JP5684427B1 - 既設配管のライニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既設配管の内面をライニングする方法において、気温の低い寒冷時や寒冷場所でも、エネルギー効率よくライニングを行う方法の提供。【解決手段】 発光効率のよい紫外線発光ダイオード3の集合体3aをライニング材2の内部に移動して紫外線光を照射する第1工程と、次いで、発熱量の高い補助加熱体4をライニング材内を移動して、ライニンング材を昇温してそれを硬化させる第2工程とを具備する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光硬化性樹脂を含浸させたライニング材を利用し、既設配管の内面をライニングする方法に関する。
従来から、既設配管のライニング方法として、未硬化状態の光硬化性樹脂を含浸させた管状ライニング材を既設配管の内面に導入し、加圧気体によりその外周を配管に密着させた状態で、ライニング材の内面から光照射装置による光照射を行って、ライニング材を硬化することが行われている。
光硬化ライニング法で使用されるライニング材は、一般的に、ガラス繊維の編込み物に光硬化性の樹脂(例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等)を含浸させたものが使用される。
ここで、光硬化性樹脂は、一般に、紫外線照射によるラジカル重合反応で硬化する。その際、重合反応は簡単には起こらないため、通常、光反応開始剤を添加し、これにより反応を起こす。
光重合開始剤は、光を吸収して活性化し、開裂反応、水素引き抜き、電子移動などの反応を起こす。この反応によりラジカル分子、水素イオンなど反応を開始する物質(活性開始物質)が生成する。
生成した活性開始物質が、樹脂の分子鎖を攻撃して、3次元的な重合や架橋反応を起こす。この反応により一定以上の大きさの分子になると、光照射した部分が液体状態から固体状態に変化し、硬化するものである。
比較的直径の大きな本管のライニングを行う場合には、光照射装置として1000W程度の紫外線ランプを複数直列に接続して、その光を照射することによりライニング材の樹脂を硬化する方法が行われていた。
また、枝管の如く、配管の直径が小さい場合には、150W程度の紫外線LEDを複数列直列に接続してライニング材の光硬化を行っていた。
これらの光照射装置には放射方向に車輪が設けられており、ライニング材の内部の中心軸にランプ本体が保持されて移動できるようになっている(紫外線LEDの連結体も同様に車輪が設けられる)。
この場合、紫外線ランプは配管の上流側から下流側に移動速度15〜20cm/minで移動していた。その照射光の波長は365〜400nmであり、その多く照射される光の波長は365nmである。そして、その光の波長に適合するように光硬化性樹脂の光反応開始材を調整する必要があった。
それとは別に、紫外線ランプに変えて紫外線LEDの集合体を複数連結し、それを光硬化性樹脂の内部に導入する場合も存在した。この場合の紫外線LEDの光の波長は、385nmのものを使用し、その波長に合わせて光硬化性樹脂の材料の光反応開始材を調整する必要があった。
従って、紫外線ランプを使用する場合の光反応開始材と、紫外線LEDを使用する場合のライニング樹脂の光反応開始材とは異なったものであった。
次に、下記特許文献1に「光硬化性ライニング材の光硬化方法及び該方法に用いる光硬化システム」が提案されていた。これは先ず、発熱体として赤外線ランプを用いて、管状ライニング材を予め昇温させるライニング材予備工程を設け、環状ライニング材の表面を昇温させる。その後に紫外線LEDによる光照射を行って、光硬化をさせるものである。
特許第4964015号公報
一般的な光硬化性樹脂として、紫外光照射により硬化反応を開始し、硬化するものが使用される。光硬化性樹脂の硬化反応に最適な温度条件は、120℃〜140℃であり、ライニング材表面がこの温度に達しないで処理された場合、処理後のライニング材の硬度、曲げ強度等の耐久性が損なわれるおそれがある。
紫外線ランプを複数連結しライニング材を硬化させる場合、その光発光量は消費電力の20%程度であり、残りの80%程度は発熱に使われた(表1参照)。その発熱温度は200℃〜300℃である。そして、ライニング材の内部での、紫外線ランプの移動速度は15〜20 cm/minである。
この場合、電力消費が極めて大きいと共に、その移動速度、即ち硬化速度が遅い欠点がある。さらには、発熱量が大きいためライニング材が焼けるおそれがあり、温度管理が難しい欠点がある。
