JP6135753B2 - 末端基変換方法および末端安定化方法 - Google Patents

末端基変換方法および末端安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、末端基変換方法および末端安定化方法に関する。
従来より耐熱性、耐薬品性等に優れる含フッ素重合体は、様々の用途に使用されている。含フッ素重合体には、重合開始剤、連鎖移動剤等が重合体の末端に結合した不安定末端基が存在するため、含フッ素重合体を成形する際または高温下での使用において、該不安定末端基の分解により装置を腐食させたり含フッ素重合体自身が着色したりすることがある。また、該不安定末端基を含むことで、含フッ素重合体が本来持つ耐紫外線性、耐薬品性、光学特性等を損なうことがある。
かかる問題を解決するために、重合で得た含フッ素重合体をフッ素ガスの存在下フッ素化して、不安定末端基をペルフルオロメチル基(−CF)に変換する方法が知られている(特許文献1)。
特開2003−313236号公報
近年、光導波路材料、電線被覆材、撥インク剤(例えば塗装用、インクジェット等の印刷機器用)、撥油剤(例えばフィルターの防油コート、流体軸受けモーターのオイル染み出し防止剤等の高性能撥油剤)、レンズ材料、半導体素子用接着剤(例えばLOC(リードオンチップ)、テープ用接着剤、ダイボンド用接着剤、ペリクル膜固定用接着剤)、半導体用保護コート(例えばバッファコート膜、パッシベーション膜、半導体素子α線遮蔽膜、防湿コート剤)、層間絶縁膜(例えば半導体素子用、液晶表示体用、多層配線板用)、光学薄膜等の用途においては、特に高い耐紫外線性、耐薬品性、光学特性が要求されている。本発明者によれば、特許文献1に記載の方法においては、不安定末端基からペルフルオロメチル基への変換が不充分であり、上記用途に使用できない場合があった。
本発明は、含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換する末端基変換方法の提供を目的とする。また、本発明は、含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換し、該カルボン酸フロリド基をフッ素化する末端安定化方法の提供を目的とする。
本発明は、下記[1]〜[]の構成を有する末端基変換方法および末端安定化方法を提供する。
[1]含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上800モル以下の分子状酸素の存在下、前記含フッ素重合体を200〜400℃で1時間以上24時間以下加熱し、前記不安定末端基の50〜100モル%をカルボン酸フロリド基に変換することを特徴とする末端基変換方法。
[2]前記分子状酸素を、前記不安定末端基の1モルに対して5〜300mol/時間の割合で供給する、[1]の末端基変換方法。
[3]前記不安定末端基が、単量体を重合して含フッ素重合体を製造する際に使用された、重合開始剤、連鎖移動剤および分散安定剤からなる群から選択される少なくとも1種に由来する基である、[1]または[2]の末端基変換方法。
[4]前記含フッ素重合体が、主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体である、[1]〜[3]のいずれかの末端基変換方法。
[5]含フッ素重合体がペルフルオロ含フッ素重合体である、[1]〜[4]のいずれかの末端基変換方法。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかの方法で含フッ素重合体の不安定末端基の50〜100モル%を変換してカルボン酸フロリド基とし、次に、不活性ガスにより0.1〜5モル%に希釈した分子状フッ素を反応させてカルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する、含フッ素重合体の末端安定化方法。
[7]カルボン酸フロリド基を有する含フッ素重合体の溶液にフッ素ガスを溶解させて反応させる、[6]の含フッ素重合体の末端安定化方法。
[8]前記カルボン酸フロリド基と分子状フッ素とを、170〜230℃の反応温度で10〜100時間反応させてカルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する、[6]または[7]の含フッ素重合体の末端安定化方法。
本発明の末端基変換方法および末端安定化方法は、含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換できる。
本発明の含フッ素重合体の末端安定化方法は、含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でペルフルオロメチル基に変換できる。
加熱に使用される加熱炉の例を示す図である。
本明細書において、「含フッ素重合体」とは、その構造中にフッ素原子を有する重合体である。フッ素原子は、主鎖を構成する炭素原子に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよい。
「単位」は、単量体に由来する、重合体を構成する繰り返し部分を意味する。
本明細書において、式(1)で表される化合物を「化合物(1)」とも記す。他の式で表される単位、化合物等についても同様に記し、例えば式(3−1)で表される単位を「単位(3−1)」とも記す。
本発明の末端基変換方法では、含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上の分子状酸素の存在下、200〜400℃で1時間以上加熱し、不安定末端基の50〜100モル%をカルボン酸フロリド基に変換する。
