JP6146049B2 - シート材識別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像が記録されるシート材を識別するシート材識別装置に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリ装置、及び複合機等の画像形成装置において、シート材の大きさ、種類、材質等の予め識別し、そのシート材に最適な条件で画像を記録することが要望されている。そこで、画像記録に先立って実施する給紙シート材を識別する方式としては非接触方式と接触方式が知られている。
シート材を識別する非接触方式として、発光体と受光体とをシート面に対して、同一面側に配置し、発光体から照射され、シート面で反射した光を受光量に応じて識別する、反射型センサが挙げられる。また、発光体と受光体とはシート面に対して、異なる面側に配置し、発光体から照射され、シート材を透過した光を受光量に応じて識別する、透過型センサが挙げられる。これらの光学式は汎用的に使用されることが知られている。
また、発信体と受信体とをシート面に対して、異なる面側に配置し、発信体から発する超音波のシート材への伝播状態を受信して識別を行う、超音波センサが知られている。また、CIS、CCD等のイメージセンサを用いて、表面性状をそのまま画像情報として取り込み、情報処理することで、シート材を識別する方式も知られている。
尚、CISはContact Image Sensorの略で、密着イメージセンサを意味し、等倍光学方式のイメージセンサに利用される。CCDは、Charge Coupled Deviceの略で、電荷結合素子を意味し、光学縮小方式のイメージセンサに利用される。
また、シート材を識別する接触方式ではローラ等を加圧する付勢部材に感圧センサを接続し、シート材がローラを通過する際に、付勢部材が受けた反力を検知して識別する方式が知られている。この方式ではシート材の厚み成分に対して比較的精度良く検出することができる。
しかしながら、上記非接触方式における光学を用いた形式では例えば反射型や透過型のセンサであれば、比較的安価な構成で、シート材を検出できるが、シート材の有無を判断する程度の性能に留まり、面情報の区別には適さない。
それに対して、CIS、CCD等のイメージセンサは、表面上の模様や色彩を詳細に検知するのに適しているが、コストが相応にかかってしまうのに対して、厚み・凹凸成分の検出までは行えず、別途入力手段を有する必要がある。
さらにまた、シート材の反力を検知する接触検出方式では、シート材の厚み成分に対して、精度良く検出が行えるが、反力から面情報までを詳細検知するには、情報が少ない。また、走査方式においては、シート材が揺動しないように固定が必要であったり、走査するため、検知時間が比較的長くなったりするなど、細かい制約条件がさらに必要になってくる。
これら上記の構成においては、面情報を単独の情報に基づいて区別するものであり、面情報の取得としては、情報量に不足が発生してしまう。
シート材の識別機能として、センサの検知面をシート材の表面に押し当てて、表面性上を検知する感圧式センサによる検知手段が提案されており、センサとシート材との接触方式としては、特許文献1にシーソーのような構造で、センサを一方の軸端部に固定し、他方の軸端部の上下動により、シート材の表面に押し当てる方式が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載のような方式の場合、検知面が軸部材の支点を中心として回転運動しながらシート材表面に接触することになる。このため、厚さや剛性といったシート材の条件によっては、検知面が片当たり等をしてシート材表面に密着しない状態となり、シート材の面情報が正しく検知できないという懸念があった。
また、特許文献2には、接触式センサの高寿命化する目的で、セットされた用紙束の一番上の用紙を紙種検知センサの位置まで搬送し、紙種検知を行うことが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の発明では制御の複雑化、用紙の位置での検知の準備にかかる時間が増加するという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題に鑑み、厚さや剛性の異なるシート材であっても、一定の距離関係を保ちながら検知することが可能で、シート材の表面と平行な位置関係で面情報を検知できることを