JP6134632B2 - 資金フロー分析装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、資金フロー分析装置及び方法に関する。
企業の経営環境や経営状況などの分析には、企業の取引関係の把握が必要になる。特にバリューチェーンを構成する企業群の把握や企業が倒産した際の影響範囲や連鎖倒産の可能性がある企業の把握には、企業単体や直接の取引先だけでなく、取引関係の上流方向と下流方向に向かって複数の階層に亘って企業間取引の状況を調べる必要がある。階層的な取引関係の調査には、企業をノード(点)、取引関係をエッジ(辺)で表現するグラフが分かり易い。
企業間取引をグラフとして表現する技術に関する文献には、特許文献1(特開2007−257223号公報)及び特許文献2(特開2012−73899号公報)がある。特許文献1には、金融機関が有する各種データベースからメタデータを生成し、生成されたメタデータの関係付けを企業と取引関係のグラフとして画面に出力する技術が開示されている。なお、特許文献1は、基幹系データベース、審査系データベース、顧客データベース、営業系データベースを利用してメタデータを生成する手法について開示するが、生成されたメタデータを関連付けるための手法、つまりエッジの生成方法については開示されていない。
特許文献2は、企業間取引をグラフで表現する際に、企業名、所在地、上場先、売上高、従業員数などの企業の属性情報をノード部分に表示する技術を開示する。特許文献2は、特定の企業を指定する表示条件が入力されると、企業情報記憶手段からその企業の主要取引先と取引品目の情報を取得し、グラフを作成する。
特開2007−257223号公報 特開2012−073899号公報
しかし、これらの特許文献に記載された技術では、ある年度の主要取引先のみを対象としたグラフしか表示できない問題がある。また、これらの特許文献では、主要取引先の情報を再帰的に入手してグラフを作成するため、最終的には、注目企業を中心とした膨大な情報が出力される。このため、利用者は、情報の利用目的に応じた階層範囲を手作業で確認する必要があり、利用者に多大な作業負担を生じさせている。しかも、これらの問題は、銀行の収益強化やリスク管理の高度化のためにグラフを用いる場合に特に顕著になる。
ところで、金融機関は、資金利益拡大のために新しい融資先の拡大や既存融資先の融資金額の拡大のための取り組みを続けている。この取り組みは、バブル景気崩壊後20年以上も継続されており、できることは全てやり尽くした感がある。さらに、企業単体の財務諸表を評価して融資の可否を判断する現状のやり方は限界に来ている。
一方で、昨今の金融機関では、従来の評価方法では融資できないような企業でも、バリューチェーンなど企業間の繋がりが好調である企業である場合には、当該企業への融資を可能とするような新しい評価方法の採用による収益強化が望まれている。
また、経済の長期低迷による企業の業績悪化、中小企業金融円滑化法による不調企業の延命により、産業界には倒産予備軍の企業が積み上がった状況にある。これに伴い、どの企業が連鎖倒産の起点になり得るか、連鎖倒産の規模がどの程度になり得るかを把握するリスク管理の高度化が以前に増して望まれている。
収益強化とリスク管理の高度化には取引先の繋がりと取引先への依存度の把握が重要になる。しかし、特許文献1及び2に記載の技術では、これらの情報を把握することができない。なぜなら、非上場企業は財務諸表の公開義務がないため、財務諸表に記載されるはずの主要取引先の情報を入手できないからである。
また、外部調査機関から主要取引先との年間取引金額を入手できる場合もあり得るが、その場合でも、注目企業の主要取引先ではないが注目企業への依存度が高い企業についてはその情報の不存在のために見落とされる可能性が高い。この見落としは、連鎖倒産の影響範囲を検討する上で致命的である。
さらに、特許文献1及び2に記載の技術は、単年度データを解析対象とするため、バリューチェーンの成長と衰退の把握が困難である。なぜなら、銀行の取引先は数万社以上に上るため、複数年度のデータを人手で解析することは非現実的であるためである。
さらに、単年度データからではバリューチェーンの成長と衰退の把握が困難であるため、数万社からなるグラフのどの部分が有望なバリューチェーン又はリスクの高いバリューチェーンか分からないという問題がある。しかも、企業間取引が存在する限り取引関係を示すグラフは拡大し続けるため、注目企業との関連性や影響度が低い企業までグラフ内に必然的に含まれてしまう。因みに、特許文献1及び2に記載の技術では、注目企業のどこまでグラフを辿るべきかを利用者の判断に委ねられるため、多大な工数を要する問題もある。
本明細書は、前述した課題のいずれか一つ又は複数を解決するための技術を複数含んでいるが、その一例として、金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部を有する資金フロー分析装置を含む。
本発明によれば、振込データを用いて資金トレースを計算するため、財務諸表や外部機関から主要取引先の情報などを入手せずともグラフを作成することができる。また、本発明によれば、振込データを用いて資金トレースを計算するため、主要取引先以外の企業間取引を反映したグラフを作成できる。さらに、本発明によれば、商流の統計量と境界規則を使用して資金トレースを計算するため、相対的に重要度の高い商流だけを含むグラフを作成できる。
形態例に係る資金フロー分析装置の機能構成を示す図。 振込データのデータフォーマットの一例を示す図。 形態例に係る資金フロー分析の流れを説明するフローチャート。 形態例に係るデータ前処理の内容を説明するフローチャート。 統計処理部の処理対象とする振込データのデータフォーマットの一例を示す図。 形態例に係る統計処理の内容を説明するフローチャート。 形態例に係る遷移行列の算出手法を模式的に示す図。 ユーザインタフェース画面のイメージ例を示す図。 資金トレースのイメージ例を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。なお、同一の参照番号を付した要素は同一の構成又は機能要素を示す。
[形態例1]
本形態例では、金融機関が管理する企業間の振込データに基づいて企業間取引の状況を反映する統計量(例えばノードの統計量、エッジの統計量、グラフの統計量)を計算し、計算された統計量に基づいて注目企業の上流方向と下流方向の商流をグラフで表す資金トレースを計算する機能を有する資金フロー分析装置について説明する。
[システム構成]
図1に、本形態例に係る資金フロー分析装置100の機能構成例を示す。資金フロー分析装置は、コンピュータを基本構成とし、後述する各種の機能をCPUによって実行されるプログラムを通じて提供する。もっとも、各種の機能の一部又は全部は専用のハードウェアを通じて提供しても良い。
