JP6668605B2 - 光学フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、正のCプレートを備えた、新規な構成の光学フィルムに関する。
フラットパネルディスプレイ等に適用される光学フィルムとして、位相差層により透過光に所望の位相差を付与して所望とする光学特性を確保するものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種の光学フィルムは、透明フィルム等による基材の表面に配向膜が作製され、この配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して位相差層が作製される。
このような位相差層に適用される液晶材料は、通常、正の波長分散特性を備えているものの、近年、逆波長分散特性による液晶材料が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。ここで、逆波長分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性であり、より具体的に、450nmの波長におけるリタデーション(R450)と、550nmの波長におけるリタデーション(R550)との関係が、R450<R550である。
また、画像表示パネルにおいては、Aプレート、Cプレート等を利用して視野角特性、色味等の種々の光学特性を改善する方法が提案されており、例えば特許文献4には、Aプレート、Cプレートを使用したIPS液晶表示装置の光学補償に係る工夫が提案されている。ここで、光学補償とは、黒表示の際に直線偏光板からの斜め方向の光漏れを低減する構成である。また、Cプレートは、nx=ny<nz又はnx=ny>nzで表され、nx=ny<nzは正のCプレートであり、nx=ny>nzは負のCプレートである。
正のCプレートにおいては、いわゆるCプレート用の液晶材料による塗工液を塗布して乾燥硬化させることで作製することができる。また、バーチカル・アライメント(VA)液晶表示装置等では、垂直配向膜により液晶材料を垂直方向に配向させており、VA液晶に関する垂直配向膜の工夫が種々提案されている(例えば、特許文献5〜10参照)。
さて、正のCプレートを備えた光学フィルムでは、液晶ディスプレイの高コントラスト化、薄膜化、低コスト化等の流れに伴って、高波長領域で1/4波長の位相差を与える光学フィルムが要求されており、例えば、逆波長分散特性を示す特殊なポリカーボネート樹脂を用いて光学フィルムを製造する方法が提案されている。
従来、このような逆波長分散特性を示すポリカーボネート樹脂を用いた光学フィルムとしては、そのポリカーボネートからなる基材上に垂直配向膜を設け、その垂直配向膜上に液晶材料を塗布して位相差層(液晶層)を構成して液晶を垂直に配向させることで位相差層を形成していた。
ところが、近年では、より一層に薄膜であって低コストである、正のCプレートを備えた光学フィルムが求められている。
特開平10−68816号公報 米国特許第8119026号明細書 特表2010−522892号公報 特表2006−520008号公報 特開2011−227484号公報 特開2012−163945号公報 特開2004−83810号公報 特開2009−258665号公報 特開2006−337958号公報 特開2005−308924号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、従来と同様に良好な配向性を示し、より低コストに製造することが可能な、正のCプレートを備えた光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、逆波長分散特性を示すポリカーボネートを基材とした正のCプレートを備えた光学フィルムにおいて、特定の溶剤と紫外線硬化型のモノマーを含有する液晶組成物からなる塗工液をその基材上に塗布して位相差層(液晶層)を形成することで、従来のように垂直配向膜を設けることなく、高い密着性を有し、また液晶化合物を垂直に配向させる優れた配向性を示す光学フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、逆波長分散性を有するポリカーボネートを基材として備えた光学フィルムであって、前記ポリカーボネートの基材上に、浸透層と、重合性液晶組成物を含有する液晶層とが順次積層された積層体からなり、前記浸透層は、前記重合性液晶組成物に含まれる溶剤により前記基材を構成するポリカーボネートが溶解して形成されていることを特徴とする光学フィルムである。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記モノマーは、前記重合性液晶組成物の固形分中に0.5質量%〜5質量%の範囲で含まれていることを特徴とする光学フィルムである。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記溶剤として、酢酸ブチルの蒸発速度に対する蒸発速度比が1以上3以下、且つ、ポリカーボネート基材の試験片(2×2cm)を溶解させるまでの時間が20分以下である溶剤を主成分として含有することを特徴とする光学フィルムである。
