JP6144419B2 - 顕微鏡観察容器および観察装置 - Google Patents

顕微鏡観察容器および観察装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6144419B2
JP6144419B2 JP2016523186A JP2016523186A JP6144419B2 JP 6144419 B2 JP6144419 B2 JP 6144419B2 JP 2016523186 A JP2016523186 A JP 2016523186A JP 2016523186 A JP2016523186 A JP 2016523186A JP 6144419 B2 JP6144419 B2 JP 6144419B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
objective lens
ring
microscope observation
observation container
immersion medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016523186A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015182213A1 (ja
Inventor
満 藤岡
満 藤岡
周平 山本
周平 山本
曽根原 剛志
剛志 曽根原
裕美 日下
裕美 日下
明正 大坂
明正 大坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Publication of JPWO2015182213A1 publication Critical patent/JPWO2015182213A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6144419B2 publication Critical patent/JP6144419B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/33Immersion oils, or microscope systems or objectives for use with immersion fluids
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/06Means for illuminating specimens
    • G02B21/08Condensers
    • G02B21/082Condensers for incident illumination only
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/06Means for illuminating specimens
    • G02B21/08Condensers
    • G02B21/12Condensers affording bright-field illumination
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/24Base structure
    • G02B21/26Stages; Adjusting means therefor
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/34Microscope slides, e.g. mounting specimens on microscope slides

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、顕微鏡観察容器および観察装置に関し、特に液浸媒体が添加される顕微鏡容器およびそれを用いる観察装置に関する。
顕微鏡を用いた観察では、観察対象である試料と顕微鏡の対物レンズとの間を液体で満たすことによって、開口数を大きくし、より高い分解能を得る方法が、採られている。これは、液浸と呼ばれる方法であり、満たす液体、すなわち液浸媒体としては、水、オイル、グリセリン等が用いられる。液浸媒体の屈折率が高いほど、理想的な状態では、高い分解能が得られる。
液浸方法を用いた技術は、例えば特許文献1および特許文献2に示されている。
再公表特許 WO2007/116647号公報 特開2010−217930号公報
本願発明者が検討したところ、顕微鏡を用いた観察に液浸方法を採用する場合、次の2つの課題を解決することが重要であることが判明した。
まず、第1の課題として、長時間にわたって、液浸媒体を用いて試料を観察あるいは測定する場合、対物レンズの先端部に供給されている液浸媒体が、次第に蒸発し、対物レンズの先端部が乾燥することがある。この場合、対物レンズの先端部が乾燥することにより、測定条件が変わり、目的の測定条件で試料を観察(測定)することが困難になると言う課題が生じる。ここで生じる液浸媒体の蒸発は、例えば長時間の観測(測定)によって、液浸媒体が、周囲の環境中へ蒸発することが、要因の一つとして考えられる。また、観察において、試料から発せられる蛍光あるいはラマン光等を観測する場合には、これらの観測光を試料から発生させるために、試料に照射する励起光により、熱が発生し、この熱によって液浸媒体が蒸発することも要因の一つとして考えられる。いずれの要因にしても、液浸媒体が蒸発し、対物レンズの先端部が乾燥し、目的とした測定条件での観察が困難になる。
蒸発による液浸媒体の減少は、液浸媒体を給水および排水する機構(給水排水機構)を設け、減少分を補うことにより、解決することが可能と考えられる。このような給水排水機構は、例えば特許文献2に示されている。しかしながら、給水排水機構は、複雑な構成を必要とするため、装置としては、大型化し、高価になる。また、複雑になれば、給水/排水のためのポンプ等により、気泡が発生し、液浸媒体に気泡が混入する恐れが生じ、観察が阻害されることが考えられる。また、複雑になれば、給水排水の装置から、液浸媒体が漏れ、装置を破損させる可能性も常に付きまとうことになり、装置の信頼性が問題となる。さらに、給水排水の装置を稼働させずに、放置しておくと、給水/排水の流路で、雑菌が繁殖することが考えられ、雑菌の繁殖を防ぐためのメンテナンスが必要とされる。
なお、液浸媒体に混入した気泡を取り除く技術として、例えば特許文献1には、レンズの形状を工夫するとともに、レンズの周辺に、開口部(孔)が設けられたフランジ部を設けることが示されている。
第2の課題として、液浸媒体を所望の位置あるいは所望の液量分供給できなかった場合、対物レンズの光軸上に、供給した液浸媒体の液面がまたがることが考えられる。すなわち、光軸上に、液浸媒体の液面の境界が重なることが考えられる。この場合、重なりにより、励起光を正しく試料に照射することができない、あるいは/および励起光の照射により発生した蛍光、ラマン光の集光ができないと言う課題が生じる。
顕微鏡を用いる観察装置を、専門の研究者が操作する場合には、液浸媒体を所望の位置へ、所望の液量分供給することは可能である。しかしながら、病院等では、専門家ではない観察者が使用することが考えられ、また観察装置としても簡便な装置を使用することが考えられる。そのため、専門家ではない観察者でも、液浸媒体を所望の位置や所望の液量分、正しく対物レンズへ、簡便に供給可能とすることが望ましい。
本発明の目的は、液浸媒体の蒸発を防ぐことが可能な小型の顕微鏡観察容器を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、顕微鏡観察容器は、観察のとき、励起光の照射方向に沿って延在する筐体を有する対物レンズ鏡筒体とともに用いられる。このような対物レンズ鏡筒体によって、試料を観察するとき、顕微鏡観察容器に、観察対象となる試料が収容される。顕微鏡観察容器は、対物レンズ鏡筒体に当接される部位を有する構造体を具備しており、分注により添加された液浸媒体は構造体により溜められ、前記部位が対物レンズ鏡筒体と当接されることにより、液浸媒体が、対物レンズ鏡筒体と構造体とによって密封される。分注により、液浸媒体が添加されるため、給水排水機構を顕微鏡観察容器に設ける必要がないため、小型化が図れ、対物レンズ鏡筒体と構造体とによって、液浸媒体が密封されるため、液浸媒体が蒸発することを防ぐことが可能となる。
一実施の形態では、励起光の照射方向に沿って、円錐状に細くなる外面形状を有する対物レンズ鏡筒体を用いて観察するのに適した顕微鏡観察容器が提供される。この場合、対物レンズ鏡筒体に当接される部位は、円錐状に細くなる外面形状に整合するように変形する。これにより、液浸媒体がより確実に密封される。また、変形することにより、当接した状態で、対物レンズ鏡筒体と試料との相対的な位置関係を微調整することが可能となる。これにより、試料における観測の位置を微調整することが可能となる。
また、一実施の形態においては、前記した顕微鏡観察容器と、所定方向へ移動可能なステージとを具備する観察装置が提供される。この場合、ステージには、顕微鏡観察容器を着脱可能(取り外し可能)に固定する固定機構が設けられる。これにより、対物レンズ鏡筒体と顕微鏡観察容器の構想体とを当接するときに、顕微鏡観察容器が不所望に移動することを防ぐことが可能となる。また、対物レンズ鏡筒体と顕微鏡観察容器とを分離する際に、顕微鏡観察容器が対物レンズ鏡筒体とともに、ステージから離れるのを防ぐことが可能となる。さらに、ステージを移動させることにより、顕微鏡観察容器も移動させることが可能となるため、構造体と対物レンズ鏡筒体とを当接した状態で、試料における観察の位置を微調整することが可能となる。
