JP2022071042A - 管路内周面裏打工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法に関し、硬化工程に要する時間を短くする。【解決手段】裏打材を管路の内周面に向けて押し付けながら裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、硬化工程が、管路に沿って延在した裏打材を管路の内周面に向けて押し付けながら裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる工程であり、温度監視工程が、裏打材の延在方向における裏打材の複数箇所の温度を監視する工程であり、温度監視工程において裏打材の温度が複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じたことを確認した後、裏打材の温度がピーク温度に達した時点から所定時間が経過したタイミングで硬化工程を終了させる。【選択図】図7

Description

本発明は、地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法に関する。
従来、下水を流す下水管路や電力ケーブルが収容された地中電線管路等の地中に埋設された管路が存在する。この管路は、地震や老朽化等により、ひび割れたり継ぎ手部分が離間して隙間を生じたり、あるいは継ぎ手部分がずれて段差を生じることがある。また、老朽化しなくても、管路を新たに敷設した際に、継ぎ手部分に隙間や段差が生じてしまうこともある。ひび割れ、隙間または段差が管路に存在すると、管路内の下水等が外に漏れ出る虞があり、また管路内に雨水や土砂等が浸入する虞もある。
このひび割れや隙間が存在する管路を補修する技術として、硬化性樹脂を含浸した裏打材を管路の内周面に押し付けた状態で硬化性樹脂を硬化させ、硬化性樹脂が硬化した裏打材で裏打ちする技術が提案されている(例えば特許文献1および2)。
また、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、その熱硬化性樹脂を加熱する際に、温度測定手段を用いて加熱媒体の温度(加熱温度)を管理する技術を本願出願人は提案している(特許文献3)。この特許文献3では、目標加熱温度で目標時間加熱したら加熱を終了している。
特開2002-1818号公報 特開平8-159367号公報 特開2012-101407号公報
特許文献3における技術でも、裏打材の温度を測定しているものの、監視対象は加熱媒体の温度であり、熱硬化性樹脂が実際に硬化したか否かに全く着目をしておらず、目標加熱温度で加熱し続ける目標加熱時間を安全を見て長めにとることで熱硬化性樹脂の硬化を保証していた。このため、熱硬化性樹脂を加熱する硬化工程に要する時間が長くなりがちであった。このことは熱硬化性樹脂に限ったことではなく、例えば、光硬化性樹脂でも、光硬化性樹脂に光を照射する照射時間を安全を見て長めにとることで、硬化工程に要する時間が長くなりがちであった。
本発明は上記事情に鑑み、硬化工程に要する時間を短くすることができる管路内周面裏打工法を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の第一の管路内周面裏打工法は、
地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、
前記硬化工程が、前記管路に沿って延在した前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
前記温度監視工程が、前記裏打材の延在方向における該裏打材の複数箇所の温度を監視する工程であり、
前記温度監視工程において前記裏打材の温度が前記複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材の温度がピーク温度に達した時点から所定時間が経過したタイミングで前記硬化工程を終了させることを特徴とする。
また、上記目的を解決する本発明の第二の管路内周面裏打工法は、
地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、
前記硬化工程が、前記管路に沿って延在し、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂が含浸された前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら、該管路の一端側から加熱媒体を該裏打材に供給し供給された該加熱媒体を該管路の他端側から回収することによって該熱硬化性樹脂を加熱し該熱硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
前記温度監視工程が、前記裏打材のうち、少なくとも前記管路の前記他端に位置する他端箇所における温度を監視する工程であり、
前記温度監視工程において前記裏打材の前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材の温度がピーク温度に達した時点から所定時間が経過したタイミングで前記硬化工程を終了させることを特徴とする。
さらに、
地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、
前記温度監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させることを特徴としてもよい。
本願発明者は、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等の硬化性樹脂が硬化する際に生じる硬化発熱に着目した。この硬化発熱により裏打材の温度は一旦は上昇し、その後、下降に転じる。硬化性樹脂の硬化は、下降に転じた後も続いていると考えられるが、裏打材の温度がピークに達した時点が、最も硬化反応が激しく、単位時間当たりの硬化の進行具合は最大であると考えられる。裏打材の温度は、下降に転じた後、やがてはほぼ一定の温度に落ち着く。裏打材の温度がピークに達してからほぼ一定に落ち着くまで、加熱や光照射といった硬化工程を継続しており、裏打材の温度がほぼ一定に落ち着いた時点で、硬化性樹脂の硬化によって裏打材は所望の強度以上の十分な強度が得られていることがわかった。以上説明した特性を生かして、前記温度監視工程で裏打材の温度を監視し、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させる。こうすることで、硬化工程に要する時間を短くすることができる。
