JP2014021274A - 共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡 - Google Patents

共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】専用の装置を用意することなく通常の光学系を備える装置を利用して共焦点光を簡易に得ることができる共焦点光生成レンズユニットを提供する。
【解決手段】レンズユニット1Aは、筒状の筐体10と、筐体10内において光軸Aに沿って配置された共焦点光生成部20とを備える。共焦点光生成部20は、被観察光L1を受ける対物レンズ21と、被観察光L1を結像する結像レンズ22と、結像された被観察光L1を通過させるピンホール25aを有するピンホール部材23と、ピンホール25aを通過した被観察光L1を共焦点光L2として出射する出力レンズ24とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡に関するものである。
特許文献1には、三次元計測の目的で共焦点画像を得るための光学装置に関する技術が記載されている。この光学装置は、対物レンズとして、2枚のレンズと、該2枚のレンズの間に配置されたテレセントリック絞りとを備えている。
特許文献2には、対物レンズの構造が記載されている。この対物レンズは、本体と、この本体に挿入されるレンズ群及び瞳変調素子ユニットと、本体の側部に設けられ、瞳変調素子ユニットを本体内に挿入可能な挿入部とを備えている。
特許文献3には、共焦点顕微鏡の構造が記載されている。この共焦点顕微鏡は、光源から出た照明光を分割する光分割部と、照明光を試料に集光させる対物レンズと、光分割部により分割された一方の照明光を対物レンズに導くとともに、複数のピンホールまたはスリットを有するディスクを備えた共焦点光学系と、光分割部により分割された他方の照明光を対物レンズに導く非共焦点光学系と、共焦点光学系と非共焦点光学系のどちらか一方の照明光を遮断する照明光遮断手段とを備えている。
特開平10−318733号公報 特開2000−275532号公報 特開2004−177494号公報
例えば生物観察や半導体素子の検査等において、高解像度のイメージや三次元像の構築、或いは距離の計測といった用途に、共焦点光学系を備える装置(例えば、共焦点レーザ顕微鏡)が利用されている。共焦点光学系を備える装置では、まず、被観察物にレーザ光等の測定光が照射される。そして、測定光の照射によって生じた蛍光若しくは反射光(以下、被観察光という)が対物レンズに入射し、平行化される。その後、被観察光は結像レンズにより集光され、ピンホールを通過する。ピンホール通過後の光は出力レンズによって再び平行化され、光電子増倍管などの光検出器へ導かれる。
このように、共焦点光学系を備える装置では、被観察光がピンホールを通過することによって、焦点位置からの被観察光以外の光(外乱光)が光検出器へ入射することを抑止できる。これにより、共焦点光学系を備える装置では、通常の光学系を備える装置と比較して、微弱光を精度良く検出し、また解像度が良く鮮明なイメージを得ることができる。
しかしながら、従来の共焦点レーザ顕微鏡などの装置では、上記した対物レンズ以外の構成(例えば結像レンズ、ピンホール部材、及び出力レンズ)が、装置本体に内蔵されている。したがって、共焦点光を得るためには、通常の光学系を備える装置とは別に、専用の装置を用意する必要があり、また、このような専用の装置の多くは、本体内に複雑な光学系を有しているため高価である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、専用の装置を用意することなく通常の光学系を備える装置を利用して共焦点光を簡易に得ることができる共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による共焦点光生成レンズユニットは、直線状の所定の光軸の方向に延びる筒状の筐体と、筒状の筐体内において所定の光軸に沿って配置されており、所定の光軸の一端側において被観察物からの被観察光を取得し、所定の光軸の他端側において被観察光の共焦点光を出射する共焦点光生成部とを備え、共焦点光生成部は、所定の光軸上に配置され、被観察光を受ける対物レンズと、所定の光軸上に配置され、対物レンズを通過した被観察光を結像する結像レンズと、所定の光軸上に配置され、結像レンズにより結像された被観察光を通過させるピンホールを有するピンホール部材と、所定の光軸上に配置され、ピンホールを通過した被観察光を共焦点光として出射する出力レンズとを含むことを特徴とする。
この共焦点光生成レンズユニットでは、筒状の筐体内に、対物レンズ、結像レンズ、ピンホール部材、及び出力レンズを含む共焦点光生成部を備えており、これらの光学部品は、直線状の所定の光軸上に並んで配置されている。このように、対物レンズと共焦点光学系とを同じ筐体内に収めることによって、通常の顕微鏡や光学装置の対物レンズに代えてこの共焦点光生成レンズユニットを装着することにより、専用の装置を用意することなく共焦点光を簡易に得ることができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、所定の光軸と交差する面内におけるピンホールの位置を調整するための第1のピンホール位置調整機構を更に備えることを特徴としてもよい。