さらに、一実施の形態においては、顕微鏡観察容器は、対物レンズ鏡筒体の外面に当接するリング状突起部位を有する構造体を具備する。また、液浸媒体として半固形状の液浸媒体が用いられ、この液浸媒体は、リング状突起部位によって囲われた領域に充填される。このようにすることにより、予め適量の液浸媒体を、リング状突起部位に囲われた領域に充填しておくことが可能となり、適量の液浸媒体を簡便に供給することが可能となる。また、給水排水機構を必要としないため、安価で小型の顕微鏡観察容器を提供することが可能である。この一実施の形態において、半固形状とは、ゲル状あるいはジェル状を意味している。
さらに、一実施の形態では、倒立型の対物レンズ鏡筒体に適した顕微鏡観察容器が提供される。正立型の対物レンズ鏡筒体においては、励起光が試料に対して上側から照射される。これに対して、倒立型においては、励起光が、試料に対し下側から照射される。この一実施の形態においては、観察のとき、顕微鏡観察容器の構造体が、対物レンズ鏡筒体に当接され、液浸媒体が、構造体に添加される。顕微鏡観察容器が対物レンズ鏡筒体と当接した状態で、対物レンズ鏡筒体が、観察する試料へ向けて移動する。この一実施の形態では、顕微鏡観察容器は、対物レンズ鏡筒体の外面に当接するリング状の当接部と、リング状の当接部が、対物レンズ鏡筒体に当接したとき、励起光の照射方向へ、突起しているリング状突起部位とを有する構造体を具備している。観察のときには、液浸媒体が、リング状突起部位によって囲まれた領域に添加され、該液浸媒体を介して、試料へ励起光が照射される。この一実施の形態においては、観察のとき、顕微鏡観察容器と対物レンズ鏡筒体とが一体として移動するため、顕微鏡観察容器と対物レンズ鏡筒体とを合わせて、対物レンズ鏡筒体と見なすことも可能である。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
液浸媒体の蒸発を防ぐことが可能な小型の顕微鏡観察容器を提供することができる。
実施の形態1に係わる観察装置の構成を示すブロック図である。 (A)〜(C)は、実施の形態1に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。 実施の形態1を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、実施の形態2に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。 (A)および(B)は、実施の形態3に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。 (A)および(B)は、実施の形態3に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す斜視図である。 実施の形態4に係わる顕微鏡観察容器の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。 (A)および(B)は、実施の形態6に係わるXYステージおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。 顕微鏡観察容器の変形例を示す断面図である。 実施の形態7に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、原則として省略する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
(実施の形態1)
図1は、顕微鏡観察装置100の構成を示す構成図である。ここでは、正立型の顕微鏡観察装置を例として説明する。また、観察する試料に励起光を照射することにより、試料から蛍光もしくはラマン光が発生し、それを観察する場合を説明する。
顕微鏡観察装置100は、光源101、対物レンズ102、レンズ112および113、フィルタ106、ビームスプリッター107a〜107c、ミラー114aおよび114b、回析格子108、検出器109、明視野観測用光源110、および明視野観測用2次元検出器111を有している。さらに、顕微鏡観察装置100は、試料を収容する顕微鏡観察容器103、顕微鏡観察容器103をX方向およびY方向へ移動させるXYステージ104および対物レンズ102をZ軸方向に移動させるZ軸調整機構105を具備している。なお、XYステージ104およびZ軸調整機構105を駆動する駆動源については、省略されている。
光源101は、外部光(励起光)を発生する。発生された励起光が、試料に照射されることにより、試料は、蛍光あるいはラマン光(ラマン散乱光)を発生する。すなわち、光源101は、照射により試料が蛍光あるいはラマン光を発生することができるような、波長の励起光を発生する。このような光源101は、公知であり、例えばクリプトン(Kr)イオンレーザ、ネオジム(Nd)レーザ、アルゴン(Ar)イオンレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、サファイアレーザなどのレーザを、光源101として使用することができる。
光源101によって発生した励起光は、ミラー114b、114aにより角度を変え、ビームスプリッター107cおよび107aを介して、対物レンズ102に照射される。対物レンズ102は、複数のレンズを含んでおり、照射されている励起光の焦点が、顕微鏡観察容器103内に収容された試料(図示せず)に合うように、励起光を収束させる。
この顕微鏡観察容器103は、XYステージ104上に架設される。XYステージ104は、水平方向であるX方向およびY方向に移動することにより、顕微鏡観察容器103の位置を水平方向(X方向およびY方向)で調整する。また、Z軸調整機構105によって、対物レンズ102は垂直方向(Z軸方向)に移動する。このようにすることにより、顕微鏡観察容器103内に収容されている試料が、対物レンズ102に対して所定の水平面位置に到達するように、XYステージ104により調整され、試料の所定位置に、励起光の焦点が合うように、Z軸調整機構105により対物レンズ102は、垂直方向に移動させられる。すなわち、対物レンズ102によって集光された領域に、測定対象となる試料の位置が、到達するように調整される。同図では、XYステージ104とZ軸調整機構105とが分離して描かれているが、Z軸調整機構105の機能をXYステージ104が持つ様にしてもよい。この場合、例えばXYステージ104が、X方向、Y方向およびZ方向の3方向に移動することが可能なようにすればよい。
顕微鏡観察容器103内の試料に、励起光が照射されることにより、試料は、その構成に対応した蛍光(あるいはラマン散乱光)を発生する。発生した蛍光(ラマン散乱光)は、ビームスプリッター107a、107cを介して、回析格子106に到達し、さらにフィルタ108およびレンズ112を介して検出器109に入射する。
検出器109としては、蛍光(ラマン散乱光)を検出することができる検出器であれば任意の分光検出器を使用することができる。例えば、顕微鏡観察容器103に収容される試料の数及びそれぞれの配置に応じて、1あるいは複数の1次元あるいは2次元検出器を、検出器109として使用することができる。このような分光検出器としては、CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ、他の高感度素子(アバランシェフォトダイオードなど)のイメージセンサなどが挙げられる。
検出器109は、検出の高速化に伴う感度低下を防ぐために、光電子増倍機構、例えばイメージインテンシファイアを有することが好ましい。また、検出器109は、ラマン散乱光等の画像情報を直接記録することができる大容量メモリを備えることが好ましい。これによりケーブル、ボード、コンピュータなどを介することなく高速に解析を行うことが可能となる。例えば、観察装置100には、検出器109からの観測値を記録するフレームバッファメモリをさらに備えてもよい。また、観察装置100は、検出器109からの観測値をデジタル化し、出力するための出力装置(例えばコンピュータ)と接続してもよい。
特に制限されないが、図1に示した観察装置100は、明視野観察の機能を有している。
明視野観察用の光源110は、例えばLEDにより構成されている。光源110からのLED光は、レンズ113、ビームスプリッター107bおよび107aを介して、対物レンズ102に照射される。照射されたLED光は、対物レンズ102によって顕微鏡観察容器102内の試料に照射される。試料によって反射されたLED光は、対物レンズ102、ビームスプリッター107aおよび107bを介して明視野観察用の検出器111に入射される。この検出器111としては、2次元検出器を用いる。例えば、検出器111として、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサを用いる。
明視野観察により、試料において観察したい部位を特定し、特定した部位に対して、例えば励起光を照射し、特定した部位において発生した蛍光(ラマン散乱光)を検出することが可能となる。