含フッ素重合体の不安定末端基の安定化方法としては、上述したように、重合で得た含フッ素重合体をフッ素ガスの存在下フッ素化する方法が知られている。不安定末端基は後述するように重合開始剤、連鎖移動剤、分散安定剤等に由来する基であり、種々の構造を有しているため、全ての不安定末端基を安定なペルフルオロメチル基に変換することが困難であった。本発明においては、まずは重合で得た含フッ素重合体を加熱して、不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換させる。加熱条件を、不安定末端基の1モルに対して50モル以上の分子状酸素の存在下、上記含フッ素重合体を200〜400℃で1時間以上加熱とすることで、不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換できる。次いで該カルボン酸フロリド基をフッ素化して、ペルフルオロメチル基に高い変換率で変換できる。これにより、含フッ素重合体の不安定末端基の安定化を効率的に行えることを見出した。
[含フッ素重合体]
本発明における含フッ素重合体としては、テトラフルオロエチレン−フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(「PFA」ともいう。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(「FEP」ともいう。)、テトラフルオロエチレン−フルオロ(アルキルビニルエーテル)−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(「EPA」ともいう。)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(「ETFE」ともいう。)、ポリビニリデンフルオライド(「PVDF」ともいう。)、ポリビニルフルオライド(「PVF」ともいう。)、ポリクロロトリフルオロエチレン(「PCTFE」ともいう。)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(「ECTFE」ともいう。)、主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体等が挙げられる。これら含フッ素重合体は、末端基を除き、炭素原子に結合した水素原子を実質的に含まない含フッ素重合体(以下、「ペルフルオロ含フッ素重合体」ともいう。)であることが好ましい。
また、本発明における含フッ素重合体は、主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体であることが好ましく、特に主鎖に脂肪族環を有するペルフルオロ含フッ素重合体が好ましい。主鎖に脂肪族環を有するペルフルオロ含フッ素重合体は、非晶質性が高く、光学的透明性が高い含フッ素重合体である。
「主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体」において、「主鎖に脂肪族環を有する」とは、脂肪族環の環骨格を構成する炭素原子のうち、少なくとも1つが、含フッ素重合体の主鎖を構成する炭素原子であることを意味する。
例えば、含フッ素重合体が、重合性二重結合を有する単量体の重合により得られたものである場合、重合に用いられた単量体が有する重合性二重結合に由来する炭素原子のうちの少なくとも1つが、前記主鎖を構成する炭素原子となる。例えば含フッ素重合体が、後述するような環状単量体を重合させて得た重合体の場合は、該環状単量体が有する重合性二重結合を構成する2個の炭素原子が主鎖を構成する炭素原子となる。また、2個の重合性二重結合を有する単量体を環化重合させて得た含フッ素重合体の場合は、2個の重合性二重結合を構成する4個の炭素原子のうちの少なくとも2個が主鎖を構成する炭素原子となる。
「脂肪族環」とは、芳香族性を有さない環を示す。脂肪族環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。脂肪族環は、環骨格が、炭素原子のみから構成される炭素環であってもよく、環骨格に、炭素原子以外の原子(ヘテロ原子)を含む複素環であってもよい。該ヘテロ原子としては酸素原子、窒素原子等が挙げられる。
脂肪族環の環骨格を構成する原子の数は、4〜7個が好ましく、5〜6個が特に好ましい。すなわち、脂肪族環は4〜7員環が好ましく、5〜6員環が特に好ましい。
脂肪族環は置換基を有していてもよく、有さなくてもよい。「置換基を有していてもよい」とは、該脂肪族環の環骨格を構成する原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合してもよいことを意味する。
脂肪族環は、フッ素原子を含む脂肪族環であることが好ましい。フッ素原子を含む脂肪族環としては、脂肪族環の環骨格を構成する炭素原子に、フッ素原子やフッ素原子を含む置換基が結合した脂肪族環が挙げられる。フッ素原子を含む置換基としては、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基、ジフルオロメチリデン基(=CF)等が挙げられる。
また、脂肪族環は、フッ素原子を含む置換基以外の置換基を有していてもよい。
主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体としては、下記重合体(I)、重合体(II)が挙げられる。これら含フッ素重合体はペルフルオロ含フッ素重合体であることが好ましい。