なお、硬化工程は、光硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線等の光を照射する工程であり、「前記硬化工程を終了させる」とは、光の照射を終了させることを意味する。また、熱硬化性樹脂を用いた場合には、温水を供給して加熱する工程であり、「前記硬化工程を終了させる」とは、温水の供給を終了させることを意味する。硬化工程が終了しても、硬化性樹脂の硬化は継続する場合がある。
ここで、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させるタイミングは、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、所定時間が経過したタイミングであってもよい。この所定時間は、実験によって予め定めておいた時間であり、例えば、裏打材の温度がピークに達してからほぼ一定に落ち着くまでの時間であってもよいし、その時間の少し前の時間であってもよく、前記所定時間の長さは、硬化性樹脂の硬化の程度に応じて定まる裏打材の強度をどの程度まで求めるかによって決まり、この長さは樹脂の種類によっても変わってくる。さらには、熱硬化性樹脂の場合は、硬化工程が終了しても、余熱によって硬化はまだ促進する場合があり、硬化工程終了後に急冷するか徐冷するかによっても、熱硬化性樹脂の硬化の程度は変わってくるため、上記所定時間の長さも変わってくる。
また、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させるタイミングは、上記所定時間を用いた時間管理の他、前記温度監視工程で監視している前記裏打材の温度を用いた管理によっても行うことができる。例えば、裏打材の温度が、上昇から下降に転じた後、ほぼ一定となる温度まで低下したタイミングであってもよい。あるいは、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じた後、再び上昇したタイミングであってもよい。なお、ここにいう再び上昇したタイミングとは、温度上昇が僅かでも認められたタイミングであってもよいし、例えば、10分間の間にN℃以上の温度上昇が認められたタイミングであってもよい。また、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じた後、±M℃/10分を下回る温度変化に落ち着いたタイミングであってもよい。なお、M=N/2であってもよい。
また、前記裏打材を前記管路内に配置した後、該裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けることを開始してもよい。前記裏打材を前記管路内に配置するには、該裏打材を該管路内に引き込んでもよいし、送り出してもよい。あるいは、前記裏打材を前記管路内に進出させながら該裏打材を該管路の内周面に向けて押し付ける、例えば、反転工法であってもよい。また、管路内を走行自在なパッカー等の装置に前記裏打材を装着し、該装置によって管路内に運び入れてもよい。
前記裏打材は、前記管路の全長を裏打するものであってもよいし、該管路の全周を裏打するものであってもよいし、前記管路の全長かつ全周を裏打するものであってもよい。あるいは、前記管路の全長の一部のみを裏打するものであってもよいし、該管路の全周の一部のみを裏打するものであってもよいし、前記管路の全長の一部かつ全周の一部のみを裏打するものであってもよい。また、前記裏打材は、筒状であってもよいし、シート状であってもよい。
前記裏打材の温度は、熱電対によって測定した温度であってもよい。
前記裏打材の温度は、1か所の温度であってもよいし、複数箇所の温度であってもよい。
また、
前記硬化工程が、前記管路に沿って延在した前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
前記温度監視工程が、前記裏打材の延在方向における該裏打材の複数箇所の温度を監視する工程であり、
前記温度監視工程において前記裏打材の温度が前記複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させることを特徴としてもよい。
上述のごとく、裏打材の温度がピークに達した時点が、最も硬化反応が激しく、単位時間当たりの硬化の進行具合は最大であると考えられ、その後も、さらに硬化が進み、裏打材の強度は、所望の強度以上に達する。前記裏打材の温度が前記複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じることを確認することで、これまで管口でしかわからなかった硬化性樹脂の硬化を、裏打材の延在方向における前記複数箇所で確認することができ、画期的である。
ここでも、前記温度監視工程において前記裏打材の温度が前記複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じ、該複数箇所のうち一番最後に該裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、所定時間が経過すると前記硬化工程を終了させるようにしてもよいし、該裏打材の温度がほぼ一定となる温度まで低下したら該硬化工程を終了させるようにしてもよい。また、前記複数箇所のうち一番最後に該裏打材の温度が上昇から下降に転じた後、一番最後に該裏打材の温度が上昇から下降に転じた箇所で再び温度上昇が確認されたら前記硬化工程を終了させるようにしてもよい。なお、ここにいう温度上昇とは、温度が僅かでも上昇した場合であってもよいし、例えば、10分間の間にN℃以上温度が上昇した場合であってもよい。また、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じた後、±M℃/10分を下回る温度変化に落ち着いたことが確認されたら前記硬化工程を終了させるようにしてもよい。なお、M=N/2であってもよい。
なお、前記硬化工程が、前記複数箇所付近それぞれに加熱媒体を供給することで前記裏打材に含浸された熱硬化性樹脂を加熱する工程であってもよい。
また、前記裏打材が前記管路の全長を裏打するものである場合は、前記温度監視工程が、前記裏打材の全長にわたる複数箇所の温度を監視する工程であってもよく、さらに、前記複数箇所は、前記裏打材の全長にわたって同じ間隔で設けられた箇所であってもよいし、異なる間隔で設けられた箇所であってもよい。例えば、硬化しにくくなる領域ほど、前記間隔を狭くしてもよい。
