JP2004209801A - 管路補修方法及びそれに用いる補修材、補修装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】管路を、短時間にかつ効率的に補修することができる管路補修方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る管路補修方法は、補修材13(13a、13b)を管路1内に施設し管路1の内壁面に圧接して一の流体供給源6より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材13を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法である。
第1の発明は、複数の管路10に補修材13を施設し、流体供給源6より供給される各管路10への流体の供給量を各管路10の状況に応じて変更して供給する。第2の発明は、管路1,10の状況に応じて補修材13の硬化性を変更して敷設し、前記筒状補修材を硬化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る管路補修方法は、補修材13(13a、13b)を管路1内に施設し管路1の内壁面に圧接して一の流体供給源6より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材13を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法である。
第1の発明は、複数の管路10に補修材13を施設し、流体供給源6より供給される各管路10への流体の供給量を各管路10の状況に応じて変更して供給する。第2の発明は、管路1,10の状況に応じて補修材13の硬化性を変更して敷設し、前記筒状補修材を硬化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管路を補修するための管路補修方法及びそれに用いる補修材、補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下水管路等の補修を行う方法として、熱硬化性樹脂を含浸させた筒状補修材を下水管路等に施設し、筒状補修材内に高温高圧の温水や水蒸気等の流体を流すことによって筒状補修材を下水管路の内壁面に圧接させつつ熱硬化させて補修を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
下水道の本管1の補修を行う場合に筒状補修材13は、例えば図7に示すように、本管1の一の端部1a側のマンホール3aから本管1内に送り入れられて他の端部1b側のマンホール3bに端部2bが露呈するようにして施設される。筒状補修材13の一の端部2aは、マンホール3aの上部開口に設けられた連結蓋4に接続され、他の端部2bは閉じ塞がれる。
【0004】
筒状補修材13の中心には、連結蓋4から端部2b近傍へと延びる温水循環ホース5が設けられており、この温水循環ホース5には、連結蓋4を介して、ボイラー車6より温水が供給される温水供給ホース7が接続されている。また、連結蓋4には、筒状補修材13内を端部2bから連結蓋4側の端部2aへと流れて低温化した温水を回収するための温水回収ホース8が接続されており、温水回収ホース8により回収された温水はボイラー車6で高温高圧化され、温水供給ホース7を介して再度温水循環ホース5へ供給される。
【0005】
また、下水道の管径が小さくて温水循環ホース5を筒状補修材13の内部に設けることが困難な場合には、図8に示すように、筒状補修材13の端部2b側のマンホール3bに連結蓋4を設置して筒状補修材13の端部2bと温水回収ホース8とを接続させる。
【0006】
このような構成とすることによって、温水供給ホース7を介してボイラー車6より供給された温水が筒状補修材13及び温水回収ホース8を通ってボイラー車6へと循環され、循環された温水の熱によって筒状補修材13が熱硬化されて本管1の補修が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−234159
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の管路の補修方法によれば、管路の径が大きい場合には、ボイラー車6より供給された温水は、筒状補修材13の重力方向で温度差が生じるという課題がある。このような筒状補修材の硬化速度は加熱温度に依存し、温度が高いほど早いが温度が低い場合には硬化速度が遅い。また、温度が熱硬化を開始する設定温度以下の場合には、その間、硬化が実質的に開始せずに全体としての硬化が遅れることがある。
【0009】
実際の補修に際しては、温度差がある場合には、温度の低い場所の硬化が確実に完了されるように安全係数をみて加熱時間を長くするので、温度差がある場合には短時間での補修が困難となる。
【0010】
また、今日では、電線や電話線の埋設により下水管よりも小径であって長尺である通信管が多数設置されるようになっており、電食や腐食等により劣化した通信管に対しても下水管と同様に補修を行う必要性が生じている。
【0011】
ここで、一般的な下水管の管径はφ150〜φ1500程度であるのに対して、通信管9の管径は大きくても管径がφ90程度と細い。このため、通信管では、温水循環ホース5の採用は困難であり、一端に温水供給ホースを接続させ、通信管の他端に温水回収ホースを接続させることによって温水を循環させる方法を採用するが、温水供給端の温度と温水排出端の温度で温度差が大きくなる。また、一般的な下水管の管長は20〜100メートルであるのに対して通信管9の管長は20〜200メートル程度であって一般的な下水管よりも長い。このことが温水排出間の末端温度の低下を助長している。このように筒状補修材の長手方向に温度差が生じる場合には、同様な理由により短時間での補修が困難となる。
【0012】
本発明は上記の問題に鑑みて為されたものであり、管路を、短時間にかつ効率的に補修することができる管路補修方法を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明はこの管路補修方法に用いる補修材及び補修装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく検討したところ、第1の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、複数の管路に前記補修材を施設し、前記流体供給源より供給される各管路への流体の供給量を各管路の状況に応じて変更して供給する管路補修方法である。
【0015】
また、第2の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、前記管路の状況に応じて補修材の硬化性を変更して敷設し、前記補修材を硬化させる管路補修方法である。
【0016】