重合体(I):環状含フッ素単量体に基づく単位を有する重合体。
重合体(II):ジエン系含フッ素単量体の環化重合により形成される単位を有する重合体。
重合体(I)は、環状含フッ素単量体に基づく単位を有する。「環状含フッ素単量体」とは、脂肪族環を構成する炭素原子間に重合性二重結合を有する単量体、または、脂肪族環を構成する炭素原子と脂肪族環外の炭素原子との間に重合性二重結合を有する単量体である。
環状含フッ素単量体としては、下記の化合物(1)または化合物(2)が好ましい。化合物(1)および化合物(2)はペルフルオロ化合物、すなわち炭素原子に結合した水素原子を有しない化合物である。
Figure 0006135753
[式中、X、X、X、X、YおよびYは、それぞれ独立に、フッ素原子、酸素原子が介在してもよいペルフルオロアルキル基、または酸素原子が介在してもよいペルフルオロアルコキシ基を表す。または、XおよびXは相互に結合してエーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基を表す。]
、X、X、X、YおよびYにおけるペルフルオロアルキル基は、炭素数が1〜7であることが好ましく、炭素数が1〜4であることが特に好ましい。該ペルフルオロアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、直鎖状が特に好ましい。具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられ、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
、X、X、X、YおよびYにおけるペルフルオロアルコキシ基としては、上記ペルフルオロアルキル基に酸素原子(−O−)が結合したものが挙げられ、トリフルオロメトキシ基が特に好ましい。
上記ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルコキシ基の炭素数が2以上である場合、該ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルコキシ基の炭素原子間にエーテル性酸素原子(−O−)を有してもよい。
式(1)中、Xは、フッ素原子であることが好ましい。Xは、フッ素原子、トリフルオロメチル基、または炭素数1〜4のペルフルオロアルコキシ基であることが好ましく、フッ素原子またはトリフルオロメトキシ基であることが特に好ましい。XおよびXは、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であることが特に好ましい。
およびXが相互に結合してエーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基を表す場合、1個の炭素原子、XおよびXから形成される環の環骨格を構成する原子の数は、4〜7個が好ましく、5〜6個であることが特に好ましい。
化合物(1)の好ましい具体例として、化合物(1−1)〜(1−5)が挙げられる。
Figure 0006135753
式(2)中、YおよびYは、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜4のペルフルオロアルコキシ基が好ましく、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が特に好ましい。
化合物(2)の好ましい具体例として、化合物(2−1)〜(2−2)が挙げられる。
Figure 0006135753
化合物(1)と化合物(2)はそれぞれ1個の重合性二重結合を有し、それら二重結合の2個の炭素原子が重合体の主鎖を構成する炭素原子となる。化合物(1)の場合、その二重結合を構成する2個の炭素原子は同時に脂肪族環を構成する炭素原子であるから、脂肪族環を構成する炭素原子のうちの2個の炭素原子が主鎖を構成する炭素原子となる。一方、化合物(2)の場合、その二重結合を構成する2個の炭素原子のうちの1個が脂肪族環を構成する炭素原子であるから、脂肪族環を構成する炭素原子のうちの1個の炭素原子が主鎖を構成する炭素原子となる。
重合体(I)は、上記環状含フッ素単量体により形成される単位のみから構成されてもよく、該単位と、それ以外の他の単位とを有する共重合体であってもよい。ただし、該重合体(I)中、環状含フッ素単量体に基づく単位の割合は、該重合体(I)を構成する全単位の合計に対し、20モル%以上が好ましく、40モル%以上が特に好ましく、100モル%であってもよい。
該他の単量体としては、上記環状含フッ素単量体と共重合可能なものであればよく、特に限定されない。具体的には、ジエン系含フッ素単量体、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)等が挙げられる。ジエン系含フッ素単量体としては、後述する重合体(II)の説明で挙げるものと同様のものが挙げられる。
他の単量体としては、ペルフルオロ単量体、すなわち炭素原子に結合した水素原子を含まない含フッ素単量体であることが好ましい。特に、後述のペルフルオロジエン系含フッ素単量体やテトラフルオロエチレンが好ましい。
なお環状含フッ素単量体とジエン系含フッ素単量体との共重合により得られる重合体は重合体(I)として考える。
重合体(II)は、ジエン系含フッ素単量体の環化重合により形成される単位を有する。
「ジエン系含フッ素単量体」とは、2個の重合性二重結合およびフッ素原子を有する単量体である。該重合性二重結合としては、特に限定されないが、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基における重合性二重結合が好ましい。
