JP5400499B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焦点検出装置に関し、特に顕微観察装置において、マイクロプレートやスライドガラスなどの透明基板の所望の表面に焦点合わせを自動的に行うための焦点検出装置に関するものである。
バイオテクノロジーの分野においては、様々な条件下での種々の生細胞の反応を明らかにするため、多数の細胞を対象とした統計解析結果を用いることが頻繁に行われている。このような目的のため、従来、フローサイトメーターと呼ばれる装置が使用されてきたが、近年、顕微観察によって多数の細胞の画像を取得し、取得した画像を解析することにより統計解析結果を得るという手法が用いられるようになってきている。
ところで、このように様々な条件下での生細胞の反応を試験するためには、培養液組成や温湿度などの培養環境条件を制御した多数の容器の中で培養された非常に多くの生細胞を解析対象とする必要があるので、一般にマイクロプレートなどの容器を使用して試験を実施することが行われている。
このため、細胞画像を取得する顕微観察装置としては、マイクロプレートなどの容器の下方より観察する倒立顕微鏡型の光学配置を採用し、さらに視野位置変更、焦点合わせ、撮像などの画像取得にかかわる一連の動作を自動化したものが望まれる。そして、このように顕微観察装置を自動化する場合には、特に焦点合わせの自動化方式が重要である。
一般的に、焦点合わせの自動化方式には、大別して対象物(被写体)に赤外線などの焦点検出用照明光を照射し、その反射光の光量などを検出することにより焦点を検出するアクティブ方式と、レンズで捉えた画像を利用して焦点を検出するパッシブ方式の2つの方式が存在する。
しかるに、様々な条件下での種々の生細胞の反応を明らかにすることを目的として細胞画像を取得する顕微観察装置においては、非常に多くの画像を取得する必要があるため、迅速な動作速度を有するアクティブ方式の焦点合わせ方式が採用されることが多い。このようなアクティブ方式の焦点検出装置においては、高い焦点合わせ精度を実現するために焦点検出用照明光束径を対物レンズの瞳径に一致させるのが一般的であり、このようなアクティブ方式を採用した焦点検出装置として、例えば特許文献1に記載のものがある。
アクティブ方式の焦点検出装置において高い精度で焦点合わせを行うためには、対物レンズの瞳径に焦点検出用照明光束径を一致させることが必要であるが、一方で、対物レンズの瞳径は対物レンズごとに様々であるため、焦点検出用照明光束径を瞳径の大きな低倍率の対物レンズに合わせて最適化すると、瞳径の小さな高倍率の対物レンズに切り換えた場合に焦点検出用照明光束が対物レンズの瞳によってケラレるため、光量不足となって焦点検出を行うことが困難になりやすい。
一方、焦点検出用照明光束の径を瞳径の小さな高倍率の対物レンズに合わせて最適化すると、瞳径の大きな対物レンズに切り換えた場合に実質上、焦点検出装置の被写界深度が深くなって焦点検出の精度が悪化する。したがって、対物レンズごとに焦点検出用照明光の光束径を最適化する必要がある。
しかるに、特許文献1には、焦点検出用照明光としてレーザを採用し、レーザ光源と対物レンズとの間に、NDフィルタと径の異なる開口絞りを組み合わせた絞りフィルタ組み立て体を備え、レーザ光源のパワーを一定にしたままで、NDフィルタを介してレーザ光量を調節するとともに、開口絞りを選択してレーザ光束径を対物レンズの瞳の径に合わせるようにした構成が開示されている。
さらに、アクティブ方式を採用した焦点検出装置を用いてマイクロプレートの底面のような透明基板の一方の面に焦点を合わせる場合には、他方の面からの反射光も光検出器で検出されてノイズとなって焦点の検出に悪影響を及ぼすという問題がある。
