JP2023181977A - 管路内周面裏打工法 - Google Patents

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Takayoshi Umeda
圭吾 中村
Keigo Nakamura
陽一 寺嶋
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Abstract

【課題】管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法に関し、裏打材の温度が該裏打材の耐熱温度を超えないように管理しつつも裏打後の裏打材の強度をより高める。【解決手段】裏打材10を管路Kの内周面K3に向けて押し付けながら裏打材10に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、裏打材10に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する監視工程とを有し、硬化工程が、裏打材10に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視工程において確認した後、該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる工程である。【選択図】図5

Description

本発明は、管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法に関する。
従来、下水を流す下水管路や電力ケーブルが収容された地中電線管路等の地中に埋設された管路が存在する。また、上水を流す上水管路も地中に埋設されている。さらには、河川や水路などを横断するために架けられた橋梁に通された送水用の管路は、地中に埋設されてはいない。これらの管路は、地震や老朽化等により、ひび割れたり継ぎ手部分が離間して隙間を生じたり、あるいは継ぎ手部分がずれて段差を生じることがある。また、老朽化しなくても、管路を新たに敷設した際に、継ぎ手部分に隙間や段差が生じてしまうこともある。ひび割れ、隙間または段差が管路に存在すると、管路内を流れる流体や管路内に収納された収納物が外に出てしまうおそれがあり、また管路内に雨水が浸入したり、地中に埋設されたものでは土砂等が浸入するおそれもある。
このひび割れや隙間が存在する管路を補修する技術として、硬化性樹脂を含浸した裏打材を管路の内周面に押し付けた状態で硬化性樹脂を硬化させ、硬化性樹脂が硬化した裏打材で裏打ちする技術が知られている。
また、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、その熱硬化性樹脂を加熱する際に、温度測定手段を用いて裏打材の温度を監視し、温水の温度(加熱温度)を管理する技術を本願出願人は提案している(特許文献1)。
この特許文献1では、熱硬化性樹脂の硬化発熱によって裏打材の温度が上昇することを見越し、裏打材の温度が硬化発熱によって上昇しても裏打材の耐熱温度を超えないように予め調整した温度の温水を、硬化発熱が終了した時点から所定時間が経過するまで継続的に供給し、所定時間が経過すると温水から常温水に徐々に置き換えていく技術が提案されている。
特開2019-93555号公報
特許文献1の技術で解決される、裏打材の温度が該裏打材の耐熱温度を超えないようにすることは大変重要なことであるが、昨今の管路内周面裏打工法では、裏打後の裏打材の強度をより高めることが望まれるようになってきている。
本発明は上記事情に鑑み、裏打材の温度が該裏打材の耐熱温度を超えないように管理しつつも裏打後の裏打材の強度をより高めることができる管路内周面裏打工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の管路内周面裏打工法は、
管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する監視工程とを有し、
前記硬化工程が、前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを前記監視工程において確認した後、該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる工程であることを特徴とする。
硬化性樹脂は、液体から固体になる際に硬化発熱を生じ、前記裏打材の温度は上昇する。前記監視工程では、硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視しており、結果として前記裏打材の温度が上昇しきったことを監視していることになる。硬化性樹脂が硬化発熱を終えた後で、該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させると硬化後の硬化性樹脂の強度が高くなる。その結果、裏打後の裏打材の強度がより高まる。しかも、硬化性樹脂は既に固体になっていることから硬化発熱することはなく、裏打材の温度が硬化発熱によって上昇する恐れもない。
なお、裏打材で裏打ちする管路は、上水道の管路であってもよいし、下水道の管路であってもよいし、それ以外の管路であってもよい。
前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等であってもよい。
「該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる」とは、前記硬化性樹脂を硬化させるために該硬化性樹脂に与えるエネルギー量を増加させることを意味する。より具体的には、前記硬化工程は、光硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線等の光を照射する工程であり、「該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる」とは、光の照射時間をそれまでよりも長くすることを意味する。また、前記硬化工程は、熱硬化性樹脂を用いた場合には、蒸気や温水等の加熱媒体を供給して加熱する工程であり、「該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる」とは、加熱媒体の温度をそれまでよりも高めることを意味する。
前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になる際には、硬化発熱を生じ、一旦温度上昇し、裏打材の温度はピーク温度に達し、その後、温度低下を開始する。光照射や加熱媒体の供給をそのまま継続していると、裏打材の温度は、やがてほぼ一定の温度に落ちつく。この状態で、硬化工程を終了するのではなく、硬化をさらに促進させると、硬化性樹脂の強度をさらに高めることができる。
前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを、上記ピーク温度の出現で判定してもよいし、該裏打材の硬さで判定してもよいし、硬化を開始してからの時間で判定してもよい。なお、硬化性樹脂が液体から固体になる変化の終了タイミングは、上記ピーク温度に達した時のタイミングに限らず、上記ピーク温度に達した後のタイミングである場合もある。
前記監視工程が、前記裏打材の温度を監視する工程であってもよい。
また、
前記硬化工程は、前記裏打材に加熱媒体を供給し該裏打材に含浸された硬化性樹脂を加熱することで該硬化性樹脂の硬化を促進させる工程であり、
前記監視工程は、前記裏打材の温度を監視する工程であり、
前記硬化工程が、前記監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給する工程であり、
前記裏打材から回収した前記加熱媒体の温度も測定することを特徴としてもよい。
前記加熱媒体は、前記裏打材に供給された時点から温度低下を開始するが、前記硬化性樹脂が硬化発熱すると、加熱媒体も加熱されて温度上昇する。このため、前記裏打材から回収した前記加熱媒体の温度を測定しておけば、加熱媒体が前記裏打材に正常に供給されているか否かを見極めることができる。
また、前記監視工程で前記裏打材の温度が正しく測定されていないと、前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことが検出されず、前記監視工程の時間ばかりがむやみに延びてしまう。一方、前記裏打材から回収した前記加熱媒体の温度を測定しておけば、前記硬化性樹脂で硬化発熱が開始されたことを検知することも可能である。前記裏打材の温度変化と前記加熱媒体の温度変化を見比べることで、前記監視工程において該裏打材の温度が正常に測定されているか否かをチェックすることもできる。そして、前記監視工程において該裏打材の温度が正常に測定されていなかった場合には、前記裏打材に加熱媒体を供給し始めてからの経験則に基づく時間経過によって、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給し始めてもよい。あるいは、前記硬化性樹脂の硬化発熱が終了すると加熱媒体の温度も下降に転じるため、加熱媒体の温度が下降に転じたことを確認した後、前記裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給し始めてもよい。
