JPH08281798A - 既設管渠内面を被覆するライニング材 - Google Patents

既設管渠内面を被覆するライニング材

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JPH08281798A
JPH08281798A JP8693495A JP8693495A JPH08281798A JP H08281798 A JPH08281798 A JP H08281798A JP 8693495 A JP8693495 A JP 8693495A JP 8693495 A JP8693495 A JP 8693495A JP H08281798 A JPH08281798 A JP H08281798A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内周面が平滑で管渠内流下性能及び高強度の
確保が図れ、しかも管更生作業の円滑化が得られる既設
管渠内面を被覆するライニング材を提供する。 【構成】 既設管渠内に未硬化状態のチューブ状ライニ
ング材1を引き込み、ライニング材1内に供給される圧
搾空気により既設管渠内面にライニング材1を押圧した
状態で硬化性樹脂4を硬化せしめるライニング材1であ
って、未硬化状態の硬化性樹脂4を含むチューブ状の樹
脂層5と、樹脂層5の内外両面を各々被覆する内側薄膜
6及び外側薄膜7と、樹脂層5内に埋設された引き込み
方向と略平行な複数の補強材8とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既に設置された下水道
等の既設管渠の管更生に使用される既設管渠内面を被覆
するライニング材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地中に埋設された下水管等の管
渠はヒューム管、陶管等が広く使用されている。これら
の管渠は長期間の使用により内面が硫化水素やその他の
腐食ガス及び付着物等によって侵食され、かつ劣化して
管厚が薄くなって強度が低下している。また地圧や地盤
沈下等により管渠間の継目部がずれて隙間ができたり、
上載荷重等によって管渠の一部にクラック等が発生し、
この部分より地下水等が管渠内に浸入、或いは管渠内を
流れる流水等が地中に漏水することがある。これら地下
水等の管渠内への浸入や漏水に伴い管渠周辺の土砂が流
出して管渠背面に空洞部が生じて路面陥没等を誘発する
おそれがある。
【0003】この対策として管更生すべき地中に埋設さ
れた既設管渠内を管内洗浄車等により洗浄し、その後地
上に設けられたライニング材供給装置に偏平状に折り畳
まれた状態で巻装或いは折り重ねて積層された光硬化性
樹脂、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を含む未硬化状
態のチューブ状ライニング材を、その先端に連結された
牽引ロープを一方のマンホールから既設管渠内を通して
他方のマンホールを介して地上に配設された牽引装置に
よって牽引することにより、ライニング材供給装置に収
容されたライニング材を既設管渠内に引き込み導入す
る。
【0004】そして圧搾空気等の供給によりライニング
材を管渠内面に沿って押圧せしめ、その後紫外線照射装
置で照射して硬化性樹脂を硬化させて、管渠内面をライ
ニング層によって被覆する既設管渠の管更生工法が開発
されている。
【0005】この工法に使用されるライニング材100
は、例えば図9に一部破断説明図を示すように、ガラス
繊維等の繊維を円筒状に編み込み、または織布或いは不
織布状のベース材101、102に未硬化状態の硬化性
樹脂103、例えば不飽和ポリエステル系樹脂を含浸さ
せて樹脂層104を形成し、樹脂層104の内外両面を
各々ポリエチレンフィルム等の内側薄膜105及び外側
薄膜106によって被覆して樹脂層104を保護してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記既設管渠の管更生
工法によると、管渠の内面に樹脂製のライニング層が形
成されることから侵食等により壁厚が薄くなった管渠や
クラック等が発生した管渠であっても大幅な強度の向上
が得られ、かつクラック等を通って管渠内への地下水等
の浸入及び管渠からの漏水が防止できる。しかしこの工
法に使用するライニング材は、ベース材に未硬化状態の
硬化性樹脂を含浸させた円筒状の樹脂層を内側薄膜及び
外側薄膜等の薄膜で被覆して形成されていることから、
マンホールを介してライニング材を管渠内に引き込み導
