JP2008246986A - 既設管補修工法 - Google Patents

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Shinkichi Ooka
伸吉 大岡
Mitsuyoshi Cho
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Abstract

【課題】所望の厚みを有する管状ライニング材の既設管への設置を簡単な作業で容易に行うことができ、更に、硬化作業の的確化を図るための異なる性質の層の形成の容易化も図ることのできる既設管補修工法を得ること。
【解決手段】管状に形成されたライニング芯材に予め未硬化樹脂を含浸させてなる管状ライニング材が、補修対象の既設管内に導入された状態で硬化され前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、管状ライニング材の導入は、複数の前記管状ライニング材12,14をそれぞれ個別に既設管10内に挿入し、最初に挿入される管状ライニング材12を最も外側にし、以降順に内側に挿入して行うことを特徴とする。この構成によれば、厚さの大きな管状ライニング材を形成する場合でも、それぞれ単体の管状ライニング材は、完成品の管状ライニング材の厚さに満たない厚さで足り、挿入作業も容易なものとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設管補修工法、特に下水道等の様な地中に埋設された既設管内に樹脂を含浸させた未硬化状態の管状ライニング材が導入され、導入後に硬化されて既設管の補修が行われる既設管補修工法に関するものである。
日本の下水道普及率は平均69%であり、都市部では、ほぼ100%に近い普及率である。この様な現状において、下水管渠の新設事業は一部地方を除いて殆ど無くなり、老朽管渠の維持管理が重要なものとなっている。下水管渠の総延長は約36万kmであり、そのうち耐用年数50年を越えた管渠は7000km以上となっている。また、今後年間数千kmずつ増加する見込みである。
一般に、下水管渠などの地中に埋設される管については、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、クラックの発生、ズレによる段差の発生、径の変化などが生じることは不可避であり、そのため、下水管の流下力が低下したり、管内への地下水の浸入による下水処理量が増えたりする問題が起こっている。また、特に変形が生じなくても老朽化に伴って、事故の未然防止のために換が必要になる等の事情から、既設管は所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
現在、下水管路再生補修技術としては、地上からの作業により地面を開削し、老朽化した管路を地上から掘り出して新管を入れる作業方法、非開削で管の内部から管内面を補修する作業方法、更に、非開削で新管を入れる方法などが採用されている。この非開削で新管を挿入する補修工法として、従来、管更生工法と呼ばれている補修技術が採用されており、この技術は、既設管にガラス繊維等によって形成した芯材に未硬化樹脂を含浸させて出来た工場生産の管状ライニング材を既設の下水道管に導入して、加圧空気等を用いて拡径し、既設管に密着させた状態で、硬化させて既設管中に新管を形成するものである。
例えば、特許文献1(特開平6−246830号)や、特許文献2(特開2004−188818号)には、その様な未硬化のライニング管を反転させて、加圧空気や温水によって進行させ、既設管に導入した後、熱や光により硬化させて管の補修を行うライニング工法が開示されている。
また、既設管内における管状ライニング材の硬化をより的確なものとするために、管状ライニング材を内外2層構造とし、内側層を光照射による硬化に適する光硬化型の樹脂にて形成し、外側層を熱の照射による硬化に適する熱硬化型の樹脂にて形成する技術が開示されている。
これは、(i)光硬化型の場合、硬化速度は速いが、光の透過深さの制限で10数mm以下材料に対してしか的確な硬化を行うことができず、厚みのある材料を必要とする大口径管の補修に適用できないという欠点があり、(ii)熱硬化型の場合、厚みのある材料を硬化させることはできるが、硬化時間が光硬化型に比べ倍程度長く、しかも大掛りの硬化用加熱設備が必要となり施工性が悪いという欠点があることに基づくものである。
すなわち、厚みのある管状ライニング材を形成するために、2層に分けることで薄くなった管状ライニング材の内側層を光で全体を迅速に硬化させることができ、その際に生じる熱及び加熱手段による処理を付加して外側層の硬化を行うようにしたものである。