また、
前記硬化工程は、前記裏打材に加熱媒体を供給し該裏打材に含浸された硬化性樹脂を加熱することで該硬化性樹脂の硬化を促進させる工程であり、
前記監視工程は、前記管路に沿って延在した前記裏打材の端部から挿入した温度測定手段によって測定した前記裏打材の温度を監視する工程であり、
前記硬化工程が、前記監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給する工程であり、
前記温度測定手段が挿入された前記裏打材の端部を該温度測定手段を残したまま密封する後処理工程を有することを特徴としてもよい。
前記裏打材の裏打ちが完了した管路を使用するにあたり前記温度測定手段が露出していることで悪影響を及ぼすことを無くすことができる。例えば、管口での地下水の漏水等、管口の水密性の低下を防止することができる。あるいは、前記管路を流れる流体が前記温度測定手段によって汚染されたり、該管路に収納された物が前記温度測定手段によって損傷されたりすることを防止することができる場合もある。
なお、前記温度測定手段は、前記管路の内周壁と前記裏打材の外周面との間に設置されたものであってもよいし、該裏打材の厚み部分に設置されたものであってもよい。いずれの場合であっても、前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が硬化してしまうと前記温度測定手段を取り除くことができなくなるため、前記後処理工程において、該温度測定手段を残したまま前記裏打材の端部を密封してしまうことがよい。
本発明によれば、裏打材の温度が該裏打材の耐熱温度を超えないように管理しつつも裏打後の裏打材の強度をより高めることができる管路内周面裏打工法を提供することができる。
管路の裏打ちに用いられるライニング材の一実施形態を示す斜視図である。 施工現場において図1に示すライニング材10を使用して管路を裏打ちする工程を示すフローチャートである。 ライニング材を管路内に引き込んでいる様子を示す模式的に示す図である。 図3に示す管路Kの内周面をライニング材で裏打ちしている様子を模式的に示す断面図である。 ライニング材の内部空間に供給する加熱用蒸気の温度等の変化の一例をおおまかに表すグラフである。 上水道の管路内周面裏打方法を示すフローチャートである。 (a)は反転装置の一例を示す図であり、(b)はライニング材が口部に取り付けられた部分を拡大して示す断面図であり、(c)は硬化工程が実施されている、到達側の立坑付近を模式的に示す断面図である。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、管路の裏打ちに用いられるライニング材の一実施形態を示す斜視図である。
図1に示すライニング材10は、管路K(図3及び図4参照)の内周壁を裏打ちする際に用いられるスリーブ状のものである。図1には、スリーブ状のライニング材10が扁平につぶされた様子が示されている。このライニング材10は、ベースホース100とキャリブレーションホース110という2つのスリーブ状のライニング材が一体になったものである。以下、ライニング材10の径方向外側を単に外側と称し、径方向内側を単に内側と称する。ベースホース100はキャリブレーションホース110の外側に位置するものである。キャリブレーションホース110は、ベースホース100よりも厚みが薄いものである。
ベースホース100は、基材層101と外側フィルム層102とを有する。図1に示す基材層101は、ポリエステルの不織布である。なお、この基材層101は、ポリエステルに限らず、ナイロン、アクリル、ビニロンなどの有機繊維質材料からなる不織布であってもよいし、その有機繊維質材料からなる織布であってもよいし、カーボン繊維やガラス繊維などの無機繊維質材料からなる不織布あるいは織布であってもよく、さらには、有機繊維質材料と無機繊維質材料を組み合わせたのものであってもよい。
図1に示す基材層101には、コンパウンドが含浸されている。基材層101に含浸するコンパウンドはビニルエステル(エポキシアクリレート)樹脂を主成分とするものである。なお、ビニルエステル樹脂に代えて、不飽和ポリエステル樹脂や、ウレタンアクリレート樹脂等を用いてもよい。ビニルエステル樹脂は、ラジカル重合性モノマーによって架橋する熱硬化性樹脂の一種である。コンパウンドには、架橋剤、粘度調整剤、充填剤(フィラー)、硬化剤(過酸化物等)、各種の添加剤等が含有されている。
外側フィルム層102は、基材層101を外側から覆うものであり、基材層101に含浸されたコンパウンドが外側へ滲出することを抑える機能を有する。すなわち、外側フィルム層102は、不透水性のものである。図1に示す外側フィルム層102は、ナイロン(NY)をポリエチレン(PE)で挟み込んだ積層構造(PE/NY/PE)のものである。なお、ポリエチレンに代えて、ポリプロピレン等の他のポリオレフィンを用いてもよく、さらには、積層構造ではなく単層構造のものであってもよい。
キャリブレーションホース110は、基材層111と伸長層112とを有する。図1に示すキャリブレーションホース110の基材層111も、ベースホース100の基材層101と同じく、ポリエステルの不織布である。なお、この基材層111も、ポリエステルに限らず、ナイロン、アクリル、ビニロン等の有機繊維質材料からなる不織布であってもよいし、その有機繊維質材料からなる織布であってもよいし、カーボン繊維やガラス繊維などの無機繊維質材料からなる不織布あるいは織布であってもよく、さらには、有機繊維質材料と無機繊維質材料を組み合わせたのものであってもよい。
図1に示すキャリブレーションホース110の基材層111にもコンパウンドが含浸されている。キャリブレーションホース110に用いるコンパウンドも、熱硬化性樹脂を主成分とするものであり、ここでの熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、および不飽和ポリエステルアクリレートから選ばれた熱硬化性樹脂を用いることができる。このコンパウンドにも、架橋剤、粘度調整剤、充填剤(フィラー)、硬化剤(過酸化物等)、各種の添加剤等が含有されている。
伸長層112は、このライニング材10の最内周面を形成するポリウレタンからなる伸長性に優れたものである。すなわち、ベースホース100の外側フィルム層102よりも、伸長性に勝るものである。
次に、図1に示すライニング材を製造する方法について説明する。ここで説明する方法は工場内で実施される。
まず、裏打ちする管路に適合した適宜の材料を用意する。ここで用意する材料には、コンパウンドを未含浸のベースホース100と、同じくコンパウンドを未含浸のキャリブレーションホース110が含まれる。これらのホース(100,110)は、裏打ちする管路の長さに応じた長さにカットされたスリーブ状のものであり、別々に用意される。ここで用意するベースホース100は、外側フィルム層102が外側に位置し、その外側フィルム層102の内側に基材層101が位置する。一方、キャリブレーションホース110は、伸長層112が外側に位置し、その伸長層112の内側に基材層111が位置する。すなわち、図1に示すキャリブレーションホース110の状態とは表裏が逆の状態にある。
また、ベースホース100に含浸するコンパウンドのもとになる、ベースホース用主剤、充填剤(フィラー)、硬化剤(過酸化物等)、および各種の添加剤も用意される。ここで用意されるベースホース用主剤は、熱硬化性樹脂であるビニルエステルを主成分(50重量%以上)とするものである。また、コンパウンドには、架橋剤および粘度調整剤も用いられる。さらに、ベースホース用主剤には、揺変性付与剤としてのシリカ、硬化促進剤としてのナフテン酸コバルト、および重合禁止剤等も用いられる。
また、キャリブレーションホース110に含浸するコンパウンドのもとになる、キャリブレーションホース用主剤、充填剤(フィラー)、硬化剤、および各種の添加剤も用意される。キャリブレーションホース用主剤も、熱硬化性樹脂を主成分とするものである。キャリブレーションホース用のコンパウンドにも、架橋剤および粘度調整剤としてメタクリル酸エステルも用いられる。
次いで、樹脂混合を行う。ここでは、ベースホース用主剤、充填剤、硬化剤、および各種の添加剤が混合され、ベースホース用コンパウンドが調製される。また、キャリブレーションホース用主剤、充填剤、硬化剤、および各種の添加剤も混合され、キャリブレーションホース用のコンパウンドも調製される。
続いて、ベースホース100の基材層101に、調製したベースホース用コンパウンドを含浸する。また、キャリブレーションホース110の基材層111に、調製したキャリブレーションホース用コンパウンドを含浸する。ベースホース100の基材層101にはコンパウンドを飽和に含浸し、キャリブレーションホース110の基材層111にはコンパウンドを過飽和に含浸する。すなわち、コンパウンドの含浸率を、ベースホース100の基材層101よりもキャリブレーションホース110の基材層111の方を高くしておく。こうして、コンパウンドが含浸されたベースホース100と、コンパウンドが含浸された基材層111が内側に位置するキャリブレーションホース110とが別々に準備される。なお、ベースホース100の基材層101にコンパウンドを過飽和に含浸し、キャリブレーションホース110の基材層111にコンパウンドを飽和に含浸してもよい。
