JP5265172B2 - 既設管補修工法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設管補修工法、特に補修対象の既設管内に新たな更生管を形成することによって当該既設管の補修を行う既設管補修工法に関する。
一般に、下水管渠などの地中に埋設される管については、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、クラックの発生、ズレによる段差の発生、径の変化などが生じることは不可避であり、そのため、下水管の流下力が低下したり、管内への地下水の浸入による下水処理量が増えたりする問題が起こっている。また、特に変形が生じなくても老朽化に伴って、事故の未然防止のために換が必要になる等の事情から、既設管は所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
現在、下水管路再生補修技術としては、地上からの作業により地面を開削し、老朽化した管路を地上から掘り出して新管を入れる作業方法、非開削で管の内部から管内面を補修する作業方法、更に、非開削で新管を入れる方法などが採用されている。
この非開削で新管を挿入する補修工法としては、通称、鞘管工法と呼ばれ、補修対象の既設管の中に新たな管(更生管)を設置して管を補修、更生する工法が知られている。この工法では、例えば、工場にて製造した既製のコンクリート製更生管ピースを順次、既設管内に送り挿入して行く方法、すなわち、更生管ピースを繋ぎながら継ぎ足しつつ既設管全長にわたって更生管を設置することが行われる。この場合、更生管と既設管との間の隙間、すなわち、更生管の外周壁と既設管の内周壁との間には、完成時にこの隙間を埋めるために硬化性充填材が充填されて行くのが通常である。
また、他の方法としては、補修対象の既設管にガラス繊維等によって形成した芯材に未硬化樹脂を含浸させて出来た工場生産の硬化性の管状ライニング材を既設の下水道管に導入して、加圧空気等を用いて拡径し、既設管に密着させた状態で、硬化させて既設管中に新管を形成する方法なども知られている。
例えば、特許文献1(特開平6−246830号)や、特許文献2(特開2004−188818号)には、その様な硬化性のライニング管を反転させて、加圧空気や温水によって進行させ、既設管に導入した後、熱や光により硬化させて管の補修を行うライニング工法が開示されている。
特開平6−246830号公報 特開2004−188818号公報
既製の生管ピースを順次、補修対象の既設管に挿入し、その更生管と既設管との間の間隙に硬化性充填材を充填する工法の場合、更生管を挿入した後、既設管の管口から又は更生管側に設けた注入口から充填材を送り込むことになる。しかし、間隙はそれ程大きなものではなく、満遍なく硬化性充填材を注入する作業は容易ではなく煩雑なものとなっている。したがって、間隙の一部、特に更生管の上側領域の部分には充填漏れによる空洞の残存が生じやすいという事情もある。
また、上述の未硬化の管状ライニング材、すなわち、未だ最終形状での硬化の行われていない状態の管状ライニング材の導入とその硬化作業によって更生管を形成する場合、上述のコンクリート製などの既製の更生管ピースを挿入していく場合に比べ、更生管と既設管との間の隙間はより小さいものとすることができる。しかし、最終段階での硬化時に収縮して、既設管との間に隙間ができる恐れもあり、また、硬化性管状ライニング材挿入時に該硬化性管状ライニング材と既設管の間の隙間に硬化性充填材を送り込みつつ作業を行うことも煩雑且つ困難な作業となり、完全に隙間のない施工を行うことは困難である。
この様な、更生管と既設管との間の空洞の残存は、更生管と既設管との完全な一体性を害することとなり、当初の設計通りの強度が得られず、また、漏水や座屈の原因となるおそれもある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象の既設管と更生管との間の隙間を簡単且つ確実になくすことができ、既設管に対する更生管の安定した良好な設置状態を確保するこのできる既設管補修工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る既設管補修工法は、
