JP6143631B2 - 燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造 - Google Patents
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(燃料噴射装置)
図1は、燃料噴射装置1の使用状態を模式的に示す図である(図2参照)。この図1に示すように、ポート噴射方式の燃料噴射装置1は、エンジンの吸気管2の途中に設置され、燃料を吸気管2内に噴射して、吸気管2に導入された空気と燃料とを混合し、可燃混合気を形成するようになっている。
以下、図2乃至図4に基づき、本実施形態に係るノズルプレート3の取付構造を説明する。なお、図3(a)がノズルプレート3の正面図であり、図3(b)が図3(a)の矢印C2で示す方向から見たノズルプレート3の側面図であり、図3(c)が図3(a)のA2−A2線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図であり、図3(d)が図3(b)のA3−A3線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。また、図4(a)がバルブボディ5の先端側正面図であり、図4(b)が図4(a)の矢印C3で示す方向から見たバルブボディ5の先端側側面図であり、図4(c)が図4(b)の矢印C4で示す方向から見たバルブボディ5の先端側側面図である。
ノズルプレート3の筒状嵌合部12とバルブボディ5を組み付ける場合、バルブボディ5の先端側を筒状嵌合部12の開口端22から筒状嵌合部12の内部に挿入し、バルブボディ5の係合用突起8を筒状嵌合部12の縦溝24に係合させた状態において、バルブボディ5の先端面13がノズルプレート3の底壁部14に当接するまで、バルブボディ5の先端側を縦溝24に沿って筒状嵌合部12の内部に押し込む。次いで、バブルボディ5の先端面13がノズルプレート3の底壁部14に当接した状態において、ノズルプレート3の筒状嵌合部12とバルブボディ5とを相対回動させる。この際、バルブボディ5の係合用突起8がアーム部20を緩やかに外側へ撓み変形させながら(横溝25の溝幅を拡げる方向へ撓み変形させながら)横溝25内をスライド移動する。そして、バルブボディ5の係合用突起8がアーム部20の弾性力を受けながらアーム部20の凹み27内に収容され、凹み27の底面27aがアーム部20の弾性力によってバルブボディ5の係合用突起8に押し付けられるため、バルブボディ5の係合用突起8が凹み27の底面27aに着座した(当接した)状態で固定される。
以上のような本実施形態に係るノズルプレート3の取付構造によれば、バルブボディ5の係合用突起8をノズルプレート3の係止溝23に係合し、バルブボディ5とノズルプレート3を相対回動させると、係合用突起8が係止溝23の横溝25内をアーム部20を弾性変形(撓み変形)させながら移動し、係合用突起8がアーム部20の凹み27(係止溝23のロック位置)に収容されると共に、アーム部20の凹み27の底面27aがバルブボディ5の係合用突起8にアーム部20の弾性力で押し付けられて、バルブボディ5の係合用突起8がアーム部20の凹み27の底面27aに着座した状態で固定される。すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3の取付構造によれば、ノズルプレート3とバルブボディ5は、バルブボディ5の係合用突起8がアーム部20の凹み27(係止溝23のロック位置)内にアーム部20の弾性力で固定されるため、抜け止めされた状態で固定されることになる。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3の取付構造によれば、金属製のノズルプレート103を金属製のバルブボディ102の先端に溶接固定する従来例に比較し(図18参照)、燃料噴射装置1の製造工数を削減でき、燃料噴射装置1の製造コストを削減できる。
図5は、第1実施形態の変形例1に係るノズルプレート3の取付構造を示す図である。この図5に示すように、本変形例に係るノズルプレート3の取付構造は、アーム部20の凹み27のうちの縦溝24に近い位置にある端縁を凹み前端縁とし、凹み27のうちの縦溝24から遠い位置にある端縁を凹み後端縁とすると、横溝25を形作るアーム部20側の溝壁28に、凹み後端縁に接続され且つ横溝25内に出っ張る回し止め突起32が形成されている。
図6は、第1実施形態の変形例2に係るノズルプレート3の取付構造を示す図である。なお、図6(a)が燃料噴射装置1の先端側の正面図であり、図6(b)が燃料噴射装置1の先端側の側面図である。
図7は、第1実施形態の変形例3に係るノズルプレート3の取付構造(特に、バルブボディ5の構造)を示す図である。この図7に示すように、バルブボディ5の一対の係合用突起8,8のうちの一方は、X軸と平行な中心線35上に位置しているが、バルブボディ5の一対の係合用突起8,8のうちの他方は、X軸からθだけ周方向にずれて位置している。なお、一対の係止溝23,23は、本変形例に係る一対の係合用突起8,8に対応するようにノズルプレート3に形成される(図2参照)。
図8は、第1実施形態に係る係合用突起8の変形例を示す図である。すなわち、上記第1実施形態において、係合用突起8は、正面側の形状が円形である丸棒状のものを例示したが、これに限られず、図8(a)に示すような正面形状が略小判型形状の棒状体、図8(b)に示すような正面形状がD形状の棒状体、又は図8(c)に示すような楕円形状の棒状体でもよい。また、図8(d)に示すように、係合用突起8は、アーム部20との接触部分8aがR面取りされた板状体又は棒状体でもよい(図2(b)参照)。