特開平6−246830号公報 特開2004−188818号公報 特開2003−33970号公報
(i)管更生工法では、補修対象である既設管が大口径の場合、管状ライニング材の厚さも大きくならざるを得ないが、厚さが増大するに連れ、管状ライニング材の既設管内への導入作業は煩雑なものとなる。すなわち、重量も大きくなり導入の際に表面を傷つけたり、既設管内での拡径作業煩雑になり既設管への密着状態の確保が不十分となることがあった。特に、特許文献1や2に開示された技術の様な、管状ライニング材を反転挿入する技術の場合、管状ライニング材の厚さが大きくなると、反転作業が困難なものとなるおそれがあった。
また、大きな厚さの管状ライニング材を形成する場合、その厚さ故に製造過程における気泡の除去作業がより困難なものとなり、その品質維持の確実性が低下する。
(ii)また、管状ライニング材の厚さが大きくなると硬化作業も困難性を伴うが特許文献3の技術では、これを光硬化型と熱硬化型の異なる2層の管状ライニング材を用いることで解消している。しかし、当該技術では、この管状ライニング材の製造を工場段階で行うものとし、同文献3の図5に示されているように、先ず巻芯筒の上に光硬化性樹脂を含浸させたベース材(7)を螺旋状に巻き付け、更にその上から熱硬化性樹脂を含浸させたベース材(8)を螺旋状に巻き付け、その上に剥離可能の薄膜を巻き付けた後、巻芯筒を取去るという製造方法が開示されており。この様な、2層構造の未硬化状態の管状ライニング材を製造するための煩雑な作業が必要となっている。
本発明は上記課題に鑑みてなされてものであり、その目的は、所望の厚みを有する管状ライニング材の既設管への設置を簡単な作業で容易に行うことができ、更に、硬化作業の的確化を図るための異なる性質の層の形成の容易化も図ることのできる既設管補修工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る既設管補修工法は、
管状に形成されたライニング芯材に予め未硬化樹脂を含浸させてなる管状ライニング材が、補修対象の既設管内に導入された状態で硬化され前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、前記管状ライニング材の導入は、複数の前記管状ライニング材をそれぞれ個別に前記既設管内に挿入し、最初に挿入される管状ライニング材を最も外側にし、以降順に内側に挿入して行うことを特徴とする。
この構成によれば、厚さの大きな管状ライニング材を形成する場合でも、それぞれ単体の管状ライニング材は、完成品の管状ライニング材の厚さに満たない厚さで足り、また、挿入作業もそれぞれ個別に行われるので、厚い管状ライニング材の挿入という施工性の悪い煩雑な作業を行う必要がない。更に、必要な厚さにするための積層作業は、工場ではなく施工現場である既設管内で行われるので、大きな厚さの管状ライニング材であっても、工場における管状ライニング材の製造は簡易なものとなる。
請求項2に係る既設管補修工法は、
前記複数の管状ライニング材の各管状ライニング材は、それぞれ隣り合う管状ライニング材とは硬化条件が異なることを特徴とする。これにより、厚さの大きな管状ライニング材の硬化作業を状況に適合させて的確に行うことが可能となるが、管状ライニング材を個別に挿入して複数の層を既設管内にて形成することから、層毎に異なる性質の管状ライニング材を形成する作業も非常に簡単なものである。例えば、内側を光硬化型の層とし、外側を熱硬化型の層とすることで、効率の良い硬化作用が達成される。
請求項3に係る既設管補修工法は、
前記複数の管状ライニング材は、2つの管状ライニング材からなり、最初に挿入される管状ライニング材は熱による硬化に適する管状ライニング材又は熱及び光の双方による硬化に適する管状ライニング材であり、その内側に挿入される管状ライニング材は光による硬化に適する管状ライニング材又は熱及び光の双方による硬化に適する管状ライニング材であることを特徴とする。この構成により、例えば、内側からの紫外線を主とする光の照射により、まず内側の光硬化に適する管状ライニング材を硬化させ、その硬化時に生じる熱も利用して外側層の管状ライニング材をより効率的に且つ迅速に硬化させることができる。熱硬化作用が始まるとそこでも発熱が生じ、熱硬化の作用はスムーズに行われる。
請求項4に係る既設管補修工法は、