これにより、上記面内における当該レンズユニットと被観察物との相対位置に応じてピンホールの位置を好適に調整することができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、第1のピンホール位置調整機構が、ピンホールの位置を調整するための第1の調整部を筐体の外側面に有し、所定の光軸と交差する面内におけるピンホールの位置が、第1の調整部の動作と連動して移動することを特徴としてもよい。これにより、上記面内におけるピンホールの位置を、共焦点光を観察しながら容易に調整することができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、所定の光軸に沿った方向におけるピンホールの位置を調整するための第2のピンホール位置調整機構を更に備えることを特徴としてもよい。これにより、所定の光軸の方向における結像レンズによる結像位置とピンホールの位置とを高い精度で調整することができるので、共焦点光の解像度等の品質を更に高めることができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、第2のピンホール位置調整機構が、ピンホールの位置を調整するための第2の調整部を筐体の外側面に有し、所定の光軸に沿った方向におけるピンホールの位置が、第2の調整部の動作と連動して移動することを特徴としてもよい。これにより、所定の光軸に沿った方向におけるピンホールの位置を、共焦点光を観察しながら容易に調整することができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、所定の光軸の方向におけるピンホール部材の両端面のうち少なくとも一方が、所定の光軸の方向から見てピンホールを囲む、遮光性の環状の弾性部材によって押圧されていることを特徴としてもよい。これにより、ピンホール部材の端面と、ピンホール部材に隣接する部材の端面との隙間から回り込む外乱光を効果的に遮蔽することができる。
また、共焦点光生成レンズユニットは、出力レンズから出射される共焦点光を受ける光学装置と筐体とを互いに脱着可能に結合するための第1の結合機構を筐体が有することを特徴としてもよい。これにより、通常の光学系を備える光学装置の対物レンズと、上記した何れかの共焦点光生成レンズユニットとを容易に交換することができる。
また、本発明による光学装置は、共焦点光生成レンズユニットの第1の結合機構と結合される第2の結合機構と、出力レンズから出射される共焦点光を検出する光検出部とを備えることを特徴とする。これにより、共焦点光学系を備えていない通常の光学装置を利用して、共焦点光を用いた高精度の光検出を容易に行うことができる。
また、本発明による顕微鏡は、被観察光を取得する複数の対物レンズを取り付け可能なレボルバを備え、レボルバが、共焦点光生成レンズユニットの第1の結合機構と結合される第2の結合機構を有しており、少なくとも一つの対物レンズとして、共焦点光生成レンズユニットがレボルバに取り付けられることを特徴とする。これにより、通常の顕微鏡のレボルバにおいてレンズを切り替えるだけで、共焦点光学像および通常の光学像の双方を容易に得ることができる。
本発明による共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡によれば、専用の装置を用意することなく、通常の光学系を備える装置を利用して共焦点光を簡易に得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る共焦点光生成レンズユニットの外観を示す側面図である。 図1に示されたレンズユニットの側断面図であって、レンズユニットの光軸に沿った断面を示している。 ピンホール部材の構成を示す図である。 図1に示されたレンズユニットのIV−IV線に沿った断面図であって、ピンホール部材及び本体部の、光軸に対して垂直な断面を示している。 (a)観察対象の例として、複数のマイクロ流路を有する基板を示す平面図である。(b)(a)に示された基板のV−V線に沿った側断面図であって、複数のマイクロ流路の延伸方向に対して垂直な断面を示している。 図5に示された基板の複数のマイクロ流路を、複数のレンズユニットによって観察する様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るレンズユニットの外観を示す側面図である。 図7に示されたレンズユニットの側断面図であって、レンズユニットの光軸に沿った断面を示している。 第2のピンホール位置調整機構の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る顕微鏡の構成を概略的に示す側面図である。 本発明の第4実施形態に係る光学装置の構成を概略的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、光軸方向における共焦点光生成レンズユニットの両端のうち、被観察物に近い方を一端、遠い方を他端という。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る共焦点光生成レンズユニット(以下、単にレンズユニットという)1Aの外観を示す側面図である。また、図2は、図1に示されたレンズユニット1Aの側断面図であって、レンズユニット1Aの光軸に沿った断面を示している。図1及び図2に示されるように、本実施形態のレンズユニット1Aは、筐体10と、共焦点光生成部20と、第1のピンホール位置調整機構30とを備えている。レンズユニット1Aは、被観察物Bからの被観察光(被観察光像)L1を取得し、被観察光L1の共焦点光(共焦点光像)L2を生成する。