本発明によれば、従来のように垂直配向膜を設けることなく、ポリカーボネートからなる基材と位相差層とを効果的に密着させ、良好な配向性を示す、新規な構成の光学フィルムを提供することができる。
光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。 光学フィルムの断面のSTEMにより50,000倍の視野で観察した観察像である。 数種類の溶剤について、蒸発速度(酢酸ブチル=1としたときの速度比)と、ポリカーボネートの基材による溶解時間(min)の測定結果を示すグラフ図である。 光学フィルムの製造工程の流れを示すフローチャートである。 光学機能フィルムの検討に供した液晶表示装置の構成を示す断面図である。 光学機能フィルムの構成の一例を示す断面図である。 実施例1にて得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した観察像(50,000倍)である。
以下、本発明の具体的な実施例形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら以下の順で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1.光学フィルムの構成
2.光学フィルム(Cプレート)の製造方法
3.Cプレートを適用した光学フィルム
≪1.光学フィルムの構成≫
図1は、本実施の形態に係る光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。本実施の形態では、例えば画像表示装置において、この光学フィルム1を各種の光学フィルムと共に液晶表示パネルの視聴者側面に配置することで、種々の光学特性を向上させることができる。なお、ここでの光学特性の向上とは、例えば視野角特性の向上、斜め方向に係る光漏れの低減に係る光学補償、色味の補正等である。
光学フィルム1は、nx=ny<nzの光学特性である正のCプレートであり、逆波長分散の波長分散特性(以下、「逆分散特性」ともいう)を備える。より具体的に、450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差(Re0(λ))よりも大きく、これにより正のCプレートとして機能する。また、さらに波長λが増加するに従い、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が増加する光学特性を備え、これにより逆分散特性を示すフィルムとして機能する。このことから、この光学フィルムを備えた画像表示装置は、広い波長帯域で所望の光学特性を確保できる。
具体的に、本実施の形態に係る光学フィルム1は、基材11として、逆波長分散特性を示すポリカーボネートからなる基材を用いる。そして、光学フィルム1では、その基材11上に、特定の溶剤と添加剤として紫外線硬化型のモノマーとを含有する重合性液晶組成物からなる塗工液を塗工することによって液晶層13を構成する。この光学フィルム1では、基材11と液晶層13との間に、重合性液晶組成物に含まれる溶剤が基材11を構成するポリカーボネートを溶解して形成された浸透層12を有する。このように、基材11と、浸透層12と、液晶層13とが順次積層された構成(積層体)からなる光学フィルム1によれば、基材11と液晶層13とが強固に密着し、従来のように垂直配向膜を設けることなく安価に、正のCプレートとして機能させることができる。
図2は、本実施の形態に係る光学フィルム1の断面のSTEM観察像(50,000倍)である。この観察像に示すように、基材11と、液晶層13との間に、浸透層12が形成されている。なお、図2における(A)、(B)は、液晶層13を構成する重合性液晶組成物中の溶剤成分の違いに基づくものである。
<1−1.基材>
基材11としては、逆波長分散特性を示すポリカーボネートからなる基材を用いる。このようなポリカーボネートからなる基材とすることにより、光学異方性が小さくCプレートとして好適に機能させることができる。
ここで、詳しくは後述するが、本実施の形態に係る光学フィルム1においては、当該基材11と液晶層13との間に浸透層12が形成されている。その浸透層12は、基材11側の近傍に位置するものであり、液晶層13を構成する重合性液晶組成物に含まれる溶剤が基材11に浸透し、基材11を構成するポリカーボネートが溶解することによって形成された層である。このように、光学フィルム1では、基材11の構成成分であるポリカーボネートの一部が溶解して形成された浸透層12を有し、このことにより、そのポリカーボネートの溶解成分による浸透層12がアンカー効果を示して、基材11と液晶層13との密着性を高めることができる。そしてまた、この光学フィルム1では、重合性液晶組成物に含有させた紫外線硬化型のモノマーが溶剤と共に基材11に浸透し、硬化処理によりそのモノマーが重合して硬化することにより、アンカー効果が向上して、基材11と液晶層13との密着性をより一層に強固なものにしている。
<1−2.液晶層>
液晶層13は、Cプレートとしての光学的機能を担う層であり、各種の光学フィルムの位相差層の作製に供する液晶材料であって、波長分散特性が例えば逆分散特性である液晶化合物を含む重合性液晶組成物を基材11に塗布して形成される。この液晶層13では、液晶化合物が垂直(ホメオトロピック)配向している。
[重合性液晶組成物について]