次に、コンパウンドが含浸されたベースホース100の内側にキャリブレーションホース110を反転挿入する。反転挿入では、基材層111が内側に位置するキャリブレーションホース110をその基材層111が外側にくるようにめくり返しながら、キャリブレーションホース110をベースホース100の内側に挿入する。キャリブレーションホース110は、ベースホース100の一端側からベースホース100の内側に入れ込まれ、空気又は水の力によって反転挿入される。キャリブレーションホース110は、ベースホース100よりも厚みが薄いものであるため、反転挿入は容易に行われる。キャリブレーションホース110を反転挿入することで、ベースホース100の基材層101とキャリブレーションホース110の基材層111が接触し、図1に示す、ベースホース100とキャリブレーションホース110という2つのスリーブ状の部材が一体になったライニング材10が完成する。図1に示すように、ライニング材10の最外側面は外側フィルム層102によって構成されるとともにその最内側面は伸長層112によって構成され、外側フィルム層102と伸長層112の間に、熱硬化性樹脂を含浸した基材層101,111が配置される。その後、伸長層112の内側に、ライニング材10を加熱するための蒸気を供給するための加熱媒体供給チューブ36(図4参照)を挿入しておく。
完成したライニング材10は、偏平にし、つづら折りにして折り畳んだ状態で低温保管する。なお、完成したライニング材10を巻き取った状態で低温保管してもよい。低温保管されているライニング材10は、折り畳んだ状態あるいは巻き取った状態のまま保冷車によって施工現場に運搬される。
次に、施工現場における管路内周面裏打工法について説明する。
図2は、施工現場において図1に示すライニング材10を使用して管路を裏打ちする工程を示すフローチャートである。
まず、施工現場では施工準備がなされ(ステップS1)、次いで、管路内の洗浄、および管路内を走行するテレビカメラを用いて管路内の調査が行われる(ステップS2)。この調査によって、管路における損傷箇所の確認等がなされる。
続いて、ライニング材10を管路内に引き込む(ステップS3)。
図3は、ライニング材を管路内に引き込んでいる様子を示す模式的に示す図である。
裏打ち対象になる管路Kは、マンホールM1,M2間に設けられた、下水を流すためのコンクリート製のものであり、地中に埋設されているが、マンホールM1,M2を通じて地上からアクセスすることが可能である。この管路Kには、全体に亘ってひび割れC1~C4が生じており、管路の全長(マンホールM1とマンホールM2の間)に亘って、管路Kの内周面を図1に示すライニング材10によって裏打ちする。なお、図3では、管路Kの全長を実際よりもかなり短く示している。
保冷車CCで運搬されてきたライニング材10には、上述のごとく工場内で加熱媒体供給チューブ36(図4参照)が挿入されている。このライニング材10は、保冷車CCからマンホールM1を通って管路K内に引き込まれる。まず、裏打ちする管路Kに接続している一方のマンホール(以下、発進側マンホールM1と称する)の入口M11近傍に保冷車CCを止め、裏打ちする管路Kに接続している他方のマンホール(以下、到達側マンホールM2と称する)の入口M21近傍にウインチWを設置する。続いて、滑車Pを介してウインチWに巻かれている引込ワイヤY1の後端を到達側マンホールM2に挿入し、発進側マンホールM1まで引込ワイヤY1を貫通させる。
ライニング材10の先頭部分を結束ワイヤY2で結束し、その結束ワイヤY2と発進側マンホールM1まで貫通した引込ワイヤY1の後端を、発進側マンホールM1内で接続する。到達側マンホールM2の入口M21近傍に設置したウインチWで、引込ワイヤY1を巻き取り、ライニング材10を、裏打ちする管路Kの、発進側マンホールM1との接続部分(入口K1)から管路内に引き込む。ライニング材10の、結束ワイヤY2で結束した先頭部分が、裏打ちする管路Kの、到達側マンホールM2との接続部分(出口K2)から出るまで引込ワイヤY1を巻き取ったらウインチWを停止して引き込みを完了する。
次に、ライニング材10を管路内にセットする(ステップS4)。まず、ライニング材10から結束ワイヤY2を取り外す。ライニング材10の到達側の端部は、管路Kの出口K2から出ている。一方、ライニング材10の発進側の端部は、管路内に引き込まれておらず、入口K1の手前に残っている。
また、ステップS4では、ライニング材10の到達側(出口K2側)の開口端部に、到達側治具を設置し、到達側端部を密閉状態にする。
図4は、図3に示す管路Kの内周面をライニング材で裏打ちしている様子を模式的に示す断面図である。この断面図は、管路Kの延在方向に沿って断面したときの図であり、図の左右方向が管路Kの延在方向になる。この図4でも、図3と同じく、管路Kの全長を実際よりもかなり短く示している。また、ライニング材10の厚みを実際よりもかなり厚く示している。
図4には、ライニング材10の到達側の開口端部に設置された到達側治具35が示されている。図4に示す到達側治具35は、締結ドラム351と到達側締付部材352とを備えている。締結ドラム351は、両端が開口した円筒形状のドラムである。また、図4には、ライニング材10に工場内で挿入された加熱媒体供給チューブ36も示されており、この図4に示す状態では、ライニング材10の到達側端部と加熱媒体供給チューブ36の先端部はともに、到達側締付部材352によって締結ドラム351の外周面に締め付けられている。なお、締結ドラム351を用いないで、ライニング材10の到達側端部と加熱媒体供給チューブ36の先端部をまとめて縛り付けるだけでもよい。ただし、締結ドラム351を用いることで、ライニング材10の到達側端部と加熱媒体供給チューブ36の先端部を強固に締め付けることが可能になる。後述するように、加熱媒体供給チューブ36からライニング材10の内側に加熱用蒸気が供給される。ライニング材10の到達側端部と加熱媒体供給チューブ36の先端部を強固に締め付けておくことで、加熱用蒸気が端部から漏れ出てしまうことを防止することができる。なお、ライニング材10として、到達側端部が事前に閉塞されたものを用いてもよい。同様に、加熱媒体供給チューブ36として、先端部が事前に閉塞されたものを用いてもよい。
さらに、ライニング材10の発進側の開口端部には、発進側治具34を設置し、発進側端部も密閉状態にする。図4には、この発進側治具34も示されている。発進側治具34は、栓部材341と、発進側締付部材342と、チューブ締付部材343とを備えている。栓部材341は、供給口部3411と排出口部3412を有し、供給口部3411と排出口部3412を除いて発進側の端面が閉塞した円筒形状のものである。供給口部3411と排出口部3412は、その閉塞した発進側の端面を貫通し、その端面に固定されている。図4に示す状態では、ライニング材10の発進側端部は、発進側締付部材342によって栓部材341の円筒部外周面に締め付けられることで栓部材341の円筒部に固定されている。また、図4に示す状態では、加熱媒体供給チューブ36の発進側端部は、チューブ締付部材343によって供給口部3411の外周面に締め付けられることで供給口部3411に固定されている。
また、ステップS4では、発進側マンホールM1の入口M11近傍に、保冷車に代えてボイラー車BCを駐車する。ボイラー車BCに搭載されたボイラー31からは、例えば100℃を超えて加熱された過熱蒸気が送り出される。なお、ボイラー31から送り出される蒸気は、飽和蒸気であってもよい。
加えて、ステップS4では、発進側マンホールM1の入口M11近傍に、コンプレッサ32とミキシング装置33と排気装置38を設置する。コンプレッサ32は、外気(空気)を圧縮して送り出すものである。ボイラー31から送り出された過熱蒸気とコンプレッサ32から送り出された外気は、ともにミキシング装置33に供給され混合される。以下、ミキシング装置33で混合されて送り出される過熱蒸気と外気の混ざり合った気体を加熱用蒸気と称する。ボイラー31とミキシング装置33をつなぐ配管には蒸気バルブ311が設けられており、コンプレッサ32とミキシング装置33をつなぐ配管には圧縮空気バルブ321が設けられている。これらのバルブ(311,321)の開閉を操作することで、ミキシング装置33から送り出される加熱用蒸気の温度を調整したり、その加熱用蒸気の流量を調整することができる。ミキシング装置33からは供給用ホースSHが延びている。この供給用ホースSHは、一端がミキシング装置33に接続され、他端が栓部材341の供給口部3411に接続されている。
排気装置38は、消音部381と排気ダクト382を有する。栓部材341の排出口部3412と消音部381は排出用ホースCHで接続されている。排出用ホースCHには、排出用ホースCH内を流れる流体の流量を調整するための排気バルブCH1と、その流体の温度を計測する温度計測部CH2が設けられている。温度計測部CH2は、排出口部3412の近傍に設けられている。