本願明細書において述べる試料には、顕微鏡観察容器103に添加された液浸媒体を介して励起光が照射されることになる。そのため、対物レンズ102は、液浸媒体の屈折率を考慮して、例えば励起光の焦点が、試料の所望位置に合うように、垂直方向に移動(調整)させられる。
図1に示した観察装置100は、一例であり、観察装置の目的あるいは/および要求精度に応じて、種々変更することができる。例えば、フィルタ106としては、ノッチフィルタ、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター等を選択することも可能である。また、先に説明したビームスプリッター、ミラー、レンズおよび回析格子も、必要に応じて省略あるいは新たに追加してもよい。
次に、前記した対物レンズ102および顕微鏡観察容器103について、図2(A)〜(C)および図3を用いて説明する。
図2(A)は、対物レンズ102の外観を示す外観図であり、図2(B)は、顕微鏡観察容器103の断面図である。図2(C)は、顕微鏡観察容器103を対物レンズ102側から見たときの平面図である。また、図3は、観察のときの対物レンズ102と顕微鏡観察容器103との整合状態を説明するための説明図である。なお、図3では、説明を容易にするために、顕微鏡観察容器103に分注され、添加された液浸媒体は図示されていない。
図2(A)において、実線の矢印Aは、励起光の照射方向を示しており、破線の矢印Bは、例えば蛍光の反射方向を示している。すなわち、図1に示したビームスプリッター107aからの励起光は、図2(A)において、上から下に向かって照射されていることを、矢印Aで示している。また、蛍光は、図2(A)において、下から上に向かって反射していることを、矢印Bで示している。他の図面においても、同様に、実線の矢印Aは、励起光の照射方向を示しており、破線の矢印Bは、蛍光(ラマン散乱光)の反射方向を示している。
対物レンズ102は、励起光の照射方向(矢印A)に沿って延在するレンズ鏡筒体であって、励起光の照射方向に沿って延在する円筒形筐体部(以下円柱形筐体部と称する場合もある)201と、同じく励起光の照射方向に沿って延在する円錐形筐体部200とを有している。図2(A)から理解されるように、円筒形筐体部201は、その外面形状が円筒形状をしている。一方、円錐形筐体部200は、励起光の照射方向に沿って、細くなる外面形状を有している。円筒形筐体部201と円錐形筐体部200とは、結合しており、内面には、特に制限されないが、複数のレンズが設けられている。この複数のレンズを組み合わせることにより、対物レンズ102の焦点距離が定められる。また、図2(A)において、202は、対物レンズ102の先端部を示しており、特に制限されないが、この先端部202にもレンズが設けられている。さらに、図2(A)において、203は、対物レンズ102の中心軸を示している。言い換えるならば、この中心軸203上に、対物レンズ102の焦点が設定されている。
図2(B)および(C)は、顕微鏡観察容器103の構成を示す断面図および平面図である。この実施の形態においては、顕微鏡観察容器103は、複数の部位を有する構造体によって構成されている。すなわち、構造体は、励起光が透過可能な板状の透明部位207と、断面形状が台形形状で、その台形の短辺が上側に向き、長辺が透明部位207の主面に固定されたリング状の部位204と、その断面形状が四角形で、その一辺が、透明部位206の裏面に固定されたリング状の部位208と、リング状部位208の他辺(一辺に対向する辺)に固定された板状の部位211とを具備している。観察に際しては、試料212が、板状の部位211に固定される。また、リング状の部位204の短辺側は、開放されている。図2(B)および(C)では、リング状部位204の内面が206として示されている。なお、以降では、リング状の部位204は、リング状部位204あるいはリング状突起部位204と称することがある。同様に、リング状の部位208は、リング状部位204と称することがあり、板状の部位211は、板状部位211と称することがある。
リング状部位204の長辺が、板状の透明部位207の主面に固定されているため、リング状部位204によって、リング状部位204の短辺側が開いた空間(領域)209が形成されている。また、図2(B)および(C)から理解されるように、リング状部位208と、透明部位207と板状部位211とによって、閉じた空間(領域)210が形成される。観察を行う前に、この領域210に試料212が収容され、領域209には、液浸媒体が分注によって、添加される。また、観察を行う前に、領域210にも、液浸媒体を充填しておくことが望ましい。この場合、領域210に充填する液浸媒体は、領域209に分注する液浸媒体と同じ材料で有ってもよいし、異なる材料の液浸媒体を領域210に充填するようにしても良い。例えば、試料212が生体系の試料で有った場合、その生体に適した材料を液浸媒体として、領域210に充填し、領域209には、解像度の向上を図る材料の液浸媒体を分注することが考えられる。
図2(B)および(C)において、205は、リング状部位204の中心軸を示している。言い換えるならば、顕微鏡観察容器103を構成する構造体の中心軸を表している。試料212は、この中心軸205が通過する位置に固定される。
観察の前に、リング状部位204によって囲まれた領域209に、液浸媒体が分注により、添加される。その後、対物レンズ102の中心軸203と構造体の中心軸(リング状部位204の中心軸)205とが、整合するように、XYステージ104(図1)によって水平方向に移動する。その後、対物レンズ102の先端部202を、リング状部位204によって囲われた領域209へ挿入するように、Z軸調整機構105によって、対物レンズ102が移動させられる。
このとき、対物レンズ102の仕様から、それの焦点距離が定まっているため、対物レンズ102の試料212に対するワーキングディスタンスが決まる。言い換えるならば、対物レンズ102をZ軸調整機構105で調整したときの試料212と対物レンズ102との間の距離が定まる。Z軸調整機構105により、垂直方向へ移動したとき、この実施の形態においては、対物レンズ102の円錐形筐体部200の外面とリング状部位204とが当接するように、リング状部位204の高さ、短辺の長さ等が定められている。このとき、当接は、リング状部位204の全周が円錐形筐体部200の外面に接するようにされる。これにより、リング状部位204に囲まれた領域209に添加された液浸媒体は、対物レンズ102の円錐形筐体部200の外面と、リング状部位204と、透明部位207によって密封されることになる。これにより、長時間にわたって観察を行っても、液浸媒体は密封されているため、蒸発を防ぐことが可能となる。また、測定前に一度の分注で液浸媒体の添加が済むため、給水排水機構が不要であり、小型化を図ることができる。
この実施の形態においては、リング状部位204は、弾力性を有する弾性体材料により構成されている。対物レンズ102をZ軸調整機構105によって、垂直方向に調整したとき、対物レンズ102の円錐形筐体部200の外面によって、リング状部位204が押し込まれ、変形するように、リング状部位204の高さ等が設定される。これにより、図3に示すように、Z軸調整機構105によって、対物レンズ102の垂直方向を調整し、対物レンズ102と顕微鏡観察容器103のリング状部位204が当接したとき、リング状部位204は、円錐形筐体部200の外面の形状に沿って変形する。この結果として、より密封性を高めることが可能となる。また、弾性体であるため、密封した状態を維持しながら、対物レンズ102と試料212とをXYZ軸の各方向へ微調整することも可能である。特にマイクロメートル、ナノメートルのスケールで励起光を観察対象の試料212に照射する場合は、高精度な位置決めが必要になるため微調整は必須であり、弾性体の伸縮(変形)によって解決される。
弾性体材料の例としては、ゴム、熱可塑性エラストマーとしてニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、フッ素樹脂、テフロン(PTFE)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、およびエピクロルヒドリンゴムが挙げられる。
この実施の形態においては、液浸媒体が添加される領域209と、試料212が収容されている領域(試料用チャンバー)210とが、板状の透明部位207によって隔離されている。この板状の透明部位207としては、ガラス、石英、光源波長において透明度の高いアクリルなどのプラスチック材料を用いることが可能である。このように透明な材料を採用することにより、光源101からの励起光を効率よく試料212へ照射することが可能である。また、リング状部位204を設けることにより、対物レンズが観察対象の試料に衝突し、例えば高額な対物レンズに傷がつくことを防ぐことが可能となる。さらに、前記したように、試料用チャンバー210には、試料212に適した液浸媒体を充填することも可能である。
(実施の形態2)
図4(A)および(B)は、実施の形態2に係わる顕微鏡観察容器および対物レンズの構成を示す構成図である。