次に、紫外線LEDによってライニングする場合には、その発光量が電力の80%を占め発熱量は20%である。そして発熱温度が80〜140℃となり、ライニング材内部の移動速度は40cm/minに増速することができる。また、近年、照射効率のよいLEDが安く生産されるようになってきたため、その個数を増加して、ライニング作業を効率よく行う試みが多くなってきている。
しかしながら、気温が10℃以下になる冬季や、地下水等の冷水が配管内に流入する状態にある場合には、紫外線LEDの発熱温度が80〜140℃であっても、ライニング材に吸収された熱が即座に奪われ、ライニング材表面の温度は90℃程度となる。この場合、硬化反応の最適温度には届かず、紫外線LEDのみで光硬化することが極めて難しい場合があった。
Figure 0005684427
次に、引用文献1の如く、予め赤外線ランプによってライニング材を加熱し、次いでLEDの光照射によりライニング材を硬化させる方法は、条件により、実効性がないことが明らかとなった。即ち、本発明者の実験によれば、予め赤外線ランプでライニング材を昇温しても、寒冷期や、冷水が既設配管に浸入する配管においては、その加温されたライニング材からすぐに既設配管側へと伝熱され、ライニング材の有効な硬化温度まで昇温できず、LED光照射をしてもライニング材に十分な硬度を与えることができないことがわかった。
なお、特許文献1に記載の発明は、その工程の具体例が存在せず、工法の再現性に疑問の残るものである。例えば、同工法では、初めに予熱工程で昇温させ、光硬化反応が良好となる温度まで昇温させる。と記載するが、光硬化反応が良好となる条件が具体的にどの程度であるか不明確である。
具体的に何度まで赤外線ランプでライニング材を昇温すれば、次の工程のLEDの光照射による硬化が良好となるのか、当業者には到底理解することができないものであった。
そこで本発明は、各種実験の結果、気温が低い条件下においても、安全で迅速に且つ、エネルギー消費量を少ない既設配管のライニング方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、既設配管(1)の内壁に、管状で未硬化の光硬化性ライニング材(2)を導入して、そのライニング材(2)の内側から光を照射し、ライニング材を硬化させる既設配管のライニング方法において、
先端側に位置した紫外線LED (3)の集合体(3a)の後続に、その紫外線LEDに比べて、発熱性の高い補助加熱体(4)を連結し、前記紫外線LED(3)の集合体(3a)および前記補助加熱体(4)を同時に点灯して、それらを前記ライニング材(2)内で移動し、
先ず、先端側に位置した前記紫外線LED(3)の集合体(3a)により、前記ライニング材(2)に紫外線を照射して前記ライニング材の少なくとも表面を90℃以上に維持し、
次いで、その状態で、後端側の前記補助加熱体(4)により前記ライニング材(2)を加熱し、前記ライニング材(2)の少なくとも表面を110℃以上に昇温して、ライニング材を硬化させることとした既設配管のライニング方法である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の既設配管のライニング方法において、
前記補助加熱体(4)が、紫外線ランプ、赤外線ランプ、可視光ランプ、可視光LED、赤外線LEDのいずれか一つまたは、それらの一以上の組み合わせからなる既設配管のライニング方法である。
本発明の既設配管のライニング方法は、先ず、先端側の発光効率の高い、紫外線LEDの集合体を、ライニング材内で移動して、そのライニング材に紫外光を照射してライニング材の少なくとも表面を90℃以上に維持し、
次いで、その状態で、発熱性の高い補助加熱体をライニング材内で移動して、ライニング材の少なくとも表面を110℃以上に昇温し、ライニング材を硬化させるものである。
このように、初めに、発光性の高い紫外線LEDにより光照射することで、その紫外線エネルギーにより、ライニング材の初期反応(活性開始物質の生成反応)を開始させると同時に、発熱性の高い補助加熱体で再加熱してライニング材の硬化反応(活性開始物質による樹脂材とのラジカル重合反応)に適温となる110℃以上に再加熱する(重合反応を効率的に起こすため、活性開始物質の分子鎖に衝突させる機会を増やす)。この工程により、従来よりもライニング材を効率よく硬化することができるものである。
しかも、そのときの補助加熱体での再加熱温度の範囲を比較的狭くでき、全体の消費エネルギーを小さくすることができる。即ち、光効率のよい紫外線LEDの使用電力と、発熱性のよい補助加熱体の使用電力との合計電力を可及的に小さくできる。それと共に、全体の硬化時間を短縮して迅速にライニングすることができる。