筐体10は、所定の光軸Aの方向に延びた円筒状を呈しており、その中心軸が所定の光軸Aと同軸に延びている。筐体10は、例えば一般的な光学顕微鏡用対物レンズと同等の大きさを有している。なお、本実施形態の光軸Aは直線状であって、湾曲部分や曲折部分を含まない。
図2に示されるように、筐体10は、光軸Aの一端側に円形の第1の開口部10aを有し、光軸Aの他端側に円形の第2の開口部10bを有する。第1の開口部10aには被観察物Bからの被観察光L1が入射し、第2の開口部10bからは共焦点光L2を出射する。また、筐体10は、本体部11と、第1のレンズホルダ12と、第2のレンズホルダ13とを含んで構成されている。本体部11は、光軸Aを中心軸線とする略円筒状の部材である。第1のレンズホルダ12は、本体部11の一端側に固定され、第1の開口部10aを有し、光軸Aを中心軸線とする略円筒状の部材である。第2のレンズホルダ13は、本体部11の他端側に固定され、第2の開口部10bを有し、光軸Aを中心軸線とする略円筒状の部材である。本実施形態では、筐体10の一端側に形成された凹部に第1のレンズホルダ12が嵌合(螺合)しつつ収容され、筐体10の他端側に形成された凹部に第2のレンズホルダ13が嵌合(螺合)しつつ収容されている。
また、筐体10は、本体部11の外周面に形成されたネジ溝10cを更に有する。ネジ溝10cは、本実施形態における第1の結合機構であり、第2の開口部10bから出射される共焦点光L2を受ける光学装置(例えば、共焦点光L2を検出する装置や光学顕微鏡といった、共焦点光L2を導光する光学系を備える装置)と筐体10とを互いに脱着可能に結合するための機構である。ネジ溝10cは、光学装置に設けられた雌ネジに対する雄ネジとなり、光軸Aの方向における本体部11の他端寄りの部分に形成されるとよい。なお、光学装置に設けられた雄ネジに対応するような雌ネジ部を筐体10の内壁に設けても良い。
共焦点光生成部20は、筐体10の内部に収容されており、光軸Aに沿って配置されている。共焦点光生成部20は、被観察物Bからの被観察光L1を第1の開口部10aを通じて取得し、第2の開口部10bから被観察光L1の共焦点光L2を出射する。共焦点光生成部20は、対物レンズ21と、結像レンズ22と、ピンホール部材23と、出力レンズ24とを有する。
対物レンズ21は、光軸Aを中心軸線として光軸A上に配置されており、被観察物Bからの被観察光L1を第1の開口部10aを通じて受ける。本実施形態の対物レンズ21は、光軸Aの方向に並ぶ2つのレンズ21a及び21bからなる。レンズ21aは、共焦点光生成部20を構成する各部品のうち最も第1の開口部10a寄りに配置されており、被観察物Bからの被観察光L1を最初に受ける。レンズ21bは、レンズ21aに対して他端側に配置されている。レンズ21a及び21bは、協働して、被観察物Bからの被観察光L1を平行化(コリメート)する。
本実施形態では、レンズ21a及び21bは、筐体10の第1のレンズホルダ12に保持されている。具体的には、第1のレンズホルダ12の他端側の開口部がレンズ21a及び21bの外径よりも広い内径を有しており、レンズ21a及び21bは、第1のレンズホルダ12の他端側の開口部からこの順に挿入されている。また、第1のレンズホルダ12の一端側の開口部(第1の開口部10a)の内径はレンズ21aの外径よりも狭くなっており、レンズ21aは、第1の開口部10aの周縁部に当接して位置決めされている。また、レンズ21bは、レンズ21aとの間に介在するスペーサ14に当接して位置決めされている。スペーサ14は、レンズ21aとレンズ21bとの間隔を規定するための部材であって、光軸Aを囲む環状の部材である。
レンズ21a、スペーサ14、及びレンズ21bは、第1のレンズホルダ12の内面に当接するねじリング15によって光軸Aの方向に押圧されることにより、第1のレンズホルダ12の内部に固定されている。なお、対物レンズ21の形態は本実施形態に限らず、例えば単一のレンズによって構成されてもよく、或いは3個以上のレンズによって構成されてもよい。
結像レンズ22は、光軸A上において対物レンズ21と第2の開口部との間に配置され、対物レンズ21を通過した被観察物Bの被観察光L1を結像する。本実施形態の結像レンズ22は、単一のレンズからなる。本実施形態では、結像レンズ22は、筐体10の本体部11に保持されている。具体的には、本体部11の他端側の開口部が結像レンズ22の外径よりも広い内径を有しており、結像レンズ22は、光軸Aの方向における本体部11の他端側の開口部から挿入されている。また、本体部11の内部には、その内径が結像レンズ22の外径よりも狭くなっている部分があり、結像レンズ22は、本体部11の該部分に当接して位置決めされている。
結像レンズ22は、本体部11の内面に当接するねじリング16によって光軸Aの方向に押圧されることにより、本体部11の内部に固定されている。なお、結像レンズ22の形態は本実施形態に限らず、例えば二以上のレンズによって構成されてもよい。
ピンホール部材23は、結像レンズ22により結像された被観察物Bの被観察光L1を通過させるピンホール25aを有する部材であり、光軸A上において、ピンホール25aの位置と結像レンズ22の結像位置とが略一致するように、結像レンズ22と第2の開口部10bとの間に配置されている。
ここで、図3は、ピンホール部材23の構成を示す図である。図3(a)はピンホール部材23を光軸Aの方向から見た平面図であり、図3(b)はピンホール部材23を光軸Aと交差する方向から見た側面図であり、図3(c)は光軸Aに沿った断面(すなわち図3(a)のIII−III断面)を示す側断面図である。図3(a)〜図3(c)に示されるように、本実施形態のピンホール部材23は、ピンホール25aが形成されたピンホール板25と、該ピンホール板25を保持するホルダ26とを有する。