この実施の形態2は、実施の形態1と類似しているので、相違点を主に説明する。図4(A)および(B)において、400は対物レンズであり、図2(A)に示した対物レンズ102と類似した構成を有している。図2(A)に示した対物レンズ102と異なるのは、図4(A)および(B)における対物レンズ400の先端部202が、平坦であることである。他の部分は、図2(A)に示した対物レンズ102と同じである。また、図4(A)および(B)において、403は、顕微鏡観察容器であり、構造は図2(B)に示した顕微鏡観察容器103と同じ構成を有しているが、リング状部位204の材料が異なっている。
図4(A)および(B)には、観察前の状態を示しており、特に、図4(A)には、分注チップにより、液浸媒体を、リング状部位204で囲われた領域209に分注し、添加された状態が示されている。図4において、402は、液浸媒体を分注するための分注チップを示しており、401は、分注により添加された液浸媒体を示している。
先端部202が平坦な対物レンズ400を用いて、液浸媒体を用いた観察を行う場合、図4(A)に示すように、添加された液浸媒体401の液面の高さが、リング状の部位204の頂点(高さ)よりも高くなっていることが望ましい。これは、液浸媒体401の表面張力を利用して、リング状部位204の頂点よりも液面を高くする(凸型メカニカス)ことで可能である。
図4(A)のように、液浸媒体401の液面を高くすることにより、例えばZ軸調整機構105(図1)によって、中心軸203および205を合わせながら、対物レンズを垂直方向に移動(図4では、下方へ移動)させた場合、先ず液浸媒体401の液面と対物レンズの平坦な先端部202とが接することになる。これにより、液浸媒体401の液面が空気を巻き込むことなく対物レンズ400の先端部202に接する。その結果、試料212と対物レンズ400との間に気泡が巻き込まれること無く、液浸媒体401を、実施の形態1で述べたように密封することが可能となる。これを達成するために、この実施の形態においては、リング状の部位204として、液浸媒体401と親和性が低い材料が用いられている。親和性を低くすることにより、リング状部位204の内面206と液浸媒体401の液面との間の角度である接触角が大きくなる。例えば、液浸媒体401として水を用いる場合、リング状部位204にフッ素を含むフルオロアルキル基等を導入する。これにより、リング状部位204の材料を液浸媒体401である水との親和性が低い材料にし、接触角を大きくすることが可能となる。なお、液浸媒体401として水を用いる場合は、親和性を低くすることは、疎水性を上げることを意味している。
液浸媒体として水を用い、水との親和性の高い材料で、リング状部位204を構成した場合、図4(B)に示すように接触角は小さくなり、液浸媒体401は、凹型メニスカスを持つ液面となる。この場合、対物レンズ401を接触させたとき、試料212と対物レンズ400との間の液浸媒体401に気泡を混入する可能性が生じ、所望の観察が出来ないことが起こりうる。なお、リング状部位204を、親和性の低い材料によって構成するのではなく、例えば内面206に親和性の低い材料を塗布するようにしてもよい。このようにしても、接触角を大きくすることが可能である。
さらに、明視野観察する2次元検出器111(図1)を利用して、気泡の混入を検出するようにしてもよい。この場合、例えばあらかじめ正常な画像情報を取得し、その情報との差異から気泡の混入を判断してもよい。図1に示した観察装置と演算処理機能を組み合わせ、正常な画像情報との差異を2値化させた情報で表し、自動で気泡の不無を判断するようにしてもよい。
上記したように、対物レンズ及び構造体の中心軸を揃え、構造体に液浸媒体を満たし、Z軸を調整して、空気無く密封することにより、液浸媒体の蒸発を防ぐことが可能であり、光軸上に液浸媒体の液面が跨ぐことなく集光が可能となる。
(実施の形態3)
図4(A)に示すように、液浸媒体401の液面を、顕微鏡観察容器403の構造体の頂点以上、すなわちリング状の部位204の高さ以上になるように、添加する。そして、中心軸203、205に沿って、対物レンズ400を、Z軸調整機構105によってZ軸の方向に移動させ、液浸媒体401を、対物レンズ400と顕微鏡観察容器403とによって密封すると、顕微鏡観察容器403から、液浸媒体401が溢れ出る。この溢れ出た液浸媒体401は、顕微鏡観察容器403の表面、観察装置100あるいは対物レンズ400内部を汚す可能性がある。この実施の形態3によれば、溢れ出た液浸媒体401によって、汚れるのを防ぐことが可能となる。
図5(A)および(B)は、実施の形態3に係わる対物レンズおよび顕微鏡観察容器の構成を示す構成図である。図5(A)および(B)において、対物レンズ400は、実施の形態2で説明した対物レンズ400(図4(A))と同じ構成を有しているので、ここでは説明を省略する。実施の形態2とは、顕微鏡観察容器500の構成が異なっている。図5(A)は、Z軸調整機構105によって、対物レンズ400を、顕微鏡観察容器500へ向けて移動させる前の状態を示しており、図5(B)は、Z軸調整機構105によって、対物レンズ400を移動させ、対物レンズ400と顕微鏡観察容器500とを当接させた状態を示している。なお、図5(A)および(B)では、液浸媒体は省略されている。また、図6(A)および(B)は、図5(A)の状態の斜視図である。特に、図6(A)の斜視図では、顕微鏡観察容器500の断面が示されている。次に、図5および図6を用いて、実施の形態3を説明する。
この実施の形態においては、実施の形態2において述べたリング状の部位(第1リング部位)の外側に、さらにリング状の部位(第2リング部位)が設けられる。すなわち、顕微鏡観察容器501は、実施の形態1あるいは2において述べた板状の透明部位207に、断面形状が台形形状のリング状の部位502と、その外側に設けられたリング状の部位501とを有している。なお、図5において、208、210〜211は、実施の形態1あるいは2と同じであるので、説明は省略する。
断面形状が台形形状のリング状の部位502は、先に述べたリング状の部位204に相当する。リング状の部位501は、特に制限されないが、断面形状が2等辺三角形の形状を有し、その短辺が、板状の透明部位207に固定されている。すなわち、励起光Aの方向とは反対方向を向くように、2等辺三角形の頂点が突出している。リング状の部位502の外側に設けられたリング状の部位(以下、外側リング状部位とも称する)501の中心は、リング状の部位502の中心と一致するように、配置されている。このようにすることにより、外側リング状部位501によって囲われた空間(領域)504内に、リング状の部位502によって囲われた空間(領域)503が、包含されている。また、リング状の部位502と外側リング状部位501との間に、リング状の溝部505が形成される。なお、リング状の部位502は、外側リング状部位501と対比するために、内側リング状部位502とも称することがある。
液浸媒体は、内側リング状部位502によって囲われた領域503内に、分注される。これにより、図4(A)に示した液浸媒体401と同様に、液浸媒体401の液面は、内側リング状部位502の頂点よりも突出するように、添加される。その後、観察のために、Z軸調整機構105によって、対物レンズ400が、顕微鏡観察容器500の方向へ移動させられる。
この移動により、対物レンズ400は、図5(B)に示すように、対物レンズ400の円錐形筐体部200の外面が、リング状の部位502および501と当接し、対物レンズ400の先端部202は、内側リング状部位502によって囲われた領域503に挿入される。このとき、内側リング状部位502は、円錐形筐体部200の外面において、第1円錐部200aと当接し、外側リング状部位501は、円錐形筐体部200の外面において、第2円錐部200bと当接する。この実施の形態においても、リング状の部位501および502のそれぞれは、弾性力を有する材料によって構成されている。そのため、第1円錐部200aで当接したリング状の部位502は、第1円錐部200aの形状に整合するように、その形状が変形する。すなわち、その断面形状が、台形形状から変形する。同様に、第2円錐部200bと当接したリング状の部位501は、第2円錐部200bの形状に整合するように、その形状が変形する。このようにすることにより、液浸媒体が、顕微鏡観察容器500と対物レンズ400の外面とによって、より確実に密封されることになる。
図示していないが、内側リング状部位502によって囲われた領域503に添加された液浸媒体は、対物レンズ400の先端部202が挿入されることにより、溢れ出し、内側リング状部位502と外側リング状部位501との間に形成されたリング状の溝部505に流れ込む。これにより、液浸媒体が、内側リング状部位501によって囲われた領域503から溢れ出すことが許容されるため、液浸媒体が対物レンズ400内に進入するのを防ぐことが可能となる。また、領域503を溢れ出した液浸媒体は、溝部505に溜まるため、顕微鏡観察容器500の表面および観察装置100を汚すこと防ぐことが可能となる。
この実施の形態においては、外側リング状部位501が、第2円錐部200bにおいて、当接するようにしているが、これに限定されるものでは無い。外側リング状部位501は、対物レンズ400の外面と当接しなくても良い。この場合にも、溢れ出した液浸媒体は、溝部505に溜められるため、液浸媒体の溢れ出しによって汚れるのを防ぐことが可能である。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に係わる顕微鏡観察容器の構成を示す断面図である。この実施の形態によれば、顕微鏡観察を行う観察者(操作者)の利便性の向上が図られる。この実施の形態における顕微鏡観察容器の構成は、実施の形態3で述べた顕微鏡観察容器500に類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。