ジエン系含フッ素単量体はペルフルオロジエン系含フッ素単量体、すなわち炭素原子に結合した水素原子を含まないジエン系含フッ素単量体が好ましい。
ペルフルオロジエン系含フッ素単量体としては、下記化合物(3)が好ましい。
CF=CF−Q−CF=CF ・・・(3)。
式(3)中、Qは、エーテル性酸素原子を有していてもよく、フッ素原子の一部がフッ素原子以外のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5、好ましくは1〜3の、分岐を有してもよいペルフルオロアルキレン基である。該フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
Qはエーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。その場合、該ペルフルオロアルキレン基におけるエーテル性酸素原子は、該基の一方の末端に存在していてもよく、該基の両末端に存在していてもよく、該基の炭素原子間に存在していてもよい。環化重合性の点から、該基の一方の末端に存在していることが好ましい。
化合物(3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
CF=CFOCFCF=CF
CF=CFOCF(CF)CF=CF
CF=CFOCFCFCF=CF
CF=CFOCFCF(CF)CF=CF
CF=CFOCF(CF)CFCF=CF
CF=CFOCFClCFCF=CF
CF=CFOCClCFCF=CF
CF=CFOCFOCF=CF
CF=CFOC(CFOCF=CF
CF=CFOCFCF(OCF)CF=CF
CF=CFCFCF=CF
CF=CFCFCFCF=CF
CF=CFCFOCFCF=CF
化合物(3)の環化重合により形成される単位として、下記単位(3−1)〜(3−4)等が挙げられる。
Figure 0006135753
化合物(3)は2個の重合性二重結合を有し、それら二重結合の合計4個の炭素原子のうちの4個または2個が重合体の主鎖を構成する炭素原子となり、また4個の炭素原子のうちの2〜4個がQとともに脂肪族環を形成する。上記単位(3−1)〜(3−4)のうち単位(3−1)〜(3−3)は二重結合の4個の炭素原子のうちの4個が主鎖を構成する炭素原子となることを示し、単位(3−4)は二重結合の4個の炭素原子のうちの2個が主鎖を構成する炭素原子となることを示している。また、単位(3−1)の場合は2個の炭素原子とQが脂肪族環を形成し、単位(3−2)および単位(3−3)の場合は3個の炭素原子とQが脂肪族環を形成し、単位(3−4)の場合は4個の炭素原子とQが脂肪族環を形成している。
本発明における含フッ素重合体の数平均分子量(Mn)は、3千〜30万が好ましく、5千〜20万が特に好ましい。Mnが前記範囲の下限値以上であると、含フッ素重合体が脆くなりにくく、上限値以下であると、溶媒への溶解性および成形性に優れる。
本発明における含フッ素重合体の製造には、重合開始剤を用いることが好ましい。分子量を制御できる点で連鎖移動剤を併用してもよい。
重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知の化合物が使用できる。例えば、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハイドレート、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルパレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルパレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシパレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ化合物、ビスステアロイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、パラ−メンタンヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシビパレート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルジペルオキシフタレート、t−ブチルペルオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、ジ−ペルフルオロブタノイックペルオキシド、ジ−ペルフルオロ3−オキサ−2−メチルヘキサノイックペルオキシド、ジ−ペルフルオロナノイックペルオキシド等の有機ペルオキシド、K、(NH等の無機ペルオキシド等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、公知の化合物が使用できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類や、シクロヘキサン等のシクロアルカン類が挙げられる。
本発明における含フッ素重合体の不安定末端基としては、単量体を重合して含フッ素重合体を製造する際に使用された重合開始剤、連鎖移動剤、分散安定剤、単量体等に由来する残基が挙げられる。特に、重合開始剤、連鎖移動剤および分散安定剤からなる群から選択される少なくとも1種に由来する基が不安定末端基となりやすい。