加熱媒体供給チューブ36は、図4に示す状態では、発進側端部が供給口部3411に固定され、加熱用蒸気が供給される。加熱媒体供給チューブ36の到達側端部は、締結ドラム351に固定されている。加熱媒体供給チューブ36は、ライニング材10の内側において発進側マンホールM1から到達側マンホールM2まで延在している。換言すれば、加熱媒体供給チューブ36は、管路Kの全長にわたって延在している。以下、ライニング材10の内側であって、加熱媒体供給チューブ36の外側の空間を内部空間ISと称する。加熱媒体供給チューブ36には、発進側から到達側に向かって1mおきに直径1cm程度の丸孔362が設けられ、さらにその先にスリット孔361が設けられている。すなわち、スリット孔361は、丸孔362よりも到達側に設けられ、到達側マンホールM2近傍に位置している。このスリット孔361は、例えば、幅が1~2cmで長さが10cm~20cm程度の大きさのものである。図4では、スリット孔361と丸孔362は、かなり大きめに示されている。図4に示すように、スリット孔361と丸孔362は、管路Kの延在方向に1列に並んでおり、加熱媒体供給チューブ36の周方向180度反対側にも丸孔362とスリット孔361が管路Kの延在方向に1列に並んでいる。スリット孔361と丸孔362からは、供給用ホースSHを通って供給口部3411から送り込まれた加熱用蒸気がライニング材10の内部空間ISに吹き出る。図4に示す状態は、スリット孔361と丸孔362から加熱用蒸気が内部空間ISに吹き出し、その内部空間ISが加熱用蒸気によって満たされた状態(より具体的には、後述するステップS6の状態)である。
ライニング材10の到達側の端部には、ドレン排出管37が差し込まれている。図4では、図示の都合上、ドレン排出管37がライニング材10の上側部分に差し込まれている様に描かれているが、実際にはドレン排出管37は、ライニング材10の下端部分に差し込まれている。ライニング材10の内部空間ISに吹き出た加熱用蒸気は、ある程度の熱をライニング材10に奪われることで、内部空間ISにおいて一部がドレンに変化する。ドレン排出管37にはバルブ371が設けられた配管が接続しており、そのバルブ371を開けることで、内部空間ISで生じたドレンは、ライニング材10の外部に排出される。
ライニング材10を管路K内にセットして、発進側マンホールM1の入口M11近傍に各種装置(31~33,38)を設置し、供給用ホースSHおよび排出用ホースCHそれぞれの接続が完了すると、ライニング材10の拡径(図2に示すステップS5)を開始する。このステップS5では、まず、図4に示す排気バルブCH1を全開にした状態でコンプレッサ32を起動し、ミキシング装置33、供給用ホースSH、供給口部3411および加熱媒体供給チューブ36に外気の供給を開始する。これにより加熱媒体供給チューブ36が円柱状に膨らみ、スリット孔361と丸孔362からライニング材10の内部空間ISに外気が吹き出し始める。加熱媒体供給チューブ36が膨らんだ後も外気の供給を続けると、スリット孔361と丸孔362から吹き出す外気の量が増加し、吹き出した外気によって内部空間ISが満たされていく。そして、排気バルブCH1を徐々に閉塞していくと、ライニング材10が膨らみ拡径していく。ライニング材10が十分に膨らむと、ライニング材10の外側フィルム層102が管路Kの内周面K3に押し付けられる。このライニング材10の管路Kへの押し付け状態(圧力)を確認し、丁度よい押し付け状態になるように排気バルブCH1の開度を調整する。
続いて、蒸気バルブ311を開いてボイラー31から過熱蒸気を送り出し、ミキシング装置33でその過熱蒸気とコンプレッサ32からの外気を混合して内部空間ISへの加熱用蒸気の供給を開始する。その際、蒸気バルブ311の開度を調整することで、ミキシング装置33から送り出される加熱用蒸気の温度を調整する。また、必要に応じて、圧縮空気バルブ321の開度と排気バルブCH1の開度を調整し、ミキシング装置33から送り出される加熱用蒸気の流量やライニング材10の管路Kへの押し付け圧力を調整する。ミキシング装置33から送り出される加熱用蒸気は、80~100℃程度に調整される。この調整の詳細については、後に詳述する。
スリット孔361と丸孔362から内部空間ISに吹き出した加熱用蒸気は、伸長層112に接し、伸長層112を放射方向に押す。この結果、ライニング材10は、外側フィルム層102が管路Kの内周面K3に押し付けられるまで拡径するとともに加熱される。ライニング材10の拡径にあたり、伸長層112は良好に伸び、ライニング材10における、伸長層112によって形成される内周面は、平滑な面になる。
ライニング材10の内部空間ISに供給された加熱用蒸気は、発進側治具34に設けられた排出口部3412に向かって内部空間IS内を流れ徐々に温度が低下していく。排出口部3412に到達した加熱用蒸気は、排出蒸気として、その排出口部3412から排出用ホースCHを通って消音部381に送り込まれる。消音部381は、排出用ホースCHの断面積よりも広い断面積の内部空間を有するとともに消音材も配置されている。排出蒸気には、ボイラー31の炊き出し音等の音波がのっており、また、大気放出音も生じる。消音部381は、これらの音を消音するものである。消音部381を通過した排出蒸気は排気ダクト382から大気中に排気される。
ステップS5においてライニング材10を拡径し、続くステップS6では加熱用蒸気の供給を継続する。
図5は、ライニング材の内部空間に供給する加熱用蒸気の温度等の変化の一例をおおまかに表すグラフである。この図5に示すグラフでは、横軸は時間を表し、縦軸は温度(℃)を表す。また、実線のグラフがライニング材10の内部空間ISに供給する加熱用蒸気の温度をおおまかに表すグラフである。ここでの温度はミキシング装置33の設定温度になる。さらに、ライニング材10の発進側の端部および到達側の端部それぞれでは、ライニング材10自身の温度を測定している。それぞれの端部では、ライニング材10の底部における温度を測定してもよいし頂部における温度を測定してもよいが、ドレン排出管37から内部空間ISのドレン抜きを行った後、底部における温度を測定することが好ましい。
図4中の大きな丸で囲んで示す図は、ライニング材10の発進側(入口K1側)の端部(管口部)の温度を測定する熱電対391を拡大して模式的に示した図である。
熱電対391は、灰色で示されており、ライニング材10の外側フィルム層102と管路Kの内周面K3との間に設置されている。すなわち、熱電対391は、ライニング材10の外周面の温度を測定する温度測定手段の一例である。熱電対391は、ライニング材10を拡径する前に外側フィルム層102に貼り付けておいてもよいし、ライニング材10を外気のみを用いて十分に膨らませた後、外側フィルム層102と管路Kの内周面K3との間に差し込んでもよい。ライニング材10の到達側の端部(管口部)にも同様に熱電対392が設置されている。なお、ライニング材10の両端部それぞれで、熱電対391,392を、基材層101あるいは基材層111に設置し温度を測定してもよいし、外側フィルム層102と基材層101の間に設置しその間の温度を測定してもよいし、伸長層112と基材層111の間に設置しその間の温度を測定してもよい。
図5に示す1点鎖線のグラフは、ライニング材10の到達側の端部の熱電対392による測定温度をおおまかに表すグラフであり、点線のグラフがライニング材10の発進側の端部の熱電対391による測定温度をおおまかに表すグラフである。なお、熱電対の代わりにライニング材10の全長にわたって光ファイバを設置し、複数箇所でライニング材の温度を測定し温度管理を行ってもよい。
内部空間ISに供給する加熱用蒸気の温度変化に対して、ライニング材10の温度変化は遅れて生じる。さらに、上述のごとく、ライニング材10の内部空間ISに供給された加熱用蒸気は、発進側治具34に設けられた排出口部3412に向かって内部空間IS内を流れ徐々に温度が低下していく。その結果、ライニング材10に含浸された熱硬化性樹脂は、到達側から発進側に向けて徐々に硬化していき、発進側端部に含浸されている熱硬化性樹脂が最後に硬化する。このため、ライニング材10の到達側の端部における温度変化に対して、ライニング材10の発進側の端部における温度変化は遅れて生じる。
上述のごとく、ステップS5におけるライニング材10の拡径では、約80℃の加熱用蒸気が用いられる。加熱媒体供給チューブ36のスリット孔361と丸孔362から約80℃の加熱用蒸気が内部空間ISに吹き出す。硬化性樹脂は、硬化する際に硬化発熱が生じる。この硬化発熱は、硬化性樹脂が液体から固体になる際に生じる反応熱である。このため、ライニング材10の温度は、硬化発熱によって一旦温度上昇し、ピーク温度(図5に示す例では90℃)に達する。硬化性樹脂自体の温度は、自身の硬化発熱により100℃を超える温度にまで上昇する。図5では、2点鎖線のグラフで伸長層112の耐熱温度を表している。伸長層112の耐熱温度は120℃であり、この温度まで硬化性樹脂の温度が上昇すると、伸長層112が溶けてしまう。硬化発熱が生じる前から高い温度の加熱用蒸気(120℃まで高くなくても例えば100℃の加熱用蒸気)を供給すると、硬化発熱分が重畳して硬化性樹脂の温度は120℃に達する恐れがある。このため、硬化発熱が生じるまでは、硬化発熱分を見越してやや低めの加熱用蒸気を供給するようにし、硬化発熱分が重畳しても硬化性樹脂の温度が120℃に達しないようにしている。
