JP5149741B2 - 既設管補修工法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設管補修工法、特に補修対象の既設管内に既製の新たな管状体を挿入することによって当該既設管の補修を行う既設管補修工法に関する。
一般に、下水管渠などの地中に埋設される管については、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、クラックの発生、ズレによる段差の発生、径の変化などが生じることは不可避であり、そのため、下水管の流下力が低下したり、管内への地下水の浸入による下水処理量が増えたりする問題が起こっている。また、特に変形が生じなくても老朽化に伴って、事故の未然防止のために換が必要になる等の事情から、既設管は所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
現在、下水管路再生補修技術としては、地上からの作業により地面を開削し、老朽化した管路を地上から掘り出して新管を入れる作業方法、非開削で管の内部から管内面を補修する作業方法、更に、非開削で新管を入れる方法などが採用されている。
この非開削で新管を挿入する補修工法としては、通称、鞘管(さやかん)工法と呼ばれ、補修対象の既設管の中に新たな管(管状体)を形成し、この管状体に下水管としての機能を持たせることで既設管の補修を行う工法が知られている。
この工法では、例えば、工場にて製造した既製のコンクリート製管状体ピースを順次、更生管として既設管内に送り挿入して行く方法、すなわち、管状体ピースを繋ぎながら継ぎ足しつつ既設管全長にわたって更生管を設置することが行われる。この場合、更生管としての管状体と既設管との間の隙間、すなわち、管状体の外周壁と既設管の内周壁との間には、完成時にこの隙間を埋めるために硬化性充填材が充填されて行くのが通常である。
また、他の方法としては、補修対象の既設管にガラス繊維等によって形成した芯材に未硬化樹脂を含浸させて出来た工場生産の硬化性の管状ライニング材を既設の下水道管に導入して、加圧空気等を用いて拡径し、既設管に密着させた状態で、硬化させて既設管中に新管(更生管)を形成する方法なども知られている。
例えば、特許文献1(特開平6−246830号)や、特許文献2(特開2004−188818号)には、その様な硬化性のライニング管を反転させて、加圧空気や温水によって進行させ、既設管に導入した後、熱や光により硬化させて管の補修を行うライニング工法が開示されている。
更に、特許文献3には、ダクトのライニング方法として、熱可塑性物のフィラメントと補強繊維のフィラメントとを有する複合材料層、更に、この層の外側の熱可塑性材料層を含むライナーをダクト内に挿入する工程を含む方法が開示されている。そして、上記ライナーを加熱して熱可塑性物のフィラメントを溶融し、その後ライナーを内側から加圧してダクトに接触させる工程、更に、このライナーのダクトへの接触状態でライナーを硬化させることによってダクトの修復を行うものである。
特開平6−246830号公報 特開2004−188818号公報 特許第4076188号
既製の新管を順次、補修対象の既設管に挿入し、その管状体と既設管との間の間隙に硬化性充填材を注入する工法の場合、管状体を挿入した後、既設管の管口から又は管状体側に設けた注入口から充填材を送り込むことになる。しかし、既設管内に挿入される既製の管状体は、既設管よりも内径が小さくなることは不可避であるが、更生管の流下能力の確保のために、管状体の小径化をできるだけ回避しようとすると、それだけ既設管内周面と既製の管状体外表面との間の隙間が小さくなる。そして、その小さい間隙に満遍なく硬化性充填材を注入する作業はより煩雑な作業となる。したがって、間隙の一部、特に管状体の上側領域の部分には充填漏れによる空洞の残存が生じやすいという事情もある。なお、この工法の場合、補修終了後、すなわち更生管に掛かる全ての荷重は新たに挿入された管状体に付加されることとなる。
また、上述の様な、管状体と既設管との間の空洞の残存は、管状体と既設管との完全な一体性を害することとなり、空洞の状況によっては、当初の設計通りの強度が得られず、また、漏水や座屈の原因となるおそれもある。