補修対象の既設管内に新たな更生管を導入して前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、前記既設管内への更生管の導入前に、少なくとも押圧力を受けて変形する変形性と、前記既設管と前記更生管との隙間のサイズよりも厚い厚さを有し、前記更生管の導入後において前記更生管と前記既設管との間で押圧されて変形した状態で前記間隙を充満するサイズと、を有する円筒状中間部材を前記既設管内に設置する中間部材設置工程を含み、前記更生管の導入は、予め製造した既製の更生管ピースを、前記既設管内に設置された円筒状中間部材内に、当該円筒状中間部材を前記更生管ピースの外側面で前記既設管の内側面に押し付けつつ、順次継ぎ足し挿入して前記既設管の全長に亘って導入設置することにより行われることを特徴とする。
これにより、補修対象の既設管内に更生管が導入された後に、両者の小さい間隙に充填材を注入する煩雑かつ困難な作業を行う必要がなくなる。すなわち、変形性を有する円筒状中間部材が予め導入設置されており、この円筒状中間部材は、更生管が導入された後においては、更生管と既設管との間で押圧された状態となり、当該間隙を充満する。したがって、更生管の導入設置によって、更生管外側面と既設管内側面の間は、中間部材で充たされ、更生管による補修作業が終了する。
なお、円筒状中間部材は後述するような不織布などの繊維性部材が好適ではあるが、これに限られず、変形性を有する合成樹脂性の防水性に優れる部材を用いることも好適である。また、繊維性部材を用いた場合でも、押圧状態となることで防水性が生じ、更に、既設管の外部から浸入してくる細かい泥粒を含む水によって、その部材の目が埋められ防水性を発揮しうる状況となるので問題なく適用可能である。
更に、この様な構成とすることにより、設置した新たな更生管を再度補修しなければならない状況が生じた場合、上記円筒状中間部材の存在により、その更生管を当初の既設管から抜き取る作業を行うことが従来のものよりも容易なものとなる。内部に新たな更生管を設置して補修する方式では、更生管を設置する毎に管径が小さくなるが、本発明の構成によれば比較的、更生管が抜き取りやすくなることから、この管径の小径化を回避することが可能となる。
また、この構成によれば既設管内に円筒状中間部材を挿入設置し、その中に予め工場等にて製造した既製の更生管ピースを挿入していくことで、更生管の導入が終了する。この時、円筒状中間部材は、更生管ピースにより既設管内側面に押し付けられ円筒状中間部材は変形している。したがって、この既製の更生管ピースが挿入された状態では、既設管と更生管との間の間隙は、確実に円筒状中間部材にて満たされた状態が確保される。
更に、円筒状中間部材に、硬化性充填材が含浸されている場合には、更生管ピースにより円筒状中間部材が押圧されることにより、やや押しつぶされ、硬化性充填材が既設管内側面に存在する凹部や亀裂などに浸み込んで行くので、既設管と更生管との一体性が高められる。本請求項に係る構成の場合、円筒状中間部材の硬化性充填材は、経時硬化性の充填材を用いるのが好適である。
請求項に係る既設管補修工法は、請求項の既設管補修工法において、
前記更生管ピースの継ぎ足し挿入は、先頭の更生管ピースの進行方向前方の先端部に、前記前方側に向かって漸次径の小さくなった形状を有する先頭キャップが設けられた状態で行われることを特徴とする。
請求項に係る既設管補修工法は、請求項1又は2に記載の既設管補修工法において、
前記円筒状中間部材は、不織布等の繊維性部材にて形成されたことを特徴とする。

本発明に係る既設管補修工法によれば、補修対象の既設管と更生管との間の間隙を簡単且つ確実になくすことができる。すなわち、押圧力に対する変形性を有する円筒状中間部材が既設管と更生管との間に設置されることで、確実、簡単に既設管と更生管との間の隙間を埋めることができる。これにより、既設管に対する更生管の安定した良好な設置状態が確保される。したがって、補修後の管の完成度が向上し強度の増加が図られ、既設管補修工事の信頼性が高められる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図12は、本発明の既設管補修工法が適用される管渠の例を示している。図示のように、所定間隔を置いて設置されたマンホール100と102との間には補修対象の既設管である下水道本管10が配置されている。この下水道本管10を本発明工法を用いて補修する場合を例にして説明する。