やがて、硬化性樹脂の硬化発熱は終了し、ライニング材10の温度は低下し始める。ライニング材10の温度が温度上昇から温度低下に転じたことを検出した後は、加熱用蒸気の温度を上昇させる。より詳細には、ライニング材10の温度が、温度上昇から温度低下に転じたことを検出した後であって、さらにはライニング材10の温度がほぼ一定の温度(図5に示す例では70℃)に落ちついたことを検出すると、ミキシング装置33の設定温度を80℃から100℃に温度上昇させ、再加熱を行う。
硬化性樹脂が液体から固体になる変化の終了タイミングは、ピーク温度に達した時のタイミングの場合もあれば、ピーク温度に達した後のタイミング(例えば、ほぼ一定の温度にまで低下したタイミング)である場合もある。
また、ライニング材10の温度がほぼ一定の温度(図5に示す例では70℃)にまで低下するとすぐに再加熱を開始してもよいが、本実施形態では、発進側端部と到達側端部の間になる中間部分は温度測定を行っておらず、この中間部分の硬化性樹脂が何らかの理由で固体になること(ピーク温度に達すること)が遅れていても固体になる時間(ピーク温度に達するまでの時間)を確保するため、しばらくの時間は再加熱を開始せず、それまでと同じ温度の加熱用蒸気を供給し続ける。
ライニング材10の温度が、温度上昇から温度低下に転じほぼ一定の温度に落ちついたことで、硬化性樹脂の化学反応はある程度のところまで進む。この状態から、より高い温度の加熱用蒸気を供給すると、硬化性樹脂では強度を高める化学反応が生じ、化学反応終了後のライニング材10では強度が高まる。図5に示す例では、ライニング材10の温度が、ピーク温度とほぼ同じ温度まで加熱されている。
上述のごとく、ライニング材10に含浸された熱硬化性樹脂は、到達側から発進側に向けて徐々に硬化していき、発進側端部に含浸されている熱硬化性樹脂が最後に硬化するため、最低限の監視として、ライニング材10の発進側の端部の温度を監視しておけば、ライニング材10全体の硬化が完了したか否かを把握することができ、ミキシング装置33の設定温度を上昇させるタイミングがわかる。このように少なくともライニング材10の発進側の端部の温度を監視しておく必要があるが、発進側と到達側それぞれの温度を監視しておくことが推奨される。
また、ライニング材10に所定温度の加熱用蒸気を継続して供給している状態で、熱硬化性樹脂が硬化発熱すると、内部空間IS内の加熱用蒸気も加熱されて温度上昇し、硬化発熱が終了すると加熱用蒸気の温度も低下する。このため、排出口部3412から排気された排出蒸気の温度を温度計測部CH2で計測しておけば、加熱用蒸気がライニング材10に正常に供給されているか否かを見極めることができる。
ここで、熱電対391,392が、図4中の大きな丸で囲んで示したようにライニング材10の外側フィルム層102と管路Kの内周面K3との間に設置されず、その間から外側に出た箇所に設置されてしまうミスが生じる場合がある。この場合には、ライニング材の温度が正しく測定されず、ライニング材10の硬化が完了したことを把握することが困難になってしまう。すなわち、ピーク温度が検出できず、約80℃の加熱用蒸気の供給時間がむやみに延びてしまう。この対策として、排出用ホースCHに設けられた温度計測部CH2における計測温度の監視が有効である。すなわち、排出口部3412から排気された排出蒸気の温度を温度計測部CH2で計測しておけば、排出蒸気の温度が上昇から下降に転じたことを検出することができる。ライニング材10の温度変化に対して、排出蒸気の温度変化は遅れて生じるため、ライニング材10の温度変化が生じていないのに、排出蒸気の温度変化が生じた場合には、熱電対391,392による正しい温度測定が行われていないことが疑われる。熱電対391,392による正しい温度測定が行われていないことが疑われた場合には、約80℃の加熱用蒸気の供給を開始してからの経験則に基づく時間経過によって、それまでよりも高い温度(例えば、100℃)の加熱用蒸気を供給し始めてもよい。あるいは、排出蒸気の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、それまでよりも高い温度の加熱用蒸気を供給し始めてもよい。温度計測部CH2による排出蒸気の温度監視は、あくまで熱電対391,392によるライニング材10の温度監視のチェック用であり、熱電対391,392による正しい温度測定が行われていないことが疑われた場合には、それまでよりも高い温度でありながらも安全を見て少し低めの温度(例えば、90℃)の加熱用蒸気を供給するようにしてもよい。
なお、硬化性樹脂の強度向上の程度に合わせて、加熱用蒸気の温度(ミキシング装置33の設定温度)は決めればよい。例えば、ライニング材10を、ピーク温度(90℃)よりも高い温度まで加熱した方が強度向上が見込める場合には、上記耐熱温度(120℃)を超えない範囲でより高い温度まで加熱することが好ましい。あるいは反対に、ライニング材10をピーク温度(90℃)まで加熱しなくても十分な強度向上が見込める場合には、ピーク温度未満の所定の温度までしか上昇させないようにしてボイラー31の加熱コストを抑えることが好ましい。
温度上昇させた加熱用蒸気によって硬化性樹脂をさらに継続して加熱する場合、一定時間を超えると強度向上に変化がなくなるため、温度上昇させる加熱用蒸気の温度とともに加熱時間も予め実験によって求めておく。加熱時間としては、30分~90分があげられる。
ステップS5~ステップS6にかけて加熱用蒸気を供給し続けることで、ライニング材10が管路Kの内周面K3に押し付けられた状態で、基材層101,111に含浸されている熱硬化性樹脂が硬化するとともに強度を増し、管路Kの内周面K3がライニング材10によって裏打ちされ、管路Kの内周面K3の内側にライニング材10による新たな自立管路が形成される。
以上説明したステップS5~ステップS6において加熱用蒸気を供給し続けている工程が硬化工程の一例に相当する。また、その硬化工程のうち、加熱用蒸気の温度を一定の温度(図5に示す例では80℃)まで上昇させ、その温度で供給し続ける工程が加熱工程に相当し、さらに硬化を促進させるためにより高い温度の加熱用蒸気を供給する工程が養生工程に相当する。また、ライニング材10に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する監視工程が加熱工程の実施中に合わせて実施されている。
なお、ステップS5~ステップS6では、加熱用蒸気を用いたが、加熱用蒸気に代えて温水を用いてもよい。温水を用いる場合にも、加熱媒体供給チューブ36に温水を供給し、内部空間IS内に温水を流出させ、ライニング材10の発進側からボイラー31まで温水を回収し、再加熱して、供給用ホースSHから再び加熱媒体供給チューブ36に供給する。また、加熱用蒸気に代えて、ミスト状のものを用いてもよい。
そして、図2に示すステップS7では、ボイラー31を停止して蒸気バルブ311を閉じることで、加熱用蒸気に代えて外気(常温の空気)を供給し、硬化したライニング材10を冷却する。
続くステップS8では、ライニング材10の発進側の端部を切断するとともに到達側の端部も切断する。ライニング材10の、発進側の端部を切断することで発進側治具34が除去され、到達側の端部を切断することで到達側治具35も除去される。また、加熱媒体供給チューブ36を撤去するとともに供給用ホースSHと排出用ホースCHも撤去する。
その後、両端の管口仕上げを行う(ステップS9)。すなわち、ライニング材10の発進側の切断部分を養生するとともに到達側の切断部分も養生する。ここでの養生では、熱電対391,392を、ライニング材10の外側フィルム層102と管路Kの内周面K3との間に残したままこの熱電対391,392が発進側マンホールM1や到達側マンホールM2に露出しないように、樹脂やセメントによって固めたりシート(例えば、ゴムシート)で覆ったりする等の密封処理を施す。ライニング材10の外側フィルム層102と管路Kの内周面K3との間に差し込まれた熱電対391,392は、熱硬化性樹脂が硬化すると引き抜くことができなくなる。裏打ちが完了した管路Kを使用するにあたり熱電対391,392が管口から露出していると、管口での地下水の漏水等、管口の水密性に悪影響を及ぼす場合がある。このため、密封処理を施しておく。ステップS9の管口仕上げの工程が、後処理工程の一例に相当する。
なお、管路Kには、取付管が取り付けられている場合が多い。この場合には、その取付管の接続部分に対応する箇所を穿孔し、ライニング材10による新たな自立管路に取付管をつなげる作業を行う。硬化性樹脂が未硬化であると穿孔しにくくなるが、上述のごとく、養生工程を行うことで硬化性樹脂の硬化が保証されており、穿孔を容易に行うことができる。
最後に、ライニング材10の伸長層112によって形成された内周壁の状態をテレビカメラによって最終確認し(ステップS10)、施工現場の片付けを行って(ステップS11)、管路Kを裏打ちする全工程が終了する。
以上説明した管路内周面裏打工法によれば、熱硬化性樹脂の硬化が進んだ後(加熱工程終了後)に、さらに硬化を促進させるためにより高い温度の加熱用蒸気を供給(養生工程を実施)することで、硬化性樹脂の強度が高められている。80℃の加熱用蒸気を所定時間継続して供給するよりも、図5のグラフに示すように、その所定時間内の途中で100℃に温度上昇させた加熱用蒸気を供給した場合の方が、JIS K-7171に基づき変位荷重から曲げ強度と曲げ弾性係数を求めると、明らかに高い値になっていた。より詳細に説明すれば、100℃に温度上昇させた加熱用蒸気の供給を開始すると、曲げ強度(MPa)が倍以上に増加し、曲げ弾性係数(MPa)は3.5倍以上に増加した。曲げ強度にしても曲げ弾性係数(MPa)にしても、加熱工程を実施している時間よりも短い時間(例えば、半分程度の時間)で急速に増加し、その後は緩やかにさらに増加し、やがて増加が終了する。