資金フロー分析装置100は、データ連携部110、振込データ出現頻度閾値設定部120、データ前処理部130、統計処理部140(ノード統計量計算部141、エッジ統計量計算部142、グラフ統計量計算部143、成長率および複合年率成長率計算部144)、注目企業選択部150、資金トレース境界規則設定部160(他の金融機関への資金移動検出部161、資金移動の寄与率閾値設定部162、資金移動の寄与率計算部163、資金トレースのループ検出部164、資金トレースの段数設定部165、取引への依存度の閾値設定部166)、資金トレース計算部170(資金移動先探索部171、資金トレース段数伸長判断部172)、振込履歴データベース180、端末190によって構成される。
図1においては、1つの資金フロー分析装置100の内部に全ての機能が集約されている例を表しているが、これらの機能は複数台のコンピュータの連携動作を通じて実現しても良い。また、図1には記載していないが、資金フロー分析装置100は、ネットワーク通信機能を備えている。
振込履歴データベース180は、金融機関が管理するデータベースの一部であり、当該データベースには取引データの履歴が格納されている。データベースサーバには、振込履歴データベース180以外のデータベースも格納されている。端末190は、資金フロー分析装置100の操作端末であり、コンピュータを基本構成とする。端末190は、マウス、キーボード等の入力装置と、表示装置、印刷装置等の出力装置を備えている。利用者は、表示装置に表示されるユーザインタフェース画面を通じ、資金フロー分析装置100に対する指示を入力し、その処理結果を確認する。
[振込データのデータフォーマット]
図2に、振込履歴データベース180に格納される振込データのフォーマット例を示す。企業間の資金フローを定義するには、(1)送金年月日、(2)送金元、(3)送金先、(4)送金金額の4つの要素が必要になる。このため、振込データフォーマット200は、日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204で構成される。日付欄201には送金年月日が記録され、金額欄204には送金金額が記録される。
送金元ID欄202には送金元を特定する識別子(ID)が記録され、送金先ID欄203には送金先を特定する識別子(ID)が記録される。送金元や送金先の識別子(ID)には、銀行内で顧客を一意に特定するCIF(Customer Information File)番号や全銀コード(金融機関コード4桁、支店コード3桁、口座番号7桁の計14桁で銀行口座を特定する番号)などを利用する。なお、これらに限らず任意の識別子の型式を利用できる。振込データのストレージへの記録には、データベース型式のファイル、CSV型式のファイルなど任意の型式を利用できる。
[資金フロー分析の流れ]
図3に、資金フロー分析装置100による資金フロー分析の流れを示す。資金フロー分析装置100は、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ301:資金フロー分析装置100は、振込履歴データベース180から振込データを取得する。
・ステップ302:資金フロー分析装置100は、ユーザインタフェース画面を通じて受け付けた振込データの出現頻度の閾値を設定する。
・ステップ303:資金フロー分析装置100は、振込データを統計処理するために必要な前処理を実行する。
・ステップ304:資金フロー分析装置100は、前処理後の振込データを統計処理する。
・ステップ305:資金フロー分析装置100は、ユーザインタフェース画面を通じて注目企業の選択を受け付ける。
・ステップ306:資金フロー分析装置100は、ユーザインタフェース画面を通じて受け付けた資金トレースの境界規則を設定する。境界規則は、後述する資金トレースの作成時に用いられる。
・ステップ307:資金フロー分析装置100は、注目企業から上流方向及び下流方向への商流のうち抽出条件(境界規則を含む)を満たす商流を表す資金トレースを計算する。
・ステップ308:資金フロー分析装置100は、計算された資金トレースをユーザインタフェース画面に表示する。
[データ前処理の詳細]
図4は、データ前処理部130が実行するデータ前処理の詳細を示す。データ前処理部130は、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ410:データ前処理部130は、処理対象とする振込データが存在するか否かを判定する。この処理は、ステップ411及び412の処理対象である振込データが無くなるまで繰り返し実行される。
・ステップ411:データ前処理部130は、振込データを、送金元IDと送金先ID毎に月次集計する。
・ステップ412:データ前処理部130は、送金元IDと送金先ID毎に振込データの出現頻度(振込頻度)を計算する。
・ステップ420:データ前処理部130は、処理対象とする振込データが存在するか否かを判定する。この処理は、ステップ421及び422の処理対象である振込データが無くなるまで繰り返し実行される。
・ステップ421:データ前処理部130は、振込頻度が事前に設定された振込頻度の閾値よりも小さいか否か判定する。この処理は、振込頻度の少ないエッジに関連する振込データにフラグを付けるために実行される。
・ステップ422:データ前処理部130は、振込頻度が閾値より小さい、すなわち継続的な取引が認められない振込データにスポット取引フラグを付ける。
[処理対象データのデータフォーマット]
図5に、統計処理部140の処理対象データのデータフォーマット例を示す。データフォーマット500は、日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204、スポット取引フラグ501で構成される。図2に示す振込データのデータフォーマット200との違いは、スポット取引フラグ501が追加されている点である。なお、データフォーマット500では、送金元と送金先の組み合わせ毎に月次集計された振込金額が金額欄204に記録される。もっとも、図2の振込データと同様、振込都度データが金額欄204に記録されても良い。
[統計処理の詳細]
図6に、統計処理部140による統計処理の流れを示す。統計処理部140は、ノード統計量計算部141、エッジ統計量計算部142、グラフ統計量計算部143、成長率および複合年率成長率計算部144を使用し、以下の処理ステップを順番に実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