また、特許文献1や2の様な未硬化の管状ライニング材を更生材として導入する場合、すなわち、未だ最終形状での硬化の行われていない状態の管状ライニング材の導入とその硬化作業によって更生管を形成する場合、上述のコンクリート製などの既製の新管を挿入していく鞘管工法の場合に比べ、更生管と既設管との間の隙間はより小さいものとすることができ、管径の縮小状況は少ない。しかし、未硬化の管状ライニング材は、一般的には、熱硬化性の樹脂材を不織布やガラス繊維マットに含浸させて製造させる工場製品であり、熱硬化性樹脂の特性により自然的に硬化や劣化が起こることから、未硬化状態でのライニング材の日持ちが短く、製造後できるだけ早い段階で施工しなければならない。なお、ライニング材の製造時や施工時には、樹脂中の揮発性成分(スチレン等)が蒸発しやすく、環境問題にも配慮しなければならないという事情がある。
また、特許文献3の技術も上記特許文献1や2と同じく更生管となるライナーをダクト(既設管)内に導入し、ライナーを既設管の内面に密着させた状態で硬化させ、そのライナーが更生管として機能する手法を取っているため、更生管と既設管との間の隙間はほとんどなく管径の縮小化状況はが少ない。また、ライナーは、化学性質の安定な熱可塑性樹脂とガラス繊維等の補強用芯材から構成され、長期的保管ができ、製造時や施工時での化学成分の蒸発等は無い。しかし、ライナーを更生管とするには、地下に埋設された管の中で、まずライナーを溶融点まで加熱し、補強用芯材以外の熱可塑性樹脂を一旦完全な溶融状態にする必要があるが、ライナーの厚みが厚くなると、樹脂はうまく溶融状態になりにくく、芯材との一体化が不十分となり硬化不良が生じる。したがって、厚みを必要とする口径の大きい管の更生には不向きである。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、補修対象の既設管への管状体の挿入による補修における既設管と管状体との間の間隙の解消と、熱可塑性樹脂複合管の形成により更生管を完成させることによる更生管の品質の向上を簡単な動作によって的確に行うことのできる既設管補修工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る既設管補修工法は、
補修対象の既設管内に既製の管状体を導入して前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、前記既設管内への前記管状体の導入前に、熱可塑性を有し、少なくとも前記既設管内周面に全周が接触し得る外径を有する筒状体を未硬化状態で既設管内に導入する中間筒状体導入工程を行い、前記導入された中間筒状体内に、良好な熱伝導性を有する剛性部材にて形成された前記管状体をその外周面が前記中間筒状体内周面に密着するように挿入する管状体挿入工程を行い、前記管状体を内側から加熱し、その後冷却して該熱伝導性の管状体の外部に在る前記中間筒状体を溶融、硬化させる筒状体硬化工程を行うことを特徴とする。
この構成によれば、管状体の外周面と既設管の内周面との間の隙間が、簡単な作業により、中間筒状体によってほぼ均一な状況で隙間なく充満される。すなわち、筒状の形状の状態で既設管内に挿入することができ、液状の充填材の注入のような煩雑な作業や注入のための設備を使用する必要がない。また、この中間筒状体の溶融、硬化による隙間充満作業は、中間筒状体の内側に挿入された管状体の内側から簡単な作業で行うことができる。すなわち、中間筒状体自体を直接加熱するのではなく、管状体を加熱し、冷却することで、この管状体の温度変化を中間筒状体に伝え、その温度変化により中間筒状体の溶融、硬化が行われるものである。
また、中間筒状体は予め工場などで形成されたものを用いることで、それ自体所定の厚さを確保しておくことが可能である。したがって、管状体は、従来の新管のようにそれ自体で更生管の大部分を形成するものと異なり、完成後には管状体と中間筒状体の組合せによって、1つの更生管を構成することとなる。したがって、管状体については、比較的厚さの薄いものを用いることも可能であり、その場合、中間筒状体への熱伝導もより的確なものとすることができる。
請求項2に係る既設管補修工法は、請求項1に係る既設管補修工法において、
前記良好な熱伝導性を有する管状体が、金属にて形成されたことを特徴とする。これにより、管状体の製造作業も容易なものとすることができる。例えば、ステンレスなどの材料で管状体を予め工場にて形成することが好適であり、材料の選択により管状体の軽量化も図ることができる。
請求項3に係る既設管補修工法は、請求項1又は2の何れかに係る既設管補修工法において、