また、第3の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して補修材を硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、硬化速度の遅い補修材位置に硬化速度を上昇させる手段を作用させて前記補修材を硬化させる管路補修方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
第1の発明及び第2の発明の管路の補修方法は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法に適用される。
【0019】
ここで、補修材は熱により硬化できる筒状の補修材であれば特には制限が無く、例えば、硬化性樹脂が含浸された繊維質材料にフィルム、シートなどの流体を不透過とする不透過性材料が複合された複合材料であり好ましくは筒状である。
【0020】
また、本発明に適用される管路にも特には制限が無く、例えば、下水管の他に通信管などの地中管が包含される。
【0021】
本発明においては、これらの管路に補修材が施設される。この補修材の中心方向内側には流体が供給される。この流体の圧力により補修材は管路の内壁面に圧接されつつ、流体の熱により補修材が熱硬化されて管路が補修される。
【0022】
ここで、流体としては、このような管路を圧接する作用と熱を供給する作用があれば特には制限はない。このような流体としては温水が最も実用的であるが、加熱空気、蒸気、その他の熱媒体、圧力媒体などを用いることができる。
【0023】
ここで、第1の発明は、複数の管路を同時に補修する場合の発明であり、複数の管路に筒状補修材を施設し、流体供給源より供給される各管路への流体の供給量を各管路の状況に応じて変更して供給することを特徴としている。
【0024】
この第1の発明において、各管路の状況は、例えば、複数の管路間の流体排出温度の温度差である。この発明においては、温度差を補正するように流体の供給量を制御する。すなわち、末端温度の低い管路への流体供給量を増大させることにより、各管路の末端での流体の温度差は流体の供給量の制御により相殺されて末端付近での各管路の温度差が少なくなり、ひいては硬化所要時間の差が少なくなる。
【0025】
このような管路の補修方法に用いる補修装置は、例えば、一の流体供給源より各管路の一端へ高温の流体を供給する供給手段と、前記供給された流体を前記管路の末端から排出して前記流体供給源に循環する循環手段とを備えている。
【0026】
また、各末端での流体の温度差を制御するために、管路の末端から排出される流体排出温度の温度差を検知する検知手段を備え、この検知手段により検知された検知結果に基づいて各管路への流体の供給量を変更して供給する。流体は一の供給源より供給されるので、供給元となる温度は一定である。これにより途中で温度が低下する場合には供給量を増大させることにより末端での温度低下を相対的に上昇させることができる。
【0027】
ここで、検知手段としては温度センサが簡易であり、供給量変更手段は流量調整バルブなどの流量調整手段である。この流量調整手段は手動式でもよいが、温度センサで検知された温度と連動した自動制御であれば、定常状態に達する前には経時的に変化する末端温度に対応することができ簡易である。
【0028】
多数の管路が並設されている通信管などの場合には、各管路へ供給される流体量に差が発生しないように監視するのがよい。適宜の箇所に所定の流量で流体を流すことのできる流量調整手段を設ければ、各管路へ供給される流体の供給量を所望の量に制御することができる。このような流量調整手段によれば、流量検知手段は不要となる場合がある。
【0029】
また、管路に供給又は排出される流体量を検知する流量計などの流体量検知手段を備えていれば、複数の管路へ同時に供給する場合の各管路への流体供給量を把握することができる。温度差はこの流体の流量を目安として管理することもできる。すなわち、流量が少ない場合には末端での温度低下が予想されるので流量の少ない回収又は供給ホースに接続されるバルブを開放することなどにより流量を増大させる。
【0030】
また、第2の発明は、管路の状況に応じて筒状補修材の硬化性を変更して敷設し、筒状補修材を硬化させることを特徴としている。
【0031】
この第2の発明において、管路の状況は、例えば、一本の管路を補修する場合は管路内での温度差であり、該温度差を補正するように筒状補修材の硬化性を温度差に対応させて変更している。これにより、管路内で温度差がある場合、温度差は補修材の硬化性の差異により相殺されて硬化所要時間の差が少なくなる。
【0032】
また、複数の管路を同時に補修する場合には、各管路での温度差に対応して温度の低いと予想される管路には硬化速度の速い筒状補修材を選択して敷設する。
【0033】
このような温度差は、管径の大きな地中管の補修では供給する流体の温度が管路の重力方向で下側が上側に比べて無視できない程度の低温となる場合がある。また、補修管の管路が長くなった場合には管路の末端側での温度低下が無視できない場合がある。
【0034】
さらに、埋設されている地中管の周囲に地下水が流れている場合には、その付近での温度低下が予想される。
【0035】
重力方向に硬化速度の異なる特性を備えた補修材を用いることにより、重量方向の温度差に基づく硬化所要時間の長短は補修材の硬化速度を異ならせることにより相殺されて硬化所要時間の差は少なくなる。
【0036】
また、長手方向に硬化速度の異なる補修材を用いることにより、長手方向の温度差に基づく硬化所要時間の長短は補修材の硬化速度を異ならせることにより相殺されて硬化所要時間の差が少なくなる。
【0037】
このように硬化所要時間が予め長く予想される部分の筒状補修材の硬化性を高めることにより全体として短時間で補修することができる。
【0038】
このような場所により硬化速度の異なる補修材は適宜の手法により調製することができる。例えば、硬化速度の異なる繊維質材料を縫製、接着などの任意の手法により所望の筒状補修材とすることができる。また、硬化性樹脂を筒状の繊維質材料に含浸するに際して場所に応じて硬化性の異なる硬化性樹脂を含浸させればよい。
【0039】
また、このような硬化性の異なる熱硬化性樹脂は、樹脂の種類、組成、触媒(硬化剤)の量を増大させることにより硬化速度を高めることができる。また、助触媒(触媒)を用いることにより硬化開始温度を低下させることもできる。また、樹脂の組成や分子量を変更させることにより硬化性を代えることもできる。これらの組成はその状況に応じて適宜に決定される。
【0040】
硬化性の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば表1のようなものが例示される。この表1において、樹脂bは樹脂aに比べて硬化速度が増大されたり又は硬化開始温度が低下されて硬化性が増大されている。
【0041】
【表1】
【0042】
以下、図面を用いて本発明の具体的な実施例について図面を参照しつつ説明する。従来技術と同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して詳細な説明を省略することがある。
【0043】
[実施例1]