具体的に、重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(棒状化合物)を含有する。
(液晶化合物)
液晶化合物は、屈折率異方性を有し、規則的に配列することにより所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶化合物を用いることがより好ましい。ネマチック相を示す液晶化合物としては、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶化合物は、柔軟性に優れる。
また、液晶化合物は、上述したように分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物である。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくくなる。また、重合性液晶化合物は、分子内に三次元架橋可能な重合性官能基を有することがより好ましい。三次元架橋可能な重合性官能基を有することで、配列安定性をより一層に高めることができる。なお、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合するものを挙げることができる。これら重合性官能基としては、ラジカル重合性官能基が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例として、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。
また、液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶化合物を用いることにより、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れたCプレートを形成することができる。
重合性液晶組成物中における液晶化合物の含有量としては、基材11上に塗布する塗布方法に応じて、重合性液晶組成物の粘度を所望の値に調整できれば特に限定されないが、重合性液晶組成物中に5質量部〜40質量部の割合で含まれていることが好ましく、10質量部〜30質量部の割合で含まれていることがより好ましい。液晶化合物の量が5質量部未満であると、含有量が少なすぎるために液晶層13への入射光を適切に配向できない可能性がある。一方で、40質量部を超えると、その重合性液晶組成物の粘度が高くなりすぎるために作業性が悪くなる。
なお、液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(溶剤)
上述した液晶化合物は、通常、溶剤に溶かされている。溶媒としては、上述した液晶化合物を均一に分散できるものであることが必要となる。そして、本実施の形態に係る光学フィルム1では、液晶層13を構成する重合性液晶組成物に含まれる溶剤として、蒸発速度が比較的速く、基材11を構成するポリカーボネートを完全に溶解させるまでの時間が短いという特性を有する溶剤を含有させることを特徴としている。
具体的には、その溶剤として、酢酸ブチルの蒸発速度に対する(酢酸ブチル=1としたときの)蒸発速度比が1以上3以下であり、且つ、下記試験方法にて測定されたポリカーボネート基材を溶解させる溶解時間が20分以下である溶剤を主成分として含有するものを用いる。なお、主成分とは、溶剤中における含有量が質量比で51%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上の割合で含む成分をいう。
<溶剤の溶解時間の測定方法>
溶剤を5gのガラス瓶に取り、ポリカーボネート基材の2cm×2cmの試験片を投入して、その試験片が溶け切るまでの時間を測定する。この溶解時間が速いほど(短時間であるほど)、基材に対する溶解性が高いことを意味する。
図3は、数種類の溶剤について、蒸発速度(酢酸ブチル=1としたときの速度比)と、ポリカーボネートの基材による溶解時間(min)の測定結果を示すグラフ図である。なお、上述したように溶解時間が速いほど基材に対する溶解性が高いことを意味する。また、蒸発速度は酢酸ブチルを基準とした速度比であり、その数値が大きいほど蒸発速度が遅い、つまり乾燥させるまでの時間が長いことを意味する。
ここで、本実施の形態に係る光学フィルム1では、基材11と液晶層13との間に浸透層12を有しており、その浸透層12は、液晶層13を構成する重合性液晶組成物に含まれる溶剤により基材11に浸透し、溶剤により基材11を構成するポリカーボネートが溶解して形成されている。つまり、浸透層12は、ポリカーボネートの溶剤による溶解成分からなっている。光学フィルム1では、このような浸透層12を備えることで、それがアンカー効果を奏して、基材11と液晶層13との密着性を高め、また良好な配向性を発揮する。