不安定末端基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基等の活性水素を有する官能基、カルボン酸ハライド、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等のカルボン酸から誘導される基、カーボネート基、スルホン酸ハライド、スルホン酸アミド、スルホン酸エステル等のスルホン酸から誘導される基、炭化水素基、水素等が挙げられる。例えば、重合開始剤であるジイソプロピルペルオキシジカーボネート由来の(CHCHOC(=O)O−、連鎖移動剤であるメタノール由来のHO−CH−、含フッ素単量体由来の水素等が例示される。分散安定剤は、重合を懸濁重合にて行う場合に分散性を安定させるために使用する化合物である。
含フッ素重合体が該不安定末端基を有すると、含フッ素重合体を成形する際または高温下での使用において、該不安定末端基が分解し、装置を腐食させたり、含フッ素重合体自身が着色することがある。
[末端基変換方法]
本発明の末端基変換方法は、上述した含フッ素重合体中の不安定末端基を、カルボン酸フロリド基に変換する方法である。
本発明の末端基変換方法においては、含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上の分子状酸素の存在下で、分子状酸素を含フッ素重合体に接触させながら加熱を行う。また、上記加熱の温度は200〜400℃であり、加熱時間は1時間以上である
加熱温度は、250〜380℃が好ましく、250〜350℃が特に好ましい。加熱温度が前記範囲の下限値以上であると高い変換率が得られる。また、得られる含フッ素重合体の光透過率を高くできる。前記範囲の上限値以下であると含フッ素重合体が主鎖で分解しにくい点で好ましい。
加熱時間は、1〜24時間が好ましく、1〜20時間が特に好ましい。加熱時間が前記範囲の下限値以上であると高い変換率であり、前記範囲の上限値以下であると含フッ素重合体が主鎖で分解しにくくおよび製造コストが著しく高くならない点で優れる。
加熱は、含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上の分子状酸素の存在下で行う。分子状酸素は、不安定末端基の1モルに対して分子状酸素は、50〜800モルが好ましく、50〜500モルが特に好ましい。前記範囲の下限値以上であると高い変換率であり、前記範囲の上限値以下であると製造コストが著しく高くならない点で優れる。
分子状酸素は、酸素ガスを使用してもよく、空気を使用してもよい。分子状酸素が上記範囲であれば、それ以外の気体は、含フッ素重合体が分解しない気体であれば特に問わない。安価かつ安全性の点から窒素等の不活性ガスや空気であることが好ましい。
上記加熱は、例えば電気オーブン等の加熱炉により行うことが好ましい。加熱炉内の気体は、循環させてもよいし、循環しなくてもよい。また、外部から新たな分子状酸素を含む気体を供給してもよい。加熱炉内の気体を循環させながら新たな分子状酸素を含む気体を供給してもよい。
加熱炉内の気体を循環させながら新たな分子状酸素を含む気体を供給する装置の例を図1に示す。図1において、加熱炉10には、炉内に空気を供給させるファン12と、ファン12により循環される空気を加熱するヒータ14と、処理対象である含フッ素重合体を収容する容器16を載置する棚18とを備えている。また、加熱炉10には、加熱炉10の外部から新たに空気を供給しながら空気の循環を行うために、吸気ダンパ20と排気ダンパ22とを備える構成が好適である。加熱炉10内に供給する空気量は、吸気ダンパ20と排気ダンパ22との開度を適宜調整することにより行えるが、図示しない流量計を使用して空気の供給量を制御してもよい。加熱炉中の含フッ素重合体の不安定末端基を均一に変換させるためには、加熱炉内の温度は均一であることが望ましく、分子状酸素を含む気体をファン等により循環させることがより好ましい。なお、加熱炉10内は邪魔板を付けて空気の流れを強制的に作成してもよく、撹拌装置で空気をかき回してもよい。
上記加熱炉10内で含フッ素重合体を加熱する場合には、吸気ダンパ20と排気ダンパ22とを閉じた状態で、すなわち加熱炉10内に外部からの空気の供給を行わずに、加熱の開始時に加熱炉10内に存在した空気(分子状酸素)のみで加熱する方法(以下、「空気非供給処理」ともいう。)と、吸気ダンパ20と排気ダンパ22とを適宜開き、加熱炉10の外部の空気を加熱炉10内に供給しながら加熱する方法(以下、「空気供給処理」ともいう。)とがある。
以上に述べた空気非供給処理と空気供給処理とを比較すると、空気非供給処理では、加熱において、含フッ素重合体中の不安定末端基に対してモル比で50倍以上の分子状酸素を存在させる必要があるので、加熱炉10を大型化するか、1回の含フッ素重合体の処理量を少なくする必要がある。一方、空気供給処理では、加熱中に供給する分子状酸素が含フッ素重合体中の不安定末端基に対してモル比で50倍以上とすればよいので、加熱炉10を小型化することができるので、好ましい。
空気非供給処理の場合には、予め加熱炉10内に存在した空気中の分子状酸素の量が、不安定末端基の1モルに対して50モル以上となるように加熱炉10の容積および処理対象の含フッ素重合体の量を調整する。また、空気供給処理の場合には、加熱前に加熱炉10内に存在した空気中の分子状酸素と加熱中に供給する空気中の分子状酸素の合計量が、不安定末端基の1モルに対して50モル以上となるように加熱炉10の容積、処理対象の含フッ素重合体の量および空気の供給量を調整する。また、空気の供給は、不安定末端基の1モルに対して5〜300mol/時間の割合で行うことが好ましい。