通信管10は、図1に示すように、平行にかつ隣接して6本(2列×3段)埋設されている。通信管10は、管径φ75のダクタイル鋳鉄管であり、管長は約150メートルとなっている。通信管10の両端部10A、10Bには、作業者が通信管10に通信ケーブルを施設等する際に作業を行うためのマンホール3a、3bが配設されている。通信管10の端部はコンクリート根巻12、12により固定されており、各通信管10の配置間隔はこのコンクリート根巻12により一定に保たれている。6本の通信管10のうち2本には既に通信ケーブルが施設されている。
【0044】
通信ケーブルが施設されていない通信管10のうち3本の通信管には、通信管の内壁面の補修を行うための筒状補修材13が内設されている。この筒状補修材13には、熱硬化性樹脂が含浸されており、ボイラー車6より高圧高温の温水が供給されると、その温水の圧力により筒状補修材13が通信管10の内壁面に圧接されるとともに温水の熱により硬化して通信管内の補修が行われる。
【0045】
ここで、この筒状補修材13は、樹脂aが含浸された補修材13aと樹脂bが含浸された補修材13bとが縫製、接着などにより長手方向に接続されたものである。例えば、補修材13aには主剤としての不飽和ポリエステル樹脂の100部と硬化剤としてのメチルアセテートパーオキサイド0.5部が含浸され、補修材13bには主剤としての不飽和ポリエステル樹脂の100部と硬化剤としてのメチルアセテートパーオキサイド2部が含浸されている。補修材13aは流体の上流側(供給側)に接続され、補修材13bは流体の下流側(排出側)に接続されている。
【0046】
マンホール3aの周辺にはボイラー車6が駐車されており、マンホール3aの上部開口に設けられた連結蓋4を介して温水の供給・回収を行うための温水供給ホース7がボイラー車6から通信管10の端部10A近傍まで延設されている。温水供給ホース7の端部には分岐部材17が取り付けられており、この分岐部材17により温水供給ホース7が分岐されて3本の筒状補修材13の端部13Aに接続されている。また、通信管の他の端部10Bには、分岐部材17を介して回収ホース8が接続され、その回収ホース8はマンホール3bを介してボイラー車6に接続されて温水が循環されるように構成されている。
【0047】
以下、通信管10の補修作業処理を説明する。ボイラー車6より温水が供給されると、通信管10の一端10A(マンホール3a側)から筒状補修材13内に温水が流入して筒状補修材13の他端13Bへと送流され、温水の熱によって筒状補修材13に含浸させた熱硬化性樹脂が硬化し始める。熱硬化性樹脂を完全に硬化させるためには、温水を一定時間以上送流させ続ける必要性が生ずるため、筒状補修材13内を流れることにより温度の低下した温水をボイラー車6に循環回収して高温高圧化し、ボイラー車6によって高温高圧化された温水を通信管10の一端10aから循環して送流させて筒状補修材13に温水を供給させ続ける。
【0048】
筒状補修材13が完全に硬化した後、他の通信管に設置されていた通信ケーブルを補修作業が終わった通信管10に施設し、通信ケーブルが設置されていた通信管を含む補修処理が施されていない通信管10に対して上述した補修作業を行う。
【0049】
このように、分岐部材17を用いて複数の通信管10の一端から他端へと温水を送流させることにより、一度の補修作業(熱硬化作業)で複数の通信管を一斉に補修することが可能となる。
【0050】
また、ボイラー車6をマンホール3aの周辺に駐車し、1台のボイラー車6で温水を循環供給・回収し、高温高圧化を行うことによって、通信管10の管長が長いために、温度低下が予想される場合にも、排出側に配設された補修材13bの硬化性が増大されていることにより、硬化に要する所要時間の設定は、管長が150メートルの設定ではなくて、上流側に配設された補修材13aの長さ(75メートル)の設定でよいので、硬化に要する時間が短縮されている。
【0051】
さらに、通信管10は複数本が平行に且つ隣接して設けられており、温水の熱が隣接する他の通信管10に伝わり易いので、複数本を一斉に熱硬化させることによって通信管全体の保熱効果を高めることが可能となる。
[実施例2]
以下、図2を用いて実施例2にかかる管路補修方法を説明する。
【0052】
通信ケーブルが施設されていない通信管のうち2本の通信管10a、10bに、通信管10の内壁面の補修を行うための筒状補修材13a、13bが内設されている。それぞれの筒状補修材13a、13bには実施例1と同様の硬化性の異なる熱硬化性樹脂が含浸されている。
【0053】
筒状補修材13aの一端13aAには、図2に示すように、ボイラー車6より温水が供給される温水供給ホース7が接続されており、筒状補修材13aの他端13aBと筒状補修材13bの他端13bBとは連結され、筒状補修材13bの一端13bAには、低温下した温水をボイラー車6で回収するための温水回収ホース8が接続されている。
【0054】
ボイラー車6より温水が筒状補修材13aに供給されると、温水が筒状補修材13aの一端13aAから他端13aBへ送流され、筒状補修材13aの他端13aBから流出された温水は筒状補修材13bの他端13bBへと流れて筒状補修材13bの一端13bAへと送流される。その後、筒状補修材13bの一端13bAより流出された温水は温水回収ホース8を介してボイラー車6へと送られる。ボイラー車6は回収された温水を高温高圧化して再度温水供給ホース7より筒状補修材13aへと供給する。
【0055】
このように、温水がボイラー車6より筒状補修材13a、13bへ供給され続けることによって、筒状補修材13a、13bが熱硬化され、通信管10a、10bが補修される。特に、一度の補修作業(熱硬化作業)により複数の通信管10a、10bを1台のボイラー車6で補修することができるので作業設備を効率的に使用することができるとともに、作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0056】
なお、通信管壁を経由して土中に放熱されることにより温水の温度が低下するので、筒状補修材13aの一端13aAにおける温水の温度に較べて、筒状補修材13bの一端13bAにおける温水の温度は低くなり、筒状補修材13a、13bにおける熱硬化の完了時間が筒状補修材13aと筒状補修材13bとで異なってしまう。しかしながら、この実施例では、筒状補修材1bとして硬化速度の速い樹脂bが含浸されているので、筒状補修材13aと筒状補修材13bとがほぼ同時間で硬化し終わるように調整することが可能である。
【0057】
これにより、排出側に配設された補修材13bの硬化性が増大されていることにより、硬化に要する所要時間の設定は、管長が300メートルの設定ではなくて、管長である150メートルの設定でよいので、筒状補修材13a及び13bを連結することにより管路が長くなっても硬化に要する時間が長くなることがない。
【0058】
[実施例3]
以下、図3を用いて、実施例3にかかる管路補修方法を説明する。
【0059】
この実施例3は、実施例1〜2において図1〜図2を用いて説明した管路の補修方法を、図3、図4に示すように他のマンホール3cを介して管路の長手方向に連設された通信管を一斉に補修する場合である。この実施例においても上述した効果と同等の効果を奏することが可能である。
