JP6134632B2 - 資金フロー分析装置及び方法 - Google Patents
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Description
本形態例では、金融機関が管理する企業間の振込データに基づいて企業間取引の状況を反映する統計量(例えばノードの統計量、エッジの統計量、グラフの統計量)を計算し、計算された統計量に基づいて注目企業の上流方向と下流方向の商流をグラフで表す資金トレースを計算する機能を有する資金フロー分析装置について説明する。
図1に、本形態例に係る資金フロー分析装置100の機能構成例を示す。資金フロー分析装置は、コンピュータを基本構成とし、後述する各種の機能をCPUによって実行されるプログラムを通じて提供する。もっとも、各種の機能の一部又は全部は専用のハードウェアを通じて提供しても良い。
図2に、振込履歴データベース180に格納される振込データのフォーマット例を示す。企業間の資金フローを定義するには、(1)送金年月日、(2)送金元、(3)送金先、(4)送金金額の4つの要素が必要になる。このため、振込データフォーマット200は、日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204で構成される。日付欄201には送金年月日が記録され、金額欄204には送金金額が記録される。
図3に、資金フロー分析装置100による資金フロー分析の流れを示す。資金フロー分析装置100は、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ302:資金フロー分析装置100は、ユーザインタフェース画面を通じて受け付けた振込データの出現頻度の閾値を設定する。
・ステップ303:資金フロー分析装置100は、振込データを統計処理するために必要な前処理を実行する。
・ステップ304:資金フロー分析装置100は、前処理後の振込データを統計処理する。
・ステップ306:資金フロー分析装置100は、ユーザインタフェース画面を通じて受け付けた資金トレースの境界規則を設定する。境界規則は、後述する資金トレースの作成時に用いられる。
・ステップ308:資金フロー分析装置100は、計算された資金トレースをユーザインタフェース画面に表示する。
図4は、データ前処理部130が実行するデータ前処理の詳細を示す。データ前処理部130は、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ411:データ前処理部130は、振込データを、送金元IDと送金先ID毎に月次集計する。
・ステップ412:データ前処理部130は、送金元IDと送金先ID毎に振込データの出現頻度(振込頻度)を計算する。
・ステップ421:データ前処理部130は、振込頻度が事前に設定された振込頻度の閾値よりも小さいか否か判定する。この処理は、振込頻度の少ないエッジに関連する振込データにフラグを付けるために実行される。
・ステップ422:データ前処理部130は、振込頻度が閾値より小さい、すなわち継続的な取引が認められない振込データにスポット取引フラグを付ける。
図5に、統計処理部140の処理対象データのデータフォーマット例を示す。データフォーマット500は、日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204、スポット取引フラグ501で構成される。図2に示す振込データのデータフォーマット200との違いは、スポット取引フラグ501が追加されている点である。なお、データフォーマット500では、送金元と送金先の組み合わせ毎に月次集計された振込金額が金額欄204に記録される。もっとも、図2の振込データと同様、振込都度データが金額欄204に記録されても良い。
図6に、統計処理部140による統計処理の流れを示す。統計処理部140は、ノード統計量計算部141、エッジ統計量計算部142、グラフ統計量計算部143、成長率および複合年率成長率計算部144を使用し、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ605:統計処理部140は、前述の統計量に基づいて、各ノードの複合年率成長率を計算する。
図7に、グラフ統計量の計算で使用する遷移行列の算出手法を模式的に示している。なお、遷移行列は、あるノードを起点とする複数階層に亘るノード間の資金フローの関係を表す行列であり、その具体例については後述する。因みにグラフ701は、ノード1を起点として発生した資金の流れを金額ベースで模式的に示す図である。グラフ702は、送金元が共通するエッジ間で送金金額を正規化した図である。遷移行列703は、グラフ702を構成する各ノードから下位のノードへの遷移確率を要素とする行列である。
図8に、本形態例で使用するユーザインタフェース画面のイメージ例を示す。本形態例におけるユーザインタフェース画面は、資金フロー描画領域810、注目企業選択領域820、企業名表示欄821、ノード統計量表示欄822、エッジ統計量表示欄823、グラフ統計量表示欄824、振込頻度閾値記入欄831、寄与率閾値記入欄832、最大段数記入欄833、依存度閾値記入欄834で構成される。各欄の表示内容や設定できる情報の具体例については後述する。
