JP6143581B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置では、記録材へのプリント動作を実行する前にスキャナモータによって回転駆動される回転多面鏡の回転速度が画像形成動作を実行するための速度となるよう、回転多面鏡の速度を調整する(スキャナモータを立ち上げる)。この際、回転多面鏡の回転速度を検知する為、レーザを強制発光させた際に検出される水平同期信号の周期を用いる構成がある。
この構成では、回転多面鏡を立ち上げる際は、スキャナモータの起動時から常にレーザを発光させて水平同期信号を監視する。または、スキャナモータが目標速度に到達するまでの時間を待ってからレーザを強制発光させる。そして、強制発光時に水平同期信号を検出し、検出した信号の周期をみて、スキャナモータ(回転多面鏡)の回転速度を検知し、画像形成動作を実行する速度になるよう調整していた。このように、回転多面鏡を立ち上げる際には、回転多面鏡の回転速度を検知する為にレーザを強制発光する間、レーザ光が感光体(像担持体)を露光する。このため、現像ローラが感光体に当接していたり、現像器に現像バイアスが印加されていたりすると、感光体にトナーが付着する。そして、感光体と直接当接する記録材にトナーを転写する転写部、又は、ベルト等を介して感光体からトナーが運ばれる記録材にトナーを転写する転写部に、不要なトナーが移ってしまう。このことで、記録材を通紙したときに記録材に形成したトナー画像とは別のトナーが付着し、汚れてしまうことが懸念される。
そこで、特許文献1では現像器で弱電バイアスを印加して、感光体がレーザ光に露光されても現像されにくい様に制御することが提案されている。
また、特許文献2には、現像器を感光体に対して当接及び離間可能な機構を設けたインラインカラー画像形成装置で、感光体にトナーが付着しないよう現像器を感光体から離間した状態で待機し、画像形成直前に現像器を感光体に当接させる構成が提案されている。
特開平7−306626号公報 特開2007−93771号公報
しかしながら、レーザ光が感光体を露光することにより、記録材の裏側が汚れてしまうことを防ぐために、特許文献1の制御を適用した場合には、次のようなことが懸念される。すなわち、特許文献1のように現像器に弱電バイアスを行う場合には、弱電バイアスから通常のバイアスに切り替えるための時間が必要となり、レーザ強制発光が終了した後すぐに画像形成動作を実行することができないことが懸念される。この為、印字要求を受けてから1枚目の記録材が機外に排出されるまでの時間であるファーストプリントタイム(FPOT)が長くなってしまうことが懸念される。また、非常に光量の高いレーザ光で露光が行われる場合、弱電バイアスを印加していても感光体に多少のトナーが付着して現像されてしまい、記録材の裏側の汚れが発生することが懸念される。
また、特許文献2のように、感光体にトナーが付着しないよう現像器を感光体から離間した状態で待機し、画像形成直前に現像器を感光体に当接させる構成では、次のようなことが懸念される。現像器を感光体に当接させるタイミングは、レーザの強制発光を行うス
キャナモータの立ち上げの完了を待って、不用意に感光体を露光しない状態に移行した後となるようにしなければならない。そのため上記同様にファーストプリントタイムが長くなることが懸念される。
本発明は、複数の像担持体を有する画像形成装置において、記録材を汚してしまうことを抑えつつ、ファーストプリントタイムをより短縮させることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
感光体、光を発する光源、及び、現像位置と前記現像位置から退避した位置に移動可能な現像部材をそれぞれ備える第1、第2画像形成手段と、
前記第1、第2画像形成手段の光源が発する光を反射する回転多面鏡と、
を有し、
前記第1、第2画像形成手段の各々は、それぞれの感光体に対し、それぞれの光源の発する光を前記回転多面鏡で反射させて照射することにより潜像を形成し、前記現像位置にあるそれぞれの現像部材で前記潜像をトナーで現像して記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置において、
前記第1画像形成手段の光源から発せられ前記回転多面鏡で反射された光を検知する検知手段と、
前記第1画像形成手段の光源を発光し続けることにより、前記検知手段に複数回、光を検知させる検知動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1画像形成手段が画像形成動作を実行する前に前記検知動作を実行し、前記検知動作を実行中には前記第1画像形成手段における前記現像部材の前記現像位置への移動を開始させており
前記第1画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられるトナーは、透明トナー、又は記録材の色と同じ色のトナーである
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明にあっては、