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、シート材を積載するシート材積載装置と、前記シート材積載装置の下面より最下層のシート材に接触して前記シート材の表面から得られる情報を出力する検知手段と、前記シート材積載装置の下面より最下層のシート材に接触して前記検知手段との接触による撓みを水平方向に引っ張ることで密着させる密着手段と、を備えたシート材識別装置であって、前記密着手段は、前記最下層のシート材の下に、前記検知手段を中心にして対向するように配置され、前記最下層のシート材に接触する、一対のローラ間に多数の貫通孔が形成されたベルトをエンドレスに張った第一及び第二のベルトコンベア手段と、前記第一及び第二のベルトコンベア手段の各ベルトを介して前記最下層のシート材を吸引する吸引手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、シート材に対して検知手段を一定圧でシート材に当接できるため、計測結果のバラツキを抑え、精度の良いシート材識別を行うことができる。
一実施形態に係る紙種検知センサを含む給紙部1の構成について説明する図である。 シート材積載装置62の紙種検知方式についての説明図である。 シート材吸着装置69A、69Bの吸着動作の説明図である。 (A)、(B)は、シート材吸着装置69の引張動作の説明図である。 シート材識別装置100についての説明図である。 面情報の処理方法についての説明図である。 給紙部1の他の実施形態についての説明図である。 給紙部1の他の実施形態についての説明図である。 給紙部1の他の実施形態についての説明図である。 給紙部1の他の実施形態についての説明図である。 給紙部1の他の実施形態についての説明図である。 他の実施形態に係るシート材識別装置を有する画像形成装置の給紙部を示す説明図である。 シート材識別装置の概要を示す斜視図である。 (a)はシート材識別装置の待機位置、(b)は検知位置を示す説明図である。 (a)はシート材識別装置が待機位置の給紙部、(b)はシート材識別装置が検知位置の給紙部を示す説明図である。 図13に示すシート材識別装置の変形例であって、(a)はシート材識別装置の待機位置、(b)は検知位置を示す説明図である。 図13に示すシート材識別装置の別の変形例であって、(a)はシート材識別装置の待機位置、(b)は検知位置を示す説明図である。 図13に示すシート材識別装置のさらに別の変形例であって、(a)はシート材識別装置の待機位置、(b)は検知位置を示す説明図である。 待機位置におけるシート材識別装置とピックアップコロ等の給紙手段との位置関係を示す説明図である。 検知位置におけるシート材識別装置と給紙手段との位置関係を示す説明図である。 給紙時のシート材識別装置と給紙手段との位置関係を示す説明図である。 光学式の検知手段を用いるシート材識別装置を示し、(a)はシート材識別装置が待機位置、(b)は検知位置の説明図である。 図21に示すシート材識別装置の変形例であって、(a)はシート材識別装置が待機位置、(b)は検知位置の説明図である。 シート材に当て点で検知するセンサを用いたシート材識別装置であって、(a)はシート材識別装置が待機位置、(b)は検知位置の説明図である。 シート材識別装置にシート材から離し点で検知するセンサを用いたものであって、(a)はシート材識別装置が待機位置、(b)は検知位置の説明図である。 シート材に検知手段を押圧して得る情報を示す説明図である。 シート材識別装置の制御ブロック図である。 面情報の検索例を示す説明図である。 面情報の検索の一態様を示す説明図である。 情報の検索の他の態様を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<実施形態1>
本発明の一実施の形態を説明する。
本発明は、接触式の紙種検知センサの検知に際して、以下の特徴を有する。
[概 要]
要するに、シート材の検知面を引っ張ることでセンサに密着させ、センサに対するシート材の押圧力を均一化し、少量のシート材が積載された場合でも、シート材積載量の影響を受けることなく高精度なセンサ検出が可能となることを特徴とする。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
図1は、一実施形態に係る紙種検知センサを含む給紙部1の構成について説明する図である。
給紙部1はシート材積載装置62を有する。まず、シート材積載装置62の概略について説明する。