・ステップ600:統計処理部140は、処理対象とする振込データが存在するか否かを判定する。この処理は、ステップ601〜605の処理対象データが無くなるまで繰り返し実行される。
・ステップ601:統計処理部140は、スポット取引フラグ付きの振込データに基づいて各ノードの統計量(ノード統計量)を計算する。具体的には、企業への資金の流入又は企業からの資金の流出の統計量が計算される。
・ステップ602:統計処理部140は、スポット取引フラグ付きの振込データに基づいて各エッジの統計量(エッジ統計量)を計算する。具体的には、送金元と送金先の組(エッジ)毎の資金フローの統計量が計算される。
・ステップ603:統計処理部140は、各ノードの定常的な商流を表す統計量、すなわちグラフから見た企業間取引の統計量(グラフ統計量又はグラフ構造の統計量)を計算する。
・ステップ604:統計処理部140は、前述の統計量に基づいて、各ノードの年率成長率を計算する。
・ステップ605:統計処理部140は、前述の統計量に基づいて、各ノードの複合年率成長率を計算する。
[ノード間の資金フローを表す遷移行列]
図7に、グラフ統計量の計算で使用する遷移行列の算出手法を模式的に示している。なお、遷移行列は、あるノードを起点とする複数階層に亘るノード間の資金フローの関係を表す行列であり、その具体例については後述する。因みにグラフ701は、ノード1を起点として発生した資金の流れを金額ベースで模式的に示す図である。グラフ702は、送金元が共通するエッジ間で送金金額を正規化した図である。遷移行列703は、グラフ702を構成する各ノードから下位のノードへの遷移確率を要素とする行列である。
[ユーザインタフェース画面例]
図8に、本形態例で使用するユーザインタフェース画面のイメージ例を示す。本形態例におけるユーザインタフェース画面は、資金フロー描画領域810、注目企業選択領域820、企業名表示欄821、ノード統計量表示欄822、エッジ統計量表示欄823、グラフ統計量表示欄824、振込頻度閾値記入欄831、寄与率閾値記入欄832、最大段数記入欄833、依存度閾値記入欄834で構成される。各欄の表示内容や設定できる情報の具体例については後述する。
[資金トレースのイメージ例]
図9に、本形態例による資金トレースのイメージ例を示す。詳細については、後述するが、本形態例の場合、利用者によって選択された注目企業(注目ノード)から上流方向と下流方向に所定段数の範囲について、所定の寄与率を満たすノードと関連するエッジだけが画面に表示される。なお、図9では、グラフとして最終的に表示されない取引の存在を点線によって表している。また、本形態例は、資金フロー分析装置100を実行する各金融機関が独自に管理する振込履歴データベース180を前提とするため、振込元や振込先が自行(銀行の場合)か他行(銀行の場合)をグラフ内で確認できるようになっている。
[資金トレースの想定利用目的]
以下の説明では、金融機関が銀行である場合を想定する。発明者は、銀行における資金トレースの利用目的として以下の5点を想定する。
(1)資金フローが順調な(有望な)資金トレース(バリューチェーン)内で融資条件を緩和可能な企業の探索
(2)有望な資金トレースにおいて他行へ流出する取引の探索
(3)構造的に危ない資金トレースの発掘
(4)倒産の影響を受ける範囲の確認
(5)連鎖倒産しそうな範囲の確認
これらの利用目的を達成するには、資金トレースの有望さや構造的な不安定性を表す統計量(指標)を算出する機能と、算出された統計量(指標)に基づいて資金トレースを計算する機能が必要になる。本明細書では、以下に示す3つの要素を持つ企業間の繋がりを資金トレースと定義する。
(1)定期的な企業間取引がある(スポット取引でない)。
(2)起点となる注目企業から上流方向と下流方向に企業間取引のネットワークを伸ばすことができる。
(3)ルールによりネットワークを伸ばせる範囲を定義できる。
資金フローの順調さや商流の構造的な危うさを考える場合、普段取引のない企業とのスポット取引の資金フローはノイズになる。ノイズ成分を除去するため、定期的な企業間取引のある企業のみを対象に資金トレースを計算する。数万社を超える企業を解析対象とした資金トレースの計算を現実的な時間で収めるため、注目企業を起点とする企業間取引のみを処理対象とする。注目企業の選択基準は、資金トレースの利用目的に依存する。なお、利用目的には、前述した5つに限るものではない。
数万社を解析対象とするには、注目企業の選択後は自動的に資金トレースの範囲を決めることができる方式が必要になる。本形態例では、事前に定めたルールに従って、資金トレース計算部170が資金トレースの範囲を自動的に決定する方式とした。ただし、取引の有無だけをルールに用いると、資金トレースが際限なく広がってしまう。そこで、本形態例では、資金トレースの広がりに拘束条件のあるルールを採用する。拘束条件の具体例は後述する。
[資金フロー分析装置の処理動作]
図1に戻り、資金フロー分析装置100を構成する各機能部による処理動作の詳細を説明する。資金フロー分析装置100は、データ連携部110を用いて企業間の振込データを記録した振込履歴データベース180から振込データを読み込む。振込データ出現頻度閾値設定部120は、端末190からの入力に基づき、振込データ出現頻度の閾値を設定する。振込データ出現頻度閾値は、スポット取引か通常取引かを判定するために使用される(ステップ421で使用される)。
データ前処理部130は、送金元と送金先の組毎に振込データを月次集計する処理(ステップ411)、送金元と送金先の組毎に振込頻度を計算する処理(ステップ412)、振込頻度が出現頻度閾値より小さい送金元と送金先の組に対応する振込データにスポット取引フラグ501を付ける処理(ステップ422の処理)を実行する。スポット取引フラグ501が付された振込データは、統計処理対象から外される。
統計処理部140は、ノード統計量計算部141、エッジ統計量計算部142、グラフ統計量計算部143、成長率および複合年率成長率計算部144などを用いて振込データを統計処理し、各種統計量を計算する。なお、統計処理部140は、ノード統計量計算部141、エッジ統計量計算部142、グラフ統計量計算部143、成長率および複合年率成長率計算部144のいずれか1つ又は複数を備えていれば良い。注目企業選択部150は、計算された各種統計量を端末190のユーザインタフェース画面に表示するとともに、端末190を通じて選択的に入力された注目企業を読み込む。ここで入力された注目企業が、資金トレースを計算する際の起点ノードとなる。