このことから、重合性液晶組成物に含まれる溶剤としては、ポリカーボネートに対して良好な溶解性を示す(溶解速度が速い)ものであることが好ましく、これにより浸透層12が形成されることになる。具体的には、溶解時間が20分以下である溶剤を用いることが好ましい。ところが一方で、その溶剤の蒸発速度の観点からすると、蒸発速度が遅すぎる(酢酸ブチルに対する蒸発速度比が大きすぎる)と、所定の乾燥条件で乾燥させたときの乾燥までの時間が長いことを意味し、溶解させたポリカーボネートの成分(溶解成分)が基材11の近傍に留まらずに液晶層13の表面(露出面)の方向にまで漂ってしまう。すると、液晶層13に含まれるようになったポリカーボネートの溶解成分に起因して、その配向性が悪化する。このことから、蒸発速度も適度に速いことが好ましく、具体的には、酢酸ブチル(=1)に対する速度比で3以下であることが好ましい。なお、蒸発速度比が1未満であると、蒸発が速すぎてポリカーボネートを有効に溶解させることができず、浸透層12が形成されなくなることから、蒸発速度比は1以上が好ましい。
より具体的に、溶剤としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)を主成分として含有するものであることが好ましい。例えば、溶剤の組成として、MIBKを溶剤中に質量比で100%の割合で含有させる溶剤、MIBK:シクロペンチルメチルエーテル(CPME)=70〜95:5〜30の比率で含有する混合溶剤とすることができる。
本実施の形態においては、このように液晶層13を構成する重合性液晶組成物に含まれる溶剤を選定することによって、ポリカーボネートからなる基材11とその液晶層13との間に浸透層12を形成させることができ、基材11と液晶層13との密着性を高めることができる。また、溶剤を適切に選定することによってポリカーボネートの溶解成分が液晶層13に漂うことを防ぎ、良好な配向性を発揮させる(良好に液晶化合物を垂直に配向させる)。つまり、本実施の形態に係る光学フィルムは、液晶層13にはポリカーボネートの溶剤による溶解成分を含まない。なお、液晶層13におけるポリカーボネートの溶解成分の有無は、例えばIR測定等によってその存在を容易に測定することができる。
重合性液晶組成物中の溶剤の含有量としては、液晶化合物100質量部に対して66質量部〜900質量部であることが好ましい。溶剤の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができないことがある。一方で、900質量部を超えると、溶剤の一部が残存して信頼性が低下することがあり、また均一に塗工できないことがある。
(紫外線硬化型のモノマー)
また、本実施の形態においては、重合性液晶組成物中に、添加剤として紫外線硬化型のモノマーを含有していることを特徴としている。このように、紫外線硬化型のモノマーを添加することによって、重合性液晶組成物からなる塗工液を基材11に塗工すると、組成物中の溶剤と共に、このモノマーも一緒に基材11に浸透するようになる。すると、その後の硬化処理によってモノマーが重合して硬化物となり、その硬化物がアンカー効果を高めて基材11と液晶層13との密着性をより強固なものをする。
紫外線硬化型のモノマーとしては、特に限定されないが、上述のように溶剤と共に基材11に浸透させる観点から、溶剤と相溶性が良好なものであることが好ましい。また、モノマーとしては、単官能モノマーであっても、多官能モノマーであってもよい。
具体的に、単官能モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。
また、多官能モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
これらのモノマーは、1種単独で、又は2種類以上を併せて用いることができる。
また、紫外線硬化型のモノマーの含有量としては、重合性液晶組成物の固形分中に0.5質量%〜5質量%の範囲で含まれていることが好ましい。含有量が0.5質量%未満であると、アンカー効果を高めることが十分ではなく、基材11と液晶層13との密着性が弱くなる可能性がある。一方で、含有量が5質量%を超えると、そのモノマーの過剰分が異物となってしまい、光学フィルムの配向性を損ねる可能性がある。
(その他の添加剤)
なお、重合性液晶組成物には、必要に応じて他の添加剤を含有させることができる。他の化合物としては、上述した液晶化合物の配列秩序を害するものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤及びシランカップリング剤等を挙げることができる。例えば、重合開始剤として、ラジカル重合開始剤を含有させることができる。
[液晶層の形成方法について]
液晶層13は、ポリカーボネートからなる基材11上に液晶層13を構成する重合性液晶組成物からなる塗工液を塗工した後、所定の乾燥条件で乾燥させ、紫外線や電子線等の照射を行うことで硬化させることによって形成することができる。
基材11上への重合性液晶組成物からなる塗工液の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。
液晶化合物を重合し硬化させる硬化処理としては、紫外線や電子線等の活性放射線を照射して行うことができる。この硬化処理により、溶剤と共に基材11に浸透した紫外線硬化型のモノマーも硬化して、より一層に基材11と液晶層13とを密着させるアンカー効果を高めることができる。