ピンホール板25は、光軸A上に配置されており、光軸Aと交差する面方向に拡がる円形の板状部材である。ピンホール板25のピンホール25aは、ピンホール板25の略中央に1つのみ設けられた、光軸Aの方向にピンホール板25を貫通する貫通孔である。ピンホール25aの内径は、例えばφ50μm以上φ1000μm以下である。
ホルダ26は、光軸Aに沿った中心軸線を有する円環状の部材であって、該円環の内側にピンホール板25を保持する。本実施形態では、ホルダ26は互いに嵌合するホルダベース26a及びピンホール板押さえ26bから成り、ホルダベース26aとピンホール板押さえ26bとの間にピンホール板25を挟むことによってピンホール板25を保持している。
再び図2を参照すると、ピンホール部材23は、筐体10の本体部11に保持されている。具体的には、本体部11の他端側の開口部がピンホール部材23の外径よりも広い内径を有しており、ピンホール部材23は、光軸Aの方向における本体部11の他端側の開口部から挿入されている。また、本体部11の内部には、その内径がピンホール部材23の外径よりも狭くなっている部分があり、ピンホール部材23は、本体部11の該部分に当接して位置決めされている。更に、ピンホール部材23は、本体部11の他端側の凹部に嵌合する第2のレンズホルダ13によって光軸Aの方向に押圧されることにより、本体部11の内部に固定されている。
出力レンズ24は、光軸A上においてピンホール部材23と第2の開口部10bとの間に配置される。出力レンズ24は、ピンホール25aを通過した被観察光L1を平行化(コリメート)し、共焦点光L2として第2の開口部10bから出射する。
本実施形態の出力レンズ24は、単一のレンズからなる。出力レンズ24は、筐体10の第2のレンズホルダ13に保持されている。具体的には、第2のレンズホルダ13の一端側の開口部が出力レンズ24の外径よりも広い内径を有しており、出力レンズ24は、第2のレンズホルダ13の一端側の開口部から挿入されている。また、第2のレンズホルダ13の他端側の開口部(第2の開口部10b)の内径は出力レンズ24の外径よりも狭くなっており、出力レンズ24は、第2の開口部10bの周縁部に当接して位置決めされている。
出力レンズ24は、第2のレンズホルダ13の内面に当接するねじリング17によって光軸Aの方向に押圧されることにより、第2のレンズホルダ13の内部に固定されている。なお、出力レンズ24の形態は本実施形態に限らず、例えば二以上のレンズによって構成されてもよい。
第1のピンホール位置調整機構30は、光軸Aと交差する面内におけるピンホール25aの位置を調整するために設けられた機構である。図4は、図1に示されたレンズユニット1AのIV−IV線に沿った断面図であって、ピンホール部材23及び本体部11の、光軸Aに対して垂直な断面を示している。図4に示されるように、第1のピンホール位置調整機構30は、ピンホール部材23のホルダ26の外周面を押さえる3本以上(本実施形態では3本)の止めネジ31を更に備えている。これらの止めネジ31は、光軸Aと直交し且つ光軸Aを通る直線に沿う向きに配置されており、光軸A周りに等角度間隔(例えば120°間隔)で配置されている。これらの止めネジ31それぞれは、本体部11の外側面と内面との間を貫通する3つ以上(本実施形態では3つ)のネジ孔それぞれに螺合している。
各止めネジ31の長手方向の一方の端部はピンホール部材23のホルダ26の外周面に当接しており、他方の端部には、回転トルク付与の為の所定形状の凹部(例えば六角穴)31aが形成されている。なお、この所定形状の凹部31aは、ピンホール25aの位置を調整するための第1の調整部であって、筐体10の本体部11の外側面に配置されている。そして、光軸Aと交差する面内におけるピンホール25aの位置は、凹部31aへの作用と連動して移動する。具体的には、これらの凹部31aに回転トルクが付与されると、その回転の向き及び回転量に応じて、本体部11の内面からの止めネジ31の突出量が変化する。そして、3本の止めネジ31の突出量が個別に調節されることによって、上記面内におけるピンホール部材23の位置を調整することができ、これによりピンホール25aの位置を調整することができる。
再び図2を参照すると、本実施形態のレンズユニット1Aは、Oリング18を更に備えている。Oリング18は、遮光性の環状の弾性部材であって、例えば黒色環状のゴムから成る。Oリング18は、光軸Aの方向におけるピンホール部材23の他端側の端面と、第2のレンズホルダ13の一端側の端面との間に配置されており、第2のレンズホルダ13が本体部11に嵌合される力を受けてピンホール部材23の端面を押圧する。これにより、ピンホール部材23が本体部11に対して確実に位置決めされる。
また、Oリング18は、光軸Aの方向から見てピンホール25aを囲むように配置されている。これにより、ピンホール部材23の端面と、ピンホール部材23に隣接する部材(本実施形態では第2のレンズホルダ13)の端面との隙間から回り込む外乱光が効果的に遮蔽される。つまり、Oリング18の遮光性と弾性を利用することで、確実な位置決めと遮光性を保持したまま、第1のピンホール位置調整機構30による位置調整をすることができる。