図9に、本形態例による資金トレースのイメージ例を示す。詳細については、後述するが、本形態例の場合、利用者によって選択された注目企業(注目ノード)から上流方向と下流方向に所定段数の範囲について、所定の寄与率を満たすノードと関連するエッジだけが画面に表示される。なお、図9では、グラフとして最終的に表示されない取引の存在を点線によって表している。また、本形態例は、資金フロー分析装置100を実行する各金融機関が独自に管理する振込履歴データベース180を前提とするため、振込元や振込先が自行(銀行の場合)か他行(銀行の場合)をグラフ内で確認できるようになっている。
以下の説明では、金融機関が銀行である場合を想定する。発明者は、銀行における資金トレースの利用目的として以下の5点を想定する。
(1)資金フローが順調な(有望な)資金トレース(バリューチェーン)内で融資条件を緩和可能な企業の探索
(2)有望な資金トレースにおいて他行へ流出する取引の探索
(3)構造的に危ない資金トレースの発掘
(4)倒産の影響を受ける範囲の確認
(5)連鎖倒産しそうな範囲の確認
(1)定期的な企業間取引がある(スポット取引でない)。
(2)起点となる注目企業から上流方向と下流方向に企業間取引のネットワークを伸ばすことができる。
(3)ルールによりネットワークを伸ばせる範囲を定義できる。
図1に戻り、資金フロー分析装置100を構成する各機能部による処理動作の詳細を説明する。資金フロー分析装置100は、データ連携部110を用いて企業間の振込データを記録した振込履歴データベース180から振込データを読み込む。振込データ出現頻度閾値設定部120は、端末190からの入力に基づき、振込データ出現頻度の閾値を設定する。振込データ出現頻度閾値は、スポット取引か通常取引かを判定するために使用される(ステップ421で使用される)。
以下では、図3に基づき、本形態例における資金フロー分析処理の流れを詳細に説明する。振込データを取得するステップ301において、データ連携部110は、振込履歴データベース180より振込データを読み込む。振込頻度の閾値を設定するステップ302において、振込データ出現頻度閾値設定部120は、振込頻度の閾値を設定する。この閾値は、前述の通り、スポット取引を除くために使用される。
次に、図4に基づき、データ前処理部130の処理動作を詳細に説明する。ステップ410において、データ前処理部130は、処理対象データが存在する限り、ループ処理を実行する。企業間取引では、月末締めの翌月払いのような商習慣により一ヶ月に発生する振込回数は高々一回である。本形態例では、都度振り込む企業も月末締め一括払いの企業と同様に扱うために、ステップ411において、一ヶ月単位で振込金額を集計する。集計後のデータは、図5の日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204に格納される。
統計処理部140は、注目企業の選択基準を与える各種の統計量を計算する。資金トレースは、(1)企業、(2)企業間の資金フロー、(3)企業間の繋がり構造の3つの要素からなる。そこで、統計処理部140は、これらの3つの要素について統計量を計算する。
・Fij(y,m):y年m月の企業iから企業jへの資金フロー
・Fij(y):y年の企業iから企業jへの資金フロー
・Fini(y):y年の企業iへの資金流入
・Fouti(y):y年の企業iからの資金流出
・Nini(y):y年の企業iに入るエッジ数
・Nouti(y):y年の企業iから出るエッジ数
ここで、
・Fij(y)=ΣmFij(y,m):ただし、mはy年4月からy+1年3月まで
・Fini(y)=ΣkFki(y)
・Fouti(y)=ΣkFik(y)
である。ここでは年度の起点を4月としているが、任意の月を年度の起点として設定しても構わない。
・MFini=ΣyFini(y)/N:ただし、Nはデータの存在する年度数
・MFouti=ΣyFouti(y)/N
・σFini=Σy(Fini(y)−MFini(y))2/N
・σFouti=Σy(Fouti(y)−MFouti(y))2/N
・GRFini=(Fini(y)/Fini(y-1))−1
・GRFouti=(Fouti(y)/Fouti(y-1))−1
・CAGRFini=(Fini(N-1)/Fini(0))^(1/(N-1))−1
・CAGRFouti=(Fouti(N-1)/Fouti(0))^(1/(N-1))−1
CAGRの計算は、初年度から最終年度へと機械的に計算するのではなく、データの変曲点を見て計算すべき統計量である。ここでは、簡単のために初年度から最終年度まで計算する例を示す。
・Fij(y,m):y年m月の企業iから企業jへの資金フロー
・Fij(y):y年の企業iから企業jへの資金フロー
・Nini(y):y年の企業iに入るエッジの数
・Nouti(y):y年の企業iから出るエッジの数
・Fini(y):y年の企業iへの資金流入
・Fouti(y):y年の企業iからの資金流出
ここで、
・Fij(y)=ΣmFij(y,m):ただし、mはy年4月からy+1年3月まで
・Fini(y)=ΣkFki(y)
・Fouti(y)=ΣkFik(y)
である。ここでは年度の起点を4月としているが、任意の月を年度の起点として設定しても構わない。