活性放射線としては、液晶化合物を重合することが可能な放射線であれば特に限定されないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光を使用することが好ましい。このような硬化処理を施すことで、液晶化合物が互いに重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができ、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた液晶層13を形成することができる。また、上述のように、溶剤と共に基材11に浸透した紫外線硬化型のモノマーも硬化してアンカー効果が増強する。
例えば、活性放射線として紫外線を用いる場合、その光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を用いることができる。その中でも、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ等を好ましく用いることができる。
また、紫外線の波長としては、液晶材料等に応じて適宜設定されるものであり、具体的には、波長が210nm〜380nm、好ましくは230nm〜380nm、さらに好ましくは250nm〜380nmの照射光を用いることが好ましい。また、紫外線の照射量(積算光量)としては、特に限定されないが、例えば、100J/cm〜1500mJ/cmの範囲内であることが好ましく、100mJ/cm〜800mJ/cmの範囲内であることがより好ましい。
[液晶層の厚さについて]
液晶層13の厚さとしては、特に限定されないが、適切な配向性能を得るためには、例えば500nm〜2000nm程度であることが好ましい。
<1−3.浸透層>
上述したように、本実施の形態に係る光学フィルム1では、基材11と液晶層13との間に浸透層12を有している(図2のSTEM観察像を参照)。この浸透層12は、液晶層13を構成する重合性液晶組成物に含まれる溶剤によって、基材11のポリカーボネートが溶解した溶解成分からなっている。
より具体的には、液晶層13を構成する重合性液晶組成物を基材11上に塗工することにより、組成物に含まれる溶剤が基材11に浸透し、その溶剤によって基材11を構成するポリカーボネートが溶解し、その溶解成分より浸透層12が形成されている。
このように、光学フィルム1では、ポリカーボネートの溶剤による溶解成分からなる浸透層12を備えることで、それがアンカー効果を奏して、基材11と液晶層13との密着性を高めることができる。また、重合性液晶組成物中に紫外線硬化型のモノマーを含有させることで、そのモノマーも溶剤と共に基材11に浸透するようになり、そのモノマーの硬化物によって基材11と液晶層13とを密着させるアンカー効果をより一層に高めることができる。さらに、上述したように液晶層13を構成する重合性液晶組成物の溶剤を適切なものとすることで、良好な配向性を発揮させることができる。これにより、従来のように基材上に垂直配向膜を設けることなく、安価に、正のCプレートを備える光学フィルムを作製することができる。
≪2.光学フィルム(Cプレート)の製造方法≫
次に、上述した構成の光学フィルム1の製造方法について簡単に説明する。図4は、光学フィルム1の製造工程の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、光学フィルム1の製造工程においては、先ず、ポリカーボネートからなる基材11が、ロールにより提供される(ステップSP1)。
次に、基材11を供給リールから引き出し、液晶層形成用塗工液の塗工工程(ステップSP2)において、基材11上にダイ等による液晶層13を構成する重合性液晶組成物からなる塗工液(液晶層形成用塗工液)を塗工する。
次に、乾燥工程として、基材11上に塗工した液晶層形成用の塗膜を所定の条件で乾燥させる。乾燥条件としては、例えば、乾燥温度を40℃〜60℃とし、乾燥時間を1分〜15分として、5.0m/s〜10.0m/sの風速でエアーを吹き付けることによって行うことができる。
ここで、本実施の形態においては、重合性液晶組成物における溶剤として、好ましくは、酢酸ブチルの蒸発速度に対する蒸発速度比が1以上3以下であり、且つ、ポリカーボネート基材の試験片(2×2cm)を溶解させるまでの時間が20分以下である溶剤を主成分として含む溶剤を用いる。具体的には、例えばMIBKを主成分として含有する溶剤を用いている。そして、この重合性液晶組成物からなる塗工液をポリカーボネートからなる基材11上に塗工して液晶層13を形成するようにしている。
したがって、基材11上に塗工した後に重合性液晶組成物中の溶剤がポリカーボネートを溶解させ、この乾燥工程SP3における乾燥処理により溶剤が蒸発するまでの間で、そのポリカーボネートの溶解成分からなる浸透層12が基材11上に形成される。つまり、乾燥工程SP3は、浸透層12を形成させる工程にもなる。
次に、液晶層形成用塗工液を乾燥させた後に、液晶層形成工程(ステップSP4)として、紫外線等の照射処理あるいは加熱処理を施すことによって塗膜を硬化させて、これにより液晶層13を形成する。
本実施の形態においては、重合性液晶組成物中に紫外線硬化型のモノマーを添加剤として含有させており、そのモノマーも溶剤と共に基材11に浸透する。そして、液晶層形成工程(ステップSP4)での硬化処理により、基材11に浸透したモノマーも硬化して硬化物となり、基材11と液晶層13とを密着させるアンカー効果がより一層に高まる。
このような工程を経ることによって、Cプレート1を製造することができる。
≪3.Cプレートを適用した光学フィルム≫
