JP2004185551A - 経営品質管理システム、経営品質管理方法、経営品質管理プログラム及び媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】企業に関する各利害関係者の要求や企業が行う事業に関する各利害関係者の要求を定量化する品質指標を定式化して、経営者が決めた重要度で利害関係者に配慮しながら、株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することができる経営品質管理システム及びその方法を提供することである。
【解決手段】各利害関係者の要求を設定、入力して、各利害関係者にとって望ましい企業について構築した財務データ、非財務データのデータベースを用いて、統計解析により定式化した品質指標を用い、各利害関係者の要求を定量化する。さらに、複数の事業経営計画を設定、入力して、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などの事業経営計画をシミュレーションにより予測して、各利害関係者の重要度で重み付けした総合品質指標を求めて、この総合品質指標に基づいて株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することを可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】各利害関係者の要求を設定、入力して、各利害関係者にとって望ましい企業について構築した財務データ、非財務データのデータベースを用いて、統計解析により定式化した品質指標を用い、各利害関係者の要求を定量化する。さらに、複数の事業経営計画を設定、入力して、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などの事業経営計画をシミュレーションにより予測して、各利害関係者の重要度で重み付けした総合品質指標を求めて、この総合品質指標に基づいて株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することを可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業の抱えている事業部門の評価あるいは新しい事業を行う場合の新事業の評価を行うための経営品質管理システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
経営のグローバル化に対応するために、企業統治(コーポレートガバナンス)の概念を経営に取り入れる動きが広まっている。従業員、債権者など様々な利害関係者(ステーク・ホルダー)を満足させながら、株主価値を最大化するよう企業を経営すべしとの考えが企業統治の骨子である。しかしながら、現状は定性的な議論に留まりがちであり、企業統治を効率的に実施するには定量的な指標に基づく管理方法が必要である。このような経営の管理または支援の方法として従来技術としては次のものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1には、経営の基本方針に関わる項目、人に関する項目、商品に関する項目などの診断項目について、業種別、規模別、業績別に該当するレベルをチェックして、この診断項目のレベルを重み付けすることにより、経営上の重要テーマを選訳することができる経営支援方法に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、企業全体の活動または企業内の特定の活動をプロジェクトとして捉えプロジェクトを遂行するための正しい活動を管理・評価でき、計画、実行、確認段階での意思決定の支援に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001―357178号公報(段落〔0008〕−〔0014〕)
【特許文献2】
特開2002―92282号公報(段落〔0006〕−〔0026〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの従来技術においては、経営の基本方針に関する項目、人に関する項目、商品に関する項目などの診断項目について、業種別、規模別、業績別の質問事項への回答を基にするので、定性的または主観的な判断となり、その企業やその事業に関する利害関係者に配慮しながら株主価値を最大化するという企業統治の観点が明確でないなどの課題がある。ここで、利害関係者とは株主、債権者、経営者及び従業員などである。
【0005】
そこで、本発明の課題は、各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた重要度で利害関係者に配慮しながら、株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することができる経営品質管理システム及びその方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の経営品質管理システム及び方法は、その企業やその事業に関する各利害関係者の要求を設定、入力して、各利害関係者にとって望ましい企業について構築した財務データ、非財務データのデータベースを用いて、統計解析により定式化した品質指標を用い、各利害関係者の要求を定量化することを特徴とする。さらに、経営者は、事業環境を考慮して複数の事業経営計画を設定、入力して、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などの事業経営計画をモンテカルロシミュレーションにより予測して、経営者が決めた各利害関係者の重要度で重み付けした総合品質指標を求めて、この総合品質指標に基づいて株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することを可能とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の経営品質管理システム及び方法に関して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る経営品質管理システムの構成と各構成要素間の関連を示した図である。本発明に係る経営品質管理システムは、企業やその事業に関する各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた各利害関係者の品質指標に対する重要度で利害関係者に配慮しながら、株主価値を最大化するための事業経営計画を選択するシステムである。
【0008】
図1に示すように、経営品質管理システムは、利害関係者の要求を入力する要求入力部1、利害関係者の要求に合うように品質指標を定式化するモデル作成部3、利害関係者に望ましい企業についての財務ないし非財務データをデータベース化した財務・非財務データベース8、事業環境を考慮した複数の事業経営計画の入力部2、事業経営計画に従って収益や経済付加価値など事業経営計画を予測する事業経営計画シミュレーション部4、シミュレーション結果の表示部5、品質指標の算出部6、利害関係者の重要度を入力する重要度入力部7、品質指標を利害関係者の重要度で重み付けする総合品質指標の算出部9、利害関係者の要求を総合的に最大化する事業経営計画の選択部10、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11から構成されている。
【0009】