シート材積載装置62はシート束64を格納することが出来る。シート束64はサイドフェンス65A、65Bによりシート材積載位置が固定される。シート束64を下部から支持しているシート材積載装置底部63にはセンサ押圧装置66が配置されており、シート束64が積載されるとセンサ押圧装置66と最下層のシート材64Bとが密着する。センサ押圧装置66のシート材接触面には検知手段としてのシート材識別装置100が設置されており、シート束64の積載時にはシート材識別装置100とシート束64とが接触しシート材の種類を判別する。
また、シート材積載装置底部63には第一の吸着手段としてのシート材吸着装置69A、及び第二の吸着手段としてのシート材吸着装置69Bが搭載されている。シート材吸着装置69が最下層のシート材64Bを吸着し、シート材積載装置底部63に密着させる。
シート材吸着手段69A、69B、及び後述する移動手段で密着手段が構成されている。
尚、給紙部1の動作は全て制御手段としてのCPUが制御する。
図2は、シート材積載装置62の紙種検知方式についての説明図である。図3は、シート材吸着装置69A、69Bの吸着動作の説明図である。図4(A)、(B)は、シート材吸着装置69の引張動作の説明図である。
シート材積載装置62の紙種検知方法について説明する。
シート材積載装置62の下部に設置されたセンサ押圧装置66によってシート束64の紙種を検知する場合、シート束64の重さによりセンサ押圧装置66を押圧する必要がある。従って、シート束64の重量が適切でない場合、シート材識別装置100に十分にシート束64が接触せず、正しく紙種を判別することが出来ない懸念が生じる。
例えばシート束64のシート材が薄紙の場合、もしくはシート束64の枚数が極めて少ない場合には最下層のシート材64Bはシート材積載装置底部63に対し、局所的に浮き上がった状態になる可能性が生じる。その場合、シート材識別装置100が最下層のシート材64Bと全面で接触できず正確な紙種情報を取得できない。
そこで、シート材吸着装置69A、69Bが最下層のシート材64Bに対しシート材識別装置100と完全に接触するよう紙種検知の補助を行う必要がある。シート材吸着装置69A、69Bはセンサ押圧装置66を中心として対称的な位置、すなわち対向するように配置されている。
シート材吸着装置69A、69Bは、吸着動作と引張動作との二つの動作を行うことで最下層のシート材64Bの浮き上がりを防止し、シート材識別装置100への接触を安定させる(図4参照)。
吸着動作ではシート材吸着装置69A、69Bに吸着力を生じさせ、最下層のシート材64Bとシート材吸着装置69A、69Bとが密着するように接触させる。吸着装置69A、69Bが吸着動作を行うと共に水平方向に引張動作を行う。
引張動作ではシート材吸着装置69A、69Bが最下層のシート材64Bを吸着したままシート材吸着装置69A、69Bをセンサ押圧装置66から互いに離れる方向に移動させる。すなわち、シート材吸着装置69A、69Bの吸着動作と引張動作とによりシート材識別装置100上に存在する最下層のシート材64Bをシート材識別装置100と密着させる(図4参照)。
ここで、図4(B)は、図1〜図3(A)に示したシート材吸着装置69A、69Bの移動手段についての説明図である。
シート材吸着装置69Aは、例えば、モータM91、モータM91の出力軸に連結された送りネジ92、及び送りネジ92に螺合しシート材吸着装置69Aに固定されたボールスクリュー93により、送りネジ92に沿って水平移動できるようになっている。すなわち、モータM91が駆動されると、水平に配置された送りネジ92が回転し、ボールスクリュー93が送りネジ92に沿って移動する。送りネジ92の移動に伴い、シート材吸着装置69Aが水平方向に移動する。
これらモータM91、送りネジ92、及びボールスクリュー93で移動手段が構成されている。
シート材吸着装置69Bもシート材吸着装置69Aと同様の構造を有するが、ボールスクリューの移動方向は逆方向であり、移動速度は同一に設定されている。尚、シート材吸着装置69A、69Bの移動は限定されるものではなく、ラックギヤ、ピニオンギヤ、及びモータを組み合わせても良い。
図5は、シート材識別装置100についての説明図である。図6は、面情報の処理方法についての説明図である。