また、
前記硬化工程が、前記管路に沿って延在し、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂が含浸された前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら、該管路の一端側から加熱媒体を該裏打材に供給し供給された該加熱媒体を該管路の他端側から回収することによって該熱硬化性樹脂を加熱し該熱硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
前記温度監視工程が、前記裏打材のうち、少なくとも前記管路の前記他端に位置する他端箇所における温度を監視する工程であり、
前記温度監視工程において前記裏打材の前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記硬化工程を終了させることを特徴としてもよい。
前記硬化工程における加熱媒体の供給の仕方から、前記裏打材のうち、前記他端箇所が最後に硬化が完了する箇所になり、前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じた後に該硬化工程を終了させることで、前記裏打材が延在方向にわたって所望の強度以上の強度を有することになる。
ただし、前記温度監視工程が、前記他端箇所だけの温度を監視することに限らず、該他端箇所を含めた前記裏打材の延在方向における複数箇所における温度を監視する工程であってもよい。この場合、前記複数箇所のうち、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じない箇所があった場合でも、前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じた後に前記硬化工程を終了させ、その後に、前記複数箇所のうち、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じなかった箇所を個別に硬化(例えば、ヒータ等で局所的に加熱したり、局所的に光照射)することで、前記硬化工程に要する時間を短くすることことができるとともに前記裏打材全体にわたって所望の強度以上の強度を得ることができる。
なおここでも、前記温度監視工程において前記裏打材の前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、所定時間が経過すると前記硬化工程を終了させるようにしてもよいし、該裏打材の温度がほぼ一定となる温度まで低下したら該硬化工程を終了させるようにしてもよい。また、前記裏打材の前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じた後、該他端箇所において再び温度上昇が確認されたら前記硬化工程を終了させるようにしてもよい。なお、ここにいう温度上昇とは、温度が僅かでも上昇した場合であってもよいし、例えば、10分間の間にN℃以上温度が上昇した場合であってもよい。また、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じた後、±M℃/10分を下回る温度変化に落ち着いたことが確認されたら前記硬化工程を終了させるようにしてもよい。なお、M=N/2であってもよい。
また、前記硬化工程が、硬化性樹脂として光硬化性樹脂が含浸された前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら、該光硬化性樹脂に光を照射し該光硬化性樹脂を硬化させる工程であってもよい。ここでの光照射は、前記管路内に光照射用ランプを走行させ、照射位置を変更させながら光硬化性樹脂を部分的に硬化させていってもよい。
また、
前記温度監視工程は、前記裏打材に沿って延在した光ファイバを用いて測定した温度を監視する工程であることが好ましい。
すなわち、前記温度監視工程は、前記光ファイバを用いて前記複数箇所において測定した温度を監視する工程であってもよいし、前記光ファイバを用いて前記他端箇所において測定した温度を監視する工程であってもよい。
ここで、前記光ファイバは、前記裏打材の延在方向に延びるテープによって固定されたものであってもよい。
また、前記裏打材が筒状あるいはシート状で両端が重なり合ったものである場合には、前記光ファイバは、該裏打材の周方向にも複数配置されたものであってもよい。あるいは、前記光ファイバが、前記管路の上方部分(12時の位置の辺り)で前記裏打材に沿って延在したものであれば、前記管路内への前記光ファイバの挿入時に該光ファイバが擦れて傷つくことを防止することができる。なお、光ファイバの挿入時とは、光ファイバ単独で挿入される場合の他、裏打材と一緒に挿入される場合も含まれる。また、前記管路に取付管が取り付けられている場合には、該管路における該取付管の取付位置付近を通るように前記光ファイバを配置してもよい。硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、前記取付位置に地下水が入り込んでくることがあり、該取付位置では熱硬化性樹脂の温度が低下して硬化が遅れる恐れがあることから監視対象とすることが好ましい。
また、前記光ファイバは、前記裏打材に接したものであってもよい。例えば、前記光ファイバは、前記裏打材の内周面に配置されたものであってもよい。また、前記光ファイバは、前記裏打材の外周面と内周面の間に配置されたものであってもよい。
あるいは、前記光ファイバは、前記管路の内周面と前記裏打材の外周面との間に配置されたものであってもよい。この場合、前記光ファイバは、チューブの中に配置され、該チューブから抜き引き可能なものであってもよい。前記チューブが前記光ファイバを保護するものになったり、硬化性樹脂硬化後に前記チューブから前記光ファイバを引き抜いて、該光ファイバを再利用することができる。さらに、前記チューブは、前記光ファイバよりも硬いものであることが好ましい。前記管路に取付管が取り付けられている場合には、硬化性樹脂硬化後に裏打材における該取付管の接続口部分を穿孔する必要がある。この際に、穿孔箇所に光ファイバが通っていると、温度測定の役目を果たした光ファイバも切断されることになるが、光ファイバは柔らかいため、切断しようとしてもうまく切断できずに残ってしまい、管路内に垂れ下がってしまう恐れがある。一方、光ファイバが引き抜かれた後のチューブは、硬いものであれば、きれいに切断される。