図1から図5は、第1の実施の形態を示しており、既設管内に形成する更生管として予め工場生産した既製の更生管ピースを用いる例を示している。まず、図1(A)に示したように、下水道本管10には、一方のマンホール側から円筒状中間部材12が例えば、引き込み動作により挿入されている。この円筒状中間部材12の挿入は、引き込みに限られず、いわゆる裏返しつつ送り込む既知の反転挿入方法を用いることも可能である。
円筒状中間部材12は、少なくとも押圧力を受けて変形する変形性を有していれば足り、例えば、繊維生成の部材である不織布を用いることが可能である。まず、本実施の形態では、円筒状中間部材12が変形性だけでなく硬化性充填材の被含浸性を有する場合を例とし、予め硬化性充填材を含浸させた円筒状中間部材12を用いる本実施の形態について説明する。円筒状中間部材12は、不織布によって形成されているが、この不織布の他、多孔性を有する合成樹脂製(ポリエステルやポリエチレンなど)の部材や植物系(パルプなど)の部材を用いることが可能である。
この円筒状中間部材12には、予め硬化性充填材が含浸されている。この硬化性充填材の含浸は、施工現場の地上にて行うこともできるが、通常は、工場にて含浸作業が行われ、含浸済みの円筒状中間部材12の表面にシール材などを貼って運搬される。
この円筒状中間部材12が挿入された状態では、同図(B)に示されたように上部が撓んだ状態、或いは、上下が密着した状態となっているので、必要に応じて、すなわち、次段の工程にて更生管を挿入するために支障のない程度に拡径動作が行われる。この拡径動作は、既知の加圧空気の吹き込みなどで行うことが可能である。
図2から図4は、次の工程である更生管の挿入動作を示している。本実施の形態では図2に示したように、まず、先頭の更生管ピース14−1の進行方向前方の先端部に取り付けられる先頭キャップ16が設置されている。この先頭キャップ16は、進行方向の前方側に向かって漸次径の小さくなった形状を有し、先端は丸みを帯びた形状となっており、合成樹脂や金属にて形成されている。そして、図3(A)に示されているようにこの先頭キャップ16に先頭の更生管ピース14−1が固定されて円筒状中間部材12内に挿入される。図示のように、更生管ピースは、後方から順次継ぎ足して挿入されている。本実施の形態では、押し込み挿入されている。
この様に、先頭キャップ16を用いることにより、円筒状中間部材12を押し広げながら進行していく更生管ピース14の動作がスムーズなものとなっている。すなわち、更生管ピース14−1だけで挿入を行う場合、更生管ピース14の先端の角部が円筒状中間部材12の表面部に引っ掛かり、スムーズな進行を妨げる場合も有ることからこれを防止しているものである。図3(B)はその作用を説明するための図であり、図示のように、先頭キャップ16が円筒状中間部材12を円滑に押し広げつつ前進するものである。
図4は、補修対象の下水道本管10の全長に亘り、更生管ピース14が挿入され、更生管の設置が終了した状態が示されている。また、図5は、この更生管ピース14の挿入が終了し、先頭キャップ16が撤去された状態が示されており、これにより中間部材設置工程、すなわち、硬化性充填材の含浸された円筒状中間部材12が的確に下水道本管10と更生管ピース14の連結体である更生管との間の間隙を充満させている。
この様に、上記変形性と被含浸性とを有する円筒状中間部材12を用いることで、硬化性充填材だけを下水道本管10と更生管(14)との間の隙間に注入する作業の困難性が解消されている。すなわち、硬化性充填材は円筒状中間部材12に含浸された状態で上記隙間に充填されるので、ムラのない状態で隙間に充填されていることとなる。円筒状中間部材12は文字通り円筒状であるので、確実に更生管(14)の全周を覆っており、円筒状中間部材12への硬化性充填材の含浸が的確に行われている限り、隙間は満遍なく硬化性充填材で満たされる。
この円筒状中間部材12への硬化性充填材の含浸作業は、既設管の中での作業である必要はなく、予め工場において行えば足り、満遍なく硬化性充填材を含浸させることに困難性はない。これにより、更生管(14)及び円筒状中間部材12の硬化後においては、空洞の残存などを確実に回避されている。
ここで使用される硬化性充填材は、経時硬化性充填材であり、かつ硬化時における膨張性を有する材料、例えば、ウレタン、発泡剤を混入したセメントミルクなどの水硬化性材料を用いることが好適である。これにより、硬化時における更生管(14)と下水道本管10との間の間隙への硬化性充填材の充満性は向上し、また、既設管内壁面の亀裂や凹部などへの充填材の浸透性の向上も図られる。