シート材識別装置100は、センサ押圧装置66と面情報検知手段68とで構成されている。シート材識別装置100は、シート材識別装置100の上部にある面情報検知手段68を検知対象としてのシート材81に接触させ、シート材81の面情報を検知する。面情報検知手段68を用いて得られた面情報のシート材識別情報はシート材識別装置100内で図6のように最小単位83に分割される。要素にかかる圧力等の情報配列84により、紙銘柄特有の識別情報としてシート材81の識別を行う。
シート材81の識別のためのシート材識別装置100により得るべき面情報としては、例えば圧力が考えられる。シート材81とシート材識別装置100との間に所定の加圧力関係が働くことにより、図6のように面内の情報配列84を検知することが可能である。加圧力を検知するためのシート材識別装置100としては、例えば特開平08−068704号公報で提案されたような下面に導電膜を有する可撓性の圧力シートとアクティブマトリクス型液晶駆動用回路基板とにより構成された面圧パネルが挙げられる。
検出メカニズムとしては、面圧パネルを有するシート材識別装置100を検知対象のシート材81に接触させることで、接触時の加圧力に起因するシート材81の撓みが発生する。シート材81が撓むことで薄膜トランジスタまたはダイオードが導通され、撓み量の違いから面圧パネルの最小単位に流れる電流値が変化する。この結果、加圧力の面分布を検出できる。この方法によりシート材81の面情報を迅速かつ高精度に検出することが可能となる。
検出情報の識別の際には、紙種データベースに登録されているシート材情報から面圧パネルより検出した面分布と任意の閾値N%とが一致している情報を検索し、該当するシート材情報をシート材識別装置100より検出された紙種情報として認識する。
<実施形態2>
図7〜11は、給紙部1の他の実施形態についての説明図である。
本実施形態ではシート材吸着装置69A、69Bにはエアー吸着方式を採用している。シート材吸着装置69Aは、搬送ベルト70A、一対のローラ、エアー吸着装置71A、及び搬送ベルト駆動装置としてのモータM72Aを有する。シート材吸着装置69Bは、搬送ベルト70B、一対のローラ、及びモータM72Bを有する。
これら、搬送ベルト70A、一対のローラ、エアー吸着装置71A、及びモータM72A、もしくは搬送ベルト70B、一対のローラ、及びモータM72Bで移動手段が構成されている。すなわち、一対のローラ間に多数の貫通孔が形成された搬送ベルト70A、70Bをエンドレスに張った第一及び第二のベルトコンベア手段が構成されている。
エアー吸着装置71A、71Bとしては、例えば、ファンで吸引することが挙げられるが限定されるものではなく、静電気を利用してもよい。但し、ファンで吸引する場合には、第一のベルトコンベア手段の搬送ベルト70A、及び第二のベルトコンベア手段の搬送ベルト70Bには多数の貫通孔が形成されている必要がある。
本実施形態の場合、吸着動作ではエアー吸着装置71を動作させ最下層のシート材64Bを搬送ベルト70A、70Bに吸着させる(図8参照)。
最下層のシート材64Bの搬送ベルト70A、70Bへの吸着後、搬送ベルト駆動装置72A、72Bにより搬送ベルト70A、70Bを互いに反転させセンサ押圧装置66から互いに離れる方向にシート材64Bに引っ張り力を与える。この引っ張り力により、シート材64Bは平坦化されてシート材識別装置100で精度良く識別することができる。
<実施形態3>
図10、11に示す実施形態は、駆動手段を用いずにシート材の識別を行うものである。
本実施形態におけるシート材吸着装置69は、位置規制部材73、及び規制部材移動装置74を有する(図10参照)。
位置規制部材73は、堆積したシート材を分離するために用いられる、例えばフリクションパッドのように摺動性が低い摩擦部材からなる位置規制部材73A、73Bであり、接触面に対し水平に移動することでシート材を吸着、移動可能な素材であればよい。画像形成装置との接合部76に拘束部材75が設置されている。
位置規制部材73Bは、シート材識別装置100に対して画像形成装置との接合を行う接合部76の反対側に水平方向に摺動可能な摺動部材74aに固定されている。
摺動部材74aの下端には規制部材移動手段としての規制部材移動部材74bが下方に一体的に延出している。
シート材積載装置62を画像形成装置にセットする場合、規制部材移動部材74が拘束部材75に接触し、押し上げられ位置規制部材73が移動する。その結果、シート材識別装置100に最下層のシート材64Bが密着し、シート材64Bが精度良く識別される(図11参照)。
<実施形態4>
本発明の他の実施の形態について添付図面を用いて説明する。