また、請求項2に記載の発明の硬化方法は光硬化材料の汎用性が高くなる。
即ち、本方法は、特に補助加熱体として紫外線ランプを使用した場合、紫外線ランプ専用の光硬化材料であっても、紫外線LED専用の光硬化材料であっても、いずれの材料も迅速に硬化して配管のライニングができる。
さらに、寒冷な時期或いは、既設配管に冷水が進入している場合にも、補助加熱体で同時に再加熱するので温度効率がよく、確実にライニング材を硬化させることができる。
本発明の既設配管のライニング方法の説明図。 同方法による硬化実験の説明図。 同方法の第1工程の実験装置の説明図。 同方法の第1工程の実験装置の説明図。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の既設配管のライニング方法の説明図である。
この例は、本管としての既設の配管1が一対のマンホール10、10間に配置され、その配管1の内部を補修のため、ライニングするものである。そこで、配管1内にライニング材2を導入し、その内部に加圧空気を導入してライニング材2を配管1の内壁に密着させる。このライニング材2は、管状で未硬化の光硬化性の樹脂材を含有する。
この光硬化性の樹脂材は、紫外線を含む光を照射することで初期反応(活性開始物質の生成反応)を起こす。ただし、この反応が最もよく進行する温度は120℃〜140℃であり(樹脂材の重合反応の最適温度)、これ以下の温度では、未反応部分が多くなり、ライニング材は十分な硬度が得られない。
次いで、このライニング材2内に、複数の紫外線LED3の集合体3aと、1以上の補助加熱体4としての紫外線ランプ4aを直列に連結したものを挿入する。この例では、配管1の上流側に補助加熱体4を配置し、その下流側に紫外線LED3の集合体3aが連結されている(図1において、左側が上流、右側が下流とする)。そして、それらに案内ケーブル7が連結され、そのケーブル7を図において左から右へ矢印方向に移動させるものである。それらの適宜位置には放射方向に車輪5が設けられており、それにより、紫外線LED3及び補助加熱体4の本体部分がライニング材2の半径方向中心位置に保持させる。
そこで、移動方向の下流側に存在する集合体3aの各紫外線LED3を点灯させると共に、同時に上流側の紫外線ランプ4aを点灯する。そして、それらをライニング材の上流から下流に移動する。先ず、紫外線LED3の照射によりライニング材の内面温度を90℃〜100℃にする(硬化反応の初期段階:活性開始物質の生成反応)。ついで、上流側の紫外線ランプ4aによりライニング材を再加熱し、その内面温度を120℃〜140℃とすることで、ライニング材が硬化する。
このとき、配管1の内直径に応じて、紫外線LED3の集合体3aの数および、補助加熱体4としての紫外線ランプ4aの連結数を選択する。また、集合体3aに含まれる紫外線LED3の数も適宜決定する。
一例として、既設配管が下水本管である場合には、集合体3aに含まれる紫外線LED3の数を500個以上とすることができる。また、紫外線ランプ4aのワット数を一例として1000Wとすることができる。
紫外線LED3の波長は、一例として385nmのものを使用することができる。紫外線ランプ4aの波長は、一例として365nm〜400nmのものを使用することができる。この集合体3aの連結体の移動に伴って、ライニング材2の内面は少なくとも90℃以上に昇温する。
次に、図3及び図4および表2は、本発明のライニング方法の作用・効果を実験的に説明するものである。
(実験1)
図3では、厚さ3mmで、縦横10cmの方形のライニング材2の表面側にガラス板9を配置し、裏面側にステンレス板8を配置する(表2のA方法、C方法、D方法)。ガラス板9及びステンレス板8(厚さ1.0mm)は、ライニング材2と同一の形状とする。そのとき、温度計により、ライニング材2の表面側及び裏面側の温度を測定する。
ガラス板9の10cm上方には、紫外線LED3の集合体3aを配置する。紫外線LED3として、波長385nmのものを24個、その平面上に並列させる。
次に、図4の場合では、図3のステンレス板8に変えて断熱材11(厚さ10.0mm)をライニング材2の裏面側に配置したものである(表2のB方法)。
紫外線の照射後、ライニング材の硬度測定(バーコル硬度計にて硬化反応60分後のものを測定)と色の状態を目視により観測した。
表2に示す実験1は、室温20℃で行った。
なお、A方法、C方法、D方法の実験では、低温条件下の既設配管の代わりとして、ステンレス板8を用いている。B方法の断熱材11を用いた実験の趣旨は、裏面側からの吸熱がなければ、ライニング材の適温温度が得られるかを確認するためのものである。