このため本件出願人は先に、お互いに対向した状態で配置された傾斜面を有し、且つ、該傾斜面の間隔を調節可能な2つの光学部材からなる光束入射位置調節手段により、該2つの光学部材の傾斜面の間隔を調節することで、対物レンズの瞳位置における焦点検出用光束の入射位置を対物レンズの瞳径に応じた瞳内の所定位置に調節して対物レンズに入射させることによって、焦点検出用光束の径を対物レンズの瞳径に合わせて最適化でき、しかも、瞳径の大きな対物レンズに切り換えた場合でも、透明基板における焦点合わせの対象となっていない側の表面からの反射光による悪影響を排除しながら、透明基板における焦点合わせの対象となっている側の表面からの反射光量を高い検出感度で検出し、この焦点合わせの対象となっている側の表面に焦点合わせを行うことが可能な焦点検出装置を開発し特許出願(特願2008−320011号)した。
特開2007−163738号公報
上記本件出願人が特許出願したものは、発明の主目的は達成されていて性能的にも基本的には満足できるものであった。しかし、特に装置組み立て時に次のような不都合があることもわかった。
すなわち、上記特許出願した焦点検出装置のように、お互いに対向した状態で配置された傾斜面の間隔を調整することによって対物レンズの瞳へのレーザ光束入射位置を調節することによって最適化する場合、該傾斜面を正確に平行に調整することが必要である。このとき複数の傾斜面の角度を同時に調整する作業が必要になるが、上記装置においては、傾斜面を有する光学部材へのレーザ光束の入射及び出射角度を、お互いに独立して調整することができるような構成となっていないため、必要な精度に調整して組み立てることが場合によっては難しいという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、瞳径の異なる対物レンズに切り換えても、レーザ光を調光することなく、レーザ光束の径を対物レンズの瞳径に合わせて最適化でき、しかも、瞳径の大きな対物レンズに切り換えたときでも、透明基板における焦点合わせの対象となっていない側の表面からの反射光による悪影響を排除しながら、透明基板における焦点合わせの対象となっている側の表面からの反射光量を高い検出感度で検出して、この焦点合わせの対象となっている側の表面に焦点合わせを行うことが可能であり、更に組み立てが容易な焦点検出装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明による焦点検出装置は、焦点検出用光束を対物レンズを介して試料面に投射して焦点合わせを行う焦点検出装置であって、前記対物レンズの瞳位置における前記焦点検出用光束の入射位置を該対物レンズの瞳径に応じた該瞳内の所定位置に調節可能な光束入射位置調節手段を備え、該光束入射位置調節手段は、少なくとも2つの反射鏡を含み、前記光束入射位置調節手段が、前記焦点検出用光束を光軸に対称に分離し、前記2つの反射鏡は、前記焦点検出用光束の光軸を中心として対称な位置に配置されており、前記光束入射位置調節手段が、前記2つの反射鏡の間隔を、前記光軸を中心とした対称な位置を保ったまま調整することによって、該分離した2つの光束の間隔を調整することを特徴としている。
また、本発明の焦点検出装置においては、前記光束入射位置調節手段が、前記2つの反射鏡の間隔を調整することによって、前記焦点検出用光束を光軸に直角な方向にシフトさせるのが好ましい。
また、本発明の焦点検出装置においては、前記2つの反射鏡は、それぞれが個別に光軸に直角な方向に移動させることができるのが好ましい。
また、本発明の焦点検出装置においては、前記焦点検出装置は、前記対物レンズと、透明基板に対し合焦信号を生成するための照明光を発し前記対物レンズを通して照射する点光源と、前記照明光の光束のうちの該照明光の光軸に沿う第1の仮想平面で2分割したときに一方の領域を通る光束を遮光する遮光部材と、前記透明基板で反射された光の光軸に沿う第2の仮想平面を挟んで対称に配置された2つの受光部を有する光検出器とを備え、前記2つの受光部を介してそれぞれ検出された前記透明基板からの反射光の光量に基づいて、前記透明基板の第1又は第2の表面に前記対物レンズの焦点合わせを行い、前記光束入射位置調節手段は、前記透明基板における第1又は第2の表面のうち一方の表面近傍に前記対物レンズの焦点が位置するときに、該一方の表面からの反射光が前記2つの受光部に入射するとともに、他方の表面からの反射光が前記第2の仮想平面で分割したときの一方の領域における当該領域に配置された受光部を外れた領域を通るような該対物レンズの瞳内の所定位置に、該対物レンズの瞳位置における前記焦点検出用光束の入射位置が調節可能に構成されているのが好ましい。
