JP6140543B2 - 臭気除去方法 - Google Patents

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本発明は、既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法に関する。
下水管は長年の使用により劣化し、その耐用年数は一般に約50年とされているため、耐用年数を超えた下水管は年々増加している。老朽化した下水管は変形や亀裂等が生じており、下水の流下機能が低下するだけでなく、下水管周囲の地下水や土砂が下水管内に流入することによって地中に空洞が生じることから地面陥没の原因にもなっている。また、地中に埋設される下水管は地震等の地盤変動による影響を受けやすいこともあり、種々の事情から所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
下水道等の既設管の補修方法としては、例えば、光や熱で硬化する硬化性樹脂組成物を含むライニング材で内層管を形成する補修方法が知られている(特許文献1及び2)。この補修方法では、未硬化状態の管状のライニング材を折り畳まれた状態で既設管内に導入した後、ライニング材の両端部を閉塞部材で密閉し、その密閉空間内に圧縮空気を供給して、ライニング材を折り畳まれた状態から既設管内面に密着させた状態としてから、光や熱によりライニング材を硬化させ、既設管内面を硬化したライニング材(内層管)で被覆している。
特開2010−064261号公報 特開平9−123279号公報
上記のようなライニング材を用いた既設管補修方法では、硬化後のライニング材に揮発性の物質(スチレン等の低分子化合物)が残存し、これが揮発して臭気が発生するという問題がある。この臭気は、補修後数ヶ月に亘って発生し続けるので近隣住民への影響が少なくなく、また、臭気の原因物質は環境に対して不適である場合もあるため除去する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬化後のライニング材から発生する臭気を除去する方法を提供することにある。
上記目的を解決するため、請求項1に記載の臭気除去方法は、
既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、前記加熱は、火炎噴射器を前記ライニング材の長さ方向の一方の端部の近傍に配置し、他方の端部方向に火炎を噴射することにより行うことを特徴とする。
この構成によれば、硬化後のライニング材を加熱してライニング材に含まれる臭気原因物質の気化を促すことにより、ライニング材内部の臭気原因物質の量が低減されるので、ライニング材から発生する臭気を抑制することができる。また、火炎噴射器を上記箇所に配置して稼働させるだけで硬化したライニング材を加熱することができるので、加熱作業の容易化が図られる。特に、作業者が立ち入り難い下水道等の埋設管に好適に適用することができる。
請求項2に記載の臭気除去方法は、
既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、前記加熱は、加熱工程用加熱装置を前記ライニング材の内側に配置して移動させることにより行い、前記加熱工程用加熱装置による加熱時に前記ライニング材の一端から他端に向けて気体を流すことを特徴とする。
この構成によれば、硬化後のライニング材を加熱してライニング材に含まれる臭気原因物質の気化を促すことにより、ライニング材内部の臭気原因物質の量が低減されるので、ライニング材から発生する臭気を抑制することができる。また、加熱装置によりライニング材内面近くから確実に熱エネルギーを付与することができるので、臭気原因物質の気化を的確に促すことができる。さらに、この構成によれば、加熱をしながら気化した臭気をライニング材の外に送ることができるので、既設管の内側で臭気が滞ることなく、効率的に臭気を除去することが可能となる。
請求項3に記載の臭気除去方法は、
既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、前記硬化前のライニング材は、前記硬化性樹脂組成物を含む基材層と、該基材層の一方の面に積層され且つ前記密着状態において前記基材層よりも内側に位置する内側保護フィルム層とを有し、前記ライニング材の硬化後且つ前記加熱工程の前に、前記内側保護フィルム層を剥離する剥離工程を行うことを特徴とする。
