JP6697678B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換器により速度検出器を用いずに誘導電動機を可変速制御するための制御装置に関し、詳しくは、フリーラン状態にある誘導電動機を再起動する場合に、特に低速域における誘導電動機の回転速度を推定する技術に関するものである。
速度検出器を用いずに誘導電動機を駆動する、いわゆるセンサレスベクトル制御は、電動機の小型化の要求や、ロータリーエンコーダのメンテナンス性を考慮する用途に広く用いられている。このセンサレスベクトル制御において、フリーラン状態の誘導電動機を再起動する場合には、起動時のトルクショックを少なくするために、最初に回転速度を推定することが望ましい。
ここで、出願人は、誘導電動機が低速でフリーラン状態となっている場合に再起動する際の回転速度推定技術として、既に特許出願を行っている(特願2015−16600号)。
この先願発明では、フリーラン状態の誘導電動機に直流電流を流した時の誘起電圧から一次抵抗による電圧降下分を差し引いた値を積分して二次磁束を推定すると共に、二次磁束(q軸成分)推定値の2回微分値を用いて回転速度を推定する。誘導電動機を駆動するインバータの動作開始直後の二次磁束推定値の2回微分値には、回転速度に比例する成分が含まれているので、上記2回微分値を励磁インダクタンス、二次時定数の逆数、励磁電流の乗算結果によって除算することにより、回転速度を推定することができる。
なお、上記先願発明は、特許文献1に記載された、誘導電動機の回転速度推定技術の問題点を解決したものである。
すなわち、特許文献1では、誘導電動機のd軸上に直流電流を流した時の二次磁束Φが、直流電流の値、直流電流の通流開始時時刻からの経過時間、誘導電動機の二次時定数、相互インダクタンス、及び回転速度等からなる所定の数式により表され、この二次磁束が描く円軌跡の回転角周波数が誘導電動機の回転速度に一致することに着目して回転速度を推定している。
しかし、この特許文献1に係る推定技術では、誘導電動機が極めて低速で回転している場合に二次磁束の円軌跡が得られるまでの時間が長期化する。このため、誘導電動機に直流電流を流したまま時間が経過することにより、回転速度に比例したブレーキトルクが発生するという問題があった。
前述した先願発明は、誘導電動機に直流電流を流す時間を短縮して特許文献1における問題を解決したものである。
更に、先願発明と同様に、低速でフリーラン状態となっている誘導電動機の回転速度推定技術として、特許文献2に記載された発明が知られている。
この従来技術は、誘導電動機に流れる電流から演算した固定子座標系のβ軸電流を積分し、誘導電動機の回路時定数で決まる周波数より低い周波数成分をローパスフィルタ等により抽出すると共に、抽出した低周波数成分の逆数に基づいてフリーラン状態にある誘導電動機の回転速度等を含む回転状態を検出するものである。
特許第3535735号公報(段落[0019]、図1等) 特許第4562068号公報(段落[0010]〜[0027]、図1,図2等)
前述した先願発明では、インバータの動作開始直後の二次磁束の微分値を用いることにより、特許文献1が有する問題を解決することができる。
しかし、インバータの動作開始直後の期間は、誘導電動機に通流される直流電流の立ち上がり期間に相当するため、直流電流が電流指令値に収束していない状態のインバータの出力電圧には、振動成分等の誤差が含まれる可能性がある。また、誘導電動機への直流電流の通流直後のインバータの出力電圧には、インバータを構成する半導体素子のオン電圧誤差に相当する電圧が含まれる場合もある。
このため、場合によっては、観測された二次磁束推定値から2回微分値を演算するタイミングを遅らせることが必要である。あるいは、インバータの出力電圧に含まれるリプル成分の影響を回避するために、リプル成分の周期以上にわたり、2回微分値を観測し続けてリプルを平滑化する必要がある。
しかしながら、上記のように2回微分値を演算するタイミングを遅延させる処理やリプルの平滑化処理を行うと、先願発明では初期速度推定値に誤差が生じるおそれがある。また、フリーラン状態の回転速度が低速であっても極低速より大きい場合には、先願発明がインバータの動作開始直後の二次磁束推定値を用いることを前提にしているので、初期速度推定値に誤差が生じる等の問題がある。
更に、特許文献2に記載された従来技術でも、β軸電流の積分値から低周波数成分を抽出することが不可欠であるため、演算タイミングの遅延処理やリプルの平滑化処理が必要になり、先願発明と同様の問題を生じていた。
そこで、本発明の解決課題は、フリーラン状態にある誘導電動機の回転速度を誤差なく高精度に推定可能とした誘導電動機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、直流電圧を可変電圧可変周波数の三相交流電圧に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、
前記誘導電動機の相電流を検出する電流検出手段と、
前記相電流の検出値が電流指令値に一致するように電圧指令値を演算する電流調節手段と、
前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差に基づいて前記誘導電動機の二次磁束のq軸成分の微分値を演算する磁束微分値演算手段と、