なお、これらの各構成手段は、コンピュータを用いて、経営品質管理プログラムとしてコンピュータのプログラムで実現することができる。また、この経営品質管理プログラムは、記録媒体に記録することができる。
【0010】
図1には、前述した各構成要素間でのコンピュータによって処理を行うシステムフローチャートが示されている。以下、図1を参照して説明する。まず、利害関係者の要求入力部1から、利害関係者の要求を入力する。これは利害関係者の立場で、顕在・潜在の要求を把握することを意味する。代表的な利害関係者として、株主、債権者、管理者(経営者)及び従業員などが挙げられる。また、各利害関係者の要求の一例として、株主に関しては「株価が上がって欲しい」、債権者に関しては「予定通り償還してほしい」、「倒産しないでほしい」、管理者(経営者)に関しては「利益を増やしたい」、「リスクを削減したい」、「高いボーナスがほしい」、従業員に関しては「高い給与がほしい」、「倒産しないでほしい」などが考えられる。他の利害関係者としては、債権者、消費者、供給者及び政府などもあげられる。なお、図示しないが、これらは、利害関係者の要求を一覧にして画面に表示し、入力項目をチェックボックスなどでチェックして選択、入力することができる。
【0011】
次に、利害関係者の要求に合うように、品質指標を定式化するモデル作成部3で、利害関係者に望ましい企業についての財務・非財務データベース8を使用して、品質指標を定式化する。ここで、品質指標とは、利害関係者の要求を定量化するための数値指標である。
【0012】
図2は、具体的な品質指標の定式化方法を示した図である。利害関係者の要求入力部1から、利害関係者の要求に合うように品質指標を定式化するモデル作成部3へ、例えば債権者の要求として債権を予定通り償還して欲しいとの要求が入力されたとして、定式化の具体的な手順を以下に説明する。
当該要求は、品質指標を定式化するモデル作成部3から、財務・非財務データベース(処理)8ヘ送られる。財務・非財務データベース(処理)8では、企業の評価をデータベース化した企業評判定性・定量データ82から信用度の高い、すなわち予定通り償還する見込みが大きい企業群が選別されて、その企業群についてのデータが財務・非財務データ81から選択されて品質指標を定式化するモデル作成部3に返される。このデータとしては、例えば下記のような指標が挙げられる。なお、財務・非財務データベース8は、信用度の高い企業群のこれまでの財務・非財務の実績データをあらかじめデータベース化しておくものである。図3は、これら財務・非財務データ81のテーブル構成を示した図である。これらデータは、各々の信用度の高い企業名810に対して株主資本比率811、流動比率812、売上高総利益率813、売上高営業利益率814などの指標に対応付けたデータで構成されている。
【0013】
次に各指標について下記に示す。
収益性をあらわす指標の例としては、式(1)から(4)がある。
売上高総利益率=売上総利益/売上高・・・・・(1)
売上高営業利益率(売上高EBIT率)=営業利益/売上高・・(2)
売上高経常利益率=経常利益/売上高・・・・・(3)
売上高当期純利益率=当期純利益/売上高・・・(4)
【0014】
成長性をあらわす指標の例としては式(5)から(6)がある。
売上高成長率=売上高増加額/基準年度の売上高・・・・(5)
総資産成長率=総資産増加額/基準年度の総資産残高・・(6)
【0015】
効率性をあらわす指標の例としては式(7)から(11)がある。
総資産回転率=売上高/総資産・・・・・・・(7)
売上債権回転期間=売上債権/(売上高/365)・・・(8)
在庫回転期間=棚卸資産/(売上高/365)・・・・(9)
仕入債務回転期間=仕入債務/(売上高/365)・・(10)
有形固定資産回転率=売上高/有形固定資産・・・・・(11)
【0016】
安定性をあらわす指標の例としては式(12)から(17)がある。
株主資本比率=株主資本/総資産・・・・・(12)
流動比率=流動資産/流動負債・・・・・・・(13)
当座比率=当座資金(項金頭金+売上債権+有価証券)/流動負債・・・・・(14)
固定比率=固定資産/株主資本・・・・・・(15)
固定長期適合率=固定資産/(株主資本+固定負債)・・・(16)
インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+金融収益)/支払い利息・・・(17)
【0017】
総合力をあらわす指標の例としては式(18)から(20)がある。
経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本・・・(18)
ROE=当期純利益/株主資本・・・・・・(19)
ROA=(経常利益+支払い利息)/総資産・・・・(20)
【0018】
利害関係者の要求に合うように、品質指標を定式化するモデル作成部3では、上記の指標を用いて、例えば主成分分析のような統計解析により、利害関係者の要求を最もよく表すように指標の一次結合として品質指標を定式化する。品質指標の定式化は、利害関係者の要求に対して財務・非財務データベース8から返された企業群のデータを座標軸にプロットして企業群の分布を描き、その分布の幅が最も長くなるように座標変換(回転)して、幅が最も長くなる方向を品質指標とするものである。多くの指標から成る場合も同様である。
【0019】
図2は、2つの指標を用いた例を図示している。この例では、株主資本比率reと流動化比率rfを、平均0、標準備差1となるように標準化して、これらの2つの数量で張る平面上に企業群のデータの分布を描く。この例では、株主資本比率reと流動化比率rfの二種類の指標であるので2次元に企業群のデータをプロットしている。図2に示す符号31の範囲がプロットされた範囲とする。このデータの分布にしたがって、分布の幅が最も長くなるように座標回転を行う。すなわちこれは財務・非財務データベース8が持つ企業群の実績データに基づく統計的な処理方法である。図2に示すように、株主資本比率reと流動化比率rfが図のように分布したとし(図2の符号31の範囲)、座標回転での回転角をωとすると品質指標はre・COSω+rf・sinωとして表わすことができる。ここで品質指標は、その分布の幅が最も長くなる方向(第1主成分と呼ぶ)を採用しているので優良企業のデータを統計的に取り入れていることになる。一般にN個の指標から求める場合は、n次元になり回転角がn個になる。これを一般式にあらわしたものが次の式(A)である。品質指標をZ、財務・非財務データをXi(i=1、・・・、n)とすると品質指標Zは財務・非財務データXiの一次結合であらわすことができる。
【0020】
【数1】
【0021】
係数aは、次の(B)の固有値方程式を解くことにより求める。第一主成分は、最も大きい固有値λに対応する係数aである。
【0022】
【数2】
【0023】
ただし、rは以下の式で定義される相関係数である。またEは、確率的な意味における期待値を表わす。
【0024】
【数3】
【0025】
なお、この品質指標の式を求めることをモデル化と呼ぶ。図2では、利害関係者を債権者として債権者の品質指標の一例で示したが、品質指標としては、前述したように利害関係者である株主、管理者(経営者)、従業員などに関しても同様に求めることができる。
【0026】
これにより各利害関係者の要求を品質指標として定式化することができ、定量的かつ客観的に判断することができるようになる。
【0027】