この構成によれば、硬化後のライニング材を加熱してライニング材に含まれる臭気原因物質の気化を促すことにより、ライニング材内部の臭気原因物質の量が低減されるので、ライニング材から発生する臭気を抑制することができる。また、一般にライニング材として使用されることが多い内側保護フィルムを有するライニング材において、そのライニング材を基材層が内側保護フィルムで保護されている状態で硬化した後、内側保護フィルムを剥離して硬化性樹脂組成物が硬化した基材層を露出させ、臭気原因物質を含む基材層を直接加熱することで、臭気原因物質を効率的に気化させることができる。
請求項4に記載の臭気除去方法は、
前記加熱は、加熱流体を前記ライニング材の一端から他端に向けて送ることにより行うことを特徴とする。
この構成によれば、加熱をしながら気化した臭気をライニング材の外に送ることができるので、既設管の内側で臭気が滞ることなく、効率的に臭気を除去することが可能となる。
請求項に記載の臭気除去方法は、
前記加熱は、前記ライニング材の長さ方向両端を密閉して行うことを特徴とする。
この構成によれば、ライニング材の内側に密閉空間が形成されるので、加熱を行う際にはライニング材の外側の周囲環境を考慮する必要はなく、密閉空間の温度のみを考慮すればよいため、加熱温度の調整が容易となる。
請求項に記載の臭気除去方法は、
前記硬化性樹脂組成物は、重合性樹脂、重合性モノマー及び重合開始剤を含み、前記臭気は未反応の前記重合性モノマーに起因するものであることを特徴とする。
ライニング材に使用されることが多い上記成分を含む硬化性樹脂組成物には硬化反応が良好に行われるように重合性モノマーを過剰量で配合することが多く、未反応の重合性モノマーが硬化後のライニング材の内部に残り、それが臭気原因物質となる。本発明はそのような硬化性樹脂組成物を用いたライニング材に好適に適用することができる。
本発明の臭気除去方法によれば、ライニング材に含まれる臭気原因物質の気化を促し、ライニング材に含まれる臭気原因物質を低減することにより、ライニング材から発生する臭気を抑制することができる。したがって、既設管補修後において臭気による近隣住民や環境への影響を防止することが可能となる。
既設管の補修過程を示す説明図である。 既設管の補修完了後の状態を示す説明図である。 ライニング材を加熱流体で加熱する様子を示す説明図である。 ライニング材を火炎噴射器で加熱する様子を示す説明図である。 ライニング材を移動式加熱装置で加熱する様子を示す説明図である。 ライニング材の一例を示す部分断面図である。
以下、本発明の臭気除去方法の実施の形態を詳細に説明する。本発明の臭気除去方法は、既設管の内面を被覆している硬化後のライニング材を加熱する工程を含む。すなわち、本発明の臭気除去方法を行う前にはライニング材を使用した既設管の補修が既に行われた状態にある。以下、本発明の前提となるライニング材を用いた既設管の補修についてまず説明する。
硬化性樹脂組成物を含むライニング材を使用した既設管の補修は従来と同様の方法で行われる。以下の例では、光硬化性樹脂組成物を含むライニング材(光硬化性ライニング材)を用いた場合を説明するが、本発明の臭気除去方法は熱硬化性樹脂組成物を含むライニング材(熱硬化性ライニング材)を使用した場合でも適用可能である。
図1は既設管としての下水道本管100内に導入された硬化性樹脂組成物を含む管状のライニング材50を硬化している状況(補修作業)を示す説明図である。補修前の事前準備として、マンホール102−1において補修対象の下水道本管100と間接的に接続される上流側の下水道本管101−1内に、下水の流れを塞き止めるための塞止部材90が設置される。
下水道本管100内に導入された未硬化状態のライニング材50は、その両端が閉塞部材62−1、62−2で密閉され、これにより形成した密閉空間70に作業機66からホース68を介して気体を導入することによりライニング材50の外面と下水道本管100の内面が密着した状態となっている。閉塞部材62−1、62−2は、その内部に後述するケーブル64やホース68、74を挿通することができる円柱状の形状をしており、ライニング材50の端部内側に設置されてライニング材50の外側からバンド63で締め付けられて固定されている。
そして、上記密着状態で光照射装置60によりライニング材50に光照射を行うことによりライニング材50を硬化させる。光照射装置60は移動式のものであり、ケーブル64で牽引することにより一方の閉塞部材62−1側から他方の閉塞部材62−2側に向けて移動しながら光硬化性ライニング材50に光照射を行う。なお、光硬化反応により生じる熱をライニング材50の外に逃すために、光照射の際には、作業機66からホース68を介して密閉空間70に空気等の気体を導入し、他端からホース74を介して気体回収機72で導入した気体を回収することで、密閉空間70内には閉塞部材62−2側から閉塞部材62−1側に向けて気体が流れている。