なお、本実施形態では、光軸Aの方向におけるピンホール部材23の両端面のうち他端側の端面にのみOリング18が設けられているが、Oリングは、ピンホール部材23の一端側の端面に設けられてもよく、或いは双方の端面に設けられてもよい。また、環状に配置できれば、1つまたは複数の線状の部材を用いても良い。
以上の構成を備えるレンズユニット1Aの動作は次のとおりである。まず、被観察物Bにレンズユニット1Aを介して(若しくは、別の光学系より)レーザ光等の測定光が照射される。そして、測定光の照射によって被観察物Bに生じた蛍光若しくは反射光が、被観察光L1として対物レンズ21に入射し、平行化される。その後、被観察光L1は結像レンズ22により集光され、ピンホール25aを通過する。ピンホール25a通過後の被観察光L1は出力レンズ24によって再び平行化され、共焦点光L2としてレンズユニット1Aの外部へ出射される。
このように、被観察光L1がピンホール25aを通過することによって、焦点位置からの被観察光L1以外の光(外乱光)が出力されることを抑止できる。これにより、レンズユニット1Aによれば、解像度が良く鮮明なイメージを得ることができる。
以上に説明した本実施形態のレンズユニット1Aでは、筒状の筐体10に、対物レンズ21、結像レンズ22、ピンホール部材23、及び出力レンズ24を含む共焦点光生成部20が内蔵されており、これらの光学部品は、直線状の光軸A上に並んで配置されている。このように、共焦点光学系を簡易な構造として筐体10の内部に収めることによって、当該レンズユニット1A全体を小型に構成し、例えば通常の顕微鏡や光学装置が備える対物レンズ21と同等の大きさとすることができる。したがって、通常の顕微鏡や光学装置の対物レンズ21に代えてこのレンズユニット1Aを装着することにより、専用の装置を用意することなく共焦点光L2を簡易に得ることができる。
また、本実施形態のように、レンズユニット1Aは、光軸Aと交差する面内におけるピンホール25aの位置を調整するための第1のピンホール位置調整機構30を備えることが好ましい。これにより、上記面内におけるレンズユニット1Aと被観察物Bとの相対位置に応じてピンホール25aの位置を好適に調整することができ、また、筐体10の中心軸上に限らず、被観察物Bにおける所望の位置での共焦点光L2をレンズユニット1Aから出力することができる。
図5及び図6は、第1のピンホール位置調整機構30による効果の例を説明するための図である。図5(a)は、被観察物の例として、複数のマイクロ流路51a〜51dを有する基板50を示す平面図である。また、図5(b)は、図5(a)に示された基板50のV−V線に沿った側断面図であって、複数のマイクロ流路51a〜51dの延伸方向に対して垂直な断面を示している。
図6は、図5に示された基板50の複数のマイクロ流路51a〜51dを、複数のレンズユニット1Aによって観察する様子を示す図である。ここで、複数のレンズユニット1Aが等間隔で並んでいたとしても、例えば複数のマイクロ流路51a〜51dの間隔が均一ではない場合、図6(a)に示されるように、或るレンズユニット1Aの焦点位置と、或るマイクロ流路(図では51b,51d)の位置とが互いにずれることがある。このような場合であっても、本実施形態のレンズユニット1Aによれば、上述した第1のピンホール位置調整機構30によってピンホール25aの位置を調整することにより、図6(b)に示されるように、レンズユニット1Aの焦点位置を各マイクロ流路の位置に合わせることができる。
このようなピンホール25aの位置調整は、上記の例の他にも、例えば複数のレンズユニット1Aが一つの被観察物を観察する際に選択的に切り替えられる場合(一例を挙げると、顕微鏡のレボルバに複数のレンズユニット1Aが装着された場合)にも有効であって、複数のレンズユニット1Aのそれぞれにおいて個別に視野中心の調整が可能となる。複数のレンズユニット1Aを切り替える際、比較的倍率が低い場合には、視野中心が多少ずれていても被観察物を視野内で確認できるので、それほど問題にはならない。しかし、倍率が高くなると、視野中心のずれによって被観察物が視野範囲外となり、被観察物を見失ってしまうことが多くなる。本実施形態によれば、第1のピンホール位置調整機構30が設けられることによって、高倍率の場合であっても被観察物を高い精度で視野内に収めることが可能となる。
また、本実施形態のように、上述した第1のピンホール位置調整機構は、ピンホール25aの位置を調整するための第1の調整部(凹部31a)を筐体10の外側面に有することが好ましく、また、光軸Aと交差する面内におけるピンホール25aの位置が、この第1の調整部の動作と連動して移動することが好ましい。これにより、上記面内におけるピンホール25aの位置を、共焦点光L2を観察しながら容易に調整することができる。
また、本実施形態のように、レンズユニット1Aは、第2の開口部10bから出射される共焦点光L2を受ける光学装置と筐体10とを互いに脱着可能に結合するための第1の結合機構(ネジ溝10c)を、筐体10が有することが好ましい。これにより、通常の光学系を備える光学装置の対物レンズと、本実施形態のレンズユニット1Aとを容易に交換することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るレンズユニット1Bの外観を示す側面図である。また、図8は、図7に示されたレンズユニット1Bの側断面図であって、レンズユニット1Bの光軸に沿った断面を示している。図7及び図8に示されるように、本実施形態のレンズユニット1Bは、筐体10と、共焦点光生成部20と、第1のピンホール位置調整機構30と、第2のピンホール位置調整機構40とを備えている。なお、筐体10、共焦点光生成部20、及び第1のピンホール位置調整機構30の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