なお、前記光ファイバは、前記裏打材の変形測定にも利用することができる。
本発明の管路内周面裏打工法によれば、硬化工程に要する時間を短くすることができる。
管路の内周面に形成された管路内周側構造体を表す概略図である。 図1に示したA-A線で管路内周側構造体および管路を切断した断面図である。 筒状裏打材と、光ファイバが挿通されている保護チューブを、マンホールの入り口近傍に準備した様子を表す概略図である。 筒状裏打材の後端部分を示す図である。 内張材を管路に進出させる進出行程を表す概略図である。 筒状裏打材を管路の内周面に向けて押し付けながら筒状裏打材に含浸された熱硬化性樹脂を加熱する加熱工程を表す概略図である。 温度測定部材の光ファイバで筒状裏打材の温度を測定した結果を表すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は、管路の内周面に形成された管路内周側構造体を表す概略図である。図1(b)は管路に生じた隙間部分を誇張して表す図であり、図1(c)は管路に生じた段差部分を誇張して表す図である。
地中21に埋められた下水管等の管路20には、管路20と地表とを繋ぐ複数のマンホール23が所定間隔で設けられている。この管路20には、図1(a)に示すひび割れ20aが生じたものがある。また、管路20には、図1(b)に示す隙間部分20bや図1(c)に示す段差部分20cが生じたものもある。この隙間部分20bや段差部分20cは、管路20を新たに敷設した時に生じることもあるし、敷設後の地震などが原因で生じることもある。隙間部分20bや段差部分20cが生じていると、管路20の内周面の縁は角部20dになってしまう。
これらの管路20の補修の目的で、筒状裏打材11と温度測定部材12から構成された管路内周側構造体10が形成される。本実施の形態における筒状裏打材11は裏打材の一例に相当する。
筒状裏打材11は、隣り合うマンホール23間の全長にわたって管路20の内周面を裏打ちしている。また、温度測定部材12も、隣り合うマンホール23間の全長にわたって延在している。筒状裏打材11は、熱硬化性樹脂を含浸した不織布と、この不織布の内周面および外周面に設けられた不透過性のフィルムとから構成されている。
熱硬化性樹脂は、ビニルエステル樹脂を主成分とし、これに、充填剤(フィラー)、熱硬化の特性を与える硬化剤(過酸化物等)、および各種の添加剤等を混合したものを採用している。なお、ビニルエステル樹脂に代えて、不飽和ポリエステル樹脂や、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。また、不透過性のフィルムは、気体や液体を透過しないフィルムである。
図2は図1に示したA-A線で管路内周側構造体を切断した断面図である。この図2に示す様に、筒状裏打材11は管路20の内周面にほぼ沿った筒状に形成されている。
温度測定部材12は、光ファイバ121と保護チューブ122と固定テープ123から構成され、筒状裏打材11の温度を測定するものである。図2に示す温度測定部材12は、管路20の内周面における頂部と筒状裏打材11の間に配置されている。この温度測定部材12は、筒状裏打材11の温度測定時には、固定テープ123で筒状裏打材11に固定された保護チューブ122の中に光ファイバ121が収納されているが、温度測定後には、光ファイバ121が保護チューブ122から引き抜かれ、引き抜かれた光ファイバ121は次の施工現場で再利用される。図2では、光ファイバ121が引き抜かれた後の状態が示されている。
図2では不図示の光ファイバ121は、石英ガラスでできたコアおよびクラッドと、このコアおよびクラッドを覆うポリエチレン等の樹脂でできた被覆材とから構成されている。この光ファイバ121は、管路20の延在方向に延在するものである。すなわち、光ファイバ121は、筒状裏打材11の全長にわたって配置される。
保護チューブ122も、筒状裏打材11の全長にわたって配置されており、内部に光ファイバ121を収容するナイロンやポリエチレンでできた管状の部材である。この保護チューブ122は、光ファイバ121よりも硬いものである。図1に示す管路20に取付管が取り付けられている場合には、熱硬化性樹脂硬化後に筒状裏打材11における該取付管の接続口部分を穿孔する必要がある。この際に、穿孔箇所に保護チューブ122が通っていると、光ファイバ121を保護チューブ122から引き抜いた後に、その保護チューブ122も切断されることになる。保護チューブ122は、光ファイバ121を保護する役目があり、さらには、切断時に、きれいに切断されるよう、ある程度の硬さが付与されている。なお、保護チューブ122を省略すると、光ファイバ121は、筒状裏打材11の外周面と、固定テープ123を介して管路20の内周面との間に挟まれ、引き抜くことができなくなるなる。そのため、穿孔時には、光ファイバ121が切断されることになるが、光ファイバ121はやわらかく、うまく切断できずに残ってしまい、管路内に垂れ下がってしまう恐れがある。一方、保護チューブ122であれば、きれいに切断できるため、管路内に垂れ下がってしまうことはない。
固定テープ123は、保護チューブ122を筒状裏打材11に固定するものであり、筒状裏打材11の延在方向に沿って筒状裏打材11の外周面に貼り付けられている。この固定テープ123は、ポリエステル製でもよく、軟質塩化ビニル製でもよい。保護チューブ122は、固定テープ123によって完全に覆われている。本実施形態では、光ファイバ121は、保護チューブ122に収納されているため、上述のごとく、光ファイバ121を保護するという役目は、固定テープ123ではなく、保護チューブ122が担っている。ただし、保護チューブ122を省略した場合には、固定テープ123が光ファイバ121を保護するという役目を担うことになる。本実施形態では、温度測定部材12は、管路20の内周面における頂部と筒状裏打材11の間に配置されているが、管路20の内周面における底部と筒状裏打材11の間に配置される場合もある。この場合には、筒状裏打材11を管路20内に引き込む際に、温度測定部材12が、管路内周面における底部と擦れるため、固定テープ123には、硬質塩化ビニル製や金属製等の摩擦係数が低く、硬度が高く、延び難く、かつ剛性の高い部材を用いることが好ましい。また、固定テープ123の厚みは、裏打ち後の管路20の流下能力を考慮すると薄い方が好ましく、少なくとも0.5mm以下が好ましい。