前記導入される複数の管状ライニング材の最初に挿入された最外側の管状ライニング材以降に導入される管状ライニング材は、反転挿入動作により導入されることを特徴とする。これにより、迅速且つ簡単な挿入作業が可能となるが、厚さの薄い複数の層の管状ライニング材を個別に挿入することから、径の比較的小さい既設管に対しても反転作業を容易に行うことが可能である。また、外側の層との摩擦による損傷もなくすことができ、更に、挿入中のねじれや傷の発生も極力抑えることができる。
請求項5に係る既設管補修工法は、
前記最初に挿入された管状ライニング材と前記既設管との間には、少なくとも伸縮性、柔軟性を有する管状不透水膜が、前記既設管と前記管状ライニング材にほぼ密着した状態で設置されていることを特徴とする。これにより、硬化作業においては、管状不透水層が熱を遮断し得る範囲において、光や熱照射時における断熱作用を発揮する。すなわち、管状ライニング材の熱による硬化の効率を高めることができる。また、完成後においては、不透水膜の伸縮性、柔軟性により、既設管や硬化した管状ライニング材に変形や亀裂や段差が生じた場合でもこれに追随することができ、修理が行われるまでの応急的な密閉性の確保が可能である。
請求項6に係る既設管補修工法は、
前記最初に挿入された管状ライニング材とその内側に挿入される第2層目の管状ライニング材との間には、少なくとも伸縮性、柔軟性を有し、前記各管状ライニング材の硬化後において該各管状ライニング材に対して非接着性を有する管状中間膜が、前記最初に挿入された管状ライニング材と前記第2層目の管状ライニング材にほぼ密着した状態で設置されていることを特徴とする。
これにより、内外層の2つの管状ライニング材は、管状中間膜の存在により、硬化作業終了後において、それぞれ非接着、非接触の独立した硬化状態となっている。したがって、既設管に変形等が生じたような場合に、その変形等に対する追従性が向上する。例えば、既設管の変形により湾曲が生じたような場合、独立硬化状態にある内側と外側の管状ライニング材の相対的な位置ずれが許容されるので、変形に追従することができる。なお、当該管状中間膜は、上述した管状不透水膜による作用も奏することができ、既設管や内側、外側の管状ライニング材に段差や変形が生じたような緊急時の既設管の密閉性の確保が可能である。
請求項7に係る既設管補修工法は、
前記最初に挿入された管状ライニング材と前記第2層目の管状ライニング材との間の前記管状中間膜の設置は、前記管状中間膜を前記既設管挿入前の前記第2層目の管状ライニング材を覆うようにその外側面に密着させて装着しておき、その状態で該第2層目の管状ライニング材を前記最初に挿入された管状ライニング材内に反転挿入させることによって行われることを特徴とする。これにより、前記中間に伸縮性、柔軟性の有る中間膜を設置する作業を容易に行うことができる。
本発明に係る既設管補修工法によれば、厚みのある管状ライニング材の既設管への設置を複数の管状ライニング材を個別に既設管に挿入することにより、簡単かつ容易に行うことができる。そして、管状ライニング材の硬化作業の的確化を図るために、硬化性の異なる複数の層を形成する際、当該作業を容易に行うことが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の既設管補修工法の実施の形態を示す概略説明図であり、一般的な構成の下水道システムに適用している例を示している。なお、図示の容易化のため、下水道本管10の内径や長さに対する他の構成部材のサイズは同一の縮尺にはなっていない(以下の図においても同様)。
図示のように、所定間隔を置いて設置されたマンホール100と102との間には補修対象の既設管である下水道本管10が配置されている。この下水道本管10を本発明工法を用いて補修している状況が示されており、図においては、最外側の管状ライニング材12が既に挿入されており、その内側に次の第2層目の管状ライニング材14が反転挿入により導入されつつある状況である。
これらの管状ライニング材12,14は、管状に形成されたライニング芯材に未硬化樹脂を含浸させて形成されており、ライニング芯材は、例えば、ガラス繊維やフェルト(不織布)、もしくは両方の組み合わせから形成されている。なお、含浸される樹脂材料は、管状ライニング材12と14とで、相互の付着性を良好なものとするために同種類の樹脂が用いられている。例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などが用いられる。