入する際、ベース材に含浸された未硬化状態で流動性の
ある硬化性樹脂が薄膜を介して押圧され、或いはその自
重によって内側薄膜及び外側薄膜内を移動し、かつ引き
込み時の緊張力によって内側薄膜及び外側薄膜に伸び或
いは撓みが生じることからライニング材の厚さが不均一
になり、既設管渠を被装したライニング層の内周面が平
滑に形成されず、凹凸やしわが発生し、管渠内を流れる
流水に対する摩擦抵抗の増大を招き、流下性能が低下
し、かつ均一な強度が得られず強度低下を招くおそれが
ある。またライニング材を管渠内に引き込む作業中に未
硬化状態の硬化性樹脂が薄膜内を流動して均衡が崩れ、
ライニング材供給装置に収容されたライニング材が急激
にマンホール内に崩れ落ち円滑な作業を妨げるおそれが
ある等の不具合がある。
【0007】従って、本発明の目的は、内周面が平滑に
形成されて流水性能の向上が得られ、かつ強度向上が確
保できる高品質の更生管渠が確保され、更に円滑な既設
管渠の管更生作業が可能になる既設管渠内面を被覆する
ライニング材を提供することにある。
【0008】
【課題が解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による既設管渠内面を被覆するライニング材は、既設
管渠内に硬化性樹脂を含む未硬化状態のチューブ状ライ
ニング材を引き込み、かつライニング材内に供給される
圧搾空気により既設管渠内面にライニング材を押圧した
状態で硬化性樹脂を硬化せしめて既設管渠内にライニン
グ層を形成する既設管渠内面を被覆するライニング材に
おいて、未硬化状態の硬化性樹脂を含むチューブ状の樹
脂層と、樹脂層の内外両面を被覆する内側薄膜及び外側
薄膜と、上記引き込み方向と略平行に樹脂層内に埋設さ
れた複数の補強材とを有することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明による既設管渠内面を被覆する
ライニング材の一実施例を図1乃至8によって説明す
る。
【0010】図1はライニング材1の一部破断説明図で
あり、図2は図1のA−A線断面図である。
【0011】ライニング材1は、ガラス繊維、ポリエス
テル繊維等からなり、編まれ、または織布或いは不織布
状でチューブ状のベース材2、3に未硬化状態の不飽和
ポリエステル系樹脂等の光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂或
いは熱可塑性樹脂等の硬化性樹脂4を含浸させて形成し
た樹脂層5と、この樹脂層5の内外両面を各々被覆する
ポリエチレンフィルム等の内側薄膜6及び外側薄膜7と
を有している。
【0012】更にベース材3と外側薄膜7との間にはそ
の軸線Aと略平行でかつ外側薄膜7に近接してベース材
3を囲むように配設された複数の補強材8、8‥‥が硬
化性樹脂4内に埋設されている。
【0013】補強材8、8‥‥は比較的大きな引張強さ
を有し、引張力に対して伸びの少ない金属製或いは可撓
性樹脂製で軸線A方向に沿って長い線材乃至帯材によっ
て形成される。また補強材8、8‥‥はこれら金属製或
いは可撓性樹脂からなるワイヤによって形成することも
可能であり、更にこれらワイヤ或いは高強度を有する炭
素繊維、ガラス繊維等の繊維を編んだ紐状体乃至帯状体
によって形成することも可能である。補強材8、8‥‥
の断面形状は円形、矩形等適宜形状にできる。
【0014】次にこのように形成されたライニング材1
による既設管渠の管更生について説明する。
【0015】図3において符号11、12はマンホール
であり、符号13はヒューム管、陶管等からなる地中に
埋設された管更生を要する既設管渠である。
【0016】既設管渠13の内面13aは、長期間の使
用により硫化水素やその他の腐食ガス等に晒されて劣化
し、侵食されて管厚が薄くなって強度が低下したり地圧
や振動等によってクラックが発生している場合がある。
【0017】既設管渠13の管更生は、先ず図4に示す
ように管内洗浄車15等により管渠13の内面13aに
高圧水を吹き付けて管渠内面13aを洗浄し、続いて前
記ライニング材1の引き込み作業を容易にし、ライニン
グ材1を管渠内面13aによって傷付けることなく管渠
13内に導入するために図5及びB−B線断面図を示す
同図(a)のように管渠内面13aの下部に塩化ビニル
等の樹脂シート16を敷設し、その上面に滑りを良好に
するための滑剤を塗布する。
【0018】そして地上に設けられたライニング材供給
装置17に偏平状に折り畳まれてドラム17aに巻装、