図12は、シート材識別装置10を備えた画像形成装置の給紙部1を示す説明図である。
図12において、符号2はシート材としてのシートPを積載する給紙台、3は積載されたシートPの最上紙に接してこれを矢印A方向に送り出すピックアップコロである。給紙台2は後述する給紙台昇降装置9によって最上紙がピックアップコロ3に接する位置に押し上げられる。ピックアップコロ3により送り出されたシートPは、フィードローラ4と分離ローラ5に挟持され、最上のシート材のみが矢印A方向に給紙される。尚、符号7は給紙されたシートPを図示していない画像形成部へ向けて搬送する搬送ローラ、符号8は給紙台2に載置されたシート材の後端をガイドするエンドフェンス、また符号9は給紙台2を上下方向に昇降させる給紙台昇降装置である。
このように構成された給紙部1には図12及び図13に示すように、シート材としてのシートPの上方にシート材識別装置10が配置されている。シート材識別装置10は、ケーシング12の内部に検知センサ11を具備し、検知センサ11はその検知面11aが検知方向を被検知体であるシートPの表面に対向する部位に配置されている。検知センサ11は図14に示すように、ケーシング12の底に形成された窓状の基準部13から検知面11aが突出する。しかし、ケーシング12内に設けられた押圧手段としてのバネ14に吊るされてケーシング12外へ抜け出すことが無いように構成されている。すなわち、バネ14の一端はケーシング12内部天井に固定され、他端は検知センサ11に固定されている。
検知センサ11は、バネ14を介して支持部材としてのケーシング12に支持されており、通常の検知センサ11はケーシング基準部13から抜け出ない位置に保持されている。また、シート材識別装置10は図示していない昇降手段によってケーシング12が上下方向に移動できる。それによって検知センサ11の検知面11aが最上シートPの面に接する検知位置(図14(b)に示す)と最上シートPの面から離れる待機位置(図14(a)に示す)との間を昇降可能となっている。
このように構成されたシート材識別装置10は、待機位置の検知センサ11が基準部13よりもシートPに近づいた位置にある。検知センサ11としては検知面11aがシートPに一定の力で当接させてシート材を識別する圧力センサを用いている。
シート材識別装置10は通常、図14(a)及び図15(a)に示すように、検知センサ11が積載シートの最上シート面から離れた待機位置に保持されており、ここで給紙指令が発せられてシートP束が図15(b)に示す給紙位置へ押し上げられる。
次に、シート材識別動作が開始されてケーシング12が直線的に下降を開始し、検知面11aがシートPに接する。
さらに、シート材識別装置10が下降すると、基準部13がシートPに当接してケーシング12の下降が停止する。この位置が検知センサ11の検知位置であり、検知センサ11はケーシング12の基準部13がシートPに圧接されているシートPに正対した状態になる。さらに、このときにバネ14によって検知センサ11が押されるので、シート面に対して常に一定の押圧力によっ検知シート材であるシートPの表面に当接することになる。
よって、シート材識別装置10のケーシング12は検知センサ11を検知面がシート面に正対する状態のまま待機位置から検知位置に移動し、正対したまま当接させられる。このため、検知センサ11の検知面が片当たり等をしてシート材表面に密着できずにシートPの面情報が正しく検知できなくなるという問題等を回避することができる。尚、シート材識別装置10のケーシング12はシート面に対し、図示するように、鉛直方向に上下動させて検知するように構成することが好ましいが、ケーシング12はシート面に対して垂直に移動して接離させるならば、鉛直方向でなくともよい。
<実施形態5>
図16(a)、(b)ないし図18(a)、(b)は、図13の実施形態と同様に、検知センサ11として圧力センサを用いてシートを識別するシート材識別装置10の変形例であり、それぞれ(a)は待機位置、(b)は検知位置を示している。
図16に示すシート材識別装置10は検知センサ11のシートへの当接を検知センサ11の自重を利用して検知センサ11の検知面をシートに当接させている。このとき、検知センサ11をケーシング12に固定したワイヤ、チェーン等の吊り部材15で吊るすことによってシートPと検知センサ11の間隔を一定に保つことができる。
図17は、図16に示す例の検知センサ11において、重り16を付けてシートへの当接力を高めている。