まず、最外層の管状ライニング材12の既設管10への導入は、管状ライニング材14の挿入に先立って行われており。導入の作業は、公知の技術である引き込み動作や反転挿入動作により行われている。そして、次の管状ライニング材14は、図示のように管状ライニング材12内に管状ライニング材12を押し広げつつ反転挿入動作によって導入される。この反転挿入動作によれば、管状ライニング材同士の接触時における破損やねじれ等を有効に回避しつつ導入を行うことができる。そして、図2に示されたように、この2つの管状ライニング材12,14が挿入された状態で、全体として適切な管状ライニング材の厚さSが確保されている。したがって、この積層により、厚さの大きな管状ライニング材の形成にも対応することができ、更に、各管状ライニング材12,14はそれぞれ比較的薄く形成することが可能であることから、既設管10内への導入作業の容易化も図られる。
この様に、工場ではなく施工現場である既設管10内で所望の厚さの管状ライニング材が構成されるので、大きな厚さの管状ライニング材の設置に対応する製造作業であっても、工場における管状ライニング材の製造は薄い管状ライニング材を必要な個数だけ、サイズ調整をして形成すれば足りる。また、1個だけで必要な厚さの管状ライニング材を形成する場合、その大きな厚さ故に製造過程における気泡の除去作業はより困難性を伴うが、1個を薄くすることでいわゆる脱泡作業も容易なものとなる。また、この様な厚さの薄い管状ライニング材であれば、気泡を含ませないで含浸作業を容易に行うことが可能であることから、現場のマンホール100近傍の地上エリアで樹脂の含浸作業を行うことも可能となる。これにより、含浸から施工までの時間の短縮が図られ、熱硬化型の場合に含浸後における大気温による樹脂の硬化の進行をより少なく抑えることができる。
図3は、上記実施の形態に係る工法によって、導入された管状ライニング材12,14の硬化作業が示されている。ここで、管状ライニング材12及び14に含浸させる樹脂は、同じ重合開始剤を用いて、同じ硬化性としても良いが、それぞれ互いに異なる重合開始剤の使用などにより、硬化条件の異なる樹脂としても良い。これにより、後述するように、厚さの大きな管状ライニング材の硬化作業をより、的確且つ迅速に行うことが可能となる。また、本実施の形態によれば2つの管状ライニング材12,14は別個に工場にて製造されるので、含浸させる樹脂の性質を変えることは極めて簡単に行うことができる。そして、1つの管状ライニング材として一体化する作業は、既設管10内にて行われる。
本実施の形態では、例えば、外側の管状ライニング材12を熱硬化に適する性質を有する熱硬化型の樹脂を含浸させて形成している。そして、内側の管状ライニング材14を光照射(例えば、主として紫外線であるが、波長が320nm〜450nm程度の可視光領域の光も含む光照射)による硬化に適する光硬化型の樹脂を含浸させて形成している。これにより、図示された紫外線ランプ16を連結して形成したライトトレイン18による硬化が可能となっている。ライトトレイン18は、矢印200方向に所定のスピードで牽引されて移動している。この紫外線照射により、光硬化型の管状ライニング材14の硬化が行われる。光硬化の長所である迅速な硬化が進行する。
そして、熱硬化型の外側の管状ライニング材12は、管状ライニング材14が光照射によって硬化される際に生じている熱により(例えば、80℃〜150℃で)、同時に硬化する。そして、熱硬化が開始されるとそれにより生じる熱によって、更に円滑に熱硬化が進行する。
更に、外側の管状ライニング材12を熱硬化に適する樹脂を含浸させるのではなく、熱及び光の双方による硬化に適する樹脂を含浸させることも可能である。これにより、ライトトレイン18による照射光が浸透する範囲において光硬化の作用も確保することができる。この様に、層毎に硬化条件を変化させることにより効率的に且つ迅速に管状ライニング材の硬化を行うことができる。
なお、図示のように、管状ライニング材14の既設管10への導入は、マンホール100の外方に設置した2つのローラ400間を通して行われており、マンホール100の近傍の地上に設置された図示しない管状ライニング材14の送り機構から順次送り出され、マンホール100を通って下水道本管10に反転挿入されている。なお、図示のように、下水道本管10の入り口開口部から、上記ローラ400、更に図示していない管状ライニング材14の送り機構までは、エルボー形状部を有する覆い管500によって密閉カバーされており、この覆い管500内を通して加圧空気(温風等)600を送ることなどにより管状ライニング材14の挿入が行われている。
この挿入は、いわゆる反転挿入であり、管状ライニング材14は表裏逆になりながら挿入されて行く。その際、管状ライニング材14には内側に上述した加圧空気600が送り込まれ、その圧力により反転挿入が進行していく。この反転用の加圧空気の気圧は、例えば、0.03〜0.07Mpa程度である。この加圧空気の送り込みのため、下水道本管10のマンホール100側の開口部には、密閉手段20が設置されており、上記管状ライニング材14の導入は、覆い管500内を通して行われている。