資金トレース境界規則設定部160は、他の金融機関への移動資金検出部161、資金移動の寄与率閾値設定部162、資金移動の寄与率計算部163、資金トレースのループ検出部164、資金トレースの段数設定部165、取引への依存度の閾値設定部166を使用し、資金トレースの境界となる規則(資金トレース境界規則)を設定する。資金移動の寄与率を設定する寄与率閾値設定部162、資金トレースの段数を設定する段数設定部165、取引依存度の閾値を設定する依存度閾値設定部166は、いずれも端末190を通じて指定された値を設定する。
他の金融機関への移動資金検出部161は、他行からの入金で発生した振込データ及び他行への送金で発生した振込データを検出する。資金移動の寄与率閾値設定部162は、資金トレースに含める商流の範囲を規定する閾値を設定する。この閾値の設定により、注目企業から上流方向及び下流方向に追跡可能な商流のうち相対的に重要性の高い部分だけを抽出して資金トレースを作成することができる。資金移動の寄与率計算部163は、注目企業(ノード)を起点として上流方向及び下流方向への確率密度の伝播として商流に含まれる各ノードの寄与度を計算する。
資金トレースのループ検出部164は、注目企業から上流方向の商流と下流方向の商流が同じノードに帰結するような特異な商流を検出する。資金トレースの段数設定部165は、資金トレースを構成する段数が増えすぎることによる視認性の低下を回避するために注目企業からの段数の上限を設定する。依存度閾値設定部166は、各ノードと取引先の依存度のうち依存度の高い取引先の抽出に使用される閾値を設定する。なお、依存度は、統計処理部140が計算する。依存度は、親会社と子会社の関係のように取引関係の依存関係を表す指標であり、例えばノードAのノードBに対する依存度はノードAからノードBへの取引が同種の全取引に占める割合(遷移確率)として計算する。
資金トレース計算部170は、資金移動先探索部171を使用し、資金トレース境界規則を満たす資金トレースを計算する。資金トレース境界規則には、寄与率閾値、段数閾値、依存度閾値等がある。本形態例では、寄与率閾値と段数閾値を用いて資金トレースを計算する。なお、資金トレース計算部170は、計算された資金トレースを端末190のユーザインタフェース画面に表示する。
[資金フロー分析の流れ]
以下では、図3に基づき、本形態例における資金フロー分析処理の流れを詳細に説明する。振込データを取得するステップ301において、データ連携部110は、振込履歴データベース180より振込データを読み込む。振込頻度の閾値を設定するステップ302において、振込データ出現頻度閾値設定部120は、振込頻度の閾値を設定する。この閾値は、前述の通り、スポット取引を除くために使用される。
データを前処理するステップ303において、データ前処理部130は、振込データを前処理する。具体的には、個々の振込データの振込頻度が計算され、当該頻度が閾値より小さい振込データにはスポット取引フラグ501が付与される。前処理後の振込データを統計処理するステップ304において、統計処理部140は、振込データを統計処理する。具体的には、ノード統計量、エッジ統計量、グラフ統計量、成長率、複合年率成長率が計算される。
注目企業を選択するステップ305において、注目企業選択部150は、端末190からの入力に従い、利用者の指定した注目企業を設定する。資金トレースの境界規則を設定するステップ306において、資金トレース境界規則設定部160は、資金トレースの境界規則を設定する。資金トレースを計算するステップ307において、資金トレース計算部170が振込データと統計量に基づいて注目企業を中心とする資金トレースを計算する。計算された資金トレースは、資金トレース計算部170から端末190に出力される。資金トレースを描画するステップ308において、端末190は、資金トレース計算部170から入力した資金トレースをディスプレイ上に描画する。
[データ前処理部130の処理動作]
次に、図4に基づき、データ前処理部130の処理動作を詳細に説明する。ステップ410において、データ前処理部130は、処理対象データが存在する限り、ループ処理を実行する。企業間取引では、月末締めの翌月払いのような商習慣により一ヶ月に発生する振込回数は高々一回である。本形態例では、都度振り込む企業も月末締め一括払いの企業と同様に扱うために、ステップ411において、一ヶ月単位で振込金額を集計する。集計後のデータは、図5の日付欄201、送金元ID欄202、送金先ID欄203、金額欄204に格納される。
次のステップ412において、データ前処理部130は、日付欄201、送金元ID欄202及び送金先ID203を参照し、送金元IDと送金先IDの組み合わせ毎に振込頻度を計算し、計算結果を記憶領域に記憶する。次のステップ420において、データ前処理部130は、処理対象データが存在する限り、ループ処理を実行する。ステップ421において、データ前処理部130は、送金元IDと送金先IDの組み合わせ毎に計算された振込頻度が閾値よりも小さいか否かを判定する。振込頻度が閾値よりも小さい場合、データ前処理部130は、対応する振込データのスポット取引フラグ欄501にフラグを立てる。
[統計処理部140の処理動作]
統計処理部140は、注目企業の選択基準を与える各種の統計量を計算する。資金トレースは、(1)企業、(2)企業間の資金フロー、(3)企業間の繋がり構造の3つの要素からなる。そこで、統計処理部140は、これらの3つの要素について統計量を計算する。
資金トレースは、企業をノード、企業間の資金フローを方向のあるエッジとする有向グラフと考えると、(1)ノード、(2)エッジ、(3)グラフをそれぞれ反映した統計量を計算すること等しい。以下では、図6に従い、統計処理部140の処理動作を説明する。
まず、ノード統計量の計算ステップ601、成長率を計算するステップ604、複合年率成長率を計算するステップ605について説明する。これらの計算は、ノード統計量計算部141と成長率および複合年率成長率計算部144により実行される。
企業には、複数企業からの資金流入と複数企業への資金流出がある。そこで、各ノードに関する統計量として、資金の流入と流出のそれぞれについて統計量を計算する。本明細書では、各記号を以下のように定義する。
・Fij(y,m):y年m月の企業iから企業jへの資金フロー
・Fij(y):y年の企業iから企業jへの資金フロー
・Fini(y):y年の企業iへの資金流入
・Fouti(y):y年の企業iからの資金流出
・Nini(y):y年の企業iに入るエッジ数
・Nouti(y):y年の企業iから出るエッジ数
ここで、
・Fij(y)=ΣmFij(y,m):ただし、mはy年4月からy+1年3月まで
・Fini(y)=ΣkFki(y)
・Fouti(y)=ΣkFik(y)
である。ここでは年度の起点を4月としているが、任意の月を年度の起点として設定しても構わない。