【0060】
例えば、図3においては、供給側には樹脂aが含浸された筒状補修材13aが敷設され、排出側には樹脂bが含浸された筒状補修材13bが敷設されている。
【0061】
筒状補修材13aと筒状補修材13bとは温水を送給する連結部材17aにより連結されている。
【0062】
これにより、一方向に循環される温水の温度が低下した場合にも、筒状補修材をその状況に応じて変えることにより、硬化に要する時間を短縮させることができる。
【0063】
また、図4においては、供給側から硬化性が順次増大されるように、筒状補修材13a〜13dを連結部材17aを介して敷設する。この場合も同様な効果が期待される。
【0064】
[実施例4]
以下、図5を用いて実施例4にかかる管路補修方法を説明する。
【0065】
この実施例4は、3つ以上のマンホールに亘って管路を同時に補修する場合である。この例では、異なる硬化性を有する筒状補修材13a、13bが各管路10、10´に敷設されている。筒状補修材13aが敷設されている管路10の管路長は150メートルであり、筒状補修材13bが敷設されている管路10´の管路長は200メートルである。
【0066】
中央に位置するマンホール3からボイラー車6より温水が供給され、両側に位置するマンホール3a、3bから温水が回収されている。
【0067】
ボイラー車6に温水供給ホース7が接続され、分岐部材17により6つに分岐されてそれぞれの筒状補修材13a…、筒状補修材13b…の一端13aA…、13bA…に接続されている。筒状補修材13a…の他端13aBは分岐部材17に連結され、回収ホース8aを介してボイラー車6に回収されている。また、筒状補修材13bの他端13bBは分岐部材17により合流されて回収ホース8bを介してボイラー車6に回収されている。各回収ホース8(8a、8b)の途中には流量を制御する制御部材20(20a,20b)が介在されている。
【0068】
ボイラー車6より温水が筒状補修材13a、13bに供給されると、温水が筒状補修材13a、13bを通過して各筒状補修材13a、13bを硬化させる。それぞれから流出された温水は温水回収ホース8a、8bを介してボイラー車6へと送られる。ボイラー車6は回収された温水を高温高圧化して再度温水供給ホース7より筒状補修材13a、13bへと供給する。
【0069】
このように、温水がボイラー車6より筒状補修材13a、13bへ供給され続けることによって、筒状補修材13a、13bが熱硬化され、通信管10、10´が補修される。特に、一度の補修作業(熱硬化作業)により複数の通信管10、10´を1台のボイラー車6で補修することができるので作業設備を効率的に使用することができるとともに、作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0070】
なお、通信管壁を経由して土中に放熱されることにより温水の温度が低下し、かつ、管路長が異なるので末端13aBにおける温水の温度に較べて、末端13bBにおける温水の温度は低くなるが、筒状補修材13bは筒状補修材13aより硬化速度の速い補修材が用いられているので、筒状補修材13aと筒状補修材13bとがほぼ同時間で硬化し終わるように調整することが可能である。
[変形例1]
この実施例4において、制御部材20(20a、20b)を調整することにより各回収ホース8(8a、8b)により回収される温水の量を調整することにより、末端13aB及び末端13bBにおける温度差を実質的に無くすこともできる。この場合には、管路長が異なっても、同一の硬化性を有する補修材を用いてもほぼ同時間で硬化させることが可能である。
[変形例2]
この変形例1において、各末端13aB及び末端13bBに温度センサを配置してこの温度センサーによる温度差が無くなるように制御部材20(20a,20b)を自動制御すれば、手動で行わずとも管路長が異なっても、同一の硬化性を有する補修材を用いてほぼ同時間で硬化させることが可能である。
[実施例5]
図7及び図8において、管路の直径が大きい場合には、重力方向の上下方向に温度差が発生する場合があるが、そのような場合には、図6に示すように、断面図において重力方向の上下方向で硬化性の異なる材料を敷設する。
【0071】
この図6において、筒状補修材13は、上下方向で硬化特性が異なり、符号13aで示される上側には樹脂aが主体として含浸され、符号13bで示される補修材の下側には樹脂bが主体に含浸されている。
【0072】
これにより、重力方向の上下方向に温度差が自然と発生しても上下方向での硬化性の差異によりほぼ同時間で硬化させることができる。
【0073】
以上、第1の発明及び第2の発明について説明したが、本発明は光硬化性樹脂へも適用が可能である。例えば、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して補修材を硬化することにより管路を補修する管路の補修方法では、硬化速度の遅い補修材位置に光を多く照射させたり温度を高めるなどして硬化速度を上昇させる手段を作用させれば、硬化速度の遅い補修材位置の硬化が促進されるので、短時間にかつ効率的に管路を補修することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る管路補修方法を用いることによって、管路を、短時間にかつ効率的に補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例2に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例3に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例3に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例4に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図6】図7の管路を切断した場合の端面図である。
【図7】下水管における管路補修方法を説明するための図である。
【図8】下水管における管路補修方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 本管
3(3a〜3c):マンホール
4:連結蓋
6:ボイラー車(流体供給源)
7:温水供給ホース
8(8a、8b):温水回収ホース
10(10a、10b):通信管
13(13a〜13d):筒状補修材
16(16a、16b):温水用ホース
17:分岐部材
17a:連結部材
20(20a、20b):制御部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、管路を補修するための管路補修方法及びそれに用いる補修材、補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下水管路等の補修を行う方法として、熱硬化性樹脂を含浸させた筒状補修材を下水管路等に施設し、筒状補修材内に高温高圧の温水や水蒸気等の流体を流すことによって筒状補修材を下水管路の内壁面に圧接させつつ熱硬化させて補修を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