次に、図4は、他の実施の形態を示しており、図示のように、最初に挿入された管状ライニング材12と既設管10との間には、少なくとも伸縮性、柔軟性を有する管状不透水膜22が既設管10の内側面と管状ライニング材12の外側面にほぼ密着した状態で設置されている。この管状不透水膜22の設置は、挿入前の管状ライニング材12の外表面に管状不透水膜22を密着装着しておき、その状態のままマンホール102側から牽引により、既設管10に引き込み挿入することが可能である。また、挿入前の管状ライニング材12の内側面を覆うように密着して管状不透水膜22を装着しておき、この状態の挿入前管状ライニング材12を反転させつつ既設管10内に挿入することも可能であり、その結果として既設管10と挿入された管状ライニング材12との間に管状不透水膜を22を設置することができる。なお、管状不透水膜22の厚さは、例えば、1mm〜2mm程度であり、材質は、例えば、ポリエステルなどのような材料から形成することができ、ナイロン繊維、ビニロン繊維、綿などで織ったジャケット(外皮層)を付加して補強することも好適である。
この管状不透水膜22の設置により、例えば、管状ライニング材12を熱硬化型の樹脂含浸で形成している場合、硬化作業において、管状不透水膜22が熱を遮断することから熱硬化作用の効率を高めることができる。また、完成後においては、管状不透水膜22の伸縮性、柔軟性により、地震などの地変により、既設管10や硬化した管状ライニング材に変形や亀裂や段差や隙間が生じた場合でもこれに追随し、カバーすることができ、修理が行われるまでの応急的な密閉性を確保することができる。なお、本実施の形態では、管状不透水膜22は、管状ライニング材12が硬化した後、この管状ライニング材12に対して接着性を有する材質で形成されており、通常状態では一体化した管状ライニング材を構成している。
次に、図5は、他の実施の形態を示しており、図示のように、最初に挿入された管状ライニング材12とその内側に挿入される第2層目の管状ライニング材14との間に、少なくとも伸縮性、柔軟性を有し、各管状ライニング材12,14の硬化後において、これら管状ライニング材12または14の何れか一方に対して非接着性を有する管状中間膜24(例えば、反転挿入される管状ライニング材14に対してのみ付着性を有するもの)が配置され、管状ライニング材12と第2層目の管状ライニング材14にほぼ密着した状態で設置されている。管状中間層24の材質や性能は上記管状不透水膜22と同様のものを用いることができる。
これにより、内外層の2つの管状ライニング材12,14は、管状中間膜24の存在により、その硬化後においては、それぞれ非接着状態、非接触状態の独立した硬化状態が保たれている。すなわち、管状ライニング材12,14相互は、互いに位置ずれを許容しうる状態にあり、上述の地震等の地変が発生による既設管10に変形等に起因した撓み等に対する非破壊性が向上する。したがって、既設管10の変形等に対する管状ライニング材12,14の追従性も向上している。例えば、既設管10の変形により、管状ライニング材12,14に曲がりが生じたような場合、独立して硬化した状態にある内側と外側の管状ライニング材12,14の相対的な位置ずれが許容され、既設管10の変形に追従することができる。
また、上述のように、管状中間膜24は、管状不透水膜22の奏する作用も同様に奏することができ、既設管10や内側、外側の管状ライニング材12,14に段差や変形が生じたような緊急時において、その伸縮性や柔軟性により既設管10の密閉性の維持を図ることができる。
また、管状中間膜24の設置は、図示のように、予め管状中間膜24を既設管10への挿入前の第2層目の管状ライニング材14内にその内側面を覆うように密着させて装着しておき、その状態でこの管状ライニング材14を、最初に挿入されている管状ライニング材12内に反転挿入させることによって簡単に行うことができる。
図6は、他の実施の形態を示しており、図示のように、図4に示した構成と図5に示した構成を併せ持つことを特徴としている。すなわち、既設管10と最外層の管状ライニング材12との間には管状不透水膜22が設置され、最外層の管状ライニング材12とその内側の第2層目の管状ライニング材14との間には、上述した非接着性等の性質を有する管状中間膜24が設置されている。これにより、上述した管状不透水膜22や管状中間膜24による種々の作用を全て奏することができ、管状ライニング材の設置による既設管補修の信頼性が向上する。
