JP7339830B2 - フッ素樹脂粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
下記一般式(1)で表される残基単位を含み、体積平均粒子径が5μm以上2000μm以下であることを特徴とする樹脂粒子。
[2]
前記体積平均粒子径が5μm以上500μm以下である、[1]に記載の樹脂粒子。
[3]
安息角が5°以上60°以下である、[1]または[2]に記載の樹脂粒子。
[4]
前記樹脂粒子は、沈殿重合物である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
[5]
嵩密度が0.2g/mL以上1.5g/mL以下である、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
[6]
250℃加熱時の重量減少量が1重量%以下である、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
[7]
前記樹脂粒子は、乳化剤および/または分散剤を含有しない、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
[8]
一般式(1)で表される残基単位が一般式(2)で表されるパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)残基単位である、[1]乃至[7]いずれか一項に記載の粒子。
ラジカル重合開始剤、下記一般式(3)で表される単量体および有機溶媒の混合物を重合条件下に置いて、一般式(4)で表される残基単位を含む樹脂を得る工程を有し、
前記有機溶媒は、少なくとも前記単量体は溶解し、かつ重合により生じた樹脂の少なくとも一部は溶解せず、樹脂の沈殿を生じる溶媒であり、
前記重合により生じた樹脂は粒子として有機溶媒中に沈殿する、[1]乃至[7]いずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
[10]
前記有機溶媒は、一般式(3)で表される単量体を溶解し、かつ一般式(4)で表される残基単位を含む樹脂を溶解しない有機溶媒である、[9]に記載の製造方法。
[11]
前記有機溶媒は、一般式(4)で表される残基単位を含む量平均分子量Mwが5×104~70×104の樹脂粒子をこの樹脂粒子に対して10倍量(w/w)の有機溶媒に50℃で5時間以上浸漬した後に、有機溶媒中に肉眼で樹脂粒子の残存が確認できる有機溶媒である、[10]に記載の製造方法。
[12]
前記有機溶媒は、一般式(4)で表される残基単位を含む量平均分子量Mwが5×104~70×104の樹脂粒子をこの樹脂粒子に対して10倍量(w/w)の有機溶媒に50℃で5時間以上浸漬した後に前記溶液を25℃に冷却後に、固体状態として残存する樹脂試料を回収し、樹脂試料の重量減少率が20重量%未満である有機溶媒である、[10]または[11]に記載の製造方法。
[13]
分子内にフッ素原子と水素原子を含む有機溶媒を用いることを特徴とする[9]乃至[12]のいずれか一項に記載の製造方法。
[14]
溶媒分子内の水素原子の含有量が1重量%以上である有機溶媒を用いることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
[15]
一般式(3)で表される単量体が一般式(5)で表されるパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)であり、一般式(4)で表される残基単位が一般式(6)で表されるパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)残基単位である、[9]乃至[13]いずれか一項に記載の製造方法。
<体積平均粒子径>
マイクロトラック社製MT3000を用い、分散媒としてメタノ-ルを使用して体積平均粒子径(単位:μm)を測定した。
マイクロトラック社製MT3000を用い、分散媒としてメタノ-ルを使用して10%粒子径(単位:μm)を測定した。
マイクロトラック社製MT3000を用い、分散媒としてメタノ-ルを使用して90%粒子径(単位:μm)を測定した。
樹脂の形状が粒子状であった場合を良好(〇)、粒子状ではなかった場合を不良(×)とした。
メスシリンダーにおける50mLの標線まで、メスシリンダーに衝撃を加えずに、樹脂粒子を落下させ充填した。この体積50mLあたりの樹脂粒子の重量(g)を計量した。樹脂粒子の重量を体積で除して、嵩密度(g/mL)を算出した。
嵩密度が0.2g/mL以上を良好(〇)、0.2g/mL未満を不良(×)とした。
東ソー(株)製のカラムTSKgel SuperHZM-M、RI検出器を備えたゲルパーミッションクロマトグラフィーを用いて測定を行った。溶離液としてアサヒクリンAK-225(旭硝子株式会社製)に、AK-225に対して10wt%の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(和光純薬工業製)を添加したものを用いた。標準試料としてAgilent製の標準ポリメタクリル酸メチルを用い、試料と標準試料の溶出時間からポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量Mwを算出した。
アルミ製サンプルパン(株式会社日立ハイテクサイエンス社製SSC000E030)にサンプル約10~15mgを秤量し、TG/DTA装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA6200AST2)にて、計装エアー気流下(160mL/min)で40℃から300℃まで10℃/minで昇温し、250℃における重量減少量(1-(250℃におけるサンプル重量)/(秤量したサンプル重量))×100)を求め、250℃加熱重量減少量とした。