これらの統計量は、データの存在する全ての年度について計算する。なお、Fij(y,m)は資金フローのデータを抽出するステップで計算済みである。次に、Fini(y)及びFouti(y)について、平均MFini、MFouti、分散σFini、σFouti、各年度の単年度成長率GRFini(y)、GRFouti(y)、初年度から最終年度への複合年率成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)CAGRFini(y)、CAGRFouti(y)を以下のように計算する。
・MFini=ΣyFini(y)/N:ただし、Nはデータの存在する年度数
・MFouti=ΣyFouti(y)/N
・σFini=Σy(Fini(y)−MFini(y))2/N
・σFouti=Σy(Fouti(y)−MFouti(y))2/N
・GRFini=(Fini(y)/Fini(y-1))−1
・GRFouti=(Fouti(y)/Fouti(y-1))−1
・CAGRFini=(Fini(N-1)/Fini(0))^(1/(N-1))−1
・CAGRFouti=(Fouti(N-1)/Fouti(0))^(1/(N-1))−1
CAGRの計算は、初年度から最終年度へと機械的に計算するのではなく、データの変曲点を見て計算すべき統計量である。ここでは、簡単のために初年度から最終年度まで計算する例を示す。
次に、エッジ統計量の計算ステップ602、成長率を計算するステップ604、複合年率成長率を計算するステップ605について説明する。これらの計算は、エッジ統計量計算部142と成長率および複合年率成長率計算部144により実行される。
企業には、何個もの資金流入経路と資金流出経路がある。ここでは、経路毎の資金フローの統計量と、経路毎の資金フローのバラつきの統計量を計算する。なお、本明細書では、各記号を以下のように定義する。
・Fij(y,m):y年m月の企業iから企業jへの資金フロー
・Fij(y):y年の企業iから企業jへの資金フロー
・Nini(y):y年の企業iに入るエッジの数
・Nouti(y):y年の企業iから出るエッジの数
・Fini(y):y年の企業iへの資金流入
・Fouti(y):y年の企業iからの資金流出
ここで、
・Fij(y)=ΣmFij(y,m):ただし、mはy年4月からy+1年3月まで
・Fini(y)=ΣkFki(y)
・Fouti(y)=ΣkFik(y)
である。ここでは年度の起点を4月としているが、任意の月を年度の起点として設定しても構わない。
これらの統計量は、ノードの統計量の計算において計算済みである。Nini(y)とNouti(y)は、資金フローのデータにおける個々の企業の各年度の上流方向の企業数と下流方向の企業数である。次に、エッジ毎に資金流入と資金流出の平均MFij、分散σFij、各年度の単年度成長率GRFij(y)、初年度から最終年度への複合年率成長率CAGRFij(y)を以下のように計算する。
・MFij=ΣyFij(y)/N:ただし、Nはデータの存在する年度数
・σFij=Σy(Fij(y)−MFij)2/N
・GRFij=(Fij(y)/Fij(y-1))−1
・CAGRFij=(Fij(N-1)/Fij(0))^(1/(N-1))−1
次に、企業iに流入する又は企業iから流出する複数のエッジの資金流量の平均と分散を以下のように計算する。
・MFini(y)=ΣkFki(y)/Nini(y)
・MFouti(y)=ΣkFik(y)/Nouti(y)
・σFini=Σk(Fki(y)−MFini(y))2/Nini(y)
・σFouti=Σk(Fik(y)−MFouti(y))2/Nouti(y)
最後に、グラフ統計量の計算ステップ603について説明する。この計算は、グラフ統計量計算部143により実行される。本形態例では、企業間の資金フローをグラフとして扱っているので、資金フローの定常状態を実現するノードの状態をグラフ構造の統計量とする。定常状態とは、企業iの状態xiが、企業iへの資金の流入Fkiと流出Fikの後に、xiの定数倍になる状態とする。i行j列の要素がFijで与えられる行列をFとし、i行の要素がxiで与えられるベクトルをxとし、定数倍の係数をλとすると、各記号の間の関係は、以下の数式で表現できる。
・Fx=λx
この式は良く知られた固有値と固有ベクトルの条件と同じである。すなわち、遷移行列F、固有ベクトルx、固有値λの関係と同じである。従って、資金フローの行列について、その固有値と固有ベクトルを求めれば、グラフ構造の統計量を計算することができる。
資金フローは、ノード間の状態遷移と見なすことができるので、資金フローの金額ではなく、あるノードから出るエッジの総和が1になるように正規化して遷移確率として取り扱う。図7に、資金フローから遷移確率と遷移行列を求める様子を示す。グラフ701は、ノード1を起点とする資金フローを表しており、ノード間を接続するエッジには個々の振込データの金額が対応付けられている。グラフ702は、1つのノードから出力する複数のエッジに対応する複数の振込金額の相対関係を正規化して表すもので、1つのノードから出力されるエッジの値の総和が1となるように各エッジに数値が付与される。遷移行列703は、グラフ702の行列表現であり、行番号が送金元のノード番号に対応し、列番号が送金先のノード番号に対応する。
さて、y年のノードiからノードjへの遷移確率pij(y)は、以下のように表現できる。
・pij(y)=Fij(y)/ΣkFik(y)
ここでは、i行j列の要素が遷移確率pij(y)で与えられる遷移行列をP(y)=(pij(y))と表記する。正規化により、P(y)の各行の要素の総和は1となる。この内容は、図7の遷移行列703の内容とも整合的である。
次に、各年の遷移行列P(y)の固有値と固有ベクトルを計算する。固有値と固有ベクトルの組み合わせは複数存在するので、最も大きな固有値に対する固有ベクトルを選択する。遷移確率から計算しているため、固有値はノード間の接続の寄与率を反映したグラフの構造を表す値となる。そこで、固有ベクトルのi番目の値を、ノードiのグラフの統計量とする。もっとも、振込金額、振込先の企業数、振込元の企業数を反映するために、固有ベクトルにこれらの値を掛けた後に正規化する方法もある。ここでは説明を簡単にするために、固有ベクトルを用いる。ここでは最も大きな固有値に対する固定ベクトルを選択しているが、固有値の選択方法はこの方法に限らない。任意の固有値に対する固有ベクトルを選択する方法もある。
[注目企業の選択]
注目企業は、ユーザインタフェース画面に表示されたノードの統計量、エッジの統計量、グラフの統計量に基づいてユーザが選択する。不図示の入力装置による端末190に対する選択入力は、端末190より資金フロー分析装置100に与えられる。図8に、端末190を構成する表示装置に表示されるユーザインタフェース画面のイメージ例を示す。