前記誘導電動機のフリーラン時における前記誘導電動機への直流電流の通流開始時刻から一定期間、前記二次磁束のq軸成分の微分値の傾きを演算する傾き演算手段と、
前記傾きを逐次平均化して傾き平均値を演算する平均値演算手段と、
前記傾き平均値を、前記誘導電動機の励磁インダクタンスと二次時定数の逆数と前記直流電流との積により除算して第1の速度推定値を演算する手段と、
前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算開始時刻までの第1の時間と前記第1の速度推定値とを乗算して第1の角度を求めると共に、前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算終了時刻までの第2の時間と前記第1の速度推定値とを乗算して第2の角度を求める手段と、
前記第2の角度から前記第1の角度を減算した値を、前記第2の角度のsin成分と前記第1の角度のsin成分との差により除算して補償係数を求め、前記補償係数を用いて前記第1の速度推定値を補正することにより前記誘導電動機の初期速度推定値を求める手段と、を備えたものである。
請求項2に係る発明は、直流電圧を可変電圧可変周波数の三相交流電圧に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、
前記誘導電動機の相電流を検出する電流検出手段と、
前記相電流の検出値が電流指令値に一致するように電圧指令値を演算する電流調節手段と、
前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差に基づいて前記誘導電動機の二次磁束のq軸成分の微分値を演算する磁束微分値演算手段と、
前記誘導電動機のフリーラン時における前記誘導電動機への直流電流の通流開始時刻から一定期間、前記二次磁束のq軸成分の微分値の傾きを演算する傾き演算手段と、
前記傾きを逐次平均化して傾き平均値を演算する平均値演算手段と、
前記傾き平均値を、前記誘導電動機の励磁インダクタンスと二次時定数の逆数と前記直流電流との積により除算して第1の速度推定値を演算する手段と、
前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算開始時刻までの第1の時間と前記第1の速度推定値を初期値とする変数とを乗算して第1の角度を求めると共に、前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算終了時刻までの第2の時間と前記変数とを乗算して第2の角度を求める手段と、
前記第2の時間と前記第1の時間との差と前記第1の速度推定値との乗算結果と、前記第2の角度のsin成分から前記第1の角度のsin成分を減算した値と、の差を求める速度偏差関数を生成し、前記変数を逐次更新しながら求めた前記速度偏差関数の絶対値が所定値を下回った時の前記変数を前記誘導電動機の初期速度推定値とする手段と、を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した誘導電動機の制御装置において、前記誘導電動機の二次インダクタンスを励磁インダクタンスにより除算した値と、前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差と、を乗算した値を、前記二次磁束のq軸成分の微分値として用いるものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した誘導電動機の制御装置において、前記誘導電動機の二次時定数の逆数と前記通流開始時刻からの経過時間との積を累乗数とする指数関数と、前記二次磁束のq軸成分の微分値との乗算結果を、前記傾き演算手段への入力としたものである。
請求項1に係る発明では、二次磁束の2回微分値に相当する傾きを所定期間、サンプリングして平均化し、かつ、sin関数を用いた比較的簡単な補償係数によって第1の速度推定値を補正することにより初期速度を推定している。このため、従来のように二次磁束のサンプリング期間は電力変換器の動作開始直後でなければならないという制約なしに、フリーラン状態における誘導電動機の初期速度を推定することができる。また、電力変換器の出力電圧に誤差やリプルが重畳しているような場合でも、精度良く初期速度を推定することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明に比べてサンプリングの開始時刻や終了時刻の影響を受けづらく、より高精度に初期速度を推定することができる。
また、請求項3に係る発明では、二次磁束のq軸成分の微分値を求める演算を簡略化することができる。
更に、請求項4に係る発明では、二次時定数が短い誘導電動機に対しても高精度に初期速度を推定することができる。
本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成図である。 図1における傾き演算手段への入力信号のサンプリング処理の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る制御装置の構成図である。 図3の初期速度演算手段による演算処理を示すフローチャートである。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成図である。この制御装置は、電力変換器としてのインバータ20、電流検出手段30、電圧検出手段40、電流調節手段50、二相/三相変換手段60、三相/二相変換手段70,80、磁束微分値演算手段90、指数関数演算手段100、タイミング生成手段110、傾き演算手段120、データ保存手段130、平均値演算手段140、補償項演算手段150、初期速度演算手段160、減算手段11d,11q、及び乗算手段12を備えている。なお、インバータ20は、直流電圧を可変電圧可変周波数の三相交流電圧に変換して誘導電動機10に供給するものである。