また、不織布で形成した円筒状中間部材12のサイズは、拡径状態では既設管である下水道本管10の内側面に密着可能な外径を有し、硬化性充填材が含浸された状態で、下水道本管10の内側面と更生管(14)との間隙のサイズよりも厚い厚さを有していることが好適である。これにより、先頭キャップ16及び更生管(14)でやや押し広げられながら中間部材設置工程が行われるので、より確実に既設管と更生管との間の間隙が埋められる。更に、この押圧により、硬化性充填材が既設管内側面に存在する凹部や亀裂などに浸み込んで行くので、既設管と更生管との一体性はより高いものとなる。
更に、上述したように、円筒状中間部材12には、硬化性充填材の被含浸性は必ずしも必要ではなく、不織布を使用部材として用いた場合でも、硬化性充填材を含浸させないで、設置することも可能である。円筒状中間部材12は、後述の更生管が導入された後においては、下水道本管10と更生管との間で押圧された状態となり、この間隙を充満する。したがって、更生管の導入設置によって、更生管外側面と下水道本管10の内側面との間は、円筒状中間部材12によって隙間なく充たされる。
この様に、硬化性充填材を含浸させない繊維性部材を用いた場合でも、押圧状態となることで防水性が生じ、更に、既設管の外部から浸入してくる細かい泥粒を含む水によって、その部材の目が埋められ防水性を発揮しうる状況となるので問題なく適用可能である。
なお、円筒状中間部材12は上述のような不織布などの繊維性部材が好適ではあるが、これに限られず、変形性を有する合成樹脂性の防水性に優れる部材を用いることも好適であり、その場合、優れた柔軟性と防水性の円筒状中間部材を容易に製造することができる。この場合、上述の実施の形態の場合のような、更生管と既設管の一体性向上による性能の向上ではなく、既設管と更生管の柔軟な設置関係の確保による性能の向上が図られる。以上のような、円筒状中間部材12の形成材料や硬化性充填材の含浸の有無は、補修対象の既設管の径サイズや設置状態に応じて適宜選択される。
以上のように、上述の実施の形態で示した硬化性充填材を含浸させた円筒状中間部材1の場合だけでなく、充填材を含浸させない場合でも、補修対象の既設管内に更生管が導入された後に、両者の小さい間隙に充填材を注入する煩雑かつ困難な作業を行う必要がなくなる。
更に、設置した更生管を再度補修する状況が生じた場合、例えば、耐久年数が経過した様な場合、上記円筒状中間部材12の存在により、当初の既設管から更生管を抜き取る作業を従来の設置状態より容易に行うことができる。したがって、内部に新たな更生管を設置することによる管径の小径化を回避することが可能となる。
次に、図6から図9は第2の実施の形態を示している。本実施の形態は、既設管内に形成する更生管として、硬化性管状ライニング材を導入し、これを最終形状に拡径し、硬化させて更生管とする補修方法に適用される例を示している。まず、図6に示したように、上記第1の実施の形態と同様に下水道本管10には、一方のマンホール側から円筒状中間部材12が挿入されている。
この円筒状中間部材12は、上記第1の実施の形態と同様に、必ずしも硬化性充填材を予め含浸させる必要はなく、例えば、不織布などの繊維性部材をそのまま設置するか、硬化性充填材を含浸させた円筒状中間部材を設置するか、状況に応じて適宜選択される。
そして、この挿入された円筒状中間部材12の中に、硬化性の管状ライニング材20が挿入される。この管状ライニング材20は、本実施の形態では、熱可塑性材料(例えば、ポリ塩化ビニル等)にて形成されており、挿入作業は、牽引ロープ21を管状ライニング材20の先端に取り付け、挿入方向に引き込む引き込み方式を採用している。
図7は、この引き込みが行われる際の管状ライニング材20の状態が示されており、図示のようにΩ状に畳まれている(曲げられている)。この状態で所定の加熱が行われ、軟化されて引き込まれるものである。また、この様に曲げることで、外径が小さくなり、引き込み動作がより円滑なものとなり、更に、この状態から後述の拡径作業を行うことも容易である。
