JP6136761B2 - 誘導電動機の速度制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、PWMインバータ等によって駆動される誘導電動機の速度制御装置に関し、詳しくは誘導電動機の速度変動特性の改善手段に特徴を有する速度制御装置に関する。
誘導電動機の速度制御方法には、誘導電動機(以下、必要に応じて誘導機という)の発生トルクもしくは発生トルクに比例する信号から、すべりを演算し、これに従って実際のすべりを制御する方法がある。
この速度制御方法では、連続負荷運転に伴う誘導機の温度上昇によって1次抵抗(固定子巻線の抵抗)、2次抵抗(回転子導体の抵抗)等の値が変化し、すべりの演算値と実際のすべりとの間にずれが生じて誘導機の速度が変動する場合がある。
そこで、誘導機に流れる1次電流をd,q軸成分に分離して検出し、そのうちのd軸成分を用いて1次抵抗、2次抵抗の温度変化による抵抗値変化に伴う誘導機のすべり周波数変動を補償して、誘導電動機の速度変動を低減する速度制御装置が提案されている(例えば、特許文献1もしくは特許文献2参照)。図6乃至9はこの種の速度制御装置の従来例を示すブロック図であり、これらは特許文献1もしくは特許文献2の図2乃至5に対応する。これらの従来例について図9をもとに説明する。
図9において、1は誘導電動機、例えば3相誘導電動機であり、3はインバータ、例えば3相PWMインバータである。2はインバータ3から誘導電動機1に供給される固定子電流を検出する電流検出器である。4および5は、基準軸(d軸)の位相角を基準とするd−q直交回転座標系で表示されたベクトル量と、固定子座標系で表示された3相ベクトル量との間で、基準軸の角度位置情報に基づいて座標変換を行う座標変換器である。両座標変換器4および5には、基準軸の角度位置情報として、基準軸(d軸)に対する位相角指令値θ*が入力されている。位相角指令値θ*は、1次角周波数指令値ω1 *を積分する積分器6によって出力される(以下、「角周波数」を単に「周波数」と呼ぶ)。座標変換器4は、電流検出器2によって検出された3相固定子電流を座標変換して、d−q回転座標系の直交2成分としてd軸電流i1d,q軸電流i1qを出力する。従って、電流検出器2は、座標変換器4および積分器6と共に、誘導電動機1の1次電流をd軸成分i1dおよびq軸電流i1qに分離して検出する電流検出手段を構成している。座標変換器5は、d−q回転座標系の直交2成分として電圧ベクトル演算器7から与えられる電圧指令値v1d *,v1q *を、積分器6からの位相角指令値θ*の助けにより、3相座標系で表示された3相電圧指令値に座標変換する。従って、インバータ3によって、電圧指令値v1d *,v1q *に対応した3相1次電圧が誘導電動機1の固定子巻線に印加される。
1次周波数指令値ω1 *は、回転速度指令値に対応する2次周波数指令値ωr *に、補正後のすべり周波数指令値ωsl **を加算する加算器11によって出力される。補正前のすべり周波数指令値ωsl *は、すべり周波数演算器8によって出力される。すべり周波数演算器8は、トルク演算値τ#を入力として、補正前のすべり周波数指令値ωsl *を、
ωsl *=R2 *・τ#/(φ2d *2 (1)
なる式にしたがって演算する。ただし、R2 *は2次抵抗設定値、φ2d *は誘導電動機の2次磁束指令値であり、これらはブロック8内に内蔵されているものとして図示を省略している。上記の補正後のすべり周波数指令値ωsl **は、この補正前のすべり周波数指令値ωsl *に、後述の補正量KRを乗算する乗算器10によって出力される。
電圧ベクトル演算器7は、誘導電動機の電圧方程式に基づき、誘導電動機の2次磁束が指令値φ2d *となるように、電圧指令値v1d *,v1q *を演算して出力する。これにより、d−q回転座標系の座標軸のd軸を2次磁束の方向に一致させることができる。これによりd軸電流i1dは磁束に比例する励磁分の電流、q軸電流i1qはトルクに比例するトルク分の電流となる。具体的には、電圧指令値v1d *,v1q *は、
1d *=R1 *・i1d *−ω1 *Lσ*1q (2)
1q *=ω1 *φ2d *+R1 *・i1q+ω1 *Lσ*1d * (3)