本発明の焦点検出装置によれば、瞳径の異なる対物レンズに切り換えても、レーザ光を調光することなく、レーザ光束の径を対物レンズの瞳径に合わせて最適化でき、しかも、瞳径の大きな対物レンズに切り換えたときに、透明基板における焦点合わせの対象となっていない側の表面からの反射光による悪影響を排除しながら、透明基板における焦点合わせの対象となっている側の表面からの反射光量を高い検出感度で検出して、この焦点合わせの対象となっている側の表面に焦点合わせを行うことが可能である。さらに、2つの独立した反射鏡により光束入射位置調節手段を構成しているので、分割した焦点検出用光束の進行方向の調節が容易になるという効果を有する。
本発明の焦点検出装置を備えた顕微観察装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の焦点検出装置を説明するものであり、(a)は焦点検出装置の概略構成図であり、(b)は対物レンズの瞳とそこへ入射するレーザ光束の位置関係を示す図である。また、(c)は、このときの焦点検出装置の右側面図である。さらに(d)は、透明基板の目的表面ではない面からの反射光の光路の概略図である。(d)では、説明のため、片側の光束に関する光路のみを示してある。 図2(a)の焦点検出装置において、透明基板における焦点合わせの対象となっている側の表面で反射された光と、焦点合わせの対象となっていない側の表面で反射された光の、2つの受光部との位置関係を示す説明図である。 本発明の焦点検出装置において、被検物を観察する対物レンズを変更した場合に対物レンズに合わせて調整を完了した状態を説明するものであり、(a)は焦点検出装置の概略構成図であり、(b)は対物レンズの瞳とそこへ入射するレーザ光束の位置関係を示す図である。また、(c)は、このときの焦点検出装置の右側面図である。 焦点検出装置における2分割フォトディテクターによって検出される光量変化の1例を示すグラフである。 図5のデータに基づいて行った評価関数計算値の一例を示すグラフである。
次に、本発明の焦点検出装置の実施形態を、図1に示す本発明の焦点検出装置を備えた顕微観察装置と、図2に示す本発明の焦点検出装置の概略構成図に基づいて説明する。
図1に示す顕微観察装置は、顕微鏡本体1と、落射照明装置2と、本発明の焦点検出装置3とから構成されている。
顕微鏡本体1は、被検物4を載置するXYステージ5を備えている。XYステージ5の下方には、対物レンズ6と、ハーフミラー7,20と、結像レンズ8と、CCDカメラ9とを備えている。XYステージ5は、水平面内(紙面に対して垂直な平面内)を移動可能に構成されている。対物レンズ6は、駆動部10を介して対物レンズ6の光軸方向に移動可能に構成されている。
試料面となる被検物4は、公知の複数ウェルを有するポリスチレン等の光透過性部材で製作されたマイクロプレート4aを容器として使用し、培養液4b中で培養された細胞をマイクロプレート4aの底面部4a1の表面4a11に公知の技術によって固定化したものである。なお、被検物4に用いる細胞は、さらに解析する項目に応じて適切な方法によって染色された細胞であってもかまわない。また、使用する容器として、ここではプラスチック製のものを例示したが、底面にガラスを貼り付けたガラスボトムプレートでもかまわない。なお、本出願において透明基板とは、光透過性部材で製作さているマイクロプレート4aの底面部4a1のような箇所をいう。そして、この底面図4a1の一方の表面を第1の表面、他方の表面を第2の表面と称している。