図9乃至図11は、本発明の第2実施形態に係るノズルプレート3の取付構造を説明するための図である。なお、図9(a)が燃料噴射装置1の先端側正面図であり、図9(b)が図9(a)の矢印C4で示す方向から見た燃料噴射装置1の先端側側面図であり、図9(c)が図9(a)のA4−A4線に沿ってノズルプレート3を切断して示す燃料噴射装置1の先端側断面図であり、図9(d)が図9(c)のF方向から見た係合用突起の平面図である。また、図10(a)がノズルプレート3の正面図であり、図10(b)が図10(a)の矢印C5で示す方向から見たノズルプレート3の側面図であり、図10(c)が図10(a)のA5−A5線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。また、図11(a)がバルブボディ5の先端側の正面図であり、図11(b)がバルブボディ5の先端側の側面図である。そして、本実施形態に係るノズルプレート3の取付構造の説明は、図9乃至図11において、第1実施形態のノズルプレート3の取付構造と共通する構成部分には同一符号を付することにより、第1実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図12は、第2実施形態の変形例1を示す図であり、ノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図12(a)がノズルプレート3の正面図であり、図12(b)が図12(a)のA6−A6線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。
図13は、第2実施形態の変形例2を示す図であり、係止溝38の長手方向の一端側38aの溝幅を係止溝38の長手方向の他端側38bの溝幅よりも広くし、アーム部20の係合用突起37を係止溝38の一端側38aに係合し易くした態様を示す図(バルブボディ5の先端側の側面図)である(図9参照)。
図14は、第2実施形態の変形例3を示す図であり、係止溝38の長手方向の一端側38aの溝深さを緩やかに変化させ、アーム部20の係合用突起37を係止溝38に滑らかに係合させるようにした態様を示す図である(図9参照)。なお、図14(a)がバルブボディ5の先端側の正面図であり、図14(b)がバルブボディ5の先端側の側面図である。
図15は、第2実施形態の変形例4を示す図であり、係止溝38の長手方向の中間部分38cから係止溝38の長手方向の他端側38bまでの係止溝38の傾斜角度を2段階に変化させた態様を示す図(バルブボディ5の先端側の側面図)である。すなわち、本変形例の係止溝38は、長手方向の中間部分38cから長手方向の他端側38bまでの範囲において、長手方向他端側38b寄りの係止溝38の傾斜角度を長手方向中間部分38c寄りの係止溝38の傾斜角度よりも大きくし、係合用突起37が係止溝38のロック位置(他端側38b)に収容された感覚を作業者に与えることができるようにすると共に、係合用突起37が係止溝38の長手方向の他端側38bから抜け出し難くしたものである。
図16は、第2実施形態の変形例5を示す図であり、係止溝38の長手方向の他端側38b寄りの位置に抜け止め防止突起42を形成した態様を示す図(バルブボディ5の先端側の側面図)である。すなわち、本変形例の係止溝38は、係合用突起37が接触する側の溝壁38eで、且つ、長手方向の他端側38b寄りの位置に、抜け止め防止突起42が形成されている。これにより、係合用突起37が抜け止め防止突起42を乗り越えて係止溝38の長手方向の他端側38bに収容されると、係合用突起37が抜け止め防止突起42を乗り越えた際の衝撃が作業者の手に伝わり、係合用突起37が係止溝38のロック位置(他端側38b)に収容された感覚を作業者に与えることができるようにすると共に、係合用突起37が係止溝38の長手方向の他端側38bから抜け出し難くしたものである。
図17は、第2実施形態の変形例6を示す図であり、アーム部20の係合用突起37を収容する突起係合穴(位置決め凹部)43が係止溝38の長手方向の他端側38bに形成された態様を示す図である(図9参照)。すなわち、本変形例に係る係止溝38は、突起係合穴43を除く部分の溝深さが同一であり、且つ、突起係合穴43の穴深さよりも浅く形成されている。このような本変形例によれば、係合用突起37が係止溝38のロック位置(他端側38bの突起係合穴43)に収容された感覚を作業者に与えることができると共に、係合用突起37が係止溝38の長手方向の他端側38b(突起係合穴43)から抜け出し難くなり、係合用突起37が係止溝38の長手方向の他端側に位置決めされた状態で確実に固定される(図9参照)。なお、図17(a)がバルブボディ5の先端側の平面図であり、図17(b)がバルブボディ5の先端側の側面図である。
Claims (12)
- 燃料噴射装置の燃料噴射口から流出した燃料を微粒化して噴射するノズル孔が形成された燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造において、
前記燃料噴射装置の金属製バルブボディは、前記燃料噴射口が形成された先端側に前記燃料噴射装置用ノズルプレートが取り付けられるようになっており、
前記燃料噴射装置用ノズルプレートは、前記バルブボディの先端側が嵌合される筒状嵌合部と、前記筒状嵌合部の一端側を塞ぐように形成されて前記バルブボディの先端面が突き当てられると共に前記ノズル孔が形成された底壁部と、を有し、
前記燃料噴射装置用ノズルプレートの前記筒状嵌合部及び前記底壁部は、合成樹脂材料で一体に形成され、
前記筒状嵌合部は、他端側に弾性変形可能なアーム部が形成され、