或いは折り重ねて積層されたライニング材1の先端1a
に連結された牽引ロープ18を一方のマンホール11か
ら導入し、既設管渠13内を通して他方のマンホール1
2を介して地上に設けられた牽引装置19によって牽引
する。
【0019】牽引ロープ18の牽引に従ってライニング
材供給装置17に収容された偏平状のライニング材1を
繰り出してマンホール11内を経て既設管渠13内に引
き込み、樹脂シート16上を滑らせてその先端1aを他
方のマンホール12へ導入し、その後樹脂シート16を
取り除く。
【0020】上記牽引ロープ18によるライニング材1
の引き込みにあたって、ライニング材1に及ぼす緊張力
は、軸線Aと略平行に、即ちライニング材1の引き込み
方向に延設された補強材8、8‥‥に作用し、内側薄膜
6及び外側薄膜7への緊張力が大幅に軽減乃至全く及ぼ
すことがなくなりかつ引き込み作業中における未硬化状
態の硬化性樹脂4の流動が補強材8、8‥‥によって阻
止され、内側薄膜6及び外側薄膜7の伸び及び撓みが防
止される。従ってライニング材1を既設管渠13内に均
一な厚さを保った状態で導入できる。
【0021】またライニング材1をライニング材供給装
置17からマンホール11内に導入する際、未硬化状態
の硬化性樹脂4がベース材3と外側薄膜7との間を移動
することが補強材8、8‥‥によって防止される。従っ
て均衡状態が維持されてライニング材1が急激にマンホ
ール11内に崩れ落ちる危険が回避され、ライニング材
1の既設管渠13内への引き込み作業が円滑に達成でき
る。
【0022】次に既設管渠13内へ引き込まれたライニ
ング材1の両端部を既設管渠13から各々マンホール1
1及び12に突出した位置から切断し、その後図6に示
すようにライニング材1の先端1aを閉塞するととも
に、他端1bから圧搾空気をライニング材1内に供給し
てライニング材1を押し拡げて既設管渠13の内面13
aに沿って押圧する。ライニング材1内への圧搾空気の
供給は、マンホール11内に配置された給気管20を通
して地上から行われる。
【0023】一方ライニング材1の内部には紫外線照射
装置21がライニング材1を圧搾空気で押し拡げる前に
予め配置されており、この紫外線照射装置21から延び
るコード21aはライニング材1を閉塞する栓体22を
貫通して地上の制御装置23に接続されている。そして
既設管渠13の内面13aに押圧されたライニング材1
内を移動する紫外線照射装置21からライニング材1の
各部に紫外線照射してライニング材1内の硬化性樹脂4
を硬化させて既設管渠13の内面13aを硬化したライ
ニング層によって被覆する。
【0024】ライニング材1が硬化した後、図6にa−
a、b−bで切断部を示すように、両端部を切断してマ
ンホール11及び12内に突出した部分を切除し、これ
とともに紫外線照射装置21を撤去し、更に図7に示す
ようにライニング材1の両端部と既設管渠13との接合
端部をマンホール11及び12側から硬化性樹脂24等
で被覆して既設管渠内面の管更生を完了する。
【0025】またライニング材1は、図8に一部破断説
明図を示し、図1及び図2と対応する部位に同一符号を
付して詳細な説明を省略するが、更にベース材2と内側
薄膜6との間に、その軸線Aと平行に内側薄膜6に近接
してベース材2の内周面に沿って複数の補強材8、8‥
‥を硬化性樹脂4内に埋設した状態で追加することも可
能である。
【0026】以上説明した既設管渠内面を被覆するライ
ニング材によれば、未硬化状態の硬化性樹脂4を含むチ
ューブ状の樹脂層5と、樹脂層5の内外両面を被覆する
内側薄膜6及び外側薄膜7とを有するライニング材の樹
脂層5内に引き込み方向と略平行な複数の補強材8、8
‥‥を埋設する簡単な構成にかかわらず、ライニング材
1の引き込み作業の際の緊張力が内側薄膜6及び外側薄
膜7に及ぼす影響を大幅に軽減乃至なくすることが可能
になり内側薄膜6、外側薄膜7の伸び及び撓みが防止で
き、かつ未硬化状態の硬化性樹脂4の流動が阻止される
ことから既設管渠13内に均一な厚さでライニング材1
を導入することが可能になり、既設管渠内面を内周面が
凹凸やしわのない平滑なライニング層で被覆でき、管渠
13内を流れる流水に対する摩擦抵抗が軽減され流水性
能が向上し、かつ均一な強度が確保できる。またライニ
ング材1を管渠13内に引き込む作業が円滑に行える等
の効果を有する。
【0027】
【発明の効果】以上説明した既設管渠内面を被覆するラ
イニング材によると、樹脂層内に引き込み方向と略平行
な補強材を埋設することから、引き込み作業に際して、