容器16の材質は、加熱温度中で耐えるものであれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。容器16の形状は特に限定されないが、効率良く分子状酸素に触れることができる点で、口が広いことが好ましい。また、容器16の中に入れる含フッ素重合体の厚さは、効率良く分子状酸素に触れることができる点で、1〜2mmであることが好ましい。
[末端安定化方法]
本発明の末端安定化方法は、上述の末端基変換方法により重合で得られた含フッ素重合体の不安定末端基の50〜100モル%を変換してカルボン酸フロリド基とし、次に、分子状フッ素を反応させて、該カルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する方法である。上述のように、本発明の末端基変換方法により、含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換でき、該カルボン酸フロリド基を高い変換率でペルフルオロメチル基に変換できるため、結果として含フッ素重合体の不安定末端基を高い変換率でペルフルオロメチル基に変換できる。
含フッ素重合体のカルボン酸フロリド基を分子状フッ素と反応させてペルフルオロメチル基に変換する方法としては、カルボン酸フロリド基を有する含フッ素重合体を溶媒に溶解させた溶液にフッ素ガスを溶解させ、溶液中で分子状フッ素をカルボン酸フロリド基に反応させてカルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する方法が好ましい。また、カルボン酸フロリド基を有する含フッ素重合体の溶液(以下、「含フッ素重合体溶液」ともいう。)とフッ素ガスを溶媒に溶解させた分子状フッ素の溶液とを混合して、同様に反応させることもできる。この反応に使用される溶媒としては、含フッ素重合体の溶解性が高くかつ分子状フッ素に不活性な溶媒が使用され、ペルフルオロトリアルキルアミン等の炭素原子に結合した水素原子を有しない含フッ素溶媒が好ましい。
含フッ素溶媒に溶解した含フッ素重合体と分子状フッ素との反応は発熱反応であり、また、分子状フッ素はその反応に用いる容器材質に対しても非常に活性が高いので、フッ素ガスは不活性ガス、例えば窒素ガスによって希釈して用いることが好ましい。フッ素ガス濃度が低すぎると生産効率が低下するため、フッ素ガスと不活性ガスとの混合ガス中のフッ素ガスの割合は0.1〜20モル%が好ましく、0.5〜5モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体溶液における含フッ素重合体濃度は、高すぎると溶液の粘度が高くなり、反応効率反応の均一性が低下し、また除熱が困難になり異常反応が生じるおそれがあり、低すぎると生産効率が低下する。したがって、含フッ素重合体濃度は1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
含フッ素重合体の1gに対するフッ素ガスの供給割合は、通常、標準状態において10〜100ミリリットルであることが好ましい。フッ素ガスは回分式に供給してもよく、連続的に供給してもよい。反応圧力は任意であるが、常圧〜2MPaGが好ましい。反応温度は通常100〜300℃であるが、実用的な処理時間を考慮すると、170℃以上が好ましく、かつ容器の耐圧、安全性を考慮すると、230℃以下が好ましい。反応時間は反応温度が低い場合には長く、反応温度が高い場合に短くなる。反応温度が170〜230℃の場合、反応時間は10〜100時間が適当である。
カルボン酸フロリド基は、水と反応させてカルボン酸に変換し、一方でメタノールと反応させてメチルエステル基に変換することができる。該メチルエステル基から、エステル交換反応等により、様々な官能基を含フッ素重合体の末端に導入することもできる。含フッ素重合体中の不安定末端基を高い変換率でカルボン酸フロリド基に変換できることで、末端を種々の末端基に高い変換率で変換できる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。例1〜5、8および11は実施例、例6〜7および9〜10は比較例である。
本実施例および比較例における含フッ素重合体の製造方法、加熱方法、末端基量の測定方法については、下記に記載した方法で実施した。
[含フッ素重合体の末端基濃度の測定]
(1)本発明の末端基変換方法による加熱前の含フッ素重合体の不安定末端基濃度の測定方法
加熱前の不安定末端基濃度は、H−NMRより求めた。含フッ素重合体と標準物質としてのp−ヘキサフルオロキシレンとを100:1(質量比)の比率でペルフルオロベンゼンに溶解し、測定用サンプルとした。p−ヘキサフルオロキシレン由来のピークの面積と、各不安定末端基由来のピーク(イソプロピル基のCHが5ppm付近、HO−CH−中のCHが4.3ppm付近、CFH−中のHが6.5ppm付近等。)の面積との比より各不安定末端基の濃度(mol/g)を求め、その合計を加熱前末端基濃度として求めた。
(2)本発明の末端基変換方法による加熱後のカルボン酸フロリド基(−COF)濃度の測定方法
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Nicolet iS10 FT−IR」を用いて、含フッ素重合体の圧縮成形フィルム(厚さ200μm)の赤外線吸収スペクトルを測定した。1,883cm−1の吸光度を求め、カルボン酸フロリド基の官能基濃度(mol/g)をランベルト−ベール式より算出した。
カルボン酸フロリド基濃度(mol/g)=吸光度×補正係数(mol×mm/g)/圧縮成形フィルムの厚さ(mm)