前記中間筒状体が、熱可塑性繊維材と繊維状に形成された補強用芯材とを編んで構成されたことを特徴とする。この様に中間筒状体を繊維状の部材を編んだ状態で形成することで、硬化前において柔軟性を確保することができ、既設管内への導入作業は容易なものとなる。また、この様に補強用芯材を編み込んでおくことで、熱可塑性繊維材が加熱により溶融し、冷却されて硬化した状態では、補強用芯材を包含した一体型の充満部材となる。すなわち、既設管内に導入された段階では編まれた状態であったものが、溶融、硬化により補強用芯材を包含した一体の充満部材となり、安定した隙間の充填機能を奏する状態が得られる。
請求項4に係る既設管補修工法は、請求項1から3の何れかに係る既設管補修工法において、
前記管状体挿入工程が、複数の管状体ピースを後方から連結しつつ、該連結された管状体ピースを後方から押し進め又は前方から牽引することによって行われ、先頭の前記管状体ピースの進行方向先端側には、進行方向に向かって漸次外径の小さくなったキャップ状先頭体が装着され、該キャップ状先頭体によって前記中間筒状体を押し拡げかつ前記管状体ピースによって前記中間筒状体を前記既設管側に押圧しつつ行われることを特徴とする。
この様に管状体ピースを継ぎ足しつつ管状体の挿入を行う際に、キャップ状先頭体の存在により、その挿入作業がより円滑なものとなる。すなわち、既に挿入されている中間筒状体をキャップ状先頭体により、まず押し拡げられる。したがって、その後に続く管状体ピースの挿入作業は円滑なものとなり、更に、管状体ピースが中間筒状体を既設管側に押圧しつつ挿入される状態がより確実に形成される。
請求項5に係る既設管補修工法は、請求項1から4の何れかに係る既設管補修工法において、
前記筒状体硬化工程が、進行方向前方部に加熱手段を有し、後方部に冷却手段を有する移動体を前記挿入された管状体内を所定の速度で移動させ、前記移動体の移動中に管状体を加熱、冷却し、その管状体の温度変化を前記中間筒状体に伝達することで、前記中間筒状体を溶融、硬化させることによって行われることを特徴とする。
この様に、進行方向前方に加熱手段、後方に冷却手段を有する移動体を管状体内で移動させるという簡単な作業によって管状体の外側に在る中間筒状体を溶融硬化させることができる。この様に既設管と管状体の間に存在する中間筒状体を直接加熱、冷却する作業を行うことなく、管状体を介しての熱伝達による中間筒状体の溶融、硬化作業により、より簡単な構成の装置による簡単な溶融硬化作業が達成されている。
請求項6に係る既設管補修工法は、請求項1から5の何れかに係る既設管補修工法において、
前記中間筒状体の外側面に、不透水性の膜が設けられたことを特徴とする。この構成により、一般的に補修対象である既設管には亀裂や隙間が生じている場合もあり、その様な箇所から地下水や雨水等が進入するおそれがある。したがって、上述の不透水性の膜の設置により、既設管を通って中間筒状体側に水が進入することを的確に防止することができる。
本発明に係る既設管補修工法によれば、補修対象の既設管と管状体との間の隙間を充填用部材で充たすための作業を大がかりな装置を用いることなく、簡単な作業により確実に行うことができ、且つ完成する更生管の品質を安定した高いものとすることができる。これにより、既製の剛性を有する管状体を既設管内に挿入して既設管の補修を行う作業の信頼性を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図9は、本発明の既設管補修工法が適用される管渠の例を示している。図示のように、所定間隔を置いて設置されたマンホール100と102との間には補修対象の既設管である下水道本管10が配置されている。この下水道本管10を本発明工法を用いて補修する場合を例にして説明する。
図1から図8は、下水道本管10内に管状体を導入して補修を行う本発明の実施の形態を示しており、図1(A)及び(B)は、中間筒状体12の挿入状態を示している。同図(A)は既設管10の伸長方向に沿った概略縦断面図、同図(B)は下水道本管10の伸長方向に直交する方向の概略縦断面図である。なお、各図において示された管状体のそれぞれの厚さは、構造の理解を容易にするため実際の管状体の厚さとは異なる比率で縮尺して示している。
図1に示したように、まず、下水道本管10には、中間筒状体12が、一方のマンホール側から、例えば、他方側からの牽引による引き込み動作により挿入されており、拡径していない状態となっている。この中間筒状体12の挿入は、図1に示した様な引き込み挿入に限られず、中間筒状体12を内側から反転させつつ送り込む既知の反転挿入方法を用いることも可能である。
