JP2014172375A - 複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システム - Google Patents

複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】生産性を向上させることができる複合容器の製造方法及び複合容器の製造システムを提供する。
【解決手段】硬化炉20で容器中間体1aを加熱する際、硬化炉温度を所定の硬化温度に設定する一方、過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる。これによって、容器中間体1aの容器温度を速やかに上げることができると共に、過昇温現象によって温度が上昇しているときは硬化炉温度を低くしておくことで、安全性を確保することができる。また、過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度T3に設定することによって、過昇温現象による容器中間体へのダメージのおそれが無くなった後に、速やかに熱硬化樹脂を硬化させることができる。その結果、生産性を向上させることができ、製造コストを低下させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システムに関する。
従来、例えば特許文献1に記載されているように、強化層を備えた複合容器を製造する製造方法が知られている。このような製造方法では、熱硬化性樹脂が含浸された繊維束をライナに巻き付けて容器中間体を形成し、この容器中間体を硬化炉で加熱して繊維束の熱硬化性樹脂を硬化させている。
特開2008−304038号公報
ところで、上述したような従来技術においては、硬化炉で容器中間体を加熱する際、熱硬化性樹脂が自己発熱し、容器中間体の温度が一時的に急上昇する過昇温現象が生じることが見出される。そのため、硬化炉温度を最終硬化温度として加熱する前に、最終硬化温度よりも低い中間硬化温度で硬化炉温度を所定時間保持する工程を設け、この工程の間に過昇温現象を生じさせることによって当該過昇温現象のピークを抑制する場合が考えられる。
この場合、どのタイミングでどのように過昇温現象が生じるかを予め把握するのは容易でないことから、通常、硬化炉温度を中間硬化温度で保持する保持時間(以下、単に「保持時間」という)として、安全を期すために比較的長い時間が設定される。そのため、生産性が低下するおそれがあり、ひいては、製造コストが悪化してしまうおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させることができる複合容器の製造方法及び複合容器の製造システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る複合容器の製造方法は、強化層を備えた複合容器を製造する製造方法であって、熱硬化性樹脂が含浸された繊維束がライナの外面側に巻き付けられて形成された容器中間体を硬化炉で加熱することにより、繊維束の熱硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を含み、硬化工程は、硬化炉の硬化炉温度を所定の硬化温度に設定して保持する第1工程と、容器中間体で生じた過昇温現象の開始を、容器中間体の温度に基づいて検出する第2工程と、第2工程にて過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる第3工程と、過昇温現象による温度上昇の終了を、容器中間体の温度に基づいて検出する第4工程と、第4工程にて過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度に設定する第5工程と、を含んでいる。
また、本発明に係る複合容器の製造システムは、強化層を備えた複合容器を製造する製造システムであって、熱硬化性樹脂が含浸された繊維束がライナの外面側に巻き付けられて形成された容器中間体を加熱し、繊維束の熱硬化性樹脂を硬化させる硬化炉と、容器中間体の温度を検出する検出部と、硬化炉の硬化炉温度を制御するためのコントローラと、を備え、コントローラは、硬化炉の硬化炉温度を所定の硬化温度に設定して保持する第1処理と、容器中間体で生じた過昇温現象の開始を、容器中間体の温度に基づいて検出する第2処理と、第2処理にて過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる第3処理と、過昇温現象による温度上昇の終了を、容器中間体の温度に基づいて検出する第4処理と、第4処理にて過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度に設定する第5処理と、を実行する。