次に、上述した光学フィルム(Cプレート)を適用した光学機能フィルムについて説明する。この光学機能フィルムにおいては、画像表示パネルに配置される各種の光学機能フィルムに一体にCプレートを作製するようにして、このCプレートとして上述した光学フィルム1の構成を適用する。
<3−1.光学フィルムを備えた液晶表示装置の例>
ここで、正のCプレートを配置する箇所の部材表面に、上述した光学フィルム1の液晶層13を積層させるようにする。このような光学機能フィルムとしては、液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板によるフィルム、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化したフィルム等、種々の構成を広く適用することができる。なお、液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板によるフィルムや、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化したフィルムにあっては、Cプレートを使用した光学補償が種々に提案されており、上述した光学フィルム1を適用することができる。
図5は、光学機能フィルムの検討に供した液晶表示装置の構成を示す断面図である。この図5に示す液晶表示装置2において、光学機能フィルム21は、上述した液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルムにCプレートを適用して光学補償に供する例である。
液晶表示装置2は、IPS液晶表示装置(In−plane Switching liquid crystal display;IPS−LCD)であり、バックライト22の前面に液晶表示パネル23が配置される。
液晶表示パネル23は、IPS液晶による液晶セル24が設けられ、この液晶セル24のバックライト側に、例えば感圧性の粘着層(図示せず)により直線偏光板25が設けられる。なお、直線偏光板25は、透明フィルムからなる基材25A及び25Cにより、直線偏光板として機能を担う液晶層である偏光子25Bを挟持して構成される。
液晶表示パネル23は、液晶セル24の出射面に光学機能フィルム21が配置される。この光学機能フィルム21は、光学補償のための光学補償層26、偏光子27、表面材である基材(保護フィルム)28を備える。また、光学補償層26が、正(+)のCプレート(以下、「+Cプレート26」ともいう)により構成される。基材28は、TAC等の透明フィルムが適用され、直線偏光板25と同様に直線偏光板としての液晶層が設けられる。また、光学機能フィルム21は、この液晶層により偏光子27が形成され、基材28及び偏光子27により出射面側の直線偏光板が構成される。
このような積層体における+Cプレート26が、上述した基材11/(浸透層12)/液晶層13が順に積層された積層体(光学フィルム1)により構成される。
<3−2.光学機能フィルム>
次に、より具体的に、上述した液晶表示装置2における光学機能フィルム21について説明する。図6は、上述した光学機能フィルム21の構成例を示す断面図である。図6に示すように、光学機能フィルム21は、基材11と、液晶層13とが順次積層されたCプレート26(上述した説明における「光学フィルム1」を適用。したがって、以下では「Cプレート26(1)」と表記する)を備え、そのCプレート26(1)上に、UV接着剤等からなる接着層30を介して偏光子27が積層されてなり、その偏光子27上に、TACフィルム等からなる基材(保護フィルム)28が貼合されている。
このように、光学機能フィルム21を構成するCプレート26は、基材11と、液晶層13とからなり、従来のような垂直配向膜を基材上に備えない構成となっている。本実施の形態におけるCプレート26では、ポリカーボネートからなる基材11とし、基材11と液晶層13との間に、液晶層13を構成する重合性液晶組成物中の溶剤が基材11に浸透してそのポリカーボネートを溶解させた溶解成分からなる浸透層12を備えている。これにより、垂直配向膜を備えなくても、基材11と液晶層13とを強固に密着させるとともに、良好な配向性を発揮させることができ、そのCプレート26を従来よりも薄膜化させることができ、また安価に製造することができる。
なお、Cプレート20(1)において、浸透層12は、上述したようにポリカーボネートの溶解成分からなっており、従来の垂直配向膜とは異なるものであるため、ここでの符号表記は「(12)」とし、断面構成図においても浸透層(12)と液晶層13との界面は点線で表示する。
接着層30は、上述したようにCプレート26(1)上に積層されるものであり、この接着層30を介して偏光子27をCプレート26(1)に貼り付ける。接着層30は、主として、主剤と硬化剤とからなる2液タイプの接着剤組成物を硬化させることによって形成される。主剤としては、特に限定されないが、例えば紫外線硬化型樹脂を用いてUV接着層とすることができる。より具体的に、紫外線硬化型樹脂としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多官能ウレタンアクリレート等が好ましく用いられる。その中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることが特に好ましい。