この構成による管状ライニング材の設置は、まず、外表面に管状不透水膜22を密着して装着した管状ライニング材12をそのまま既設管10内に引き込み動作するか、内側に管状不透水膜22を密着装着しておき、これを既設管10内に反転挿入して管状ライニング材12の設置を行い、次に、内側面に管状中間膜24を密着装着した管状ライニング材14を管状ライニング材12内に反転挿入することなどにより簡単に行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施の形態では、管状ライニング材を2層とした例のみを示したが、3層以上の構成とすることも可能であり、それぞれ硬化の条件を変更しても良い。例えば、内側の1層を光硬化性の層とし、外側の2層を熱硬化性の層とし、更に、外側の2層の硬化温度条件を変えることによって、迅速且つ低価格で的確な管状ライニング材の設置が可能となる。
実施の形態に係る既設管補修工法が実際に適用される状態を示す下水道システムの全体説明図である。 図1の実施の形態に係る既設管補修工法によって導入される更生管の構成説明図である。 導入された管状ライニング材の硬化作業の一例を示す説明図である。 他の実施の形態に係る既設管補修工法によって導入される更生管の構成説明図である。 他の実施の形態に係る既設管補修工法によって導入される更生管の構成説明図である。 他の実施の形態に係る既設管補修工法によって導入される更生管の構成説明図である。
符号の説明
10 下水道本管
12 最初に導入された(最外層の)管状ライニング材
14 2番目に導入された管状ライニング材
16 紫外線ランプ
18 ライトトレイン
20 密閉手段
22 管状不透水膜
24 管状中間膜

Claims (7)

  1. 管状に形成されたライニング芯材に予め未硬化樹脂を含浸させてなる管状ライニング材が、補修対象の既設管内に導入された状態で硬化され前記既設管の補修が行われる既設管補修工法において、
    前記管状ライニング材の導入は、複数の前記管状ライニング材をそれぞれ個別に前記既設管内に挿入し、最初に挿入される管状ライニング材を最も外側にし、以降順に内側に挿入して行うことを特徴とする既設管補修工法。
  2. 前記複数の管状ライニング材の各管状ライニング材は、それぞれ隣り合う管状ライニング材とは硬化条件が異なることを特徴とする請求項1に記載の既設管補修工法。
  3. 前記複数の管状ライニング材は、2つの管状ライニング材からなり、最初に挿入される管状ライニング材は熱による硬化に適する管状ライニング材又は熱及び光の双方による硬化に適する管状ライニング材であり、その内側に挿入される管状ライニング材は光による硬化に適する管状ライニング材又は熱及び光の双方による硬化に適する管状ライニング材であることを特徴とする請求項2に記載の既設管補修工法。
  4. 前記導入される複数の管状ライニング材の最初に挿入された最外側の管状ライニング材以降に導入される管状ライニング材は、反転挿入動作により導入されることを特徴とする1から3の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  5. 前記最初に挿入された管状ライニング材と前記既設管との間には、伸縮性、可撓性を有する管状不透水膜が、前記既設管と前記管状ライニング材にほぼ密着した状態で設置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  6. 前記最初に挿入された管状ライニング材とその内側に挿入される第2層目の管状ライニング材との間には、少なくとも伸縮性、柔軟性を有し、前記各管状ライニング材の硬化後において該各管状ライニング材に対して非接着性を有する管状中間膜が、前記最初に挿入された管状ライニング材と前記第2層目の管状ライニング材にほぼ密着した状態で設置されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の既設管補修工法。
  7. 前記最初に挿入された管状ライニング材と前記第2層目の管状ライニング材との間の前記管状中間膜の設置は、
    前記管状中間膜を前記既設管挿入前の前記第2層目の管状ライニング材を覆うようにその外側面に密着させて装着しておき、その状態で該第2層目の管状ライニング材を前記最初に挿入された管状ライニング材内に反転挿入させることによって行われることを特徴とする請求項6に記載の既設管補修工法。
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