この実施の形態においては、内側リング状部位502によって囲まれた領域503(図5参照)に、半固形状の液浸媒体701が添加される。ここで、半固形状とは、ゲル状を意味する。半固形状の液浸媒体701は、予め領域503に添加され、外側リング状部位501の頂点501aに、シート702が固定されている。このとき、半固形状の液浸媒体701の表面は、内側リング状部位502の頂点よりも高くしておくことが、気泡の混入を防ぐために、望ましい。また、シート702は、外側リング状部位501の全周において、頂点501aで固定されていることが、保守、保管および気密性の観点で望ましい。
シート702としては、気密性の高い材料を用いる。例えば、シート702としてアルミシートを用い、外側リング状部位501とは、接着シールで固定する。あるいは、シート702として、ポリエチレン等の樹脂材を用い、外側リング状部位501とは、熱接着で固定するようにしてもよい。
顕微鏡観察容器700を提供する提供者が、予め領域503に、半固形状の液浸媒体701を添加し、シート702を外側リング状部位501に固定して提供する。このとき、半固形状の液浸媒体701に気泡が混入していないことを確認してから、シート702を固定して提供する。一方、顕微鏡観察を行う観察者は、例えば、提供された顕微鏡観察容器700に、試料212を収容し、観察を行う。これにより、観察者は、気泡の混入を防ぎながら、液浸媒体を必要量分注し、添加する作業を実施しなくても、観察を行うことが可能となり、観察者の利便性が向上する。
観察者による観察においては、試料212を収容した顕微鏡観察容器700をXYステージ104に固定し、中心軸203、205を合わせながら、Z軸調整機構105を用いて、対物レンズ400の先端202が、半固形状の液浸媒体701に挿入されるように移動させて、観察を行う。この観察に際して、観察者が、シート702を、外側リング状部位501から取り除く(剥がす)。あるいは、対物レンズ400によって、シート702を突き破るようにしてもよい。
図7では、外側リング状部位501に、シート702を固定する例を示したが、内側リング状部位502の短辺に、シート702を固定するようにしてもよい。すなわち、リング状部位502によって囲われた領域に充填された半固形状の液浸媒体を挟むように、シート702は、透明部位207に対して対向するように配置されればよい。
この実施の形態によれば、半固形状の液浸媒体701は、シート702とリング状部位502とによって密封されるため、蒸発あるいは乾燥を防ぐことが可能となり、長期に渡って、液浸媒体701が添加された顕微鏡観察容器700を保管することが可能となる。
(実施の形態5)
図8は、実施の形態5に係わる対物レンズと顕微鏡観察容器の構成を示す構成図である。実施の形態1〜4は、励起光を上から下へ照射する正立型の顕微鏡観察装置に適している。この実施の形態5においては、励起光を下から上に向けて照射する倒立型の顕微鏡観察装置に適した顕微鏡観察容器が提供される。
図8において、400は、対物レンズを示しており、対物レンズ400の構成は、先に説明した実施の形態3における対物レンズ400と同じ構成を有している。そのため、ここでは説明を省略するが、この実施の形態においては、図8に示しているように、励起光は、実線の矢印Aに示すように、同図において下から上へ照射されており、試料212は、対物レンズ400の上方に設置される。
試料212は、観察のとき、試料容器810に収容される。試料容器810は、例えば、実施の形態3で述べた板状の透明部位207、リング状部位208、板状部位211と同様な構成を有している。すなわち、試料容器810は、板状の透明部材806、その断面形状が4角形で、透明部材806に固定されたリング状部材807およびリング状部材807を挟んで、透明部材806とは反対側に設けられた板状部材808とを具備しており、板状部材808に、試料212が設置され、収容される。透明部材806を介して励起光が、対物レンズ400から照射され、励起光によって発生した蛍光が、透明部材806を介して対物レンズ400に入射される。
図8において、800は、対物レンズ400に装着された顕微鏡観察容器を示している。顕微鏡観察容器800は、対物レンズ400の円錐形筐体部200(図4参照)の外面に当接し、整合するすり鉢形状の当接部811aと、対物レンズ400の円筒形筐体部201の一部の外面に当接し、整合する円筒形状の当接部811bとを有する構造体を具備している。この構造体は、さらに、励起光の照射方向に沿って突出するリング状部位(内側リング状部位とも称する)803と、内側リング状部位803の外側に配置され、励起光の照射方向に沿って突出するリング状部位(外側リング状部位とも称する)802とを具備している。特に制限されないが、内側リング状部位803の中心と、外側リング状部位802の中心とは、同じになるように構成されており、外側リング状部位802と内側リング状部位803との間には、リング状の溝部804が形成されている。内側リング状部位803は、すり鉢状の当接部811aに係合しており、開いた空間が形成されている。なお、同図からも理解されるように、内側リング状部位803の直径よりも、外側リング状部位802の直径の方が大きい。
観察を行うとき、この顕微鏡観察容器800は、対物レンズ400に装着される。すなわち、図8に示すように、円筒形状の当接部811bおよびすり鉢形状の当接部811aのそれぞれが、対物レンズ400の円柱形筐体部201の一部および円錐形筐体部200のそれぞれに、当接し、整合するように、装着される。
このようにして装着されることにより、対物レンズ400の先端部202および円錐形筐体部200の一部分を底面とし、その底面の周囲を内側リング状部位803によって囲んだ空間(領域)805が形成される。この内側リング状部位803によって囲まれた領域に、液浸媒体801が分注され、添加される。この実施の形態においても、内側リング状部位803の材料は、液浸媒体801と親和性の低い材料が用いられている。これにより、領域805に液浸媒体801が添加されると、液浸媒体801の液面は、内側リング状部位803の頂点よりも高くなっている。また、この実施の形態においては、内側リング状部位803および外側リング状部位802の中心と、対物レンズ400の中心軸203が一致するように、装着される。
図8には、対物レンズ400に顕微鏡観察容器800が装着され、液浸媒体801が添加された状態が示されている。すなわち、顕微鏡観察容器800を、試料容器810に当接する前の状態が示されている。この図8に示した状態から、試料容器810の中心軸812と対物レンズの中心軸203とを一致させながら、顕微鏡観察容器800が装着された対物レンズを、Z軸調整機構により、調整しながら、上昇させる。上昇させることにより、試料容器810の板状の透明部材806と、液浸媒体801の液面および内側リング状部位803の頂点とが当接する。このとき、実施の形態1と同様に、使用する対物レンズ800の仕様から、対物レンズ400から試料212に対するワーキングディスタンスが決まる。Z軸調整機構により調整された対物レンズ400の位置で、顕微鏡観察容器800の構造体における内側リング状部位803と、対物レンズ400と、試料容器810とによって液浸媒体801が密閉されるように、内側リング状部位803の高さ等を定める。
これによって、観察のときには、液浸媒体801は、透明部材806、内側リング状部位803、対物レンズ400の先端部202および対物レンズ400の円錐形筐体部200の一部によって密封されることになり、蒸発を防ぐことが可能となる。また、液浸媒体801の表面が、内側リング状部位803の頂点よりも高いため、密封する際に、液浸媒体801が漏れ出すことになる。この漏れ出した液浸媒体801は、リング状の溝部804によって溜められるため、対物レンズ400、顕微鏡観察容器800の表面あるいは観察装置が汚れるのを防ぐことが可能となる。
外側リング状部位802は、内側リング状部位803が、透明部材806に当接したとき、同じ様に透明部材806に当接するようにしてもよいし、当接しないように、その高さを、内側リング状部位803よりも低くしてもよい。
また、顕微鏡観察容器800の構造体の材料としては、弾性体の材料が望ましい。これにより、顕微鏡観察容器800と対物レンズ400とを整合させるとき、気密性を高くし、液浸媒体801が漏れるのを防ぐことが可能となる。また、透明部材806と内側リング状部位803が当接したとき、内側リング状部位803が変形し、より密閉性を向上させることも可能である。さらに、対物レンズ400の微調整も可能となる。
この実施の形態においても、明視野観察する2次元検出器111(図1)を利用し、気泡の混入を検出してもよい。例えばあらかじめ正常な画像情報を取得し、その情報との差異から気泡の混入を判断してもよい。観察装置と演算処理機能を組み合わせ、正常な画像情報との差異を仮に2値化させた情報を持って判断して自動化してもよい。