これら本発明では、硬化炉で容器中間体を加熱する際、硬化炉温度を所定の硬化温度に設定する一方、過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる。これによって、所定の硬化温度として高い温度を設定しておくことにより、容器中間体の容器温度を速やかに上げることができると共に、過昇温現象によって温度が上昇しているときは硬化炉温度を低くしておくことで、安全性を確保することができる。また、過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度に設定することによって、過昇温現象による容器中間体へのダメージのおそれが無くなった後に、速やかに熱硬化樹脂を硬化させることができる。その結果、生産性を向上させることができ、製造コストを低下させることが可能となる。
また、第3工程では、硬化炉での加熱を停止してもよい。これによって、過昇温現象による容器中間体へのダメージを確実に回避することができる。
また、第1工程では、所定の硬化温度として、最終硬化温度を設定してよい。これによって、速やかに容器中間体の温度を上げることができる。
また、第2工程では、容器中間体の温度上昇率の変化割合が1よりも大きくなったとき、過昇温現象の開始を検出してもよい。この場合、過昇温現象の開始を好適に検出することが可能となる。
本発明によれば、生産性を向上させることができる複合容器の製造方法及び複合容器の製造システムを提供することが可能となる。
一実施形態に係る複合容器を示す一部断面図である。 一実施形態に係る複合容器の製造システムを示す概略構成図である。 一実施形態に係る硬化工程を示すフローチャートである。 一実施形態に係る硬化炉の温度状況の例を示すグラフである。 容器中間体の温度上昇率と加熱時間との関係を示すグラフである。 従来の硬化炉の温度状況の例を示すグラフである。 従来の硬化炉の温度状況の例を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る製造方法及び製造システムにより製造される複合容器を示す一部断面図である。図1に示すように、複合容器1は、例えば水素や天然ガス等の燃料ガスを高圧で貯蔵するための容器である。この複合容器1は、例えば、全長が2〜4m、直径が40〜60mm程度に設定され、使用時には、20〜90MPa程度の圧力に耐えることが可能とされている。複合容器1は、その用途が限定されるものではなく、種々の用途で用いることができる。また、複合容器1は、据置き型として用いられてもよく、移動体に搭載されて用いられてもよい。
この複合容器1は、円筒状のライナ2と、ライナ2の外面側を覆うように設けられた強化層3と、を備えている。ライナ2の両端部2aはドーム状に形成されており、当該両端部2aの先端には、口金4が取り付けられている。
ライナ2の材料は特に限定されるものではないが、用途によっては、樹脂製又は金属製が選択される。樹脂製のライナ2としては、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形やブロー成形にて容器形状に賦形したものに、金属製の口金4を付けたものが挙げられる。金属製のライナ2としては、例えば、アルミニウム合金製や鋼鉄製等からなるパイプ形状や板形状をスピニング加工等にて容器形状に形成したものに、口金4の形状を形成したものが挙げられる。
強化層3は、ライナ2の外面側(外周面側)に熱硬化性樹脂が含浸された繊維束10を巻き付け、当該繊維束10を硬化炉で加熱し硬化させることによって形成される。熱硬化性樹脂の種類としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂又はアリル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、繊維束10としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、ポリエチレン繊維、スチール繊維、ザイロン繊維又はビニロン繊維等を用いることができ、ここでは、高強度で高弾性率且つ軽量な炭素繊維を用いている。また、本実施形態の繊維束10の繊維数(フィラメント)は、特に制限されるものではないが、1000〜50000フィラメント、好ましくは3000〜30000フィラメントの範囲とされ、ここでは、24000フィラメントとされている。
以上のように構成された複合容器1を製造する場合、まず、ライナ2の外面側に繊維束10を巻き付けることにより、ライナ2の外面側に複数層の繊維束層(繊維強化プラスチック層)を形成し、これにより、容器中間体を得る(巻付け工程)。形成する複数の繊維束層には、ライナ2に対して繊維束10を周方向に巻き付けてなるフープ層と、ライナ2に対して繊維束10を傾斜させた状態で周方向に取り囲むように巻き付けてなるヘリカル層と、が含まれている。
なお、容器中間体とは、製造過程における複合容器1を意図しており、ここでは、繊維束10の熱硬化性樹脂が熱硬化する前の状態のものを意図している(以下、同じ)。また、巻付け工程における巻付け方法は特に限定されないが、例えば、FW(フィラメントワインディング)法を採用することができる。FW法としては、予め熱硬化性樹脂が含浸された繊維束(トウプリプレグ)を用意し、これをライナ2に巻き付けて成形する方法(いわゆるDry法)や、繊維束を熱硬化性樹脂に含浸させながら供給し、これをライナ2に巻き付けて成形する方法(いわゆるWet法)が挙げられる。