感光体、光を発する光源、及び、現像位置と前記現像位置から退避した位置に移動可能な現像部材をそれぞれ備える第1、第2画像形成手段と、
前記第1、第2画像形成手段の光源が発する光を反射する回転多面鏡と、
を有し、
前記第1、第2画像形成手段の各々は、それぞれの感光体に対し、それぞれの光源の発する光を前記回転多面鏡で反射させて照射することにより潜像を形成し、前記現像位置にあるそれぞれの現像部材で前記潜像をトナーで現像して記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置において、
前記第1画像形成手段の光源から発せられ前記回転多面鏡で反射された光を検知する検知手段と、
前記第1画像形成手段の光源を発光し続けることにより、前記検知手段に複数回、光を検知させる検知動作を実行する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記第1画像形成手段が画像形成動作を実行する前に前記検知動作を実行し、前記検知動作を実行中には前記第1画像形成手段における前記現像部材の前記現像位置への移動を開始させており、
前記第1画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられる第1色のトナーは、前記第2画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられる第2色のトナーよりも記録材上において視認されにくいトナーである
ことを特徴とする。
本発明によれば、複数の像担持体を有する画像形成装置において、記録材を汚してしまうことを抑えつつ、ファーストプリントタイムをより短縮させることが可能となる。
実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図 実施例のスキャナユニットの概略構成を示す斜視図 実施例の印字要求からのプリント用シーケンスのタイミングの説明図 実施例の制御で適用した電気回路のブロック図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。本発明は、画像形成装置に関し、特に、半導体レーザの発振光を画像露光用の光源とする電子写真方式の画像形成装置において、レーザ光(光束)の水平同期信号の周期で回転多面鏡の立ち上がりを検知する画像形成装置(特にレーザプリンタ)に関する。さらに詳しくは、複数の像担持体としての感光体(感光ドラム)に対応するレーザ光を照射する光学走査装置を有する画像形成装置に関する。
[実施例]
図1は、本実施例の画像形成装置Dの概略構成を示す断面図である。まず、本実施例の画像形成装置Dについて説明する。
(画像形成装置D)
画像形成装置Dは、照射手段として光学走査装置を具備した5ドラム系カラー画像形成装置である。通常のカラー画像形成装置ではブラック(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の4色のトナーが用いられることが多いが、本実施例の画像形成装置Dでは画像に光沢性を持たせるため更にクリア(cl)トナー(透明トナー)が具備されている。すなわち、本実施例の画像形成装置Dは、図1に示すように、5つの画像形成部と、光学走査装置(以下、スキャナユニット)S1を有する。
以下に、画像形成装置Dにより実行可能な、記録材に画像形成(プリント、印字)を行う画像形成動作について説明する。ここで、各画像形成部の構成及び動作は、用いるトナーの色が異なることを除いては実質的に同じである。したがって、以下の説明において特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために、図1において符号に与えた添字cl、y、m、c、kを省略して、総括的に説明する。
まず、像担持体としての感光体90の表面が、一次帯電器91によって各々一様に帯電される。そして、画像情報に基づいて各々光変調された光束LがスキャナユニットS1から出射され、各々対応する感光体90の表面上を照射することで、感光体90の表面に静電潜像が形成される。感光体90の表面に形成された静電潜像は、現像部材としての現像スリーブ92によって各々クリア、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像に可視像化(現像)される。
なお、現像スリーブ92の消耗を抑制するため、感光体90に対して現像スリーブ92を当接離間可能(接離可能、移動可能)な機構が設けられている。現像スリーブ92が、対応する感光体90に当接する位置を現像位置とし、感光体90から離間した位置を現像位置から退避した退避位置とする。
各感光体90上のトナー像は、各1次転写ローラ93と各感光体90との間でそれぞれ形成される各1次転写ニップ部(1次転写部)T1で、無端状のベルトとしての中間転写ベルト(中間転写体)94上に順次重ね合わせて転写(1次転写)される。図1に示すように、中間転写ベルト94は各感光体90と各1次転写ローラ93との間に挟まれて、各感光体90に当接している。