によって演算することができる。ただし、R1 *は1次抵抗設定値、Lσ*は漏れインダクタンスの設定値である。このために、電圧ベクトル演算器7には、座標変換器4が出力するd軸電流検出値i1d,q軸電流検出値i1qと、加算器11が出力する1次周波数指令値ω1 *とが入力されている。更に、両式における1次抵抗設定値R1 *として、これを乗算器13により補正した後の1次抵抗設定値R1 **を用いることができる。この場合には、乗算器13が設けられ、これによって補正前の1次抵抗設定値R1 *に後述の補正量KRが乗算され、それによって得られた補正後の1次抵抗設定値R1 **が電圧ベクトル演算器7に入力される。更に、式(2)および(3)から分かるように、d軸電流検出値i1dの代わりに、d軸電流指令値i1d *を用いることができる。この場合、d軸電流指令値i1d *は、2次磁束指令値φ2d *および励磁インダクタンス設定値Lm *により、
1d *=φ2d */Lm * (4)
なる式にて演算することができる。式(2)〜(4)において用いられる1次抵抗設定値以外の電動機定数の設定値ならびに2次磁束指令値φ2d *は、ブロック7に内蔵されているものとして図示を省略している。かくして、電圧ベクトル演算器7は、座標変換器5および積分器6と共に、1次周波数指令値と1次電流d軸成分およびq軸成分と電動機定数とを用いて前記インバータ1に与える電圧指令値を求める電圧演算手段を構成している。
すべり周波数演算器8に入力されるトルク演算値τ#を演算するために、トルク演算器14が設けられている。トルク演算器14は、電圧ベクトル演算器7が出力する電圧指令値v1d *,v1q *と、座標変換器4が出力するd軸電流i1d,q軸電流i1qと、加算器11が出力する1次周波数指令値ω1 *と、1次抵抗設定値R1 *とから、
τ#=(v1d *・i1d+v1q *・i1q−R1 *・(i1d 2+i1q 2))/ω1 * (5)
なる式にてトルク演算値τ#を求めることができる。乗算器13によって1次抵抗設定値R1 *が補正量KRを乗算されて補正される場合には、1次抵抗設定値R1 *の代わりに、補正後の1次抵抗設定値R1 **を用いることができる。
乗算器10および13において用いられる補正量KRは、補正量演算器12によって演算される。その補正量は、
R=i1d(1)/i1d(2) (6)
又は
R=(i1d(1)/i1d(2))2 (7)
で与えられる(導出過程は特許文献1もしくは特許文献2参照)。ここで、i1d(1)は誘導電動機の温度が上昇する前のd軸電流の値(基準値)であり、典型的には、誘導電動機を無負荷で運転したときに流れた電流値をi1d(1)として用いる。i1d(2)としては、実際の運転状態で検出しているd軸電流i1dを用いる。
誘導電動機の連続負荷運転で電動機の温度が上昇すると、1次抵抗と2次抵抗の実際値が増加する。2次抵抗が増加すると、すべり周波数の補償が不足し速度が低下する。そこで1次抵抗が増加するとd軸電流i1dが減少することを利用し、式(6)又は(7)を用いて補正量KRを演算し、これを1次抵抗設定値とすべり周波数指令値に乗算することで、温度上昇による1次抵抗、2次抵抗の増加による影響を低減し、すべり周波数の補償不足による速度低下を改善する。
図8に示す従来例は、図9の従来例に対し、乗算器13による1次抵抗設定値の補正を省略して簡易化を図ったものであり、それ以外の構成は図9と同一である。1次抵抗設定値の補正をするか、しないかの違いで、補正量演算器の番号に9と12の違いがある。
図7の従来例は、図9の従来例に対し、すべり周波数の演算をトルク演算値τ#の代わりにq軸電流検出値i1qを用いて、
ωsl *=R2 *・i1q/φ2d * (8)
なる式で計算するもので、それ以外の構成は図9と同一である。
図6の従来例は、図7の従来例に対し、乗算器13による1次抵抗設定値の補正を省略したのである(図9に対する図8の相違点と同じである)。
以上に説明した従来例では、温度上昇によるすべり周波数の変化の補正に1次電流d軸成分を利用している。これは、電圧ベクトル演算器7による電圧の演算が理想的に行われており、1次抵抗の変化のみによってd軸電流が変化することを前提としている。しかし、実際には電圧ベクトル演算器7には電動機定数の設定誤差による制御誤差があり、1次抵抗が変化していなくても負荷トルクなどの動作点の違いで、d軸電流が変化する場合がある。この場合、温度変化がなくとも誘導電動機の速度に誤差を生じることになる。