図2は、既設管10に挿入される段階での上記中間筒状体12の例が示されている。図示のように、繊維状に形成された熱可塑性材料と同じく繊維状に形成された補強用芯材が編まれて形成されている。この中間筒状体12の厚さは、例えば、2mm〜30mm程度のものが用いられるが、既設管の径や設置状況に応じて種々調整することができる。熱可塑性材料としてはポリエチレンや塩化ビニル、ポリプロピレンPB等であり、補強用芯材としてはガラス繊維が用いられている。この中間筒状体12は、この様に、細い繊維状の熱可塑性材料を用い、同じく繊維状の補強用芯材とを編んで構成していることから、熱変化による溶融、硬化の前の状態では柔軟性を有している。従って、図1に示した様な既設管内への挿入作業は容易に行うことが可能である。
次に、図3は、管状体20を挿入する工程を示している。図示のように、まず、先頭の管状体20ー1の先端に取り付けられたキャップ状の先頭体14が、上記挿入された中間筒状体12内に進入している。先頭体14は、樹脂、金属など種々の材質にて構成することが可能であり、先頭部に向かって漸次外径の小さくなる形状を有し、先端は丸みを帯びた形状となっている。この先頭体14は、後方側、例えば、マンホール側から押し込み機構などによって押し込まれるが、その様な押し込み動作に限られず、予め、予め中間筒状体12内に挿通された牽引用のワイヤ15を先端部に取り付け、他方のマンホール側へ矢印300方向に牽引することにより進行させることも可能である。そして、これらの状況では、先頭体14は上記先端の丸みを帯びた尖った形状により、円滑に中間筒状体12を押し広げて進むことができる。
また、先頭体14の進入動作の段階では、図4に示したように、中間筒状体12の端部を閉塞手段16によって塞ぎ、空気等を吹き込んで予め拡径させておくことも可能であり、これにより、先頭体14の挿入及びこれに続く管状体を挿入する作業(後述)がより円滑なものとなる。
図5は、先頭体14に続けて管状体20を連続して挿入する作業が示されている。本実施の形態では、例えば、軸方向長さ50cm〜1mの短いサイズに形成された管状体ピース20−1〜20−nを順次送り込むことによって、管状体20全体の挿入が行われている。管状体ピース20−1〜20−nは、本実施の形態では、例えば、ステンレス製のものが用いられ、予め工場にて製造することができ且つ、管状体20の軽量化も図られている。また、管状体20の材料としては、ステンレスなどの金属材料に限定されるものではなく、熱伝導性の良好な樹脂部材等を用いることも可能である。
また、管状体ピース20−1〜20−nの各管の肉厚については、1mm〜3mmの比較的薄いものを採用することができ、軽量に構成することで、設置作業等も容易なものとなる。この様に、管状体ピース20−1〜20−nを薄く軽量な構成とすることができるのは、補修対象の下水道本管10への管状体ピース20−1〜20−nの全ての挿入が終わり、後述する最終的な中間筒状体12の硬化が終了した状態では、新しい管、すなわち更生管は、この管状体ピース20だけでなく、硬化した中間筒状体12との合体物として構成されている。すなわち、既設管である下水道本管10内の新管は管状体20と中間筒状体12によって十分な強度が確保されるので、管状体20自体は、薄型、軽量のものを用いることも可能である。そして、この薄型の構成は、後述する管状体20を介しての中間筒状体12の加熱溶融や冷却硬化の作業において良好な熱伝導性を発揮することとなり、本発明の既設管の補修において好適な作用を奏することとなる。
なお、各管状体ピース20−1〜20−n相互の結合は、押し込み動作時の押圧力によって係合状態が得られる程度の密着度でも足りるが、押し込み機構によって後段の管状体ピース20−(x)を前段の管状体ピース20−(x−1)に対して回転させて螺入結合させるようにすることも可能である。また、先頭体14及び後続の管状体ピース20を牽引動作によって引き込むことも可能であるが、この場合には、後続の管状体ピース20の追加毎に、前方の先頭体14又は管状体ピース20に係合させる動作を行い、係合動作後に、牽引を行うこととなる。
図5においては、先頭体14に続いて3個の管状体ピース20−1〜20−3が挿入されている状態が示されているが、この様に、順次管状体ピース20−1〜20−nを繋いで必要な長さを得るものである。本実施の形態の場合、2つのマンホール間に存する下水道本管10の全長に亘って繋がれる。
図6は、中間筒状体12を硬化させる工程を示している。図示のように、中間筒状体12の硬化は、管状体20の内側から行われている。すなわち、加熱部30a及び冷却部30bを備える移動体30を管状体20内で移動させることで管状体20を加熱し、その後冷却し、この管状体20の温度変化を中間筒状体12に伝達することで硬化させている。