なお、管状ライニング材20は、熱可塑性材料にて形成するものに限られず、ガラス繊維や不織布、又はそれらの複合材などの芯材に光硬化性や熱硬化性の樹脂材料を含浸させて形成することも可能である。この様な管状ライニング材20は、例えば、巻回されて地上に設置されており、順次送り出されて下水道本管10側へ供給される。なお、相互付着防止のため表面にはシール等が貼られている。そして、下水道本管10内への導入は、上述の引き込み式や表裏を逆転させつつ押し込み挿入する反転方式等が用いられる。光又は熱硬化性の樹脂材料としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニエステル樹脂などが用いられる。
図8は、管状ライニング材20の円筒状中間部材12への引き込み動作が終了し、次の拡径動作が行われている状態が示されている。拡径動作とは、上述のように畳まれた管状ライニング材20を本来の円筒状に復元させることであり、本実施の形態では、例えば、管状ライニング材20内への加圧蒸気の吹き込みにより拡径(復元)している。この時、管状ライニング材20の両端部は蓋部材22−1,22−2でそれぞれ閉栓されており、一方の蓋部材22−1の注入口22aから加圧蒸気を注入するものである。これにより、管状ライニング材20は加温され、蒸気により内側から押し広げられる。
図9(A)、(B)は、この管状ライニング材20の復元動作がほぼ終了した状態が示されている。この状態では、同図(B)に矢印で表示したように、円筒状中間部材12も下水道本管10の内側面に押し付けられ、且つ、下水道本管10の内側面と管状ライニング材20との間の間隙を完全に充満させている。
この様に、第1の実施に形態で用いられた既製の更生管ピース14ではなく、未硬化状態の管状ライニング材20を更生管として導入する場合においても、本発明は的確に適用される。また、円筒状中間部材12に硬化性充填材を含浸させた場合、第1の実施の形態において円筒状中間部材12に硬化性充填材を含浸させた場合と同様に、硬化性充填材の下水道本管10の内側面に存在する凹部や亀裂などへの浸み込み等の良好な作用も同様に生じ、既設管と更生管との一体性の向上も図られている。
なお、図10(A)、(B)は、上記工程の終了後、必要に応じて、管内に冷風を供給することなどにより冷却して補修が終了した状態が示されており、上記図5とは、更生管の材質が相異する(管状ライニング材と更生管ピースの相異)のみである。
次に、管状ライニング材20の硬化性と円筒状中間部材12の硬化性に特徴付けを行った変形例を以下に示す。この変形例の特徴は、管状ライニング材20の芯材に含浸させる硬化性樹脂を光硬化性の充填材とし、円筒状中間部材12に含浸させる硬化性充填材を熱硬化性の充填材としていることである。この構成により、まず、管状ライニング材20をその内側からの光照射により硬化させる作業を行う、この時、管状ライニング材20の部分には、硬化時に反応熱が発生する。したがって、この熱を利用して熱硬化性の硬化性充填材を含浸させた円筒状中間部材12の硬化を行うことが可能となる。これにより、管状ライニング材20と円筒状中間部材12の硬化作業をより迅速且つ簡単に行うことができる。
勿論、本実施の形態において、この円筒状中間部材12に用いる硬化性充填材は、熱硬化性樹脂に限られるものではなく、光硬化性の充填材を用いることも可能であり、更には、第1の実施形態と同様に、経時的硬化性の材料を用いることも可能である。また、管状ライニング材20に含浸させる硬化性樹脂についても光硬化性のものに限定されるものではなく、熱硬化性のものを用い、管状ライニング材20,円筒状中間部材12の双方に熱硬化性の充填材を含浸させることも可能である。
次に、図11は、上述した第1の実施の形態の工法に好適に用いられる装置を示している。図示のように、この装置は、最初に挿入される先頭の更生管ピース14−1の進行方向の先端部に固定されて用いられる先端装置30であり、牽引用ワイヤ32によって進行方向側に牽引されている。なお、本先端装置30を用いて牽引を行う場合、後方側からの更生管ピース14の押し込み動作も同時に行うことでより円滑な進行動作が得られるものである。
先端装置30の先端部は、外径の細くなった前方部30aとして構成され、その先端には流線形部30bが形成され、その先端部に牽引用ワイヤ32が取り付けられている。また、前方部30には外方に突出して設けられた車輪34が1対ずつ90度おきに設けられている。この先端装置30は、上述の第1の実施形態では、図2や図3に示された先頭キャップ16に代えて装着されるもので、既設管(下水道本管10等)に予め挿入されている円筒状中間部材12の中に挿入され、その後端部に先頭の更生管ピース14−1がネジ式或いは係合部などの構成を用いて固定取り付けされるものである。