図8に示すように、液浸媒体801を構造体の頂点以上に液面が高い状態まで添加し、Z軸を調整することによって液浸媒体を密閉すると、構造体から溢れ出た液浸媒体801が対物レンズ400やZ軸調整機構(ステージ)などを汚す可能性があるため、顕微鏡観察容器800の構造体のリング状部位は、二重構造にして、構造体から液浸媒体801が溢れないような構造にし、この溢れた液浸媒体801を遮断する。外側リング状部位802の高さや位置も内側の構造体と同様に対物レンズ400との位置を考慮し、Z軸が調整されたとき、さらなる密閉構造をとる構造とし、密閉性を向上してもよい。
また、倒立型の顕微鏡観察装置においても、図8に示した液浸媒体801として、ゲル状あるいはジェル状の半固形状の媒体等を用い、予め顕微鏡観察容器800に添加し、機密性の高いシート等で密閉し保管を可能とすることにより、事前の液浸媒体の添加操作を省き、観察を行うことを可能にしてもよい。このようにすることにより、観察者の利便性が向上させることが可能となる。
顕微鏡観察容器800を、対物レンズ400に装着することを例として説明したが、対物レンズ400が、顕微鏡観察容器800を有するようにしてもよい。この場合には、顕微鏡観察容器800と対物レンズ400とを合わせて、対物レンズと見なすことも可能である。
(実施の形態6)
図9(A)および(B)は、実施の形態6に係わるXYステージ104の構成を示す平面図および断面図である。
図9(A)は、図1に示したXYステージ104において、顕微鏡観察容器103が装着される部分を拡大した断面図である。また、図9(B)は、顕微鏡観察容器103の平面図である。
図9(A)において、104aは、XYステージ104の一部分で、図示されていない駆動源によって、X方向あるいはY方向に移動する部分である。このXYステージ部分104aには、顕微鏡観察容器103を装着するための窪み部分104fが設けられており、この窪み部分104fに、顕微鏡観察容器103が装着される。顕微鏡観察容器103は、図2(B)に示した顕微鏡観察容器103と類似しており、同図には、拡大して、より詳細に示されている。
図2(B)において説明したように、顕微鏡観察容器103の構造体は、板状の透明部位207と、この透明部位207の主面に固定され、その断面形状が台形形状のリング状の部位204とを具備している。また、透明部位207の裏面には、それに固定されたリング状の部位208と、リング状部位208を挟むように設けられた板状の部位211とを具備している。この実施の形態においては、板状の部位211の中央部分に階段状の突起部位900が固定され、突起部位900の頂点部分に試料212が固定される。また、板状の部位211には、特に制限されないが2個の穴901が開口している。透明部位207と、リング状部位208と、板状の部位211とによって、試料用の空間(試料用チャンバー)210が形成されている。この実施の形態においては、試料212を観察する際に、穴901を介して、試料用チャンバー210へ、液浸媒体が充填され、充填後、蓋902によって穴901が塞がれる。
試料212が固定され、試料用チャンバー210に液浸媒体が充填され、蓋902によって穴901が塞がれた顕微鏡観察容器103は、試料チャンバー210の部分が、窪み部分104fに納まるように、設置される。このとき、透明部位207が、窪み部分104fの外に出るように、設置される。透明部位207において、窪み部分104fの外に出ている部分が、固定部材104bとXYステージ部104aとの間に挟まれる。固定部材104bとXYステージ部104aのそれぞれには、ねじ穴104c、104dが設けられており、観察するとき、ねじ穴104c、104dにねじ104eを通して、固定部材104bをXYステージ部104aに固定する。これにより顕微鏡観察容器103は、XYステージ104に固定される。また、例えば、観察が終了したら、ねじ104eを外すことにより、顕微鏡観察容器103は取り外される。すなわち、顕微鏡観察容器103は、着脱可能(取り外し可能)に、XYステージ104に固定されている。勿論、観察においては、リング状の部位204によって囲まれた領域209に、先の実施の形態において述べたようにして、液浸媒体が分注され、添加される。
このように、顕微鏡観察容器103を、XYステージ104に固定することにより、リング状の部位204として弾性体の材料を用いることにより、XYステージ104あるいは対物レンズ102を動かすことにより、微調整をすることが可能となる。また、対物レンズ102を顕微鏡観察容器103から外したとき、顕微鏡観察容器103が対物レンズ102に吸着した状態となるのを防ぐことも可能である。さらに、リング状の部位204を変形させるときに、顕微鏡観察容器103の位置が不所望に移動してしまうことを防ぐことが可能である。
この実施の形態によれば、試料用チャンバー210に添加される液浸媒体と、領域210に添加する液浸媒体とを異なる材料にすることが可能である。そのため、試料に適して液浸媒体を用いることが可能となる。特に生体系の試料の場合には、生体を維持することが可能な材料の液浸媒体を、試料チャンバー210へ添加し、領域210には、屈折率を優先した材料の液浸媒体を添加することが可能となり、生体に向いた顕微鏡観察が可能となる。
なお、観察が終了し、XYステージ104から取り外した顕微鏡観察容器103は、破棄してもよいし、再利用してもよい。
また、顕微鏡観察容器103を、XYステージ104へ、着脱可能に固定する固定機構として、ねじ穴104cを有する固定部材104b、XYステージ104に設けられたねじ穴104dおよびねじ104eを用いた例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ねじ穴104cを有さない固定部材104bとバネを用意し、ねじ104eの代わりに、バネによって固定部材104bをXYステージ104へ押し付けるようにして、顕微鏡観察容器103を、XYステージ104に固定するようにしてもよい。
<変形例>
図10は、顕微鏡観察容器の変形例を示す断面図である。同図において、1000は、顕微鏡観察容器を示している。この変形例は、図2(B)に示した顕微鏡観察容器103に類似している。図2(B)に示した顕微鏡観察容器103との相違点は、板状の透明部位207が、液浸媒体が分注される領域と試料212との間に介在していない点である。すなわち、顕微鏡観察容器1000の構造体は、板状の部位211と、板状の部位211の主面に設けられたリング状の部位208と、リング状の部位208に固定された、板状部位207aと、リング状の部位208に固定され、その断面形状が台形形状のリング状の部位204とを具備している。ここで、図10に示したリング状の部位204、208および板状の部位211は、図9に示した部位204、208および211に相当する。図10に示した板状の部位207aは、図9に示した透明部位207に相当するが、試料212と対物レンズとの間には介在せず、同図において、横手方向に延在しているだけである。試料と対物レンズとの間に介在しないため、この板状の部位207aは、透明の材料である必要はなく、固定部材104bとXYステージ104との間に挟まれ、顕微鏡観察容器1000を、XYステージ104に固定するために用いられる。
この変形例によれば、観察の際には、リング状の部位204、208によって囲まれた領域1001に、液浸媒体が分注され、添加される。構造体の構成が簡素になるため、価格の上昇を抑制することが可能である。
(実施の形態7)
図11は実施形態7に係わる対物レンズと顕微鏡観察容器の構成を示す構成図である。図11において、103は、顕微鏡観察容器であり、1100は、対物レンズである。この実施の形態において、顕微鏡観察容器103は、図2(B)に示した顕微鏡観察容器と類似しているため、その説明は省略する。対物レンズ1100は、図2に示した対物レンズ102と異なり、円錐形筐体部200を有しておらず、円柱形筐体部201の先端部202にレンズL2が設置されている。
なお、他の図面では省略されていたが、対物レンズは、その外形形状にかかわらず、内部に複数のレンズを有している。図11では、例示として、2個のレンズL1とL2が示されている。
この実施の形態においては、観察のとき、リング状の部位204の短辺(断面形状が台形であり、その台形の短辺)が、対物レンズ1100の先端部202におけるリング状の位置P1に当接する。すなわち、対物レンズ1100の先端部202における直径が、リング状の部位204の直径よりも大きい。この場合も、観察に際して、領域209に液浸媒体が分注され、添加される。その後、対物レンズ1100の先端部202が、リング状の部位204に当接される。これにより、リング状の部位204は、対物レンズ1100の先端部202の形状に沿って変形する。その結果として、板状の透明部位207と、リング状の部位204と、対物レンズ1100の先端部202とによって、液浸媒体は密封されることになり、蒸発することを防ぐことが可能となる。
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、励起光が透過する部分を除き、顕微鏡観察容器の構造体としては、遮光性を有するようにしてもよい。また、顕微鏡観察容器の構造体は、複数の部位を組み合わせることにより、構成してもよいし、一体的に構成してもよい。
100 観察装置
101 光源
102 対物レンズ
103 顕微鏡観察容器
104 XYステージ
105 Z軸調整機構
200 円錐形筐体部
201 円柱形筐体部
204、208 リング状の部位
207 透明部位
212 試料
A 励起光の方向