図7は移動体の構成の一例を示す概略構成図であり、加熱部30aは、移動体30の進行方向前方側に設けられ、例えば、ケーシング32内に電熱線や赤外線発光手段などの発熱体の加熱手段34を内部に装填し、ケーシング32からこの熱が熱風や光線を媒体として管状体20側に伝わるようにしている。例えば、赤外線ランプなどの発光体を用いる場合、ケーシング32を透光性の部材で構成することで、管状体20に的確に熱を伝達することができる。また、発熱体を用いる場合、ファンなどをケーシング32に装着してケーシング32内の熱を管状体20側に吹き出すようにするのが好適である。中間筒状体12の繊維状の熱可塑性部材は、150℃程度で溶融するので、ステンレス製の管状体20を介して中間筒状体12が150℃程度に熱せられるように温風を吹き出すものである。
また、冷却部30bは、移動体30の進行方向後方側に設けられ、熱せられて溶融した中間筒状体12を冷却するものであり、常温以下にまで冷却する必要はなく、ケーシング38にファン40を取り付け、管状体20に風を吹き付けることで冷却するものである。
この移動体30の管状体20内での移動は、上記ケーシング32,38が管状体20内で適正な位置に保持されるように、図示しない車輪付きの脚部をケーシング32,38に設け、例えばワイヤ39による牽引等によって管状体内を移動させることが可能である。
これらの各工程により、管状体20の外周面と下水道本管10の内周面との隙間が、簡単な作業により、硬化した中間筒状体12によってほぼ均一な状況で隙間なく充満される。すなわち、管状体20の外周面と下水道本管10の内周面との隙間に液状の充填材を注入するという煩雑な作業や注入のために設備を使用することが解消されている。また、この中間筒状体12の溶融、硬化は管状体20の内側から間接的に行われるので、管状体20内の空間を利用して簡単な作業で行うことができる。
また、上記図2の説明部分で述べたように、中間筒状体12が、繊維状に形成された熱可塑性材料(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリブタジエン等)と補強用芯材が編まれて形成されていることから、中間筒状体12の溶融硬化工程によって、中間筒状体12が硬化した状態では、熱可塑性部材が溶融し、それぞれ独立した繊維状態から一体的に固まった筒状体となる。一方、補強用芯材として編み込まれたガラス繊維は、上述の温度上昇では溶融しないので、繊維状態で残る。したがって、中間筒状体12は硬化した状態では、ガラス繊維で強化されてた筒状体となって管状体20の外周面と下水道本管10の内周面との隙間を埋めるものである。
次に、図8は、補修対象である既設管の下水道本管10内に導入された状態の中間筒状体12の外側面に不透水性膜が存在するように中間筒状体12の導入工程を行う実施の形態を示すための説明図である。
図示のように、中間筒状体12が下水道本管10内に導入された状態では、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の材料で形成された不透水性膜40が中間筒状体12の外側面に存在している。すなわち、下水道本管10と中間筒状体12の間に不透水性膜40の層が存在している。したがって、補修対象である下水道本管10には亀裂や隙間が生じている場合でも、この不透水性膜40の層により、上記亀裂等から地下水や雨水等の進入を阻止することができ、中間筒状体12を保護することができる。
また、本実施の形態では、不透水性膜40は、例えば、熱発泡性材料を含んで形成されており、これにより加熱されて膨張して硬化する性質が付加されている。したがって、管状体20の外周面で硬化する中間筒状体12と下水道本管10の内周面との密着性をより向上させることができる。
すなわち、管状体20が加熱、冷却され中間筒状体12が上述のように硬化すると、その中間筒状体12の外周面で不透水性膜40が膨張して硬化する。これにより、不透水性膜40は下水道本管10の内周表面の細かい凹部400や亀裂500などに膨張進入して硬化する。したがって、下水道本管10に対する追従性が良好となり、管状体20と中間筒状体12による新管が完成した状態での更生新管の下水道本管10、すなわち既設管内周面への密着性が向上する。