そして、上記巻付け工程の後、容器中間体を硬化炉で加熱することにより繊維束10の熱硬化性樹脂を硬化させる(硬化工程)。ここで、図2〜5を参照して、本実施形態の硬化工程を詳説する。
図2は、本実施形態に係る製造システムを示す概略構成図である。図2に示すように、本実施形態の製造システム100は、上記複合容器1を製造するものであって、硬化工程で用いられる。この製造システム100は、硬化炉20と、容器温度検出部(検出部)30と、コントローラ40と、を少なくとも備えている。
硬化炉20は、繊維束10がライナ2(図1参照)の外面側に巻き付けられて形成された容器中間体1aを収容して加熱し、繊維束10の熱硬化性樹脂を硬化させる。この硬化炉20の内部には、硬化炉20の熱源としてのヒータ21と、硬化炉温度(炉内温度)を検出する硬化炉温度センサ22と、が設けられている。ヒータ21は、コントローラ40に接続されており、これにより、ヒータ21の動作がコントローラ40で制御されて硬化炉温度が制御される。硬化炉温度センサ22は、コントローラ40に接続されており、検出した硬化炉温度をコントローラ40へ出力する。
容器温度検出部30は、容器中間体1aの温度(以下、「容器温度」という)を検出するものであり、硬化炉20に取り付けられている。ここでの容器温度検出部30は、例えばサーモグラフィや放射温度等の非接触温度計測器が用いられ、容器中間体1aの表面温度を容器温度として検出する。一例として、容器温度検出部30は、非接触の赤外線温度計が用いられており、例えば硬化炉20に設けられた覗き窓から容器中間体1aの表面温度を測定する。容器温度検出部30は、コントローラ40に接続されており、検出した容器温度をコントローラ40へ出力する。なお、ヒータ21は強化層3を完全に覆っておらず、ヒータ21の個数は一つであってもよく、複数であってもよい。また、ヒータ21が複数の場合は分割されてヒータ21間に間隔が設けられていてよく、複数のヒータ21の大きさ及び形状が不均一であってもよい。容器温度検出部30は、ヒータ21から容器中間体1aを覗いた時に、容器中間体1aがヒータ21に遮られない場所から測定する。
コントローラ40は、硬化炉20の硬化炉温度を制御するためのものであり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含むコンピュータで構成されている。このコントローラ40は、容器温度検出部30及び硬化炉温度センサ22からの出力に基づいて、硬化炉温度を設定すると共に当該設定した硬化炉温度となるようにヒータ21の動作を制御する。
ここで、硬化炉20で容器中間体1aを加熱する際には、繊維束10における熱硬化性樹脂の熱硬化反応が発熱反応であることから、熱硬化性樹脂が自己発熱し、その温度が硬化炉温度以上に一時的に急上昇するという過昇温現象の発生が見出される。そこで、本実施形態のコントローラ40は、硬化炉20の硬化炉温度を所定の硬化温度に設定して保持する第1処理と、容器中間体1aで生じた過昇温現象の開始を、容器中間体1aの温度に基づいて検出する第2処理と、第2処理にて過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる第3処理と、過昇温現象による温度上昇の終了を、容器中間体1aの温度に基づいて検出する第4処理と、第4処理にて過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度に設定する第5処理と、を実行する(詳しくは後述)。
図3は本実施形態に係る硬化工程を示すフローチャート、図4は本実施形態に係る硬化炉の温度状況の例を示すグラフ、図5は容器中間体の温度上昇率と加熱時間との関係を示すグラフである。図3及び図4に示すように、製造システム100による複合容器1の製造方法では、高い温度である所定の硬化温度(本実施形態では、最終硬化温度T3)に硬化炉温度を設定し、過昇温現象が発生している途中では硬化炉20の温度を低くし、その後、容器中間体1aを最終硬化させるための最終硬化温度T3に硬化炉温度を設定する。
具体的には、まず、硬化炉温度が所定の硬化温度に設定され保持される(S1,S2)。本実施形態では、最終硬化温度T3が所定の硬化温度として設定される。これにより、容器温度が立ち上がった後に最終硬化温度T3となるように保持され、その結果、容器中間体1aの硬化が進む。
この所定の硬化温度は、最終硬化温度T3に設定されなくともよく、最終硬化温度T3以上でもよく、最終硬化温度T3以下でもよく、どのような温度に設定されてもよい。ただし、製造効率を向上させる観点から、所定の硬化温度は、最高中間硬化温度T2以上に設定することが好ましい。最高中間硬化温度T2は、その温度で保持して硬化させた場合に生じた過昇温現象のピークTmaxが許容最高温度T4に達すると推定される温度である。また、許容最高温度T4は、容器中間体1aについて容器性能に悪影響が及ばない温度範囲の最高温度であって、容器中間体1aの材料の耐熱性等に応じて定まる温度である。なお、所定の硬化温度の上限は、特に限定されないが、所定の硬化温度は許容最高温度T4以下の温度に設定されてよい。ただし加熱開始直後の段階では、容器中間体1aの容器温度は直ちに許容最高温度T4を超えることはないため、所定の硬化温度を許容最高温度T4より高い温度に設定してもよい。