その状態で、上記前方部30aで四方に突出している車輪34は、それぞれ円筒状中間部材12の内壁面上を走行し、円筒状中間部材12を外方へ押しながら進行する。したがって、先端装置30は既設管のほぼ中心を走行することが可能であり、後方から来る径の大きな更生管ピース14はよりスムーズに円筒状中間部材12内を進行することができる。なお、先端装置30の本体は、合成樹脂製や鋼製とすることが可能である。
なお、本発明は上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、先頭キャップ16や先頭装置30は本願発明工法の必須の構成要素ではなく、本願発明工法の円滑性を向上させるための部材として用いられるものである。したがって、これらの部材を用いることなく本願発明工法を実施することも可能である。また、実施の形態では、下水道本管を補修対象の既設管とした例を示したが、補修対象の管はこれに限られるものではなく、下水道本管に通ずる取付管などの補修に適用することも可能である。
第1実施の形態に係る既設管補修工法における円筒状中間部材の挿入動作についての説明図である。 第1の実施の形態に係る既設管補修工法における先頭キャップの設置状態説明図である。 第1の実施の形態に係る既設管補修工法における更生管ピースの挿入動作説明図である。 第1の実施の形態に係る既設管補修工法における更生管ピースの挿入動作説明図である。 第1の実施の形態に係る既設管補修工法による作業終了状態説明図である。 第2実施の形態に係る既設管補修工法における管状ライニング材挿入動作説明図である。 第2の実施の形態に係る既設管補修工法における管状ライニング材の挿入時の畳み状態の説明図である。 第2の実施の形態に係る既設管補修工法における管状ライニング材の拡径(復元)動作の開始時状態の説明図である。 第2の実施の形態に係る既設管補修工法における管状ライニング材の拡径(復元)動作の終了時状態の説明図である。 第2の実施の形態に係る既設管補修工法による作業終了状態説明図である。 主として第1の実施の形態に係る既設管補修工法に用いられる先端装置の説明図である。 第1及び第2の実施の形態に係る既設管補修工法が適用される一例としての下水道の構成説明図である。
符号の説明
10 下水道本管
12 円筒状中間部材
14 更生管ピース
16 先頭キャップ
20 管状ライニング材
22 蓋部材
30 先端装置
32 牽引用ワイヤ
34 車輪

Claims (3)

  1. 補修対象の既設管内に新たな更生管を導入して前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、
    前記既設管内への更生管の導入前に、
    少なくとも押圧力を受けて変形する変形性と、前記既設管と前記更生管との隙間のサイズよりも厚い厚さを有し、前記更生管の導入後において前記更生管と前記既設管との間で押圧されて変形した状態で前記間隙を充満するサイズと、を有する円筒状中間部材を前記既設管内に設置する中間部材設置工程を含み、
    前記更生管の導入は、
    予め製造した既製の更生管ピースを、前記既設管内に設置された円筒状中間部材内に、当該円筒状中間部材を前記更生管ピースの外側面で前記既設管の内側面に押し付けつつ、順次継ぎ足し挿入して前記既設管の全長に亘って導入設置することにより行われることを特徴とする既設管補修工法。
  2. 前記更生管ピースの継ぎ足し挿入は、
    先頭の更生管ピースの進行方向前方の先端部に、前記前方側に向かって漸次径の小さくなった形状を有する先頭キャップが設けられた状態で行われることを特徴とする請求項に記載の既設管補修工法。
  3. 前記円筒状中間部材は、不織布等の繊維性部材にて形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設管補修工法。
JP2007275471A 2007-10-23 2007-10-23 既設管補修工法 Active JP5265172B2 (ja)

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