また、本実施形態では、ライニング材10の発進側端部と到達側端部の温度しか測定しておらず、発進側端部と到達側端部の間になる中間部分の温度は測定していない。あるいは、最後に固まる発進側端部の温度しか測定しない場合があってもよく、この場合には、1箇所のみの温度測定になる。これらのように温度測定箇所の数が少ない場合に、養生工程を実施することは、温度測定をしていない箇所での硬化の保証になり、完成後の品質保証につながる。例えば、管路の中間部分のうちの図4に示すひび割れC1が生じた箇所ではそのひび割れから地下水が入り込みライニング材10の温度が上がりにくい場合がある。このような箇所でも、より高い温度の加熱用蒸気を供給することで硬化が促進され、十分な硬化レベルまでの加熱、さらには強度を高めるまでの加熱が可能になる。
本発明は、これまでに説明した実施の形態や変形例に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、本実施形態におけるライニング材10は、ベースホース100とキャリブレーションホース110という2つのスリーブ状のライニング材が一体になったものであったが、ベースホース100を省略してキャリブレーションホース110の厚さを厚くしたものであってもよい。また、ベースホース100の外側フィルム層102や、キャリブレーションホース110の伸長層112は必ずしも必要なものではない。
また、上述の実施形態では、隣り合うマンホールM1,M2の全長かつ全周にわたって管路Kの内周面K3を裏打ちしたが、管路Kの全長の一部のみを裏打ちする場合にも本発明は適用することができ、また、管路Kの全周の一部のみを裏打ちする場合にも本発明は適用することができる。さらに、本実施形態におけるライニング材10はスリーブ状のものであったが、シート状のものであってもよい。例えば、周方向両端が重なったシート状の裏打材であってもよいし、円弧状の裏打材であってもよい。
また、図3を用いて説明したようにライニング材10を管路K内に引き込んだが、ライニング材10を送り出してもよい。あるいは、ライニング材10を管路K内に進出させながらライニング材10を管路Kの内周面K3に向けて押し付ける、例えば、反転工法を実施してもよい。
また、本実施形態では、養生工程を開始するタイミングは、ライニング材10の温度が温度上昇から温度低下に転じたことを検出した後、より具体的にはライニング材10の温度がほぼ一定の温度にまで低下したことを検出したタイミングであったが、ライニング材10の、発進側の管口における硬さが所定の硬さに達したタイミングであってよいし、加熱工程を開始してからの経験則に基づく所定時間が経過したタイミングであってもよい。
また、これまでの説明では、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合について説明したが、硬化性樹脂は熱硬化性樹脂に限らず、硬化発熱を生じる樹脂であればよい。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはビニルエステル樹脂、あるいはエポキシ樹脂を主成分とし、硬化剤等を混合した硬化性樹脂であってもよく、例えば、これらの主成分の樹脂に、光硬化の特性を与える硬化剤等を混合した光硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂として光硬化性樹脂を用いた場合、ライニング材の内側(管路内)に紫外線等の照射光の光源を搭載した台車を走行させ、移動する光源から光を照射して、該ライニング材に含浸されている光硬化性樹脂を硬化させる。従来では、ライニング材の外周面側まで光が届かず、ライニング材の外周面側が未硬化のままであるといった不具合が生じる場合もある。しかしながら、さらに硬化を促進させるために台車の走行速度を低下させ光の照射時間をそれまでよりも長くすることで、この不具合の発生を防止することができる。また、この不具合を懸念して台車の走行速度を必要以上に遅くしていた場合には、施工時間を短縮することもできる。
続いて、上水道の管路の内周面を裏打ちする方法について説明する。上水道の管路としては、鋳鉄製の管路であったり、塩化ビニル製の管路であったりする。ここでは、鋳鉄製の管路の内周面を裏打ちする方法について説明する。また、上水道の管路には、地中に埋設されている管路の他、水管橋に通され地中に埋設されていない管路等もある。水管橋に通された管路も水管橋から取り外すことなく補修できれば好ましく、地中に埋設されているか否かに関わらず、内周面を裏打ちする必要が生じる。ただしここでは、地中に埋設されている管路の内周面を裏打ちする方法について説明する。
図6は、上水道の管路内周面裏打方法を示すフローチャートである。
ステップS21では、工場内でライニング材に熱硬化性樹脂を含浸する。工場内で含浸作業を行うため、熱硬化性樹脂が含浸されたライニング材の品質を一定に保つことができ、長いライニング材でも含浸することができる。ライニング材には、不織布とガラス繊維を一体化させたスリーブ状の基材の外側に不透過性フィルムをコーティングしたものを用いる。含浸させる熱硬化性樹脂には、ビニルエステル樹脂あるいは不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするものを用いる。なお、エポキシ樹脂を主成分とするものを用いてもよい。また、ノンスチレンタイプの樹脂であり、希釈剤として、スチレンモノマーを使用せずにアクリル系モノマーを使用する。本実施形態においてライニング材に含浸される熱硬化性樹脂の可使時間は、10℃以下であれば6日間は確保されている。なお、可使時間としては、最低でも3日以上、好ましくは4日以上であることが望まれ、ビニルエステル樹脂あるいは不飽和ポリエステル樹脂とアクリル系モノマーの組合せにより、上記可使時間を実現することができる。ステップS21で熱硬化性樹脂が含浸されたライニング材は、10℃以下に保たれた保冷庫で出荷を待つか、すぐさま保冷車に載せられる。
ステップS21に続くステップS22は、運搬工程であり、熱硬化性樹脂が含浸されたライニング材は、10℃以下に保たれた保冷車によって、裏打ち対象となる上水道の管路が敷設されている施工現場まで運搬される。可使時間が6日間は確保されているため、日本全国の施工現場に可使時間以内に確実に届けることができる。
ステップS23における準備工程では、地中に埋設されている上水道の管路のうち裏打ち対象となる部分(以下、対象管路部分と称する。)の一端側と他端側それぞれに立坑を掘り、この立坑から対象管路部分にアクセスできるようになる。対象管路部分の一端側と他端側それぞれは、立坑を掘る際に切断され、一端側の開口から対象管路部分内にクリーニング治具を挿入し、他端側に向けてクリーニング治具を移動させる。こうすることで、鋳鉄製の対象管路部分の内周面の錆等の異物を除去する。また、その内周面を高圧水によって洗浄してもよい。さらに、対象管路部分内を走行するテレビカメラを用いて対象管路部分内の調査も行われる。この準備工程は、運搬工程と同時に行われてもよいし、運搬工程よりも先に行われてもよい。
ステップS24における反転挿入工程では、運搬されてきたライニング材を一端側の開口から対象管路部分内に反転挿入する。ライニング材を反転挿入する前に、対象管路部分内にアウターチューブを引き込んでおき、そのアウターチューブの内側にライニング材を反転挿入してもよい。この場合には、アウターチューブが対象管路部分の内周面に接することになる。一方、アウターチューブを用いない場合には、ライニング材が対象管路部分の内周面に直接接することになる。ライニング材の反転挿入にあたっては、反転装置が用いられる。
図7(a)は、反転装置の一例を示す図である。
反転装置5は、ライニング材60が収納される収納部51と、収納部51に連結した口部52を有する。収納部51は、ハンドル510と、そのハンドル510を回転操作することでライニング材60が巻き取られる巻取部材511と、不図示の圧縮空気供給手段が接続し圧縮空気を受け入れる圧力調整器512を有する。口部52は、図7では右側に開放した反転口521を有する。
熱硬化性樹脂が含浸された長尺のライニング材60の一端部分を結んでその一端部分を閉塞する。ここで閉塞した一端部分は、ライニング材60が反転が終えると、先端部分になるため、以下、先端部分60a(図7(c)参照)と称する。次に、その先端部分60aに加熱媒体供給チューブ70(図7(c)参照)の一端(以下、先端と称する。)70aを結び付ける。加熱媒体供給チューブ70の他端(以下、後端と称する。)は、収納部51の巻取部材511に取り付けられており、ハンドル510を回転させることで加熱媒体供給チューブ70が巻取部材511に巻き取られ、やがてライニング材60も、反転口521から入り込んで、図3(a)に示すように巻取部材511に巻き取られる。こうすることで、ライニング材60が収納部51に収納される。ライニング材60における、先端部分60aとは反対側の後端の部分60bは、反転口521から外側に折り返された状態で、端部固定具53によって口部52に取り付られる。