落射照明装置2は、XYステージ5の下方に備えられ、光源11と、集光レンズ12からなる。光源11はLEDで構成されている。
焦点検出装置3は、対物レンズ6と、ハーフミラー7と、焦点検出ユニット3’とを有している。焦点検出ユニット3’は、顕微鏡本体1におけるハーフミラー7の反射光路上に配置され、λ/4板15と、偏光ビームスプリッタ14と、偏光ビームスプリッタ14の透過光路上に配置された、焦点検出用光源17と、コリメートレンズ18と、遮光部材16と、反射鏡21a及び反射鏡21bが光軸X1を中心として対称な位置に配置され、さらに図示しない駆動手段により、2つの反射鏡21a及び21bの間隔が調整できるようにした光束入射位置調節手段21と、偏光ビームスプリッタ14の反射光路上に配置された結像レンズ13と、光検出器19とを備えている。
焦点合わせ用の焦点検出用光源17は、レーザダイオードで構成されていて、被検物4の透明基板(マイクロプレート4aの底面部4a1)に対して焦点合わせ信号を生成するための照明光を発するようになっている。
コリメートレンズ18は、焦点検出用光源からの光を平行光束に変換する。
遮光部材16は、焦点検出用光源17から発せられた照明光の光束のうち、光軸X1に沿う第1の仮想平面(図1及び図2で光軸X1を含む紙面と平行な平面)で2分割したときの一方の領域を通る光束を遮光することが可能な形状及び大きさに形成されている。本実施形態では、遮光部材16は矩形状に形成されている。なお、この一方の領域の光束を遮光することができればどのような形状でもよい。
偏光ビームスプリッタ14は、入射光のうちS偏光又はP偏光のいずれか一方の直線偏光成分を透過し、他方の直線偏光成分を反射する。
λ/4板15は、偏光ビームスプリッタ14の透過光路上に配置されており、偏光ビームスプリッタ14からの一方の直線偏光を円偏光に変換し、また、対物レンズ6からの円偏光を他方の直線偏光に変換する。
光検出器19は、2分割フォトダイオードで構成されている。2分割フォトダイオードは、2つの受光部19a、19bを有している。2つの受光部19a、19bは、光軸X2に沿う第2の仮想平面(図1及び図2で光軸X2を含む紙面と平行な平面)を挟んで対称に配置されている。
光束入射位置調整手段21は、第1の反射鏡21aと、第2の反射鏡21bとで構成されており、光軸X1に直角な方向に図示しない駆動手段によってお互いの間隔を調整できるようになっている。そして、2つの反射鏡の間隔を調整することにより、対物レンズ6の瞳22の位置における焦点検出用光束の入射位置を対物レンズ6の瞳22の径に応じた瞳22内の所定位置に調節することができるようになっている。
次に、上記した本発明の焦点検出装置3を備えた顕微観察装置1における焦点検出方法について説明する。
本実施形態の焦点検出装置3を備えた顕微観察装置1では、まず、落射照明装置2の光源11である白色LEDから射出された光が、集光レンズ12、ハーフミラー20、ハーフミラー7、対物レンズ6を介してXYステージ5に載置された被検物4を照明する。このときの被検物4からの光は、対物レンズ6、ハーフミラー7、ハーフミラー20、結像レンズ8を経由してCCDカメラ9へ導かれる。これにより、CCDカメラ9を介して被検物4を撮像することができる。
また、焦点検出装置3では、レーザダイオード17から射出された光が、コリメートレンズ18によって平行光束に変換された後、その一部が遮光部材16を介して遮光される。一方、遮光部材16によって遮光されることなく通り抜けた光は、反射鏡21a、21bによって2つの光束に分割された後、偏光ビームスプリッタ14、λ/4板15、ハーフミラー7、対物レンズ6を経由して、被検物4へ導かれる。このときの被検物4からの焦点検出用光束の反射光は、対物レンズ6、ハーフミラー7、λ/4板15、偏光ビームスプリッタ14結像レンズ13を経由して、光検出器19側に導かれる。