補正係数は、カルボン酸フロリド基濃度(mol/g)が既知の化合物の赤外線吸収スペクトルより求め、9×10−6(mol×mm/g)とした。
(3)カルボン酸フロリド基変換率(%)の計算方法
上記(加熱後のカルボン酸フロリド基濃度)/(加熱前の不安定末端基濃度)から計算した。
[光透過率の測定]
紫外可視近赤外分光光度計 UV3100PC(島津製作所製)を用いて、含フッ素重合体の圧縮成形フィルム(厚さ200μm)の透過率を波長200〜800nmの範囲で測定し、透明性を波長300nmの透過率で評価した。
[合成例1]
ペルフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)の135kg、イオン交換水の180kg、分散安定剤(日本乳化剤社製、商品名:ニューコール714SN)の5.1kg、連鎖移動剤としてのメタノールの15.7kgおよび重合開始剤としてのジイソプロピルペルオキシジカーボネートの0.3kgを、内容積300Lのガラスライニングの反応器に入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で20時間、50℃で6時間懸濁重合を行い、含フッ素重合体Aを得た。次いで、得られた含フッ素重合体Aの粒子をろ過により回収し、メタノール、水により洗浄した後、100℃で乾燥し、ペルフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)およびメタノールに起因する末端基を有する含フッ素重合体Aの125kg(数平均分子量(Mn):45,000、質量平均分子量(Mw):100,000。平均分子量の測定はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)により、PMMA換算で行った。)を得た。
[例1]
含フッ素重合体Aの15kgを、内容積630Lのオーブン(加熱炉)内にて、900L/時間で空気を供給しながら、345℃で10時間加熱(空気供給処理)し、含フッ素重合体(B−1)を得た。含フッ素重合体(B−1)の圧縮成形フィルム(厚さ200μm)の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、1,883cm−1にカルボン酸フロリド基に起因する吸収ピークが確認された。また、同フィルムの波長300nmにおける透過率を測定したところ、91%と高い透過率であった。各種条件、評価結果を表1に示す。なお、表1において、実施例1の「酸素量」とは、オーブン内に加熱前に存在した空気中の酸素量と流通させた空気中の酸素量との総和である。また、「加熱前の不安定末端基濃度」とは、不安定末端基の濃度である。また「カルボン酸フロリド基変換率」とは、不安定末端基がカルボン酸フロリド基に変換した割合であり、上述の方法で求めた。
[例2〜4]
空気の供給量を表1に示した値とした以外は例1と同様にして、含フッ素重合体(B−2)〜(B−4)を得た。含フッ素重合体(B−1)の代わりに含フッ素重合体(B−2)〜(B〜4)を用いて圧縮成形フィルムを製造し、赤外線吸収スペクトルおよび波長300nmでの透過率を測定した。各種条件、評価結果を表1に示す。
[例5]
含フッ素重合体Aの1.5kgを、内容積630Lのオーブン内にて、300℃で10時間加熱(空気非供給処理)し、含フッ素重合体(B−5)を得た。含フッ素重合体(B−1)の代わりに含フッ素重合体(B−5)を用いた以外は例1と同様にして圧縮成形フィルムを製造し、赤外線吸収スペクトルおよび波長300nmでの透過率を測定した。各種条件、評価結果を表1に示す。なお、表1において、例5の「酸素量」は、オーブン内に加熱前に存在した空気中の酸素量である。
[例6]
含フッ素重合体Aの質量を15kgとし、加熱温度を345℃とした以外は例5と同様にして、含フッ素重合体(B−6)を得た。含フッ素重合体(B−1)の代わりに含フッ素重合体(B−6)を用いた以外は例5と同様にして圧縮成形フィルムを製造し、赤外線吸収スペクトルおよび波長300nmでの透過率を測定した。評価結果を表1に示す。
[例7]
含フッ素重合体Aの15kgを、例5と同じオーブン内にて、320℃で0.83時間加熱(空気非供給処理)し、含フッ素重合体(B−7)を得た。含フッ素重合体(B−1)の代わりに含フッ素重合体(B−7)を用いた以外は例5と同様にして圧縮成形フィルムを製造し、赤外線吸収スペクトルおよび波長300nmでの透過率を測定した。各種条件、評価結果を表1に示す。
[例8]
ニッケル製2Lのオートクレーブを−760Torrまで減圧した後、例1で得た含フッ素重合体(B−1)をペルフルオロトリブチルアミン(PTBA)中に溶解して濃度9質量%に調整した溶液の2,150gを減圧仕込みした。次いで、オートクレーブ内に窒素ガスで濃度2%に希釈したフッ素ガスを0.8MPaGまで導入し、195℃で10時間撹拌する処理を2回行い、含フッ素重合体(C−1)を得た。含フッ素重合体(C−1)の圧縮成形フィルム(厚さ200μm)の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、カルボン酸フロリド基に由来する1,883cm-1の特性吸収が認められなかった。すなわち含フッ素重合体(B−1)中のカルボン酸フロリド基の100モル%がペルフルオロメチル基に変換したことを確認した。
[例9]