電流調節手段50は、減算手段11d,11qから出力される、d軸電流指令値i とd軸電流iとの偏差、q軸電流指令値i とq軸電流iとの偏差が、何れも0になるように比例積分(PI)調節演算を行い、d軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v を出力する。
これらのd軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v は、二相/三相変換手段60に入力されている。
本実施形態では、誘導電動機10がフリーラン状態であること前提としているので、d軸電流指令値i には所定の正の直流値を与え、q軸電流指令値i には0を与える。
なお、電流調節手段50を構成する比例積分調節器には、誘導電動機10の二次磁束に比べて十分に早い時定数でd軸電流指令値i にd軸電流iが追従できるようなゲインを与える。
二相/三相変換手段60は、通常の運転では、インバータ20の出力周波数(誘導電動機10の一次周波数)に同期して回転座標系から固定座標系への座標変換を行うものであるが、この実施形態では、インバータ20から誘導電動機10に直流電流を通流させるため、インバータ20の出力周波数は0[Hz]であるとする。
インバータ20は、二相/三相変換手段60から出力された各相の電圧指令値に従ってPWM制御を行い、三相交流電圧を誘導電動機10に印加する。
電流検出手段30は、誘導電動機10の相電流を検出し、三相/二相変換手段70に出力する。また、電圧検出手段30は、インバータ20の出力電圧を検出し、三相/二相変換手段80に出力する。なお、インバータ20の出力電圧は、電圧検出器を用いて実際に測定しても良いし、電圧指令値から推定しても良い。
三相/二相変換手段70,80は、通常の運転では、固定座標系から回転座標系への座標変換を行うものであるが、この実施形態では、インバータ20の出力周波数を0[Hz]に固定した状態で動作する。
磁束微分値演算手段90は、通常の運転では、三相/二相変換手段70から出力されるq軸電流i、三相/二相変換手段80から出力されるq軸電圧v、誘導電動機10の二次インダクタンスL、励磁インダクタンスM、及び一次抵抗Rを用いて、数式1の演算により二次磁束のq軸成分Φの微分値を求めている。
Figure 0006697678
この実施形態では、誘導電動機10に直流電流を通流するため、誘導電動機10の一次周波数は0[Hz]である。この場合のq軸の電圧方程式は、誘導電動機10のもれ係数σ、一次インダクタンスLを用いて、数式2のように表される。
Figure 0006697678
ここで、誘導電動機10に流れる電流(直流)の微分値が無視できるものとすると、数式1は、数式2に基づいて二次磁束のq軸成分Φの微分値に相当する値を求めたものであることが分かる。
指数関数演算手段100は、インバータ20が動作を開始した時刻(直流電流の通流開始時刻)からの経過時間tと誘導電動機10の二次時定数Tの逆数(R/L)とを入力として、数式3に示す指数関数を演算する。
Figure 0006697678
そして、数式3の指数関数と磁束微分値演算手段90の出力とを乗算手段12により乗算し、その結果を傾き演算手段120に入力する。
タイミング生成手段110は、傾き演算手段120、データ保存手段130、平均値演算手段140の動作開始及び動作終了を知らせるタイミング信号を供給している。また、タイミング生成手段110は、補償項演算手段150に対してサンプリングの開始時刻及び終了時刻を供給している。なお、サンプリングの開始時刻は、直流電流の通流開始時刻から所定の時間を経過した時刻tであり、サンプリングの終了時刻は時刻tから所定の時間を経過した時刻tである。
傾き演算手段120は、タイミング生成手段110から動作開始のタイミング信号(サンプリング開始信号)が入力されると、図2に示すように、乗算手段12から入力された値を一定のサンプリング周期T[s]でサンプリングし、今回値と前回値との差分をT[s]により除算して傾きデータを演算する。この傾きデータは、データ保存手段130に入力され、データ保存手段130は、サンプリング周期Tで出力される傾きデータを逐次保存する。
上述した傾きデータの演算処理及びデータ保存処理は、タイミング生成手段110が、図2の時刻tを経過することにより動作終了を示すタイミング信号を出力するまで実行される。
平均値演算手段140は、傾きデータに含まれるリプルを平滑化する目的で設けられている。
時刻tを経過すると、タイミング生成手段110からのタイミング信号を受けて、平均値演算手段140は、データ保存手段130に蓄積されている全ての傾きデータを加算してデータ数で除算することにより、傾き平均値gaveを求める。この傾き平均値gaveは、初期速度演算手段160に入力される。