次に、事業環境を考慮した事業経営計画入力部2から、事業経営計画に関するデータを入力する。入力は、共通部と各技法ごとに入力する。図4は、事業経営計画(共通部分)入力画面20の入力の一例を示した図である。共通部分とは、事業経営計画を進める上での後述する各種の技法(手法)に対して共通条件の部分である。検討する複数の事業経営計画のうち共通部分を、事業経営計画(共通部分)入力画面20から入力する。図4では、具体的な項目として、業種201、目標格付け202、株主資本コスト203、借入金利204、税率205、従業員や経営者の給与を算出するための従業員の給与係数β206や経営者の給与係数α207が表示されている。目標格付け202は、事業経営計画に対する目標格付けであり、事業が単一の専門の会社であれば企業格付けを意味する。株主資本コスト203は、この事業経営計画に対して準資産または自己資本が占める割合をいう。また、借入金利204は、この事業経営計画のコストに対して占める借入金の金利である。従業員の給与係数β206と経営者の給与係数α207は後述する式(28)(29)に関する係数である。これらのデータを共通部で入力した後、ボタン「次へ」208を押すと図5に遷移する。
【0028】
図5は、事業経営計画(技法ごと)入力画面21の入力の一例を示した図である。複数の事業経営計画を検討する場合、例えば営業強化策や経費削減策などのように経営の方針に係ることを技法と呼ぶ。技法にそったデータを事業環境を考慮した事業経営計画(技法ごと)入力画面21から入力する。図5では、例えば入力する具体的な項目として、技法名217、年度210、製品価格R1(211)、販売数量R2(212)、材料費R3(213)の初期値219、220、221を初めとして、各年度ごとの、製品価格R1のトレンド(傾き)222とボラテイリテイ(ブレ幅)223、販売数量R2のトレンド(傾き)224とボラテイリテイ(ブレ幅)225、材料費R3のトレンド(傾き)226、とボラテイリテイ(ブレ幅)227、減価償却費214、株主資本合計215、有利子負債216などが挙げられる。図5では、事業経営計画の技法名として標準計画218と入力している。なお、標準計画218は特に規定するものではなく一般的によく生じると思われるものを標準計画218とすればよい。事業経営計画(技法ごと)の入力部のボタン「次へ」240を押すと、次の技法を入力する入力画面が現れる。図6は、技法として営業強化228を入力データに反映して入力した事業経営計画(技法ごと)入力画面22の入力の一例を示した図である。図5に示した標準計画218に対して、営業強化として販売数量R2のトレンド(傾き)224とボラテイリテイ(ブレ幅)225の増加を行っている。さらに、ボタン「次へ」240を押すと次の技法を入力する入力画面が現れる。図7は、技法として経費削減A238を入力データに反映して入力した事業経営計画(技法ごと)入力画面23の入力の一例を示した図である。図5に示した標準計画218に対して、材料費R3のトレンド(傾き)226とボラテイリテイ(ブレ幅)227を減らしている。また、材料費R3を経費削減A(238)とは異なる入力データに変えて例えば経費削減Bとして新たに入力することもできる(図示せず)。上記の入力項目を各々の技法について入力した後に、ボタン「完了」242を押して事業経営計画の入力を終了する。なお、技法の選択によっては、図5から図7に示した製品価格R1(211)、販売数量R2(212)、材料費R3(213)など以外の入力項目が入っていても構わない。
【0029】
次に、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などを予測する事業経営計画シミュレーション部4では、例えばモンテカルロシミュレーションなどの方法により、各々の事業経営計画(技法)についてシミュレーションを行う。図8は、事業経営計画シミュレーション部4の入力画面の一例を示した図である。事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などを予測する事業経営計画シミュレーション部4では、モンテカルロシミュレーションのサンプル数41を入力または選択して、ボタン「実行」42を押してシミュレーションを行う。図8に示した例ではサンプル数41は10000である。これは、図5において2002年度から2006年度の5年度を一つのサンプルとして、これを10000回シミュレーションすることである。結果表示の欄には、事業経営計画43として標準計画、技法1、技法2、技法3があり、表示項目44の欄には、価格(販売価格)、数量(販売数量)、材料費、税引き後営業利益NOPAT、後述する経済利益FIV(R)(Future Inspiration Value)があり、ここでは、標準計画とFIV(R)が選択されている。また、表示年度45は、シミュレーションした結果を表示する年度である。等分数46は、シミュレーションした結果を表示するグラフの最小値から最大値までの間の分割数である。サンプル数が少ないような場合は等分数を小さくして見やすくすることができる。ボタン「表示」47を押すとシミュレーションした結果が表示される。モンテカルロシミュレーションの具体的計算は、例えば以下のように行うことができる。販売価格Rl、販売数量R2、材料費R3は確率過程であり、事業経営計画において与えられたトレンドμとボラテイリテイρを用いた幾何ブラウン過程で表される。販売価格Rlを例にすると、販売価格R1のサンプル過程を以下の式のようにモンテカルロシミュレーションによって生成する。
【0030】
Rl(t+1)=Rl(t)+△Rl(t)・・・・(21)
△Rl(t)=Rl(t){μ(t)△t+ρ(t)ε√Δt}・・・・(22)
【0031】
ここで、εは標準正規乱数である。すなわち平均値が0で標準偏差が1の乱数である。1回のサンプルで5回乱数を発生させ(2002年度から2006年度)て、販売価格R1をシミュレーションするものである。また、tは時刻、Δは変分を意味する。販売数量R2、材料費R3についても、同様の方法でサンプル過程を生成することができる。
【0032】
次に、品質指標の算出部6においては、上述の方法により生成した販売価格Rl、販売数量R2、材料費R3のサンプル過程を用いて、経済利益FIV(R)のサンプル過程を算出するために、まず税引き後営業利益NOPATのサンプル過程を算出する。NOPATは、次の式(23)で表わせる。
NOPAT=(経常利益+支払い利息)×(1−税率)・・(23)
【0033】
ここで経常利益は、次の式(24)である。
経常利益=売上−減価償却費−製造コスト・・・・(24)
【0034】
また、売上、減価償却費、製造コストはそれぞれ式(25)、(26)、(27)で表わせる。
売上=販売価格Rl×販売数量R2・・・・(25)
減価償却費=設備投資額/償却期間・・・・・(26)
製造コスト=従業員の給与+材料費・・・・・(27)
従業員の給与=β×売上・・・・・・(28)
経済利益FIV(R)は、前述した式(18)に従って算出する。
経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本・・・(18)
【0035】
ここで、式(18)の加重平均資本コストは、次の式(18a)(18b)で求まる。
加重平均資本コスト={株主資本コスト率×株主資本合計×(1−税率)/投下資本}+{借入金利×有利子負債/投下資本}・・(18a)
投下資本=株主資本合計+有利子負債・・・(18b)