ライニング材50全体を光照射して硬化作業を終えた後、硬化反応により高温となったライニング材50を、自然冷却により又は密閉空間70に冷風等を供給することにより冷却する。その後、両端の閉塞部材62−1、62−2を取り外し、光照射装置20を取り出し、硬化したライニング材12の両端の管口処理を行うことで、図2に示すように、下水道本管100の内面上に硬化した筒状のライニング材(内層管)50が形成され、補修作業が完了する。なお、ライニング材が熱硬化性ライニング材の場合は、ヒータや赤外線照射機能を備えた加熱装置を上記光照射装置60と同じように移動させながら加熱を行うことによりライニング材を硬化させる。
このように硬化したライニング材50は硬化性樹脂組成物に含まれる臭気原因物質を起因として臭気が発生している。本発明では、この臭気を除去するため、硬化したライニング材50の加熱を行う。
硬化後のライニング材50を加熱することにより、ライニング材50に含まれる臭気原因物質の気化を促すことができ、加熱後のライニング材50に含まれる臭気原因物質が低減されることから、ライニング材50から発生する臭気を抑制することができる。
加熱を行う方法としては、加熱流体をライニング材50の内側でその一端から他端に向けて送ることにより行う方法や、加熱装置をライニング材50の内側に配置して移動させることにより行う方法等を採用することができる。
図3は本発明の実施の形態の一例を示す説明図であり、硬化したライニング材50を加熱流体により加熱する様子を示している。ライニング材50の内側の両端部には閉塞部材12−1、12−2が設置されて、ライニング材50の内側の空間は密閉空間80とされている。
閉塞部材12−1及び12−2はそれぞれホース16、20が挿通される挿通部が備えられている。加熱を行うには、加熱流体供給機14からホース16を介して閉塞部材12−2側から密閉空間80内に加熱流体を導入する。一方、閉塞部材12−1側では、加熱流体回収機18によってホース20を介して密閉空間80の加熱流体が排出される。これにより、ライニング材50の内側の密閉空間80には、閉塞部材12−2側から閉塞部材12−1側に向けて(矢印200方向に)加熱流体が送られている。加熱流体としては、加熱した空気や水蒸気等を使用することができる。加熱流体の温度は60〜90℃であることが好ましい。この温度範囲内であれば硬化したライニング材の過度の温度上昇による劣化が生じることなく、効果的に臭気発生物質を気化させることが可能である。
閉塞部材12−1側から排出される加熱流体にはライニング材50に含まれていた臭気原因物質の気化物が含まれており、加熱流体回収機18によってその気化物は処理される。
本図で示した加熱方法によれば、加熱をしながら気化した臭気をライニング材の外に排出することができるので、下水道本館100の内側で臭気が滞ることなく、効率的に臭気を除去することが可能である。
図4は本発明の他の実施の形態を示す説明図であり、硬化後のライニング材50の他の加熱方法を示す説明図である。図示されているように、バーナー等の火炎噴射器30が一方のマンホール102−1の底部に設置され、ライニング材50の長さ方向端部50aの外側近傍に配置されている。そして、火炎噴射器30から他方の端部50b方向に向けて火炎が噴射される。火炎噴射器30とライニング材50の間には、ラッパ口部材32が配置されており、これにより火炎噴射器30により生じた熱風が周りの空気を抱き込んでライニング材50の内側に送り込まれている。ラッパ口部材34は、火炎噴射器30の火炎噴射能力等を考慮して必要に応じて配置されるものである。
そして、ライニング材50の内側に送り込まれた熱風は、一方のマンホール102−2側から他方のマンホール102−1側(矢印方向)に送られ、更にライニング材50の他方の端部50bを通過した後はマンホール102−1内を上方に向かって送られる。上方に向かって送られた熱風は、マンホール102−1上の地上に配置された臭気処理装置34(活性炭等の吸着剤が含まれている。)に入り、ここで熱風に含まれる臭気は処理される。臭気処理装置34にはファン35が備えられており、ファン35を稼働させることにより熱風を効率的に取り込んでいる。処理された気体は排気管34aから排出される。
本図で示した加熱方法によれば、火炎噴射器30を上記箇所に配置して稼働させるだけで硬化したライニング材50を加熱することができるので、加熱作業の容易化が図られる。
なお、臭気処理装置34に流入する前の気体中の臭気原因物質の濃度を測定するために、臭気処理装置34の下に濃度測定器を取り付けることも好適である。これにより、臭気の除去程度を確認することができるので作業を効率的に行うことができる。