本形態例で用いるユーザインタフェース画面には、資金トレース描画領域810と注目企業選択領域820の二つの表示領域と、振込頻度閾値記入欄831、寄与率閾値記入欄832、最大段数記入欄833、依存度閾値記入欄834の4つのデータ入力欄が配置される。注目企業選択領域820には、企業名表示欄821、ノード統計量表示欄822、エッジ統計量表示欄823、グラフ統計量表示欄824の4つの表示欄がある。資金トレース描画領域810には、注目企業選択領域820で選択された注目企業について計算された資金トレースが描画される。ここで、資金移動先探索部171は、注目企業から上流方向及び下流方向に資金の移動先を探索する。
企業名表示欄821には、送金元や送金先の識別子に利用したCIF番号や全銀コードに基づいて金融機関の情報系データベースなどから検索した企業名が表示される。企業名の検索は、注目企業選択部150が実行しても良いし、不図示の検索機能部が実行しても良い。ノード統計量表示欄822、エッジ統計量表示欄823、グラフ統計量表示欄824には、これまでに計算された各種統計量が表示され、これらの統計量を利用目的に応じたソート条件に従って昇順又は降順にソートした結果が表示される。
例えば利用目的が、有望な資金トレース(バリューチェーン)の探索である場合、(1)資金フローの単年度成長率やCAGRが高い、(2)グラフ統計量が大きい等の条件でソートされた結果が各表示欄に表示される。また例えば利用目的が、リスクの高い資金トレース(バリューチェーン)の探索である場合、(1)資金フローの単年度成長率やCAGRが小さい、(2)エッジの分散が大きい、(3)グラフの統計量が小さい等の条件でソートされた結果が各表示欄に表示される。なお、利用目的とソート条件の対応関係は予め資金フロー分析装置100の記憶領域に格納されているものとし、利用目的は利用者によって端末190を通じて資金フロー分析装置100に入力されるものとする。また、利用目的とソート条件の対応関係は、端末190などを通して追加、削除、編集が可能である。また、端末190から試行錯誤により利用目的に適したソート条件を見つけることもできる。利用者による利用目的の選択のために、ユーザインタフェース画面には不図示の選択入力ボタンが用意されていても良い。なお、本実施例では、利用者による注目企業の選択を待って資金トレースを作成し描画しているが、利用者による利用目的の入力に基づいてソートされたいずれかの統計量の最上位の企業を注目企業として資金トレースを作成し描画しても良い。
続いて、資金トレースの作成条件として利用者が入力するデータを説明する。勿論、これらのデータは、端末190から入力される。本形態例の場合、振込頻度の閾値、注目企業への又は注目企業からの資金移動の寄与率の閾値、資金トレースの最大段数、上流方向又は下流方向に位置する取引先への依存度の閾値を設定することができる。これらのデータは、ユーザインタフェース画面を構成する振込頻度閾値記入欄831、寄与率閾値記入欄832、最大段数記入欄833、依存度閾値記入欄834を通じて設定できる。これらの入力欄を通じて設定された値は、出現頻度閾値設定部120、振込頻度の閾値設定ステップ302、寄与率閾値設定部162、段数設定部165、依存度閾値設定部166等で利用される。また、これらの閾値は資金移動先探索部171において参照され、探索範囲が決定される。
[資金トレースのイメージ例]
最後に、資金トレースのイメージ例を説明する。本形態例において、資金トレースは、自行で管理する振込履歴データベース180に記録されている振込データから作成される企業間の取引の流れを表すグラフである。このため、資金トレースを規定するには、年度などの商取引の期間を指定する必要がある。ここでは、振込データが存在する各年度について資金トレースを計算するものとする。資金フロー分析装置100は、資金トレースの計算後、不図示の入力装置を通じて指定された年度の資金トレースを、ユーザインタフェース画面に描画する。
以下では、各年度について作成される資金トレースの計算方法について説明する。資金トレース計算部170は、選択された注目企業の上流方向と下流方向のそれぞれにネットワークを伸ばすことで資金トレースを計算する。資金トレースの作成範囲を自動的に決定するには、資金トレースの端(境界)を定義するルールが必要になる。ここでは、資金トレースに含まれる商流の端を以下のように定義する。括弧内は関連する処理機能である。
・他行との取引(外部への移動検出部161)
・寄与率が閾値以上(寄与率閾値設定部162、寄与率計算部163)
・ループを検出した場合(ループ検出部164)
・段数が規定値以内(段数設定部165)
続いて、商流の端を定義する個別のルールの意味を説明する。まず、他行との取引以降は、自行の管理する振込履歴データベース180によって資金フローを追跡できなくなるため、資金トレースの端となる。一連の商流のうち注目企業から見て寄与率が閾値より小さい範囲は、注目企業の評価には重要性が低い情報となるため、下流方向については寄与率が初めて閾値より小さくなるノードの1つ上位側が資金トレースの端となり、上流方向については寄与率が初めて閾値より小さくなるノードの1つ下流側が資金トレースの端となる。なお、寄与率は、注目企業からの商流又は注目企業への商流に沿った確率密度の伝播と定義する。このため、確率密度が閾値以上の範囲を資金トレースとして定義する。
図9では、注目企業のノードの値を100%とし、各ノードの値にエッジの確率密度を掛けて次段のノードの寄与率を順次決定した様子を表している。図9の場合、寄与率が5%以上の値が与えられる範囲までが資金トレースを構成する。因みに、注目企業から下流方向への確率密度pij(y)と上流方向への確率密度prij(y)は、次式で与えられる。ここで、yは対象年度を表す。
・pij(y)=Fij(y)/ΣkFik(y)
・prij(y)=Fij(y)/ΣkFij(y)
ループを検出した場合、資金トレースの端とする。ループは、バリューチェーンの上流に現れるノードと下流に現れるノードが同じであることを意味し、通常の商取引では考え難いからである。ループを検出した場合には、アラートを出すなどして利用者に注意を喚起する。
段数の最大値により資金トレースの端を定義する。確率密度の伝播では閾値よりも小さな値への収束に多数の段数が必要になる可能性がある。段数が増えると、一直線に伸びた資金トレースになり、寄与率が小さい企業が多数発生する。特に、リスクの高い資金トレースを見る場合には、資金トレース内に寄与率が小さい企業が増えることは好ましくない。このため、資金トレースの最大段数を設定して資金トレースの端とする。