したがって、これらの式及び販売価格R1、販売数量R2、材料費R3などのサンプル過程から経済利益FIV(R)を求めることができる。
また、経営者の給与は、コストではなく、以下のように事業が生み出す経済利益FIV(R)に連動するものとする。
経営者の給与=α×FIV(R)・・・・・(29)
式(1)〜(20)の他の品質指標についても、事業経営計画の入力値から直接に、または経済利益FIV(R)に同様の方法を用いて算出できる。
【0036】
上記モンテカルロシミュレーションの結果を、シミュレーション結果の表示部5で表示する。各々の事業経営計画について各々の年度の、販売価格、販売数量、材料費、税引き後営業利益NOPAT、経済利益FIV(R)などを表示する。図9は、シミュレーション結果の表示部5での表示の一例を示した図である。図9では、画面の左側にてサンプル数41、選択した事業経営計画43、表示項目44、表示年度45、等分数46について表示し、画面の右側にて選択した表示項目のグラフ51を表示する。図9では、表示項目としてFIV(R)を表示している。このシミュレーションでは、FIV(R)は、27、000(百万円)近傍が最も高い度数を表わしている。逆にこの事業経営計画は、FIV(R)の27、000(百万円)が最も事業として可能性が高いということを表わしている。
【0037】
これにより事業経営計画をより確かなものにすることができる。
【0038】
次に、利害関係者の重要度入力部7で、各々の利害関係者の重要度を入力する。ここで、重要度とは、経営者の考える経営品質の設定であり、経営のねらいの明確化を意味する。図10は、利害関係者の重要度入力部7の入力の一例を示した図である。図10に示した利害関係者の重要度入力部7には、例えば利害関係者として株主、経営者、従業員を挙げている。図10において、各々の利害関者の重要度である株主ウエイト71、経営者ウエイト72、従業員ウエイト73をそれらの合計が100%となるように入力してボタン「確定」74を押す。
【0039】
この重要度により、経営者の事業経営計画に対するねらいを明確にするという効果がある。
【0040】
さらに、品質指標を利害関係者の重要度で重み付けする総合品質指標の算出部9では各々の事業経営計画(技法)について、各々の利害関係者の品質指標を重要度で重み付けして総合品質指標を算出する。総合品質指標は、利害関係者が株主、経営者、従業員の場合は、次の式(30)のように表わすことができる。
総合品質指標=Wl×株主の品質指標+W2×経営者の品質指標+W3×従業員の品質指標・・・・・・(30)
ここで株主の品質指標、経営者の品質指標、従業員の品質指標は、各利害関係者の要求にあうようにそれぞれ図2に示した主成分分析のような統計手法により、品質指標の定式化方法で求めることができる。一つの形としては、前述したように株主の品質指標は、式(18)の経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本、従業員の品質指標は、式(28)の従業員の給与=β×売上、経営者の品質指標は、式(29)の経営者の給与=α×FIV(R)を使用することができる。
【0041】
利害関係者の要求を総合的に最大化する事業経営計画の選択部10では、前述の方法で算出した総合品質指標が最も大きい事業経営計画を選択する。
【0042】
最後に、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11において、各々の事業経営計画について、各々の利害関係者の品質指標と総合品質指標を表示する。図11は、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11で表示した結果の一例を示す図である。図11においては、列方向にウエイト115及び標準計画116、営業強化117、経費削減A118、経費削減B119などの技法を取り入れた事業経営計画が表示されており、行方向に、利害関係者である株主、経営者、従業員の品質指標×ウエイト(W1、W2、W3)を表示した株主・W1(111)、経営者・W2(112)、従業員・W3(113)と標準計画からの変化率1110、1120、1130及び総合品質指標114が表示されている。図11に示した例では、総合品質指標114は、技法として営業強化117を採用した場合が1番大きい結果となっている。したがって、事業経営計画は、技法として営業強化117を採用することで各利害関係者の要求を最大限に満足させることができる。最後にボタン「終了」120を押すと一連の動作が終了する。
【0043】
これにより、総合品質指標が最大となる事業経営計画を選択することで、利害関係者の要求を総合的に最大化するように事業経営計画を策定する事が可能となる。
【0044】
以上説明した本発明は、前記した実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、事業計画を決定するための事業計画決定支援システムや企業経営の診断をする経営コンサルティング支援システムなどは、前述した利害関係者の品質指標や総合品質指標などを用いて実施することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る経営品質管理方法及びシステムによれば、各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた重要度で利害関係者に配慮しながら株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することができる。また、定量的な指標に基づく経営管理により、企業統治を効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る経営品質管理システムの構成と各構成要素間の関連を示す図である。
【図2】品質指標の定式化方法を示す図である。
【図3】財務・非財務データのテーブル構成を示す図である。
【図4】事業経営計画(共通部分)入力画面の入力の一例を示す図である。
【図5】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(標準計画)を示す図である。
【図6】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(営業強化)を示す図である。
【図7】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(経費削減A)を示す図である。
【図8】事業経営計画シミュレーション部の入力画面の一例を示す図である。
【図9】シミュレーション結果の表示部での表示の一例を示す図である。
【図10】利害関係者の重要度入力部の入力の一例を示す図である。
【図11】総合品質指標及び事業経営計画の表示部で表示した結果の一例を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・要求入力部
2・・・事業経営計画の入力部
3・・・品質指標を定式化するモデル作成部
4・・・事業経営計画シミュレーション部
5・・・シミュレーション結果の表示部
6・・・品質指標の算出部
7・・・重要度入力部
8・・・財務・非財務データベース
9・・・総合品質指標の算出部
10・・事業経営計画の選択部
11・・総合品質指標及び事業経営計画の表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業の抱えている事業部門の評価あるいは新しい事業を行う場合の新事業の評価を行うための経営品質管理システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