下水道の本管1の補修を行う場合に筒状補修材13は、例えば図7に示すように、本管1の一の端部1a側のマンホール3aから本管1内に送り入れられて他の端部1b側のマンホール3bに端部2bが露呈するようにして施設される。筒状補修材13の一の端部2aは、マンホール3aの上部開口に設けられた連結蓋4に接続され、他の端部2bは閉じ塞がれる。
【0004】
筒状補修材13の中心には、連結蓋4から端部2b近傍へと延びる温水循環ホース5が設けられており、この温水循環ホース5には、連結蓋4を介して、ボイラー車6より温水が供給される温水供給ホース7が接続されている。また、連結蓋4には、筒状補修材13内を端部2bから連結蓋4側の端部2aへと流れて低温化した温水を回収するための温水回収ホース8が接続されており、温水回収ホース8により回収された温水はボイラー車6で高温高圧化され、温水供給ホース7を介して再度温水循環ホース5へ供給される。
【0005】
また、下水道の管径が小さくて温水循環ホース5を筒状補修材13の内部に設けることが困難な場合には、図8に示すように、筒状補修材13の端部2b側のマンホール3bに連結蓋4を設置して筒状補修材13の端部2bと温水回収ホース8とを接続させる。
【0006】
このような構成とすることによって、温水供給ホース7を介してボイラー車6より供給された温水が筒状補修材13及び温水回収ホース8を通ってボイラー車6へと循環され、循環された温水の熱によって筒状補修材13が熱硬化されて本管1の補修が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−234159
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の管路の補修方法によれば、管路の径が大きい場合には、ボイラー車6より供給された温水は、筒状補修材13の重力方向で温度差が生じるという課題がある。このような筒状補修材の硬化速度は加熱温度に依存し、温度が高いほど早いが温度が低い場合には硬化速度が遅い。また、温度が熱硬化を開始する設定温度以下の場合には、その間、硬化が実質的に開始せずに全体としての硬化が遅れることがある。
【0009】
実際の補修に際しては、温度差がある場合には、温度の低い場所の硬化が確実に完了されるように安全係数をみて加熱時間を長くするので、温度差がある場合には短時間での補修が困難となる。
【0010】
また、今日では、電線や電話線の埋設により下水管よりも小径であって長尺である通信管が多数設置されるようになっており、電食や腐食等により劣化した通信管に対しても下水管と同様に補修を行う必要性が生じている。
【0011】
ここで、一般的な下水管の管径はφ150〜φ1500程度であるのに対して、通信管9の管径は大きくても管径がφ90程度と細い。このため、通信管では、温水循環ホース5の採用は困難であり、一端に温水供給ホースを接続させ、通信管の他端に温水回収ホースを接続させることによって温水を循環させる方法を採用するが、温水供給端の温度と温水排出端の温度で温度差が大きくなる。また、一般的な下水管の管長は20〜100メートルであるのに対して通信管9の管長は20〜200メートル程度であって一般的な下水管よりも長い。このことが温水排出間の末端温度の低下を助長している。このように筒状補修材の長手方向に温度差が生じる場合には、同様な理由により短時間での補修が困難となる。
【0012】
本発明は上記の問題に鑑みて為されたものであり、管路を、短時間にかつ効率的に補修することができる管路補修方法を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明はこの管路補修方法に用いる補修材及び補修装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく検討したところ、第1の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、複数の管路に前記補修材を施設し、前記流体供給源より供給される各管路への流体の供給量を各管路の状況に応じて変更して供給する管路補修方法である。
【0015】
また、第2の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、前記管路の状況に応じて補修材の硬化性を変更して敷設し、前記補修材を硬化させる管路補修方法である。
【0016】
また、第3の発明は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して補修材を硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、硬化速度の遅い補修材位置に硬化速度を上昇させる手段を作用させて前記補修材を硬化させる管路補修方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
第1の発明及び第2の発明の管路の補修方法は、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法に適用される。
【0019】
ここで、補修材は熱により硬化できる筒状の補修材であれば特には制限が無く、例えば、硬化性樹脂が含浸された繊維質材料にフィルム、シートなどの流体を不透過とする不透過性材料が複合された複合材料であり好ましくは筒状である。
【0020】
また、本発明に適用される管路にも特には制限が無く、例えば、下水管の他に通信管などの地中管が包含される。
【0021】
本発明においては、これらの管路に補修材が施設される。この補修材の中心方向内側には流体が供給される。この流体の圧力により補修材は管路の内壁面に圧接されつつ、流体の熱により補修材が熱硬化されて管路が補修される。
【0022】
ここで、流体としては、このような管路を圧接する作用と熱を供給する作用があれば特には制限はない。このような流体としては温水が最も実用的であるが、加熱空気、蒸気、その他の熱媒体、圧力媒体などを用いることができる。
【0023】
ここで、第1の発明は、複数の管路を同時に補修する場合の発明であり、複数の管路に筒状補修材を施設し、流体供給源より供給される各管路への流体の供給量を各管路の状況に応じて変更して供給することを特徴としている。
【0024】
この第1の発明において、各管路の状況は、例えば、複数の管路間の流体排出温度の温度差である。この発明においては、温度差を補正するように流体の供給量を制御する。すなわち、末端温度の低い管路への流体供給量を増大させることにより、各管路の末端での流体の温度差は流体の供給量の制御により相殺されて末端付近での各管路の温度差が少なくなり、ひいては硬化所要時間の差が少なくなる。
【0025】