内側薄膜及び外側薄膜の伸び乃至撓み及び未硬化状態の
硬化性樹脂の流動が防止されることから平滑な管渠の内
周面が得られ、管渠内流下の摩擦抵抗の低減による流下
能力の向上及び更生管渠の高強度が確保できる等高品質
の既設管渠の管更生が得られ、かつ作業の円滑化が図れ
る等本発明特有の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における既設管渠内面を被覆するライニ
ング材の一実施例を示す一部破断説明図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本実施例のライニング材による既設管渠の管更
生工法の説明図である。
【図4】同じく、本実施例のライニング材による既設管
渠の管更生工法の説明図である。
【図5】同じく、本実施例のライニング材による既設管
渠の管更生工法の説明図である。
【図6】同じく、本実施例のライニング材による既設管
渠の管更生工法の説明図である。
【図7】同じく、本実施例のライニング材による既設管
渠の管更生工法の説明図である。
【図8】本発明における既設管渠内面を被覆するライニ
ング材の他の実施例を示す一部破断説明図である。
【図9】従来の既設管渠内面を被覆するライニング材を
示す一部破断説明図である。
【符号の説明】
1 ライニング材 2 ベース材 3 ベース材 4 硬化性樹脂 5 樹脂層 6 内側薄膜 7 外側薄膜 8 補強材 13 既設管渠 13a 内面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設管渠内に硬化性樹脂を含む未硬化状
    態のチューブ状ライニング材を引き込み、かつライニン
    グ材内に供給される圧搾空気により既設管渠内面にライ
    ニング材を押圧した状態で硬化性樹脂を硬化せしめて既
    設管渠内にライニング層を形成する既設管渠内面を被覆
    するライニング材において、未硬化状態の硬化性樹脂を
    含むチューブ状の樹脂層と、樹脂層の内外両面を被覆す
    る内側薄膜及び外側薄膜と、上記引き込み方向と略平行
    に樹脂層内に埋設された複数の補強材とを有することを
    特徴とする既設管渠内面を被覆するライニング材。
  2. 【請求項2】 樹脂層が繊維からなるベース材に未硬化
    状態の硬化性樹脂を含浸させて形成される請求項1に記
    載の既設管渠内面を被覆するライニング材。
  3. 【請求項3】 補強材がベース材と外側薄膜との間に硬
    化性樹脂に埋設されて配設される請求項2に記載の既設
    管渠内面を被覆するライニング材。
  4. 【請求項4】 補強材がベース材と内側薄膜との間に硬
    化性樹脂に埋設されて配設される請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載の既設管渠内面を被覆するライニング材。
  5. 【請求項5】 補強材が、金属或いは可撓性樹脂製の線
    材乃至帯材である請求項1〜4のいずれか1つに記載の
    既設管渠内面を被覆するライニング材。
  6. 【請求項6】 補強材が、金属或いは可撓性樹脂からな
    るワイヤである請求項1〜4のいずれか1つに記載の既
    設管渠内面を被覆するライニング材。
  7. 【請求項7】 補強材が、繊維を編んだ紐状体乃至帯状
    体である請求項1〜4のいずれか1つに記載の既設管渠
    内面を被覆するライニング材。
JP08693495A 1995-04-12 1995-04-12 既設管渠内面を被覆するライニング材および該ライニング材から形成されたライニング層を備えた管渠 Expired - Lifetime JP3954120B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101369000B1 (ko) * 2013-11-14 2014-02-28 김정민 비굴착 관 보수 보강용 무봉제 형태의 환편 직물 튜브
JP2015514168A (ja) * 2012-03-22 2015-05-18 エッシェンブレンナー・ペーター 下水道マンホールを修復するためのシステム
JP2023091531A (ja) * 2021-12-20 2023-06-30 株式会社トラストテクノ 既設管渠更生のためのライニング材並びにこれを用いた下水道用及び上水道用の既設管渠の更生工法

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