次に、図3から図7を用いて管路20の内周面に筒状裏打材11を裏打ちする管路内周面裏打工法について説明する。ここで説明する管路内周面裏打工法は、進出工程と加熱工程と温度監視工程を有する。図3は、筒状裏打材11と、光ファイバ121が挿通されている保護チューブ122を、マンホール23の入り口近傍に準備した様子を表す概略図である。なお、後で詳細に説明する、図5は進出行程を表す概略図であり、図6は加熱行程を表す概略図である。
図3に示すように、まず裏打ちする管路20に接続している一方のマンホール23(以下、発進側マンホール231と称する)の入り口近傍に、光ファイバ121が挿通されている保護チューブ122が巻かれたロール122aと、筒状裏打材11とを輸送する。また、ここでは不図示の固定テープ123も用意しておく。裏打ちする管路20に接続している他方のマンホール23(以下、到達側マンホール232と称する)の入り口上にウインチ29(図5参照)を設置する。さらに、到達側マンホール232と管路20の接続部に滑車30(図5参照)を設置する。続いて、滑車30を介してウインチ29に巻かれている引込ワイヤ28の後端を到達側マンホール232に挿入し、発進側マンホール231まで引込ワイヤ28を貫通させる。
筒状裏打材11は、後述する温水供給ホース34(図6参照)を内包したものが事前に工場で作成される。その後、筒状裏打材11は、外気温によって硬化しないように保冷車24によって保冷されながら、発進側マンホール231の入り口近傍に輸送される。輸送から発進側マンホール231に引き込まれる迄の間、筒状裏打材11は長手方向につづら折りの状態で地上の保冷車24の車内に置かれている。つづら折りにして置くことで筒状裏打材11をコンパクトに収容することができ、保冷車での輸送が容易になる。
本実施形態では、光ファイバ121は、工場で予め、保護チューブ122内に挿入されており、光ファイバ121は、筒状裏打材11とは分離して発進側マンホール231の近傍に、保護チューブ122内に挿入された状態で輸送される。分離して輸送するのは、光ファイバ121に許容される曲げ半径では筒状裏打材11のように長手方向につづら折りすることができないからである。
次に、光ファイバ121が挿入された保護チューブ122を、施工現場で、筒状裏打材11の外周面に固定テープ123で貼り付ける。
図4は、筒状裏打材11の後端部分を示す図である。なお、ここでの説明では、筒状裏打材11が管路20内に配置され、到達側マンホール232側となる端を後端と称し、反対側の端を先端と称する。
図4に示す筒状裏打材11は、扁平につぶされており、幅方向両側が上方に持ち上げられている。筒状裏打材11は、管路20内に進出させる際には、このように幅方向両側が上方に持ち上げられた状態で、結束ワイヤ15で結束される。なお、図4は、筒状裏打材11が結束ワイヤ15で結束される前の状態を示している。
また、筒状裏打材11が管路20の内周面に押し付けられた際、筒状裏打材11の、管路20の内周面における頂部に位置する頂部対応箇所に、温度測定部材12が設けられている。すなわち、光ファイバ121が挿入された保護チューブ122が、頂部対応箇所に固定テープ123で貼り付けられており、保護チューブ122の中で、光ファイバ121は、筒状裏打材11の延在方向に延びている。
以下、温度測定部材12が設けられた筒状裏打材11を内張材Mと称する。
光ファイバ121が挿入された保護チューブ122は、進出行程で内張材Mを管路20に進出させるのに合わせて、筒状裏打材11の頂部対応箇所に、筒状裏打材11の後端から先端に向けて徐々に固定テープ123で固定されていく。
図5は、内張材を管路に進出させる進出行程を表す概略図である。進出工程では、引込ワイヤ28を、内張材Mの後端を結束した結束ワイヤ15に接続し、到達側マンホール232の入口上に設置したウインチ29で、その引込ワイヤ28を巻き取り、内張材Mを裏打ちする管路20内に引き込む。頂部対応箇所に固定テープ123で貼り付けられた保護チューブ122内の光ファイバ121は、この引き込みの際、擦られることはなく、これは、保護チューブ122にしても固定テープ123にしても同様である。筒状裏打材11が管路20の内周面に押し付けられた際、筒状裏打材11の、管路20の内周面における上半分に位置する箇所に温度測定部材12を設けておくと、内張材Mの引き込みの際に温度測定部材12が擦られることはなく、光ファイバ121の損傷を防止することができる。また、光ファイバ121に力がかかることもないため、光ファイバ121が筒状裏打材11の延在方向に大きく動いてしまうことはなく、何かの拍子に少し動いてしまったとしても、保護チューブ122内では光ファイバ121は挿抜可能なため、元の位置に容易に戻すことができる。
裏打ちする管路20の、到達側マンホール232との接続部分まで、内張材Mの後端を引き込んだらウインチ29を停止して引き込みを完了する。次に、内張材Mから結束ワイヤ15および引込ワイヤ28を取り外す。
続いて、図6を用いて加熱工程を説明する。図6は、筒状裏打材11を管路20の内周面に向けて押し付けながら筒状裏打材11に含浸された熱硬化性樹脂を加熱する加熱工程を表す概略図である。この加熱工程は、硬化工程の一例に相当する。
先ず、図6に示すように、筒状裏打材11の先端を先端側栓体31で塞ぐ。さらに、筒状裏打材11から気体や液体が漏れないように、筒状裏打材11の両端部に締付バンド32を取り付ける。その後、発進側マンホール231の真上に支持フレーム33を組んで、先端側栓体31を支持フレーム33に固定する。また、光ファイバ121の端部をボイラ車35に設けられた温度計測器351に繋ぐ。光ファイバ121は、長さが予め決められている規格品を使用しており、筒状裏打材11より長いものを用い、汎用性を高めている。このため、光ファイバ121は余り分が生じ、この余り分は、地上側で作業の邪魔にならないように、図6ではボイラ車35の中に券回した状態で格納されている。
そして、作業者は、図示しない温度調節機に目標加熱温度を入力する。なお、目標加熱温度を入力した後の加熱媒体の温度制御については、温度調節機と循環系統に設置した図示しない温度センサによってフィードバック制御による自動制御を行う。
次いで、工場で筒状裏打材11内に配置しておいた温水供給ホース34に、ボイラ車35から温水を供給する。
供給された温水は、温水供給ホース34の後端に設けられたホース後端孔34aから放出される。内部に温水を供給することで筒状裏打材11は拡径し、筒状裏打材11よりも外側にある温度測定部材12は筒状裏打材11とともに管路20の内周面に押し付けられる。