図5は本発明の他の実施の形態を示す説明図であり、硬化後のライニング材の内側に加熱装置36を配置して移動させることにより加熱を行う様子を示している。図3に示した例と同様に、閉塞部材12−1、12−2をライニング材50の内側の両端近傍に配置することにより密閉空間80が形成されている。
密閉空間80には2つのヒータが連結された移動式の加熱装置36が配置されており、ケーブル38で牽引することにより一方の閉塞部材12−1側から他方の閉塞部材12−2側に向けて(矢印300方向に)移動しながらライニング材50を加熱し、ライニング材50に含まれる臭気原因物質の気化を促している。
密閉空間80には、地上に配置された作業機22からホース24を介して気体が導入されており、導入された気体は気体回収機26によってホース28を介して密閉空間80の外に排出され、これにより、一方の閉塞部材12−1側から他方に閉塞部材12−2側に向けて(矢印400方向に)気体が送られている。この気体は現場の雰囲気温度の気体でもよいし、加熱した気体でもよい。気体回収機26では回収された気体に含まれる臭気原因物質の処理が行われる。
ライニング材50の全域を加熱装置36により加熱した後、加熱装置36、閉塞部材12−1、12−2等を撤去し、臭気除去作業が終了する。
本図で示した加熱方法によれば、加熱装置36によりライニング材50内面近くから確実に熱エネルギーを付与することができるので、臭気原因物質の気化を的確に促すことができる。また、加熱をしながら気化した臭気をライニング材50の外に排出しているので、下水道本館100の内側で臭気が滞ることなく、効率的に臭気を除去することが可能である。
図3〜図5に示した例において、加熱を行う時間は、対象となる管の管径や長さあるいは周囲環境温度等によって異なるが、例えば2〜5時間である。また、図3及び図5で示した例では、一方の閉塞部材12−1は設けずに開放状態として、加熱流体回収機18(図3)及び気体回収機26(図5)の代わりに、図4で示した臭気処理機34を配置してもよい。
また、図3及び図5に示した例では、ライニング材50の内側に密閉空間80が形成されているので、加熱を行う際にはライニング材50の外側の周囲環境を考慮する必要はなく、密閉空間80の温度のみを考慮すればよいため、加熱温度の調整が容易となる。
図6は硬化前のライニング材50の一例を示す部分断面図である。ライニング材50は、硬化性樹脂組成物を含む基材層42と、基材層42の内側に積層される内側保護フィルム44と、基材層42の外側に積層される外側保護フィルム46とを有している。ライニング材50が下水道本管100に密着した状態では、外側保護フィルム46が下水道本管100に接した状態となり、内側保護フィルム44は基材層42よりも内側に位置した状態となる。基材層42はガラス繊維などの基材に硬化性樹脂組成物を含浸させることにより形成することができる。
硬化前のライニング材50の硬化作業では、内側保護フィルム44は剥離されていない状態で光照射や加熱によるライニング材50の硬化が行われ、硬化後に内側保護フィルム50は剥離されるが、剥離すると臭気原因物質を含む基材層42が露出した状態となり、臭気原因物質が光硬化性ライニング材50の内側からマンホール102を介して地上に放散される。本発明では、このようなライニング材50を用いて補修作業を行った場合に、露出した基材層を直接加熱することで、効率的に臭気を除去することができる。
本発明では、未硬化状態のライニング材に含まれる硬化性樹脂組成物は光で硬化する光硬化性樹脂組成物であってもよいし、熱で硬化する熱硬化性樹脂組成物であってもよい。
硬化性樹脂組成物には通常、重合性樹脂、重合性モノマー及び重合開始剤が含まれる。本発明において、これら成分及び配合量は従来から用いられているものと同様でよい。
重合性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を使用することができる。不飽和ポリエステル又はビニルエステル樹脂等の重合性樹脂は重合性モノマーに溶解された溶解液として使用される。重合性モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン及びα−メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート系モノマーを挙げることができる。これら重合性モノマーは、単独使用でも2種以上併用でもよい。一般的にはスチレンが使用される。