図7(b)は、ライニング材が口部に取り付けられた部分を拡大して示す断面図である。
上述のごとく、ライニング材60は、基材601の外側に不透過性フィルム602がコーティングされたものである。図7では、基材601にはハッチングを施し、不透過性フィルム602は太い線で表している。図7(b)に示すように、ライニング材60が口部52に取り付けられると、反転装置5内では、不透過性フィルム602の内側に基材601が位置し、反転口521で外側に折り返された後端の部分60bでは、不透過性フィルム602の外側に基材601が位置する状態になる。
ライニング材60が巻取部材511によって巻き取られ、後端の部分60bが口部52に取り付けられると、圧力調整器512に圧縮空気供給手段を接続する。圧縮空気供給手段から送られてきた圧縮空気は、圧力調整器512から収納部51内に供給される。
反転装置5は、対象管路部分の一端側(以下、発進側と称する。)の立坑の入口近傍に設置される。圧縮空気供給手段から圧縮空気が供給されると、口部52に取り付けられたライニング材60は、供給された圧縮空気の圧力によって反転口521から反転しながら送り出されていく。ライニング材60の、反転装置5から送り出された先端部分は、発進側の立坑を通って対象管路部分の発進側の開口に到達し、その先端部分をその開口内に挿入する。なお、アウターチューブが対象管路部分内に引き込まれている場合には、そのアウターチューブ内にライニング材60の先端部分を挿入する。
収納部51内に圧縮空気をさらに供給すると、対象管路部分内に先端部分が挿入されたライニング材60は、供給された圧縮空気の圧力によって反転しながら、発進側とは反対側(以下、到達側と称する。)の開口に向かって伸びていく。やがて、ライニング材60の先端部分は、対象管路部分の到達側の開口から到達側の立坑内に進出するまで送り出され、反転挿入工程は完了する。
反転挿入工程が完了すると、硬化工程(ステップS25)が開始される。硬化工程では、加熱媒体供給チューブ70の、収納部51の巻取部材511に取り付けられていた後端を、巻取部材511から取り外す。次いで、収納部51を取り去り、口部52の、収納部51との連結口に、不図示の蓋部材を設置し、密閉状態を確保する。この蓋部材は、図4に示す発進側治具34と同じ機能を有するものであり、供給口部と排出口部を有する。加熱媒体供給チューブ70の、巻取部材511から取り外した後端を、蓋部材を設置する際に供給口部に接続し、その後端を供給口部に固定する。
発進側の立坑の入口近傍には、図4に示す発進側マンホールM1の入口M11近傍と同じように、ボイラー31とコンプレッサ32とミキシング装置33と排気装置38を設置し、図4を用いて説明した事項と同じように、供給口部から加熱用蒸気が供給され、排出口部から加熱に用いられた加熱用蒸気が回収される。
図7(c)は、硬化工程が実施されている、到達側の立坑付近を模式的に示す断面図である。この断面図は、対象管路部分TWの延在方向に沿って断面したときの図であり、図の左右方向が対象管路部分TWの延在方向になる。
図7(c)には、到達側の立坑P2が示されている。また、対象管路部分TWに反転挿入されたライニング材60では、太い線で表した不透過性フィルム602が内側に位置し、ハッチングを施した基材601が外側に位置している様子や、ライニング材60の先端部分60aが、対象管路部分TWの到達側の開口TW1から到達側の立坑P2内に進出している様子が示されている。さらに、ライニング材60の内側では、先端部分60aに結び付けられた加熱媒体供給チューブ70も示されている。加熱媒体供給チューブ70は、不図示の蓋部材の供給口部から、ライニング材60の内側において、発進側の立坑を通って対象管路部分TWの全長にわたって延在している。ここでの説明でも、ライニング材60の内側であって、加熱媒体供給チューブ70の外側の空間を内部空間ISと称する。また、加熱媒体供給チューブ70にも、発進側から到達側に向かって1mおきに直径1cm程度の丸孔702が設けられ、さらにその先にスリット孔701が設けられている。このスリット孔701も、例えば、幅が1~2cmで長さが10cm~20cm程度の大きさのものである。図7(c)でも、図4と同様に、スリット孔701と丸孔702は、かなり大きめに示されている。また、スリット孔702と丸孔701は、対象管路部分TWの延在方向に1列に並んでおり、加熱媒体供給チューブ70の周方向180度反対側にも丸孔702とスリット孔701が対象管路部分TWの延在方向に1列に並んでいる。スリット孔702と丸孔702からは、供給口部から送り込まれた加熱用蒸気が、ライニング材60の内部空間ISに吹き出る。図7(c)に示す状態は、加熱媒体供給チューブ70が円柱状に膨らみ、スリット孔701と丸孔702から加熱用蒸気が内部空間ISに吹き出し、その内部空間ISが加熱用蒸気によって満たされた状態である。
硬化工程で加熱媒体供給チューブ70に供給する加熱用蒸気の温度は、60℃以上100℃以下である。より具体的には、硬化工程には、約80℃の加熱用蒸気を供給する加熱工程と、後述する再加熱要件が満足したか否かを監視する監視工程と、加熱工程よりも高い温度(例えば、100℃)の加熱用蒸気を供給する養生工程が含まれている。
スリット孔701と丸孔702から内部空間ISに吹き出した加熱用蒸気は、不透過性フィルム602に接し、不透過性フィルム602を放射方向に押す。この結果、ライニング材60は、基材601が対象管路部分TWの内周面に押し付けられるまで拡径するとともに加熱される。
ライニング材60の内部空間ISに供給する加熱用蒸気の温度の変化およびライニング材60の温度の変化も、図5に示すグラフのようになる。
ライニング材60の発進側端部および到達側端部それぞれでは、ライニング材60自身の温度を測定し温度管理を行っている。ここにいうライニング材60の発進側端部とは、不図示の蓋部材が設置された位置になり、発進側の立坑の開口付近になる。一方、ライニング材60の到達側端部とは、対象管路部分TWの到達側の開口TW1付近になる。図7(c)には、対象管路部分TWの到達側の開口TW1付近に設置された熱電対392が灰色で示されている。さらに、対象管路部分TWの全長にわたって、ライニング材60と対象管路部分TWの内周面との間、あるいはライニング材60とアウターチューブとの間もしくはアウターチューブと対象管路部分TWの内周面との間に光ファイバを設置し、対象管路部分TWにおける発進側端部および到達側端部や、発進側端部と到達側端部との間の一又は複数箇所でライニング材60の温度を測定し温度管理を行ってもよい。なお、アウターチューブを用いる場合には、アウターチューブの内周面に光ファイバを予め通しておいたり、外周面に光ファイバを予め固定しておいてもよい。
硬化工程では、まず、約80℃の加熱用蒸気が加熱媒体供給チューブ70に供給され、スリット孔701と丸孔702から加熱用蒸気が内部空間ISに吹き出し、ライニング材60が拡径する(加熱工程)。熱硬化性樹脂における硬化発熱によって、ライニング材60の温度は一旦上昇し、ピーク温度に達する。やがて、熱硬化性樹脂の硬化発熱は終了し、ライニング材60の温度は低下し始める。ライニング材60の温度が、温度上昇から温度低下に転じたことを検出した後であって、かつライニング材60の温度がほぼ一定の温度に落ちついた。といった再加熱要件が満足されると、ミキシング装置の設定温度を80℃から100℃に温度上昇させ、これまでよりも高い温度による再加熱を行う。再加熱の開始には、温度測定を行っている全ての箇所において上記再加熱要件が満足される必要がある。なお、ライニング材60の発進側端部および到達側端部それぞれでしか温度測定を行っていない場合には、再加熱要件が満足されても、中間部分の熱硬化性樹脂の硬化が何らかの理由で遅れている場合もあることから、再加熱をすぐには開始せず、所定時間の間は、それまでと同じ温度(80℃)の加熱用蒸気を供給し続ける。
これまでよりも高い温度による再加熱は養生工程に相当する。この再加熱により、熱硬化性樹脂では強度を高める化学反応が生じ、化学反応終了後のライニング材60では強度が高まる。本明細書では、液体が固体になったばかりの段階の硬化に対して、強度を高める化学反応が終了した段階の硬化のことを完全硬化と称する。本実施形態では、中間部分の温度測定を行っていない場合でも、中間部分の完全硬化を保障することができるようになる。例えば、中間部分では地下水の浸出により約80℃の加熱用蒸気による加熱がうまく進まなくても、80℃よりも高い温度による再加熱を行うことで、完全硬化を行わせることができるようになる。