含フッ素重合体(B−1)を合成例1で得た含フッ素重合体Aに代えた以外は、例8と同様にしてフッ素化反応を行い、含フッ素重合体(C−2)を得た。含フッ素重合体(C−2)と標準物質としてのp−ヘキサフルオロキシレンとを100:1(質量比)の比率でペルフルオロベンゼンに溶解し、H−NMR測定し、残存した不安定末端基量を算出した。その結果、含フッ素重合体A中の不安定末端基の20モル%しかペルフルオロメチル基に変換できていなかったことを確認した。
[例10〜11]
含フッ素重合体Aの質量を15kgとし、加熱温度を180℃、250℃とした以外は例5と同様にして、含フッ素重合体(B−10)、(B−11)を得た。含フッ素重合体(B−1)の代わりに含フッ素重合体(B−10)、(B−11)を用いた以外は例5と同様にして圧縮成形フィルムを製造し、赤外線吸収スペクトルおよび波長300nmでの透過率を測定した。各種条件、評価結果を表1に示す。
Figure 0006135753
本発明の末端基変換方法を用いた例1〜5および11は、カルボン酸フロリド基変換率が50〜100%であった。
一方、分子状酸素が、含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル未満である例6〜7は、カルボン酸フロリド基変換率が50%未満であった。なお、例7は、分子状酸素の不足に加え加熱時間が1時間未満と短時間であったため、カルボン酸フロリド基変換率が最も低い。
本発明の末端安定化方法を用いた例8は、重合で得た含フッ素重合体の不安定末端基を高い変換率で安定化することができた。
一方、本発明の末端安定化方法を用いなかった例9では、重合で得た含フッ素重合体の不安定末端基の安定化が不充分であった。
分子状酸素が、含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上であっても、180℃で反応した例10では、重合で得た含フッ素重合体の不安定末端基の安定化が全く進まなかった。
含フッ素重合体を光学材料として使用する場合、光透過率は高いことが望ましい。波長300nmでの透過率が88%未満であると、着色して見えてしまうため、透過率は88%以上であることが好ましい。例1〜5および11で得た含フッ素重合体の透過率はいずれも88%以上であり、光学材料として使用することができる。
本発明で得られる含フッ素重合体の用途としては、光導波路材料、光ファイバーのコア/クラッド材、電線被覆材、撥インク剤(例えば塗装用、インクジェット等の印刷機器用)、撥油剤(例えばフィルターの防油コート、流体軸受けモーターのオイル染み出し防止剤等の高性能撥油剤、防汚コート)、潤滑材、レンズ材料、LED封止材、半導体素子用接着剤(例えばLOC(リードオンチップ)、テープ用接着剤、ダイボンド用接着剤、ペリクル膜固定用接着剤)、半導体用保護コート(例えばバッファコート膜、パッシベーション膜、半導体素子α線遮蔽膜、防湿コート剤)、層間絶縁膜(例えば半導体素子用、液晶表示体用、多層配線板用)、タンパク質等の生体物質付着防止コート、ガス選択分離膜等が挙げられる。波長300nmにおける透過率が88%以上にできることから、特に高い透過率が要求される、レンズ、光ファイバー、LED封止材、光学薄膜等の光学用途にも使用できる。
なお、2013年3月27日に出願された日本特許出願2013−066015号の明細書、特許請求の範囲、要約書および図面の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
10 加熱炉、12 ファン、14 ヒータ、16 容器、18 棚、20 吸気ダンパ、22 排気ダンパ。

Claims (8)

  1. 含フッ素重合体の不安定末端基の1モルに対して50モル以上800モル以下の分子状酸素の存在下、前記含フッ素重合体を200〜400℃で1時間以上24時間以下加熱し、前記不安定末端基の50〜100モル%をカルボン酸フロリド基に変換することを特徴とする末端基変換方法。
  2. 前記分子状酸素を、前記不安定末端基の1モルに対して5〜300mol/時間の割合で供給する、請求項1に記載の末端基変換方法。
  3. 前記不安定末端基が、単量体を重合して含フッ素重合体を製造する際に使用された、重合開始剤、連鎖移動剤および分散安定剤からなる群から選択される少なくとも1種に由来する基である、請求項1または2に記載の末端基変換方法。
  4. 前記含フッ素重合体が、主鎖に脂肪族環を有する含フッ素重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の末端基変換方法。
  5. 含フッ素重合体がペルフルオロ含フッ素重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の末端基変換方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法で含フッ素重合体の不安定末端基の50〜100モル%を変換してカルボン酸フロリド基とし、次に、不活性ガスにより0.1〜5モル%に希釈した分子状フッ素を反応させてカルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する、含フッ素重合体の末端安定化方法。
  7. カルボン酸フロリド基を有する含フッ素重合体の溶液にフッ素ガスを溶解させて反応させる、請求項6に記載の含フッ素重合体の末端安定化方法。
  8. 前記カルボン酸フロリド基と分子状フッ素とを、170〜230℃の反応温度で10〜100時間反応させてカルボン酸フロリド基をペルフルオロメチル基に変換する、請求項6または7に記載の含フッ素重合体の末端安定化方法。
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