図2に、負荷状態とd軸電流との関係が時間的経過として示されている。無負荷の運転状態から時点t0で負荷ありの状態に移行した際に、d軸電流は、上記の制御誤差がない場合には鎖線(a)で示すように一定のままで変化しないが、上記の制御誤差がある場合には負荷状態に応じて、例えば実線(b)で示すように変化する。図3に、温度変化と速度変化の関係が時間的経過として示されている。ここでは、速度指令値ωr *は、鎖線(a)で示されるように一定であり、誘導電動機には所定の負荷が連続して印加されている状態である。温度は、図示のように、連続負荷運転の時間経過に伴って上昇していく。補正量を乗算する補正を行わない場合には、破線(b)で示すように、運転開始点では実速度は速度指令値に一致しているが、連続負荷運転に温度が上昇すると、2次抵抗が増加し、すべり周波数も増加するため、すべり周波数の補償量が不足し、速度が低下する。補正量を乗算する補正を行う従来例の場合には、破線(c)で示すように、温度上昇に速度変化の量を低減できる。しかし、補正量を決定するためのd軸電流の基準値i1d(1)が無負荷運転時のd軸電流であり、実際の負荷条件での運転におけるd軸電流と一致しないために、負荷運転開始時点で速度誤差が存在する。
特開2001−78500号公報 特許第3770302号公報
本発明の課題は、すべり周波数の補正演算に用いるd軸電流基準値を最適なタイミングで決定することにより、連続負荷運転における温度上昇に伴う誘導電動機の速度変動を低減することにある。
この課題は、本発明によれば、速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動して所定の回転速度に制御する誘導電動機の速度制御装置であって、誘導電動機の1次電流をd軸成分とq軸成分とに分離して検出する電流検出手段と、1次電流のq軸成分又はトルク演算値を用いてすべり周波数指令値を演算するすべり周波数演算手段と、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点における1次電流のd軸成分の値をd軸電流基準値として保持する基準値演算手段と、このd軸電流基準値と誘導電動機の実際の負荷条件での運転中における1次電流d軸成分との比、又はその比の2乗の値を補正量として出力する補正量演算手段と、前記すべり周波数指令値に前記補正量を乗じるすべり周波数補正手段と、このすべり周波数補正手段により補正されたすべり周波数指令値を誘導電動機の速度指令値に加算して1次周波数指令値を求める1次周波数演算手段と、この1次周波数指令値と1次電流d軸成分およびq軸成分と電動機定数とを用いて前記インバータに与える電圧指令値を求める電圧演算手段と、を有することを特徴とする誘導電動機の速度制御装置によって解決される。
本発明において、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点とは、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始してから、それに伴う温度上昇が未だ顕著でない段階の時点までの時間枠内に含まれる時点もしくは時間間隔と解すべきである。また、負荷投入直後のd軸電流等の激しい過渡的な変化段階を避けることが好ましく、これは、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始させる指令に対して遅れ応答をする時限要素を用いて実現することができる。
本発明による実施形態によれば、前記基準値演算手段は、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点での1次電流d軸成分をサンプルホールドした値をd軸電流基準値として保持するよう構成されている。
本発明による他の実施形態によれば、前記補正量演算手段は、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点での1次電流d軸成分を所定時間フィルタリングした値をd軸電流基準値として保持するよう構成されている。これによって、d軸電流基準値として、ノイズ、リプル成分を除去した値を得ることができる。
更に、前記電圧演算手段が演算に用いる電動機定数の1つである1次抵抗設定値に前記補正量を乗じる1次抵抗補正手段を設けるとよい。
本発明によれば、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点での1次電流d軸成分をd軸電流基準値として保持し、このd軸電流基準値と誘導電動機の実際の負荷条件での運転中の1次電流d軸成分との比から補正量を求め、この補正量によって誘導電動機の運転中の温度上昇に伴うすべり周波数指令値の補正を行っている。従って、誘導電動機の運転中の温度上昇に伴うすべり周波数指令値の補正が行われる動作点に対して(電動機の温度条件を除いて)近い動作点が存在する最適なタイミングで、補正に用いるd軸電流基準値を決定することができるので、誘導電動機の実際の負荷条件での運転中の温度上昇に伴う1次および2次抵抗値の変化による速度制御誤差を、例えば図3に実線(d)で示すように、従来例(図3の破線(c))よりも更に低減することができる。