中間転写ベルト94は周回駆動され、2次転写ローラ95との間に形成される2次転写ニップ部(2次転写部)T2へトナー像を搬送する。一方、給紙(給送)トレイに載置された記録材Pは、給紙ローラ96a、96bにより給紙され、2次転写ニップ部T2で、中間転写ベルト94により搬送されるトナー像とタイミングが合うように搬送される。搬送された記録材Pに2次転写ローラ95によって中間転写ベルト94からトナー像が転写(2次転写)され、カラー画像が形成される。
その後、記録材P上に形成されたカラー画像は、定着器97によって熱定着された後、装置外に排出される。ここで、2次転写ローラ95によって中間転写ベルト94から記録材Pに転写されなかったトナー(残留トナー)は、クリーニングブレード98によって廃トナー容器99に回収される。
(スキャナユニット構成)
次に、図2を用いて、本実施例の画像形成装置DにおけるスキャナユニットS1の構成について説明する。図2は、本実施例のスキャナユニットS1の概略構成を示す斜視図である。図2においては、説明の便宜上、スキャナユニットS1を概略密閉するためのカバー(スキャナカバー)を外した状態で示している。なお、不図示のスキャナカバーには、各光束が通過するための板状のガラスが感光体と同数備えられている。
スキャナユニットS1には、図2の左側に示す3つの光源装置81cl、81y、81m、図2の右側に示す2つの光源装置81c、81kがそれぞれ上下に配列されている。すなわち、スキャナユニットS1には、5つの光源装置(光源、レーザ光源装置)81cl、81y、81m、81c、81kが二次元的に配置されている。
光源装置81から照射されたレーザ光はそれぞれのレーザ光に対応したコリメータレンズ82で略平行光にされた後、一体で成形されたシリンドリカルレンズ51によって副走査方向に集光され、偏向反射面を有する回転多面鏡53に照射される。スキャナユニットS1には、回転多面鏡53を回転駆動させるスキャナモータ55が設けられている。スキャナモータ55によって回転多面鏡53が回転駆動されることで、光源装置81から照射されたレーザ光は、回転多面鏡53の偏向反射面に入射し、該偏向反射面で反射されることで偏向走査される。なお、光源装置81cl、81y、81mは同一の偏向反射面(同一面)に同じタイミングで入射する。同様に光源装置81c、81kも同様に同一の偏向反射面(同一面)に同じタイミングで入射する。
またスキャナユニットS1には、回転多面鏡53を中心にして、図2において左右略対称となるように、次に示すレンズとミラーが配設されている。すなわち、回転多面鏡53を中心にして左側にレンズ20L、21L、22L、23Lとミラー30L、31L、32L、33Lが配置され、右側にはレンズ20R、21R、22Rとミラー30R、31R、32Rが配設されている。
図2の左側に配置された3つの光源装置81cl、81y、81mから出射されたレーザ光は、図の上方から見てCCW(counterclockwise)方向に高速で回転している回転多面鏡53によって偏向され、感光体90上で矢印B1の方向に走査される。一方、図2の右側に配置された2つの光源装置81c、81kから出射されたレーザ光は、感光体90上で矢印B2の方向に走査される。このため、3つの光源装置81cl、81y、81mから出射されたレーザ光と、2つの光源装置81c、81kから出射されたレーザ光とは、逆方向に走査される(潜像(画像)が形成される)ことになる。
光源装置81clから照射されたレーザ光の一部は、回転多面鏡53で偏向された後、検知手段としての水平同期検知手段54に照射される。このことで、水平同期信号が生成される。このとき、光源装置81cl、81y、81m、81c、81kは回転多面鏡53に対してそれぞれ異なる角度で配置されており、光源装置81clから照射されるレーザ光以外のレーザ光は水平同期検知手段54に照射されないように構成されている。
ここで、1つの感光体90と、それに対応する現像スリーブ92、及び、光源装置81が、1つの画像形成手段(ステーション)に相当する。また、複数のステーションのうち最初に画像形成動作が開始される感光体90clのステーションが、第1画像形成手段に相当し、第1画像形成手段よりも後に画像形成動作が開始される感光体90yのステーションが、第2画像形成手段に相当する。また、複数の感光体のなかで、感光体90clは、感光体90yよりも中間転写ベルト94の回転方向の上流側に配設されている。
(プリント開始までのタイミング説明)
以下に、印字要求を受けてからのプリント用シーケンスについて説明する。
図3は、本実施例の画像形成装置Dにおいて、エンジンコントローラ40により実行される、印字要求からのプリント用シーケンスのタイミングについて説明するための図である。図4は、本実施例の画像形成装置Dにおいて、印字要求からのプリントシーケンスで適用した電気回路のブロック図である。ここで、プリント開始前の状態では、現像スリーブ92は、それぞれ対応する感光体90から離間(退避)した状態にある。
プリント信号がONしたことを判断したエンジンコントローラ40は、定着器97の温度を定着可能温度になるように定着ヒータ19の制御を開始する。そして、回転多面鏡5
3を回転駆動させる駆動手段としてのスキャナモータ55の回転制御を開始する為にスキャナモータ55のON信号と、感光体90の駆動モータ(メインモータ)43を立ち上げるために駆動モータ43のON信号を真にする(T201)。