図9は、寄与率5%、段数の最大値が3段の条件で描画した資金トレースである。図9には、注目企業から見た寄与率(%)が各ノードに表されている。また、個々のエッジの近傍には、各エッジに対応するノード間の確率密度が表されている。また、図9では、丸印のノードが自行内取引であることを示し、四角印のノードが他行との取引であることを示している。また、実線の矢印(有向エッジ)は、資金トレースの描画条件(商流抽出条件)に合致した商流を示し、点線の矢印(有向エッジ)は、資金トレースの描画条件(商流抽出条件)に合致しない商流を表している。このため、点線の矢印の根本側にあるノード又先にあるノードは資金トレースとして描画されない。図9では、参考までに条件に合致しない商流と当該商流に関係するノードについても表した状態を表している。この条件に合致しない商流の表示と非表示は、ユーザインタフェース画面上の操作ボタンによって切り替え可能としても良い。なお、条件に合致する商流と合致しない商流の両方を表示する場合には、合致する商流部分と合致しない商流部分で表示形態を変えても良い。
[まとめ]
以上説明したように、本形態例に係る資金フロー分析装置100を用いれば、自行で管理している振込データだけを使用して商流を表すグラフ(資金トレース)を作成することができ、従来技術のように財務諸表を入手したり外部機関から主要取引先の情報などを入手したりしなくとも企業間取引を判断することができる。なお、振込データは、振込の都度データでも、月次集計された振込データでも良い。また、本形態例の場合には、自行で管理する振込データを使用して資金トレースを作成するため、自行と取引のある全ての取引先を対象として資金トレースを作成することができる。
また、本形態例によれば、振込データの出現頻度の閾値を設定できるため、閾値よりも出現頻度が低い振込データ(スポット取引)を統計処理の対象から除外することができる。この結果、スポット取引の振込データの資金トレースへの影響を除去でき、真に重要性の高いバリューチェーンを抽出し利用者に提示することができる。また、本形態例によれば、成長又は衰退しているバリューチェーンを指定して資金トレースを作成することができる。また、本形態例によれば、利用者がユーザインタフェース画面を通じて指定入力した寄与率閾値、最大段数、依存度閾値に従って資金トレースの境界が自動的に設定されるため、視認性を確保しながら真に重要性の高いバリューチェーンの部分だけで構成される資金トレースを表示できる。
[形態例2]
前述の形態例では、資金フロー分析装置100による資金トレースの自動描画機能について説明した。しかし、自動的に描画される資金トレースだけでは、利用者が必要とする情報に落ちが生じる可能性がある。そこで、自動的に描画された資金トレースの段数を利用者の手動操作によって個別に延長できる機能を用意しても良い。なお、段数を延長するノードは、ユーザインタフェース画面上で利用者が指定できるようにする。また、利用者から指定を受けた資金フロー分析装置100は、指定ノードから1階層先のうち段数以外の条件を満たす商流を表示する。
[形態例3]
本形態例では、リスクの高い商流を見たい場合には、子会社と親会社の関係のように依存度が非対称の取引(すなわち、子会社から親会社への依存は高いが、親会社から見ると子会社の取引への依存が低い取引)についても自動的に抽出して描画できる機能について説明する。
この目的のため、本形態例では、統計処理部140が下流方向(又は上流方向)への確率密度の伝播量を遷移確率pij(y)(又は、prij(y))として計算する際、反対方向への遷移確率prij(y)(又はpij(y))についても計算するものとし、段数伸長判断部172は、反対方向について計算された遷移確率が別途定める閾値以上のとき、該当する商流を資金トレースの描画対象に追加する処理を実行する。なお、計算された遷移確率が別途定める閾値(依存度閾値)以下の場合、資金トレース段数伸長判断部172は、資金トレースの段数の伸長は行わない。
当該機能の搭載により、注目企業を中心に資金トレースを自動的に計算する仕組みを実現できた。また、本形態例により、取引のある全ての取引先を対象に資金トレースを計算することができる。
[他の形態例]
本発明は、上述した形態例の構成に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば上述した形態例は、本発明を分かりやすく説明するために、一部の形態例について詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要は無い。また、ある形態例の一部を他の形態例の構成に置き換えることが可能であり、ある形態例の構成に他の形態例の構成を加えることも可能である。また、各形態例の構成に他の構成を追加し、又は、各形態例の一部構成を他の構成で置換し、又は各形態例の一部構成を削除することも可能である。
100…資金フロー分析装置、110…データ連携部、120…振込データ出現頻度閾値設定部、130…データ前処理部、140…統計処理部、141…ノード統計量計算部、142…エッジ統計量計算部、143…グラフ統計量計算部、144…成長率および複合年率成長率計算部、150…注目企業選択部、160…資金トレース境界規則設定部、161…他の金融機関への資金移動検出部、162…資金移動の寄与率閾値設定部、163…資金移動の寄与率計算部、164…資金トレースのループ検出部、165…資金トレースの段数設定部、166…取引への依存度の閾値設定部、170…資金トレース計算部、171…資金移動先探索部、172…資金トレース段数伸長判断部、180…振込履歴データベース、190…端末。

Claims (14)

  1. 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と、
    前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付ける出現頻度閾値設定部と、
    を有することを特徴とする資金フロー分析装置。
  2. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記統計処理部の処理対象とする前記振込データは、振込の都度データ又は一定期間の集計データである
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  3. 請求項に記載の資金フロー分析装置において、