ここで、焦点検出装置3において、マイクロプレート4aの底面部4a1からの反射光が光検出器19へ入射する状態は、底面部4a1の2つの表面位置と対物レンズ6の焦点位置との関係において次のようになっている。
マイクロプレート4aの底面部4a1における培養液4b及び細胞と接する側の表面4a11に対物レンズ6の焦点を合わせる場合(以下、対物レンズ6の焦点を合わせる表面を「目的表面」と称す。また、こちらを第1の表面とする。)において、目的表面4a11近傍に対物レンズ6の焦点が位置するとき、焦点検出装置3は図2に示す光路を辿る。
すなわち、レーザダイオード17から発してマイクロプレート4aの底面部4a1で反射された光のうち、目的表面4a11で反射された光は、対物レンズ6を透過した後、光検出器19である2分割フォトディテクター19上の結像点に結像する。一方、目的表面4a11に対向する表面4a12(第2の表面)で反射された光は、図2(d)に示すように、目的表面4a11からの反射光の結像点よりも遠い位置で結像する。
したがって、図3に示すように、目的表面4a11で反射された光は、ほぼ点に近い状態に集光して2分割フォトディテクター19に入射し、2分割フォトディテクター19の双方の受光部19a,19bで均等な光量が検出される。一方、目的表面4a11に対向する表面4a12で反射された光は、結像しない状態で2分割フォトディテクター19側に向かうが、そのすべてが、2分割フォトディテクター19から外れた位置を通る。
このようにして、被検物4の目的表面4a11からの反射光だけを受光した2分割フォトディテクター19は、前記反射光の光量情報を捉え、焦点合わせ信号として不図示の制御部へ出力する。そして、この制御部はこの焦点合わせ信号に基づき、(A−B)/(A+B)なる評価関数を計算する。
焦点検出装置3における2分割フォトディテクター19によって検出される光量変化の一例を図5のグラフに示す。また、図6に図5のデータに基づいて行った評価関数計算値の一例をグラフに示す。図6のグラフにおいて、横軸は被検物4と対物レンズの相対距離、縦軸は焦点合わせ評価値である。焦点合わせは、この評価関数値が0となるように駆動部10を介して対物レンズ6を上下させる。評価関数計算値が0となる位置に対物レンズ6が移動したときに対物レンズ6の焦点が被検物4の目的表面4a11に位置し合焦が達成される。これにより、ある一つの対物レンズについての焦点合わせは完了する。なお、この焦点合わせの原理は基本的には従来行われているものと同じである。
次に、被検物を別の倍率で観察、撮像するために対物レンズが交換された場合の焦点検出について説明する。
例えば、図4に示すように観察倍率を大きくするために対物レンズ6よりも大きな倍率の対物レンズ6’に交換した場合、倍率の大きな対物レンズは一般に瞳径が小さいので、光束入射位置調節手段21によって反射鏡21aと反射鏡21bの間隔を調節して狭くすることによって、焦点検出用光束が交換された対物レンズ6’の瞳22’の径に応じた瞳22’内の所定位置に入射するように調節される。一方で、倍率の小さな対物レンズを使用する場合には、反射鏡21aと反射鏡21bの間隔を広くすることによって、対物レンズの瞳径に応じた所定位置に入射するように調整する。
なお、この調整は対物レンズに対応させて自動的に行われるようにしてもよく、あるいは手動で行ってもよい。そして、反射鏡21aと反射鏡21bからの焦点検出光束がそれぞれ調節されたならば、上記した焦点合わせを行い対物レンズ6’を移動させ、対物レンズ6’の焦点が被検物4の目的表面4a11に位置し合焦が達成されるようにする。
このように本実施形態の焦点検出装置によれば、焦点検出用光源17から発した光は、遮光手段16を介してサンプル容器底面部4a1に照射され、目的としない側の表面からの反射光が排除されるので、焦点検出用光源17から発せられて目的表面4a11からの反射する光だけを、光検出器17で検出できる。このため、この目的としない側の表面からの反射光が外乱光として、焦点合わせ信号に悪影響を及ぼすことなく、高精度な焦点合わせを行うことができるようになる。