経営のグローバル化に対応するために、企業統治(コーポレートガバナンス)の概念を経営に取り入れる動きが広まっている。従業員、債権者など様々な利害関係者(ステーク・ホルダー)を満足させながら、株主価値を最大化するよう企業を経営すべしとの考えが企業統治の骨子である。しかしながら、現状は定性的な議論に留まりがちであり、企業統治を効率的に実施するには定量的な指標に基づく管理方法が必要である。このような経営の管理または支援の方法として従来技術としては次のものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1には、経営の基本方針に関わる項目、人に関する項目、商品に関する項目などの診断項目について、業種別、規模別、業績別に該当するレベルをチェックして、この診断項目のレベルを重み付けすることにより、経営上の重要テーマを選訳することができる経営支援方法に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、企業全体の活動または企業内の特定の活動をプロジェクトとして捉えプロジェクトを遂行するための正しい活動を管理・評価でき、計画、実行、確認段階での意思決定の支援に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001―357178号公報(段落〔0008〕−〔0014〕)
【特許文献2】
特開2002―92282号公報(段落〔0006〕−〔0026〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの従来技術においては、経営の基本方針に関する項目、人に関する項目、商品に関する項目などの診断項目について、業種別、規模別、業績別の質問事項への回答を基にするので、定性的または主観的な判断となり、その企業やその事業に関する利害関係者に配慮しながら株主価値を最大化するという企業統治の観点が明確でないなどの課題がある。ここで、利害関係者とは株主、債権者、経営者及び従業員などである。
【0005】
そこで、本発明の課題は、各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた重要度で利害関係者に配慮しながら、株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することができる経営品質管理システム及びその方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の経営品質管理システム及び方法は、その企業やその事業に関する各利害関係者の要求を設定、入力して、各利害関係者にとって望ましい企業について構築した財務データ、非財務データのデータベースを用いて、統計解析により定式化した品質指標を用い、各利害関係者の要求を定量化することを特徴とする。さらに、経営者は、事業環境を考慮して複数の事業経営計画を設定、入力して、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などの事業経営計画をモンテカルロシミュレーションにより予測して、経営者が決めた各利害関係者の重要度で重み付けした総合品質指標を求めて、この総合品質指標に基づいて株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することを可能とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の経営品質管理システム及び方法に関して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る経営品質管理システムの構成と各構成要素間の関連を示した図である。本発明に係る経営品質管理システムは、企業やその事業に関する各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた各利害関係者の品質指標に対する重要度で利害関係者に配慮しながら、株主価値を最大化するための事業経営計画を選択するシステムである。
【0008】
図1に示すように、経営品質管理システムは、利害関係者の要求を入力する要求入力部1、利害関係者の要求に合うように品質指標を定式化するモデル作成部3、利害関係者に望ましい企業についての財務ないし非財務データをデータベース化した財務・非財務データベース8、事業環境を考慮した複数の事業経営計画の入力部2、事業経営計画に従って収益や経済付加価値など事業経営計画を予測する事業経営計画シミュレーション部4、シミュレーション結果の表示部5、品質指標の算出部6、利害関係者の重要度を入力する重要度入力部7、品質指標を利害関係者の重要度で重み付けする総合品質指標の算出部9、利害関係者の要求を総合的に最大化する事業経営計画の選択部10、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11から構成されている。
【0009】
なお、これらの各構成手段は、コンピュータを用いて、経営品質管理プログラムとしてコンピュータのプログラムで実現することができる。また、この経営品質管理プログラムは、記録媒体に記録することができる。
【0010】
図1には、前述した各構成要素間でのコンピュータによって処理を行うシステムフローチャートが示されている。以下、図1を参照して説明する。まず、利害関係者の要求入力部1から、利害関係者の要求を入力する。これは利害関係者の立場で、顕在・潜在の要求を把握することを意味する。代表的な利害関係者として、株主、債権者、管理者(経営者)及び従業員などが挙げられる。また、各利害関係者の要求の一例として、株主に関しては「株価が上がって欲しい」、債権者に関しては「予定通り償還してほしい」、「倒産しないでほしい」、管理者(経営者)に関しては「利益を増やしたい」、「リスクを削減したい」、「高いボーナスがほしい」、従業員に関しては「高い給与がほしい」、「倒産しないでほしい」などが考えられる。他の利害関係者としては、債権者、消費者、供給者及び政府などもあげられる。なお、図示しないが、これらは、利害関係者の要求を一覧にして画面に表示し、入力項目をチェックボックスなどでチェックして選択、入力することができる。
【0011】
次に、利害関係者の要求に合うように、品質指標を定式化するモデル作成部3で、利害関係者に望ましい企業についての財務・非財務データベース8を使用して、品質指標を定式化する。ここで、品質指標とは、利害関係者の要求を定量化するための数値指標である。
【0012】
図2は、具体的な品質指標の定式化方法を示した図である。利害関係者の要求入力部1から、利害関係者の要求に合うように品質指標を定式化するモデル作成部3へ、例えば債権者の要求として債権を予定通り償還して欲しいとの要求が入力されたとして、定式化の具体的な手順を以下に説明する。
当該要求は、品質指標を定式化するモデル作成部3から、財務・非財務データベース(処理)8ヘ送られる。財務・非財務データベース(処理)8では、企業の評価をデータベース化した企業評判定性・定量データ82から信用度の高い、すなわち予定通り償還する見込みが大きい企業群が選別されて、その企業群についてのデータが財務・非財務データ81から選択されて品質指標を定式化するモデル作成部3に返される。このデータとしては、例えば下記のような指標が挙げられる。なお、財務・非財務データベース8は、信用度の高い企業群のこれまでの財務・非財務の実績データをあらかじめデータベース化しておくものである。図3は、これら財務・非財務データ81のテーブル構成を示した図である。これらデータは、各々の信用度の高い企業名810に対して株主資本比率811、流動比率812、売上高総利益率813、売上高営業利益率814などの指標に対応付けたデータで構成されている。