このような管路の補修方法に用いる補修装置は、例えば、一の流体供給源より各管路の一端へ高温の流体を供給する供給手段と、前記供給された流体を前記管路の末端から排出して前記流体供給源に循環する循環手段とを備えている。
【0026】
また、各末端での流体の温度差を制御するために、管路の末端から排出される流体排出温度の温度差を検知する検知手段を備え、この検知手段により検知された検知結果に基づいて各管路への流体の供給量を変更して供給する。流体は一の供給源より供給されるので、供給元となる温度は一定である。これにより途中で温度が低下する場合には供給量を増大させることにより末端での温度低下を相対的に上昇させることができる。
【0027】
ここで、検知手段としては温度センサが簡易であり、供給量変更手段は流量調整バルブなどの流量調整手段である。この流量調整手段は手動式でもよいが、温度センサで検知された温度と連動した自動制御であれば、定常状態に達する前には経時的に変化する末端温度に対応することができ簡易である。
【0028】
多数の管路が並設されている通信管などの場合には、各管路へ供給される流体量に差が発生しないように監視するのがよい。適宜の箇所に所定の流量で流体を流すことのできる流量調整手段を設ければ、各管路へ供給される流体の供給量を所望の量に制御することができる。このような流量調整手段によれば、流量検知手段は不要となる場合がある。
【0029】
また、管路に供給又は排出される流体量を検知する流量計などの流体量検知手段を備えていれば、複数の管路へ同時に供給する場合の各管路への流体供給量を把握することができる。温度差はこの流体の流量を目安として管理することもできる。すなわち、流量が少ない場合には末端での温度低下が予想されるので流量の少ない回収又は供給ホースに接続されるバルブを開放することなどにより流量を増大させる。
【0030】
また、第2の発明は、管路の状況に応じて筒状補修材の硬化性を変更して敷設し、筒状補修材を硬化させることを特徴としている。
【0031】
この第2の発明において、管路の状況は、例えば、一本の管路を補修する場合は管路内での温度差であり、該温度差を補正するように筒状補修材の硬化性を温度差に対応させて変更している。これにより、管路内で温度差がある場合、温度差は補修材の硬化性の差異により相殺されて硬化所要時間の差が少なくなる。
【0032】
また、複数の管路を同時に補修する場合には、各管路での温度差に対応して温度の低いと予想される管路には硬化速度の速い筒状補修材を選択して敷設する。
【0033】
このような温度差は、管径の大きな地中管の補修では供給する流体の温度が管路の重力方向で下側が上側に比べて無視できない程度の低温となる場合がある。また、補修管の管路が長くなった場合には管路の末端側での温度低下が無視できない場合がある。
【0034】
さらに、埋設されている地中管の周囲に地下水が流れている場合には、その付近での温度低下が予想される。
【0035】
重力方向に硬化速度の異なる特性を備えた補修材を用いることにより、重量方向の温度差に基づく硬化所要時間の長短は補修材の硬化速度を異ならせることにより相殺されて硬化所要時間の差は少なくなる。
【0036】
また、長手方向に硬化速度の異なる補修材を用いることにより、長手方向の温度差に基づく硬化所要時間の長短は補修材の硬化速度を異ならせることにより相殺されて硬化所要時間の差が少なくなる。
【0037】
このように硬化所要時間が予め長く予想される部分の筒状補修材の硬化性を高めることにより全体として短時間で補修することができる。
【0038】
このような場所により硬化速度の異なる補修材は適宜の手法により調製することができる。例えば、硬化速度の異なる繊維質材料を縫製、接着などの任意の手法により所望の筒状補修材とすることができる。また、硬化性樹脂を筒状の繊維質材料に含浸するに際して場所に応じて硬化性の異なる硬化性樹脂を含浸させればよい。
【0039】
また、このような硬化性の異なる熱硬化性樹脂は、樹脂の種類、組成、触媒(硬化剤)の量を増大させることにより硬化速度を高めることができる。また、助触媒(触媒)を用いることにより硬化開始温度を低下させることもできる。また、樹脂の組成や分子量を変更させることにより硬化性を代えることもできる。これらの組成はその状況に応じて適宜に決定される。
【0040】
硬化性の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば表1のようなものが例示される。この表1において、樹脂bは樹脂aに比べて硬化速度が増大されたり又は硬化開始温度が低下されて硬化性が増大されている。
【0041】
【表1】
【0042】
以下、図面を用いて本発明の具体的な実施例について図面を参照しつつ説明する。従来技術と同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して詳細な説明を省略することがある。
【0043】
[実施例1]
通信管10は、図1に示すように、平行にかつ隣接して6本(2列×3段)埋設されている。通信管10は、管径φ75のダクタイル鋳鉄管であり、管長は約150メートルとなっている。通信管10の両端部10A、10Bには、作業者が通信管10に通信ケーブルを施設等する際に作業を行うためのマンホール3a、3bが配設されている。通信管10の端部はコンクリート根巻12、12により固定されており、各通信管10の配置間隔はこのコンクリート根巻12により一定に保たれている。6本の通信管10のうち2本には既に通信ケーブルが施設されている。
【0044】
通信ケーブルが施設されていない通信管10のうち3本の通信管には、通信管の内壁面の補修を行うための筒状補修材13が内設されている。この筒状補修材13には、熱硬化性樹脂が含浸されており、ボイラー車6より高圧高温の温水が供給されると、その温水の圧力により筒状補修材13が通信管10の内壁面に圧接されるとともに温水の熱により硬化して通信管内の補修が行われる。
【0045】
ここで、この筒状補修材13は、樹脂aが含浸された補修材13aと樹脂bが含浸された補修材13bとが縫製、接着などにより長手方向に接続されたものである。例えば、補修材13aには主剤としての不飽和ポリエステル樹脂の100部と硬化剤としてのメチルアセテートパーオキサイド0.5部が含浸され、補修材13bには主剤としての不飽和ポリエステル樹脂の100部と硬化剤としてのメチルアセテートパーオキサイド2部が含浸されている。補修材13aは流体の上流側(供給側)に接続され、補修材13bは流体の下流側(排出側)に接続されている。
【0046】
マンホール3aの周辺にはボイラー車6が駐車されており、マンホール3aの上部開口に設けられた連結蓋4を介して温水の供給・回収を行うための温水供給ホース7がボイラー車6から通信管10の端部10A近傍まで延設されている。温水供給ホース7の端部には分岐部材17が取り付けられており、この分岐部材17により温水供給ホース7が分岐されて3本の筒状補修材13の端部13Aに接続されている。また、通信管の他の端部10Bには、分岐部材17を介して回収ホース8が接続され、その回収ホース8はマンホール3bを介してボイラー車6に接続されて温水が循環されるように構成されている。