A方法とD方法の実験では、補助加熱体の代わりとして、3分間140℃〜180℃の温風を吹き付けた。
A方法・B方法・C方法・D方法は、いずれもライニング材2に紫外線LED3を5分間照射した。
Figure 0005684427
実験1の結果を説明する。
先ず、B方法において、紫外線LED3を5分間照射後のライニング材2の表面温度は、120℃〜130℃であった。このとき、ライニング材の裏面側温度は21℃であった。B方法ではライニング材の色が硬化した目安となる薄黄色が確認でき、そのライニング材の硬度は20〜40となり許容できる剛性を得ることができた。
B方法ではライニング材の裏面が断熱材であるため、放射熱が全てライニング材に吸収されたため、ライニング材が高温となり、硬化反応が効率よく進行したものと推測できる。
一方、C方法では、紫外線LED3を5分間照射後のライニング材2の表面温度は100℃であり、この時の裏面側温度は20℃であった。C方法ではライニング材は未硬化(色は透明)であり、その硬度は0であった(バーコル硬度計による硬度計測が不能)。
放射光がステンレス板に熱として吸収されたため、硬化反応が起こり難かったものと考えられる。
次いで、A方法について説明する。
A方法は、C方法と同様にライニング材2を紫外線LED3で5分間照射して表面温度を100℃に加熱し、直後に、ドライヤーで140℃〜180℃のエアーを3分間吹き付けたものである。それによって、ライニング材2の表面温度は、100℃から120℃に上昇した。裏面側温度は21℃である。そして、そのときの硬度は20〜40であり、樹脂材は薄黄色に変色した。
次に、D方法は従来技術として提案された方法であって、特許文献1(特許第4964015号公報)に記載され「光硬化性ライニング材の光硬化方法及び該方法に用いる光硬化システム」の発明である。
このD方法がA方法と異なる点は、紫外線LEDの照射前にライニング材2を加熱した点である。このD方法の簡易的な実験を次の方法で行った。先ず、ライニング材2にガラス板9の上面側からドライヤ(吹き込み温度140℃〜180℃)を3分間吹き込んで加熱し、その直後、紫外線LEDの照射を5分間行ったものである。その結果、ライニング材2の表面温度は最終的に100℃となり、裏面側温度は20℃、その時のライニング材2の硬度は0であり、バーコル硬度計による計測が不能であった。その色は透明である。
実験1(表2)の結果から次のことが明らかとなった。
ライニング材2の裏面側材料がステンレス板の場合、A方法の如く、紫外線LED照射の後に、ライニング材2を加熱した場合、その表面温度を十分高くし、ライニング材2を硬化することができる。
これは、初めに紫外線LEDを照射するにより、多くの活性開始物質の生成反応が起こり、次に、昇温することにより、それらと樹脂材の分子鎖とのラジカル重合反応を促進することができき、効率的に硬化反応を起こしていると考えられる。
しかしながら、D方法の如く、ライニング材2を初めに加熱した場合には、ライニング材2の表面温度は最終的に100℃を超えることはなく、それを光硬化させること(許容範囲の強度を得ること)ができないことが分かった。
A方法とは逆で、活性開始物質の生成反応をせずに昇温しているため、昇温している時点ではラジカル重合反応自体が起こらず、昇温を止めた時点から裏面材に熱を吸収され、反応場の温度が低くなり、その後に紫外線を照射して、活性開始物質の生成反応を起こしても、重合反応は起こり難いと考えられる。
次の実験2、実験3、実験4、実験5は、実験1で得た結果について、ヒューム管でその裏付けを行ったものである。
次に、図1は内径150mmで、長さ5000mmの配管1内にライニング材2を挿入し、補助加熱体4として紫外線ランプ4aと、紫外線LED3の集合体3aとを直列に接続してライニング材2の硬化実験を行った。この時、紫外線LED3の集合体3aの数は4台(一台の集合体3aには、144個のLED)であり、紫外線ランプ4aは150W(一台)をつないで用いた。配管の温度は5℃の低温状態であった。
(実験2)
実験2、3は、図1に示す如く、紫外線LED3の集合体3aの後続に補助加熱体4を接続して行った。
実験2では、集合体3aの紫外線LED3のみを点灯し、それをライニング材2の上流側である左端から右端方向に矢印方向へ移動させた。このときの移動速度は、40cm/minである。この時、配管1の温度は5℃の低温状態にあった。