また、図18は上記した図13の実施形態に用いているバネ14の代わりにゴムやスポンジといった弾性部材17を用いた例である。検知位置では弾性部材17が圧縮されて検知センサ11をシートPに押圧している。
上記実施形態では、シート材を検知する際、シート材識別装置10のケーシング12を検知センサ11ごと検知位置に移動させているが、シート材識別装置10の位置を固定しシートPを移動して検知センサ11を検知位置に移動させてもよい。例えば、図15において、シート材識別装置10を図示する位置に位置固定で配置し、給紙台2を上昇させて検知位置に移動し、シートPを識別のための検知をすることができる。
ところで、上記実施形態ではシート材識別装置10を給紙部に設けている。従って、基準部13及び検知センサ11を当接して検知をし、シートに給紙すると、シートが基準部13及び検知センサ11との接触によって傷が付いたり、その摩擦抵抗によってジャムやスキューを発生させたりすることがある。このとき、シート材識別装置10を下降して検知を行う形式では検知終了後、シート材識別装置10を上昇させてシート材から基準部13や検知センサ11を離せばよい。
しかしながら、給紙台2を上昇させて検知する場合、シートPの最上面が給紙位置に対して上昇中に検知センサ11と接触して検知を行うと、上昇完了後に給紙開始された場合、シートPと検知センサ11及び基準部13との接触が解消されない。このため、検知センサ11によって最上面のシートPにキズを発生させたり、摩擦抵抗となって、搬送遅延やジャムを引き起こしたりする懸念がある。また、その状態を解消するために、シート材識別装置10を上下動させるための動力を増設することは、構成の複雑化に繋がる。
<実施形態6>
そこで、図19〜図21に示す実施形態では次のような措置を講じている。
図19は、待機位置におけるシート材識別装置10とピックアップコロ3等の給紙手段との位置関係を示す説明図である。図20は、検知位置におけるシート材識別装置10と給紙手段との位置関係を示す説明図である。図21は給紙時のシート材識別装置10と給紙手段との位置関係を示す説明図である。
図19において、ここに示す給紙装置は給紙台昇降タイプであり、給紙台2は最下位置に位置し、この状態で給紙トレイの引き出し等によってシートの補給や入れ替えを行うことができる。当該給紙装置に設けられているシート材識別装置10は、位置固定で、検知センサ11の高さ位置は処置位置である給紙位置の高さ、すなわち、ピックアップコロ3が最上シートに接してシートを給紙する高さよりも高い位置に設置されている。
ここで、給紙に先立ち、積載シートの識別のための検知を行う場合、図20に示すように、最上シートが給紙高さレベルよりも高い、検知センサ11が検知位置に到達する位置まで給紙台2を上昇させる。ピックアップコロ3は一端が支点3bを介して回動可能に装着されたレバー3aの他端に支持されている。シートの上昇でピックアップコロ3及びレバー3aがシートに押されるとピックアップコロ3が図の時計方向に回動し、検知センサ11が検知位置に到達する。このとき、必要であれば、ピックアップコロ3を上方等に退避させる等して昇降装置9によって最上シートを給紙高さよりも上昇させてもよい。かくして、検知センサ11と最上シートとを接触させることで、検知を行い、検知結果が得られた後、再度昇降装置9によって最上シートを図20に示すように距離S分下げ、良好に給紙できる給紙位置まで下降させて、給紙を開始する構成が望ましい。
このような構成により、検知センサ11を上下動させるための動力も必要なく、シート検知後、最上シートが給紙レベルに戻してから給紙処理を行うので、検知センサ11は給紙動作中にシート材に接触せず、シート材の搬送品質を確保できる。
また、得られたシート材の情報から、データベースによる情報照会結果を元に、画像形成条件を自動設定可能にすることで、より簡単に画像形成装置を扱うことが可能になる。
以上の実施形態は検知センサ11に圧力センサを用いた実施の形態であるが、本シート材識別装置10は検知センサとして光学センサを用いることもできる。
<実施形態7>
図22(a)、(b)は、検知手段として光学センサ21を用いたシート材識別装置10を示す説明図である。