なお、本発明は上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、先頭体14は本願発明方法の必須の構成要素ではなく、本願発明工法の円滑性を向上させるための部材として用いられるものである。したがって、これらの部材を用いることなく本願発明方法を実施することも可能である。すなわち、円筒状の管状体ピースをそのまま先頭として挿入することも可能である。
また、実施の形態では、中間筒状体12の溶融、硬化を行うための移動体を、発光体や発熱体を用いた加熱手段と送風による冷却部との構成で示したが、これに限定されるものではなく、管状体20を介して中間筒状体12を150℃程度にまで温度上昇させることのできる装置であれば、公知のいかなる装置を用いることが可能である。
更に、上記実施の形態では、補正対象の既設管として下水道本管10を示したが、本発明方法はこの様なマンホール管に存する下水道本管に補修対象を限定するものではなく他の種々の既設管にも適用できるものである。
(A)及び(B)は、既設管への中間筒状体の挿入状態を示す説明図である。 中間筒状体の構成例を示す説明図である。 管状体挿入の初期段階の動作を示す挿入動作説明図である。 管状体挿入の前段階で中間筒状体を拡径しておく場合の例を示す概略動作説明図である。 管状体ピースを用いた管状体挿入動作の概略説明図である。 管状体内に挿入された中間筒状体の溶融硬化の動作を示す概略説明図である。 中間筒状体の溶融硬化を行う移動体の構成例を示す概略構成図である。 中間筒状体の外周面に不透水性膜を施した実施の形態の説明図である。 実施の形態に係る既設管補修工法が適用される一例としての下水道の構成説明図である。
符号の説明
10 下水道本管
12 中間筒状体
14 先頭体
16 閉塞手段
20 管状体
20−1〜20−n 管状体ピース
30 移動体
30a 加熱部
30b 冷却部
32 移動体ケーシング
34 加熱手段
40 ファン

Claims (6)

  1. 補修対象の既設管内に該既設管よりも小径の既製の管状体を導入することで前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、
    前記既設管内への前記管状体の導入前に、
    熱可塑性を有し、少なくとも前記既設管内周面に全周が接触し得る外径を有する筒状体を未硬化状態で既設管内に導入する中間筒状体導入工程を行い、
    前記導入された中間筒状体内に、良好な熱伝導性を有する剛性部材にて形成された前記管状体をその外周面が前記中間筒状体内周面に密着するように挿入する管状体挿入工程を行い、
    前記管状体を内側から加熱し、その後冷却して該管状体の外部に在る前記中間筒状体を溶融、硬化させる筒状体硬化工程を行うことを特徴とする既設管補修工法。
  2. 前記良好な熱伝導性を有する管状体は、金属にて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の既設管補修工法。
  3. 前記中間筒状体は、熱可塑性繊維材と繊維状に形成された補強用芯材とを編んで構成したことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  4. 前記管状体挿入工程は、
    複数の管状体ピースを後方から連結しつつ、該連結された管状体ピースを後方から押し進め又は前方から牽引することによって行い、
    先頭の前記管状体ピースの進行方向先端側には、進行方向に向かって漸次外径の小さくなったキャップ状先頭体が装着され、該キャップ状先頭体によって前記中間筒状体を押し拡げかつ前記管状体ピースによって前記中間筒状体を前記既設管側に押圧しつつ行われることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  5. 前記筒状体硬化工程は、
    進行方向前方部に発熱部を有し、後方部に冷却部を有する移動体を前記挿入された管状体内を所定の速度で移動させ、
    前記移動体の移動中に管状体を加熱、冷却し、その管状体の温度変化を前記中間筒状体に伝達することで、前記中間筒状体を溶融、硬化させることによって行われることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  6. 前記中間筒状体は、
    外側面に不透水性の膜が設けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の既設管補修工法。
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