サンプル瓶に樹脂粉末を7ml充填し、直径4cmの円形の台(ガラス製)の上に、ガラス製粉末漏斗(アズワン株式会社製、漏斗上部の口径50mm、漏斗下部の口径10mm、漏斗全長100mm、漏斗足部分の高さ40mm)を粉末漏斗の下端が円形の台から4cmの高さとなるよう固定し、漏斗を用い、樹脂粉末を漏斗の上端の高さから落下させ、堆積したときにできる山の斜面の角度(°)を分度器で測定した(比較例については樹脂粉末の流動性が悪いため、粉末漏斗を使用せず樹脂粉末を落下させた。)
アンカー型攪拌翼、窒素導入管および温度計を備えた1LのSUS316製オートクレーブの内部を窒素置換した。開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド1.288g(0.00305モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)150.0g(0.615モル)、沈殿重合溶媒としてアサヒクリンAE-3000(旭硝子製、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、溶媒分子中の水素原子の含有量:1.51重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=7:3(個数比))を1340g加え、攪拌下55℃で24時間保持することで沈殿重合を行った。室温まで冷却し、精製した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することよりパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂粒子(樹脂A)を得た(収率:56%)。得られた樹脂粒子の形状、体積平均粒子径、10%粒子径、90%粒子径および嵩密度、安息角を表1に示す。得られた樹脂粒子は流動性、充填性に優れるものであった。得られた樹脂Aの重量平均分子量Mwは4.4×105であった。
容量75mLのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.017g(0.0000407モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)5.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてヘキサフルオロベンゼン(溶媒分子中の水素原子の含有量:0重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=10:0(個数比))8.2gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル溶液重合を行ったところ、樹脂が溶解した粘稠な液が得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、粘度調整のため樹脂溶液をヘキサフルオロベンゼン36gで希釈して樹脂希釈溶液を作成した。アンカー翼を備えたビーカー中にクロロホルム1Lを加え、攪拌下、前記の樹脂希釈溶液を前記クロロホルム中に加えることで樹脂を析出させ、真空乾燥することにより、パーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂(樹脂D)を得た(収率:61%)。得られた樹脂Dの重量平均分子量Mwは3.5×105であった。得られた樹脂の形状、嵩密度、安息角を表1に示す。樹脂が不定形であるため、体積平均粒子径は測定できなかった。場合は得られた樹脂は流動性、充填性に課題があるものであった。
アンカー型攪拌翼、窒素導入管および温度計を備えた1LのSUS316製オートクレーブの内部を窒素置換した。開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.346g(0.000820モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)100.0g(0.410モル)、沈殿重合溶媒として2,2,2-トリフルオロエタノール(溶媒分子中の水素原子の含有量:3.03重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=5:5(個数比)を890g加え、攪拌下55℃で24時間保持することで沈殿重合を行った。室温まで冷却し、精製した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することよりパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂粒子(樹脂B)を得た(収率:78%)。得られた樹脂粒子の形状、体積平均粒子径、10%粒子径、90%粒子径および嵩密度、安息角を表1に示す。得られた樹脂粒子は流動性、充填性に優れるものであった。得られた樹脂Bの重量平均分子量Mwは1.1×105であった。
アンカー型攪拌翼、窒素導入管および温度計を備えた1LのSUS316製オートクレーブの内部を窒素置換した。開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.519g(0.00123モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)150.0g(0.615モル)、沈殿重合溶媒としてクロロホルムを1150g加え、攪拌下55℃で24時間保持することで沈殿重合を行った。室温まで冷却し、精製した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することよりパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂粒子(樹脂C)を得た(収率:19%)。得られた樹脂粒子の形状、体積平均粒子径、10%粒子径、90%粒子径および嵩密度、安息角を表1に示す。得られた樹脂粒子は流動性、充填性に優れるものであった。得られた樹脂Cの重量平均分子量Mwは7.0×103であった。