【0013】
次に各指標について下記に示す。
収益性をあらわす指標の例としては、式(1)から(4)がある。
売上高総利益率=売上総利益/売上高・・・・・(1)
売上高営業利益率(売上高EBIT率)=営業利益/売上高・・(2)
売上高経常利益率=経常利益/売上高・・・・・(3)
売上高当期純利益率=当期純利益/売上高・・・(4)
【0014】
成長性をあらわす指標の例としては式(5)から(6)がある。
売上高成長率=売上高増加額/基準年度の売上高・・・・(5)
総資産成長率=総資産増加額/基準年度の総資産残高・・(6)
【0015】
効率性をあらわす指標の例としては式(7)から(11)がある。
総資産回転率=売上高/総資産・・・・・・・(7)
売上債権回転期間=売上債権/(売上高/365)・・・(8)
在庫回転期間=棚卸資産/(売上高/365)・・・・(9)
仕入債務回転期間=仕入債務/(売上高/365)・・(10)
有形固定資産回転率=売上高/有形固定資産・・・・・(11)
【0016】
安定性をあらわす指標の例としては式(12)から(17)がある。
株主資本比率=株主資本/総資産・・・・・(12)
流動比率=流動資産/流動負債・・・・・・・(13)
当座比率=当座資金(項金頭金+売上債権+有価証券)/流動負債・・・・・(14)
固定比率=固定資産/株主資本・・・・・・(15)
固定長期適合率=固定資産/(株主資本+固定負債)・・・(16)
インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+金融収益)/支払い利息・・・(17)
【0017】
総合力をあらわす指標の例としては式(18)から(20)がある。
経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本・・・(18)
ROE=当期純利益/株主資本・・・・・・(19)
ROA=(経常利益+支払い利息)/総資産・・・・(20)
【0018】
利害関係者の要求に合うように、品質指標を定式化するモデル作成部3では、上記の指標を用いて、例えば主成分分析のような統計解析により、利害関係者の要求を最もよく表すように指標の一次結合として品質指標を定式化する。品質指標の定式化は、利害関係者の要求に対して財務・非財務データベース8から返された企業群のデータを座標軸にプロットして企業群の分布を描き、その分布の幅が最も長くなるように座標変換(回転)して、幅が最も長くなる方向を品質指標とするものである。多くの指標から成る場合も同様である。
【0019】
図2は、2つの指標を用いた例を図示している。この例では、株主資本比率reと流動化比率rfを、平均0、標準備差1となるように標準化して、これらの2つの数量で張る平面上に企業群のデータの分布を描く。この例では、株主資本比率reと流動化比率rfの二種類の指標であるので2次元に企業群のデータをプロットしている。図2に示す符号31の範囲がプロットされた範囲とする。このデータの分布にしたがって、分布の幅が最も長くなるように座標回転を行う。すなわちこれは財務・非財務データベース8が持つ企業群の実績データに基づく統計的な処理方法である。図2に示すように、株主資本比率reと流動化比率rfが図のように分布したとし(図2の符号31の範囲)、座標回転での回転角をωとすると品質指標はre・COSω+rf・sinωとして表わすことができる。ここで品質指標は、その分布の幅が最も長くなる方向(第1主成分と呼ぶ)を採用しているので優良企業のデータを統計的に取り入れていることになる。一般にN個の指標から求める場合は、n次元になり回転角がn個になる。これを一般式にあらわしたものが次の式(A)である。品質指標をZ、財務・非財務データをXi(i=1、・・・、n)とすると品質指標Zは財務・非財務データXiの一次結合であらわすことができる。
【0020】
【数1】
【0021】
係数aは、次の(B)の固有値方程式を解くことにより求める。第一主成分は、最も大きい固有値λに対応する係数aである。
【0022】
【数2】
【0023】
ただし、rは以下の式で定義される相関係数である。またEは、確率的な意味における期待値を表わす。
【0024】
【数3】
【0025】
なお、この品質指標の式を求めることをモデル化と呼ぶ。図2では、利害関係者を債権者として債権者の品質指標の一例で示したが、品質指標としては、前述したように利害関係者である株主、管理者(経営者)、従業員などに関しても同様に求めることができる。
【0026】
これにより各利害関係者の要求を品質指標として定式化することができ、定量的かつ客観的に判断することができるようになる。
【0027】
次に、事業環境を考慮した事業経営計画入力部2から、事業経営計画に関するデータを入力する。入力は、共通部と各技法ごとに入力する。図4は、事業経営計画(共通部分)入力画面20の入力の一例を示した図である。共通部分とは、事業経営計画を進める上での後述する各種の技法(手法)に対して共通条件の部分である。検討する複数の事業経営計画のうち共通部分を、事業経営計画(共通部分)入力画面20から入力する。図4では、具体的な項目として、業種201、目標格付け202、株主資本コスト203、借入金利204、税率205、従業員や経営者の給与を算出するための従業員の給与係数β206や経営者の給与係数α207が表示されている。目標格付け202は、事業経営計画に対する目標格付けであり、事業が単一の専門の会社であれば企業格付けを意味する。株主資本コスト203は、この事業経営計画に対して準資産または自己資本が占める割合をいう。また、借入金利204は、この事業経営計画のコストに対して占める借入金の金利である。従業員の給与係数β206と経営者の給与係数α207は後述する式(28)(29)に関する係数である。これらのデータを共通部で入力した後、ボタン「次へ」208を押すと図5に遷移する。
【0028】
図5は、事業経営計画(技法ごと)入力画面21の入力の一例を示した図である。複数の事業経営計画を検討する場合、例えば営業強化策や経費削減策などのように経営の方針に係ることを技法と呼ぶ。技法にそったデータを事業環境を考慮した事業経営計画(技法ごと)入力画面21から入力する。図5では、例えば入力する具体的な項目として、技法名217、年度210、製品価格R1(211)、販売数量R2(212)、材料費R3(213)の初期値219、220、221を初めとして、各年度ごとの、製品価格R1のトレンド(傾き)222とボラテイリテイ(ブレ幅)223、販売数量R2のトレンド(傾き)224とボラテイリテイ(ブレ幅)225、材料費R3のトレンド(傾き)226、とボラテイリテイ(ブレ幅)227、減価償却費214、株主資本合計215、有利子負債216などが挙げられる。図5では、事業経営計画の技法名として標準計画218と入力している。なお、標準計画218は特に規定するものではなく一般的によく生じると思われるものを標準計画218とすればよい。事業経営計画(技法ごと)の入力部のボタン「次へ」240を押すと、次の技法を入力する入力画面が現れる。図6は、技法として営業強化228を入力データに反映して入力した事業経営計画(技法ごと)入力画面22の入力の一例を示した図である。図5に示した標準計画218に対して、営業強化として販売数量R2のトレンド(傾き)224とボラテイリテイ(ブレ幅)225の増加を行っている。さらに、ボタン「次へ」240を押すと次の技法を入力する入力画面が現れる。図7は、技法として経費削減A238を入力データに反映して入力した事業経営計画(技法ごと)入力画面23の入力の一例を示した図である。図5に示した標準計画218に対して、材料費R3のトレンド(傾き)226とボラテイリテイ(ブレ幅)227を減らしている。また、材料費R3を経費削減A(238)とは異なる入力データに変えて例えば経費削減Bとして新たに入力することもできる(図示せず)。上記の入力項目を各々の技法について入力した後に、ボタン「完了」242を押して事業経営計画の入力を終了する。なお、技法の選択によっては、図5から図7に示した製品価格R1(211)、販売数量R2(212)、材料費R3(213)など以外の入力項目が入っていても構わない。