初期速度演算手段160は、d軸電流i、傾き平均値gave、誘導電動機10の二次インダクタンスL、励磁インダクタンスM、及び二次抵抗Rを用いて、数式4により第1の速度推定値ωaveを演算し、補償項演算手段150に出力する。
Figure 0006697678
補償項演算手段150は、数式5により、第1の速度推定値ωaveを用いて、タイミング生成手段110から入力された開始時刻t,終了時刻tにおける角度θ,θを演算し、更に、これらの角度θ,θを用いて数式6により補償係数Kcmpを演算する。この補償係数Kcmpは、初期速度演算手段160に入力される。
Figure 0006697678
Figure 0006697678
初期速度演算手段160は、数式7に示すように補償係数Kcmpと第1の速度推定値ωaveとを乗算して初期速度推定値ωre0を求め、出力する。
Figure 0006697678
次いで、以上のようにして第1実施形態が誘導電動機10の初期速度を推定できる理由を説明する。
まず、前述した先願発明は、誘導電動機に直流電流idxを流した時の二次磁束の時間変化Φdq(t)が、誘導電動機の二次時定数T(=L/R)、直流電流idxの通流開始からの経過時間t、直流電流idx、回転速度ω、虚数演算子jを用いて、数式8により表されることに基づいている。そして、先願発明では、数式8の2回微分値である数式9を用いて、初期速度ωを推定している。
Figure 0006697678
Figure 0006697678
これらの数式8,9から、二次磁束のq軸成分の時間微分値dΦ(t)/dtは数式10によって表される。なお、数式10におけるi は、数式8,9における直流電流idxに相当する。
Figure 0006697678
図1では、乗算手段12により、指数関数演算手段100から出力されるexp{(R/L)t}をdΦ/dtに乗算しているため、乗算手段12から傾き演算手段120に入力される値は、数式10の右辺のexp{−(R/L)t}を除いた値である。
データ保存手段130は、タイミング生成手段110から入力されるタイミング信号(開始信号及び終了信号)を受けて動作し、t=tからt=tまでの期間、逐次入力される傾きデータを保存している。また、平均値演算手段140は、データ個数をn個とした場合に、数式11に示すように、データ保存手段130に蓄積されたデータの合計をとり、データ個数により除算して傾き平均値gaveを演算する。なお、この場合のデータ個数nはk+1である。
Figure 0006697678
ここで、仮にサンプリング周期Tが十分に短い時間であるとすれば、数式11に示す平均値は数式12のように近似することができる。なお、数式12において、θ=ω、θ=ωであるとする。
Figure 0006697678
次いで、数式12の積分演算を行い、両辺を(MR/L)i により除算して回転速度ωについて整理すると、数式13が得られる。
Figure 0006697678
数式13の右辺第1項は数式4の第1の速度推定値ωaveに相当し、右辺第2項は数式6の補償係数Kcmpに相当する。
すなわち、初期速度演算手段160が数式13を演算することにより、実質的に、第1の速度推定値ωaveを補償係数Kcmpにより補正して初期速度推定値ωre0を求める数式7が実行されるものである。
次に、図3,図4を参照しつつ、本発明の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態が図1の第1実施形態と異なる点は、初期速度演算手段200の機能のみであるため、以下ではこの点を中心に説明する。なお、制御装置のその他の構成及び機能については、図1と同一の参照符号を付して説明を省略する。
図3における初期速度演算手段200は、平均値演算手段140から出力される傾き平均値gave及びd軸電流指令値i を用いて、下記の数式14により第1の速度推定値ωaveを演算する。そして、図4に示すフローチャートにおける初期化処理として、変数ωに第1の速度推定値ωaveを代入する(ステップS1)。なお、数式14は、前述した数式4と同一である。
Figure 0006697678
次に、初期速度演算手段200は、数式15により、速度偏差関数f(ω)を演算する(ステップS2)。
Figure 0006697678
なお、数式15の右辺におけるωは第1の角度、ωは第2の角度に相当する。
仮に、数式15のf(ω)がゼロに近く、f(ω)の絶対値が所定値Fを下回る場合は(ステップS3Yes)、この時の変数ωを初期速度推定値ωre0として出力し(ステップS7)、終了する。
また、f(ω)の絶対値が所定値Fを上回る場合には、数式16により、関数h(ω)を演算する(ステップS4)。
Figure 0006697678
次に、変数ωを更新するために、数式17によりΔωを演算する(ステップS5)。
Figure 0006697678
最後に、変数ωを更新する(ステップS6)。
例えば、k回目に計算したω(k)を用いて、次のk+1回目の演算によりω(k+1)を求めると、ω(k+1)=ω(k)+Δωである。こうして変数ωを更新したら、ステップS2による関数f(ω)の演算に戻る。
次に、上述した初期速度推定演算手段200により、初期速度の推定が可能である理由を説明する。
関数f(ω)は、数式13の右辺を全て左辺に移項したものであり、図4のフローチャートでは、f(ω)が0に近づくようにωを調整している。h(ω)はf(ω)をωにより偏微分した関数であり、ω=ωの近傍では、関数f(ω)が下記の数式18によって表わされるため、f(ω)=0となるようにΔωを演算し、変数ωを更新するものである。