そして、硬化炉温度が所定の硬化温度(ここでは、最終硬化温度T3)に保持されているとき、下式(1)の判定式に示すように、容器温度の昇温速度である温度上昇率Wについて変化割合が1よりも大きいか否かが判定される(S3)。これによって、容器中間体1aで生じた過昇温現象の開始を検出することができる。温度上昇率Wは、N回目の測定時tの容器温度Tと、N−1回目の測定時tN−1の容器温度TN−1と、から求めることができる(下式(2)参照)。例えば、図4に示すグラフにおいては、容器温度のグラフの傾きが大きくなるタイミング、図5に示すグラフにおいては、所定の硬化温度で加熱されることで温度上昇率Wが一定になっている状態から過昇温現象が開始することで温度上昇率Wが増加するタイミングにて、S3の判定がYesとなる。

/WN−1>1 …(1)
=(T−TN−1)/(t−tN−1) …(2)
N:任意の整数。
図3及び図4に戻り、上記S3でNoの場合、硬化炉温度が所定の硬化温度(最終硬化温度T3)に引き続き保持される一方、上記S3でYesの場合、硬化炉温度を低下させる(S4)。硬化炉温度を低下させる方法は特に限定されないが、硬化炉20のヒータ21をOFFとして硬化炉20での加熱自体を停止してもよく、硬化炉温度を少なくとも所定の硬化温度より低い待機温度に設定してもよい。待機温度は、最高中間硬化温度T2未満の温度に設定される。また、待機温度は、繊維束10の熱硬化性樹脂が硬化可能な最低温度である最低中間硬化温度T0以下であってもよい。なお、S4の処理は、S3でYesと判定された直後に実行されてよく、所定の時間が経過した後に実行されてもよく、所定の遅れ(猶予)が存在してよい。
S4の処理の後、下式(3)の判定式に示すように、容器中間体1aの温度が低下したか否かが判定される(S5)。これによって、容器中間体1aで生じた過昇温現象による温度上昇の終了を検出することができる。図4に示すグラフにおいては、容器温度のグラフの曲線部分の極大値(過昇温現象のピークTmax)を過ぎたタイミング(図4のP1からP2になったタイミング)にて、S5の判定がYesとなる。

≦TN−1 …(3)
上記S5でNoの場合、上記S4にて再び硬化炉20のヒータ21がOFFとされた状態、または待機温度に設定された状態が維持される。一方、上記S5でYesの場合、過昇温現象による温度上昇の終了が検出され、硬化炉温度が最終硬化温度T3に設定されると共に、当該最終硬化温度T3に保持される(S6,S7)。その結果、過昇温現象のピークTmaxから降下した容器温度が直ちに再上昇し、最終硬化温度T3に至ることとなる。S7の処理の後、容器温度が最終硬化温度T3に至っているか否かが判定される(S8)。S8でNoの場合、S7にて硬化炉温度が最終硬化温度T3にて保持された状態が維持される。なお、最終硬化温度T3は、許容最高温度T4未満の温度であって最終硬化が可能な温度であればどのような温度に設定してもよい。なお、S6の処理は、S5でYesと判定された直後に実行されてよく、所定の時間が経過した後に実行されてもよく、所定の遅れ(猶予)が存在してよい。
S8でYesの場合、硬化炉温度が最終硬化温度T3の状態で所定時間待機された後、硬化炉20が停止され、硬化炉温度が一定の温度降下率で降下され、これに伴って、容器温度が一定の温度降下率で降下され、これにより、熱硬化性樹脂の硬化が終了する(S9)。
次に、本実施形態の作用・効果について説明する。
例えば、図6に示すように、硬化炉温度を終始、最終硬化温度T3に設定して硬化をおこなった場合、過昇温現象による温度上昇の影響を受けることにより、容器温度が許容最高温度T4を超えてしまい、容器中間体1aについて容器性能に悪影響が及ぶ場合がある。ここで、容器温度が許容最高温度T4を超えないようにするために、硬化炉温度を中間硬化温度T1(最低中間硬化温度T0以上である)で保持しておき、時間が経過して過昇温現象が終了したら最終硬化温度まで昇温する方法が従来知られている。硬化炉温度を中間硬化温度T1で保持する保持時間は、容器サイズや熱硬化性樹脂の種別によって過昇温現象が異なることから、経験則や硬化条件設定試験の実施等により定められ、その探索に時間が要される。また、従来、保持時間としては、図7に示すように、安全を期すために比較的長い時間が設定され、結果的には、過昇温現象が終わった後にも保持時間が未だ続く場合がある。