・MFij=ΣyFij(y)/N:ただし、Nはデータの存在する年度数
・σFij=Σy(Fij(y)−MFij)2/N
・GRFij=(Fij(y)/Fij(y-1))−1
・CAGRFij=(Fij(N-1)/Fij(0))^(1/(N-1))−1
・MFini(y)=ΣkFki(y)/Nini(y)
・MFouti(y)=ΣkFik(y)/Nouti(y)
・σFini=Σk(Fki(y)−MFini(y))2/Nini(y)
・σFouti=Σk(Fik(y)−MFouti(y))2/Nouti(y)
・Fx=λx
この式は良く知られた固有値と固有ベクトルの条件と同じである。すなわち、遷移行列F、固有ベクトルx、固有値λの関係と同じである。従って、資金フローの行列について、その固有値と固有ベクトルを求めれば、グラフ構造の統計量を計算することができる。
・pij(y)=Fij(y)/ΣkFik(y)
ここでは、i行j列の要素が遷移確率pij(y)で与えられる遷移行列をP(y)=(pij(y))と表記する。正規化により、P(y)の各行の要素の総和は1となる。この内容は、図7の遷移行列703の内容とも整合的である。
注目企業は、ユーザインタフェース画面に表示されたノードの統計量、エッジの統計量、グラフの統計量に基づいてユーザが選択する。不図示の入力装置による端末190に対する選択入力は、端末190より資金フロー分析装置100に与えられる。図8に、端末190を構成する表示装置に表示されるユーザインタフェース画面のイメージ例を示す。
最後に、資金トレースのイメージ例を説明する。本形態例において、資金トレースは、自行で管理する振込履歴データベース180に記録されている振込データから作成される企業間の取引の流れを表すグラフである。このため、資金トレースを規定するには、年度などの商取引の期間を指定する必要がある。ここでは、振込データが存在する各年度について資金トレースを計算するものとする。資金フロー分析装置100は、資金トレースの計算後、不図示の入力装置を通じて指定された年度の資金トレースを、ユーザインタフェース画面に描画する。
・他行との取引(外部への移動検出部161)
・寄与率が閾値以上(寄与率閾値設定部162、寄与率計算部163)
・ループを検出した場合(ループ検出部164)
・段数が規定値以内(段数設定部165)
・pij(y)=Fij(y)/ΣkFik(y)
・prij(y)=Fij(y)/ΣkFij(y)
以上説明したように、本形態例に係る資金フロー分析装置100を用いれば、自行で管理している振込データだけを使用して商流を表すグラフ(資金トレース)を作成することができ、従来技術のように財務諸表を入手したり外部機関から主要取引先の情報などを入手したりしなくとも企業間取引を判断することができる。なお、振込データは、振込の都度データでも、月次集計された振込データでも良い。また、本形態例の場合には、自行で管理する振込データを使用して資金トレースを作成するため、自行と取引のある全ての取引先を対象として資金トレースを作成することができる。
前述の形態例では、資金フロー分析装置100による資金トレースの自動描画機能について説明した。しかし、自動的に描画される資金トレースだけでは、利用者が必要とする情報に落ちが生じる可能性がある。そこで、自動的に描画された資金トレースの段数を利用者の手動操作によって個別に延長できる機能を用意しても良い。なお、段数を延長するノードは、ユーザインタフェース画面上で利用者が指定できるようにする。また、利用者から指定を受けた資金フロー分析装置100は、指定ノードから1階層先のうち段数以外の条件を満たす商流を表示する。
本形態例では、リスクの高い商流を見たい場合には、子会社と親会社の関係のように依存度が非対称の取引(すなわち、子会社から親会社への依存は高いが、親会社から見ると子会社の取引への依存が低い取引)についても自動的に抽出して描画できる機能について説明する。
本発明は、上述した形態例の構成に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば上述した形態例は、本発明を分かりやすく説明するために、一部の形態例について詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要は無い。また、ある形態例の一部を他の形態例の構成に置き換えることが可能であり、ある形態例の構成に他の形態例の構成を加えることも可能である。また、各形態例の構成に他の構成を追加し、又は、各形態例の一部構成を他の構成で置換し、又は各形態例の一部構成を削除することも可能である。
Claims (14)
- 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と、
前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付ける出現頻度閾値設定部と、
を有することを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記統計処理部の処理対象とする前記振込データは、振込の都度データ又は一定期間の集計データである