【0047】
以下、通信管10の補修作業処理を説明する。ボイラー車6より温水が供給されると、通信管10の一端10A(マンホール3a側)から筒状補修材13内に温水が流入して筒状補修材13の他端13Bへと送流され、温水の熱によって筒状補修材13に含浸させた熱硬化性樹脂が硬化し始める。熱硬化性樹脂を完全に硬化させるためには、温水を一定時間以上送流させ続ける必要性が生ずるため、筒状補修材13内を流れることにより温度の低下した温水をボイラー車6に循環回収して高温高圧化し、ボイラー車6によって高温高圧化された温水を通信管10の一端10aから循環して送流させて筒状補修材13に温水を供給させ続ける。
【0048】
筒状補修材13が完全に硬化した後、他の通信管に設置されていた通信ケーブルを補修作業が終わった通信管10に施設し、通信ケーブルが設置されていた通信管を含む補修処理が施されていない通信管10に対して上述した補修作業を行う。
【0049】
このように、分岐部材17を用いて複数の通信管10の一端から他端へと温水を送流させることにより、一度の補修作業(熱硬化作業)で複数の通信管を一斉に補修することが可能となる。
【0050】
また、ボイラー車6をマンホール3aの周辺に駐車し、1台のボイラー車6で温水を循環供給・回収し、高温高圧化を行うことによって、通信管10の管長が長いために、温度低下が予想される場合にも、排出側に配設された補修材13bの硬化性が増大されていることにより、硬化に要する所要時間の設定は、管長が150メートルの設定ではなくて、上流側に配設された補修材13aの長さ(75メートル)の設定でよいので、硬化に要する時間が短縮されている。
【0051】
さらに、通信管10は複数本が平行に且つ隣接して設けられており、温水の熱が隣接する他の通信管10に伝わり易いので、複数本を一斉に熱硬化させることによって通信管全体の保熱効果を高めることが可能となる。
[実施例2]
以下、図2を用いて実施例2にかかる管路補修方法を説明する。
【0052】
通信ケーブルが施設されていない通信管のうち2本の通信管10a、10bに、通信管10の内壁面の補修を行うための筒状補修材13a、13bが内設されている。それぞれの筒状補修材13a、13bには実施例1と同様の硬化性の異なる熱硬化性樹脂が含浸されている。
【0053】
筒状補修材13aの一端13aAには、図2に示すように、ボイラー車6より温水が供給される温水供給ホース7が接続されており、筒状補修材13aの他端13aBと筒状補修材13bの他端13bBとは連結され、筒状補修材13bの一端13bAには、低温下した温水をボイラー車6で回収するための温水回収ホース8が接続されている。
【0054】
ボイラー車6より温水が筒状補修材13aに供給されると、温水が筒状補修材13aの一端13aAから他端13aBへ送流され、筒状補修材13aの他端13aBから流出された温水は筒状補修材13bの他端13bBへと流れて筒状補修材13bの一端13bAへと送流される。その後、筒状補修材13bの一端13bAより流出された温水は温水回収ホース8を介してボイラー車6へと送られる。ボイラー車6は回収された温水を高温高圧化して再度温水供給ホース7より筒状補修材13aへと供給する。
【0055】
このように、温水がボイラー車6より筒状補修材13a、13bへ供給され続けることによって、筒状補修材13a、13bが熱硬化され、通信管10a、10bが補修される。特に、一度の補修作業(熱硬化作業)により複数の通信管10a、10bを1台のボイラー車6で補修することができるので作業設備を効率的に使用することができるとともに、作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0056】
なお、通信管壁を経由して土中に放熱されることにより温水の温度が低下するので、筒状補修材13aの一端13aAにおける温水の温度に較べて、筒状補修材13bの一端13bAにおける温水の温度は低くなり、筒状補修材13a、13bにおける熱硬化の完了時間が筒状補修材13aと筒状補修材13bとで異なってしまう。しかしながら、この実施例では、筒状補修材1bとして硬化速度の速い樹脂bが含浸されているので、筒状補修材13aと筒状補修材13bとがほぼ同時間で硬化し終わるように調整することが可能である。
【0057】
これにより、排出側に配設された補修材13bの硬化性が増大されていることにより、硬化に要する所要時間の設定は、管長が300メートルの設定ではなくて、管長である150メートルの設定でよいので、筒状補修材13a及び13bを連結することにより管路が長くなっても硬化に要する時間が長くなることがない。
【0058】
[実施例3]
以下、図3を用いて、実施例3にかかる管路補修方法を説明する。
【0059】
この実施例3は、実施例1〜2において図1〜図2を用いて説明した管路の補修方法を、図3、図4に示すように他のマンホール3cを介して管路の長手方向に連設された通信管を一斉に補修する場合である。この実施例においても上述した効果と同等の効果を奏することが可能である。
【0060】
例えば、図3においては、供給側には樹脂aが含浸された筒状補修材13aが敷設され、排出側には樹脂bが含浸された筒状補修材13bが敷設されている。
【0061】
筒状補修材13aと筒状補修材13bとは温水を送給する連結部材17aにより連結されている。
【0062】
これにより、一方向に循環される温水の温度が低下した場合にも、筒状補修材をその状況に応じて変えることにより、硬化に要する時間を短縮させることができる。
【0063】
また、図4においては、供給側から硬化性が順次増大されるように、筒状補修材13a〜13dを連結部材17aを介して敷設する。この場合も同様な効果が期待される。
【0064】
[実施例4]
以下、図5を用いて実施例4にかかる管路補修方法を説明する。
【0065】
この実施例4は、3つ以上のマンホールに亘って管路を同時に補修する場合である。この例では、異なる硬化性を有する筒状補修材13a、13bが各管路10、10´に敷設されている。筒状補修材13aが敷設されている管路10の管路長は150メートルであり、筒状補修材13bが敷設されている管路10´の管路長は200メートルである。
【0066】
中央に位置するマンホール3からボイラー車6より温水が供給され、両側に位置するマンホール3a、3bから温水が回収されている。
【0067】
ボイラー車6に温水供給ホース7が接続され、分岐部材17により6つに分岐されてそれぞれの筒状補修材13a…、筒状補修材13b…の一端13aA…、13bA…に接続されている。筒状補修材13a…の他端13aBは分岐部材17に連結され、回収ホース8aを介してボイラー車6に回収されている。また、筒状補修材13bの他端13bBは分岐部材17により合流されて回収ホース8bを介してボイラー車6に回収されている。各回収ホース8(8a、8b)の途中には流量を制御する制御部材20(20a,20b)が介在されている。
【0068】
