移温度より高いので、配向欠陥に関して、評価がCであった。比較例9−11では、配向制御剤、配向補助剤のいずれか一方、又は両方を含んでいないので、配向欠陥に関して評価はCであった。
10…位相差フィルムの製造設備、12…送り出し装置、14…塗布ヘッド、16…バックアップローラ、18…減圧チャンバー、20…乾燥装置、22…熱処理装置、24…冷却装置、26…活性線照射装置、28…温調ローラ、30…巻き取り装置

Claims (5)

  1. 可塑剤と光学特性調整剤との少なくとも1つを含む帯状の支持体を準備する工程と、
    連続走行する前記支持体の上に、棒状の重合性液晶化合物と配向制御剤と配向補助剤とを、前記支持体を溶解または膨潤する溶媒に溶解させた原料液を塗布して膜を形成する塗布工程と、
    前記支持体の上に塗布された膜を乾燥することで、前記配向制御剤と前記配向補助剤の位置を固定し、かつ前記溶媒を前記支持体の内部に0.3μm以上染み込ませた塗膜を形成する乾燥工程と、
    前記塗膜の内部温度を、前記配向制御剤と前記配向補助剤とを前記塗膜の表面に移動させるため前記重合性液晶化合物の液晶相−等方相転移温度に対して℃より高い温度となるように、前記塗膜を25秒以上加熱する熱処理工程と、
    前記熱処理工程後、前記塗膜の内部温度を、前記配向制御剤と前記配向補助剤の位置を固定するため前記重合性液晶化合物の液晶相−等方相転移温度に対して℃より低い温度となるよう冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程後、3質量%未満の残留溶媒比率の前記塗膜に活性放射線を照射して、前記塗膜を硬化し、光学異方性層を形成する硬化工程と、
    を含む位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記原料液に含まれる前記溶媒は、前記支持体の素材の溶解度パラメータSP値に対し±2(J/cm1/2の範囲内の溶解度パラメータSP値を有する請求項1に記載の位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記原料液は、前記支持体を溶解または膨潤する前記溶媒に加えて、他の複数の溶媒を含む請求項1又は2に記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 前記乾燥工程において、前記膜を0.1g/m・sec以下の乾燥速度で乾燥させる工程を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記支持体が、セルロース系フィルムである請求項1から4のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
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