また、偏光子27は、上述した接着層30上に接着されるものであって、その接着層30を介してCプレート26(1)に貼り付けられて構成されるものである。偏光子27としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
以下、実施例を示すことによって本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(光学フィルムの作製)
有機溶剤MIBK(溶剤中の含有量100質量%)を溶剤として用いて、ネマチック相を示す液晶化合物(DIC株式会社製)と、添加剤として紫外線硬化型のモノマーである2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(M600A,共栄社化学株式会社製)とを固形分比24%となるように溶解させて重合性液晶組成物を調製した。なお、添加剤としてのモノマーは固形分中に2質量%となるように含有させた。
逆波長分散特性を示すポリカーボネート基材(RM147,帝人株式会社製)の保護裏面に、調整した重合性液晶組成物からなる塗工液をダイコート法で塗工した。
その後、乾燥雰囲気温度:40℃、時間:1分、風速:5.0m/sの条件でエアーを吹き付けて乾燥処理を施し、そして400mJ/cmの照射量の紫外線を照射して塗膜を硬化させた。これにより、ポリカーボネートからなる基材上に、液晶層が積層させた光学フィルムが得られた。
(STEM観察)
図7は、得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した観察像(50,000倍)である。なお、図7の観察像は、図2(A)の観察像と同一のものである。この観察像から分かるように、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていることが分かる。
(密着性評価)
また、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行った。密着性の評価は、メンディングテープ(住友スリーエム社製)を用いて、JIS K5400−8.5法に従ったクロスカット(100マス)を実施することにより行った。その結果、密着性の測定結果としては、100/100となり良好な密着性を有することが分かった。
(配向性評価)
また、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。配向性の評価は、偏光板クロスニコル下でサンプル回転させて、暗状態が面内位相差により明状態に変化しないこと、すなわち液晶化合物が垂直に配向していることを確認することにより行った。その結果、サンプルを回転させても常に暗状態であり、配向性は良好であった(◎)。
[実施例2]
(光学フィルムの作製)
添加剤として紫外線硬化型のモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−30,日本化薬株式会社製)を固形分中に1質量%となるように含有させたこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した結果、実施例1と同様に、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていた。
(密着性評価)
また、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、密着性の測定結果としては、100/100となり良好な密着性を有することが分かった。
(配向性評価)
また、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、液晶化合物が垂直に配向し、良好な配向性を示した。
[実施例3]
(光学フィルムの作製)
添加剤として紫外線硬化型のモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−30,日本化薬株式会社製)を固形分中に2質量%となるように含有させたこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した結果、実施例1と同様に、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていた。
(密着性評価)
また、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、密着性の測定結果としては、100/100となり良好な密着性を有することが分かった。
(配向性評価)
また、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、液晶化合物が垂直に配向し、良好な配向性を示した。
[実施例4]
(光学フィルムの作製)
添加剤として紫外線硬化型のモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(フタージェント650A、株式会社ネオス製)を固形分中に1質量%となるように含有させたこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した結果、実施例1と同様に、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていた。