第2のピンホール位置調整機構40は、光軸Aに沿った方向におけるピンホール25aの位置を調整するための機構である。ここで、図9は、第2のピンホール位置調整機構40の構成を示す図である。図9(a)は第2のピンホール位置調整機構40を光軸Aの方向から見た平面図であり、図9(b)は第2のピンホール位置調整機構40の光軸Aに沿った断面(すなわち図9(a)のIX−IX断面)を示す側断面図であり、図9(c)は第2のピンホール位置調整機構40を光軸Aと交差する方向から見た側面図である。
図9(a)〜図9(c)に示されるように、本実施形態の第2のピンホール位置調整機構40は、円筒部41と、調整筒42と、止めネジ43とを有する。円筒部41は、光軸Aを中心軸線とする略円筒状の部材であって、筐体10の本体部11の内部に収容されている。円筒部41の外周面にはネジ溝41aが形成されており、このネジ溝41aは、筐体10の本体部11の内面に形成されたネジ溝(図8を参照)と螺合している。これにより、円筒部41が光軸A周りに回転すると、その回転の向きおよび回転量に応じて、円筒部41は本体部11に対して相対的に光軸Aの方向に移動する。また、光軸Aの方向における円筒部41の他端側の端面は、ピンホール部材23の一端側の端面と当接している。
調整筒42は、光軸Aを中心軸線とする略円筒状の部材であって、筐体10の本体部11の外側面上に配置されている。調整筒42は、本実施形態における第2の調整部であって、光軸Aの方向におけるピンホール25aの位置を調整するために設けられている。すなわち、調整筒42と円筒部41とは、本体部11の外側面と内面との間を貫通する止めネジ43を介して互いに固定されており、調整筒42の回転に伴って円筒部41も回転する。そして、調整筒42の外周面にはローレット加工が施されており、観察者が手動で調整筒42を回転させることができる。なお、円筒部41の本体部11に対する光軸A方向の相対移動の長さは、Oリング18を圧縮することで得られる程度の微小なものであるため、調整筒42の回転による止めネジ43の移動量も僅かなものとなる。そのため、筐体10に設けられた止めネジ43を移動させるための貫通溝も短くなり、当該溝の形成による筐体10の強度低下やノイズ光の侵入を抑制することができる。
上記の構成を備える第2のピンホール位置調整機構40では、観察者が調整筒42を回転させると円筒部41も回転し、その回転の向きおよび回転量に応じて、円筒部41が本体部11に対して相対的に光軸Aの方向に移動する。そして、円筒部41が光軸Aの方向に移動すると、その移動の向きおよび移動量に応じて、光軸Aの方向におけるピンホール25aの位置が移動することとなる。
このように、本実施形態のレンズユニット1Bによれば、第2のピンホール位置調整機構40を備えることによって、光軸Aの方向における結像レンズ22による結像位置とピンホール25aの位置とを高い精度で調整することができる。したがって、ピンホール25aの内径をより小さくすることが可能になり、共焦点光L2の解像度やコントラスト等の品質を更に高めることができる。
また、被観察物Bの種類によって、観察したい部分の深さや、被観察物Bを押さえるカバーガラスの厚み等が異なる場合がある。このような場合であっても、本実施形態のレンズユニット1Bによれば、光軸Aの方向におけるピンホール25aの位置を調整することにより、より鮮明な画像を得ることができる。
また、一分子蛍光計測などの用途では、共焦点領域を極めて小さくして背景光を排除しつつ、微弱な光を計測する必要がある。このような用途においても、本実施形態によれば、光軸Aの方向における結像レンズ22の焦点位置とピンホール25aの位置とを極めて精度良く一致させることができる。
また、本実施形態のレンズユニット1Bでは、光軸Aの方向における焦点位置の調整を筐体10の内部において行うことができるので、通常の対物レンズと比較して、被観察物Bに対するレンズユニット1Bの作動距離(ワーキングディスタンス)を短くすることができる。ここで、対物レンズにおける「作動距離」とは、対物レンズの下面と被観察物Bとの距離をいう。一般的に、作動距離が短いほど開口数を高くし、且つ対物レンズの収差を小さくすることができるので、解像度を高めることができる。しかし、対物レンズと被観察物Bとの間の空間が小さくなるので、対物レンズと被観察物Bとの位置合わせが難しくなる。また逆に、作動距離が長いほど対物レンズと被観察物Bとの位置合わせが容易になるが、解像度が低下する。本実施形態のレンズユニット1Bでは、焦点位置の調整を筐体10の内部において行うことができるので、対物レンズ21と被観察物Bとの位置合わせを容易にしつつ、作動距離を各段に短くすることができる。したがって、レンズユニット1Bによれば、解像度を高めることができる。
また、本実施形態のように、光軸Aに沿った方向におけるピンホール25aの位置は、筐体10の外側面に設けられた第2の調整部(調整筒42)の動作と連動して移動することが好ましい。これにより、光軸Aに沿った方向におけるピンホール25aの位置を、共焦点光L2を観察しながら容易に調整することができる。
また、本実施形態のように、第2のピンホール位置調整機構40をレンズユニットが備えている場合、ピンホール部材23の端面が、Oリング18といった遮光性の環状の弾性部材によって押圧されていることが好ましい。これにより、外乱光を遮蔽しつつ、ピンホール部材23を光軸Aの方向に移動可能に保持することができる。