図22に示す光学センサ21は、図示しない発光素子と受光素子とを備えた反射型の光学式のセンサであり、光学センサ21はケーシング12の端部である基準部13よりも上方に設置された保持手段であるストッパ部材22に着座した位置に保持されている。このストッパ部材22に着座している光学センサ21は、その検知面から基準部13までの間隔Lが検知に好ましい長さに設定されている。ケーシング12の上部には押圧手段としてのバネ14が設けられ、バネ14の上部は図示しない押え部材に押さえられている。
このシート材識別装置10の検知動作時は、図22(b)に示すように、上記実施形態と同様に、ケーシング12が下降してケーシング12の基準部13がシートPの面に当接する。さらに、ケーシング12が適当な長さだけ下降することで、バネ14力がストッパ部材22、ケーシング12を介して基準部13をシート面に確実に当接させ、光学センサ21はその検知面からシート面までの間隔Lが一定長さに保持される。
<変形例>
図23は図22の実施形態の変形例で、図22に示すものと同様に構成されたシート材識別装置10が光学センサ21の検知面側を開放した大ケーシング23に覆われている。従って、バネ14は大ケーシング23とケーシング12の間に配置されている。
このように構成されたシート材識別装置10は、図23(b)に示すように、検知動作時に大ケーシング23が下降してケーシング12の基準部13がシートPの面に当接する。さらに、大ケーシング23が適当な長さだけ下降することで、ケーシング12の基準部13のバネ14に押されて確実に当接し、光学センサ21はその検知面からシート面までの間隔Lが一定長さに保持される。
本発明のシート材識別装置10は、検知手段の形態として所定平面を持つセンサで説明したが、センサの形態としては検知面を有するものに限らず、図24及び図25に示すように点で検知するセンサ31で接触/非接触に関わらず検知してもよい。尚、図24は図13の実施形態の図面を利用し、図25は図22の実施形態のものを利用している。
次に、図13ないし図23の検知センサ11の検知面をシートPの面に検知手段を押圧して得る情報の取得と、その取得した情報を用いたシート識別方法にいて説明する。
図26で検知センサ11が取得する情報は、例えば検知可能な領域を分割、あるいは所定間隔に配列される点の集合等の小単位の情報40の情報に変換し、所定時間内に得られた結果を結合させ、面情報41と認識し、シート材を区別するものである。
図27に面情報の処理の流れについて説明する。検知センサ11は、識別手段であるCPU等の処理手段51に接続され、処理手段51にはHDD等の記憶手段52が接続されている。検知センサ11によって得られた小単位の情報40は、矢印53の流れに沿って、処理手段51に転送され、面情報41へと結合される。そして、矢印54の流れに沿って、記憶手段52に転送し記憶される。CPUはCentral Processing Unitの略であり、HDDは、Hard Disc Driveの略である。
シートPの面より得られる情報としては、例えば、圧力が考えられ、シートPと検知センサ11との間に、所定の加圧力関係が働く。これにより、図26に示すような面内の情報分布を検知することが可能で、シートPを識別するための情報として活用することができる。圧力を検知するための検知センサ11としては、例えば、特開平08−68704号公報に記載されているような、下面に導電膜を有する可撓性の圧力シートと、アクティブマトリクス型液晶駆動用回路基板を用いた面圧パネルが考えられる。すなわち、加圧力による圧力シートの撓み具合によって、薄膜トランジスタまたは、ダイオードが導通され、そのとき流れる電流の電流値によって、圧力の面分布が迅速且つ高精度に検出できるので、シートPの面情報の取得手段として適している。
次に、情報の照合方法について記載する。
記憶手段52には、少なくとも複数のシートPに対する、既存面情報42を蓄積しているものとする。既存面情報42は、それを特定するための情報、例えば銘柄、厚さ、色、材質等の情報に紐付けられて、記憶手段52に格納されている。
新たなシートPを検知センサ11が検知すると、その情報から図27の処理手段51によって新たな面情報41が生成される。処理手段51は図28に示すように、記憶手段52に対してそこに記憶されている面情報との照会を行うことができる。処理手段51は既存面情報42と、任意の閾値とがN%以上一致している情報があるか否かを、記憶手段52内の既存面情報42に対して検索する。一致する情報があれば、その面情報42に紐付けられたシートを特定する情報を図25における矢印55の流れに沿って転送する。これによって検知したシートPを特定する情報を得ることができる(図29)。