【0029】
次に、事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などを予測する事業経営計画シミュレーション部4では、例えばモンテカルロシミュレーションなどの方法により、各々の事業経営計画(技法)についてシミュレーションを行う。図8は、事業経営計画シミュレーション部4の入力画面の一例を示した図である。事業経営計画に従って、収益、経済付加価値などを予測する事業経営計画シミュレーション部4では、モンテカルロシミュレーションのサンプル数41を入力または選択して、ボタン「実行」42を押してシミュレーションを行う。図8に示した例ではサンプル数41は10000である。これは、図5において2002年度から2006年度の5年度を一つのサンプルとして、これを10000回シミュレーションすることである。結果表示の欄には、事業経営計画43として標準計画、技法1、技法2、技法3があり、表示項目44の欄には、価格(販売価格)、数量(販売数量)、材料費、税引き後営業利益NOPAT、後述する経済利益FIV(R)(Future Inspiration Value)があり、ここでは、標準計画とFIV(R)が選択されている。また、表示年度45は、シミュレーションした結果を表示する年度である。等分数46は、シミュレーションした結果を表示するグラフの最小値から最大値までの間の分割数である。サンプル数が少ないような場合は等分数を小さくして見やすくすることができる。ボタン「表示」47を押すとシミュレーションした結果が表示される。モンテカルロシミュレーションの具体的計算は、例えば以下のように行うことができる。販売価格Rl、販売数量R2、材料費R3は確率過程であり、事業経営計画において与えられたトレンドμとボラテイリテイρを用いた幾何ブラウン過程で表される。販売価格Rlを例にすると、販売価格R1のサンプル過程を以下の式のようにモンテカルロシミュレーションによって生成する。
【0030】
Rl(t+1)=Rl(t)+△Rl(t)・・・・(21)
△Rl(t)=Rl(t){μ(t)△t+ρ(t)ε√Δt}・・・・(22)
【0031】
ここで、εは標準正規乱数である。すなわち平均値が0で標準偏差が1の乱数である。1回のサンプルで5回乱数を発生させ(2002年度から2006年度)て、販売価格R1をシミュレーションするものである。また、tは時刻、Δは変分を意味する。販売数量R2、材料費R3についても、同様の方法でサンプル過程を生成することができる。
【0032】
次に、品質指標の算出部6においては、上述の方法により生成した販売価格Rl、販売数量R2、材料費R3のサンプル過程を用いて、経済利益FIV(R)のサンプル過程を算出するために、まず税引き後営業利益NOPATのサンプル過程を算出する。NOPATは、次の式(23)で表わせる。
NOPAT=(経常利益+支払い利息)×(1−税率)・・(23)
【0033】
ここで経常利益は、次の式(24)である。
経常利益=売上−減価償却費−製造コスト・・・・(24)
【0034】
また、売上、減価償却費、製造コストはそれぞれ式(25)、(26)、(27)で表わせる。
売上=販売価格Rl×販売数量R2・・・・(25)
減価償却費=設備投資額/償却期間・・・・・(26)
製造コスト=従業員の給与+材料費・・・・・(27)
従業員の給与=β×売上・・・・・・(28)
経済利益FIV(R)は、前述した式(18)に従って算出する。
経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本・・・(18)
【0035】
ここで、式(18)の加重平均資本コストは、次の式(18a)(18b)で求まる。
加重平均資本コスト={株主資本コスト率×株主資本合計×(1−税率)/投下資本}+{借入金利×有利子負債/投下資本}・・(18a)
投下資本=株主資本合計+有利子負債・・・(18b)
したがって、これらの式及び販売価格R1、販売数量R2、材料費R3などのサンプル過程から経済利益FIV(R)を求めることができる。
また、経営者の給与は、コストではなく、以下のように事業が生み出す経済利益FIV(R)に連動するものとする。
経営者の給与=α×FIV(R)・・・・・(29)
式(1)〜(20)の他の品質指標についても、事業経営計画の入力値から直接に、または経済利益FIV(R)に同様の方法を用いて算出できる。
【0036】
上記モンテカルロシミュレーションの結果を、シミュレーション結果の表示部5で表示する。各々の事業経営計画について各々の年度の、販売価格、販売数量、材料費、税引き後営業利益NOPAT、経済利益FIV(R)などを表示する。図9は、シミュレーション結果の表示部5での表示の一例を示した図である。図9では、画面の左側にてサンプル数41、選択した事業経営計画43、表示項目44、表示年度45、等分数46について表示し、画面の右側にて選択した表示項目のグラフ51を表示する。図9では、表示項目としてFIV(R)を表示している。このシミュレーションでは、FIV(R)は、27、000(百万円)近傍が最も高い度数を表わしている。逆にこの事業経営計画は、FIV(R)の27、000(百万円)が最も事業として可能性が高いということを表わしている。
【0037】
これにより事業経営計画をより確かなものにすることができる。
【0038】
次に、利害関係者の重要度入力部7で、各々の利害関係者の重要度を入力する。ここで、重要度とは、経営者の考える経営品質の設定であり、経営のねらいの明確化を意味する。図10は、利害関係者の重要度入力部7の入力の一例を示した図である。図10に示した利害関係者の重要度入力部7には、例えば利害関係者として株主、経営者、従業員を挙げている。図10において、各々の利害関者の重要度である株主ウエイト71、経営者ウエイト72、従業員ウエイト73をそれらの合計が100%となるように入力してボタン「確定」74を押す。
【0039】
この重要度により、経営者の事業経営計画に対するねらいを明確にするという効果がある。
【0040】
さらに、品質指標を利害関係者の重要度で重み付けする総合品質指標の算出部9では各々の事業経営計画(技法)について、各々の利害関係者の品質指標を重要度で重み付けして総合品質指標を算出する。総合品質指標は、利害関係者が株主、経営者、従業員の場合は、次の式(30)のように表わすことができる。