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記判定用閾値よりも出現頻度が低い前記振込データを前記統計処理部の処理対象から除去するデータ前処理部を更に有する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記統計処理部は、(1)企業への資金流入及び/又は企業からの資金流出に関する統計量を計算するノード統計量計算部、(2)送金元と送金先の組毎に資金フローに関する統計量を計算するエッジ統計量計算部、及び、(3)ある企業の定常的な商流を表す統計量を計算するグラフ統計量計算部のうちのいずれか1つ又は複数を有する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記統計処理部は、前記統計量として年率成長率又は複合年率成長率を計算する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記境界規則設定部は、(1)他の金融機関への又は他の金融機関からの資金移動を検出する検出部、(2)前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内での各ノードの寄与率を計算する寄与率計算部と前記寄与率の閾値を設定する寄与率閾値設定部、(3)資金トレースのループを検出するループ検出部、(4)資金トレースの段数を設定する段数設定部、(5)前記企業間取引の依存度の判定に使用する閾値を設定する依存度閾値設定部のうちのいずれか1つ又は複数を有する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記資金トレース計算部は、前記注目企業から上流方向と下流方向に、それぞれ資金の移動先を探索する資金移動先探索部を有する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記資金トレースの段数の入力欄が設けられる
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
前記資金トレースでは、他の金融機関への又は他の金融機関からの資金移動と金融機関自身の内部の資金移動とが異なる形態で表示される
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
を有し、
前記資金トレース計算部は、前記統計量から計算される企業間取引の依存度に基づいて、前記境界規則を超えて資金トレースの段数を伸ばすか否かを判定する段数伸長判断部を有する
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
を有し、
前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内の寄与率の判定用閾値の入力欄が設けられる
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
を有し、
前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記企業間取引の依存度の判定用閾値の入力欄が設けられる
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
を有し、
前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースと共に商流抽出条件が表示され、前記商流抽出条件は、前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内の寄与率、及び/又は、前記資金トレースの描画段数である
ことを特徴とする資金フロー分析装置。 - 資金フロー分析装置を用いて資金フローを分析する資金フロー分析方法であって、
前記資金フロー分析装置は、
金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と、
前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付ける出現頻度閾値設定部と、
を有し、
前記データ連携部が金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得することと、
前記統計処理部が前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算することと、
前記境界規則設定部が複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定することと、
前記資金トレース計算部が注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算することと、
前記資金トレース計算部が計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示することと、
前記出現頻度閾値設定部が前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付けることと、
を含む資金フロー分析方法。
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