本発明装置の実施例を示すブロック図である。 無負荷運転から負荷運転に移行した際のd軸電流の変化を示す負荷トルクおよびd軸電流の時間的経過図である。 本発明と従来技術に関する温度および速度の時間的経過図である。 d軸電流基準値演算手段の第1の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。 d軸電流基準値演算手段の第2の実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。 第1の従来装置を示すブロック図である。 第2の従来装置を示すブロック図である。 第3の従来装置を示すブロック図である。 第4の従来装置を示すブロック図である。
図1は本発明による誘導電動機の速度制御装置の実施例を示す。この実施例は、図9に示した従来例に対応する。従って、図9におけると同じ構成要素には同じ符号を用いて示すことによって、重複説明を避け、主として異なる部分について説明する。
第1の状態における1次電流d軸成分を保持し、この保持した第1の状態における1次電流d軸成分と第2の状態における1次電流d軸成分との比、又はその比の2乗を補正量として演算する補正量演算手段が、ここでは、調整指令Sにより制御されるd軸電流基準値演算器30と、d軸電流基準値演算器30からのd軸電流基準値と座標変換器4からのd軸電流との比、又はその比の2乗を補正量KRとして出力する補正量演算器12とで構成されている。この調整指令Sは、誘導電動機の負荷投入等を指令する図示されていない運転指令装置によって形成されるタイミング信号であり、誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点で第1の状態における1次電流d軸成分の値を保持させるべく、d軸電流基準値演算器30を制御する。
d軸電流基準値演算器30は、例えばサンプルホールド要素として構成することができる。この場合に、図4のタイムチャートに示すように、誘導電動機1は、先ず無負荷状態で運転される。無負荷運転状態では、調整指令SはOFF状態にあり、その際にすべり周波数演算器8は、トルク演算器14からのトルク演算値からすべり周波数指令値ωsl *を演算してそのまま出力する。このとき補正量演算器12はOFF状態に置かれ、KR=1なる信号を両乗算器10および13にもたらす。従って、加算器11は1次周波数指令値ω1 *=ωr *+ωsl *を出力し、乗算器13は1次抵抗設定値R1 *を出力する。かくして、電圧ベクトル演算器7が、1次抵抗設定値R1 *と1次周波数指令値ω1 *とを用いて、先の式(2)および(3)に従って、電圧指令値v1d *,v1q *を演算し、誘導電動機1の無負荷運転を行う。
時点t0において負荷が投入されると、図4に示すように、負荷トルクτが0から所定値に変化すると、温度変化とは関係なしにd軸電流i1dが変化する(図2とその説明も参照)。負荷投入時点t0から予め定められた遅延時間後の時点t1において、調整指令SがON状態に切り換えられる。これに応答してd軸電流基準値演算器30が時点t1での入力のd軸電流i1dをサンプルホールドし、これをd軸電流基準値i1d(1)として出力する。同時に、補正量演算器12も、OFF状態(KR=1のロック状態)からON状態に切り換えられる。その結果、補正量演算器12は、d軸電流基準値演算器30からの基準値i1d(1)と、座標変換器4から入力されるd軸電流の値i1d(2)との比、又はその比の2乗の値を求めて補正量KRとして出力する。乗算器10において演算されたすべり周波数ωsl *に補正量KRが乗算され、加算器11において補正後のすべり周波数指令値ωsl **が速度指令値ωr *に加算されて1次周波数指令値ω1 *となる。また、乗算器13は、1次抵抗設定値R1 *に補正量KRを乗算することにより、補正後の1次抵抗設定値R1 **を出力する。
図5は、d軸電流基準値演算器30の他の実施形態を示すタイムチャートである。この実施形態では、d軸電流基準値演算器30はフィルタ要素として構成されている。負荷投入時点t0から遅れた時点t1で調整指令Sが発生させられる点は、図3の実施形態と同じであるが、時点t1から予め定められた時間Tが経過する時点t2までは、d軸電流基準値演算器30がd軸電流のフィルタリングを行い、時点t2においてノイズ、リプル成分を除去した値をd軸電流基準値i1d(1)として保持して出力する。時点t2では補正量演算器12がOFFからONに切り換えられ、これにより補正量演算器8はOFF状態からON状態に切り換えられる。その結果、d軸電流基準値演算器30からの基準値i1d(1)と、座標変換器4から入力されるd軸電流の値i1d(2)との比、又はその比の2乗の値を求めて補正量KRとして出力する。