先端側栓体31内には温水回収ホース37の後端が設置されている。ホース後端孔34aから供給された温水は、その温水回収ホース37の後端を通して回収される。図6における矢印は、加熱媒体である循環水(温水)の流れを示している。また、ホース後端孔34aから供給された温水は、温水回収ホース37まで循環する間に筒状裏打材11に熱を奪われて温度が低下する。温度が低下した温水は、温水回収ホース37で回収された後にボイラ車35で再度加熱されて温水供給ホース34に供給される。一方、筒状裏打材11は、温水の熱を吸収することで、管路20に押し付けられた状態で徐々に加熱され、その結果、筒状裏打材11に含浸されている熱硬化性樹脂も加熱される。熱硬化性樹脂の温度が所定の硬化反応開始温度に達すると熱硬化性樹脂の硬化が始まる。
図7は、温度測定部材の光ファイバで筒状裏打材の温度を測定した結果を表すグラフである。
図7に示すグラフの横軸は時間を表し、1時間ごとに目盛りがふられている。縦軸は温度を表し、10℃ごとに目盛りがふられている。
管路20にひび割れ20aまたは隙間等があると、外部から雨水等が浸入して筒状裏打材11の底部に溜まり、底部の温度上昇が阻害されてしまうことがあり、筒状裏打材11の底部付近の外周面は特に温度が低くなり、硬化が遅れる場合がある。このため、この図7では、筒状裏打材11の底部に温度測定部材12を設け、筒状裏打材11の底部における外周面の温度を測定した結果を、界面温度として示している。すなわち、管路20における、発進側マンホール231につながる開口側を発進側(他端側の一例に相当)と称し、光ファイバ121で実際に測定した、筒状裏打材11の底部外周面における、発進側マンホール231につながる開口付近の温度(発進側マンホール231側の管口の温度)を、「界面温度 発進側管底」として黒くて太い1点鎖線で表している。また、管路20における、到達側マンホール232につながる開口側を到達側(一旦側の一例に相当)と称し、同じく光ファイバ121で実際に測定した、筒状裏打材11の底部外周面における、到達側マンホール232につながる開口付近の温度(到達側マンホール232側の管口の温度)を、「界面温度 到達側管底」として黒くて太い点線で表している。
また、この図7には、ボイラ車35で加熱された直後の加熱媒体である循環水の温度を「循環水 送り温度」として黒くて細い実線で表し、ボイラ車35に戻ってきた循環水の温度を「循環水 戻り温度」として細い1点鎖線で表す。
さらに、図7に示すグラフでは、外気温を灰色の細い実線で表しているが、外気温は概ね17℃前後である。
加熱媒体である循環水の温度が上昇するにつれて筒状裏打材11の温度も上昇する。50℃を越えたあたりから、筒状裏打材11に含浸されている熱硬化性樹脂の硬化が開始されていると考える。熱硬化性樹脂の硬化が開始されると、熱硬化性樹脂自身が硬化発熱し、筒状裏打材11は、循環水からの熱量に加えて、この硬化発熱分の熱量によっても加熱され、温度上昇率が増加し、70℃を僅かに超えた温度まで加熱され、その後、筒状裏打材11の温度は低下に転じる。したがって、筒状裏打材11の温度は、70℃を僅かに超えた温度がピーク温度になる。筒状裏打材11の温度が、このピーク温度に達した時、熱硬化性樹脂は最も激しく化学反応しており、単位時間当たりの硬化の進行具合は最大であると考えられる。なお、熱硬化性樹脂自体の温度は自身の硬化発熱により100℃を超える温度にまで上昇している。
ピーク温度に達した後も熱硬化性樹脂の硬化は続いており、筒状裏打材11の温度が55℃程度まで低下した時点で、熱硬化性樹脂の硬化によって裏打材は所望の強度以上の十分な強度が得られていることがわかった。筒状裏打材11の温度が55℃程度まで低下しても、加熱媒体である循環水の供給を継続すると、筒状裏打材11の温度は55℃前後でほぼ一定になる。ただし、厳密にみると、多少の温度変化(±2℃/10分を下回る温度変化)はしており、さらには、上昇から下降に転じた後、再び温度上昇していることがわかる。ここでの再度の温度上昇は、10分間の間に4℃以上も温度上昇している。
ここで、黒くて太い点線で表されるホース後端孔34a側となる到達側管底の温度変化と、黒くて太い1点鎖線で表される反対側の発進側管底の温度変化とでは、加熱媒体である循環水が先に供給されることになる、点線で表された到達側管底の温度変化の方が、短い時間でピーク温度に達していることがわかる。一方、発進側管底の温度変化では、到達側管底の温度変化から約15分遅れてピーク温度に達している。本実施形態では、光ファイバ121が筒状裏打材11の全長にわたって延在しているため、筒状裏打材11の延在方向のいずれの箇所の温度も測定可能である。筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口と、到達側マンホール232側の管口との間における温度変化のピーク位置は、黒くて太い点線で表された温度変化のピーク位置と、黒くて太い1点鎖線で表された温度変化のピーク位置の間に現れる。
やがて、4時間を超えた時点で、ボイラ車35における循環水の加熱を終了し、循環水の温度は急激に低下していく。循環水の温度低下に合わせて、筒状裏打材11の温度も低下する。このグラフに示す例では、筒状裏打材11の温度は、2時間程度の間、55℃前後でほぼ一定であったことになる。筒状裏打材11の温度がほぼ一定の間にも、熱硬化性樹脂の硬化は僅かながら進んでいると考えられるが、上述の如く、筒状裏打材11の温度が55℃程度まで低下した時点で、裏打材は所望の強度以上の十分な強度が得られている。なお、循環水の加熱を終了し、筒状裏打材11の温度が55℃から低下し始めた後も、熱硬化性樹脂の硬化は極僅かではあるが進むと考えられる。