さらに、光束位置調節手段を独立した2枚の反射鏡によって、焦点検出用光束を2つの光束に分割しているため、分割する各々の光束の反射光路をそれぞれ独立して調整できることとなる。
本発明の焦点検出装置は、例えば、自動化した顕微観察装置を用いて多数の細胞の画像を取得し、取得した画像を解析することにより統計解析結果を得ることが求められる分野に有用である。
1 顕微鏡本体
2 落射照明装置
3 焦点検出装置
3’ 焦点検出用ユニット
4 被検物
4a マイクロプレート
4b 培養液
4a1 底面部
4a11 表面部、目的表面
4a12 対向する表面
5 XYステージ
6 対物レンズ
6’ 大きな倍率の対物レンズ
7 ハーフミラー
8 結像レンズ
9 CCDカメラ
10 駆動部
11 光源
12 集光レンズ
13 結像レンズ
14 偏光ビームスプリッタ
15 λ/4板
16 遮光部材
17 焦点検出用光源、レーザダイオード
18 コリメートレンズ
19 光検出器、2分割フォトダイオード
19a 受光部
19b 受光部
20 ハーフミラー
21 光束入射位置調節手段
21a 反射鏡
21b 反射鏡
22 対物レンズの入射瞳、瞳
22’ 大きな対物レンズの瞳

Claims (4)

  1. 焦点検出用光束を対物レンズを介して試料面に投射して焦点合わせを行う焦点検出装置であって、
    前記対物レンズの瞳位置における前記焦点検出用光束の入射位置を該対物レンズの瞳径に応じた該瞳内の所定位置に調節可能な光束入射位置調節手段を備え、該光束入射位置調節手段は、少なくとも2つの反射鏡を含み、
    前記光束入射位置調節手段が、前記焦点検出用光束を光軸に対称に分離し、
    前記2つの反射鏡は、前記焦点検出用光束の光軸を中心として対称な位置に配置されており、
    前記光束入射位置調節手段が、前記2つの反射鏡の間隔を、前記光軸を中心とした対称な位置を保ったまま調整することによって、該分離した2つの光束の間隔を調整することを特徴とした焦点検出装置。
  2. 前記光束入射位置調節手段が、前記2つの反射鏡の間隔を調整することによって、前記焦点検出用光束を光軸に直角な方向にシフトさせることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 前記2つの反射鏡は、それぞれが個別に光軸に直角な方向に移動させることができることを特徴とする請求項1記載の焦点検出装置。
  4. 前記焦点検出装置は、前記対物レンズと、透明基板に対し合焦信号を生成するための照明光を発し前記対物レンズを通して照射する点光源と、前記照明光の光束のうちの該照明光の光軸に沿う第1の仮想平面で2分割したときに一方の領域を通る光束を遮光する遮光部材と、前記透明基板で反射された光の光軸に沿う第2の仮想平面を挟んで対称に配置された2つの受光部を有する光検出器とを備え、前記2つの受光部を介してそれぞれ検出された前記透明基板からの反射光の光量に基づいて、前記透明基板の第1又は第2の表面に前記対物レンズの焦点合わせを行い、
    前記光束入射位置調節手段は、前記透明基板における第1又は第2の表面のうち一方の表面近傍に前記対物レンズの焦点が位置するときに、該一方の表面からの反射光が前記2つの受光部に入射するとともに、他方の表面からの反射光が前記第2の仮想平面で分割したときの一方の領域における当該領域に配置された受光部を外れた領域を通るような該対物レンズの瞳内の所定位置に、該対物レンズの瞳位置における前記焦点検出用光束の入射位置が調節可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焦点検出装置。
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