なお、本実施形態のレンズユニット1Bは、第1実施形態のレンズユニット1Aと同様に、筐体10、共焦点光生成部20、及び第1のピンホール位置調整機構30を備えている。従って、第1実施形態のレンズユニット1Aと同様の作用効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態に係る光学顕微鏡60の構成を概略的に示す側面図である。図10に示されるように、本実施形態の顕微鏡60は、基台61、支持部62、ステージ63、レボルバ64、複数の対物レンズ65、及び接眼レンズ66を備えている。
基台61は、顕微鏡60の他の構造を支える部分である。支持部62及びステージ63は、基台61上に固定されている。ステージ63上には、被観察物が載置される。支持部62は、レボルバ64及び接眼レンズ66を支持するための支柱である。レボルバ64には複数の対物レンズ65が脱着可能に取り付けられており、レボルバ64が回転することによって一の対物レンズ65が選択され、被観察光を取得する。
更に、本実施形態の顕微鏡60では、レボルバ64が、前述した第1実施形態若しくは第2実施形態のレンズユニット1A又は1Bが備える第1の結合機構(ネジ溝10c、図2を参照)と結合される第2の結合機構(ネジ溝)を有している。そして、複数の対物レンズ65のうち少なくとも一つの対物レンズ65として、レンズユニット1A又は1Bがレボルバ64に取り付けられる。
このように、本実施形態の顕微鏡60では、少なくとも一つの対物レンズ65としてレンズユニット1A又は1Bがレボルバ64に取り付けられているので、レボルバ64を回転させて対物レンズ65を切り替えるだけで、共焦点光学像および通常の光学像の双方を容易に得ることができる。
(第4の実施の形態)
図11は、本発明の第4実施形態に係る光学装置70の構成を概略的に示す図である。本実施形態の光学装置70は、基板80に形成されたマイクロ流路81に測定光(ここではレーザ光)を照射し、マイクロ流路81において生じた蛍光などの微弱な被観察光L1を検出する装置である。図11に示されるように、本実施形態の光学装置70は、レンズユニット1A又は1B、筐体71、レーザ出力部72、コリメートレンズ73、励起フィルタ74、ダイクロイックミラー75、蛍光フィルタ76、及び光電子増倍管77を備えている。
筐体71は、レーザ出力部72、コリメートレンズ73、励起フィルタ74、ダイクロイックミラー75、蛍光フィルタ76、及び光電子増倍管77を収容する。また、筐体71には第1の結合機構(ネジ溝10c、図2を参照)と結合される第2の結合機構(ネジ溝)が形成されており、レンズユニット1A又は1Bは、これらの結合機構を介して筐体71に取り付けられている。
レーザ出力部72は、マイクロ流路81に照射されるレーザ光L3を出力する。レーザ光L3は、励起フィルタ74を通過し、ダイクロイックミラー75において反射してレンズユニット1A又は1Bの出力レンズ24に入射する。その後、レーザ光L3は、ピンホール25a、結像レンズ22、及び対物レンズ21を通過してマイクロ流路81に達する。
このレーザ光L3の照射によって生じた被観察光L1は、レーザ光L3とは逆の経路を辿り、共焦点光L2としてレンズユニット1A又は1Bの出力レンズ24から出射される。この共焦点光L2は、ダイクロイックミラー75を透過し、蛍光フィルタ76を通過して光電子増倍管77に入射する。光電子増倍管77は、本実施形態における光検出部であって、共焦点光L2を検出する。
本実施形態のように、レンズユニット1A又は1Bの第1の結合機構と結合される第2の結合機構を光学装置70が備えることによって、共焦点光学系を備えていない通常の光学装置を利用して高精度の光検出を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、レンズユニット1A又は1Bが装着された光学装置70を用いてマイクロ流路81を観察している。マイクロ流路とは、例えばスライドガラスに数十〜数百μm(数mmの場合もある)の幅で形成された流路であって、水道や河川などから採取した溶液や、血液から採取した血球や血漿などの生体試料をこの流路に流すことにより、汚染度や血球の数、ウイルスやバクテリアなどの微生物を検出することができる。
このような光検出において、被観察物である試料は、ガラス基板やプラスチック容器の内部に形成された流路を通る。したがって、レーザ光L3等の励起光はガラス基板やプラスチック容器の表面で反射するので、この反射光が背景光となり、光検出感度に影響を及ぼす。また、マイクロ流路の外からの外乱光が光検出部に入射すると、やはり光検出感度に影響を及ぼすこととなる。
これに対し、本実施形態のように、共焦点光学系を備えるレンズユニット1A又は1Bを用いることによって、マイクロ流路81の内部の焦点位置以外からの光は遮断される。したがって、光検出感度を改善することができる。
なお、本実施形態の光学装置70は、上述したようなマイクロ流路の観察の他にも、種々の用途に使用される。例えば、光学装置70は、フローサイトメトリにも使用され得る。
フローサイトメトリ(flow cytometry)とは、細胞やウイルスなどの微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細い流路(例えば幅50μm〜300μm)に流して、個々の粒子を光学的に分析する手法である。例えば、流路を流れる液体にレーザ光を照射して、レーザ光の光軸から僅かにずれた方向に反射した光(前方散乱、FSC;Forward Scatter)と、レーザ光の光軸に対して直交する方向へ反射した光(側方散乱、SSC;Side Scatter)とを検出する。また、蛍光物質によって微粒子を標識し、レーザ光の照射によって生じる蛍光を検出することもある。