図1は、図9に示す従来の実施例に対して本発明を適用した実施例であるが、これと同様に、図6、図7および図8に示す他の従来例に対して本発明を適用することができる。図1において乗算器13による補正を省略すれば、図8に示す従来例に対する本発明の適用例となる。図1においてトルク演算器14を省略して、すべり周波数演算器8がすべり周波数指令値ωsl *をq軸電流i1qから式(8)に従って演算するように変更すれば、図7に示す従来例に対する本発明の適用例となり、これに加えて更に乗算器13による補正を省略すれば、図6に示す従来例に対する本発明の適用例となる。
以上に説明したように、本発明は、速度センサを持たない誘導電動機1をインバータ3により駆動して所定の回転速度に制御する誘導電動機の速度制御装置に関し、誘導電動機1の1次電流をd軸成分とq軸成分とに分離して検出する電流検出手段2,4,6と、1次電流のq軸成分又はトルク演算値を用いてすべり周波数指令値を演算するすべり周波数演算手段8と、誘導電動機1の実際の負荷条件での運転を開始した時点における1次電流のd軸成分の値を基準値として保持する基準値演算手段30と、この基準値と誘導電動機の実際の負荷条件での運転中における1次電流d軸成分との比、又はその比の2乗の値を補正量として出力する補正量演算手段12と、前記すべり周波数指令値に前記補正量を乗じるすべり周波数補正手段10と、このすべり周波数補正手段10により補正されたすべり周波数指令値を誘導電動機の速度指令値に加算して1次周波数指令値を求める1次周波数演算手段11と、この1次周波数指令値と1次電流d軸成分およびq軸成分と電動機定数とを用いて前記インバータ3に与える電圧指令値を求める電圧演算手段7,5,6と、を有することを特徴とし、これにより誘導電動機の温度上昇による速度制御誤差を低減することができる。
1 誘導電動機
2 電流検出器
3 インバータ
4 座標変換器
5 座標変換器
6 積分器
7 電圧ベクトル演算器
8 すべり周波数演算器
9 補正量演算器
10 乗算器
11 加算器
12 補正量演算器
13 乗算器
14 トルク演算器
30 基準量演算器

Claims (4)

  1. 速度センサを持たない誘導電動機をインバータにより駆動して所定の回転速度に制御する誘導電動機の速度制御装置であって、
    誘導電動機の1次電流をd軸成分とq軸成分とに分離して検出する電流検出手段と、
    1次電流のq軸成分又はトルク演算値を用いてすべり周波数指令値を演算するすべり周波数演算手段と、
    誘導電動機の実際の負荷条件での運転を開始した時点から予め定められた遅延時間後の時点における1次電流d軸成分の値、または前記遅延時間後の時点以降の1次電流d軸成分からノイズ成分及びリプル成分の少なくとも一方を除去した値をd軸電流基準値として保持する基準値演算手段と、
    このd軸電流基準値と誘導電動機の実際の負荷条件での運転中における1次電流d軸成分との比、又はその比の2乗の値を補正量として出力する補正量演算手段と、
    前記すべり周波数指令値に前記補正量を乗じるすべり周波数補正手段と、
    このすべり周波数補正手段により補正されたすべり周波数指令値を誘導電動機の速度指令値に加算して1次周波数指令値を求める1次周波数演算手段と、
    この1次周波数指令値と1次電流d軸成分およびq軸成分と電動機定数とを用いて前記インバータに与える電圧指令値を求める電圧演算手段と、
    を有することを特徴とする誘導電動機の速度制御装置。
  2. 前記基準値演算手段は、前記遅延期間後の時点での1次電流d軸成分をサンプルホールドした値をd軸電流基準値として保持するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の速度制御装置。
  3. 前記基準値演算手段は、前記遅延期間後の時点から1次電流d軸成分を所定時間フィルタリングした値をd軸電流基準値として保持するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の速度制御装置。
  4. 前記電圧演算手段が演算に用いる電動機定数の1つである1次抵抗設定値に前記補正量を乗じる1次抵抗補正手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の誘導電動機の速度制御装置。
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