紫外線LED3の集合体3aのみの移動によるライニング材2の内表面温度は100℃であり、それによるライニング材の硬度は0で、透明色であり、十分な強度を得ることができなかった。
(実験3)
次いで、配管の温度が5℃の低温状態において、集合体3aの紫外線LED3を点灯すると共に、補助加熱体4の紫外線ランプ4aを点灯し、それらを配管1の左端から右端方向に移動速度40cm/minで移動した。
この場合、ライニング材2の表面温度は120℃〜130℃となり、ライニング材2が硬化(色は薄黄色)すると共に、その硬度は20〜40であり、十分な強度を得ることができた。
(実験4)
次に、実験4、実験5は、実験3との比較実験である。
特許文献1に記載のように、先ず紫外線ランプを点灯して、配管1の左端から右端方向に移動速度40cm/minで移動した。その直後に、紫外線LED3を点灯して、配管1の左端から右端方向に移動速度40cm/minで移動した。
結果は、実験2と同様であり、ライニング材2の内表面温度は100℃であり、それによるライニング材の硬度は0で、透明色であり、十分な強度を得ることができなかった。
(実験5)
次に、紫外線ランプ4aと、紫外線LED3の集合体3aの配置を実験3の配置と逆転させて実験を行った。即ち、移動方向の前端側に紫外線ランプ4aを位置し、紫外線ランプ4aの後続端に紫外線LED3の集合体3aを配置し、両者を同時に点灯して、配管1の左端から右端方向に移動速度40cm/minで移動した。
結果は、実験2と同様であり、ライニング材2の内表面温度は100℃であり、それによるライニング材の硬度は0で、透明色であり、十分な強度を得ることができなかった。
即ち、低温条件下での既設配管の光硬化性樹脂によるライニング方法では、次のことがいえる。
実験4、実験5は、紫外線ランプにより事前に加温をしている。このとき、紫外線ランプの紫外線照射では、活性開始物質の生成量が少なく、この状態で120℃に加温されも、反応効率が悪く硬化は不十分に終わると共に、加温により得たライニング材の熱はすぐに既設配管に奪われ、ライニング材の硬化反応に適した温度になり難い。その後又はその直後に紫外線LED3を点灯させているので、硬化反応が起こり難いものと推測できる。
本願発明の裏付け実験3のように、紫外線LED3の集合体3aによってライニング材を90℃まで加熱すると共に、十分なUV照射を行い、活性開始物質の生成反応を進行させ、その数をライニング材中に増加させておき、その後に、樹脂材のラジカル重合に最適な温度である120℃〜140℃まで再加熱をする(樹脂材の分子鎖と活性開始物質との初期反応を起こし易くする)と、効率よく硬化反応を促進させることができることがわかった。
この効果を得る為には、補助加熱体4を紫外線LED3の集合体3aの後続に連結させる必要があることがわかる。
なお、これらの実施例では、補助加熱体4を紫外線ランプ4aとして説明してきたが、これに替えて、公知の赤外線ランプ、可視光ランプ、可視光LED、赤外線LEDを用いてもよい。さらに、これらを組合わせて用いることもできる。
1 配管
2 ライニング材
3 紫外線LED
3a 集合体
4 補助加熱体
4a 紫外線ランプ
5 車輪
6 端部
7 案内ケーブル
8 ステンレス板
9 ガラス板
10 マンホール
11 断熱材

Claims (2)

  1. 既設配管(1)の内壁に、管状で未硬化の光硬化性ライニング材(2)を導入して、そのライニング材(2)の内側から光を照射し、ライニング材を硬化させる既設配管のライニング方法において、
    先端側に位置した紫外線LED (3)の集合体(3a)の後続に、その紫外線LEDに比べて、発熱性の高い補助加熱体(4)を連結し、前記紫外線LED(3)の集合体(3a)および前記補助加熱体(4)を同時に点灯して、それらを前記ライニング材(2)内で移動し、
    先ず、先端側に位置した前記紫外線LED(3)の集合体(3a)により、前記ライニング材(2)に紫外線を照射して前記ライニング材の少なくとも表面を90℃以上に維持し、
    次いで、その状態で、後端側の前記補助加熱体(4)により前記ライニング材(2)を加熱し、前記ライニング材(2)の少なくとも表面を110℃以上に昇温して、ライニング材を硬化させることとした既設配管のライニング方法。
  2. 請求項1に記載の既設配管のライニング方法において、
    前記補助加熱体(4)が、紫外線ランプ、赤外線ランプ、可視光ランプ、可視光LED、赤外線LEDのいずれか一つまたは、それらの一以上の組み合わせからなる既設配管のライニング方法。
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