側方散乱光又は蛍光を被観察光L1として検出する場合、レンズユニット1A又は1Bは、レーザ光の光軸に対して直交する方向に配置される。そして、対物レンズ21において被観察光L1(側方散乱光又は蛍光)が集光され、平行化される。その後、被観察光L1は結像レンズ22と出力レンズ24との間においてピンホール25aを通過し、室内の迷光等の外乱光が遮断される。出力レンズ24から出射された共焦点光L2は、ダイクロイックミラー75を透過して光電子増倍管77に入射する。このように、レンズユニット1A又は1Bを通して側方散乱光や蛍光を検出することにより、迷光が効果的に除去され、S/N比および光検出感度が向上する。
本発明による共焦点光生成レンズユニット、光学装置および顕微鏡は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、共焦点光生成レンズユニットが適用される光学装置として、マイクロ流路観察やフローサイトメトリに用いられる光学装置、及び光学顕微鏡を例示したが、本発明による共焦点光生成レンズユニットは、これらに限らず様々な光学装置に適用される。
1A,1B…レンズユニット、10…筐体、10a…第1の開口部、10b…第2の開口部、10c…ネジ溝、18…Oリング、20…共焦点光生成部、21…対物レンズ、22…結像レンズ、23…ピンホール部材、24…出力レンズ、25a…ピンホール、30…第1のピンホール位置調整機構、31…止めネジ、40…第2のピンホール位置調整機構、41…円筒部、42…調整筒、43…止めネジ、60…光学顕微鏡、70…光学装置、A…光軸、B…被観察物、L1…被観察光、L2…共焦点光、L3…レーザ光。

Claims (9)

  1. 直線状の所定の光軸の方向に延びる筒状の筐体と、
    前記筒状の筐体内において前記所定の光軸に沿って配置されており、前記所定の光軸の一端側において被観察物からの被観察光を取得し、前記所定の光軸の他端側において前記被観察光の共焦点光を出射する共焦点光生成部と
    を備え、
    前記共焦点光生成部は、
    前記所定の光軸上に配置され、前記被観察光を受ける対物レンズと、
    前記所定の光軸上に配置され、前記対物レンズを通過した前記被観察光を結像する結像レンズと、
    前記所定の光軸上に配置され、前記結像レンズにより結像された前記被観察光を通過させるピンホールを有するピンホール部材と、
    前記所定の光軸上に配置され、前記ピンホールを通過した前記被観察光を前記共焦点光として出射する出力レンズと
    を含むことを特徴とする、共焦点光生成レンズユニット。
  2. 前記所定の光軸と交差する面内における前記ピンホールの位置を調整するための第1のピンホール位置調整機構を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  3. 前記第1のピンホール位置調整機構が、前記ピンホールの位置を調整するための第1の調整部を前記筐体の外側面に有し、前記所定の光軸と交差する面内における前記ピンホールの位置が、前記第1の調整部の動作と連動して移動することを特徴とする、請求項2に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  4. 前記所定の光軸に沿った方向における前記ピンホールの位置を調整するための第2のピンホール位置調整機構を更に備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  5. 前記第2のピンホール位置調整機構が、前記ピンホールの位置を調整するための第2の調整部を前記筐体の外側面に有し、前記所定の光軸に沿った方向における前記ピンホールの位置が、前記第2の調整部の動作と連動して移動することを特徴とする、請求項4に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  6. 前記所定の光軸の方向における前記ピンホール部材の両端面のうち少なくとも一方が、前記所定の光軸の方向から見て前記ピンホールを囲む、遮光性の環状の弾性部材によって押圧されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  7. 前記出力レンズから出射される前記共焦点光を受ける光学装置と前記筐体とを互いに脱着可能に結合するための第1の結合機構を前記筐体が有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の共焦点光生成レンズユニット。
  8. 請求項7に記載された共焦点光生成レンズユニットの前記第1の結合機構と結合される第2の結合機構と、
    前記出力レンズから出射される前記共焦点光を検出する光検出部と
    を備えることを特徴とする、光学装置。
  9. 被観察光を取得する複数の対物レンズを取り付け可能なレボルバを備え、
    前記レボルバが、請求項7に記載された共焦点光生成レンズユニットの前記第1の結合機構と結合される第2の結合機構を有しており、少なくとも一つの前記対物レンズとして、前記共焦点光生成レンズユニットが前記レボルバに取り付けられることを特徴とする、顕微鏡。
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