Claims (13)

  1. 励起光の照射方向に沿って延在する筐体と、前記筐体の内面に固定された対物レンズとを具備する対物レンズ鏡筒体によって観察される試料を、収容する顕微鏡観察容器であって、
    観察のとき、前記対物レンズ鏡筒体に当接される部位と、前記試料と液浸媒体との間に介在し、前記励起光が透過可能な板状の透過部位を有し、分注により添加された液浸媒体を溜める構造体を具備し、
    観察のとき、前記部位が前記対物レンズ鏡筒体と当接されることにより、前記液浸媒体が、前記対物レンズ鏡筒体と前記構造体とによって密封される、顕微鏡観察容器。
  2. 請求項1に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記部位は、弾性力を有する、顕微鏡観察容器。
  3. 請求項1に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記対物レンズ鏡筒体は、前記励起光の照射方向に沿って、円錐状に細くなる外面形状を有する筐体部を具備し、
    前記対物レンズ鏡筒体に当接される部位は、前記対物レンズ鏡筒体の円錐形状に細くなる前記外面形状に整合するように変形する、顕微鏡観察容器。
  4. 請求項4に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記部位は、弾性力を有し、前記液浸媒体との親和性が低い材料である、顕微鏡観察容器。
  5. 請求項5に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記部位は、前記対物レンズ鏡筒体の外面形状における第1円錐部に当接する第1リング状部位を有し、
    前記構造体は、前記第1リング状部位の直径よりも大きな直径を有し、前記第1リング状部位との間で溝が形成されるように、前記第1リング状部位の外側に配置された第2リング状部位を有する、顕微鏡観察容器。
  6. 請求項6に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記第2リング状部位は、観察のとき、前記対物レンズ鏡筒体の外面形状における第2円錐部に当接する、顕微鏡観察容器。
  7. 請求項4に記載の顕微鏡観察容器と、所定方向へ移動可能なステージとを具備し、
    前記ステージは、前記顕微鏡観察容器を前記ステージに取り外し可能に固定する固定機構を具備する、観察装置。
  8. 励起光の照射方向に沿って、円錐状に細くなる外面形状を有する筐体部を具備する対物レンズ鏡筒体によって試料を観察する際に用いられる顕微鏡観察容器であって、
    観察のとき、前記対物レンズ鏡筒体の外面に当接するリング状部位を有する構造体を具備し、半固形状の液浸媒体が、前記リング状部位によって囲われた領域に充填される、顕微鏡観察容器。
  9. 請求項9に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記構造体は、前記リング状部位を固定し、前記励起光が透過可能な透過部位と、前記リング状部位によって囲われた領域に充填された前記半固形状の液浸媒体を挟むように、前記透過部位と対向するように配置されたシートとを具備する、顕微鏡観察容器。
  10. 励起光の照射方向に沿って、円錐状に細くなる外面形状を有する筐体を具備する対物レンズ鏡筒体によって、試料を観察する際に用いられる顕微鏡観察容器であって、
    観察のとき、前記対物レンズ鏡筒体の外面に当接するすり鉢状の当接部と、
    前記励起光の照射方向へ、突起しているリング状部位と、
    を有する構造体を具備し、
    観察のとき、前記リング状部位によって囲まれた領域に、液浸媒体が添加され、該液浸媒体を介して、前記試料へ前記励起光が照射される、顕微鏡観察容器。
  11. 請求項11に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記構造体は、前記リング状部位よりも直径の大きな第2リング状部位を有し、前記第2リング状部位は、前記リング状部位との間に溝が構成されるように、前記リング状部位の外側に配置されている、顕微鏡観察容器。
  12. 励起光の照射方向に沿って延在する筐体と、前記筐体の内面に固定された対物レンズとを具備する対物レンズ鏡筒体によって観察される試料を、収容する顕微鏡観察容器であって、
    観察のとき、前記対物レンズ鏡筒体に当接されるリング状部材と、前記試料と液浸媒体との間に介在し、前記励起光が透過可能な板状の透過部材を有し、
    分注によって添加された液浸媒体を前記リング状部材および前記透過部材により留める構造となっており、
    観察のとき、前記リング状部材が前記対物レンズ鏡筒体と当接されることにより、前記液浸媒体が、前記対物レンズ鏡筒体、前記リング状部材、および前記透過部材によって密封される、顕微鏡観察容器。
  13. 請求項1に記載の顕微鏡観察容器において、
    前記透明部位は、ガラス、石英またはプラスチックからなり、
    前記部位は、弾性体の部材からなる、顕微鏡観察容器。
JP2016523186A 2014-05-29 2015-03-12 顕微鏡観察容器および観察装置 Active JP6144419B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014111658 2014-05-29
JP2014111658 2014-05-29
PCT/JP2015/057245 WO2015182213A1 (ja) 2014-05-29 2015-03-12 顕微鏡観察容器および観察装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015182213A1 JPWO2015182213A1 (ja) 2017-04-20
JP6144419B2 true JP6144419B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=54698555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016523186A Active JP6144419B2 (ja) 2014-05-29 2015-03-12 顕微鏡観察容器および観察装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9971139B2 (ja)
JP (1) JP6144419B2 (ja)
CN (1) CN106489092B (ja)
DE (1) DE112015001461B4 (ja)
GB (1) GB2541308B (ja)
WO (1) WO2015182213A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202016008115U1 (de) * 2016-07-01 2017-03-01 Carl Zeiss Ag Anordnung zur Mikroskopie und zur Korrektur von Aberrationen
WO2019016048A1 (en) * 2017-07-17 2019-01-24 Novartis Ag DIP DECK FOR MICROSCOPE, MICROSCOPE, AND METHOD FOR MICROSCOPIC IMAGING SAMPLE
CN107247328B (zh) * 2017-07-31 2020-03-27 山东建筑大学 一种用于液体分离的透明介质球固定显微装置及其方法
DE102017119093A1 (de) 2017-08-21 2019-02-21 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Immersionsmikroskopie
DE102017217192A1 (de) * 2017-09-27 2019-03-28 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Immersionsmatrix, dessen Verwendung und Immersionsvorrichtung
JP2019090892A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 オリンパス株式会社 試料観察方法および試料ホルダ
US10690486B2 (en) * 2018-07-03 2020-06-23 Amo Development, Llc Water-immersed high precision laser focus spot size measurement apparatus
CN110794566B (zh) * 2018-08-01 2021-09-07 深圳华大生命科学研究院 定位装置、光学成像系统及其装配方法
FR3086067A1 (fr) * 2018-09-18 2020-03-20 Centre National De La Recherche Scientifique Accessoire amovible de collecte d'un surplus de liquide d'immersion pour un objectif a immersion inverse.