ステップS26では、完全硬化が行われたか否かの判定が行われる。この判定では、上記再加熱が所定時間(例えば、30分~90分)行われたかを判定し、再加熱が、所定時間行われていない場合には硬化工程を継続し、所定時間行われた場合には、硬化工程を終了し、仕上げ工程(ステップS27)に移行する。本実施形態では、ステップS25の硬化工程は5時間以内で完了し、ステップS27に移行する。すなわち、ライニング材60に含浸した熱硬化性樹脂は、5時間以内(多くの場合は2~3時間程度)で完全硬化する。本実施形態で用いた熱硬化性樹脂では、完全硬化をすれば、硬化した樹脂から有害物質が問題を生じるほど出てくることはない。ここにいう有害物質としては、ホルムアルデヒド、カドミウム及びその化合物、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化物イオン及び塩化シアン、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、フッ素及びその化合物、ホウ素及びその化合物、四塩化炭素、1.4-ジオキサン、シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン、亜鉛及びその化合物、アルミニウム及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、ナトリウム及びその化合物、マンガン及びその化合物、塩化物イオン等があげられる。また、本実施形態で用いた熱硬化性樹脂は、ノンスチレンタイプのものであることから、スチレンによる問題は気にしなくてよい。
仕上げ工程(ステップS27)では、まず、加熱媒体供給チューブ70に、加熱用蒸気に代えて外気(常温の空気)を供給し完全硬化したベースホース600を冷却する。次いで、ライニング材60における対象管路部分TWの発進側の端部を切断するとともに到達側の端部も切断する。また、ライニング材60の不透過性フィルム602によって形成された内周壁の状態をテレビカメラによって確認を行う。さらに、発進側の立坑でも到達側の立坑でも、立坑によって切断された部分に接続管路を設置し、立坑を掘る前の1本の上水道の管路としてつなげてから、立坑を埋め戻す。最後に、施工現場の片付けを行い、全工程が終了する。
以上説明した上水道の管路の内周面を裏打ちする方法についてまとめると、以下のようになる。
(付記A)
工場内でスリーブ状の裏打材に熱硬化性樹脂を含浸する工場内含浸工程と、
前記工場内含浸工程によって熱硬化性樹脂が含浸された裏打材を裏打ち対象となる管路が敷設された現場まで運搬する運搬工程と、
前記運搬工程によって運搬されてきた前記裏打材を前記管路内に反転挿入する反転挿入工程と、
前記反転挿入工程によって前記管路内に反転挿入されたスリーブ状の裏打材の内周面よりも内側に加熱媒体を供給し、該裏打材を該管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている熱硬化性樹脂を硬化させる硬化工程とを備えたことを特徴とする管路内周面裏打工法。
従来では、熱硬化性樹脂の可使時間が短いため、裏打材に熱硬化性樹脂を含浸する工程を現場で行っている。しかしながら、現場で行う含浸作業では、品質を一定に保つことが難しい場合がある。また、裏打材が長くなればなるほど、含浸作業が困難になる場合もある。そこで、熱硬化性樹脂が含浸された裏打材の品質を一定に保つことができ、長い裏打材でも含浸することができる管路内周面裏打工法が望まれている。
付記A記載の管路内周面裏打工法によれば、工場内で裏打材に熱硬化性樹脂を含浸するため、熱硬化性樹脂が含浸された裏打材の品質を一定に保つことができ、長い裏打材でも含浸することができる。
なお、前記工場内含浸工程は、前記裏打材に、前記熱硬化性樹脂として、ノンスチレンタイプのビニルエステル樹脂又はノンスチレンタイプの不飽和ポリエステル樹脂を含浸する工程であってもよい。
前記工場内含浸工程は、前記熱硬化性樹脂の希釈剤としてアクリル系モノマーを用いる工程であってもよい。
前記運搬工程は、前記工場内含浸工程によって熱硬化性樹脂が含浸された裏打材を10℃以下の温度に維持し、該工場内含浸工程を実施してから6日以内の間で完了する工程であってもよい。
前記管路は、上水道の管路であってもよい。
前記硬化工程は、60℃以上100℃以下(例えば、80℃前後)の加熱媒体を供給する工程であってもよい。また、前記硬化工程は、前記加熱媒体の供給を開始してから終了するまでの時間が5時間以内の工程であることが好ましい。
(付記B)
前記裏打材に含浸された熱硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する監視工程を有し、
前記硬化工程が、前記裏打材に含浸された熱硬化性樹脂が液体から固体になったことを前記監視工程において確認した後、該熱硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる工程であることを特徴とする付記A記載の管路内周面裏打工法。
(付記C)
前記監視工程は、前記裏打材の温度を測定することで該裏打材に含浸された熱硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する工程であり、
前記硬化工程が、前記監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給する工程であることを特徴とする付記B記載の管路内周面裏打工法。
付記Cの遊技台によれば、高い温度の加熱媒体を供給することによって、前記熱硬化性樹脂の硬化をさらに促進させることで、完全硬化を行わせることができる。前記熱硬化性樹脂は完全硬化すると有害物質をほぼ出さなくなる特性があり、この特性は、上水道の管路では特に重要になる。
なお、前記監視工程は、前記裏打材から回収した前記加熱媒体の温度も測定する工程であることが好ましい。
(付記D)
前記監視工程は、前記裏打材の温度を、前記管路の両端側と、該管路の中間部分それぞれで測定することで該裏打材に含浸された熱硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する工程であることを特徴とする付記C記載の管路内周面裏打工法。
なお、前記監視工程は、前記裏打材の温度を、該裏打材の両端側と、該裏打材の中間部分それぞれで測定することで該裏打材に含浸された熱硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する工程であってもよい。
これまでに説明したライニング材10,60は、既設管の管路補修に限らず、新設管の平滑な内周面形成等に用いることもできる。また、裏打ちする管路は、下水道の管路であってもよいし、上水道の管路であってもよいし、それ以外の管路であってもよい。例えば、電力ケーブルが収容された地中電線管路であってもよい。裏打ちする管路が地中電線管路の場合には、地下水が入り込むことで電気的な問題を生じさせる場合があるため、図2に示すステップS9において、露出した熱電対391,392を覆い熱電対391,392が露出しないようにする密封処理を行うことが重要になる。加えて、上述のごとく、養生工程を行うことで硬化性樹脂の硬化が保証され、上水道の管路では、未硬化の樹脂が流れ出て上水を汚染してしまうことをより確実に防止することにつながり、効果は大きい。
なお、以上説明した実施の形態の記載や変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、実施の形態や他の変形例に適用してもよい。
10,60 ライニング材
IS 内部空間
31 ボイラー
32 コンプレッサ
33 ミキシング装置
34 発進側治具
35 到達側治具
36,70 加熱媒体供給チューブ
391,392 熱電対
5 反転装置
SH 供給用ホース
CH 排出用ホース
CH2 温度計測部
K 管路
TW 対象管路部分
K3 内周面
M1 発進側マンホール
M2 到達側マンホール

Claims (3)

  1. 管路の内周面を硬化性樹脂が含浸された裏打材で裏打ちする管路内周面裏打工法であって、
    前記裏打材を前記管路の内周面に向けて押し付けながら該裏打材に含浸されている硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
    前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを監視する監視工程とを有し、
    前記硬化工程が、前記裏打材に含浸された硬化性樹脂が液体から固体になったことを前記監視工程において確認した後、該硬化性樹脂の硬化をそれまでよりも促進させる工程であることを特徴とする管路内周面裏打工法。
  2. 前記硬化工程は、前記裏打材に加熱媒体を供給し該裏打材に含浸された硬化性樹脂を加熱することで該硬化性樹脂の硬化を促進させる工程であり、
    前記監視工程は、前記裏打材の温度を監視する工程であり、
    前記硬化工程が、前記監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給する工程であり、
    前記裏打材から回収した前記加熱媒体の温度も測定することを特徴とする請求項1記載の管路内周面裏打工法。
  3. 前記硬化工程は、前記裏打材に加熱媒体を供給し該裏打材に含浸された硬化性樹脂を加熱することで該硬化性樹脂の硬化を促進させる工程であり、
    前記監視工程は、前記管路に沿って延在した前記裏打材の端部から挿入した温度測定手段によって測定した該裏打材の温度を監視する工程であり、
    前記硬化工程が、前記監視工程において前記裏打材の温度が上昇から下降に転じたことを確認した後、該裏打材にそれまでよりも高い温度の加熱媒体を供給する工程であり、
    前記温度測定手段が挿入された前記裏打材の端部を該温度測定手段を残したまま密封する後処理工程を有することを特徴とする請求項1記載の管路内周面裏打工法。
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