前記アーム部と前記バルブボディのいずれか一方に係合用突起が形成され、前記アーム部と前記バルブボディのいずれか他方に前記係合用突起に係合する係止溝が形成され、
前記係合用突起が前記係止溝に係合され、且つ、前記底壁部が前記バルブボディの先端面に当接した状態において、前記筒状嵌合部と前記バルブボディが相対回動させられると、前記係合用突起が前記係止溝のロック位置に着座すると共に、前記アーム部が弾性変形させられて、前記底壁部を前記バルブボディの先端面に押し付ける前記アーム部の弾性力が生じ、前記燃料噴射装置用ノズルプレートと前記バルブボディが前記係合用突起と前記係止溝によって抜け止めされた状態で固定される、
ことを特徴とする燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記係合用突起が前記バルブボディの外周に形成され、前記係止溝が前記筒状嵌合部に形成され、
前記係止溝は、前記筒状嵌合部の他端から前記バルブボディと前記筒状嵌合部の嵌合方向に沿って切り込むように形成された縦溝と、前記縦溝の端部から周方向に延びる横溝と、を有し、
前記アーム部は、前記筒状嵌合部の他端と前記横溝との間に片持ち梁状に形作られ、前記横溝の溝壁に前記係合用突起を収容する凹みが形成され、
前記係合用突起は、前記筒状嵌合部と前記バルブボディとの嵌合時に前記縦溝内を移動し、前記筒状嵌合部と前記バルブボディとの相対回動時に前記アーム部を撓み変形させながら前記横溝内を移動し、前記ロック位置としての前記凹みの内面に前記アーム部の弾性力で押し付けられた状態で着座し、前記凹み内に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記横溝を形作る前記アーム部側の溝壁で、且つ、前記凹みの近傍から前記縦溝までの溝壁は、前記係合用突起を前記縦溝から前記凹みに滑らかに案内できるように、前記凹みの近傍から前記縦溝に向かうにしたがって前記筒状嵌合部の他端に近づく傾斜面である、
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記傾斜面と前記縦溝が曲面で滑らかに接続された、
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記アーム部は、前記凹みのうちの前記縦溝に近い位置にある端縁を凹み前端縁とし、前記凹みのうちの前記縦溝から遠い位置にある端縁を凹み後端縁とすると、前記横溝を形作る前記アーム部側の前記溝壁に、前記凹み後端縁に接続され且つ前記横溝内に出っ張る回し止め突起が形成された、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記アーム部は、少なくとも先端側が前記筒状嵌合部よりも径方向内方側に位置するように形成され、少なくとも先端側がバルブボディの外周面に押し付けられるようになっている、
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記係合用突起が前記アーム部の内面に形成され、前記係止溝が前記バルブボディの外周面に形成され、
前記係止溝は、前記バルブボディの外周面の周方向にほぼ沿うように長穴状に形成され、長手方向の一端側が長手方向の他端側よりも前記バルブボディの先端面側に位置し、前記長手方向の一端側と前記長手方向の他端側の間が前記バルブボディの先端面から最も遠く位置するように形成され、
前記アーム部は、
・前記筒状嵌合部が前記バルブボディに嵌合され、且つ、前記底壁部が前記バルブボディの先端面に当接した状態において、前記係合用突起が前記係止溝の前記長手方向の一端側に係合し、
・前記係合用突起が前記係止溝の前記長手方向の一端側に係合した状態において、前記筒状嵌合部と前記バルブボディが相対回動させられると、前記係合用突起が前記係止溝の前記長手方向の一端側から前記係止溝の前記長手方向の他端側に移動して、前記バルブボディの先端面から遠ざかる方向へ撓み変形させられ、前記係合用突起を前記ロック位置としての前記係止溝の前記長手方向の他端側に着座させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記係止溝の前記長手方向の他端側には、前記係合用突起を収容する位置決め凹部が形成された、
ことを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記係止溝の前記長手方向の一端側の溝幅を、前記係止溝の前記長手方向他端側の溝幅よりも大きくした、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記アーム部は、前記筒状嵌合部の他端から前記バルブボディと前記筒状嵌合部の嵌合方向に沿って切り込むように縦溝が形成されると共に、前記縦溝の端部から周方向に延びる横溝が形成されることにより、前記筒状嵌合部の他端と前記横溝との間に片持ち梁状に形作られた、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記アーム部は、少なくとも先端側が前記筒状嵌合部よりも径方向内方側に位置するように形成され、少なくとも先端側がバルブボディの外周面に押し付けられるようになっている、
ことを特徴とする請求項10に記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。 - 前記筒状嵌合部の底壁部側の外周に二面幅部が形成された、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の燃料噴射装置用ノズルプレートの取付構造。
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