US10889173B2 (en) * 2018-09-19 2021-01-12 Textron Inc. Powertrain
US20220026696A1 (en) * 2018-12-21 2022-01-27 Lavision Biotec Gmbh Light sheet microscope with turreted lenses
CN109738337B (zh) * 2019-03-11 2024-02-06 上海梭伦信息科技有限公司 一种顶视法测试固体材料3d接触角值的测试装置及方法
CN110907252A (zh) * 2019-12-16 2020-03-24 中国科学院生物物理研究所 一种生物制样装置及其制样方法
WO2021158515A1 (en) * 2020-02-04 2021-08-12 Idex Health & Science Llc Fluid immersion control for inverted microscopy
CN111240003B (zh) * 2020-03-26 2024-09-20 苏州睿仟科技有限公司 一种高数值孔径水浸/油浸物镜系统及显微镜扫描系统
DE102020111717A1 (de) * 2020-04-29 2021-11-04 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Schutzvorrichtung und verfahren zum schützen von mikroskopkomponenten vor flüssigkeitskontakt
USD1009113S1 (en) * 2021-05-25 2023-12-26 Mitutoyo Corporation Microscope unit
USD1004666S1 (en) * 2023-03-03 2023-11-14 Shenzhen RaySmart Technology Co., Ltd Digital microscope

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1472294A1 (de) 1966-09-07 1969-02-13 Leitz Ernst Gmbh Immersionskoerper
US5349443A (en) * 1992-11-25 1994-09-20 Polaroid Corporation Flexible transducers for photon tunneling microscopes and methods for making and using same
US5442443A (en) * 1993-04-08 1995-08-15 Polaroid Corporation Stereoscopic photon tunneling microscope
US5870223A (en) * 1996-07-22 1999-02-09 Nikon Corporation Microscope system for liquid immersion observation
DE10309138A1 (de) * 2003-02-28 2004-09-16 Till I.D. Gmbh Mikroskopvorrichtung
US20040263959A1 (en) * 2003-06-30 2004-12-30 Dixon Arthur E. Scanning beam optical imaging system for macroscopic imaging of an object
WO2005028612A1 (ja) * 2003-09-22 2005-03-31 Hirata Corporation 細胞観察チェンバー内の溶液温度調整装置
JP4253592B2 (ja) * 2004-01-06 2009-04-15 オリンパス株式会社 液浸対物レンズ、蛍光分析装置および倒立型顕微鏡。
EP2256535B1 (en) 2004-02-16 2012-07-04 Olympus Corporation retention mechanism for immersion medium, and manufacturing method thereof
US7864437B2 (en) * 2005-02-28 2011-01-04 Nikon Corporation Adaptor for microscope and microscope apparatus (microscope-use adaptor and microscope device)
WO2007116647A1 (ja) 2006-03-30 2007-10-18 Konica Minolta Opto, Inc. 液浸レンズ
WO2007135762A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Tokai Hit Co., Ltd. 液浸用液の供給装置、対物レンズ及び液浸用液の供給制御方法
JP5597868B2 (ja) * 2006-09-07 2014-10-01 ライカ マイクロシステムズ ツェーエムエス ゲーエムベーハー 液浸対物レンズ、液浸膜を形成する装置及び方法
JP5047669B2 (ja) * 2007-04-04 2012-10-10 オリンパス株式会社 走査型共焦点顕微鏡装置
JP5047671B2 (ja) * 2007-04-10 2012-10-10 オリンパス株式会社 顕微鏡装置
US8659825B2 (en) * 2007-12-20 2014-02-25 National Tsing Hua University Sample carrying apparatus capable of revolving sample
US8553322B2 (en) 2008-11-04 2013-10-08 Dcg Systems, Inc. Variable magnification optics with spray cooling
JP5484879B2 (ja) * 2009-12-11 2014-05-07 オリンパス株式会社 超解像顕微鏡
DE102011003569B4 (de) * 2011-02-03 2013-03-21 Leica Microsystems (Schweiz) Ag Flächenlichtquelle für eine Durchlichtbeleuchtungseinrichtung eines Mikroskops
JP6037732B2 (ja) * 2012-09-03 2016-12-07 オリンパス株式会社 浸液保持具、観察部位固定装置、及び、顕微鏡
DE102013210269B8 (de) * 2013-06-03 2015-01-29 Laser Zentrum Hannover E.V. Vorrichtung und Verfahren zur Untersuchung von Proben in einer Flüssigkeit
CN103487927B (zh) * 2013-10-16 2016-08-10 北京航空航天大学 一种显微镜自动调焦方法
JP2015155964A (ja) 2014-02-20 2015-08-27 株式会社東海ヒット 顕微鏡観察装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015182213A1 (ja) 2015-12-03
CN106489092A (zh) 2017-03-08
US9971139B2 (en) 2018-05-15
GB201617774D0 (en) 2016-12-07
JPWO2015182213A1 (ja) 2017-04-20
GB2541308A (en) 2017-02-15
DE112015001461T5 (de) 2016-12-15
US20170045726A1 (en) 2017-02-16
GB2541308B (en) 2021-05-19
CN106489092B (zh) 2019-09-06
DE112015001461B4 (de) 2022-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6144419B2 (ja) 顕微鏡観察容器および観察装置
US10690898B2 (en) Light-field microscope with selective-plane illumination
JP4782593B2 (ja) 光検出装置
US8213081B2 (en) Objective replacement device for microscopes
TWI624684B (zh) 顯微鏡附件
JP6195922B2 (ja) 顕微鏡
JP4504479B2 (ja) 顕微鏡用液浸対物レンズ
EP1988417B1 (en) Optical apparatus and imaging method
JP6096418B2 (ja) X線検出装置
JP4973750B2 (ja) 成分測定装置
US11561087B2 (en) Water-immersed high precision laser focus spot size measurement apparatus
JP2018185456A (ja) 顕微鏡
JP2010230662A (ja) 成分測定装置
JP2009145102A (ja) エバネッセント波発生装置及びそれを用いた観察装置
JP2012159794A (ja) 顕微鏡装置
JP5400499B2 (ja) 焦点検出装置
KR20160048515A (ko) 관 내부 검사 장치
JP5009135B2 (ja) 光学測定装置
JP2014021274A (ja) 共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡
EP2042907A1 (en) Device and method for optical micromanipulation
KR101627337B1 (ko) 상면만곡 보정형 시료 챔버 카트리지
WO2023139777A1 (ja) 粒子計測装置、粒子計測方法、サンプル容器
JPWO2019244275A1 (ja) 観察装置
RU2015141511A (ru) Сканирующий зондовый микроскоп для оптической спектрометрии
JP5009141B2 (ja) 焦点検出装置及びそれを用いた合焦方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6144419

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350