これに対し、本実施形態では、容器温度をモニタリングしながら硬化工程を実施しており、硬化炉20で容器中間体1aを加熱する際、硬化炉温度を所定の硬化温度に設定する一方、過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を低下させる。これによって、所定の硬化温度として高い温度を設定しておくことにより、容器中間体1aの容器温度を速やかに上げることができると共に、過昇温現象によって温度が上昇しているときは硬化炉温度を低くしておくことで、安全性を確保することができる。また、過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、硬化炉温度を最終硬化温度T3に設定することによって、過昇温現象による容器中間体へのダメージのおそれが無くなった後に、速やかに熱硬化樹脂を硬化させることができる。その結果、生産性を向上させることができ、製造コストを低下させることが可能となる。
また、S4において硬化炉温度を低くする際は、硬化炉20での加熱を停止してもよい。これによって、過昇温現象による容器中間体1aへのダメージを確実に回避することができる。特に、S1での所定の硬化温度として最終硬化温度T3を設定すると共に、S4において硬化炉20のヒータ21を停止する制御を行う場合、ヒータ21をON・OFFするだけのシンプルな制御にて、生産性を向上できる。
また、S1では、所定の硬化温度として、最終硬化温度T3を設定してよい。これによって、速やかに容器中間体1aの温度を上げることができる。
また、S3では、容器中間体の温度上昇率の変化割合が1よりも大きくなったとき、過昇温現象の開始を検出してもよい。この場合、過昇温現象の開始を好適に検出することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、容器温度の温度上昇率Wの変化割合が1よりも大きくなることを判定することによって過昇温現象の開始を検出し、容器温度の低下を判定することによって過昇温現象による温度上昇の終了を検出したが、検出手法は限定されず、種々の手法により各検出を行ってよい。以上において、上記S1,S2が第1工程に対応し、S3が第2工程に対応し、S4が第3工程に対応し、S5が第4工程に対応し、S6が第5工程に対応する。
1…複合容器、1a…容器中間体、2…ライナ、3…強化層、10…繊維束、20…硬化炉、30…容器温度検出部(検出部)、40…コントローラ、100…製造システム。

Claims (5)

  1. 強化層を備えた複合容器を製造する製造方法であって、
    熱硬化性樹脂が含浸された繊維束がライナの外面側に巻き付けられて形成された容器中間体を硬化炉で加熱することにより、前記繊維束の熱硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を含み、
    前記硬化工程は、
    前記硬化炉の硬化炉温度を所定の硬化温度に設定して保持する第1工程と、
    前記容器中間体で生じた過昇温現象の開始を、前記容器中間体の温度に基づいて検出する第2工程と、
    前記第2工程にて前記過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、前記硬化炉温度を低下させる第3工程と、
    前記過昇温現象による温度上昇の終了を、前記容器中間体の温度に基づいて検出する第4工程と、
    前記第4工程にて前記過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、前記硬化炉温度を最終硬化温度に設定する第5工程と、を含む、複合容器の製造方法。
  2. 前記第3工程では、前記硬化炉での加熱を停止する、請求項1記載の複合容器の製造方法。
  3. 前記第1工程では、前記所定の硬化温度として、前記最終硬化温度を設定する、請求項1又は2記載の複合容器の製造方法。
  4. 前記第2工程では、前記容器中間体の温度上昇率の変化割合が1よりも大きくなったとき、過昇温現象の開始を検出する、請求項1〜3の何れか一項記載の複合容器の製造方法。
  5. 強化層を備えた複合容器を製造する製造システムであって、
    熱硬化性樹脂が含浸された繊維束がライナの外面側に巻き付けられて形成された容器中間体を加熱し、前記繊維束の熱硬化性樹脂を硬化させる硬化炉と、
    前記容器中間体の温度を検出する検出部と、
    前記硬化炉の硬化炉温度を制御するためのコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記硬化炉の硬化炉温度を所定の硬化温度に設定して保持する第1処理と、
    前記容器中間体で生じた過昇温現象の開始を、前記容器中間体の温度に基づいて検出する第2処理と、
    前記第2処理にて前記過昇温現象の開始を検出したタイミングに基づいて、前記硬化炉温度を低下させる第3処理と、
    前記過昇温現象による温度上昇の終了を、前記容器中間体の温度に基づいて検出する第4処理と、
    前記第4処理にて前記過昇温現象による温度上昇の終了を検出したタイミングに基づいて、前記硬化炉温度を最終硬化温度に設定する第5処理と、を実行する、複合容器の製造システム。
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