(密着性評価)
また、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、密着性の測定結果としては、92/100となり良好な密着性を有することが分かった。
(配向性評価)
また、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、液晶化合物が垂直に配向し、良好な配向性を示した。
[実施例5]
(光学フィルムの作製)
添加剤として紫外線硬化型のモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(フタージェント650A、株式会社ネオス製)を固形分中に2質量%となるように含有させたこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した結果、実施例1と同様に、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていた。
(密着性評価)
また、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、密着性の測定結果としては、96/100となり良好な密着性を有することが分かった。
(配向性評価)
また、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、液晶化合物が垂直に配向し、良好な配向性を示した。
[比較例1]
添加剤としての紫外線硬化型のモノマーを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察した結果、実施例1と同様に、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、浸透層が形成されていた。
(密着性評価)
しかしながら、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行ったところ、50/100となり良好な密着性を得ることができなかった。
(配向性評価)
なお、この光学フィルムについて配向性の評価を行った。密着性の評価は、実施例1と同様にして行った。その結果、液晶化合物が垂直に配向し、良好な配向性を示した。
[比較例2]
添加剤として紫外線硬化型のモノマーである2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(M600A,共栄社化学株式会社製)を固形分中に6質量%となるように含有させたこと以外は、実施例1と同様に、調製した重合性液晶組成物からなる塗工液を基材上に塗工し、乾燥、硬化させて、光学フィルムを作製した。
(STEM観察)
得られた光学フィルムの断面をSTEMにより観察したところ、ポリカーボネートからなる基材と、液晶層との間に、明確な浸透層が形成されていることが確認できず、添加したモノマーと考えられる成分が液晶層中を漂っている状態が確認された。
(密着性評価)
なお、この光学フィルムについて基材と液晶層との密着性の評価を行ったところ、95/100となり良好な密着性を得ることができなかった。
(配向性評価)
この光学フィルムについて配向性の評価を行ったところ、液晶化合物を垂直に配向させることができず、配向性は不良であった。モノマーの添加量が多すぎたために、配向性が不良になったものと考えられる。
下記表1に、実施例1〜5、及び、比較例1、比較例2における評価結果をまとめて示す。なお、浸透層の有無の評価において、浸透層が確認できたものを『○』とし、浸透層が確認できなかったものを『×』とした。
1 光学フィルム
2 液晶表示装置
11、25A、25C、28 基材
12 浸透層
13 液晶層
21 光学機能フィルム
22 バックライト
23 液晶表示パネル
24 液晶セル
25 直線偏光板
25B 偏光子
26 光学補償層(+Cプレート)
27 偏光子
30 接着層

Claims (2)

  1. 逆波長分散性を有するポリカーボネートを基材として備えた光学フィルムであって、
    前記ポリカーボネートの基材上に、浸透層と、重合性液晶組成物から形成される液晶層とが順次積層された積層体からなり、
    前記液晶層は、正のCプレートであり、
    前記浸透層は、前記重合性液晶組成物に含まれる溶剤により前記基材を構成するポリカーボネートが溶解して形成され、
    前記重合性液晶組成物は、分子内に重合性官能基を有する液晶化合物と、該液晶化合物とは異なる紫外線硬化型のモノマーと、を含有し、
    前記モノマーは、前記重合性液晶組成物の固形分中に0.5質量%〜5質量%の範囲で含まれている
    ことを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記溶剤として、
    酢酸ブチルの蒸発速度に対する蒸発速度比が1以上3以下、且つ、
    ポリカーボネート基材の試験片(2×2cm)を溶解させるまでの時間が20分以下
    である溶剤を主成分として含有する
    ことを特徴とする請求項に記載の光学フィルム。
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