そこで、本実施形態では、筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口の温度がピーク温度から55℃程度まで低下するピーク後時間を実験により求めておき、温度監視工程において、筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口の温度を光ファイバ121の測定温度に基づいて監視し、筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、上記ピーク後時間が経過した時点で、ボイラ車35における循環水の加熱を終え、加熱工程が終了する。上記ピーク後時間は、樹脂の種類等によって異なるが、0.5時間以上1.5時間以下であり、図7に示すグラフからは1時間程度であることがわかる。したがって、本実施形態の管路内周面裏打工法では、加熱工程の時間を2時間も短縮することができる。なお、ピーク後時間は、55℃まで低下する前の時間であってもよい。例えば、ピーク温度から60℃まで低下する時間であってもよい。ピーク後時間の長さは、裏打材の強度をどの程度まで求めるかによって決まる。すなわち、裏打材の強度は、熱硬化性樹脂の硬化の程度に応じて定まり、加熱工程でどの程度まで樹脂を硬化させるかによって変わってくる。また、樹脂の種類によっても変わってくる。さらには、加熱工程が終了しても、上述の如く、余熱によって硬化はまだ促進する場合があり、加熱工程終了後に急冷するか徐冷するかによっても、加熱工程でどの程度まで樹脂を硬化させておくかが変わってくるため、ピーク後時間の長さも変わってくる。熱硬化性樹脂は、100%未満の硬化であっても、十分な強度を得ることができ、必ずしも100%まで硬化させる必要があるとは限らない。また、常温でも硬化が進む場合もあり、この場合には、最終的には100%まで硬化することになる。
また、ピーク後時間といった時間管理ではなく、温度管理を行ってもよい。例えば、裏打材の温度が、ほぼ一定となる温度(例えば、50℃以上60℃以下の所定温度(ここでは55℃))を実験により求めておき、裏打材の温度が、ピーク温度に到達した後、ほぼ一定となる温度まで低下したら加熱工程を終了してもよい。あるいは、裏打材の温度が、ピーク温度に到達した後、±2℃/10分を下回る温度変化に落ち着いたことが確認されたら加熱工程を終了してもよい。また、裏打材の温度が、ピーク温度から低下していった後、再び温度上昇が確認されたら加熱工程を終了してもよい。ここにいう温度上昇とは、温度が僅かでも上昇した場合であってもよいし、例えば、10分間の間に4℃以上温度が上昇した場合であってもよい。
また、上述のごとく、本実施形態では、光ファイバ121が筒状裏打材11の全長にわたって延在しているため、筒状裏打材11の延在方向のいずれの箇所の温度も測定可能であり、いずれの箇所でも温度変化のピークの出現を確認することができる。このため、従来では、管口付近しか熱硬化性樹脂の硬化を確認することができなかったが、本実施形態では、温度監視工程で、温度変化のピークの出現も監視することにより、熱硬化性樹脂が硬化していることを確認することができる。
ここで、温度変化のピークが出現しない箇所があった場合には、その箇所に温度変化のピークが出現するまで、加熱工程を継続してもよいし、温度変化のピークが出現しない箇所があっても、筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口において温度変化のピークが出現すれば、加熱工程を終了させてもよい。後者の場合には、温度変化のピークが出現しなかった箇所を記録しておき、加熱工程終了後に、その箇所を、ヒータ等で局所的に加熱して硬化を促進させてもよい。
なお、本実施形態における温度監視工程は、加熱工程と同時に開始してもよいし、加熱工程が開始された後、開始してもよい。例えば、加熱媒体である循環水の温度が50℃に達したら温度監視工程を開始してもよい。また、温度監視工程は、筒状裏打材11の、発進側マンホール231側の管口において温度変化のピークが出現すれば、温度監視工程を終了してもよい。
加熱工程が終了すると、常温水を循環タンクに供給し続けながら、高温の循環水を排水する。この結果、筒状裏打材11の内部は、温水から常温水に徐々に置き換わっていき、冷却が進む。筒状裏打材11の内部の温水を一気に排水し、筒状裏打材11を常温下に晒すよりも、温水から常温水に徐々に置き換えていく方が、徐冷になる。この徐冷を、一定時間(例えば30分)あるいは筒状裏打材11の内部の水の温度が所定温度(例えば、40℃)以下になるまで行った後、筒状裏打材11両端部の締付バンド32を取り外し、先端側栓体31も筒状裏打材11から取り外し、筒状裏打材11の内部の水を一気に排水する。こうすることで、筒状裏打材11が常温下に晒され、急冷に移行する。すなわち、徐冷を行った後で、急冷を行う。最初から急冷を行うと、筒状裏打材11が収縮し、特に管口付近で筒状裏打材11が割れる恐れがあるが、徐冷を行うことで、このような恐れを回避することができる。ここにいう徐冷とは、筒状裏打材11の温度低下の傾き(温度(℃)/時間(h)が-50以上-20以下となる冷却の仕方であり、-50未満であると急冷になり、-20を超えると冷却効率が低下しすぎる。
筒状裏打材11の内部の水の排水が完了すると、管路20よりも延出している余分な筒状裏打材11を切り取る。切り取りが終わった状態は、図1および図2に示すように管路内周側構造体10が管路20に形成された状態であり、本実施形態の管路内周面裏打工法は終了となる。
加熱工程が終了すれば、ボイラ車35を他の施工現場に移動させることができ、ボイラ車35を効率よく使用することができる。また、温度監視工程が終了すれば、光ファイバ121を保護チューブ122から引き抜いて、光ファイバ121も他の施工現場で再利用することができる。なお、保護チューブ122は、温度監視工程終了後も管路20の内周面と筒状裏打材11の外周面の間に残置したままになるが、管路20の流下能力を低減するほど管路20を狭めることはない。
ここでは、保護チューブ122に光ファイバ121を挿通させた例について説明したが、保護チューブ122を省略し、筒状裏打材11の外周面に光ファイバ121を固定テープ123で施工現場で直接貼り付けてもよい。この場合には、温度監視工程終了後も、光ファイバ121が、管路20の内周面と筒状裏打材11の外周面の間に残置したままになるが、残置した光ファイバ121を利用して、施工後の筒状裏打材11の変形測定を行うことができる。
以上、地中に埋設された管路の内周面を熱硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている熱硬化性樹脂を加熱する加熱工程と、前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、前記温度監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に前記加熱工程を終了させることを特徴とする管路内周面裏打工法について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形を行うことが出来る。