Figure 0006697678
10:誘導電動機
11d,11q:減算手段
12:乗算手段
20:インバータ
30:電流検出手段
40:電圧検出手段
50:電流調節手段
60:二相/三相変換手段
70,80:三相/二相変換手段
90:磁束微分値演算手段
100:指数関数演算手段
110:タイミング生成手段
120:傾き演算手段
130:データ保存手段
140:平均値演算手段
150:補償項演算手段
160,200:初期速度演算手段

Claims (4)

  1. 直流電圧を可変電圧可変周波数の三相交流電圧に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、
    前記誘導電動機の相電流を検出する電流検出手段と、
    前記相電流の検出値が電流指令値に一致するように電圧指令値を演算する電流調節手段と、
    前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差に基づいて前記誘導電動機の二次磁束のq軸成分の微分値を演算する磁束微分値演算手段と、
    前記誘導電動機のフリーラン時における前記誘導電動機への直流電流の通流開始時刻から一定期間、前記二次磁束のq軸成分の微分値の傾きを演算する傾き演算手段と、
    前記傾きを逐次平均化して傾き平均値を演算する平均値演算手段と、
    前記傾き平均値を、前記誘導電動機の励磁インダクタンスと二次時定数の逆数と前記直流電流との積により除算して第1の速度推定値を演算する手段と、
    前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算開始時刻までの第1の時間と前記第1の速度推定値とを乗算して第1の角度を求めると共に、前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算終了時刻までの第2の時間と前記第1の速度推定値とを乗算して第2の角度を求める手段と、
    前記第2の角度から前記第1の角度を減算した値を、前記第2の角度のsin成分と前記第1の角度のsin成分との差により除算して補償係数を求め、前記補償係数を用いて前記第1の速度推定値を補正することにより前記誘導電動機の初期速度推定値を求める手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 直流電圧を可変電圧可変周波数の三相交流電圧に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、
    前記誘導電動機の相電流を検出する電流検出手段と、
    前記相電流の検出値が電流指令値に一致するように電圧指令値を演算する電流調節手段と、
    前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差に基づいて前記誘導電動機の二次磁束のq軸成分の微分値を演算する磁束微分値演算手段と、
    前記誘導電動機のフリーラン時における前記誘導電動機への直流電流の通流開始時刻から一定期間、前記二次磁束のq軸成分の微分値の傾きを演算する傾き演算手段と、
    前記傾きを逐次平均化して傾き平均値を演算する平均値演算手段と、
    前記傾き平均値を、前記誘導電動機の励磁インダクタンスと二次時定数の逆数と前記直流電流との積により除算して第1の速度推定値を演算する手段と、
    前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算開始時刻までの第1の時間と前記第1の速度推定値を初期値とする変数とを乗算して第1の角度を求めると共に、前記通流開始時刻から前記平均値演算手段による演算終了時刻までの第2の時間と前記変数とを乗算して第2の角度を求める手段と、
    前記第2の時間と前記第1の時間との差と前記第1の速度推定値との乗算結果と、前記第2の角度のsin成分から前記第1の角度のsin成分を減算した値と、の差を求める速度偏差関数を生成し、前記変数を逐次更新しながら求めた前記速度偏差関数の絶対値が所定値を下回った時の前記変数を前記誘導電動機の初期速度推定値とする手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した誘導電動機の制御装置において、
    前記誘導電動機の二次インダクタンスを励磁インダクタンスにより除算した値と、前記電力変換器の出力電圧のq軸成分と前記誘導電動機の一次抵抗による電圧降下分との差と、を乗算した値を、前記二次磁束のq軸成分の微分値として用いることを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した誘導電動機の制御装置において、
    前記誘導電動機の二次時定数の逆数と前記通流開始時刻からの経過時間との積を累乗数とする指数関数と、前記二次磁束のq軸成分の微分値との乗算結果を、前記傾き演算手段への入力としたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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