駆動モータ43が所定(規定、予め設定された)回転数に達し、安定した状態になったことが検知されたら、光源装置81を発光(ON)させ、次のような光量調整を行う(T202)。すなわち、光源装置81のレーザ光量が所定光量になるように、光源装置81のレーザ光量を調整(制御)する光量調整手段としてのレーザドライバ50を制御し光量調整を行う。
光源装置81のレーザ光量を制御して所定光量になったことを確認したら、現像当接離間モータ44のON信号を真にする(T203)。これにより、現像スリーブ92が、現像スリーブ92cl、92y、92m、92c、92kの順に順次、感光体90cl、90y、90m、90c、90kに当接する(現像位置へ到達する)こととなる。つまり、現像スリーブ92clから順に、対応する感光体に当接する現像位置へ移動する動作が開始される。また、給紙カセットに記録材Pが存在し、給紙可能であることを紙有無センサ41(図4)の信号で判断して、ピックアップソレノイド42(図4)をONして記録材Pを給紙する(T203)。
その後、現像スリーブ92clが感光体90clに当接する(T204)。現像スリーブ92clが感光体90clに当接した後、現像スリーブ92y、92m、92c、92kの順に、中間転写ベルト94の表面が、隣り合う感光体間の距離を移動する時間Tn分それぞれずらして、対応する感光体90との当接が行われる。このように、現像スリーブ92を、静電潜像が形成される直前の感光体90と当接するように制御することで、現像スリーブ92の摩耗量をより低減し、現像スリーブ92の長寿命化を図ることができる。
スキャナモータ55のON信号から所定時間経過した後、エンジンコントローラ40は、調整手段(制御手段)として、スキャナモータ55の回転数(回転速度)を、画像形成動作を実行する為の回転数である規定回転数に調整する調整動作を行う。つまり、スキャナモータ55が確実に規定回転数に達したかを検知する。このため、次のような判断を行う。すなわち、水平同期検知手段54にて複数の連続した水平同期信号を検出できるよう、光源装置81clを強制的に発光(ON)し続ける。そして、水平同期検知手段54にて検出された複数の水平同期信号から水平同期信号の周期を水平同期回路52にて判断する(T205)。なお、回転多面鏡53の回転速度が遅い程、水平同期信号の周期も長くなる。
このように、調整動作中は、光源装置81clは、強制発光する際、水平同期検知手段54にて水平同期信号を複数回検出することにより回転多面鏡53の回転速度に対応する値を算出可能となるよう発光(ON)し続ける検知動作を行う。このように、回転多面鏡53の回転速度を検出するための強制発光とは、回転多面鏡の回転速度や、反射面の向きが判らない状況で発光するものである。従って、強制発光(ON)する期間は、光源装置81clからの光が感光体90clに照射される期間を少なくとも含んでしまうことになる。しかしながら、光源装置81clからの光が感光体90clに照射されて感光体90clにトナーが付着してしまうことがあっても、感光体90clに付着するのは、ユーザに視認されにくいクリアトナーであるため、問題となることはない。
ここで、スキャナモータ55が規定回転数に達したかを検知するためには複数のレーザ光のうちいずれか1つが水平同期検知手段54に照射されるものであればよい。このため、本実施例においては、上述の通り光源装置81clから照射されるレーザ光を水平同期検知手段54に照射させ、光源装置81cl以外の光源装置は発光させないように制御している。つまり、光源装置81cl以外の光源装置は、光量調整時に発光してから画像形成時まで発光しないように制御される。尚、スキャナモータ55が確実に規定回転数に達したかを検知するために、光源装置81clを発光させる際、水平同期信号の周期に異常
がないかを確認するまでは、レーザ光量を、水平同期信号を検出できる程度に下げた状態で水平同期信号を検出しても構わない。これにより、感光体の表面が光を照射されることによって劣化することを低減させることができる。
そして、水平同期信号の周期が所定の周期となっていない(規定回転数に達していない)場合、スキャナモータ55を加速及び又は減速させて回転速度を調整する。水平同期信号の周期が所定の周期なった(規定回転数に達した)ことを確認すると調整動作(検知動作)を完了する。また、定着器97が所定の定着可能温度に到達していることを判断する(T206)。
なお、図3に示すように、調整動作(検知動作)が完了するタイミング(T206)よりも前に、現像スリーブ92yが感光体90yに当接している(現像位置に到達している)。これに対して光源装置81yにおいては、少なくとも、現像スリーブ92yが現像位置への移動を開始してから、調整動作(検知動作)が完了するまでの間は、消灯している(ONでない)。これにより、現像スリーブ92yが感光体90yに当接していても、記録材に汚れを発生させる程のトナーが感光体90y上に付着してしまうことは無い。当然ながら、調整動作(検知動作)中に感光体90yに当接している中間転写ベルト94上に、感光体90yからトナーが転写されて2次転写ローラ95に付着してしまうこともない。