アンカー型攪拌翼、窒素導入管および温度計を備えた1LのSUS316製オートクレーブの内部を窒素置換した。開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド1.038g(0.00246モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)300.0g(1.23モル)、沈殿重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、溶媒分子中の水素原子の含有量:1.55重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=7:3(個数比))を1200g加え、攪拌下55℃で24時間保持することで沈殿重合を行った。室温まで冷却し、精製した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することよりパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂粒子(樹脂E)を得た(収率:86%)。得られた樹脂粒子の形状、体積平均粒子径、10%粒子径、90%粒子径および嵩密度、安息角を表2に示す。得られた樹脂粒子は流動性、充填性に優れるものであった。得られた樹脂Eの重量平均分子量Mwは4.9×105であった。
アンカー型攪拌翼、窒素導入管および温度計を備えた1LのSUS316製オートクレーブの内部を窒素置換した。開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.519g(0.00123モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)150.0g(0.615モル)、沈殿重合溶媒として1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール(溶媒分子中の水素原子の含有量:1.82重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=6:4(個数比))を1340g加え、攪拌下55℃で24時間保持することで沈殿重合を行った。室温まで冷却し、精製した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することよりパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂粒子(樹脂F)を得た(収率:59%)。得られた樹脂粒子の形状、体積平均粒子径、10%粒子径、90%粒子径および嵩密度、安息角を表2に示す。得られた樹脂粒子は流動性、充填性に優れるものであった。得られた樹脂Fの重量平均分子量Mwは7.9×105であった。
実施例1で得られた樹脂粒子を10倍量の各種溶媒に50℃で5時間浸漬し、樹脂粒子が残存するかを肉眼で観察した。
1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、2,2,2-トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、クロロホルム。
実施例1で得られた樹脂粒子を10倍量の以下に記す各種溶媒に50℃で5時間浸漬し、樹脂粒子が残存するかを肉眼で観察した。
ヘキサフルオロベンゼン、CF3CF2CHCl2(溶媒分子中の水素原子の含有量:0.55重量%、溶媒分子中のフッ素原子:水素原子=8:2(個数比))
50℃における肉眼観察の結果、いずれの溶液も透明であり、濁りも殆ど確認されなかった。その後、25℃に冷却し、フィルターろ過後、該溶媒によりリンス洗浄し、フィルターを真空乾燥し、フィルターの重量増加量から回収率を計算した結果、いずれも5重量%未満であった。上記の結果より、溶媒への浸漬後の樹脂の重量減少率は95重量%以上であることが確認された。
Claims (5)
- ラジカル重合開始剤、下記一般式(3)で表される単量体および分子内にフッ素原子と水素原子を含む有機溶媒の混合物を重合条件下に置いて、一般式(4)で表される残基単位を含む樹脂を得る工程を有し、
前記有機溶媒は、少なくとも前記単量体は溶解し、かつ重合により生じた樹脂の少なくとも一部は溶解せず、樹脂の沈殿を生じる溶媒であり、
前記重合により生じた樹脂は粒子として有機溶媒中に沈殿する、一般式(4)で表される残基単位を含み、体積平均粒子径が5μm以上2000μm以下である樹脂粒子の製造方法。
- 前記有機溶媒は、一般式(4)で表される残基単位を含む重量平均分子量Mwが5×104~70×104の樹脂粒子をこの樹脂粒子に対して10倍量(w/w)の有機溶媒に50℃で5時間以上浸漬した後に、有機溶媒中に肉眼で樹脂粒子の残存が確認できる有機溶媒である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記有機溶媒は、一般式(4)で表される残基単位を含む重量平均分子量Mwが5×104~70×104の樹脂粒子をこの樹脂粒子に対して10倍量(w/w)の有機溶媒に50℃で5時間以上浸漬した後に前記溶液を25℃に冷却後に、固体状態として残存する樹脂試料を回収し、樹脂試料の重量減少率が20重量%未満である有機溶媒である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記有機溶媒は、溶媒分子内の水素原子の含有量が1重量%以上である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の製造方法。
- 一般式(3)で表される単量体が一般式(5)で表されるパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)であり、一般式(4)で表される残基単位が一般式(6)で表されるパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)残基単位である、請求項1乃至4いずれか一項に記載の製造方法。
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