例えば、図5を用いて説明した進出工程では、内張材Mを引き込んだが、内張材Mを送り出してもよい。あるいは、内張材Mを管路20内に進出させながら内張材Mを管路20の内周面に向けて押し付ける、例えば、反転工法を実施してもよい。
また、加熱媒体である循環水は、ホース後端孔34aから供給されたが、筒状裏打材11の延在方向の複数箇所から供給されるようにしてもよい。また、加熱媒体は、温水に限らず、蒸気であってもよいし、温風であってもよい。
また、上述の実施形態では、隣り合うマンホール23間の全長かつ全周にわたって管路20の内周面を裏打ちしたが、管路20の全長の一部のみを裏打ちする場合にも本発明は適用することができ、また、管路20の全周の一部のみを裏打ちする場合にも本発明は適用することができる。さらに、筒状裏打材11を用いたが、シート状の裏打材であってもよい。例えば、周方向両端が重なったシート状の裏打材であってもよいし、円弧状の裏打材であってもよい。
また、光ファイバ121は、筒状裏打材11の頂部対応箇所、あるいは底部に設けられる他、管路20の周方向のどの位置に配置してもよい。例えば、管路20に取付管が取り付けられている場合には、管路20における取付管の取付位置付近を通るように光ファイバ121を配置してもよい。取付管の取付位置には地下水が入り込んでくる場合があり、取付位置では熱硬化性樹脂の温度が低下して硬化が遅れる恐れがあることから、温度の監視対象とすることが好ましい。
また、上述の実施形態では、光ファイバは、裏打材の外周面に配置されていたが、裏打材の内周面に配置されていてもよく、裏打材の外周面と内周面の間に配置されていてもよい。
さらに、温度測定部材12には光ファイバ121を用いたが、熱電対を用いてもよい。また、裏打材の全長にわたって温度測定可能であったが、1箇所または複数箇所のみ温度測定可能であってもよい。例えば、裏打材の、発進側マンホール231側の管口の箇所のみ温度測定可能であってもよいし、所定間隔で設けた複数箇所のみ温度測定可能であってもよい。また、異なる間隔で設けられた複数箇所のみ温度測定可能であってもよい。例えば、加熱しにくくなる領域ほど、間隔を狭くして、温度測定箇所を設けてもよい。
加えて、これまでの説明では、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合について説明したが、硬化性樹脂は熱硬化性樹脂に限らず、硬化発熱を生じる樹脂であればよい。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはビニルエステル樹脂、あるいはエポキシ樹脂を主成分とし、硬化剤等を混合した硬化性樹脂であってもよく、例えば、これらの主成分の樹脂に、光硬化の特性を与える硬化剤等を混合した光硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂として光硬化性樹脂を用いた場合、硬化工程は、裏打材の内側(管路内)から裏打材に紫外線等の光を照射して、該裏打材に含浸されている光硬化性樹脂を硬化させる光照射工程になるが、従来では、裏打材の外周面側まで光が届かず、裏打材の外周面側が未硬化のままであるといった不具合が生じる場合もある。しかしながら、温度監視工程において裏打材の外周面側の温度を監視し、該温度が上昇から下降に転じたことを確認した後に光照射工程を終了させることで、上記不具合の発生を防止することができる。また、上記不具合を懸念して光照射時間が必要以上に長くなっていた場合には、光照射時間を短くすることができる。なお、光の照射を終了しても、光硬化性樹脂の硬化は継続する場合がある。
なお、最後に説明した様々な変形例を適宜組み合わせることも可能である。
10 管路内周側構造体
11 筒状裏打材
12 温度測定部材
M 内張材
121 光ファイバ
122 保護チューブ
123 保護シート
20 管路
20a ひび割れ
231 発進側マンホール
232 到達側マンホール

Claims (2)

  1. 地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
    前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
    前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、
    前記硬化工程が、前記管路に沿って延在した前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
    前記温度監視工程が、前記裏打材の延在方向における該裏打材の複数箇所の温度を監視する工程であり、
    前記温度監視工程において前記裏打材の温度が前記複数箇所全てにおいて上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材の温度がピーク温度に達した時点から所定時間が経過したタイミングで前記硬化工程を終了させることを特徴とする管路内周面裏打工法。
  2. 地中に埋設された管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
    前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
    前記裏打材の温度を監視する温度監視工程とを有し、
    前記硬化工程が、前記管路に沿って延在し、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂が含浸された前記裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら、該管路の一端側から加熱媒体を該裏打材に供給し供給された該加熱媒体を該管路の他端側から回収することによって該熱硬化性樹脂を加熱し該熱硬化性樹脂を硬化させる工程であり、
    前記温度監視工程が、前記裏打材のうち、少なくとも前記管路の前記他端に位置する他端箇所における温度を監視する工程であり、
    前記温度監視工程において前記裏打材の前記他端箇所における温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材の温度がピーク温度に達した時点から所定時間が経過したタイミングで前記硬化工程を終了させることを特徴とする管路内周面裏打工法。
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