    前記判定用閾値よりも出現頻度が低い前記振込データを前記統計処理部の処理対象から除去するデータ前処理部を更に有する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  4. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記統計処理部は、(1)企業への資金流入及び/又は企業からの資金流出に関する統計量を計算するノード統計量計算部、(2)送金元と送金先の組毎に資金フローに関する統計量を計算するエッジ統計量計算部、及び、(3)ある企業の定常的な商流を表す統計量を計算するグラフ統計量計算部のうちのいずれか1つ又は複数を有する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  5. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記統計処理部は、前記統計量として年率成長率又は複合年率成長率を計算する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  6. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記境界規則設定部は、(1)他の金融機関への又は他の金融機関からの資金移動を検出する検出部、(2)前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内での各ノードの寄与率を計算する寄与率計算部と前記寄与率の閾値を設定する寄与率閾値設定部、(3)資金トレースのループを検出するループ検出部、(4)資金トレースの段数を設定する段数設定部、(5)前記企業間取引の依存度の判定に使用する閾値を設定する依存度閾値設定部のうちのいずれか1つ又は複数を有する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  7. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記資金トレース計算部は、前記注目企業から上流方向と下流方向に、それぞれ資金の移動先を探索する資金移動先探索部を有する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  8. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記資金トレースの段数の入力欄が設けられる
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  9. 請求項1に記載の資金フロー分析装置において、
    前記資金トレースでは、他の金融機関への又は他の金融機関からの資金移動と金融機関自身の内部の資金移動とが異なる形態で表示される
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  10. 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
    を有し
    前記資金トレース計算部は、前記統計量から計算される企業間取引の依存度に基づいて、前記境界規則を超えて資金トレースの段数を伸ばすか否かを判定する段数伸長判断部を有する
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  11. 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
    を有し
    前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内の寄与率の判定用閾値の入力欄が設けられる
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  12. 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
    を有し
    前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースの境界を与える境界条件の1つとして、前記企業間取引の依存度の判定用閾値の入力欄が設けられる
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  13. 金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と
    を有し
    前記ユーザインタフェース画面には、前記資金トレースと共に商流抽出条件が表示され、前記商流抽出条件は、前記注目企業への資金流入及び/又は前記注目企業からの資金流出に関する各商流内の寄与率、及び/又は、前記資金トレースの描画段数である
    ことを特徴とする資金フロー分析装置。
  14. 資金フロー分析装置を用いて資金フローを分析する資金フロー分析方法であって、
    前記資金フロー分析装置は、
    金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得するデータ連携部と、
    前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算する統計処理部と、
    複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定する境界規則設定部と、
    注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算し、計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示する資金トレース計算部と、
    前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付ける出現頻度閾値設定部と、
    を有し、
    前記データ連携部が金融機関自身が管理するデータベースから振込データを取得することと、
    前記統計処理部が前記振込データに基づいて商流に関する統計量を計算することと、
    前記境界規則設定部が複数階層に亘る企業間取引をノードとエッジで表現する資金トレースの描画範囲を規定する境界規則を設定することと、
    前記資金トレース計算部が注目企業から上流方向及び/又は下流方向の商流に関する前記統計量と前記境界規則とに基づいて前記資金トレースを計算することと、
    前記資金トレース計算部が計算された前記資金トレースをユーザインタフェース画面上に表示すること
    前記出現頻度閾値設定部が前記振込データの出現頻度の判定用閾値を、前記ユーザインタフェース画面を通じて受け付けることと、
    含む資金フロー分析方法。
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