T206の判断が印字要求から所定の時間以内に行われたことを確認した後、エンジンコントローラ40は、水平同期検知手段54が設けられていないステーションの水平同期信号を生成する。そして、エンジンコントローラ40は、記録材Pに画像を形成可能な領域と、水平同期検知手段54でレーザ光を検出するタイミング以外では、光源装置81y、81m、81c、81kが発光しないようにビデオ信号にマスクする。マスク後のビデオ信号により、光源装置81cl、81y、81m、81c、81kにてレーザ光が変調され、光源装置81clから順次露光が開始される(T207)。
以上、プリント信号を画像形成装置Dが受けてから、スキャナユニットS1が露光を開始するまでのタイミングについて説明した。
以上説明したように、本実施例では、初めに静電潜像の形成が開始される感光体90clを照射するためのレーザ光を検出することで出力される水平同期信号を用いて、スキャナモータ55が確実に規定回転数に達したかを判断している。
従来、初めに静電潜像の形成が開始される感光体にて、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の有色トナーが現像される場合には、感光体上のトナーが中間転写ベルトを介して2次転写ローラに付着し、記録材Pの裏側を汚すことが懸念されていた。
これに対して本実施例では、感光体90cl上の静電潜像を現像するのにクリアトナーを用いている。このため、光源装置81clを強制発光させるスキャナモータ55の調整動作(検知動作)時に、光源装置81clからの光が感光体90clに照射されて感光体90clにトナーが付着してしまうことがあっても、感光体90clに付着するのはクリアトナーとなる。クリアトナーは、ユーザに視認されにくいため、感光体90cl上に現像され、中間転写ベルト94を介して2次転写ローラ95に付着しても、記録材Pの裏側を汚すことはなく、問題となることはない。
したがって、スキャナモータ55が立ち上がり安定状態となる前に、並行して画像形成のための次の処理を行うことが可能となり、記録材Pの汚れを抑制しつつ、ファーストプリントタイムをより短縮することが可能となる。
また、本実施例の構成により、初めに静電潜像の形成が開始される感光体90clにおいて、スキャナモータ55の調整動作(検知動作)の前に、現像スリーブ92clを現像位置に移動させ感光体90clに当接させておくことができる。これにより、スキャナモータ55が規定回転数に達したら(スキャナモータ55の調整動作の終了後)、直ちに、
感光体90clに対する露光動作(画像形成動作)を開始することができるので、ファーストプリントタイムをより短縮することが可能となる。
また、感光体90clのステーションよりも後に画像形成動作を開始する感光体90yのステーションでは、スキャナモータ55の調整動作(検知動作)が終了する前に、現像スリーブ92yの現像位置への移動を開始できる。これにより、画像形成動作を2番目に開始する、感光体90yのステーションにおいても、現像スリーブの現像位置への移動を開始するタイミングを早めることができるので、ファーストプリントタイムをより短縮させることができる。
ここで、本実施例ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに加え、クリアトナーを用いた場合について説明したが、これに限るものではない。初めに静電潜像の形成が開始される感光体にて現像されるトナーの色が、記録材Pの色と同じ色であれば、ユーザに視認されにくくなり、上述のような効果を得ることができる。例えば、白色の記録材を用いる場合には、初めに静電潜像の形成が開始される感光体にて現像されるトナーに、ホワイトトナー(白色トナー)を用いればよい。
また、本実施例では、光源装置81cl以外の光源装置は、光量調整時に発光してから画像形成動作時まで発光しない(消灯、ONでない)ように制御されるが、これに限るものではない。すなわち、感光体90の表面電位が、感光体90に現像スリーブ92が当接していてもトナーが付着しない程度の表面電位となるような微小な光量の光を感光体90に照射していてもよい。
また、本実施例では、各感光体90から中間転写ベルト94上にトナー像を転写し、そのトナー像を中間転写ベルト94上から記録材Pに転写する中間転写方式の画像形成装置について説明したが、これに限るものではない。すなわち、各感光体90にそれぞれに当接可能な搬送ベルトに担持搬送された記録材に、各感光体90から直接、トナー像を転写させる方式の画像形成装置においても本発明を好適に適用することができる。この場合には、感光体90clに搬送ベルトが当接している間に、スキャナモータ55の調整動作(検知動作)が行われることになる。
40…エンジンコントローラ、53…回転多面鏡、54…水平同期検知手段、81…光源装置、90…感光体、92…現像スリーブ、D…画像形成装置

Claims (11)

  1. 感光体、光を発する光源、及び、現像位置と前記現像位置から退避した位置に移動可能な現像部材をそれぞれ備える第1、第2画像形成手段と、
    前記第1、第2画像形成手段の光源が発する光を反射する回転多面鏡と、