重合性モノマーは硬化性樹脂組成物全体の質量に対して一般に25〜40質量%の量で使用される。
重合開始剤としては、熱硬化性ライニング材の場合には熱で分解する有機過酸化物等を使用することができ、光硬化性ライニング材の場合には、公知の紫外線重合開始剤及び/又は可視光重合開始剤等の光重合開始剤を使用することができる。重合開始剤の使用量は、硬化性樹脂組成物全体の質量に対して通常0.01〜7質量%である。
硬化性樹脂組成物には、反応を良好に行わせるため、重合性モノマーを過剰量で使用することが多いが、これにより未反応の重合性モノマーが硬化後のライニング材に残存し、臭気の原因となる。本発明の臭気除去方法は、このようなスチレン等の未反応の重合性モノマーに起因する臭気の除去に好適に適用することができる。
本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を超えない範囲で種々の変更が可能である。本発明の臭気除去方法は、ライニング材を硬化した後すぐに行ってもよいし、一定期間(数日〜数ヶ月)経過した後に行ってもよい。
また、上述した例では、既設管としてマンホール間に埋設される下水道本管を例にとって説明したがこれに限られず、本発明は集水桝と下水道本管とを連通接続する取付管や、地上に在る種々の配管にも適用可能である。
12−1、12−2 閉塞部材
14 加熱流体供給機
16 ホース
18 加熱流体回収機
20 ホース
22 気体供給機
24 ホース
26 気体回収機
28 ホース
30 火炎噴射器
32 ラッパ口部材
34 臭気処理器
35 ファン
36 加熱装置
38 ケーブル
42 基材層
44 内側保護フィルム
46 外側保護フィルム
50 ライニング材
60 光照射装置
62−1、62−2 閉塞部材
64 ケーブル
66 作業機
68 ホース
70 密閉空間
72 気体回収機
74 ホース
80 密閉空間
90 閉塞部材
100 下水道本管
102−1、102−2 マンホール

Claims (6)

  1. 既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、
    硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、
    前記加熱は、火炎噴射器を前記ライニング材の長さ方向の一方の端部の近傍に配置し、他方の端部方向に火炎を噴射することにより行うことを特徴とする臭気除去方法。
  2. 既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、
    硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、
    前記加熱は、加熱工程用加熱装置を前記ライニング材の内側に配置して移動させることにより行い、
    前記加熱工程用加熱装置による加熱時に前記ライニング材の一端から他端に向けて気体を流すことを特徴とする臭気除去方法。
  3. 既設管の内面に硬化性樹脂組成物を含むライニング材を密着させて硬化させた後に発生する臭気を除去する方法であって、
    硬化した前記ライニング材を加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程は、前記硬化を行うために前記ライニング材の内側に配置された光照射装置又は硬化用加熱装置を前記ライニング材の内側から取り除いた後に行い、
    前記硬化前のライニング材は、前記硬化性樹脂組成物を含む基材層と、該基材層の一方の面に積層され且つ前記密着状態において前記基材層よりも内側に位置する内側保護フィルム層とを有し、
    前記ライニング材の硬化後且つ前記加熱工程の前に、前記内側保護フィルム層を剥離する剥離工程を行うことを特徴とする臭気除去方法。
  4. 前記加熱は、加熱流体を前記ライニング材の一端から他端に向けて送ることにより行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の臭気除去方法。
  5. 前記加熱は、前記ライニング材の長さ方向両端を密閉して行うことを特徴とする請求項2及び3、並びに請求項2及び3を引用する請求項4に記載の臭気除去方法。
  6. 前記硬化性樹脂組成物は、重合性樹脂、重合性モノマー及び重合開始剤を含み、前記臭気は未反応の前記重合性モノマーに起因するものであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の臭気除去方法。
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