一致する情報が検索されなかった場合には、新規情報と区別され、図示しない入力手段により得られる新しい特定情報43を入力し、新規の面情報41を紐付けて記憶手段52に格納するように、処理手段51によって、入力処理が行われる(図30)。
以上の構成によれば、シート材は所定面積内の複数の情報に基づき、区別・照合されるため、詳細且つ膨大な種類のシート材の区別を行うことができる。
また、このような、シート材識別装置10は、シート材の識別を必要とする様々な装置への応用が考えられるが、その中でも、複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置分野への応用が期待される。
画像形成装置内に上記構成によるシート材識別装置10を組込むことにより、印刷のために画像形成装置内の給紙装置にシート材をセットあるいは1枚通紙等を行う等するだけで、シート材の各種情報が自動設定可能となる。このため、ユーザによる各種情報入力の手間を助け、また、入力ミス等のヒューマンエラー抑制効果が期待できる。
自動設定された情報によって、画像形成装置としては、作像プロセス速度を変化させる等、ユーザの情報入力を待たずに、マシンの設定も可能となるため、プリントタイムの短縮等、効率化が期待できる。
尚、シート材識別装置10は給紙部に限らず、画像形成装置内のシート材が通る適宜位置に配置することができる。
<作用効果>
以上において、本実施形態によれば、トレイ底部に設置された吸着装置を用いて最下層のシート材を引っ張ることにより、トレイの積載量が少なくてもシート材が撓むことなく押圧式紙種検知センサに接触することが可能になる。この結果、シート材を入れ替える際のトレイセットで紙種検知センサをシート材に接触させ判別を行うため、紙種検知の回数を最小限にとどめセンサの高寿命化を図ることができる。
本実施形態によれば、吸着装置により下部から紙種検知センサを押圧する構成においてもセンサの高精度化を達成することができる。
尚、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
1 給紙部
10、100 シート材識別装置
11 検知センサ
12 ケーシング
13 基準部
14 バネ
21 光学センサ
22 ストッパ部材
23 大ケーシング
62 シート材積載装置
63 シート材積載装置底
64 シート束
64A、64B、81 シート材
66 センサ押圧装置
68 面情報検知手段
69A、69B シート吸着装置
70A、70B 搬送ベルト
71A、71B エアー吸着装置
72A、72B モータM
73 位置規制部材
74 規制部材移動装置
75 拘束部材
P シート
特開2011−075869号公報 特開2011−075875号公報

Claims (2)

  1. シート材を積載するシート材積載装置と、
    前記シート材積載装置の下面より最下層のシート材に接触して前記シート材の表面から得られる情報を出力する検知手段と、
    前記シート材積載装置の下面より最下層のシート材に接触して前記検知手段との接触による撓みを水平方向に引っ張ることで密着させる密着手段と、
    を備えたシート材識別装置であって、
    前記密着手段は、
    前記最下層のシート材の下に、前記検知手段を中心にして対向するように配置され、前記最下層のシート材に接触する、一対のローラ間に多数の貫通孔が形成されたベルトをエンドレスに張った第一及び第二のベルトコンベア手段と、
    前記第一及び第二のベルトコンベア手段の各ベルトを介して前記最下層のシート材を吸引する吸引手段と、
    を備えたことを特徴とするシート材識別装置。
  2. 記最下層のシート材の下に配置され、前記検知手段を中心にして対向するように接触し、一方が前記シート材積載装置の前記検知手段よりも画像形成装置との接合部側に固定され、他方が前記検知手段に対して前記接合部の反対側に水平方向に摺動可能な摺動部材に固定された一対の摩擦部材と、
    前記シート材積載装置の前記摺動部材から下方に延出する規制部材移動手段と、
    前記シート材積載装置の下方に水平に設けられ、前記シート材積載装置が所定の距離だけ移動すると前記規制部材移動手段と接触して位置を規制する拘束部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のシート材識別装置。
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