総合品質指標=Wl×株主の品質指標+W2×経営者の品質指標+W3×従業員の品質指標・・・・・・(30)
ここで株主の品質指標、経営者の品質指標、従業員の品質指標は、各利害関係者の要求にあうようにそれぞれ図2に示した主成分分析のような統計手法により、品質指標の定式化方法で求めることができる。一つの形としては、前述したように株主の品質指標は、式(18)の経済利益FIV(R)=税引き後営業利益−加重平均資本コスト×投下資本、従業員の品質指標は、式(28)の従業員の給与=β×売上、経営者の品質指標は、式(29)の経営者の給与=α×FIV(R)を使用することができる。
【0041】
利害関係者の要求を総合的に最大化する事業経営計画の選択部10では、前述の方法で算出した総合品質指標が最も大きい事業経営計画を選択する。
【0042】
最後に、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11において、各々の事業経営計画について、各々の利害関係者の品質指標と総合品質指標を表示する。図11は、総合品質指標及び事業経営計画の表示部11で表示した結果の一例を示す図である。図11においては、列方向にウエイト115及び標準計画116、営業強化117、経費削減A118、経費削減B119などの技法を取り入れた事業経営計画が表示されており、行方向に、利害関係者である株主、経営者、従業員の品質指標×ウエイト(W1、W2、W3)を表示した株主・W1(111)、経営者・W2(112)、従業員・W3(113)と標準計画からの変化率1110、1120、1130及び総合品質指標114が表示されている。図11に示した例では、総合品質指標114は、技法として営業強化117を採用した場合が1番大きい結果となっている。したがって、事業経営計画は、技法として営業強化117を採用することで各利害関係者の要求を最大限に満足させることができる。最後にボタン「終了」120を押すと一連の動作が終了する。
【0043】
これにより、総合品質指標が最大となる事業経営計画を選択することで、利害関係者の要求を総合的に最大化するように事業経営計画を策定する事が可能となる。
【0044】
以上説明した本発明は、前記した実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、事業計画を決定するための事業計画決定支援システムや企業経営の診断をする経営コンサルティング支援システムなどは、前述した利害関係者の品質指標や総合品質指標などを用いて実施することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る経営品質管理方法及びシステムによれば、各利害関係者の要求を定量化できる品質指標を定式化して、経営者が決めた重要度で利害関係者に配慮しながら株主価値を最大化するための事業経営計画を選択することができる。また、定量的な指標に基づく経営管理により、企業統治を効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る経営品質管理システムの構成と各構成要素間の関連を示す図である。
【図2】品質指標の定式化方法を示す図である。
【図3】財務・非財務データのテーブル構成を示す図である。
【図4】事業経営計画(共通部分)入力画面の入力の一例を示す図である。
【図5】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(標準計画)を示す図である。
【図6】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(営業強化)を示す図である。
【図7】事業経営計画(技法ごと)入力画面の入力の一例(経費削減A)を示す図である。
【図8】事業経営計画シミュレーション部の入力画面の一例を示す図である。
【図9】シミュレーション結果の表示部での表示の一例を示す図である。
【図10】利害関係者の重要度入力部の入力の一例を示す図である。
【図11】総合品質指標及び事業経営計画の表示部で表示した結果の一例を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・要求入力部
2・・・事業経営計画の入力部
3・・・品質指標を定式化するモデル作成部
4・・・事業経営計画シミュレーション部
5・・・シミュレーション結果の表示部
6・・・品質指標の算出部
7・・・重要度入力部
8・・・財務・非財務データベース
9・・・総合品質指標の算出部
10・・事業経営計画の選択部
11・・総合品質指標及び事業経営計画の表示部
Claims (7)
- 企業に関する利害関係者の要求及び企業が行う事業に関する利害関係者の要求又はいずれか一つの要求を考慮して企業の評価及び事業の評価又はいずれか一つの評価を行うための経営品質管理システムであって、
前記利害関係者の要求を入力する要求入力部と事業経営計画の入力部と前記利害関係者の要求に合うように品質指標を定式化するモデル作成部と事業経営計画シミュレーション部とシミュレーション結果の表示部と品質指標の算出部と利害関係者の重要度を入力する重要度入力部と利害関係者に望ましい企業についての財務・非財務データを記憶しておく財務・非財務データベースと品質指標を前記利害関係者の重要度で重み付けする総合品質指標の算出部と総合品質指標及び事業経営計画の表示部と、
を含むことを特徴とする経営品質管理システム。 - 企業に関する利害関係者の要求及び企業が行う事業に関する利害関係者の要求又はいずれか一つの要求を考慮して企業の評価及び事業の評価又はいずれか一つの評価を行うための経営品質管理方法であって、
前記経営品質管理方法は、前記利害関係者の要求と前記利害関係者にとって望ましい企業についての財務・非財務データを記憶しておく財務・非財務データベースとを基に各利害関係者の要求を定量化する品質指標を定式化することを特徴とする経営品質管理方法。 - 前記経営品質管理方法は、事業環境を考慮して設定した複数の事業経営計画に従ってシミュレーションにより事業経営計画を予測するとともに前記定式化した品質指標を用いて利害関係者の品質指標を算出することを特徴とする請求項2に記載の経営品質管理方法。
- 前記経営品質管理方法は、前記利害関係者の品質指標を利害関係者の重要度で重み付けした総合品質指標を求めるとともに、前記総合品質指標に基づいて事業経営計画を選択することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の経営品質管理方法。
- 前記経営品質管理方法は、前記各利害関係者の重要度と事業経営計画のシミュレーション結果と総合品質指標と総合品質指標により選択された事業経営計画とを出力または表示することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の経営品質管理方法。
- 企業に関する利害関係者の要求及び企業が行う事業に関する利害関係者の要求又はいずれか一つの要求を考慮して企業の評価及び事業の評価又はいずれか一つの評価を行うための経営品質管理システムに用いられる経営品質管理のためのコンピュータプログラムであって、請求項1に記載の経営品質管理システムを実現させることを特徴とする経営品質管理プログラム。
- 請求項6に記載の経営品質管理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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