    を有し、
    前記第1、第2画像形成手段の各々は、それぞれの感光体に対し、それぞれの光源の発する光を前記回転多面鏡で反射させて照射することにより潜像を形成し、前記現像位置にあるそれぞれの現像部材で前記潜像をトナーで現像して記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置において、
    前記第1画像形成手段の光源から発せられ前記回転多面鏡で反射された光を検知する検知手段と、
    前記第1画像形成手段の光源を発光し続けることにより、前記検知手段に複数回、光を検知させる検知動作を実行する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記第1画像形成手段が画像形成動作を実行する前に前記検知動作を実行し、前記検知動作を実行中には前記第1画像形成手段における前記現像部材の前記現像位置への移動を開始させており
    前記第1画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられるトナーは、透明トナー、又は記録材の色と同じ色のトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検知動作の終了後、前記第1画像形成手段による画像形成動作が実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1画像形成手段による画像形成動作は、前記第2画像形成手段による画像形成動作よりも先に開始されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2画像形成手段は、前記検知動作が終了する前に、前記現像部材の前記現像位置への移動を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2画像形成手段の前記現像部材の前記現像位置への移動を開始してから前記検知動作が完了するまでの間、前記第2画像形成手段の光源を発光させないことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記第2画像形成手段の前記現像部材を前記現像位置へ移動させる動作を行っている間、前記第2画像形成手段の感光体にトナーが付着しない程度の光量で前記第2画像形成手段の光源を発光させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1、第2画像形成手段の光源は、それぞれが発する光が前記回転多面鏡の同一面に同じタイミングで入射することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1、第2画像形成手段の感光体にそれぞれ当接可能な無端状のベルトを有し、前記第1画像形成手段の感光体は、前記第2画像形成手段の感光体よりも前記ベルトの回転方向の上流側に配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1画像形成手段の感光体に前記ベルトが当接している間に前記検知動作を実行することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記現像位置は、前記現像部材が対応する前記感光体に当接する位置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 感光体、光を発する光源、及び、現像位置と前記現像位置から退避した位置に移動可能な現像部材をそれぞれ備える第1、第2画像形成手段と、
    前記第1、第2画像形成手段の光源が発する光を反射する回転多面鏡と、
    を有し、
    前記第1、第2画像形成手段の各々は、それぞれの感光体に対し、それぞれの光源の発する光を前記回転多面鏡で反射させて照射することにより潜像を形成し、前記現像位置にあるそれぞれの現像部材で前記潜像をトナーで現像して記録材に画像を形成する画像形成動作を実行可能な画像形成装置において、
    前記第1画像形成手段の光源から発せられ前記回転多面鏡で反射された光を検知する検知手段と、
    前記第1画像形成手段の光源を発光し続けることにより、前記検知手段に複数回、光を検知させる検知動作を実行する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記第1画像形成手段が画像形成動作を実行する前に前記検知動作を実行し、前記検知動作を実行中には前記第1画像形成手段における前記現像部材の前記現像位置への移動を開始させており、
    前記第1画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられる第1色のトナーは、前記第2画像形成手段で前記潜像を現像するために用いられる第2色のトナーよりも記録材上において視認されにくいトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
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