ボイラー車6より温水が筒状補修材13a、13bに供給されると、温水が筒状補修材13a、13bを通過して各筒状補修材13a、13bを硬化させる。それぞれから流出された温水は温水回収ホース8a、8bを介してボイラー車6へと送られる。ボイラー車6は回収された温水を高温高圧化して再度温水供給ホース7より筒状補修材13a、13bへと供給する。
【0069】
このように、温水がボイラー車6より筒状補修材13a、13bへ供給され続けることによって、筒状補修材13a、13bが熱硬化され、通信管10、10´が補修される。特に、一度の補修作業(熱硬化作業)により複数の通信管10、10´を1台のボイラー車6で補修することができるので作業設備を効率的に使用することができるとともに、作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0070】
なお、通信管壁を経由して土中に放熱されることにより温水の温度が低下し、かつ、管路長が異なるので末端13aBにおける温水の温度に較べて、末端13bBにおける温水の温度は低くなるが、筒状補修材13bは筒状補修材13aより硬化速度の速い補修材が用いられているので、筒状補修材13aと筒状補修材13bとがほぼ同時間で硬化し終わるように調整することが可能である。
[変形例1]
この実施例4において、制御部材20(20a、20b)を調整することにより各回収ホース8(8a、8b)により回収される温水の量を調整することにより、末端13aB及び末端13bBにおける温度差を実質的に無くすこともできる。この場合には、管路長が異なっても、同一の硬化性を有する補修材を用いてもほぼ同時間で硬化させることが可能である。
[変形例2]
この変形例1において、各末端13aB及び末端13bBに温度センサを配置してこの温度センサーによる温度差が無くなるように制御部材20(20a,20b)を自動制御すれば、手動で行わずとも管路長が異なっても、同一の硬化性を有する補修材を用いてほぼ同時間で硬化させることが可能である。
[実施例5]
図7及び図8において、管路の直径が大きい場合には、重力方向の上下方向に温度差が発生する場合があるが、そのような場合には、図6に示すように、断面図において重力方向の上下方向で硬化性の異なる材料を敷設する。
【0071】
この図6において、筒状補修材13は、上下方向で硬化特性が異なり、符号13aで示される上側には樹脂aが主体として含浸され、符号13bで示される補修材の下側には樹脂bが主体に含浸されている。
【0072】
これにより、重力方向の上下方向に温度差が自然と発生しても上下方向での硬化性の差異によりほぼ同時間で硬化させることができる。
【0073】
以上、第1の発明及び第2の発明について説明したが、本発明は光硬化性樹脂へも適用が可能である。例えば、補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して補修材を硬化することにより管路を補修する管路の補修方法では、硬化速度の遅い補修材位置に光を多く照射させたり温度を高めるなどして硬化速度を上昇させる手段を作用させれば、硬化速度の遅い補修材位置の硬化が促進されるので、短時間にかつ効率的に管路を補修することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る管路補修方法を用いることによって、管路を、短時間にかつ効率的に補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例2に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例3に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例3に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例4に係る管路補修方法を説明するための図である。
【図6】図7の管路を切断した場合の端面図である。
【図7】下水管における管路補修方法を説明するための図である。
【図8】下水管における管路補修方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 本管
3(3a〜3c):マンホール
4:連結蓋
6:ボイラー車(流体供給源)
7:温水供給ホース
8(8a、8b):温水回収ホース
10(10a、10b):通信管
13(13a〜13d):筒状補修材
16(16a、16b):温水用ホース
17:分岐部材
17a:連結部材
20(20a、20b):制御部材
Claims (8)
- 補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、
複数の管路に前記補修材を施設し、前記流体供給源より供給される各管路への流体の供給量を各管路の状況に応じて変更して供給することを特徴とする管路補修方法。 - 前記各管路の状況は複数の管路間の流体排出温度の温度差であり、該温度差を補正するように前記流体の供給量が制御されていることを特徴とする請求項1記載の管路の補修方法。
- 請求項1又は2記載の管路の補修方法に用いる補修装置であって、
一の流体供給源より各管路の一端へ高温の流体を供給する供給手段と、
前記供給された流体を前記管路の末端から排出して前記流体供給源に循環する循環手段と、
前記管路の末端から排出される流体排出温度の温度差を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、各管路への流体の供給量を変更して供給できる供給量変更手段を備えていることを特徴とする管路の補修装置。 - 補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して一の流体供給源より管路の一端へ高温の流体を供給して補修材を熱硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、
前記管路の状況に応じて補修材の硬化性を変更して敷設し、前記補修材を硬化させることを特徴とする管路補修方法。 - 前記管路の重力方向で温度差がある場合には、重力方向に硬化速度の異なる特性を備えた補修材が用いられることを特徴とする請求項4記載の管路の補修方法。
- 前記管路の長手方向で温度差がある場合には、長手方向に硬化速度の異なる補修材が用いられることを特徴とする請求項4記載の管路の補修方法。
- 請求項4〜6のいずれかの管路の補修方法に用いる補修材であって、含浸される熱硬化性樹脂の種類及び/又は組成が長手方向又は敷設した場合の重力方向で異なっていることを特徴とする補修材。
- 補修材を管路内に施設し管路の内壁面に圧接して補修材を硬化することにより管路を補修する管路の補修方法において、
硬化速度の遅い補修材位置に硬化速度を上昇させる手段を作用させて前記補修材を硬化させることを特徴とする管路補修方法。
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002381806A patent/JP2004209801A/ja active Pending
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